JP2003014765A - センサーおよびそれを用いた物質の反応の検出方法 - Google Patents

センサーおよびそれを用いた物質の反応の検出方法

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JP2003014765A
JP2003014765A JP2001200854A JP2001200854A JP2003014765A JP 2003014765 A JP2003014765 A JP 2003014765A JP 2001200854 A JP2001200854 A JP 2001200854A JP 2001200854 A JP2001200854 A JP 2001200854A JP 2003014765 A JP2003014765 A JP 2003014765A
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sensor
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Takayuki Okamoto
隆之 岡本
Ichiro Yamaguchi
一郎 山口
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RIKEN
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗原抗体反応などの各種物質の反応をリアルタ
イムで検出することを可能にする。 【解決手段】第1の物質と第2の物質との反応を検出す
るために用いるセンサーであって、基板と、上記基板上
に互いに相互作用を生じさせない間隔を開けてそれぞれ
配設された、第1の金属微粒子と、上記第1の金属微粒
子に結合された第1の物質とを有し、第2の物質を結合
した第2の金属微粒子を上記基板に供給すると、上記第
1の物質と上記第2の物質とが反応して結合することに
より、上記第1の物質と上記第2の物質を介して上記第
1の金属微粒子と上記第2の金属微粒子とが結合し、上
記第1の金属微粒子と上記第2の金属微粒子とが互いに
相互作用を生じさせるように近接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサーおよびそ
れを用いた物質の反応の検出方法に関し、さらに詳細に
は、各種物質の反応、例えば、抗原抗体反応などを検出
する際の、所謂、バイオセンサーとして用いて好適なセ
ンサーおよびそれを用いた物質の反応の検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種物質の反応、例えば、抗
原抗体反応の検出には、蛍光分子で標識された抗体が用
いられている。
【0003】ところで、こうした抗体を標識する蛍光分
子は、抗体が抗原と結合せずに存在しても、また、抗体
が抗原抗体反応により抗原と結合しても、同じ蛍光を発
する。
【0004】このため、蛍光分子で標識された抗体を用
いる場合には、抗原と結合せずに存在している抗体を洗
浄処理によって取り除き、その後で、蛍光分子の発光を
測定することにより抗原抗体反応の検出を行う必要があ
った。
【0005】即ち、蛍光分子で標識された抗体を用いる
抗原抗体反応の検出には、上記したような洗浄処理を行
うことが欠かせないので、抗原抗体反応をリアルタイム
で検出することができないという問題点があった。
【0006】また、抗体を標識する蛍光分子の発光の測
定には、光源としてレーザーを用いる必要があるので、
抗原抗体反応を検出する装置が高価なものになるという
問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、抗原抗体反応な
どの各種物質の反応をリアルタイムで検出することを可
能にしたセンサーおよびそれを用いた物質の反応の検出
方法を提供しようとするものである。
【0008】また、本発明の目的とするところは、抗原
抗体反応などの各種物質の反応を検出する際に、安価に
検出することを可能にしたセンサーおよびそれを用いた
物質の反応の検出方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、金属微粒子同士の間隔、即ち、金属微粒
子と金属微粒子との間の距離の変化により生ずる金属微
粒子同士の相互作用の影響を受けた表面プラズモン共鳴
の共鳴波長のシフトを利用するようにしたものである。
【0010】より詳細には、粒径が入射光の波長より十
分に小さい金や銀などの金属微粒子に、該入射光を照射
すると、ある波長において非常に強い吸収が生じる。こ
れは金属微粒子中の自由電子が入射光の電場に対して共
鳴的に振動するためであり、この現象は表面プラズモン
共鳴と呼ばれている。
【0011】ここで、金属微粒子として金の微粒子を例
にとって、表面プラズモン共鳴について説明する。
【0012】まず、金の微粒子が孤立して存在する場
合、即ち、金の微粒子同士が互いに相互作用を生じさせ
ない間隔を開けて離隔して存在する場合には、波長52
0nm付近でこの表面プラズモン共鳴が起きる。その結
果、緑色の光が吸収されて、金の微粒子は赤色を呈す
る。
【0013】なお、本明細書においては、「金属微粒子
同士が互いに相互作用を生じさせない間隔を開けて離隔
して存在する場合の表面プラズモン共鳴」を、「孤立金
属微粒子による表面プラズモン共鳴」と適宜称すること
とする。また、「金属微粒子同士が互いに相互作用を生
じさせない間隔」を、「所定の間隔G」と適宜称するこ
ととする。
【0014】そして、互いに相互作用を生じさせない所
定の間隔Gを開けてそれぞれ離隔して存在している金属
微粒子同士が接近して、金属微粒子と金属微粒子の間の
距離が所定の間隔Gより短くなり、金属微粒子同士が互
いに相互作用を生じさせるような状態で入射光を照射す
ると、2つの金属微粒子それぞれに電気双極子が誘起さ
れる。
【0015】この際、入射光の偏光方向が2つの金属微
粒子を結ぶ軸と平行な場合には、この2つの双極子は強
い相互作用を引き起こすことになる。その結果、金属微
粒子には双極子だけではなく、四重極子や八重極子など
の多重極子が励起される。この多重極子により、表面プ
ラズモン共鳴の共鳴波長は長波長側にシフトする。
【0016】なお、本明細書においては、「金属微粒子
同士の間隔が所定の間隔Gに比べて短くなり、金属微粒
子の相互作用により影響を受けた表面プラズモン共鳴」
を、「近接金属微粒子による表面プラズモン共鳴」と適
宜称することとする。
【0017】ここで、図1には、粒径20nmの金の微
粒子同士の間隔と表面プラズモン共鳴の共鳴波長との関
係を示すグラフが示されている。
【0018】金の微粒子の場合には、上記したように互
いに所定の間隔Gを開けて離隔して存在するときには、
孤立金属微粒子による表面プラズモン共鳴が波長520
nm付近で起きて赤色が呈される。
【0019】具体的に、図1に示す粒径20nmの金の
微粒子同士の場合には、金の微粒子同士の間隔がおよそ
50nm(=所定の間隔G)のときに、孤立金属微粒子
の表面プラズモン共鳴による共鳴ピークが波長520n
m付近に表れている。従って、金の微粒子同士の間隔が
およそ50nmの場合には、金の微粒子は赤色を呈して
いる。
【0020】そして、金の微粒子同士の間隔が50nm
より短くなるのにともなって、表面プラズモン共鳴の共
鳴波長は長波長側に徐々にシフトし、例えば、金の微粒
子同士の間隔がおよそ0.2nmのときには、近接金属
微粒子の表面プラズモン共鳴による共鳴ピークが波長7
00nm付近に表れる。この際、金の微粒子が呈する色
は赤色から変化して、金の微粒子は青紫色を呈するよう
になる。
【0021】また、図1に示すように、孤立金属微粒子
の表面プラズモン共鳴による共鳴ピークの波長520n
m付近から共鳴波長がシフトする度合いは、金の微粒子
同士の間隔がおよそ50nm、20nm、10nmの場
合に比べて、金の微粒子同士の間隔がおよそ0.5n
m、0.2nm、0.1nmの場合の方が大きくなって
いる。即ち、表面プラズモン共鳴の共鳴波長がシフトす
る度合いは、金属微粒子の粒径に対して金属微粒子と金
属微粒子との間の距離が小さいほど大きくなるものであ
る。
【0022】上記したような観点において、本発明のう
ち請求項1に記載の発明は、第1の物質と第2の物質と
の反応を検出するために用いるセンサーであって、基板
と、上記基板上に互いに相互作用を生じさせない間隔を
開けてそれぞれ配設された第1の金属微粒子と、上記第
1の金属微粒子に結合された第1の物質とを有し、第2
の物質を結合した第2の金属微粒子を上記基板に供給す
ると、上記第1の物質と上記第2の物質とが反応して結
合することにより、上記第1の物質と上記第2の物質と
を介して上記第1の金属微粒子と上記第2の金属微粒子
とが結合し、上記第1の金属微粒子と上記第2の金属微
粒子とが互いに相互作用を生じさせるように近接するよ
うにしたものである。
【0023】従って、本発明のうち請求項1に記載の発
明によれば、基板に配設された第1の金属微粒子に結合
された第1の物質と、第2の金属微粒子に結合された第
2のの物質とが反応して結合すると、第1の物質と第2
の物質とを介して第1の金属微粒子と第2の金属微粒子
とが結合し、第1の金属微粒子と第2の金属微粒子とが
互いに相互作用を生じさせるように近接して、表面プラ
ズモン共鳴の共鳴波長が長波長側にシフトするので、第
1の物質と第2の物質との反応をリアルタイムで検出す
ることができるようになる。
【0024】また、「従来の技術」の項において示した
蛍光分子で標識された抗体を用いた抗原抗体反応の検出
には欠かせないレーザー光源も必要ないので、第1の物
質と第2の物質との反応を安価に検出することができる
ようになる。
【0025】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、請求項1に記載の発明において、上記基板は透明で
あるようにしたものである。
【0026】従って、本発明のうち請求項2に記載の発
明によれば、センサーの基板が透明なので、吸収スペク
トルの変化などを容易に観察することができ、表面プラ
ズモン共鳴の共鳴波長の長波長側へのシフトを検出して
各種反応を検出することができるようになる。
【0027】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
のように、請求項1または請求項2のいずれか1項に記
載の発明において、上記第1の金属微粒子は、表面に上
記第1の金属微粒子の原料となる金属膜を形成した上記
基板を、所定温度で所定時間加熱してアニーリングする
ことにより上記基板上に配設されるようにしてもよい。
【0028】このようにすると、第1の金属微粒子を基
板の表面に、互いに相互作用を生じさせない間隔を開け
て離れた状態でしかも高密度に配設することができる。
【0029】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項
に記載の発明において、上記第2の金属微粒子は、液体
中に存在した状態で上記基板に供給されるようにしたも
のである。
【0030】従って、本発明のうち請求項4に記載の発
明によれば、第2の金属微粒子は、液体中に存在した状
態で外部から供給されるが、第2の物質が第1の物質と
結合せずに液体中に存在している第2の金属微粒子は、
表面プラズモン共鳴の共鳴波長の長波長側へのシフトに
は寄与しないので、第2の金属微粒子を含む液体を洗い
流す必要はなく、第1の物質と第2の物質との反応をリ
アルタイムで検出することができる。
【0031】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のい
ずれか1項に記載の発明において、上記第1の金属微粒
子ならび上記第2の金属微粒子は、金の微粒子であるよ
うにしたものである。
【0032】従って、本発明のうち請求項5に記載の発
明によれば、表面プラズモン共鳴の共鳴波長が長波長側
にシフトすると、互いに近接して存在するようになった
金の微粒子により、センサーの色が赤色から青紫色に変
化するので、肉眼によっても第1の物質と第2の物質と
の反応の様子を容易に確認することができる。
【0033】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請
求項5のいずれか1項に記載の発明において、上記第1
の物質と上記第2の物質とは、互いに高い選択性で結合
する物質であるようにしたものである。
【0034】従って、本発明のうち請求項6に記載の発
明によれば、互いに高い選択性で第1の物質と第2の物
質とが結合すると、第1の金属微粒子と第2の金属微粒
子との金属微粒子同士の間の距離が所定の間隔より短く
なり、表面プラズモン共鳴の共鳴波長が長波長側にシフ
トするので、第1の物質と第2の物質との反応をリアル
タイムで検出することができる。
【0035】また、本発明のうち請求項7に記載の発明
は、請求項6に記載の発明において、上記第1の物質は
抗体と抗原とのいずれか一方であり、上記第2の物質は
抗体と抗原とのいずれか他方であるようにしたものであ
る。
【0036】従って、本発明のうち請求項7に記載の発
明によれば、抗原と抗体の抗原抗体反応をリアルタイム
で検出することができる。
【0037】また、本発明のうち請求項8に記載の発明
は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
5、請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の発
明を用いた物質の反応の検出方法において、上記第1の
物質と上記第2の物質とが反応して結合するときに、上
記第1の金属微粒子と上記第2の金属微粒子との間の距
離の変化により生ずる相互作用の影響を受けた表面プラ
ズモン共鳴の共鳴波長のシフトを検出し、該検出された
表面プラズモン共鳴の共鳴波長のシフトに基づいて第1
の物質と第2の物質との反応を検出するようにしたもの
である。
【0038】従って、本発明のうち請求項8に記載の発
明によれば、例えば、吸収スペクトルを測定することな
どにより、表面プラズモン共鳴の共鳴波長のシフトを検
出して、該検出された表面プラズモン共鳴の共鳴波長の
シフトに基づいて第1の物質と第2の物質との反応を検
出することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明によるセンサーおよびそれを用いた物質の反
応の検出方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0040】なお、以下に説明する実施の形態において
は、本発明によるセンサーを用いて抗原抗体反応を検出
する場合について説明することとする。
【0041】図2には、本発明によるセンサーの実施の
形態の一例の概念構成説明図が示されている。
【0042】即ち、センサー10は、基板12と、基板
12の表面12aに配設された金属微粒子14と、金属
微粒子14に結合された抗原114とを有して構成され
ているものである。
【0043】ここで、基板12は板状体であって、例え
ば、ガラスにより形成され、透明である。
【0044】一方、金属微粒子14は、例えば、金の微
粒子であり、金属微粒子14の表面には抗原114が結
合している。そして、金属微粒子14はそれぞれ、互い
に相互作用を生じない所定の間隔G(図2参照)を開け
て離れた状態で、基板12の表面12aに配設されてい
る。
【0045】従って、基板12が透明で金属微粒子14
が金の微粒子なので、孤立金属微粒子による表面プラズ
モン共鳴(共鳴ピークは波長520nm付近である。)
により、センサー10の色は赤色となる。
【0046】なお、図2に示すように、所定の間隔Gは
一定である必要はなく、最小間隔をGとするならば、
所定の間隔Gは最小間隔G以上であればよい。また、
所定の間隔Gは、金属微粒子14ならびに後述する金属
微粒子18の金属の種類や、あるいは金属微粒子の粒径
に応じて変化するものである。
【0047】ここで、基板12の表面12aに、所定の
間隔Gを開けて離れた状態で金属微粒子14を配設する
には、例えば、以下に示す手法を用いることができる。
【0048】即ち、よく洗浄した基板12たるスライド
ガラスに厚さ6nmの金薄膜を真空蒸着する。さらに、
この金薄膜を空気中において300℃で4時間加熱して
アニーリングを行う。
【0049】これにより、基板12の表面12aには、
金属微粒子14が互いに所定の間隔Gを開けて離れた状
態で高密度に配設された島状金薄膜が形成される。この
島状金薄膜は、薄赤色を呈している。
【0050】以上の構成において、図3を参照しなが
ら、上記したセンサー10を用いて抗原抗体反応を検出
する際の動作について説明を行うものとする。
【0051】まず、金属微粒子18が液体中に存在する
ようにした懸濁液100を作製する。この懸濁液100
中の金属微粒子18は、例えば、金の微粒子であり、金
属微粒子18の表面には抗体118が結合されており、
金属微粒子18同士は、所定の間隔Gを開けるようにし
て、互いに孤立して浮遊している。
【0052】そして、作製された懸濁液100を、セン
サー10の基板12の表面12a上に滴下する(図3
(a)参照)。
【0053】ここで、センサー10の外部より供給され
た懸濁液100中の金属微粒子18の表面に結合してい
る抗体118と、センサー10の基板12の表面12a
に配設された金属微粒子14の表面に結合している抗原
114との間で、抗原抗体反応が起きなければ、抗体1
18が抗原114とは結合しない(図3(a)参照)。
【0054】従って、基板12の金属微粒子14同士は
所定の間隔Gを開けて離れた状態で配設されており、ま
た、金属微粒子14と金属微粒子18との間ならびに金
属微粒子18同士の間にも所定の間隔Gが存在するの
で、センサー10の色は赤色のまま変化しない。
【0055】一方、センサー10の外部より供給された
懸濁液100中の金属微粒子18の表面に結合している
抗体118と、センサー10の基板12の表面12aに
配設された金属微粒子14の表面に結合している抗原1
14との間で、抗原抗体反応が起きると、抗体118が
抗原114と結合する(図3(b)参照)。
【0056】この抗体118と抗原114との結合によ
り、抗原114と抗体118とを介して金属微粒子14
と金属微粒子18とが結合して、懸濁液100中の金属
微粒子18とセンサー10の金属微粒子14との間の距
離が所定の間隔Gより短くなる。その結果、表面プラズ
モン共鳴の共鳴波長が長波長側にシフトし(図1参
照)、互いに近接して存在する金の微粒子により、セン
サー10の色が赤色から青紫色に変化する。
【0057】ここで、具体的に、抗原114と抗体11
8とに代えて、アミノエタンチオールを用いた場合を例
にして、より詳細に説明することとする。なお、アミノ
エタンチオールは、アミノ基とメルカプト基を介して金
の微粒子同士を結合するものである。
【0058】まず、表面に抗原114が配設されていな
い金属微粒子14として金微粒子が配設された基板12
を、アミノエタンチオールの10mMエタノール溶液に
1時間浸けた後に、純水でよく洗浄する。この処理によ
り、基板12の金微粒子の表面に、アミノエタンチオー
ルの単分子膜が形成される。そして、当該アミノエタン
チオールの単分子膜の表面には、アミノ基が現れてい
る。
【0059】また、金属微粒子18として平均粒径13
nmの金微粒子を含み、金微粒子同士は、所定の間隔G
を開けるように、互いに孤立して遊離している懸濁液を
作製する。
【0060】ここで、図4には、上記したようにしてア
ミノエタンチオールの単分子膜が形成された金微粒子が
配設された基板12の吸収スペクトルと、平均粒径13
nmの金微粒子を含む懸濁液の吸収スペクトルとが示さ
れており、いずれの吸収スペクトルも波長520nm付
近に吸収ピークが見られる。
【0061】この波長520nm付近の吸収ピークは、
所定の間隔Gを有して基板12の表面12aに配設され
ている金微粒子の孤立金属微粒子による表面プラズモン
共鳴による吸収を示し、所定の間隔Gを有している懸濁
液中の金微粒子の孤立金属微粒子による表面プラズモン
共鳴による吸収を示している。
【0062】そして、この基板12を用いて液体セルを
作製し、作製された液体セルに上記した金微粒子を含む
懸濁液を満たす。図5には、液体セルに懸濁液を満たし
た後の吸収スペクトルの時間変化を示すグラフが示され
ている。
【0063】図5に示すように、懸濁液を液体セルに満
たした直後の吸収スペクトルは、基板12の吸収スペク
トルと懸濁液の吸収スペクトルの和となっている。しか
し、時間が経過するのに伴って、波長700nm付近の
吸収が増大して、ピークを形成していくことがわかる。
【0064】この波長700nm付近の吸収ピークが、
基板12に配設された金微粒子と懸濁液中の金微粒子と
の近接金属微粒子による表面プラズモン共鳴を現してい
る。
【0065】つまり、懸濁液中の金微粒子がアミノエタ
ンチオールを介して、基板12の表面12aに配設され
た金微粒子と結合することにより、懸濁液中の金微粒子
とセンサー10の金微粒子との間の距離が所定の間隔G
よりも短くなる。その結果、表面プラズモン共鳴の共鳴
波長が長波長側にシフトして、センサー10の色が赤色
から青紫色に変化する。
【0066】上記したように、本発明によるセンサー1
0においては、表面に抗原114が結合された金属微粒
子14を、基板12の表面に相互作用を生じない所定の
間隔Gを開けて離隔した状態で配設するようにしたた
め、センサー10の外部から供給された懸濁液100中
の金属微粒子18の表面に結合している抗体118と抗
原114とが抗原抗体反応を起こして結合すると、懸濁
液100中の金属微粒子18とセンサー10の金属微粒
子14との間の距離が所定の間隔Gより短くなり、表面
プラズモン共鳴の共鳴波長が長波長側にシフトする。
【0067】その結果、センサー10の色は赤色から青
紫色に変化するので、抗原抗体反応が生じていることを
視覚により検出することができる。即ち、こうした抗原
抗体反応が起こった場合には、センサー10の色が赤色
から青紫色に変化するので、肉眼によっても抗原抗体反
応の様子を容易に確認することができるとともに、「従
来の技術」の項において示した蛍光分子で標識された抗
体を用いた抗原抗体反応の検出には欠かせないレーザー
光源が必要ないので、抗原抗体反応を安価に検出するこ
とができる。
【0068】また、抗体118が抗原114と結合せず
に所定の間隔Gを開けて懸濁液100中に漂って存在し
ている金属微粒子18は、抗原抗体反応に伴うセンサー
10の色の変化には寄与しないので、基板12から懸濁
液100を洗い流す必要はなく、抗体118と抗原11
4との抗原抗体反応をリアルタイムで検出することがで
きる。
【0069】さらに、本発明によるセンサー10におい
ては、抗体118と抗原114との反応により、互いの
間の距離が変化する金属微粒子14と金属微粒子18と
のうちの一方の金属微粒子14を基板12の表面12a
に配設するようにしたので、取り扱いが非常に簡単にな
り、さらに、アレー化が可能になり、必要な試料の量を
低減することができ、既存のフラットベットタイプのス
キャナーなどを使用することもできるようになる。
【0070】例えば、基板12の所定エリア毎に、金属
微粒子14の表面に異なる種類の抗原114を結合する
ことで、センサーの2次元アレー化を容易に実現するこ
とができる。
【0071】また、本発明によるセンサー10はDNA
チップやタンパクチップへの応用も容易であり、研究分
野や医療分野などにおいて、即時的な反応をリアルタイ
ムで検出するのに用いることができる。
【0072】さらにまた、本発明によるセンサー10の
基板12は透明なので、吸収スペクトルの変化を容易に
観察することができ(図5参照)、表面プラズモン共鳴
の共鳴波長の長波長側へのシフトを検出して各種反応を
検出することができる。
【0073】そして、本発明によるセンサー10におい
ては、金属微粒子14ならびに金属微粒子18を用いる
ようにしたため、金属微粒子の吸収断面積が大きいの
で、抗原抗体反応の検出を高感度に行うことができる。
【0074】また、本発明によるセンサー10において
は、金属微粒子14ならびに金属微粒子18としていず
れも金の微粒子を用いるようにすると、金は安定した物
質であるので金属微粒子14ならびに金属微粒子18の
取り扱いが容易になる。
【0075】なお、上記した実施の形態は、以下の
(1)乃至(5)に説明するように変形することができ
る。
【0076】(1)上記した実施の形態においては、金
属微粒子14ならびに金属微粒子18として金の微粒子
を用いたが、これに限られるものではないことは勿論で
あり、銀やその他の金属微粒子を用いることができる。
例えば、金属微粒子14ならびに金属微粒子18として
銀の微粒子を用いた場合には、より一層感度のよい検出
を行うことができる。
【0077】(2)上記した実施の形態においては、セ
ンサー10の基板12はガラスにより形成されるように
したが、これに限られるものではないことは勿論であ
り、ガラス以外の誘電体や金属または半導体などの任意
の材料の基板を用いることができる。
【0078】また、基板12は板状体であるようにした
が、基板12は曲面形状を含む任意の形状に形成するよ
うにしてもよい。
【0079】(3)金属微粒子14の表面に抗原114
を結合し、金属微粒子18の表面に抗体118を結合す
るようにしたが、これに限られるものではないことは勿
論であり、金属微粒子14の表面に抗体118を結合
し、金属微粒子18の表面に抗原114を結合するよう
にしてもよい。
【0080】さらに、上記した実施の形態においては、
本発明によるセンサー10を用いて抗原抗体反応を検出
するものとして説明したが、これに限られるものではな
いことは勿論であり、各種反応の検出にセンサー10を
用いてもよい。
【0081】例えば、本発明によるセンサー10を用い
てハイブリダイゼーションを検出する場合には、基板1
2に配設された金属微粒子14の表面に結合された抗原
114ならびに懸濁液100中の金属微粒子18の表面
に結合された抗体118に代え、それぞれシングルスト
ランドのDNAやRNAなどを結合するようにすればよ
い。
【0082】つまり、本発明によるセンサー10を用い
ると、抗原や抗体などのタンパク質や核酸など、特定の
物質に対して互いに高い選択性を有する性質の物質をそ
れぞれ、金属微粒子14や金属微粒子18に結合するこ
とにより、金属微粒子14や金属微粒子18に結合され
た物質の高い選択性に基づいた各種反応を検出すること
ができる。
【0083】(4)上記した実施の形態においては、セ
ンサー10の吸収スペクトルを測定するようにしたが
(図4参照)、これに限られるものではないことは勿論
であり、例えば、反射スペクトルや透過スペクトルなど
を測定するようにしてもよく、要は、金属微粒子同士の
間の距離の変化に伴う表面プラズモン共鳴の共鳴波長の
シフトを検出するようにすればよい。
【0084】(5)上記した実施の形態ならびに上記
(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせる
ようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、抗原抗体反応などの各種物質の反応をリア
ルタイムで検出することを可能にしたセンサーおよびそ
れを用いた物質の反応の検出方法を提供することができ
るという優れた効果を奏する。
【0086】また、本発明は、以上説明したように構成
されているので、抗原抗体反応などの各種物質の反応を
検出する際に、安価に検出することを可能にしたセンサ
ーおよびそれを用いた物質の反応の検出方法を提供しよ
うとすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒径20nmの金の微粒子同士の間隔と表面プ
ラズモン共鳴の共鳴波長との関係を示すグラフである。
【図2】本発明によるセンサーの実施の形態の一例を示
す概念構成説明図である。
【図3】本発明によるセンサーを用いて抗原抗体反応を
検出する際の動作を示す説明図であり、(a)は抗体が
抗原と結合しない場合を示す説明図であり、(b)は抗
体が抗原と結合する場合を示す説明図である。
【図4】本発明によるセンサーの吸収スペクトルを示す
グラフである。
【図5】本発明によるセンサーを用いた液体セルに懸濁
液を満たした後の吸収スペクトルの時間変化を示すグラ
フである。
【符号の説明】
10 センサー 12 基板 12a 表面 14,18 金属微粒子 100 懸濁液 114 抗原 118 抗体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 BB12 CC16 DD01 DD13 EE01 EE12 EE13 HH02 HH06 KK04 KK07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の物質と第2の物質との反応を検出
    するために用いるセンサーであって、 基板と、 前記基板上に互いに相互作用を生じさせない間隔を開け
    てそれぞれ配設された第1の金属微粒子と、 前記第1の金属微粒子に結合された第1の物質とを有
    し、 第2の物質を結合した第2の金属微粒子を前記基板に供
    給すると、前記第1の物質と前記第2の物質とが反応し
    て結合することにより、前記第1の物質と前記第2の物
    質とを介して前記第1の金属微粒子と前記第2の金属微
    粒子とが結合し、前記第1の金属微粒子と前記第2の金
    属微粒子とが互いに相互作用を生じさせるように近接す
    るセンサー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセンサーにおいて、 前記基板は透明であるセンサー。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれか1項
    に記載のセンサーにおいて、 前記第1の金属微粒子は、表面に前記第1の金属微粒子
    の原料となる金属膜を形成した前記基板を、所定温度で
    所定時間加熱してアニーリングすることにより前記基板
    上に配設されるセンサー。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれか1項に記載のセンサーにおいて、 前記第2の金属微粒子は、液体中に存在した状態で前記
    基板に供給されるものであるセンサー。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4のいずれか1項に記載のセンサーにおいて、 前記第1の金属微粒子ならび前記第2の金属微粒子は、
    金の微粒子であるセンサー。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4または請求項5のいずれか1項に記載のセンサーにお
    いて、 前記第1の物質と前記第2の物質とは、互いに高い選択
    性で結合する物質であるセンサー。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のセンサーにおいて、 前記第1の物質は抗体と抗原とのいずれか一方であり、
    前記第2の物質は抗体と抗原とのいずれか他方であるセ
    ンサー。
  8. 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6または請求項7のいずれか1項
    に記載のセンサーを用いた物質の反応の検出方法におい
    て、 前記第1の物質と前記第2の物質とが反応して結合する
    ときに、前記第1の金属微粒子と前記第2の金属微粒子
    との間の距離の変化により生ずる相互作用の影響を受け
    た表面プラズモン共鳴の共鳴波長のシフトを検出し、該
    検出された表面プラズモン共鳴の共鳴波長のシフトに基
    づいて第1の物質と第2の物質との反応を検出するもの
    であるセンサーを用いた物質の反応の検出方法。
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