JP2003014609A - 微小領域散乱プローブ、プローブの距離制御方法およびプローブの作製方法 - Google Patents
微小領域散乱プローブ、プローブの距離制御方法およびプローブの作製方法Info
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Abstract
失による光の利用効率が低い。本発明は散乱型SNOMに準
ずるため、近接場光の利用効率が高く、加工などの目的
にも利用できる。また探針部を持たない微小領域プロー
ブを利用することでプローブを機械的に破損することも
軽減できる。倒立型の顕微鏡をベースに構成しているた
め、従来の顕微観察も行え、さらに詳細部の構造をSNOM
によって観察できるシステムが提供できる。プローブの
交換の作業が容易であることから操作性の向上が実現で
きる。 【解決手段】 マイクロ加工で作製された誘電体からな
る板状チッププローブを対物レンズと一体にして近接場
プローブとして用い、従来の顕微鏡の光学系を利用でき
るように顕微鏡に組み込んで近接場検査装置に利用す
る。
Description
射もしくは光励起することにより、固体表面のナノメー
トル領域における形状観察や光物性測定を行うことを目
的とする走査型近接場顕微鏡に使用する光プローブとな
る微小領域散乱プローブと、プローブの距離制御方法お
よびプローブの作製方法に関する。
て、図2を参照しながら説明する。図2aはPtIr等
で作製された先端Rの小さな針型形状のプローブがプリ
ズム表面に近接した様子を示している。プリズム背面か
ら全反射照明され、プリズム表面に生成するエバネッセ
ント場を針の先端で散乱させることにより超解像を得る
という手法で散乱型SNOM(Scanning Near-Field
Optical Microscope)と呼ばれている。この手法によ
りIBMのWickermachineらは、基板表面上の油滴を3
nmの分解能で観察できることを報告した。最近では、
表面プラズモンの電場増強効果により吸光度が極めて小
さい試料の測定も測定感度を増大させることができると
いう点で注目されている(H.Kano et al. Opt.Let
t., 21-22,1848-1850 (1996))。
nt No.4469554)(特開平6−130302号公報)(特開平7-17
4542号公報)、(特開平6-160719号公報)などに記載さ
れており開口型SNOMと呼ばれるものである。プローブと
してはガラスキャピラリおよび光ファイバーを尖鋭化
し、さらに周囲を金属コートして作製する。これらのプ
ローブはマイクロ加工技術の発達に伴い先端部が非常に
尖ったプローブを作製することができるようになってい
る。プローブの端からレーザー光を先端の開口まで導
き、そこに作製された微小な穴(開口)から試料表面を
励起することにより超解像を得るという手法である。
飾する事により波長変換するタイプのプローブが報告さ
れている(USPatentNo.5546223, PatentNo.5105305,
USPatentNo.5479024)。
己発光タイプの光プローブが報告されている(特開平11
-29227号公報)。
構成の高密度メモリに関しては、STM制御によりプロ
ーブ―記録媒体間に電圧を印加することにより記録を行
い、AFM構成で記録ビット形状を検出することにより
再生を行う記録再生装置や、記録及び再生中の探針位置
制御をAFMの原理を応用して行う記録再生装置や、探
針を支持する弾性体の変形を利用して、記録及び再生中
に探針を記録媒体表面を追従させる記録再生装置の提案
もなされている(特開平1−245445号公報、特開
平4−321955号公報)。
乱型SNOMは試料下(プリズム側)から光を照明する必要
があるために、試料が透明であるという制限があった。
また試料に絶えず光を照明するために試料が光退色して
しまうという問題があった。
のスループットが小さいために、利用できる光量が少な
く測定におけるS/Nが問題であったし、記録や加工は現
実問題として困難であった。さらに光ファイバー等で作
製されたプローブは、細くて折れやすいファイバーを扱
う操作が非常に煩雑であった。また目的によって、異な
る波長の光を利用したい場合、ファイバーにカットオフ
波長があるために、波長ごとにそれぞれ異なる光ファイ
バーでプローブを作る必要があった。レーザー光源は単
色性の良い光を発振することから、広い波長範囲の光を
得るためには、非線形光学効果を使った波長変換が必要
であるが、ファイバー自体の透過する光の波長制限があ
るために、走査型近接場顕微鏡における試料の吸収測定
などは行えなかった。
全反射を使う散乱型SNOMでは界面の影響のため使用に制
限が生じ、開口型SNOMの場合は開口の形を制御すること
が難しいという問題があった。
開口点だけ発光させる方式(特開平11-29227号公報)も
提案されているが、プローブとしては光量が少ないとい
う欠点があった。
ため励起光を効率よく利用でき、かつ電場の増強効果も
利用でき、さらに容易に交換可能なプローブシステムを
提案する。
を用いた開口型のプローブでは導波路内への光結合の際
の損失や開口付近での光のロスのため、光の利用効率は
極めて悪くなる。
あることや試料を絶えず照明してしまう問題があった。
本発明では、薄板状の散乱型プローブを開発した。励起
光学系を工夫し、試料側ではなくプローブ側から光を導
くことにより開口型同様の微小領域励起を行い、かつ強
い電場強度の光を利用できるということが特徴である。
またマイクロマシンプロセスで作製することによりプロ
ーブの生産効率を上げ、均質なものを作り出すことが可
能となる。チップ状の形体のため取り扱いも容易なもの
となる。
側にプローブがあるために試料とプローブが離れている
ときには試料に光が照明されず、従来の散乱型プローブ
とは異なり、試料の光退色を生じさせることはない。こ
のことはバックグラウンドの光レベルを下げることにな
るため光記録等、光検出のS/Nをあげる場合に有利な方
法である。また開口型プローブのようにプローブ先端に
金属をコーティングする必要がないので、先端サイズを
小さく作製することができ、空間分解能を落とすことも
無い。また、プリズムや対物レンズとプローブを組み合
わせたことにより、顕微鏡を使うのと同様、光学系の操
作や観察位置の調整が非常に扱いやすくできる。散乱型
のプローブであるため、光の波長・偏光面の条件は光源
側で設定できる。また試料―プローブ間の距離制御に新
しい制御法を提案する。探針の機械的特性でなく、光で
制御を行うため、材料が受ける環境の影響による不安定
性は生じない。異なる波長の光や広い波長範囲の光を使
用することができ、吸収測定なども可能となる。
図面を参照して説明する。
領域散乱プローブ1の構造を説明する図である。図1a
ではナノメートルスケールで平坦化した誘電体2表面に
幅50nm、高さ50nmの微小突起3が作製されてい
る。部材としての誘電体2は市販され安価で容易に入手
できる屈折率1.52のガラス板を用いるが、この屈折
率の値は大きいことが望ましい。微小突起3部分の材質
は誘電体でもよいし金属であってもよい。金属の場合に
は後に示すように表面プラズモンの電場増強効果が利用
できる。表面プラズモンの共鳴条件を微小領域散乱プロ
ーブ1と試料の光距離制御に用いることもできるし、励
起光の場合には、さらに高い励起密度を実現できる。突
起形状は、AFMとして試料の表面凹凸を計測するために
は円錐またはピラミッド形状が望ましい。
下面から入射され、誘電体2表面で全反射されるような
臨界角以上の角度で用いる。このとき誘電体2の表面に
はビームスポット径のエリアにエバネッセント波が生じ
ている。性能の高い集光光学系を用いるとビームスポッ
トは光の波長の半分程度までは絞ることができるが、本
発明の微小領域散乱プローブ1は集光光学系のレンズ開
口数が分解能を決めるわけではないのでμmのオーダー
でよい。エバネッセント波は表面に局在している定在波
であるので外から観察することはできない。この中に微
小突起3のような場を乱す構造体が存在するとき、エバ
ネッセント波は散乱光(進行波)へと変換される。散乱
光に変換されると外部から観察できるので、散乱を生じ
ている構造体、ここでは微小突起3が微小光源のサイズ
を決めることになる。
m程度の大きさのところに段差1μm程度のステップ4
を設けてある。微小突起3は50nm程度の大きさのた
め、顕微鏡で拡大しても見えないので直接観察による光
学系の調整は行えない。そのためプローブ部材にステッ
プ4を設け光学系調整の際の目印とする。ただし入射ビ
ームはこの半径5μm程度の内側に収まるように集光す
る。レーザービームがステップにかかってしまうとエッ
ジによる散乱を生じてしまうためである。
1を探すための目印であるので、上記のような段差に限
るものではなく、基板上に作製した周期的な構造などで
もよい。
表面のAFM凹凸像を取得するためには図1aのような微
小突起3形状がよい。しかし試料表面の形状情報はあま
り重要でなく、光学情報だけを利用するという用途も考
えられる。例をあげると、光ディスクのような記録媒体
の場合は広い範囲であらかじめ構造が分かっている平ら
な試料の上を一定の隙間をもってプローブが走査し、高
分解の光学情報(高密度記録)を検出するような場合で
ある。このような場合にはむしろ、試料表面に傷がつい
ても問題となる。その場合には、図1bのような窪み5
の形態を持つ微小領域散乱プローブ1を用いることも可
能である。また図1cのように屈折率が部材の誘電体2
より0.5程度大きいか、または小さいような屈折率部6
をもつような微小領域散乱プローブ1を用いることも可
能である。図1aの微小突起3が金属でよいのと同様
に、屈折率部6は金属であってもかまわない。
領域散乱プローブ1への入射光学系を示したものであ
る。図3aでは入射光の結合光学系としてプリズムを用
いている。プリズムは導波路のように非常に薄く光を結
合するのが困難な場合など、容易に効率的に光を結合で
きる光学素子である。プリズムの屈折率は微小領域散乱
プローブ1の屈折率と同じ物を用いる。また入射角のマ
ッチングを取り、接合面表面の荒れによる散乱の原因を
除去するため、同じ屈折率のイマルジョンオイル22で
接合する。また走査型プローブ顕微鏡では測定の際に外
来の振動が問題となるので、微小領域散乱プローブ1自
体を安定にプリズムに固定できかつ微小領域散乱プロー
ブを容易に交換できるという利点がある。
側(図の下面)から微小領域散乱プローブ表面や試料を
観測できない。このために図3aではプリズム7を2つ
組み合わせて用いている。当然のことながらこれらプリ
ズムは同じ屈折率のものを使用し、同じ屈折率のイマル
ジョンオイル22で接合する。これによって微小領域散
乱プローブ1の接着位置や微小領域散乱プローブ1と試
料の相対位置などを微小領域散乱プローブ1下面からC
CDカメラで観察しながら調整できるようになってい
る。
ら光を観測するために図3bに示すようにプリズム下面
をカットした形状のものを用いてもかまわない。
光の入射と微小領域散乱プローブ1のモニターを同時に
行う光学系としては図3cに示すような開口数(NA)
の大きな対物レンズ8を用いる方法が考えられる。対物
レンズ8はレンズの外側部分を使って全反射照明を行う
ことが必要であるために入射口24が広いことも重要な
条件となる。微小領域プローブ1に屈折率1.52のガラス
を用いた場合は空気の屈折率がほぼ1であるので、全反
射の臨界角θは41.8°となる。具体例としてNA1.65の対
物レンズ(オリンパス製PlanApo,100X OHR)のを用い
ると入射口24が大きくなっているので、図に示すよう
にNA1.4に相当する部分が4.8mm、その外側にまだ0.6m
mずつあるため臨界角以上で利用するのに余裕がある。
るプローブ−試料距離制御光学系と励起光学系の説明を
行う。対物レンズ8を結合系に用い、微小領域散乱プロ
ーブ1をイマルジョンオイル22で接合した様子を示し
ている。対物レンズ8には波長の異なる2本のビームが
それぞれ全反射の臨界角以上で入射してある。それぞれ
プローブ−試料間距離の制御用ビーム9、励起用ビーム
10と呼ぶことにする。制御用ビーム9は有機物など試
料を直接励起する波長帯でないことが重要で、近赤外・
赤外域であることが望ましい。
と、次の図4b、図4cの2通りが可能である。図4b
では入射側の45度ミラー11の内側部分12を上下に
制御用ビーム9が通過し、外側部分13の左右を励起用
ビーム10が通過するように使用する。
よってドーナツ状に整形したあと、入射側の45度ミラ
ー11の内側部分12を制御用ビーム9が通過し、外側
部分13を励起用ビーム10が通過するように使用す
る。図4b、図4cいずれも場合でも45度ミラー11
の内側部分12、外側部分13にはそれぞれで使用する
波長に対応したダイクロミックミラーとして加工しても
よいし、全反射ミラーとして加工してもかまわない。内
側部分12よりさらに内の中心部14は対物レンズ8か
らの光を下に透過させる部分であるので、ガラス部分が
なくてもよい。
ーブ−試料間距離制御機構を説明する図である。簡単の
ためプリズムを用いて描いており、レーザー光は図4に
描いた制御用ビーム9を意味している。
で入射した光はプリズム7表面にエバネッセント波を生
じ、プリズム7内部に戻ってくる。微小突起3と比較す
るとはるかに大面積の試料15がプリズム7表面近傍に
接近するとエバネッセント波が乱され、散乱光を生じ
る。全反射の場合100%の光が反射されてくるので、
エネルギーの総和を式で書くと 入射光=反射光+散乱
光 となり、検出器16により全反射して戻ってくる光
量をモニターすることにより、試料の接近を知ることが
できる。
間距離制御が行える。図5bは屈折率1.5のガラスから
入射した光が空気(屈折率1)の界面で反射する反射率
の角度依存性を示している。Rs、RpはそれぞれS偏
光、P偏光の光の場合を示している。偏光面に関係な
く、臨界角は41.8°であり、グラフのカーブは臨界角に
近づくにしたがって急激に大きくなるる。このグラフは
屈折率1.5の媒体から屈折率1の媒体への光の入射の場
合を表しており、空気に代わって屈折率が1以上の媒体
の場合にはカーブは高角度側にシフトし、臨界角は大き
くなる。試料が接近することは屈折率1から1より大き
いものへの全反射条件に変化することに相当するので入
射光を臨界角ぎりぎりで用いた場合、散乱による光の損
失以外に、全反射条件が満たされなくなることにより反
射光量自体が減少するという大きな効果が距離制御に利
用できる。
く、プローブ−試料間の接近を制御する方法がある。図
5cは図5aの入射光学系にキャビティーを形成した図
を示している。キャビティーを作る場合にはプリズムの
外側に反射率の高い高反射ミラー25を置き、キャビテ
ィー内部に定在波をたてる。プローブ部に試料が近づく
ことによりキャビティーの共振条件が崩れるために、上
記方法より感度よく距離を検出できる。キャビティーを
作ることによりプローブ表面には入射光と反射光の干渉
により干渉縞様のエバネッセント波が生じるが、微小突
起の高さは小さく、試料の面の接近を検出することが目
的なので計測には問題ない。また高反射ミラー25を用
いるためキャビティー内部の光量自体は無い場合に比べ
て弱くなるが、あくまでも励起光ではなく距離検出のた
めに用いているので、計測には問題ない。
属の場合、もしくは計測する試料が金属である場合には
エバネッセント波により表面プラズモンを励起できる。
その場合には特定の入射角によって反射光量が減衰する
という現象が生じるので表面プラズモン励起の共鳴条件
を距離制御に用いることもできる。
高速でON/OFFすることによっても制御することができ
る。検出器には高速応答性のものを使用する。プリズム
表面(試料面)が清浄な表面の場合にはONからOFFへの
電気的変調速度で光の強度が減衰するが、表面に屈折率
1以上の物が接近している場合には光の減衰に差が生じ
る。このことを利用することでも距離制御が可能であ
る。
み合わせによってプローブ−試料間の距離制御を行うこ
とが可能である。
領域散乱プローブ1を走査型近接場光学顕微鏡に用いる
場合の機械的動作機構について説明する図である。図6
aは微小領域散乱プローブ1設置部を示す。倒立型顕微
鏡の対物レンズ8に帽子を被せるようにプローブステー
ジ17がのせられ、対物レンズの周囲におかれたゴム2
3の上に設置される。プローブステージ17上面は円形
状に穴が空けられており、対物レンズとはどこも接触し
ていない。プローブステージひさし部19は対物レンズ
8の周りに3軸対称の位置に配置されたマイクロメータ
ー18により、ゴム23に向かって押し付けられること
によって対物レンズ8と相対的なXY位置を調整すること
ができる。さらに均等にゴムを押し込むことにより、上
に乗せた微小領域散乱プローブ1に対して対物レンズの
Zフォーカシング調整を行う。微小領域プローブをイマ
ルジョンオイル22で対物レンズ8に接着したまま、上
記の操作を行い、微小領域散乱プローブ1の中心を図1
で示したステップ4を目印としながらレンズ視野の中心
に合わせる。この他に、試料−プローブ間のXYZ位置合
わせ粗動機構と圧電素子を使った同微動機構がシステム
として必要であるため上記で説明したプローブ位置合わ
せ機構は小さく堅固に作る必要がある。上記プローブス
テージ17は微小領域散乱プローブ1と光学系を一体と
して扱える利点がある。
せ粗動機構を示している。圧電素子による3軸微動機構
(スキャナー27)は下面に試料を下向きに保持してお
り、顕微鏡試料ステージ20にのっている。顕微鏡試料
ステージ20をXY方向に動かすことにより、微小領域散
乱プローブを保持した対物レンズ8に対して試料を相対
的にXY方向に移動を行うことができる。Z方向の粗動機
構は微小領域散乱プローブを保持した対物レンズを上下
させることによって行う。微小領域散乱プローブへ光の
結合が対物レンズによって行われているが、この光学系
は無限遠焦点系なので対物レンズ8を上下に動かしても
計測に問題は無い。対物レンズのレボルバー26を使用
することにより微小領域プローブを乗せていない、通常
の対物レンズに交換するための自由度も確保されてお
り、従来の顕微鏡の機能も同様に使用できる。
素子による3軸微動機構(スキャナー27)を乗せた台
を上から見た図である。スキャナー27下面に試料が固
定されるが、試料自体の厚みや固定の際に傾きが生じる
ため、試料面は微小領域散乱プローブに対して水平では
ない。3軸対称に配置されたスクリュー21により試料
面の水平調整を行う。微小領域散乱プローブを対物レン
ズの中心に合わせる位置決め機構や、微小領域散乱プロ
ーブ−試料間のXYZ位置合わせ粗動機構と独立であるこ
とが重要である。試料面の水平調整は通常の対物レンズ
に切り替えておくと作業がスムーズに行える。スクリュ
ー21は均等に足の長さ調整を行うことで試料と微小領
域プローブとのZ距離調整も行える。スキャナー27は
中空になっているので透明な試料の場合は落射顕微鏡で
透過光も観察可能である。
領域散乱プローブ作製工程を示した図である。走査型プ
ローブ顕微鏡はその位置制御の正確さから、材料表面の
検査のみでなくナノサイズの加工にもすぐれた装置であ
る。本発明のようなナノサイズの突起の作製が行えると
ともに、同時に検査を行うことができる。
なる、基板と金属膜の構成を示した図である。表面を平
坦化処理した高屈折率(n=1.74)で厚さ0.14
〜0.17mmのガラス基板28をイソプロピルアルコー
ル,およびアセトンで順次超音波洗浄を行い、最後にUV
オゾン(O3)洗浄により、表面を親水性にする。その上
に、イオンアシストによる真空蒸着法により、Ti膜29
を約50nm堆積させる。このTi膜29を局所的に酸化さ
せることで微小突起を作製するが体積膨張が膜の約2倍
になることから、この数値は、100nm程度の高さの突
起を作る場合においてである。突起の形状は理論的に円
錐型が望ましい( D.Richards et. al , J. Microscopy
202 66-71 (2001))とされるが、そのためにはTi膜は
緻密であり、かつ基板と密着性よいことが必要である。
そのために上記、表面洗浄と親水処理、イオンアシスト
法による成膜は重要である。
極酸化により作製する様子を示した図である。表面にAu
をコーティングしたAFM探針30を用い、Tiに陽極、A
uに陰極を接続する。AFM探針30はTi膜29に接触して
いることが必要であるので、コンタクトモードAFMでチ
ップとTi膜29との距離を制御しておく。両者に電圧を
加えるとチップに接する部分のみが陽極酸化される。酸
化の機構は大気に存在する水分がAFM探針30とTi膜2
9表面の間に付近に吸着しており、電気化学的な酸化反
応が生じるためである。Ti膜29中に酸素(O)が入り
込むことにより体積膨張するため局所的な盛り上がりが
生じるが、AFM探針30はコンタクトモードAFMでTi膜3
0との間の距離を一定とするよう制御しているために微
小突起31の成長を妨げることや破壊することはない。
条件は湿度やAFM探針30のサイズ等要因により多少変
化するが、経験上、15V程度の電圧を2分間印加する
と、Tiの酸化がガラス面まで達し、所望の形状が出来上
がる。
起31以外の金属膜部分を除去した状態を示した図であ
る。熱HCl溶液に図7(b)で作製した基板ごと浸すと金属
Tiを溶かされ、基板上にはTiO2の微小突起31のみが残
る。TiO2は組成にもよるが屈折率は550nmの波長で
2.5程度のものができる。(M.Vergohl et. Al ,Thin
Solid Films 351 42-47 (1999))。これはガラス基板の
屈折率よりも大きいために、図1で説明した励起方法に
おいて、光が突起内部にまで入り込み表面にエバネッセ
ント場を生じさせることができる。
ものも行うことができ、SiO2の微小突起31が作製でき
る。その場合、微小突起31と基板のガラス28が同じ
材質で作製できるため、一体物のチッブができると期待
できるが、基板の平坦性を壊さずSiのみを取り去る方法
がないので現状では難しい。
法で、上記微小突起31を鋳型と、ポリマーなどの透明
で型成形特性のよい材料にナノプリントし、量産する方
法も考えられる。図8に、本発明の第9実施形態例であ
る微小領域散乱プローブの量産プロセスについて説明す
る。この場合、陽極酸化する膜は上に述べたTi、Siどち
らの方法でもよいが、型を取るという工程を考えると、
基板の平坦性突起物と基板の密着性ポリマーと基
板との遊離特性を考慮する必要がある。また直接微小突
起チップとして使うのではないので、部剤が透明である
必要はない。そこで、Si基板上にSiO2の微小突起を作る
ことが一番よいと考えられる。
例で説明した方法によりSiO2の微小突起31を作製した
物を示している。これを金型とし、加工材料32表面に
図8(b)に示すようにプレスする(ナノプリンティン
グ)。加工材料32としてはアルミ、金、ニッケル、樹
脂、レジスト等を用いる。金型の部分を除去すると加工
材料32に超微細構造パターンが転写される(図8
(c)。このパターンにポリマー等の透明で型成形性のよ
い材料で写し取ると図8(d)のような微小突起チップ33
が完成である。ポリマーとしては、紫外線硬化性樹脂
(EPON SU-8 (n=1.51)[US Patent No. 4882245
(1989)])が考えられる。SU-8を用いた近接場チップの
作製法はファイバープローブ型のものがB.J.Kim ら(J.
Microscopy 202126-21, (2001))が報告しているが、そ
こでの方法はMEMSで作製されたチップへの転写であり、
本発明とはチップ先端部分の作製法がまったく異なる。
ポリマーとしてはこのほかに光ディスク等に利用されて
いるポリカーボネート(n=1.58)やメチルメタク
リレート(n=1.49〜1.54), ,ポリスチレン
(n=1.59)などで型成形行ってもよい。
ーブであるため、励起光を効率よく利用でき、また針状
の形態をしていないために高価なプローブを機械的に破
壊してしまうということを低減でき、プローブの交換作
業が容易で操作性のよいシステムとなる。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。先端が
先鋭化されたペンシル型の光プローブという形態をとら
ず、薄板上に微小突起を有しているためプローブの取り
扱いによる破損の恐れが軽減される。顕微鏡に取り付け
て使用するためプローブの取り替え作業も必要ないとい
う点で安価なものになり、操作性は格段に向上する。光
ファイバー等の導波路内に光を伝播させることによる光
の損失、また微小開口から光をトンネル現象で透過させ
ることによる光の損失により利用できる光の効率はきわ
めて低かったが、本発明のプローブでは微小領域の散乱
を光源として利用するために利用効率は高い。散乱現象
が光源であるために可視から近赤外まで利用できる波長
も広く、パルス光源を利用した場合の波長分散、時間分
散を気にする必要は無い。また微小領域(または試料)
に金属を使用する場合には表面プラズモン共鳴を使うこ
とで、電場の強度をさらに大きくできるという利点があ
る。したがって吸収測定、蛍光測定、時間分解吸収測
定、時間分解蛍光測定等に利用可能である。大量生産・
高品位もプローブがマイクロマシンプロセスにより製造
可能である。さらに近接場光学を利用した化学合成や光
加工技術、光記録などに利用できる。
いる。
る。
を示している。
系と励起光学系を示している。
制御制御機構を説明する図である。
Z粗動機構を示している。
微小領域散乱プローブ作製工程を示した図である。
微小領域散乱プローブ作製工程を示した図である。
Claims (24)
- 【請求項1】 近接場光学顕微鏡に用いる光プローブで
あって、屈折率の大きな薄い板状の誘電体から成りかつ
表面がナノメートルオーダーで平らであり、その表面付
近の微小不均一領域が作製されることにより、エバネッ
セント光を散乱させることを特徴とする微小領域散乱プ
ローブ。 - 【請求項2】 前記微小領域散乱プローブの微小不均一
領域はナノスケールの平らな面に作製された微小突起で
あることを特徴とする請求項1記載の微小領域散乱プロ
ーブ。 - 【請求項3】 前記微小領域散乱プローブの不均一領域
はナノスケールの平らな面に作製された微小な低屈折率
領域であることを特徴とする請求項1記載の微小領域散
乱プローブ。 - 【請求項4】 前記微小領域散乱プローブの微小不均一
領域はナノスケールの平らな面に作製された微小窪みで
あることを特徴とする請求項1記載の微小領域散乱プロ
ーブ。 - 【請求項5】 前記微小領域散乱プローブの微小不均一
領域は誘電体であることを特徴とする請求項1から請求
項4記載の微小領域散乱プローブ。 - 【請求項6】 前記微小領域散乱プローブの微小不均一
領域は金属であることを特徴とする請求項1から請求項
4記載の微小領域散乱プローブ。 - 【請求項7】 前記微小領域散乱プローブは基板の微小
不均一領域の周囲にステップもしくは周期的な構造を設
けていることを特徴とする請求項1から請求項6記載の
微小領域散乱プローブ。 - 【請求項8】 前記微小領域散乱プローブへの光の結合
は、プローブ背面から入射し、光をプローブ表面で全反
射させることにより表面にエバネッセント波を生じさせ
ることを特徴とする請求項1から請求項7記載の微小領
域散乱プローブ。 - 【請求項9】 前記微小領域散乱プローブへの光の結合
に用いる光学系は微小領域散乱プローブ部材と同じ屈折
率の誘電体で作製されたプリズムであり、かつ微小領域
散乱プローブとプリズムの間を同じ屈折率の油浸オイル
で密着させることを特徴とする請求項8記載の微小領域
散乱プローブ。 - 【請求項10】 前記微小領域散乱プローブへの光の結
合に用いる光学系はNA1.4以上の油浸対物レンズで
あり、かつ微小領域散乱プローブと対物レンズ間を同じ
屈折率の油浸オイルで密着させることを特徴とする請求
項8記載の微小領域散乱プローブ。 - 【請求項11】 前記微小領域散乱プローブは表面プラ
ズモンの共鳴現象により近接場の電場強度を増幅して用
いることを特徴とする請求項8から請求項10記載の微
小領域散乱プローブ。 - 【請求項12】 前記微小領域散乱プローブに使用する
光学系は対物レンズを使用することにより試料に対する
偏光面を自由に変更できることを特徴とする請求項8か
ら請求項11記載の微小領域散乱プローブ。 - 【請求項13】 前記微小領域散乱プローブに使用する
光の波長として近紫外から近赤外までを同時に連続して
使用できることを特徴とする請求項8から請求項12記
載の微小領域散乱プローブ。 - 【請求項14】 前記微小領域散乱プローブを試料表面
に近接させる方法として、励起光の減衰量を用いること
を特徴とする請求項8から請求項13記載の微小領域散
乱プローブの距離制御方法。 - 【請求項15】 前記微小領域散乱プローブの距離制御
方法における励起光の減衰量とはプラズモン励起による
エネルギー吸収もしくは光吸収ピークの波長シフトであ
ることを特徴とする請求項14記載の微小領域散乱プロ
ーブの距離制御方法。 - 【請求項16】 前記微小領域散乱プローブの距離制御
方法における励起光の減衰量とは試料面の接近に伴う散
乱光の増大であることを特徴とする請求項14記載の微
小領域散乱プローブの距離制御方法。 - 【請求項17】 前記微小領域散乱プローブを試料表面
に近接させる方法として、少なくとも励起光学系に共振
器を形成しており、共振器の共鳴条件が試料接近に伴い
変化することを用いることを特徴とする請求項14から
請求項16記載の微小領域散乱プローブの距離制御方
法。 - 【請求項18】 前記微小領域散乱プローブを試料表面
に近接させる方法として、全反射の臨界角で光を入射す
ることにより全反射条件を満たし、これを閾値とした際
に、試料接近に伴い変化することを用いることを特徴と
する請求項8から請求項13記載の微小領域散乱プロー
ブの距離制御方法。 - 【請求項19】 前記微小領域散乱プローブは励起光と
プローブ試料間距離制御光の独立な2本の光を用いるこ
とを特徴とする請求項14から請求項18記載の微小領
域散乱プローブの距離制御方法。 - 【請求項20】 前記微小領域散乱プローブへの2本の
ビームの入射は、リング状のビームにすることにより空
間的に等方的であり干渉を防ぐことを特徴とする請求項
14から請求項19記載の微小領域散乱プローブの距離
制御方法。 - 【請求項21】 前記微小領域散乱プローブの作製方法
はガラス基板表面に成膜したTi膜をAuコーティングした
AFM探針により局所的に陽極酸化したのち、周辺のTi膜
を取り去ることによる微小領域散乱プローブの作製方
法。 - 【請求項22】 前記微小領域散乱プローブの作製方法
はガラス基板表面に成膜したTi膜をAuコーティングした
AFM探針により局所的に陽極酸化したのち、周辺のTi膜
を取り去ることにより突起を作製した後、アルミ、金、
ニッケル樹脂、レジスト等の加工材料表面にプレスする
ナノプリンティング技術で金型を作製し、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタク
リレート等の透明で成形性のよいポリマーまたは紫外線
硬化性樹脂等で型取りすることによる微小領域散乱プロ
ーブの作製方法。 - 【請求項23】 前記微小領域散乱プローブの作製方法
はガラス基板表面に成膜したSi膜をAuコーティングした
AFM探針により局所的に陽極酸化したのち、周辺のSi膜
を取り去ることにより突起を作製した後、アルミ、金、
ニッケル樹脂、レジスト等の加工材料表面にプレスする
ナノプリンティング技術で金型を作製し、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタク
リレート等の透明で成形性のよいポリマーまたは紫外線
硬化性樹脂等で型取りすることによる微小領域散乱プロ
ーブの作製方法。 - 【請求項24】 前記微小領域散乱プローブの作製方法
はSi基板をAuコーティングしたAFM探針により局所的に
陽極酸化したのち、周辺のTi膜を取り去ることにより突
起を作製した後、アルミ、金、ニッケル樹脂、レジスト
等の加工材料表面にプレスするナノプリンティング技術
で金型を作製し、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリメチルメタクリレート等の透明で成形
性のよいポリマーまたは紫外線硬化性樹脂等で型取りす
ることによる微小領域散乱プローブの作製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002080235A JP4035598B2 (ja) | 2001-03-28 | 2002-03-22 | 微小領域散乱プローブの作製方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001-93837 | 2001-03-28 | ||
| JP2001093837 | 2001-03-28 | ||
| JP2002080235A JP4035598B2 (ja) | 2001-03-28 | 2002-03-22 | 微小領域散乱プローブの作製方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003014609A true JP2003014609A (ja) | 2003-01-15 |
| JP4035598B2 JP4035598B2 (ja) | 2008-01-23 |
Family
ID=26612423
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002080235A Expired - Lifetime JP4035598B2 (ja) | 2001-03-28 | 2002-03-22 | 微小領域散乱プローブの作製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4035598B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006308475A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 近接場光電子顕微鏡 |
| KR20150045392A (ko) * | 2013-10-18 | 2015-04-28 | 메디칸(주) | 광학 현미경 |
-
2002
- 2002-03-22 JP JP2002080235A patent/JP4035598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006308475A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 近接場光電子顕微鏡 |
| KR20150045392A (ko) * | 2013-10-18 | 2015-04-28 | 메디칸(주) | 광학 현미경 |
| KR102253124B1 (ko) * | 2013-10-18 | 2021-05-14 | 메디칸(주) | 광학 현미경 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4035598B2 (ja) | 2008-01-23 |
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