JP2003018805A - モータ部品の製造方法 - Google Patents

モータ部品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータハブの形状に制限を受けることなく環
状マグネットを着磁することができ、かつ安価なコスト
で環状マグネットの減磁量を抑制することができるモー
タ部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 被回転体を保持して回転する円筒状に形
成されたロータハブ2の内周面に、コイルを巻回した固
定子9との電磁相互作用によって前記ロータハブ2を回
転させるための環状マグネット1を接着剤によって固着
したモータ部品を製造するに際して、予め環状マグネッ
ト1を着磁し、次いでこの環状マグネット1をロータハ
ブ2の内周面の所定部位にバックヨーク3を介して接着
剤によって取り付け、次いで環状磁性体8を前記環状マ
グネット1と対向するように前記ロータハブ2内に挿入
し、しかる後に加熱処理して前記接着剤を硬化させるこ
とによって前記環状マグネット1を前記ロータハブ2に
固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ部品の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスクなどの被回転体を保
持して回転するロータハブを備えたスピンドルモータな
どのモータにおいては、ロータハブを回転させるための
回転駆動部材として、ロータハブに接着剤によって固着
された環状マグネットとこの環状マグネットとの間で電
磁相互作用するコイルを巻回した固定子とから構成され
たものが使用されている。そして、ロータハブに環状マ
グネットを接着剤によって固着するに際しては、接着剤
を加熱処理して硬化させるが、この加熱処理によって環
状マグネットが不可逆的に減磁される。
【0003】そのため、従来、加熱処理による環状マグ
ネットの不可逆的な減磁を伴うことなく環状マグネット
をロータハブに接着剤によって固着する方法として、未
着磁の環状マグネットをロータハブに接着剤によって取
り付け、これを加熱処理して接着剤を硬化させた後、環
状マグネットを着磁する方法が知られている。以下、こ
のモータ部品の製造方法について図2を参照しながら説
明する。
【0004】図2は前記従来のモータ部品の製造方法を
示す説明図である。図2において、まず、未着磁状態の
環状マグネット1の外周面に接着剤を塗布し、これを内
部に円筒状の軸受支持部4が形成されたロータハブ2内
に挿入してその内周面の所定部位にバックヨーク3を介
して取り付ける。次いで、ロータハブ2を加熱炉5内に
収容して高温で加熱処理する。この加熱処理によって接
着剤が硬化し、接着剤の硬化に伴って発生したガスが放
出されるとともに接着剤に含まれる揮発成分がガスとし
て除去される。そして、加熱処理後に、着磁装置6の着
磁ヨーク7に環状マグネット1の内周面が対向するよう
にロータハブ2が挿入され、環状マグネット1が着磁さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような
製造方法では、未着磁の環状マグネット1をロータハブ
2に固着した後に環状マグネット1を着磁するものであ
るから、加熱処理による減磁は回避されるものの、着磁
装置6の着磁ヨーク7の形状によっては、ロータハブ2
の内部形状が著しく制限されるという問題点があった。
例えば、円柱状などの中実に形成された着磁ヨーク7を
内部に円筒状の軸受支持部4が形成されたロータハブ2
に挿入して環状マグネット1を着磁しようとすると、着
磁ヨーク7が円筒状の軸受支持部4の端面に当接して適
切位置まで挿入することができないことがあった。
【0006】また、予め着磁した環状マグネットをロー
タハブに接着剤によって取り付けた後に、加熱処理して
接着剤を硬化させる場合は、マグネットの一般的な性質
として、着磁したマグネットを加熱すると不可逆的に減
磁するため、密度が高く磁力が強い例えばネオムの12
番のような材料を用いた高価なマグネットを使用し、か
つ減磁分を見越した磁力を持たせなければならなくな
り、製品コストの上昇が余儀なくされるという問題点が
ある。
【0007】そこで、本発明は前記問題点を解決するも
のであって、ロータハブの形状に制限を受けることなく
環状マグネットを着磁することができ、かつ安価なコス
トで環状マグネットの減磁量を抑制することができるモ
ータ部品の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のモータ部品の製造方法は、被回転体を保持
して回転する円筒状に形成されたロータハブの内周面又
は外周面に、コイルを巻回した固定子との電磁相互作用
によって前記ロータハブを回転させるための環状マグネ
ットを接着剤によって固着したモータ部品を製造するに
際して、予め環状マグネットを着磁し、次いでこの環状
マグネットをロータハブの内周面又は外周面の所定部位
に接着剤によって取り付け、次いで環状磁性体を前記環
状マグネットと対向するように前記ロータハブ内に挿入
し、しかる後に加熱処理して前記接着剤を硬化させるこ
とによって前記環状マグネットを前記ロータハブに固着
することを特徴とする。
【0009】前記構成によれば、環状磁性体を環状マグ
ネットと対向するようにロータハブ内に挿入して加熱処
理するので、環状磁性体と環状マグネットとの間に磁気
回路が形成され、加熱処理中に環状マグネットが環状磁
性体の磁力の影響を受けてパーミアンスが高く保たれ、
不可逆的な減磁作用が起こり難くなる。その結果、環状
マグネットの減磁量を従来の方法に比べて大幅に抑制す
ることができる。さらに、環状マグネットをロータハブ
に固着する前に着磁するので、ロータハブの形状に制限
を受けることなく環状マグネットを着磁することができ
る。しかも、環状マグネットの減磁量を大幅に抑制する
ことができることから、密度が高く磁力が強いマグネッ
ト材料を使用する必要がなく、安価なコストでモータ部
品を得ることができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、前記構成
において、環状磁性体をその軸方向の長さが環状マグネ
ットの軸方向の長さよりも長く形成し、これを前記環状
マグネットの軸方向端部から突出するようにロータハブ
内に挿入することを特徴とする。
【0011】前記構成によれば、環状磁性体と環状マグ
ネットとの間により広範囲の磁気回路が形成され、不可
逆的な減磁作用がより起こり難くなるため、環状マグネ
ットの減磁量をより一層抑制することができる。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明は、前記構
成において、加熱処理を60〜80℃の温度で行うこと
を特徴とする。前記構成によれば、加熱処理温度が適当
であって環状マグネットの減磁量を抑制しつつ、接着剤
の硬化、接着剤の硬化に伴って発生したガスの放出及び
接着剤に含まれる揮発成分の除去を確実に行うことがで
きる。
【0013】加熱処理温度が60℃未満のときは、接着
剤の硬化、発生ガスの放出及び揮発成分の除去に長時間
を要し、生産効率が低下することがあり、この傾向は5
0℃以下になると特に顕著である。一方、加熱処理温度
が80℃を超えると、環状マグネットの減磁量が多くな
り易い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るモータ部品の
製造方法の実施の形態を図1を参照しながら説明する。
【0015】なお、前記従来例を示す図2と同様の構成
については同一の符号を付けて説明する。図1は本発明
の実施の形態におけるモータ部品の製造方法を示す説明
図である。
【0016】図1において、まず、所定寸法の未着磁状
態の環状マグネット1を用意する。そして、この環状マ
グネット1に着磁装置6の着磁ヨーク7を挿入し、着磁
装置6によって環状マグネット1を所定の磁力に着磁す
る。
【0017】次いで、着磁した環状マグネット1の外周
面に熱硬化性の接着剤を塗布する。そして、接着剤が塗
布された環状マグネット1をロータハブ2内に挿入す
る。このロータハブ2は円筒状に形成され、その外周面
に磁気ディスクなどの被回転体を保持するように構成さ
れており、その内部には軸受装置を取り付けるための円
筒状の軸受支持部4が形成され、さらにこのロータハブ
2の内壁にはバックヨーク3が装着されている。
【0018】ロータハブ2に挿入された前記環状マグネ
ット1は、バックヨーク3の内周面の所定部位に接着剤
によって取り付けられる。すなわち、環状マグネット1
はバックヨーク3を介してロータハブ2の内周面に取り
付けられる。
【0019】次いで、加熱処理して前記接着剤を硬化さ
せるときに環状マグネット1の減磁量を抑制するため
に、軸方向の長さが環状マグネット1の軸方向の長さよ
りも長く形成された環状磁性体8を環状マグネット1の
内周面と所定間隔を保って対向しかつ環状マグネット1
の軸方向両端部から突出するようにロータハブ2内に挿
入する。
【0020】そして、環状磁性体8が挿入されたロータ
ハブ2を加熱炉5内に収容し、60〜80℃の間の所定
温度で加熱処理して前記接着剤を硬化させる。前記環状
磁性体8は加熱処理後にロータハブ2内から取り外され
る。
【0021】これによって、ロータハブ2の内周面に環
状マグネット1が硬化した接着剤によって固着されたモ
ータ部品が得られる。その後、ロータハブ2内に前記環
状マグネット1との電磁相互作用によってロータハブ2
を回転させるためのコイルを巻回した固定子9が環状マ
グネット1と対向して装着されるとともに図示されてい
ない軸受装置が軸受支持部4に組み込まれ、さらに必要
な部品が取り付けられてモータが完成する。
【0022】前記構成によれば、環状磁性体8を環状マ
グネット1の内周面と対向しかつ環状マグネット1の軸
方向両端部から突出するようにロータハブ2内に挿入し
て加熱処理するので、環状磁性体8と環状マグネット1
との間に環状マグネット1の軸方向の長さよりも長い広
範囲の磁気回路が形成されて、加熱処理中の環状マグネ
ット1のパーミアンスが高く保たれるため、環状マグネ
ット1の減磁量を大幅に抑制することができる。さら
に、60〜80℃の間の所定温度で加熱処理して接着剤
を硬化させるので、環状マグネット1の減磁量を抑制し
つつ短時間で接着剤を硬化させることができ、かつ接着
剤の硬化に伴って発生するガスの放出及び接着剤に含ま
れる揮発成分の除去を確実に行うことができる。
【0023】本実施の形態では、環状マグネット1をバ
ックヨーク3を介してロータハブ2の内周面に固着した
が、バックヨーク3を介することなく、ロータハブ2の
内周面に直接固着してもよい。
【0024】また、本実施の形態では環状マグネット1
をロータハブ2の内周面に固着したが、環状マグネット
1はロータハブ2の外周面に固着してもよい。この場合
には加熱処理時にロータハブ2内に挿入する環状磁性体
8はロータハブ2を介して環状マグネット1と対向する
ことになる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明のモータ部品の製造
方法によれば、環状マグネットの減磁量を大幅に抑制す
ることができる。また、ロータハブの形状に制限を受け
ることなく環状マグネットを着磁することができ、しか
も、安価なコストでモータ部品を得ることができる。
【0026】また、請求項2に記載の発明によれば、環
状マグネットの減磁量をより一層抑制することができ
る。さらに、請求項3に記載の発明によれば、環状マグ
ネットの減磁量を抑制しつつ、接着剤の硬化、接着剤の
硬化に伴って発生したガスの放出及び接着剤に含まれる
揮発成分の除去を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるモータ部品の製
造方法を示す説明図である。
【図2】 従来のモータ部品の製造方法を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 環状マグネット 2 ロータハブ 3 バックヨーク 4 軸受支持部 5 加熱炉 6 着磁装置 7 着磁ヨーク 8 環状磁性体 9 固定子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被回転体を保持して回転する円筒状に形
    成されたロータハブの内周面又は外周面に、コイルを巻
    回した固定子との電磁相互作用によって前記ロータハブ
    を回転させるための環状マグネットを接着剤によって固
    着したモータ部品を製造するに際して、 予め環状マグネットを着磁し、次いでこの環状マグネッ
    トをロータハブの内周面又は外周面の所定部位に接着剤
    によって取り付け、次いで環状磁性体を前記環状マグネ
    ットと対向するように前記ロータハブ内に挿入し、しか
    る後に加熱処理して前記接着剤を硬化させることによっ
    て前記環状マグネットを前記ロータハブに固着すること
    を特徴とするモータ部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記環状磁性体をその軸方向の長さが前
    記環状マグネットの軸方向の長さよりも長く形成し、こ
    れを前記環状マグネットの軸方向端部から突出するよう
    にロータハブ内に挿入することを特徴とする請求項1記
    載のモータ部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱処理を60〜80℃の温度で行
    うことを特徴とする請求項1又は2記載のモータ部品の
    製造方法。
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