JP2003012698A - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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JP2003012698A
JP2003012698A JP2001193302A JP2001193302A JP2003012698A JP 2003012698 A JP2003012698 A JP 2003012698A JP 2001193302 A JP2001193302 A JP 2001193302A JP 2001193302 A JP2001193302 A JP 2001193302A JP 2003012698 A JP2003012698 A JP 2003012698A
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monoclonal antibody
antibody
hybridoma
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temperature
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English (en)
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Osamu Asami
修 浅見
Fumihiko Hoshino
文彦 星野
Takashi Shimamura
隆 嶋村
Yukio Yamada
幸生 山田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定性の良好なヒトアルブミンモノクローナル
抗体を提供する。 【解決手段】ヒトアルブミンモノクローナル抗体は、室
温における保存開始後30日以内において、保存前の抗
体価に対して80%以上の残存活性を有する、モノクロ
ーナル抗体を提供する。このモノクローナル抗体によれ
ば、ヒトアルブミンに対する結合活性が安定して保持さ
れるため、例えば、免疫学的分析用試薬の有効成分とし
て使用することにより、正確性および絶対的定量性の精
度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノクローナル抗
体、特に、安定性の高いモノクローナル抗体のスクリー
ニング方法、そのようなモノクローナル抗体の産生する
ハイブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病性腎症は、糖尿病の主要な合併症
の一つであり、旧来は検尿法により尿タンパク陽性をも
って、診断されてきた。しかし、この方法によって診断
される時期には既に腎不全が進行している場合が多いた
め、これに代わる早期診断法が望まれていた。
【0003】近年、尿中タンパクの増加に先立ち、微量
のアルブミンが尿中に認められることが明らかになり、
糖尿病腎症の早期診断マーカーとしてアルブミンが注目
されてきている。微量マーカーの特異的検出には、これ
に対する特異的抗体を用いることが有利である。
【0004】このため、抗体を用いて尿中アルブミンを
検出するシステムが市販されている。本願と同一出願人
によって先に出願され公開されている特開2000−1
39460号公報には、ヒトアルブミンと高速で抗原抗
体反応を検出可能なまでに達成し、短時間で尿中アルブ
ミンを検出できるモノクローナル抗体やハイブリドーマ
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗原抗
体反応を用いる検出システムとしては、システム作製後
から使用するまでの間に、抗体が徐々に結合能を失うと
いう問題があった。例えば、多くのヒトアルブミンモノ
クローナル抗体自体の結合能は、室温で10日保存する
ことにより、おおよそ50%以下になる。このため、測
定精度の低下を回避するためには、被験試料の測定と同
時に標準アルブミンによる検量線を作製する必要があっ
た。さらに、検出感度が低下することは避けられない問
題であった。特に、前述したように、糖尿病腎症の検出
には、尿中の微量アルブミンの検出を確実にかつ定量精
度よく達成する必要がある。なお、システム調製後から
使用時までの間を低温で貯蔵することは現実的ではな
い。
【0006】一方、各種モノクローナル抗体を安定化す
るための安定化剤を並存させるという手段も採用されて
いる。しかしながら、熱安定性の高いモノクローナル抗
体を創出し、これを用いるという試みは未だなされてい
ない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトアル
ブミンを免疫原として、抗ヒトアルブミンモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマから、特に、熱安定性
の高いモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
樹立した。すなわち、前記免疫原によりマウスを免疫
し、このマウスの脾細胞とマウスミエローマ細胞とを細
胞融合してハイブリドーマを得た。さらに、得られたハ
イブリドーマの培養液上清を、一定の温度条件で処理し
た後にその抗体価を測定して、抗体価の良好なハイブリ
ドーマを選択して、本発明のハイブリドーマを得た。こ
うして得られる本発明による代表的なハイブリドーマが
マウスハイブリドーマ細胞6A12株である。なお、マ
ウスハイブリドーマ細胞6A12株は、2001年6月
21日付けで受託番号FERM BP−7635とし
て、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セン
ター(住所:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中
央第6)でに寄託されている。このようして得られたハ
イブリドーマから取得されるモノクローナル抗体は、高
い熱安定性を有している。すなわち、高温における安定
性のみならず常温における安定性も有している。かかる
モノクローナル抗体によれば、ヒトアルブミン検出シス
テムを作製しても、当初の検出感度をより長期にわたっ
て維持し、また、標準試料を用いた検量線を用いなくて
も定量性を確保できる。また、この方法によれば、ハイ
ブリドーマの抗体価測定工程前に培養液上清を加熱処理
するため、加熱処理後の抗体価測定により、一段階で熱
安定性のあるモノクローナル抗体産生能のあるクローン
をスクリーニングすることができる。このように、抗体
価の一次スクリーニングに先だって、加熱処理をするこ
とは、従来のスクリーニング方法とは全く相違する点で
ある。通常、抗体産生細胞スクリーニングは、産生され
たそのままの抗体の抗体価の大小を検出し、その後、抗
体価の有無あるいは大小に基づいてクローニングを行な
っていた。本発明は、抗体の結合特異性や抗体産生能の
大小に基づいてハイブリドーマをクローニングしようと
するものではなく、熱安定性モノクローナル抗体の検出
しようとするからこそ、従来の抗体価の一次スクリーニ
ングを排除できる。さらに、既存あるいは新規なモノク
ローナル抗体に対し、所定の温度条件下でのスクリーニ
ングを実施することによって、安定性の良好なモノクロ
ーナル抗体が得られる。
【0008】すなわち、本発明は、熱的安定性の高いモ
ノクローナル抗体、その取得方法、その製造方法及び免
疫学的試薬に関し、以下の手段を提供する。 (1)ヒトアルブミンに対するモノクローナル抗体であ
って、このモノクローナル抗体は、室温における保存開
始後30日以内において、保存前の抗体価に対して80
%以上の抗体価を有する、モノクローナル抗体。 (2)マウスハイブリドーマ細胞6A12株(受託番号
FERM BP−7635)によって産生される抗ヒト
アルブミンモノクローナル抗体。 (3)(1)に記載のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマ。 (4)マウスハイブリドーマ細胞6A12株(受託番号
FERM BP−7635)である、(3)記載のハイ
ブリドーマ。 (5)熱的に安定なモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマのスクリーニング方法であって、抗体産生細
胞とミエローマ細胞とを細胞融合してハイブリドーマを
得る工程と、取得されたハイブリドーマの培養液上清を
少なくとも熱処理する工程と、熱処理工程後に、前記抗
体産生細胞に由来する抗体価を測定する工程、を有す
る、方法。 (6)(5)記載の方法によって単離されるハイブリド
ーマである、(3)記載のハイブリドーマ。 (7)(3)、(4)及び(6)のいずれかに記載のハ
イブリドーマを培養する工程を有する、(1)記載のモ
ノクローナル抗体の製造方法。 (8)安定性の高いモノクローナル抗体をスクリーニン
グする方法であって、(a)被験モノクローナル抗体
を、40℃〜60℃の一定温度下に少なくとも30分間
曝す工程、(b)前記(a)工程後に、被験モノクロー
ナル抗体の抗体価を測定する工程、(c)以下に示す条
件の少なくとも一つに合致する被験モノクローナル抗体
を選択する工程、(i)試験温度が40℃〜50℃のい
ずれかの温度において、前記被験モノクローナル抗体の
加熱処理工程前の抗体価に対する残存活性が80%以上
である(ii)試験温度が45℃〜55℃のいずれかの温
度において、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工
程前の抗体価に対する残存活性が70%以上である(ii
i)試験温度が50℃〜60℃のいずれかの温度におい
て、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工程前の抗
体価に対する残存活性が60%以上である、を含む方
法。 (9)前記被験モノクローナル抗体は、抗ヒトアルブミ
ン抗体である、(8)記載の方法。 (10)(8)又は(9)に記載の方法によって単離さ
れる、(1)記載のモノクローナル抗体。 (11)(1)、(2)および(10)のいずれかに記
載のモノクローナル抗体を含む、尿中ヒトアルブミンの
免疫学的分析用試薬。 (12)(1)、(2)および(10)のいずれかに記
載のモノクローナル抗体を含む、尿中ヒトアルブミンの
免疫学的分析用装置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のモノクローナル抗体は、
ヒトアルブミンに結合能を有している。免疫原として
は、各種市販のヒト血清アルブミンあるいはその一部、
あるいはヒトアルブミンに特異的なペプチド鎖を使用で
きる。なおヒトアルブミンの一部又は特異的ペプチド鎖
は、各種公知の方法で調製することができる。本発明の
モノクローナル抗体は、他のウシ血清アルブミンや卵白
アルブミン等と交差しない、特異的結合性を有している
ことが好ましい。
【0010】ヒトアルブミン由来の免疫原は、適当はア
ジュバントと混合して免疫動物に投与される。アジュバ
ントには、フロイントコンプリート(FCA)あるいは
インコンプリートアジュバント等が公知であり、各種ア
ジュバントを必要に応じて使用する。免疫操作は、抗体
価の上昇が確認できるまで適数回行なわれる。本発明に
おいて用いる免疫動物は、特に限定しないが、例えば、
細胞融合用の骨髄腫細胞株が多く存在し、かつ高確立で
ハイブリドーマを樹立する技術が確立されている動物種
を用いることが好ましい。例えば、マウスが好ましい免
疫動物である。また、免疫操作は、動物個体に対して行
なうものに限定されず、培養した免疫担当細胞に対して
インビトロで免疫感作して抗体産生細胞を得ることもで
きる。取得された抗体産生細胞は、本発明のモノクロー
ナル抗体を得るためにスクリーニング及びクローニング
可能に形質転換される。好ましくは、抗体産生細胞は、
ミエローマ細胞との細胞融合によってハイブリドーマと
する。
【0011】ハイブリドーマは、ヒトアルブミンに対す
る結合活性に基づいてスクリーニングされる。本発明に
おいては、好ましくは、ハイブリドーマの培養液上清
を、一定条件で加熱処理し、この処理液を、ヒトアルブ
ミンに対する結合活性の測定に供する。加熱処理条件
は、温度と時間とで規定されるが、激しすぎても有効な
スクリーニングを達成できず、また、穏やかすぎても同
様である。好ましくは、50℃〜70℃であり、より好
ましくは55℃〜65℃である。特開平に、55℃〜6
5℃であると、適度な時間設定、例えば、15分〜1時
間程度(好ましくは30分以上)で、効果的に熱的安定
性の有無あるいはその程度を検出できる。55℃未満で
あると、熱安定性の有無あるいはその程度を検出しにく
く、65℃を超えると多くのタンパクが速やかに失活す
る温度であり、この場合も熱的安定性の程度を検出しに
くい。最も好ましくは、約60℃である。なお、後述す
るように、60℃、30分の加熱処理後において抗体価
を検出できるクローンから、従来のヒトアルブミンモノ
クローナル抗体に比して良好な耐熱性を備えるモノクロ
ーナル抗体が得られている。
【0012】次いで、熱処理後の培養液上清の抗体価を
測定する。抗体価の測定は、例えば、ヒトアルブミンを
固定化したELISA用マイクロプレートに処理液を加
え、インキュベートし、標識したモノクローナル抗体
(典型的にはマウス抗ヒトアルブミン抗体/アルカリフ
ォスファターゼコンジュゲート)を添加し、洗浄後にウ
エルに対してアルカリフォスファターゼ活性等の標識化
合物によって呈される活性を測定することによって行な
うことができる。なお、抗体価の検出のためには、各種
の標識抗体を用いることができる。例えば、上記したア
ルカリフォスファターゼをはじめとする各種酸素の他、
各種の蛍光物質、発光物質等で標識した抗体を用いるこ
とができる。また、標識の態様は、抗体に直接標識して
あってもよいし、アビヂン−ビオチン系を用いた間接標
識されていてもよい。
【0013】通常、細胞融合して得られたハイブリドー
マを、まずその抗体産生能をスクリーニングし、その
後、さらに別途のスクリーニングを施して所望のクロー
ンを得るのであるが、本工程では、これらのハイブリド
ーマの産生するモノクローナル抗体(培養液上清)に対
して、一定条件下における加熱処理を経た後に、抗体価
を測定することにより、簡易に効率的に熱安定性を有す
るモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクロー
ンを得ることができる。
【0014】なお、熱安定性であったクローンについて
はさらに、ウシ血清アルブミンあるいは卵白アルブミン
等の他のアルブミンに交差しない抗体を産生している細
胞を選択するスクリーニングを実施することができる。
本発明においては、好ましくは、ウシ血清アルブミン及
び卵白アルブミンとの交差性に基づくスクリーニングを
行う。以上のようなスクリーニングを経て選択されたク
ローンは必要に応じてサブクローニングされる。
【0015】得られたハイブリドーマを適当な条件下で
培養し、産生される抗体を回収することにより、本発明
のモノクローナル抗体を得ることができる。ハイブリド
ーマがホモハイブリドーマである場合には、同系の動物
の腹腔空に接種して生体内培養が可能であり、この動物
の腹水からモノクローナル抗体を回収できる。また、ヘ
テロハイブリドーマの場合には、ヌードマウスを宿主と
して使用して生体内培養が可能である。
【0016】適当な条件を設定することにより、生体外
培養によっても本発明のモノクローナル抗体を製造でき
る。かかる生体外培養に好ましく用いられる培地や添加
剤は当業者においてよく知られている。生体外培養によ
る場合には、培養上清からモノクローナル抗体を回収す
ることができる。
【0017】回収されたモノクローナル抗体は、さら
に、飽和硫安塩析、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティクロマトグラフィー等の当業者に
周知の手段により精製することができる。
【0018】このようにして得られた抗ヒトアルブミン
モノクローナル抗体は、高温における安定性を備えるの
みならず、常温における安定性、さらには酸やアルカリ
等に対する安定性も備えている。本発明のマウスハイブ
リドーマ細胞6A12株由来のヒトアルブミン特異モノ
クローナル抗体は、室温(20℃〜30℃)における長
期安定性試験において、20日経過後に95%以上、3
0日経過後に80%以上(好ましくは90%以上)、4
0日経過後に70%以上(好ましくは80%以上)、6
0日経過後に60%以上(好ましくは70%以上)の安
定性を有していることが確認されている(図1参照)。
【0019】また、本発明のモノクローナル抗体および
/または既製のモノクローナル抗体に対して、さらに、
熱安定性を評価することにより、高温における安定性お
よび常温における安定性に優れるモノクローナル抗体を
得ることができる。特に、6A12株由来モノクローナ
ル抗体を評価の指標として用いることにより、各種の条
件の熱安定性試験における指標を容易に設定することが
できる。熱処理条件は、得ようとする安定性レベルによ
っても異なるが、好ましくは、40℃〜65℃の一定温
度下に一定時間曝すことが好ましい。40℃未満である
と、熱安定性の差がでにくく、また65℃を超えると、
タンパク質の変性程度が大きすぎて熱安定性の差がでに
くい。好ましくは、40℃〜60℃の一定温度に曝すよ
うにする。その後、抗体価を測定し、加熱処理前の抗体
価に対する残存活性を指標に熱安定性の良好なモノクロ
ーナル抗体をスクリーニングできる。本発明のモノクロ
ーナル抗体としては、例えば、以下に示す条件の少なく
とも一つに合致するものを採用することができる。 (i)試験温度が40℃〜50℃のいずれかの温度にお
いて、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工程前の
結合活性に対する残存活性が80%以上である (ii)試験温度が45℃〜55℃のいずれかの温度にお
いて、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工程前の
結合活性に対する残存活性が70%以上である (iii)試験温度が50℃〜60℃のいずれかの温度に
おいて、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工程前
の結合活性に対する残存活性が60%以上である 本発明のハイブリドーマである6A12株からのヒトア
ルブミン特異モノクローナル抗体と市販品との比較によ
れば、上記した温度範囲において、明確に本発明のモノ
クローナル抗体と市販品との残存活性を区別できること
が確認されており、上記温度範囲における残存活性%を
指標とすることにより、熱安定性の高いヒトアルブミン
モノクローナル抗体が選抜できることが確認されてい
る。
【0020】さらに、一定温度で一定時間後における残
存活性、あるいは残存活性の経時変化を評価することに
よっても、好ましいヒトアルブミンモノクローナル抗体
を選抜できる。温度は、40℃〜65℃の範囲のいずれ
かの温度であることが好ましいが、より好ましくは50
℃〜65℃の範囲の一定温度である。好ましくは、55
℃〜65℃である。本発明のハイブリドーマである6A
12株からのヒトアルブミン特異モノクローナル抗体と
市販品との比較によれば、上記した温度範囲において、
本発明のモノクローナル抗体と市販品との残存活性を明
確に区別できることが確認されており、上記温度範囲に
おける残存活性%を指標とすることにより、熱安定性の
高いヒトアルブミンモノクローナル抗体が選抜できるこ
とが確認されている。処理時間は温度にもよるが、30
分から2時間程度であることが好ましい、特に、60℃
における6A12株由来ヒトアルブミン特異モノクロー
ナル体と市販品とを比較すると、30分後には、市販品
は残存活性が20%以下であり、1時間後には10%以
下、2時間後には、ほとんど残存活性がなかったのに対
し、6A12株由来抗体は、それぞれ80%、60%、
50%以上の残存活性を有していた。また、60℃にお
ける安定試験では、30分以上6時間以内で6A12株
由来抗体と市販抗体との間に明確な差が認められてい
る。
【0021】本発明のモノクローナル抗体は、ヒトアル
ブミンの免疫学的な分析に使用できる。特に、熱安定性
および常温安定性に優れるので、当初の検出感度を維持
でき、また、絶対定量性を確保して簡易でかつ正確な検
査用試薬として有用である。本発明のモノクローナル抗
体を免疫学的分析用試薬は、免疫学的沈降反応を利用し
た分析系、免疫学的粒子凝集反応を利用した分析系、サ
ンドイッチ法を利用する分析系、競合阻害反応原理を利
用した分析系等の各種公知の分析系(方法及び装置を含
む)に適用することができる。特に、糖尿病性腎症の初
期を検出するのに有用な尿中ヒトアルブミン検査用試薬
となる。すなわち、日常的なケア及び観察が必要とされ
る糖尿病患者あるいは糖尿病素因者が自宅で尿を採取し
て、尿中アルブミン量を自己管理するのに非常に有用で
ある。
【0022】本発明のモノクローナル抗体によれば、高
温における安定性及び常温における安定性が優れるた
め、取り扱いや貯蔵が容易であるとともに、当該抗体の
結合活性に基づく免疫学的反応による分析系においてア
ッセイを精度よくまた正確に実施できる期間を長期化す
ることができる。したがって、本モノクローナル抗体を
含む組成物は、研究用試薬や検査用試薬等の各種分析用
試薬や分析用装置に有用である。また、熱的安定性が高
いことから、結晶化工程、精製工程等の各種の抗体に関
する操作においても取り扱いが容易であり、操作を複雑
化することがない。したがって、本モノクローナル抗体
産生細胞を培養してモノクローナル抗体を製造する方法
は、工業的な生産に有用であるとともに、得られたモノ
クローナル抗体は、工業的に実施されるヒトアルブミン
の製造方法の精製手段として及び他の薬剤や治療剤を製
造する場合におけるアルブミンの除去手段としても有用
性が高い抗体となっている。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、安定性の高いヒトアル
ブミン特異モノクローナル抗体を得ることができ、抗体
の経時的失活に起因する課題を解決できる。すなわち、
免疫学的分析系における絶対的定量性の確保及び検出感
度の確保が容易となる。また、その安定性に基づいて、
ヒトアルブミン特異抗体を使用する、薬剤、治療剤、試
薬等の製造においても、工程における抗体安定性確保の
ための操作を簡略化することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体例について説明するが、
これらの具体例は、本発明の正確な理解のために提示さ
れるものであり、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0025】(実施例1)ハイブリドーマの作製 ヒトアルブミン10mg/mlが15μl、ヒトIgA
2.9mgが52μl及びPBSが1.43mlからな
る抗原液1.5ml中の1.4mlを、等量のフロイン
トアジュバントと注射器内にて混合し、エマルジョンと
した。このエマルジョンを別の注射器に1ml採取し、
投与抗原量が0.2mgとなるように、雌5週令BAL
B/cマウスの腹腔内に注射した。この操作を2週間毎
に2回行い、ELISA法により抗体生産を確認した
後、同マウスの腹腔内に抗原注射を打った。
【0026】免疫終了後のマウス脾細胞を取り出し、RP
MI 1640培地10mlで細胞をほぐした後、15ml容の
遠心チューブに移して放置した。そして、塊が沈んだ上
清を別の遠心チューブに移し、1500rpmで5分
間、上清を捨て、細胞をほぐし10mlのRPMI 1640培
地を加えた。
【0027】この細胞懸濁液から、後述するミエローマ
細胞の5倍相当量を採取し、1500rpmで5分間遠
心して上清を捨てた後、融合バッファー5mlを加え
た。これを1500rpmで5分間遠心して上清を捨
て、融合バッファーにて4×10 7細胞/mlとした。
【0028】ミエローマ細胞については、マウス骨髄腫
細胞を取り出してRPMI 1640培地で細胞をほぐし、細胞
数をカウントした後、1500rpmで5分間遠心分離
して上清を捨て、融合バッファーにて8×106細胞/
mlとした。
【0029】(実施例2)高安定性モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマのスクリーニング 上記により調製された脾細胞とミエローマ細胞とを、
5:1の細胞数割合で用いて電気細胞融合法により融合
させた後、いわゆるHAT培地に分散し96ウェルマイ
クロプレートにて培養した。ハイブリドーマ細胞の出現
したウェルを目視でチェックし、その培養液上清をサン
プリングした。高安定性の抗体をスクリーニングするた
めに、培養液上清を一旦60℃30分間処理したのち、
ただちに抗ヒト血清アルブミン抗体価の有無を測定し
た。即ち、ヒト血清アルブミンをあらかじめコーティン
グしたELISA用マイクロプレートに上記熱処理培養
液上清を加え、1時間インキュベートし、洗浄後、抗マ
ウスイムノグロブリンG/アルカリフォスファターゼコ
ンジュゲートを1時間反応させ、洗浄後ウェルに結合し
ているアルカリフォスファターゼ活性を測定した。通常
のスクリーニング法では熱処理工程がないが、このよう
な方法を用いることで、単なる抗体の生産能でなく高い
耐熱性ひいては高安定性のモノクローナル抗体を得るこ
とができる。こうして得られた抗体産生株はマウスハイ
ブリドーマ細胞6A12株と名付けた。
【0030】(実施例3)抗体の熱安定性比較 その1 6A12株を培養して得た上清より、モノクローナル抗
体を精製し、当該抗体と市販されている抗ヒト血清アル
ブミンモノクローナル抗体3種とについて安定性試験を
実施し安定性を比較した。まず、各抗体をPBS(等張
リン酸緩衝液)に希釈し、腐敗防止のために0.01%
のアジ化ナトリウムを添加し、室温で70日間放置し、
ELISAにより抗体価を経時的に測定した。なお、室
温とは、おおよそ20℃〜30℃を意味し、本安定性試
験は、この範囲に温度制御されかつ湿度が30〜70%
R.Hで制御された装置(暗所)内で実施された。安定性
試験前の抗体価を100%として、所定時間経過時の残
存抗体価を%で表示した。結果を図1に示す。6A12
株由来抗体は室温でより長時間にわたって、市販抗体よ
りも著しい安定性を示した。すなわち、約10日間経過
時において、6A12株由来抗体がほぼ100%の残存
活性を有していたのに対し、市販品群では40〜50%
の残存活性であり、20日間経過時に、6A12株由来
抗体が依然として約100%であるのに対し、市販品群
は10〜40%であり、早期に顕著な安定性の差が観察
された。特に試験開始後10日間内において市販品は顕
著に残存活性が低下した。さらに、6A12株由来抗体
は、30日経過時に90%、40日経過時に80%、0日
経過時に80%、70日経過時に70%を維持していた。
【0031】以上の結果によれば、6A12株由来抗体
は、市販品抗体に比較して室温において顕著に高い安定
性を示しており、当該抗体は、高温における安定性に優
れるだけでなく、室温における安定性も高いことが示さ
れた。
【0032】(実施例4)抗体の熱安定性比較 その2 6A12株を培養して得た上清より、モノクローナル抗
体を精製し、当該抗体と市販されている抗ヒト血清アル
ブミンモノクローナル抗体3種(実施例3で使用したの
と同一種類である。)とについて安定性試験を実施し安
定性を比較した。まず、各抗体をPBS(等張リン酸緩
衝液)に希釈し、30℃、40℃、50℃、60°、7
0℃、及び80℃の各温度で30分間処理し、ELIS
Aにより抗体価を測定した。安定性試験前の抗体価を1
00%として、処理後の残存抗体価を%で表示した。結
果を図2に示す。6A12抗体は特に50℃以上で市販
抗体よりも著しい安定性を示した。これらの結果によれ
ば、少なくとも40℃以上、好ましくは50℃以上60
℃以下でヒトアルブミンモノクローナル抗体を処理する
ことにより、これらの熱安定性を評価し、高温で安定で
ありおよび/または室温で安定である抗ヒトアルブミン
モノクローナル抗体をスクリーニングできることが明ら
かであった。
【0033】(実施例5)抗体の熱安定性比較 その3 6A12株を培養して得た上清より、モノクローナル抗
体を精製し、当該抗体と市販されている抗ヒト血清アル
ブミンモノクローナル抗体3種(実施例3と同一種類で
ある。)とについて安定性試験を実施し安定性を比較し
た。まず、各抗体をPBS(等張リン酸緩衝液)に希釈
し、60℃で30分間から6時間処理し、ELISAに
より抗体価を測定した。温度処理前の抗体価を100%
として、処理後の残存抗体価を%で表示した。結果を図
3に示す。6A12株由来抗体は60℃でより長時間に
わたって、市販抗体よりも著しい安定性を示した。これ
らの結果によれば、60℃における安定性では、30分
以上6時間以内の処理時間内では、6A12株由来抗体
と市販品の安定性は明確に区別できることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3における安定性試験結果を示すグラフ
図である。
【図2】実施例4における安定性試験結果を示すグラフ
図である。
【図3】実施例5における安定性試験結果を示すグラフ
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 C12R 1:91 // G01N 33/577 C12N 5/00 C (C12P 21/08 15/00 C C12R 1:91) (72)発明者 嶋村 隆 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 幸生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA44 DA02 GA03 HA15 4B029 AA07 BB17 FA12 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA91X BA08 CA25 CA46 4H045 AA11 CA40 DA76 EA50 FA72

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトアルブミンに対するモノクローナル抗
    体であって、 このモノクローナル抗体は、室温における保存開始後3
    0日以内において、保存前の抗体価に対して80%以上
    の抗体価を有する、モノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】マウスハイブリドーマ細胞6A12株(受
    託番号FERM BP−7635)によって産生される
    抗ヒトアルブミンモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】マウスハイブリドーマ細胞6A12株(受
    託番号FERM BP−7635)である、請求項3記
    載のハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】熱的に安定なモノクローナル抗体を産生す
    るハイブリドーマのスクリーニング方法であって、 抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合してハイブ
    リドーマを得る工程と、 取得されたハイブリドーマの培養液上清を少なくとも熱
    処理する工程と、 熱処理工程後に、前記抗体産生細胞に由来する抗体価を
    測定する工程、 を有する、方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の方法によって単離されるハ
    イブリドーマである、請求項3記載のハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】請求項3、4および6のいずれかに記載の
    ハイブリドーマを培養する工程を有する、請求項1記載
    のモノクローナル抗体の製造方法。
  8. 【請求項8】安定性の高いモノクローナル抗体をスクリ
    ーニングする方法であって、(a)被験モノクローナル
    抗体を、40℃〜60℃の一定温度下に少なくとも30
    分間曝す工程、(b)前記(a)工程後に、被験モノク
    ローナル抗体の抗体価を測定する工程、(c)以下に示
    す条件の少なくとも一つに合致する被験モノクローナル
    抗体を選択する工程、(i)試験温度が40℃〜50℃
    のいずれかの温度において、前記被験モノクローナル抗
    体の加熱処理工程前の抗体価に対する残存活性が80%
    以上である(ii)試験温度が45℃〜55℃のいずれか
    の温度において、前記被験モノクローナル抗体の加熱処
    理工程前の抗体価に対する残存活性が70%以上である
    (iii)試験温度が50℃〜60℃のいずれかの温度に
    おいて、前記被験モノクローナル抗体の加熱処理工程前
    の抗体価に対する残存活性が60%以上である、を含む
    方法。
  9. 【請求項9】前記被験モノクローナル抗体は、抗ヒトア
    ルブミン抗体である、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】請求項8又は9に記載の方法によって単
    離される、請求項1記載のモノクローナル抗体。
  11. 【請求項11】請求項1、2および10のいずれかに記
    載のモノクローナル抗体を含む、尿中ヒトアルブミンの
    免疫学的分析用試薬。
  12. 【請求項12】請求項1、2および10のいずれかに記
    載のモノクローナル抗体を含む、尿中ヒトアルブミンの
    免疫学的分析用装置。
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