JP2003010311A - 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用速硬性リン酸カルシウムセメント - Google Patents

高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用速硬性リン酸カルシウムセメント

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JP2003010311A
JP2003010311A JP2001203309A JP2001203309A JP2003010311A JP 2003010311 A JP2003010311 A JP 2003010311A JP 2001203309 A JP2001203309 A JP 2001203309A JP 2001203309 A JP2001203309 A JP 2001203309A JP 2003010311 A JP2003010311 A JP 2003010311A
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calcium phosphate
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Masahiro Hirano
昌弘 平野
Hiroyasu Takeuchi
啓泰 竹内
Tomohiro Umeda
智広 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療
用速硬性リン酸カルシウムセメントを提供する。 【解決手段】 生体骨補強治療用速硬性リン酸カルシウ
ムセメントを、質量%で、骨形成因子:5〜500pp
m、リン酸マグネシウム:0.03〜0.5%、第2リ
ン酸カルシウム:3〜10%、第4リン酸カルシウム:
10〜25%、α型第3リン酸カルシウムおよび不可避
不純物:残り、からなる配合組成を有する混合組成物で
構成し、かつ上記骨形成因子を上記第2リン酸カルシウ
ムの表面に付着担持された状態で存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、口腔外科を含む
医科の分野で生体骨補強治療に用いられ、高強度硬化体
の形成が可能な速硬性リン酸カルシウムセメントに関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、生体骨補強治療用セメントに
は、(1)硬化用水溶液を加えてスラリー化したスラリ
ーが凝固する凝結性、(2)凝固体が水分の存在下で硬
化する硬化性、(3)治療補強骨の運動を可能ならしめ
るに十分な硬化体強度、(4)硬化体が生体骨に再生す
る吸収置換性、などの特性を具備することが要求される
が、これらの特性を具備するセメントとして、従来各種
の生体骨補強治療用セメントが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一方、生体にとって硬
化体は異物であることから、できるだけ少ない硬化体使
用量で治療補強骨に所定量の強度が得られるのが望まし
いが、従来提案されている生体骨補強治療用セメントに
おいては、硬化体に十分な高強度が得られないために、
治療補強骨としての硬化体の使用量の低減化を満足に図
ることができず、このため硬化体の一段の強度向上が可
能な生体骨補強治療用セメントの開発が強く求められて
いる。また、この場合上記硬化体の硬化時間は、生体内
での骨形成上短いことが望まれている。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の観点から、硬化体の強度向上が可能で、かつ前記
硬化体の硬化時間の短縮も可能な速硬性を有する生体骨
補強治療用セメントを開発すべく研究を行った結果、従
来生体骨補強治療用セメントとして知られているリン酸
カルシウムセメントの構成を、質量%で(以下、%は質
量%を示す)、 第2リン酸カルシウム:3〜10%、 第4リン酸カルシウム:10〜25%、 α型第3リン酸カルシウムおよび不可避不純物:残り、 からなる配合組成を有する混合組成物に特定した上で、
このリン酸カルシウムセメントに、リン酸マグネシウム
を0.03〜0.5%の割合で配合すると、これの適用
に際して、これに硬化性水溶液を加えて形成したペース
トの流動性が前記リン酸マグネシウムの作用で一段と向
上し、当然の結果として気泡の巻き込みが著しく低減さ
れるようになることから、緻密な硬化体の形成が可能と
なり、形成された硬化体の強度は著しく向上したものに
なり、さらに同じく上記の特定したリン酸カルシウムセ
メントに、従来より骨生成を促進する蛋白質として知ら
れており、アパタイト等の生体骨治療用補填材の混合成
分として知られている骨形成因子の混合成分として知ら
れている骨形成因子を5〜500ppmの割合で、かつ
上記リン酸カルシウムセメントの構成成分である第2リ
ン酸カルシウムの表面に付着担持させた状態で配合する
と、上記硬化体の硬化時間が著しく短縮されるようにな
る、という研究結果を得たのである。 【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、 骨形成因子:5〜500ppm、 リン酸マグネシウム:0.03〜0.5%, 第2リン酸カルシウム:3〜10%、 第4リン酸カルシウム:10〜25%、 α型第3リン酸カルシウムおよび不可避不純物:残り、 からなる配合組成を有する混合組成物からなり、かつ上
記骨形成因子が上記第2リン酸カルシウムの表面に付着
担持された状態で存在してなる、高強度硬化体の形成が
可能な生体骨補強治療用速硬性リン酸カルシウムセメン
トに特徴を有するものである。 【0006】つぎに、この発明の生体骨補強治療用リン
酸カルシウムセメント(以下、単に本発明セメントとい
う)において、配合組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (a)骨形成因子 この成分には、5ppm以上の微量の割合で、セメント
から成形される硬化体の所定強度に至るまでの硬化時間
を著しく短縮させる作用があり、この作用を十分に発揮
させるためには、その配合割合が微量であることと相俟
って、セメントの構成成分である第2リン酸カルシウム
の表面に付着担持させた状態で配合することが不可欠で
あるが、その割合が5ppm未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方この硬化時間短縮の速硬性効果は
500ppmまでの配合割合で十分であり、500pp
mを超えて配合しても前記作用が飽和し、さらに一段の
向上効果が得られないことから、経済性も考慮して、そ
の割合を5〜500ppmと定めた。また、骨形成因子
としては、具体的にはインシュリン様成長因子(IG
F)、腫瘍増殖因子(TGF)、骨形成蛋白質(BM
P)、および繊維芽細胞成長因子(FGF)などの使用
が望ましい。 【0007】(b)リン酸マグネシウム この成分には、上記の通りセメントの適用に際して、ペ
ーストの流動性を向上させ、もって気泡の巻き込みを著
しく抑制して、緻密な硬化体の形成を可能にし、この結
果硬化体の強度向上に寄与する作用があり、この作用を
十分に発揮させるためには、本発明セメントの製造に際
して、構成成分である第2リン酸カルシウムと予め混練
した状態で、残りの構成成分である第4リン酸カルシウ
ムおよびα型第3リン酸カルシウムと配合する必要があ
るが、その割合が0.03%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その割合が0.5%を越えると硬
化体の硬化に要する時間が伸びる傾向が現われるように
なることから、その割合を0.03〜0.5%、望まし
くは0.1〜0.3%と定めた。 【0008】(c)第2リン酸カルシウム この成分には、ペーストの硬化体への凝結を促進する作
用があるが、その割合が3%未満では所望の凝結促進作
用を確保することができず、一方その割合が10%を越
えると、硬化時間が短くなりすぎて作業性の低下が避け
られなくなることから、その割合を3〜10%、望まし
くは4〜8%と定めた。 【0009】(d)第4リン酸カルシウム この成分には、硬化体が生体骨へ再生する吸収置換性を
促進する作用があるが、その割合が10%未満では前記
作用に所望の向上効果が得られず、一方その割合が25
%を越えると硬化体の強度が低下するようになることか
ら、その割合を10〜25%、望ましくは12〜20%
と定めた。なお、本発明セメントの硬化性水溶液として
は、通常実用に供されている硬化性水溶液、例えばコハ
ク酸2ナトリウムやコンドロイチン硫酸ナトリウム、さ
らに乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、およびピロ亜硫酸ナトリウ
ムなどのうちの1種または2種以上を所定量配合含有さ
せた水溶液、並びに蒸留水などを適用できる。 【0010】 【発明の実施の態様】つぎに、本発明セメントを実施例
により具体的に説明する。まず、本発明セメントの構成
成分であるα型第3リン酸カルシウムおよび第4リン酸
カルシウムを以下の通りに調製し、同じく骨形成因子と
しては上記のIGF、TGF、BMP、およびFGFを
使用し、さらにリン酸マグネシウムおよび第2リン酸カ
ルシウムも市販のものを使用した。 (1)α型第3リン酸カルシウムの調製 水酸化カルシウム:3モルを水:10リットルに懸濁さ
せ、これにリン酸:2モルを水で希釈してなる40%リ
ン酸水溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、滴下終了
後、室温に1日間放置し、ついで乾燥機を用い、110
℃に24時間保持の条件で乾燥して凝集体とし、引き続
いて前記凝集体を1400℃に3時間保持して焼成し、
焼成生成物を粉砕し、篩分にて篩目で88μm以下(平
均粒径:6.5μm)とすることにより純度:99.9
%のα型第3リン酸カルシウムを製造した。 【0011】(2)第4リン酸カルシウムの調製 水酸化カルシウム:4モルを水:10リットルに懸濁さ
せ、これにリン酸:2モルを水で希釈してなる40%リ
ン酸水溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、滴下終了
後、室温に1日間放置し、ついで乾燥機を用い、110
℃に24時間保持の条件で乾燥して凝集体とし、この凝
集体を、まず900℃に3時間保持の条件で仮焼結し、
引き続いて均一に粉砕した状態で、1400℃に3時間
保持の条件で焼成し、焼成生成物を粉砕し、篩分にて篩
目で88μm以下(平均粒径:6.5μm)とすること
により、第4リン酸カルシウムの含有割合が90・5%
で、残りが実質的に不可避不純物としての水酸アパタイ
トからなる混合生成物を製造した。なお、この実施例で
は上記混合生成物を第4リン酸カルシウムとして使用し
た。 【0012】つぎに、原料粉末として上記(1)、
(2)で得られたα型第3リン酸カルシウム、および第
4リン酸カルシウム、さらに上記の骨形成因子、市販の
リン酸マグネシウムおよび第2リン酸カルシウムを用
い、これら原料粉末を表1に示される配合割合にそれぞ
れ秤量し、これを以下に示す工程で混合組成物とした。
すなわち、まず、これら原料粉末のうちの骨形成因子を
4M塩酸グアニジン溶液に溶解し、さらにこの溶液に第
2リン酸カルシウムを加えて、これを透析管に装入し、
この透析管を蒸留水に浸漬し、前記蒸留水を撹拌して、
前記塩酸グアニジンを透析管を通して蒸留水中に抽出除
去する透析を行ない、ついで前記透析管内のスラリーを
回収して凍結乾燥することにより前記第2リン酸カルシ
ウムの表面に前記骨形成因子を付着担持させた。つぎ
に、上記の表面に骨形成因子を付着担持した第2リン酸
カルシウムに、まずリン酸マグネシウムを加えて混練機
で30分間十分に混練しておき、これにその他の原料粉
末である上記のα型第3リン酸カルシウムおよび第4リ
ン酸カルシウム加えて混合することにより、表1に示さ
れる配合割合の混合組成物からなる本発明セメント1〜
18をそれぞれ製造した。また、比較の目的で、表2に
示される通り、原料粉末として、上記のα型第3リン酸
カルシウム、第4リン酸カルシウム、および第2リン酸
カルシウムを用い、これら原料粉末を表2に示される配
合割合に配合し、混合することにより従来セメント1〜
13をそれぞれ製造した。 【0013】さらに、上記本発明セメント1〜18およ
び従来セメント1〜13から形成された硬化体の硬化時
間および強度を評価する目的で、これらセメントに、そ
れぞれコンドロイチン硫酸ナトリウム:5%、コハク酸
2ナトリウム・6水和物:15%、および亜硫酸水素ナ
トリウム:0.3%を含有し、残りが水からなる硬化用
水溶液を、質量比で、セメント:硬化用水溶液=3:1
の割合で加え、練和してスラリーとし、このスラリーを
凝結させて直径:6mm×高さ:12mmの寸法の円柱
状凝固体とし、この凝固体を、Na+:142.0m
M、K+:5.0mM、Mg2+:1.5mM、Ca2+:
2.5mM、Cl-:148.8mM、HCO3 -:4.
2mM、HPO4 2―:1.0mMを含有する水溶液(疑
似体液)中に浸漬して硬化させ、硬化体の圧縮強度が3
0MPaに至るまでの硬化時間、および前記疑似体液に
7日間浸漬後の硬化体の圧縮強度を測定した。この測定
結果を同じく表1に示した。 【0014】 【表1】 【0015】 【表2】 【0016】 【発明の効果】表1,2に示される結果から、混合組成
物に骨形成因子およびリン酸マグネシウムを配合した本
発明セメント1〜18は、これらの配合がない従来セメ
ント1〜13に比して硬化時間が相対的に速く、かつ形
成された硬化体も一段と高い強度をもつことが明らかで
ある。上述の通り、本発明セメントは、高強度を有する
硬化体の成形を可能とするものであり、治療補強骨の強
度向上に大いに寄与するほか、硬化体使用量の低減を図
ることができ、さらに相対的に短い硬化時間での高強度
硬化体の形成を可能とする速硬性をもつなど工業上有用
な特性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 智広 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社医用材料センター内 Fターム(参考) 4C081 AC04 CF02 DA11 4C089 BA16 BA20 CA02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 質量%で、 骨形成因子:5〜500ppm、 リン酸マグネシウム:0.03〜0.5%、 第2リン酸カルシウム:3〜10%、 第4リン酸カルシウム:10〜25%、 α型第3リン酸カルシウムおよび不可避不純物:残り、 からなる配合組成を有する混合組成物からなり、かつ上
    記骨形成因子が上記第2リン酸カルシウムの表面に付着
    担持された状態で存在すること、を特徴とする高強度硬
    化体の形成が可能な生体骨補強治療用速硬性リン酸カル
    シウムセメント。
JP2001203309A 2001-07-04 2001-07-04 高強度硬化体の形成が可能な生体骨補強治療用速硬性リン酸カルシウムセメント Withdrawn JP2003010311A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006289092A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Howmedica Leibinger Inc リン酸カルシウム系セメント
JP2021164636A (ja) * 2020-04-03 2021-10-14 HOYA Technosurgical株式会社 セメント凍結乾燥物、及びその製造方法

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