JP2003017069A - リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池

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JP2003017069A
JP2003017069A JP2001196639A JP2001196639A JP2003017069A JP 2003017069 A JP2003017069 A JP 2003017069A JP 2001196639 A JP2001196639 A JP 2001196639A JP 2001196639 A JP2001196639 A JP 2001196639A JP 2003017069 A JP2003017069 A JP 2003017069A
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electrode
current collector
secondary battery
lithium secondary
thin film
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Katsunobu Sayama
勝信 佐山
Toyoki Fujiwara
豊樹 藤原
Hisaki Tarui
久樹 樽井
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムと合金化することによりリチウムを
吸蔵する活物質薄膜が集電体上に堆積して形成されたリ
チウム二次電池用電極において、充放電により大きなし
わや変形などが発生するのを抑制し、リチウム二次電池
のエネルギー密度を高めることができるリチウム二次電
池用電極を得る。 【解決手段】 厚み方向への変形量hが5〜20μmで
ある変形部11が1cm2あたり10個以上形成されて
おり、かつ変形部11による開口率が4%以下である集
電体10を用いることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
用電極及びこれを用いたリチウム二次電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、研究開発が盛んに行われているリ
チウム二次電池は、用いられる電極により充放電電圧、
充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大
きく左右される。このことから、電極に用いる活物質を
改善することにより、電池特性の向上が図られている。
【0003】負極活物質としてリチウム金属を用いる
と、重量当たり及び体積当たりともに高いエネルギー密
度の電池を構成することができるが、充電時にリチウム
がデンドライト状に析出し、内部短絡を引き起こすとい
う問題があった。
【0004】これに対し、充電の際に電気化学的にリチ
ウムと合金化するアルミニウム、シリコン、錫などを電
極として用いるリチウム二次電池が報告されている(So
lidState Ionics,113-115,p57(1998)) 。これらのう
ち、特にシリコンは理論容量が大きく、高い容量を示す
電池用負極として有望であり、これを負極とする種々の
二次電池が提案されている(特開平10−255768
号公報)。しかしながら、この種の合金負極は、電極活
物質である合金自体が充放電により微粉化し集電特性が
悪化することから、十分なサイクル特性は得られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、シリコン
等を電極活物質とし、良好な充放電サイクル特性を示す
リチウム二次電池用電極として、CVD法またはスパッ
タリング法などの薄膜形成方法により、集電体上に微結
晶薄膜または非晶質薄膜を形成したリチウム二次電池用
電極を提案している(特願平11−301646号な
ど)。
【0006】このようなリチウム二次電池用電極におい
ては、集電体の成分が活物質薄膜に拡散することによ
り、集電体と活物質薄膜との密着性が保たれ、充放電サ
イクル特性が向上することがわかっている。
【0007】しかしながら、このようなリチウム二次電
池用電極においては、活物質薄膜と集電体との密着性が
良好であるため、充放電によって活物質が膨張・収縮
し、これに伴い集電体が延びることによってしわなどの
変形が電極に発生する場合があった。特に銅箔などの延
性に富んだ金属箔を集電体として用いた場合、電極の変
形の度合いが大きくなる。電極が変形すると、これを収
納する電池内において体積が増加するため、電池の体積
当りのエネルギー密度が低下し、問題となる。
【0008】本発明の目的は、充放電によるしわや変形
などが生じにくいリチウム二次電池用電極及びこれを用
いたリチウム二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池用電極は、リチウムと合金化することによりリチウム
を吸蔵する活物質薄膜が集電体上に堆積して形成された
リチウム二次電池用電極であり、厚み方向への変形量が
5〜20μmである変形部が1cm2あたり10個以上
形成されており、かつ変形部による開口率が4%以下で
ある集電体を上記集電体として用いたことを特徴として
いる。
【0010】本発明における集電体では、厚み方向への
変形量が5〜20μmである変形部が1cm2あたり1
0個以上形成されている。このような変形部が、上記の
分布となるように形成されているので、充放電反応の際
活物質薄膜の膨張・収縮により生じた応力が集電体に働
いたとき、各変形部において集電体が変形することによ
り、この応力を吸収することができる。従って、集電体
の変形が各変形部に分散され、大きな変形量で集電体が
変形するのを防止することができる。このため、充放電
反応により大きなしわや変形が集電体に発生するのを防
止することができる。
【0011】上記のように、変形部における厚み方向の
変形量は5〜20μmである。厚み方向への変形量が5
μm未満であると、集電体に応力が働いた際、変形部の
変形によりこの応力を吸収できない場合がある。また、
厚み方向への変形量が20μmを超えると、変形部にお
ける変形が大きくなり過ぎ、電池内に収納したときの体
積あたりのエネルギー密度が低下する場合がある。
【0012】また、変形部は、上述のように1cm2
たり10個以上形成され、好ましくは10〜1000個
形成される。1cm2あたり10個未満であると、変形
部の数が少なくなり過ぎ、集電体に応力が働いたとき
に、変形部における小さな変形として応力を吸収するこ
とができず、変形部において大きな変形となる場合があ
る。また、変形部の数が1000個を超えると、変形部
の形成が困難になったり、変形部の数が大きくなり過
ぎ、集電体の強度が低下したりする場合がある。
【0013】本発明において、上記変形部には、切れ込
みや穴等が形成されていてもよい。このような場合、変
形部による開口率が4%以下となるように切れ込みや穴
等が形成される。すなわち、切れ込みや穴等の合計の面
積が、集電体の全面の面積の4%以下となるように切れ
込みや穴等が形成される。切れ込みや穴等の開口部分に
は、活物質薄膜が堆積されないので、開口率を4%以下
とすることより、集電体上に堆積される活物質薄膜の量
を確保することができ、充放電容量の低下を防止するこ
とができる。
【0014】切れ込みを有する変形部は、例えば、ラス
加工により形成することができる。ラス加工により変形
部を形成する場合、上述のように、開口率が4%以下と
なるようにラス加工が施される。
【0015】また、本発明における変形部は、切れ込み
等が形成されない、すなわち開口率が0%である変形部
であってもよい。このような変形部は、例えば、圧痕加
工により形成することができる。圧痕加工は、集電体の
所定の箇所を押圧して変形させることにより行う加工で
ある。
【0016】本発明において、変形部における厚み方向
への変形量は、変形部において、最も大きく変形した箇
所の変形量であり、変形部以外の集電体の表面と変形部
における最も大きな変形箇所との間の厚み方向の距離で
ある。また、変形部は、集電体上において均等に分散し
て形成されていることが好ましく、一定の規則性を有す
るように分散して形成されていることが好ましい。
【0017】本発明において用いる集電体は、表面に凹
凸が形成された集電体に変形部を形成させたものである
ことが好ましい。変形部を形成する前の集電体の表面粗
さRaは、0.01μm以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは0.05μm以上であり、さらに好まし
くは0.1μm以上である。集電体の表面粗さRaの上
限値は、特に限定されるものではないが、2μmを超え
るものは入手しにくいので、一般には2μm以下であ
る。従って、集電体の表面粗さRaは、0.01〜2μ
mであることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜
2μmであり、さらに好ましくは0.1〜2μmであ
る。
【0018】また、変形部を形成する前の集電体の厚み
は、5〜40μmであることが好ましい。集電体の厚み
が5μm未満であると、集電体の強度が弱くなり、充放
電や電池への組み立ての際に集電体が破断する場合があ
る。また、集電体の厚みが40μmを超えると、後加工
での加工性が低下したり、充放電の際に生じる応力を有
効に分散させることができなくなる場合がある。
【0019】本発明において集電体上に堆積して形成す
る活物質薄膜としては、リチウムと合金化することによ
りリチウムを吸蔵する活物質からなる薄膜であれば、特
に限定されるものではない。このような活物質として
は、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシ
ウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウ
ム及びこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも
シリコンを主成分とする非晶質または微結晶薄膜が好ま
しく用いられる。
【0020】本発明において、活物質薄膜を堆積させる
方法としては、気相または液相から、集電体の基板上
に、原子またはイオンを移動し堆積するような方法が好
ましく用いられ、具体的には、CVD法、スパッタリン
グ法、蒸着法、溶射法、またはめっき法などが挙げられ
る。
【0021】本発明において用いられる集電体は、リチ
ウムと合金化しない金属から形成されていることが好ま
しく、このような材料としては、銅、銅を含む合金、ニ
ッケル、ステンレスなどが挙げられる。
【0022】また、本発明においては、活物質薄膜中
に、集電体の成分が拡散していることが好ましい。例え
ば、活物質薄膜としてシリコン薄膜を用い、集電体とし
て銅を含む集電体を用いる場合、シリコン薄膜中に銅が
拡散していることが好ましい。このような集電体成分の
拡散は、加熱により促進することができる。従って、薄
膜形成の際の基板温度を高めたり、あるいは薄膜形成後
熱処理することにより、集電体成分の拡散を高めること
ができる。
【0023】活物質としてシリコンなどを用いる場合、
集電体の成分は、薄膜中において、薄膜成分と金属間化
合物を形成せずに固溶体を形成していることが好まし
い。薄膜成分がシリコンであり、集電体成分が銅である
場合、薄膜中においてはシリコンと銅の金属間化合物が
形成されずに、銅とシリコンの固溶体が形成されている
ことが好ましい。一般に、集電体成分が過剰に拡散する
と、金属間化合物が形成され易い。従って、例えば、薄
膜形成後高い温度で熱処理すると、金属間化合物が形成
される場合がある。ここで、金属間化合物とは、金属同
士が特定の比率で化合した特定の結晶構造を有する化合
物をいう。
【0024】活物質薄膜に集電体成分が拡散することに
より、薄膜の集電体に対する密着性を高めることがで
き、充放電サイクル特性を向上させることができる。本
発明における活物質薄膜は、充放電反応により、薄膜の
厚み方向に切れ目が形成され、薄膜が柱状に分離されて
いることが好ましい。柱状に分離されることにより、柱
状部分の周囲には空隙が形成され、充放電反応による活
物質薄膜の体積の膨張・収縮をこの空隙の部分で吸収す
ることができ、活物質薄膜の体積の膨張・収縮による応
力を緩和することができる。従って、活物質薄膜の集電
体からの剥離を抑制し、集電体への密着性を保つことが
できる。
【0025】活物質薄膜が柱状に分離する際の充放電と
しては、活物質薄膜の薄膜構造の変化が急激にならない
ように、充放電をゆっくり行ったり、初回の充電率を下
げたり、充電率を徐々に段階的に上げて行く方法などを
採用してもよい。
【0026】また、本発明における薄膜には、予めリチ
ウムが吸蔵または添加されていてもよい。リチウムは、
薄膜を形成する際に添加してもよい。すなわち、リチウ
ムを含有する薄膜を形成することにより、薄膜にリチウ
ムを添加してもよい。また、薄膜を形成した後に、薄膜
にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。薄膜にリチ
ウムを吸蔵または添加させる方法としては、電気化学的
にリチウムを吸蔵または添加させる方法が挙げられる。
【0027】また、本発明の活物質薄膜の厚みは特に限
定されるものではないが、例えば10μm以下の厚みと
することができる。また、高い充放電容量を得るために
は、厚みは1μm以上であることが好ましい。
【0028】本発明のリチウム二次電池は、上記本発明
の電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを備える
ことを特徴としている。本発明のリチウム二次電池に用
いる電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カ
ーボネートと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネ
ートとの混合溶媒が例示される。また、前記環状カーボ
ネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタンなどのエーテル系溶媒や、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、酢酸メチル等の鎖状エステル等との混
合溶媒も例示される。また、電解質の溶質としては、L
iPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF 3
SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3
2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、Li
C(C25SO23、LiAsF6、LiClO4、Li
210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物
が例示される。さらに電解質として、ポリエチレンオキ
シド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンな
どのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー
電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質が例
示される。本発明のリチウム二次電池の電解質は、イオ
ン導電性を発現させる溶質としてのLi化合物とこれを
溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは保
存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることがで
きる。
【0029】本発明のリチウム二次電池の正極活物質と
しては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、L
iMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co
0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、
MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が
例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的
に挿入・脱離する物質であれば、制限なく用いることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに詳細に説明するが本発明は以下の実施例に何ら限
定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲にお
いて適宜変更して実施することが可能なものである。
【0031】(実施例1) 〔負極の作製〕集電体として、電解銅箔(厚み25μ
m)にラス加工を施し、切れ込みを形成するとともに、
変形部を形成したものを用いた。図3は、このラス加工
を施した電解銅箔の光学顕微鏡写真である。図3に示す
ように、切れ込みの長さは約500μmであり、切れ込
みの長さ方向と垂直な方向(図3における上下方向)に
は、約1000μmの繰り返し周期で切れ込みが形成さ
れている。1cm2あたり100個の切れ込み(変形
部)が形成されている。
【0032】図1は、ラス加工を施した電解銅箔を拡大
して示す断面図である。図1に示すように、集電体10
には、切れ込み12が形成され、切れ込み12を挟む片
側部分を厚み方向に曲げて変形させることにより変形部
11が形成されている。変形部11の厚み方向への変形
量hは、変形部以外の集電体10の領域の表面10a
と、変形部11における最大変形部11aとの間の厚み
方向の距離である。ここで用いた集電体の厚み方向の変
形量hは14μmである。なお、変形量hは集電体全体
における平均値である。
【0033】ラス加工を施す前の電解銅箔の表面粗さR
aを測定したところ、表面粗さRaは0.18μmであ
った。表面粗さRaは、触針式表面形状測定器Dekt
akST(日本真空技術社製)を用い、測定距離を2.
0mmに設定して測定した。表面粗さRaの計算は、た
わみ分の補正後に行った。たわみの補正に用いた補正値
は、ローパス=200μm、ハイパス=20μmであ
る。表面粗さRaは自動計算された値である。
【0034】また、ラス加工を施した電解銅箔につい
て、開口率を求めたところ約3%であった。開口率は、
集電体平面に対して垂直方向から投影した面積で換算し
た値である。
【0035】上記ラス加工を施した電解銅箔からなる集
電体の上に、RFスパッタリング法によりシリコン薄膜
を堆積して形成した。スパッタリングの条件は、スパッ
タガス(Arガス)流量:40sccm、基板温度:室
温(加熱なし)、反応圧力:0.2Pa(1.5×10
-3Torr)、高周波電力:2000Wの条件とした。
シリコン薄膜は、その厚みが6μmとなるまで堆積させ
た。
【0036】得られたシリコン薄膜について、ラマン分
光分析を行ったところ、480cm -1近傍のピークは検
出されたが、520cm-1近傍のピークは検出されなか
った。このことから、得られたシリコン薄膜は非晶質シ
リコン薄膜であることが確認された。
【0037】非晶質シリコン薄膜を形成した電解銅箔を
2cm×2cmの大きさに切り出し、電極a1とした。
図2は、電極a1を示す光学顕微鏡写真である。図2か
ら明らかなように、非晶質シリコン薄膜を形成した後
も、電解銅箔における切れ込みの状態や開口率につい
て、外観上の変化はほとんど見られなかった。なお、図
2に示すA−A′線は図1の断面図における断面方向を
示している。
【0038】比較として、ラス加工を施していない電解
銅箔を集電体として用いる以外は、上記電極a1と同様
にして非晶質シリコン薄膜を形成し、これを2cm×2
cmの大きさに切り出して電極b1とした。
【0039】電極a1及び電極b1ともに、シリコンの
重量密度と膜厚から換算した原子密度は4.0×1022
cm-3であり、通常の結晶シリコンの値5.0×1022
cm -3の約80%程度であった。
【0040】さらに、比較として、市販の単結晶シリコ
ン粉末(粒子径10μm)90重量部、及び結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレン10重量部を混合し、
これを直径17mmの金型でプレスし加圧成形して、ペ
レット状の電極c1を作製した。
【0041】〔正極の作製〕出発原料としてLi2CO3
及びCoCO3を用いて、Li:Coの原子比が1:1
となるように秤量して乳鉢で混合し、これを直径17m
mの金型でプレスし加圧成形した後、空気中において8
00℃で24時間焼成し、LiCoO2の焼成体を得
た。これを乳鉢で平均粒子径20μmとなるまで粉砕し
た。
【0042】得られたLiCoO2粉末が80重量部、
導電剤としてのアセチレンブラックが10重量部、結着
剤としてのポリテトラフルオロエチレンが10重量部と
なるように混合し、直径17mmの金型でプレスし加圧
成形して、ペレット状の正極を作製した。
【0043】〔電解液の作製〕エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF
6を1モル/リットル溶解して電解液を作製し、これを
以下の電池の作製において用いた。
【0044】〔電池の作製〕上記の電極a1、b1及び
c1を負極として用い、上記正極及び電解液を用いて、
扁平型リチウム二次電池を作製した。
【0045】図5は、作製したリチウム二次電池を示す
断面図である。図5に示すように、リチウム二次電池
は、正極1、負極2、セパレータ3、正極缶4、負極缶
5、正極集電体6、負極集電体7及びポリプロピレン製
の絶縁パッキング8などからなる。
【0046】正極1及び負極2は、セパレータ3を介し
て対向している。これらは正極缶4及び負極缶5が形成
する電池ケース内に収納されている。正極1は、正極集
電体6を介して正極缶4に接続され、負極2は負極集電
体7を介して負極缶5に接続され、二次電池としての充
電及び放電が可能な構造となっている。電極a1を負極
として用いたものを電池A1とし、電極b1を負極とし
て用いたものを電池B1とし、電極c1を負極として用
いたものを電池C1とした。
【0047】〔充放電サイクル寿命特性の測定〕上記電
池A1、B1、及びC1について、充放電サイクル寿命
特性を評価した。25℃において電流値100μAで負
極容量が2000mAh/gとなるまで充電した後放電
し、これを1サイクルの充放電とし、各電池について5
0サイクル目の容量維持率を測定した。なお、2000
mAh/gまで充電されなかった電池C1については、
4.2Vまで充電した後、放電することによりサイクル
試験を行った。
【0048】また、充放電前と充放電後の負極の厚みを
マイクロメーターで測定し、充放電前及び充放電後の負
極の見かけ上の厚みとした。充放電前及び充放電後の負
極の見かけ上の厚み及び50サイクル目の容量維持率を
表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示す結果から明らかなように、シリ
コン薄膜を集電体上に堆積して形成した電極を負極とし
て用いた電池A1及びB1は、シリコン粉末を負極活物
質として用いた電池C1に比べ、良好な充放電サイクル
寿命特性を示している。また、本発明に従う電池A1
は、充放電後の負極の厚みの増加が、電池B1に比べ小
さくなっている。これは、予め変形部が所定の分布で形
成された集電体を用いることにより、充放電による集電
体の厚み方向の変形が分散され、厚み方向の変形量が抑
制されたことによるものと思われる。従って、電極a1
を用いることにより、電池のエネルギー密度を高めるこ
とができる。
【0051】充放電後の電池A1中の電極a1について
走査型電子顕微鏡で観察したところ、シリコン薄膜の厚
み方向に切れ目が形成され、この切れ目によってシリコ
ン薄膜が柱状に分離されていることが確認された。ま
た、切れ目は厚み方向に形成されているが、面方向には
ほとんど形成されておらず、柱状部分の底部は集電体で
ある銅箔と密着していた。
【0052】また、シリコン薄膜の深さ方向にSIMS
分析を行ったところ、集電体近傍ではシリコン薄膜に集
電体の成分である銅(Cu)が拡散しており、シリコン
薄膜の表面に近づくにつれて集電体の成分である銅(C
u)の濃度が減少していることが確認された。また、銅
(Cu)の濃度が連続的に変化していることから、銅
(Cu)が拡散している領域においては、シリコンと銅
の金属間化合物ではなく、シリコンと銅の固溶体が形成
されていると考えられる。
【0053】(実施例2) 〔負極の作製〕集電体として、実施例1において用いた
(ラス加工を施す前の)電解銅箔に、圧痕加工を施した
ものを用いた。圧痕加工は、プレス加工により行った。
図4は、圧痕加工を施した電解銅箔を示す断面図であ
る。図4に示すように、集電体22は、圧痕加工により
変形部21及び22が形成されている。この変形部21
及び22には、切れ込み等は形成されていない。図4に
示すように、変形部21と22は、交互に逆方向に突出
するように形成されている。変形部21の厚み方向への
変形量h1は7μmであり、変形部22の厚み方向への
変形量h2は7μmである。
【0054】圧痕加工された電解銅箔において、1cm
2あたり約100個となるように変形部が形成されてい
る。また、変形部には切れ込み等が形成されていないの
で、開口率は0%である。
【0055】この圧痕加工を施した電解銅箔を集電体と
して用い、この集電体の上に実施例1の電極a1と同様
にしてRFスパッタリング法により、非晶質シリコン薄
膜を厚み約6μmとなるまで形成し、電極a2を得た。
【0056】〔電池の作製〕負極として上記の電極a2
を用いる以外は、上記実施例1と同様にしてリチウム二
次電池を作製し、電池A2とした。
【0057】〔充放電サイクル寿命特性の測定〕実施例
1と同様にして、電池A2について50サイクル目の容
量維持率を求め、その結果を表2に示した。また、充放
電前及び充放電後の負極の見かけ上の厚みを測定し、表
2に示した。なお、表2には、電池B1の結果を併せて
示した。
【0058】
【表2】
【0059】表2に示す結果から明らかなように、電極
a2を用いた電池A2においても、良好な充放電サイク
ル寿命特性が得られており、また電池B1に比べ、充放
電前後における負極の厚みの増加が小さくなっている。
従って、電極a2を用いることにより、電池のエネルギ
ー密度を高めることができる。
【0060】上記各実施例においては、活物質薄膜を堆
積させる前に集電体に変形部を形成しているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、集電体上に活物質薄
膜を堆積して形成した後に、集電体に加工を施し変形部
を形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、充放電による大きなし
わや変形などが生じにくいリチウム二次電池用電極とす
ることができ、このリチウム二次電池用電極を用いるこ
とにより、リチウム二次電池のエネルギー密度を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において用いた集電体の変形
部の形状を示す断面図。
【図2】変形部を形成した集電体の上にシリコン薄膜を
堆積した後の状態を示す光学顕微鏡写真。
【図3】変形部を形成した集電体を示す光学顕微鏡写
真。
【図4】本発明の実施例2において用いた集電体の変形
部を示す断面図。
【図5】本発明の実施例において作製したリチウム二次
電池を示す断面図。
【符号の説明】
10…集電体 11…変形部 12…切れ目 20…集電体 21,22…変形部 h,h1,h2…変形部の厚み方向への変形量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽井 久樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA03 AS02 AS10 BB06 CC03 DD01 DD08 HH03 5H029 AJ03 AJ11 AK02 AK03 AL11 AL13 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM12 AM16 BJ03 CJ03 CJ25 DJ07 DJ14 EJ01 5H050 AA08 BA17 CA05 CA08 CA09 CB11 DA03 DA06 DA07 FA15 FA19 FA20 GA24 HA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムと合金化することによりリチウ
    ムを吸蔵する活物質薄膜が集電体上に堆積して形成され
    たリチウム二次電池用電極であって、 厚み方向への変形量が5〜20μmである変形部が1c
    2あたり10個以上形成されており、かつ前記変形部
    による開口率が4%以下である集電体を前記集電体とし
    て用いたことを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  2. 【請求項2】 前記変形部に切れ込みが形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用
    電極。
  3. 【請求項3】 前記変形部がラス加工により形成されて
    いることを特徴とする請求項2に記載のリチウム二次電
    池用電極。
  4. 【請求項4】 前記変形部が圧痕加工により形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電
    池用電極。
  5. 【請求項5】 前記変形部を形成する前の集電体の表面
    粗さRaが0.01μm以上であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用
    電極。
  6. 【請求項6】 前記変形部を形成する前の集電体の厚み
    が5〜40μmであることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極。
  7. 【請求項7】 前記活物質薄膜がシリコンを主成分とす
    る非晶質または微結晶薄膜であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用電
    極。
  8. 【請求項8】 前記活物質薄膜に前記集電体の成分が拡
    散していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載のリチウム二次電池用電極。
  9. 【請求項9】 前記活物質薄膜が厚み方向に形成された
    切れ目によって、柱状に分離されていることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電
    池用電極。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを備えるこ
    とを特徴とするリチウム二次電池。
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