JP2003068356A - ナトリウム二次電池とその電池集合体およびモジュール - Google Patents

ナトリウム二次電池とその電池集合体およびモジュール

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JP2003068356A
JP2003068356A JP2001256364A JP2001256364A JP2003068356A JP 2003068356 A JP2003068356 A JP 2003068356A JP 2001256364 A JP2001256364 A JP 2001256364A JP 2001256364 A JP2001256364 A JP 2001256364A JP 2003068356 A JP2003068356 A JP 2003068356A
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battery
negative electrode
electrode chamber
solid electrolyte
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Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Manabu Madokoro
間所  学
Hisamitsu Hato
久光 波東
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力貯蔵装置や電気自動車などに好適で、積層
による直列接続が容易なナトリウム二次電池の提供。 【解決手段】液体ナトリウム7を収納した負極室4と、
正極活物質9を収納した正極室5と、前記負極室4、正
極室5間を分離した平板状の固体電解質板1とを含み、
前記負極室4または前記正極室5の一部が前記固体電解
質板1の端部の外側に設置されているナトリウム二次電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵装置や電
気自動車などに用いるに好適なナトリウム二次電池、電
池集合体およびモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】負極室内に液体ナトリウム、正極室内に
硫黄,多硫化ナトリウム,セレン,テルル,金属塩化物
などの正極活物質を充填し、負極室/正極室間をβ型や
β''型のベータアルミナセラミックス製の固体電解質袋
管で分離した構造のナトリウム二次電池は、長寿命でエ
ネルギー密度が大きいことから注目され、電力貯蔵装置
や電気自動車などへの利用が期待されている。
【0003】しかしながら、この電池を電力系統に接続
したり、電気自動車やハイブリッド自動車などに使用す
る際には、電池電圧が約2V程度と低いために多数の電
池を直列に接続して使用する必要があり、従来の袋管状
の固体電解質を用いた場合には電池の積層が困難なた
め、電池間の直列接続構造が複雑で、接続に手間がかか
ると云う問題があった。
【0004】即ち、袋管状の固体電解質を用いた場合に
は、個々の電池に電気配線を設けて電池間を直列接続す
るのが一般的であった。
【0005】なお、特開平2−256175号公報,特
開平3−176968号公報,特開平9−199167
号公報などには、袋管状の固体電解質を用いた複数個の
ナトリウム硫黄電池を積み重ねて、直列接続した積層体
が例示されているが、電池間の電気接続や積層体間の電
気接続構造が複雑で、実用化のための検討が不十分であ
ると云う問題があった。
【0006】なお、袋管状の固体電解質を用いた電池に
おいては、電池の高さが直径よりも大きくなるのが一般
的なために、例えば、電気自動車やビル内にナトリウム
二次電池を設置する場合、設置空間に高さ制限がある場
合には、上記積層体の設置は特に困難である。
【0007】電池間の積層による直列接続には、平板状
の固体電解質を用いた高さの低い電池が適しており、例
えば、特開昭49−105134号公報や特開平7−2
72753号公報などには、平板状の固体電解質板を用
いたナトリウム二次電池が提案されている。
【0008】しかしながら、このナトリウム二次電池に
おいては、電池運転のためにはナトリウムの融点以上に
電池を加熱する必要があり、室温から運転温度の範囲で
昇降温する際の熱応力によって固体電解質板が破損し、
電池運転時の信頼性に問題が生じ易いと云う欠点があっ
た。
【0009】特に、電池の高さを大きくせずに電池を大
容量化するためには、従来の電池構造では固体電解質板
の面積を大きくする必要があるが、セラミックス製の固
体電解質板においては、面積が大きくなるほど強度が低
下し、熱応力によって破損し易くなると云う信頼性上の
問題があった。
【0010】また、従来のナトリウム二次電池の製造工
程においては、固体電解質板を絶縁部材とガラス接合す
るのが一般的であり、この場合に固体電解質板の面積が
大きいと、ガラス接合のための加熱・冷却時の熱応力に
よって、固体電解質板が割れ易いと云う製造歩留まりの
問題もあった。なお、固体電解質板と絶縁部材とを一体
焼結する案も提案されているが、この場合には焼結時の
収縮率が固体電解質板と絶縁部材とで一般に異なるた
め、固体電解質板の面積が大きいと、焼結の途中で固体
電解質板が割れ易いと云う問題もあった。
【0011】このように、従来のナトリウム二次電池に
おいては、積層に適した大容量電池の実現は困難であっ
た。
【0012】さらに、ナトリウム二次電池の実用化のた
めには、電池のコスト低減を目的に、電池を構成する部
品の低減や製造工程の簡略化を実現することが望ましい
が、従来の固体電解質板を用いたナトリウム二次電池に
おいては、このための検討も不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、上記従来技術の欠点を除き、積層による直列接続が
容易で、電池運転時の信頼性を損なうことなく大容量化
が可能なナトリウム二次電池の提供にある。
【0014】本発明の第二の目的は、電池を構成する部
品の低減や製造工程の簡略化、歩留まり向上などによる
低コスト化の可能なナトリウム二次電池を提供すること
にある。
【0015】本発明の第三の目的は、複数個のナトリウ
ム二次電池を直列接続した積層体を用い、積層体間の電
気接続や積層体と外部回路との電気接続を簡単に行うこ
とができる電池集合体、および、これを用いたモジュー
ルを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0017】〔1〕 液体ナトリウムを収納した負極
室、正極活物質を収納した正極室、および、前記負極室
と正極室間を分離した固体電解質板とを含むナトリウム
二次電池であって、前記負極室の一部または前記正極室
の一部が前記固体電解質板の端部の外側に設置されてい
ることを特徴とするものである。
【0018】これによって本発明の第一の目的の積層に
よる直列接続が容易で、運転時の信頼性に優れた大容量
電池が実現される。
【0019】ここで、前記ナトリウム二次電池がナトリ
ウム硫黄電池、前記正極活物質が硫黄または/および多
硫化ナトリウムであって、前記ナトリウム硫黄電池内の
硫黄とナトリウムとの原子数の比が2以上であることが
望ましい。
【0020】〔2〕 液体ナトリウムを収納した負極
室、正極活物質を収納した正極室、および、前記負極室
と正極室間を分離した固体電解質板とを含むナトリウム
二次電池であって、前記固体電解質板が互いに分離され
た2枚以上の金属接合板を介して絶縁部材と接合される
と共に、前記絶縁部材が前記負極室を構成する負極容器
および前記正極室を構成する正極容器と接合されている
ことを特徴とするものである。
【0021】これによって、本発明の第二の目的である
電池の製造工程の簡略化による電池の低コスト化と、製
造工程における歩留まりの向上が可能となる。
【0022】前記〔1〕,〔2〕のナトリウム二次電池
において、前記負極室を構成する負極容器の側面または
/および前記正極室を構成する正極容器の側面の一部ま
たは全部が直方体形状であることが特に望ましい。
【0023】また、前記固体電解質板の面に隣接して、
前記負極室内に金属板が設置されていること、または、
前記負極室の一部が前記固体電解質板の端部の外側に設
置されており、前記負極室を構成する負極容器の一部が
前記固体電解質板の面に隣接して配置されていること、
あるいは、前記正極室の一部が前記固体電解質板の端部
の外側に設置されており、前記正極室を構成する正極容
器の一部が前記固体電解質板の面に沿って配置され、前
記正極容器の一部と前記固体電解質板の面との間に多孔
質導電材、または、多孔質導電材と多孔質材が設置され
ていることが望ましい。
【0024】さらに、前記正極室内の前記固体電解質板
の面に沿って、Al板またはAl合金板の片面または両
面に耐食性の導電層を形成した集電体を設け、前記固体
電解質板の面と前記集電体の前記導電層との間に多孔質
導電材、または、多孔質導電材と多孔質材が設置されて
いること、および、前記多孔質導電材、または、前記多
孔質導電材と前記多孔質材とに接した前記集電体の面に
貫通孔を設け、前記集電体の面に対する前記貫通孔の面
積割合が5〜50%の範囲にあり、かつ、前記集電体の
厚さが5mm以下で、前記Al板またはAl合金板の厚
さが0.3mm以上であることが望ましい。
【0025】〔3〕 液体ナトリウムを収納した負極
室、正極活物質を収納した正極室、および、前記負極室
と正極室間を分離した固体電解質板を含むナトリウム二
次電池であって、該ナトリウム二次電池がナトリウム硫
黄電池であり、前記負極室の一部または全部が前記固体
電解質板の下側に、前記正極室の一部または全部が前記
固体電解質板の上側に設置されていると共に、前記正極
室内の一部に設置した多孔質導電材の下面と前記固体電
解質板の上面との間に多孔質材を設置し、前記多孔質導
電材と前記正極室を構成する正極容器または前記正極室
内に設けた集電体とを接触して、正極活物質を、前記多
孔質導電材の内部や前記多孔質材の内部と、前記正極室
内の前記多孔質導電材の側部または/および上部に充填
したことを特徴とするものである。
【0026】ここで、上記〔3〕によって、本発明の第
二の目的である電池構成部品の低減による低コスト化を
図ったナトリウム二次電池を実現することができる。
【0027】また、本発明のナトリウム二次電池は、前
記負極室の一部が前記固体電解質板の端部の外側に設置
されていること、または/および、前記正極活物質が硫
黄または/および多硫化ナトリウムであって、前記ナト
リウム硫黄電池中の硫黄とナトリウムとの原子数の比が
2以上であることが望ましい。
【0028】〔4〕 電池上部に負極電極または正極電
極、電池下部に正極電極または負極電極を有するナトリ
ウム二次電池を複数個上下に積重ねて積層体を構成し、
前記積層体を構成するナトリウム二次電池間を電気接続
して、前記積層体の1個、または、複数個を金属容器内
に収納し、前記積層体の最下段電池の下部に設けた前記
正極電極または前記負極電極を前記金属容器と電気的に
接続したことを特徴とする電池集合体である。
【0029】ここで、前記積層体を構成するナトリウム
二次電池としては、前記〔1〕,〔2〕または〔3〕に
記載のナトリウム二次電池を用いることが望ましい。
【0030】また、前記負極電極または前記正極電極
が、それぞれ、前記ナトリウム二次電池を構成する負極
容器の一部または正極容器の一部であることが望まし
い。
【0031】さらに、本発明のモジュールは、前記電池
集合体の1個、または、複数個を保温容器内へ収納し、
前記金属容器を介して前記電池集合体間、または、前記
電池集合体と外部回路との間を電気的に接続したことを
特徴としている。
【0032】上記電池集合体およびモジュールによっ
て、本発明の第三の目的である複数個のナトリウム二次
電池を直列接続した積層体間の電気接続や、積層体と外
部回路との電気接続を簡単に行うことができる電池集合
体、および、これを用いたモジュールを実現することが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
【0034】〔実施例 1〕図1は本実施例のナトリウ
ム二次電池101の構造例を示している。図において、
ナトリウムイオン導電性の平板状の固体電解質板1には
普通、β型やβ''型のベータアルミナセラミックス平板
が用いられる。
【0035】負極容器2,正極容器3は固体電解質板1
と共にそれぞれ負極室4,正極室5を構成し、Al合金
やFe合金、SUS、または、これらの表面にCr,M
o,Ti,C,Siなどを主体とする耐食層を設けたも
のや、Al合金とSUS等とのクラッド材が普通に用い
られる。
【0036】なお、図1では負極容器2は負極容器本体
21と負極接合部22およびナトリウム注入口23か
ら、正極容器3は正極容器本体31と正極接合部32か
ら構成されており、電池内部抵抗低減および電池集合体
やモジュールに用いられるAl製ブスバとの接合の容易
さの観点から、AlやAl合金を主体とした材料やAl
とSUSなどとのクラッド材を用いることが望ましい。
【0037】また、絶縁部材6は負極容器2と正極容器
3とを絶縁分離し、かつ、これらと接合されている。こ
の絶縁部材6には普通α−アルミナなどの絶縁性セラミ
ックスが用いられ、負極接合部22や正極接合部32と
の接合には図示していないが、AlまたはAl合金を用
いた熱圧接法が一般的に用いられる。
【0038】さらに、絶縁部材6と固体電解質板1と
は、図示していないが、ガラス半田によって接合される
のが一般的である。なお、図2で後述するように、絶縁
部材6と固体電解質板1とを互いに分離した2枚以上の
金属板を介して接合することも可能である。
【0039】さらに、負極室4内には液体状のナトリウ
ム7が収納されると共に、固体電解質板1の面に隣接し
て金属板8が配置されている。
【0040】ここで、ナトリウム7は、重力または負極
室4内に充填されたArなどの不活性ガスや窒素ガスの
圧力で押されて、固体電解質板1の表面へ供給される。
【0041】また、正極活物質9は固体電解質板1の端
部の外側に設けられた正極室5内に充填されると共に、
固体電解質板1に沿って設置された多孔質導電材10内
に含浸されて、固体電解質板1の表面へ供給される。
【0042】なお、ナトリウム硫黄電池の場合、正極活
物質9としては硫黄や多硫化ナトリウムが用いられ、多
孔質導電材10としては1200〜2000℃で加熱さ
れたPAN(ポリアクリロニトリル)系やピッチ系の炭
素繊維や、炭素粒子の充填体積密度が約5〜30%の集
合体が一般に用いられている。
【0043】一方、ナトリウム硫黄電池以外のナトリウ
ム二次電池においては、正極活物質9として硫黄,セレ
ン,テルルの元素やこれらの塩化物,金属塩化物(金属
はAl,Ni,Fe等)などが用いられる。
【0044】また、ナトリウム硫黄電池の場合、図示す
るように固体電解質板1と多孔質導電材10との間に多
孔質材11が設けられ、この多孔質材11には普通アル
ミナなどのセラミックス,ガラスの繊維や粒子などの厚
さ約0.1〜1mmの集合体が用いられる。
【0045】この多孔質材11は多硫化ナトリウムのよ
うなナトリウムイオンとの反応生成物の移動を促進する
役目を持ち、ナトリウム硫黄電池などの充放電特性を改
善する効果を持っている。
【0046】図1においては、正極容器3の一部、即
ち、正極室5の一部が固体電解質板1の端部の外側に配
置されており、この部分に正極活物質9を充填すること
で、固体電解質板1の面積や電池の高さを大きくするこ
となく、電池の大容量化が可能である。このため、従来
の電池構造で問題のあった固体電解質板1の面積増大に
よる破損の問題は起こりにくく、大容量化しても電池運
転時の信頼性を高く保てる。
【0047】さらに、電池を構成する固体電解質板1の
面積を比較的小さくしても電池の大容量化が可能なため
に、電池構成材料の低減による低コスト化が可能であ
る。
【0048】また、電池の高さを大きくしなくてもよい
ために、電池の積層による直列接続も容易に行うことが
できる。
【0049】なお、図1に示す構造では、電池の下部が
正極、電池の上部が負極となっているため、電池を上下
に積層することで、容易に電池間の直列接続が達成でき
る。
【0050】ここで、図1では固体電解質板1の面に沿
って正極容器3の底部が設けられ、これらの間に多孔質
導電材10や多孔質材11が設置されているために、正
極抵抗は主にこの部分で決まり、固体電解質板1の面と
正極容器3の底部との距離を適切に短くすることによっ
て、正極抵抗が低減できて電池効率が向上すると共に、
多孔質導電材10の充填量の低減による低コスト化が可
能である。
【0051】また、固体電解質板1の端部の外側に設け
た正極容器3の容積を大きくして、そこに含まれる正極
活物質量を多くし、重力や正極室5内に充填した不活性
ガスや窒素ガスの圧力、あるいは、多孔質導電材10や
多孔質材11の表面張力によって正極活物質9を固体電
解質板1の表面へ供給したり、前記表面張力によりナト
リウムイオンとの反応生成物を、固体電解質板1の端部
の外側に設けた正極容器3内へ移動することで、大容量
電池の円滑な充放電が可能である。
【0052】なお、この構造では固体電解質板1が電池
の比較的下部に設けられているため、負極室4内や正極
室5内にガスを充填することなく、重力によってナトリ
ウム7や正極活物質9を、固体電解質板1の表面へ供給
することが可能であり、これによって電池製造工程の簡
略化が可能となる。
【0053】一方、負極室4内に充填された液体ナトリ
ウム7は導電性が高いため、負極室4の容積を大きくし
てナトリウム量を多くしても、負極抵抗を低く保つこと
が容易である。即ち、図1の電池構造により、電池の大
容量化と低抵抗化との両立が可能である。
【0054】さらに、負極室4内の固体電解質板1の面
に沿ってAlやSUSなどから成る金属板8が設けられ
ており、ナトリウム7や正極活物質9が昇降温時の固相
/液相間の相変化によって体積変化した際に、固体電解
質板1の変形を金属板8で押さえ、固体電解質板1に加
わる引張り応力や曲げ応力を軽減することにより、電池
運転時の信頼性を高めている。
【0055】さらに、この構造では金属板8の外周部が
絶縁部材6に隣接しており、金属板8の熱膨張率を絶縁
部材6よりも大きくすることにより、万一の電池故障に
よって電池温度が異常に上昇した場合にも、金属板8が
膨張して絶縁部材6に接し、負極室4から固体電解質板
1の表面へのナトリウム7の供給を遮断するので、電池
の安全性を飛躍的に向上させることができる。
【0056】なお、図示していないが、負極室4内に金
属製のナトリウム容器を設け、このナトリウム容器の底
部を金属板8の代りに用いて、固体電解質板1の面に沿
って配置することにより、固体電解質板1の変形を防止
したり、電池温度が異常上昇した際の熱膨張によって絶
縁部材6と接触させて、ナトリウム7の移動を防止する
ことで、電池の安全性を向上することもできる。
【0057】また、金属板8や上記ナトリウム容器をA
lやAl合金などの比較的高熱膨張率の金属製とし、一
方、負極容器の側部、例えば、後述の図3に示された負
極接合部22をSUS製などの比較的低熱膨張率の金属
製とし、図示していないが金属板8やナトリウム容器の
端部を負極容器の側部に近接,配置することにより、電
池温度が異常上昇した際に、金属板8やナトリウム容器
が熱膨張して負極容器2の側部と接触し、電池の安全性
を向上することが可能となる。
【0058】さらに、ナトリウム二次電池がナトリウム
硫黄電池の場合には、電池内に含まれる硫黄とナトリウ
ムとの原子数の比を2以上にすることが望ましい。
【0059】ナトリウム硫黄電池においては、正極室5
内で電池反応に関与する硫黄とナトリウムとの原子比が
2.5以上では、正極活物質9は硫黄、Na25または
これらの混合物で構成され、電池の起電力は正極活物質
9の組成によらず一定となる。
【0060】これより放電が進んで正極室5内のナトリ
ウム原子数が増える(硫黄とナトリウムとの原子比が低
下する)につれて、正極活物質9の組成はNa24、N
23と変化し、これにつれて起電力が低下する。
【0061】電池効率は電池の起電力と内部抵抗による
オームロスによって決まるため、硫黄とナトリウムとの
原子比が低下するにつれて電池効率が低下する。また、
放電が進んで正極活物質9の組成がNa24やNa23
に変化するにつれて、正極活物質9による正極容器3の
腐食が進み易くなり、電池の寿命が短くなる。このた
め、正極室5内で電池反応に関与する硫黄とナトリウム
との原子比が2.5以上で電池を運転することが望まし
い。
【0062】ここで、正極室5内の硫黄は正極容器3の
腐食の問題がなければ、普通、全ての硫黄が電池反応に
関与する。一方、負極室4内のナトリウム7を放電時に
全て正極室5内に移動させると、ナトリウム7による負
極室4内の導電パスが無くなって負極抵抗が大幅に上昇
し、その後の充電が極めて困難になるため、一般に負極
室4内に含まれるナトリウム7の約80%を放電に使用
し、残りの約20%は負極室4内に残して負極抵抗の増
加を防止している。
【0063】これらの結果、ナトリウム硫黄電池内に含
まれる硫黄とナトリウムとの原子比を2以上とし、ナト
リウム7の内の約80%を放電時に正極室5内へ送っ
て、正極室5内で電池反応に関与する硫黄とナトリウム
との原子比を2.5以上の範囲で運転することにより、
ナトリウム硫黄電池の効率向上と長寿命化が達成され
る。
【0064】なお、電池を長時間運転すると正極活物質
9によって正極容器3が少しずつ腐食され、それによっ
て正極室5内の硫黄の一部が電池反応に関与しなくな
る。電池を20年以上用いると、普通正極室5内の硫黄
の約20%が腐食に使われて電池反応に関与しなくなる
ため、これを考慮して20年後にも正極室5内で電池反
応に関与する硫黄とナトリウムとの原子比を高く保つた
めには、初期における電池内の硫黄とナトリウムとの原
子比を2.5以上にすることが好ましい。
【0065】ところで、このように硫黄とナトリウムと
の原子比を大きくし、かつ、電池容量を所定の値に保つ
ためには、正極室5の容積を大きくして硫黄収納量を増
やす必要がある。
【0066】この場合、図1のように正極容器3の一部
を固体電解質板1の端部の外側に設けて、そこから正極
活物質9を固体電解質板1の表面へ送り、電池反応に関
与させる構造とすることで、固体電解質板1の端部の外
側の正極容器3の容積を大きくするだけで硫黄の収納量
を増加させることが簡単に実現でき、電池効率の向上や
長寿命化が容易に達成される。
【0067】また、図1では固体電解質板1の面に沿っ
て正極容器3の底部が設けられ、これらの間に多孔質導
電材10と多孔質材11が設置されているために、正極
抵抗は主にこの部分で決まり、固体電解質板1の面と正
極容器3底部との距離を適切に短くすることによって正
極抵抗が低減できる。
【0068】さらに、これと同時に、固体電解質板1の
端部の外側に設けた正極容器3の容積を大きくして、そ
こに含まれる硫黄量を多くすることで、電池抵抗を低減
すると共に、硫黄とナトリウムとの原子比を高めること
や電池容量の増大が可能である。なお、この効果は後述
の図2に見られるように、正極室5内に集電体33を設
けた電池構造においても達成でき、正極容器3の内容積
を大きくして硫黄量を多くすると共に、集電体33によ
って多孔質導電材10の厚さを薄くすることで、電池抵
抗を低減できると共に、硫黄とナトリウムとの原子比を
高めたり、電池容量を増大することができる。
【0069】〔実施例 2〕図2は、本実施例によるナ
トリウム二次電池の構造例の断面図である。なお、以下
の図面において、図1と同じ符号で示すものは同じ部分
を示す。
【0070】図2においては、負極室4の一部が固体電
解質板1の端部の外側に設けられており、この部分にナ
トリウム7を充填することで、固体電解質板1の面積を
大きくすることなく、ナトリウム充填量を大きくして電
池の大容量化が可能となる。
【0071】なお、固体電解質板1の端部の外側の負極
室4に充填されたナトリウム7は、重力または負極室4
内に充填した不活性ガスや窒素ガスの圧力に押されて固
体電解質板1の表面へ供給される。また、図2では負極
容器2の底部が固体電解質板1の面に隣接して設置され
ており、この底部が図1の金属板8と類似の効果を有
し、固体電解質板1の変形を抑えて電池の信頼性向上の
役目を果たしている。
【0072】なお、図2においては平板状の固体電解質
板1の周辺部を厚くし、絶縁部材6との接合部の信頼性
を高めている。また、絶縁部材6と固体電解質板1と
は、空隙80によって互いに分離されたリング状の金属
接合板81,82によって接合されている。
【0073】ここで、金属接合板としてはAlやAl−
Mgまたは/およびMn、Al−Si、Al−Mg−S
iなどのAl合金を用いることが望ましい。このように
絶縁部材6と固体電解質板1とを金属接合板81,82
を介して熱圧接により接合することで、絶縁部材6と負
極接合部22や正極接合部32との熱圧接接合と同時に
接合することができ、図1で述べた絶縁部材6と固体電
解質板1とのガラス接合の必要が無くなり、電池の製造
工程を大幅に簡略化でき、低コスト化が可能となる。
【0074】さらに、従来のように固体電解質板1と絶
縁部材6とをガラス接合し、かつ、絶縁部材6と負極接
合部22や正極接合部32とを熱圧接する場合に比べ
て、ガラス接合が不要となるため電池の組立て中の熱処
理回数が減少し、特に、ガラス接合温度が前記熱圧接の
接合温度よりも一般的に高いために、ガラス接合が不要
になることで電池組立て時の熱応力の影響が低減され
て、固体電解質板1の面積を大きくしても電池製造工程
における歩留まりが向上し、コスト低減ができるという
利点がある。
【0075】なお、金属接合板81と82との間には空
隙80を設けて両者を電気的に絶縁することが必要であ
る。金属接合板81と82とが接触していると、これら
を介して正極と負極が内部短絡され、電池特性が損なわ
れる。これを避けるためには、図2の様に互いに分離さ
れた2枚の金属接合板81,82を用いる他に、互いに
分離された3枚以上の金属接合板を用いて、絶縁部材6
と固体電解質板1とを接合することもできる。
【0076】また、正極室5は固体電解質板1の上部に
設けられ、固体電解質板1と正極容器3との間に正極容
器3と電気接続された集電体33を設け、この集電体3
3と固体電解質板1の面との間に、多孔質導電材10、
または、多孔質導電材10と多孔質材11を充填し、集
電体33と正極容器3との間には空隙を設けて正極活物
質9を収納し、正極活物質9が充放電時に集電体33に
設けた貫通孔34を通って、この空隙を出入りする構造
となっている。
【0077】ここで、正極室5内に集電体33を設けれ
ば、集電体33と固体電解質板1の面との間に存在する
多孔質導電材10の厚さが薄くでき、電池の抵抗低減に
よる効率向上と、多孔質導電材10の使用量低減による
コスト低減ができる。
【0078】また、集電体33と正極容器3との空隙に
正極活物質9が充填できるために、正極容器3の内容積
を大きくすることによって、電池容量の大型化が可能と
なる利点があり、実用に適した大容量,高効率のナトリ
ウム二次電池を実現することができる。
【0079】なお、集電体33としてはAl,Al合
金,これらとSUS等とのクラッド材を用い、その片面
または両面、即ち、少なくとも多孔質導電材10との接
触面に、図示していないがCo基合金,Cr/Fe合
金,Al/Si合金,Cr,C,MoやCr,Moの炭
化物や窒化物などの耐食性の導電層を、溶射やメッキな
どの方法で設けたり、これら耐食性の粒子や繊維をAl
やAl合金の表面へ接合または埋め込んだものが用いら
れる。また、集電体33の厚さは5mm以下、AlやA
l合金の厚さは0.3mm以上であることが望ましい。
【0080】さらに、貫通孔34としては、直径や幅、
長さが1〜10mm程度の円形や直方体、または、これ
らの間に幅1〜10mmのスリットを設けたものを用
い、面積割合としては、集電体33の面の面積の5〜5
0%程度が望ましい。
【0081】ここで、AlやAl合金の厚さが0.3m
mを下回ったり、貫通孔34の面積割合が50%を超え
たりすると、集電体33の電気抵抗が大きくなって、電
池抵抗の低減が困難になる。
【0082】一方、集電体33の厚さが5mmを超えた
り、貫通孔34の面積割合が5%を下回ったりすると、
貫通孔34を通しての正極活物質9の移動が困難とな
り、電池抵抗の増加や電池容量の低下を招くことにな
る。
【0083】〔実施例 3〕図3、図4も本発明のナト
リウム二次電池の構造を示す断面図である。図3におい
ては、正極室5の一部が固体電解質板1の端部の外側に
設けられており、また、負極容器2の面積も固体電解質
板1の面積より大きくして、固体電解質板1の面積や電
池の高さを小さく保ちながら、電池の大容量化を図るに
有効な構造となっている。
【0084】また、ナトリウム注入口23を横向きに設
けることにより、電池の上部面、下部面を共に平板状に
して、電池間の上下方向の積層を容易にしている。
【0085】一方、図4においては、図2と同様に負極
室4の一部を固体電解質板1の端部の外側に設けて、固
体電解質板1の面積低減と電池の大容量化を可能にする
と共に、負極容器2の底部を固体電解質板1の下面に隣
接して、電池の信頼性を向上している。
【0086】また、負極容器2の底部に段差部24を設
け、該段差部24を絶縁部材6の内面と近接させて、固
体電解質板1の破損などにより電池温度が約500℃以
上と異常に上昇した際、負極容器2が熱膨張して段差部
24が絶縁部材6の内面と接触し、固体電解質板1への
ナトリウム7の移動を抑制して、電池の安全性を向上し
ている。
【0087】さらに、固体電解質板1の上部に設けた正
極室5内の一部に設置した多孔質導電材10の下面を、
多孔質材11を介して固体電解質板1の上面に、多孔質
導電材10の上面を正極容器3の下面と接触させ、正極
室5内の多孔質導電材10の側部に空間を設けて正極活
物質9を充填することによって、多孔質導電材10の充
填量を比較的少なくして、電池の低コスト化を実現して
いる。
【0088】さらに、正極活物質9を多孔質導電材10
や多孔質材11に含浸し、また、正極活物質9の一部を
多孔質導電材10の側部に充填し、正極室5内での正極
活物質9の移動を促進することにより、電池特性の向上
と共に電池の大容量化を可能にしている。なお、図示し
ていないが、図4の構造の代りに、負極室4の全部を固
体電解質板1の下側に設けたり、正極室5の一部を固体
電解質板1の上側に設けて、残りの部分を固体電解質板
1の端部の外部に設けたりすることもできる。
【0089】さらに、正極室5内に図2のように集電体
33を設けて、多孔質導電材10の上面を集電体33と
接触させると共に、正極活物質の一部を多孔質導電材1
0の側部や上部に充填することにより、多孔質導電材1
0の充填量の低減と電池容量の向上を図ることもでき
る。
【0090】ここで、図4の構造は、ナトリウム二次電
池の一つであるナトリウム硫黄電池の充放電特性の向上
に特に適している。即ち、正極活物質9を構成する多硫
化ナトリウムの比重が硫黄よりも大きいために、正極室
5内の多孔質導電材10や多孔質材11の側部では多硫
化ナトリウムが下側に、硫黄が上側に存在し、充電時に
は多硫化ナトリウムに濡れ易い多孔質材11に多硫化ナ
トリウムが接触して含浸され、固体電解質板1の表面に
供給されて、充電が円滑に進行する。
【0091】なお、充電によって多硫化ナトリウムは硫
黄に変化し、生成した硫黄は多孔質導電材10を通って
多孔質導電材10の側部や上部に放出されるが、充電が
進行して硫黄量が増加しても、比較的比重の大きい多硫
化ナトリウムは下部に存在して多孔質材11と接触する
ため、充電が継続されて電池の充電容量が向上する。
【0092】一方、放電時には、硫黄に濡れ易い多孔質
導電材10の側部や上部に存在する硫黄が多孔質導電材
10に接触して含浸され、固体電解質板1から供給され
たナトリウムイオンとの反応で生成した多硫化ナトリウ
ムが、多孔質材11を通って多孔質導電材10の側部に
放出され、放電が円滑に進行する。
【0093】なお、放電が進行して側部に存在する多硫
化ナトリウムの量が増加しても、比較的比重の小さい硫
黄は、上部に存在して多孔質導電材10と接触するた
め、放電が継続され、その結果、放電容量が向上する。
【0094】このように、図4の構造では充放電容量、
即ち、電池容量が向上すると共に、多硫化ナトリウムと
硫黄とが、それぞれ濡れ易い多孔質材11や多孔質導電
材10と接触して正極室5内を円滑に移動するために、
電池反応が促進され、電池抵抗が低減して電池効率が向
上すると云う利点が得られる。
【0095】なお、この効果は、図2に示すように、多
孔質導電材9の上部に集電体33を設け、多孔質導電材
10の上部の空間に正極活物質9を充填した構造でもあ
る程度実現される。
【0096】また、この目的のためには、負極室4内の
ナトリウム7が固体電解質板1の下面に接触しているこ
とが必要であり、図4や図2のように、固体電解質板1
の端部の外側に設けた負極室4にナトリウム7を充填し
て、重力やガス圧力によってナトリウム7を固体電解質
板1の下面に送ることが望ましい。また、図示していな
いが、負極室4の全部を固体電解質板1の下側に設け
て、負極室4内に充填した多孔質材の表面張力や窒素ガ
ス,不活性ガスなどの圧力によって、負極室4内のナト
リウム7を固体電解質板1の下面へ供給することもでき
る。
【0097】なお、図2や図4のように正極室5内の一
部に多孔質導電材10を設け、正極活物質9の一部を多
孔質導電材10の内部に充填すると共に、多孔質導電材
10の側部や上部に設けられた正極室5内の空間にも、
正極活物質9を充填することにより、多孔質導電材10
の充填量を増やすことなく、ナトリウム硫黄電池を構成
する活物質である硫黄とナトリウムとの原子数の比を2
以上にすることができる。
【0098】こうすることにより、図1で述べたと同様
の理由で、ナトリウムの内の約80%を放電時に正極室
5内へ送って、正極室5内で電池反応に関与する硫黄と
ナトリウムとの原子比を2.5以上で運転することによ
り、ナトリウム硫黄電池の効率向上と長寿命化が達成さ
れる。さらに、多孔質導電材10の充填量が少なくて済
むために、電池の低コスト化が可能となる。
【0099】〔実施例 4〕図5は本実施例の電池集合
体およびモジュールの構造を示す断面図である。図5に
おいて、電池集合体100は、図1〜4などに示したナ
トリウム二次電池101を複数個積み重ねて積層体10
6を構成し、この積層体106の1個または複数個をA
l合金やFe,SUS、または、これらの金属のクラッ
ド材などから成る金属容器102内に収納した構造を有
している。
【0100】なお、これらの図に示されたナトリウム二
次電池101においては、電池の上部と下部とにそれぞ
れ正極電極,負極電極を兼用する正極容器3と負極容器
2とが分かれて存在するために、複数個の電池を上下に
積層するだけで容易に電池間の直列接続ができると云う
利点がある。
【0101】ここで、積層体106を構成する電池の電
極間は、溶接部105で溶接して接続され、また、積層
体106の最下段の電池の下部に存在する電極が金属容
器102とも溶接により電気的に接続されている。な
お、溶接の代わりにネジ止めしたり、バネなどで押圧し
て電気接続することも可能である。
【0102】さらに、図5に見られるように、ブスバ1
03によって積層体106の最上段電池の上部電極間を
接続して積層体106間を並列接続したり、積層体10
6の最上段電池と隣りの金属容器102とを電気的に接
続すると共に、金属容器102や積層体106と外部回
路とを電気的に接続したりして、電気接続の一部に金属
容器102を用いることにより、電気接続構造を簡略化
している。なお、図示されていないが、金属容器102
内に収納した複数個の積層体の向きを上下逆向きにし
て、金属容器102を介して積層体間を直列接続した
り、金属容器102の代りにブスバを用いて複数個の積
層体間を直並列接続することも可能である。
【0103】また、図示していないが、ナトリウム二次
電池101の上部および下部にそれぞれ電池容器とは別
に電極を設け、この電極を介して電池間を上下に接続し
たり、金属容器102や外部回路と接続することもでき
る。但し、図5のように電池容器の一部を電極として用
いる接続方法を用いれば、電池に別途電極を設ける必要
が無く、電池構造が簡略化されると云う利点がある。
【0104】また、モジュール200においては、本発
明の電池集合体100を1個または複数個保温容器20
1内に収納して構成されており、マイカなどの絶縁材2
02によって、金属容器102と保温容器201との間
や、ブスバ103と保温容器201との間が電気絶縁さ
れている。さらに、乾燥砂などの絶縁性粉末203によ
って、電池の積層体106間や積層体106と金属容器
102との間、あるいは、金属容器間や金属容器102
と保温容器201との間が電気的に絶縁されると共に、
万一、電池が破損して活物質が漏洩した際には、この活
物質の動きを抑制して電池集合体100やモジュール2
00の安全性を高める効果が実現できる。
【0105】なお、場合によっては、電気絶縁のため
に、絶縁性粉末203と共にマイカ板のような絶縁板を
設置したり、空隙を設けて空気絶縁することも可能であ
る。また、保温容器201としては、真空断熱容器や断
熱材を充填した保温容器などを用いることができる。
【0106】このように、積層体106の最下段電池の
下部電極を金属容器102と電気接続して該電気配線に
金属容器102を利用し、金属容器102や積層体10
6の最上段電池の上部電極をブスバ103と接続するな
どの方法により、電池の直並列接続や外部回路との電気
配線構造が簡略化され、電池の直並列接続を容易に行う
ことができる。
【0107】また、個々のナトリウム二次電池101が
金属容器102内に収納されているため、万一、電池が
破損して活物質が電池から漏洩しても、活物質は金属容
器102内に留まって外部へ漏れ出ることがなく、電池
集合体100やこれを用いたモジュール200の安全性
を高めると云う利点もある。
【0108】さらに、本発明のナトリウム二次電池にお
いては、電池の上部と下部とに正極と負極とが分かれて
存在するため、複数個の電池が容易に積層されて直列接
続できると共に、電池の高さが低いために、電池を直列
接続した電池集合体100の高さを低くすることがで
き、この電池集合体100から成るモジュール200の
設置場所の制限が少なくなる。例えば、自動車の底部や
一般家庭の建物のような高さの低い空間にも収納できる
と云う利点がある。
【0109】ここで、図1〜4などに示されたナトリウ
ム二次電池において、図示してはいないが、負極室4を
構成する負極容器2の側面または/および正極室5を構
成する正極容器3の側面の一部または全部を、直方体形
状とすることにより、電池の積層体106間の間隔や積
層体106と金属容器102との間隔を低減でき、その
結果、電池集合体100やモジュール200の電池充填
密度が高められて、エネルギー密度が向上すると云う利
点がある。
【0110】特に、前述のように、固体電解質板1の端
部の外側に、負極室4や正極室5の一部を設けたナトリ
ウム二次電池においては、固体電解質板1の端部の外側
の負極容器2や正極容器3の構造が変化しても、固体電
解質板1の面と近接する負極室4や正極室5の構造は変
化しないために、固体電解質板1の端部の外側の負極室
4や正極室5の内部容積が一定であれば電池特性には影
響を及ぼさず、固体電解質板1の端部の外側の負極容器
2や正極容器3の側面を直方体形状にすることにより、
本発明の特徴である固体電解質板1の面積や電池の高さ
を大きくすることなく電池容量を大きくできる。その結
果、電池集合体100やモジュール200のエネルギー
密度向上が可能となる。
【0111】また、図1〜3においては、固体電解質板
1の面と正極容器3の底部あるいは集電体33との距離
を短くできるために、正極抵抗を低く保って電池効率を
高めながら、電池容量の向上や多孔質導電材10の充填
量の低減が可能である。
【0112】具体例としては、図3に示すように、固体
電解質板1としてリチウムドープの直径150mm×厚
さ1.5mmの円板状β''−アルミナ焼結体を用い、α
−アルミナ焼結体からなるリング状の絶縁部材6とガラ
ス接合した。
【0113】また、負極容器2の材料にはAl合金を、
正極容器3には同じくAl合金を用い、底部内面にクロ
ム合金を溶射あるいはメッキした。
【0114】次に、絶縁部材6の表面に負極接合部2
2、正極接合部32の端部を配置し、Al−Si合金を
接合材に用いて絶縁部材6と熱圧接した。
【0115】また、負極室4内にナトリウム7を、正極
室5内には硫黄から成る正極活物質9を充填すると共
に、正極容器3の底部に体積密度10〜30%の炭素繊
維マットから成る多孔質導電材10と、厚さ約0.3m
mのアルミナ繊維集合体から成る多孔質材11を設置
し、負極容器本体21と負極接合部22、正極容器本体
31と正極接合部32とを接合して、ナトリウム硫黄電
池を作成した。
【0116】得られた電池の大きさは縦横250mm×
高さ10mmの直方体形状で、容量は約150Ah、効
率は約90%であった。得られた電池を室温から350
℃の範囲で30回昇降温しても、電池破損などの問題は
全く認められなかった。
【0117】また、電池の高さが10mmと小さく、か
つ、上面,底面共に平面形状のため、電池の積層による
直列接続が容易であった。なお、この電池においては、
固体電解質板1の端部の外側に配置された正極容器3
や、負極容器2の容積を変化させることにより、固体電
解質板1の面積や電池高さを変えることなく、電池容量
を150Ahより大きくしたり小さくしたりすることが
可能である。
【0118】また、図5に示すように、この電池を複数
個積層した積層体106をAl製の金属容器102に収
納して電池集合体100を構成し、金属容器102と積
層体106を構成する最下段電池の下側電極とを電気接
続して、金属容器102を電気配線に利用すると共に、
金属容器102を保温容器201内に収納することによ
り、簡単な電気接続構造でエネルギー密度の高いモジュ
ール200を得ることができた。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、積層による直列接続が
容易で、信頼性や安全性を損なうことなく大容量化が可
能なナトリウム二次電池を実現することができる。
【0120】また、電池を構成する部品の低減や製造工
程の簡略化による低コスト化の可能なナトリウム二次電
池、並びに、ナトリウム二次電池の積層体間の電気接続
や、積層体と外部回路との電気接続が簡単に行える電池
集合体、および、これを用いたモジュールを実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナトリウム二次電池の一構造例を示す
断面図である。
【図2】本発明のナトリウム二次電池の一構造例を示す
断面図である。
【図3】本発明のナトリウム二次電池の一構造例を示す
断面図である。
【図4】本発明のナトリウム二次電池の一構造例を示す
断面図である。
【図5】本発明の電池集合体およびモジュールの一構造
例を示す断面図である。
【符号の説明】 1…固体電解質板、2…負極容器、3…正極容器、4…
負極室、5…正極室、6…絶縁部材、7…ナトリウム、
8…金属板、9…正極活物質、10…多孔質導電材、1
1…多孔質材、33…集電体、34…貫通孔、81,8
2…金属接合板、100…電池集合体、101…ナトリ
ウム二次電池、102…金属容器、106…積層体、2
00…モジュール、201…保温容器。
フロントページの続き (72)発明者 波東 久光 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 5H011 AA05 BB03 CC06 KK01 5H029 AJ14 AK05 AL13 AM15 BJ02 BJ23 BJ25 CJ06 DJ02 DJ04 DJ05 EJ01 EJ12 HJ01 HJ02 HJ04 HJ07 5H040 AA01 AA03 AA06 AA22 AA29 AS01 AS04 AT09 AY01 DD01 JJ01 LL01 LL06 NN01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体ナトリウムを収納した負極室、正極
    活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極室
    間を分離した固体電解質板を含むナトリウム二次電池で
    あって、 前記負極室の一部または前記正極室の一部が前記固体電
    解質板の端部の外側に設置されていることを特徴とする
    ナトリウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記ナトリウム二次電池がナトリウム硫
    黄電池、前記正極活物質が硫黄または/および多硫化ナ
    トリウムであり、前記ナトリウム硫黄電池内の硫黄とナ
    トリウムとの原子数の比が2以上である請求項1に記載
    のナトリウム二次電池。
  3. 【請求項3】 液体ナトリウムを収納した負極室、正極
    活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極室
    間を分離した固体電解質板とを含むナトリウム二次電池
    であって、 前記固体電解質板が互いに分離された2枚以上の金属接
    合板を介して絶縁部材と接合されると共に、該絶縁部材
    が前記負極室を構成する負極容器および前記正極室を構
    成する正極容器と接合されていることを特徴とするナト
    リウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記負極室を構成する負極容器の側面ま
    たは/および前記正極室を構成する正極容器の側面の一
    部または全部が直方体形状である請求項1または3に記
    載のナトリウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記固体電解質板の面に隣接して前記負
    極室内に金属板が設置されている請求項1または3に記
    載のナトリウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記負極室の一部が前記固体電解質板の
    端部の外側に設置されており、前記負極室を構成する負
    極容器の一部が前記固体電解質板の面に隣接して配置さ
    れている請求項1または3に記載のナトリウム二次電
    池。
  7. 【請求項7】 前記正極室の一部が前記固体電解質板の
    端部の外側に設置されており、前記正極室を構成する正
    極容器の一部が前記固体電解質板の面に沿って配置さ
    れ、前記正極容器の一部と前記固体電解質板の面との間
    に多孔質導電材、または、多孔質導電材と多孔質材が設
    置されている請求項1または3に記載のナトリウム二次
    電池。
  8. 【請求項8】 前記正極室内の前記固体電解質板の面に
    沿って、アルミニウム板またはアルミニウム合金板の片
    面または両面に耐食性の導電層を形成した集電体を設
    け、前記固体電解質板の面と前記集電体の導電層との間
    に、多孔質導電材、または、多孔質導電材と多孔質材が
    設けられている請求項1または3に記載のナトリウム二
    次電池。
  9. 【請求項9】 前記多孔質導電材、または、前記多孔質
    導電材と前記多孔質材とに接した前記集電体の面に貫通
    孔を設け、前記集電体の面に対する前記貫通孔の面積割
    合が5〜50%、かつ、前記集電体の厚さが5mm以下
    であり、前記アルミニウム板またはアルミニウム合金板
    の厚さが0.3mm以上である請求項8に記載のナトリ
    ウム二次電池。
  10. 【請求項10】 液体ナトリウムを収納した負極室、正
    極活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極
    室との間を分離した固体電解質板を有するナトリウム二
    次電池であって、 前記ナトリウム二次電池がナトリウム硫黄電池であり、
    前記負極室の一部または全部が前記固体電解質板の下側
    に、前記正極室の一部または全部が前記固体電解質板の
    上側に設置されていると共に、前記正極室内の一部に設
    置した多孔質導電材の下面と前記固体電解質板の上面と
    の間に多孔質材を設置し、前記多孔質導電材と前記正極
    室を構成する正極容器または前記正極室内に設けた集電
    体とを接触して、正極活物質を前記多孔質導電材の内部
    や前記多孔質材の内部と共に、前記正極室内の前記多孔
    質導電材の側部または/および上部に充填したことを特
    徴とするナトリウム二次電池。
  11. 【請求項11】 前記負極室の一部が前記固体電解質板
    の端部の外側に設置されている請求項10に記載のナト
    リウム二次電池。
  12. 【請求項12】 前記正極活物質が硫黄または/および
    多硫化ナトリウムであって、前記ナトリウム硫黄電池中
    の硫黄とナトリウムとの原子数の比が2以上である請求
    項10に記載のナトリウム二次電池。
  13. 【請求項13】 電池上部に負極電極または正極電極、
    電池下部に正極電極または負極電極を有するナトリウム
    二次電池を複数個上下に積重ねて積層体を構成し、前記
    積層体を構成するナトリウム二次電池間を電気接続し
    て、前記積層体の1個、または、複数個を金属容器内に
    収納し、前記積層体の最下段電池の下部に設けた前記正
    極電極または前記負極電極を前記金属容器と電気的に接
    続したことを特徴とする電池集合体。
  14. 【請求項14】 液体ナトリウムを収納した負極室、正
    極活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極
    室間を分離した固体電解質板を含むナトリウム二次電池
    の前記負極室の一部または前記正極室の一部が前記固体
    電解質板の端部の外側に設置されており、 電池上部に負極電極または正極電極、電池下部に正極電
    極または負極電極を有するナトリウム二次電池を複数個
    上下に積重ねて積層体を構成し、前記積層体を構成する
    ナトリウム二次電池間を電気接続して、前記積層体の1
    個または複数個を金属容器内に収納し、前記積層体の最
    下段電池の下部に設けた前記正極電極または前記負極電
    極を前記金属容器と電気的に接続したことを特徴とする
    電池集合体。
  15. 【請求項15】 液体ナトリウムを収納した負極室、正
    極活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極
    室とを分離した固体電解質板を含むナトリウム二次電池
    の前記固体電解質が、互いに分離された2枚以上の金属
    接合板を介して絶縁部材と接合され、該絶縁部材が前記
    負極室を構成する負極容器および前記正極室を構成する
    正極容器と接合されており、 電池上部に負極電極または正極電極、電池下部に正極電
    極または負極電極を有するナトリウム二次電池を複数個
    上下に積重ねて積層体を構成し、前記積層体を構成する
    ナトリウム二次電池間を電気接続して、前記積層体の1
    個または複数個を金属容器内に収納し、前記積層体の最
    下段電池の下部に設けた前記正極電極または前記負極電
    極を前記金属容器と電気的に接続したことを特徴とする
    電池集合体。
  16. 【請求項16】 液体ナトリウムを収納した負極室、正
    極活物質を収納した正極室、および、前記負極室と正極
    室間を分離した固体電解質板を含むナトリウム二次電池
    がナトリウム硫黄電池であり、 前記負極室の一部または全部が前記固体電解質板の下側
    に、前記正極室の一部または全部が前記固体電解質板の
    上側に設置され、前記正極室内の一部に設置した多孔質
    導電材の下面と前記固体電解質板の上面との間に多孔質
    材を設置し、前記多孔質導電材と前記正極室を構成する
    正極容器または前記正極室内に設けた集電体とを接触し
    て、正極活物質が、前記多孔質導電材の内部や前記多孔
    質材の内部と共に、前記正極室内の前記多孔質導電材の
    側部または/および上部に充填されており、電池上部に
    負極電極または正極電極、電池下部に正極電極または負
    極電極を有するナトリウム二次電池を複数個上下に積重
    ねて積層体を構成し、前記積層体を構成するナトリウム
    二次電池間を電気接続して、前記積層体の1個または複
    数個を金属容器内に収納し、前記積層体の最下段電池の
    下部に設けた前記正極電極または前記負極電極を前記金
    属容器と電気的に接続したことを特徴とする電池集合
    体。
  17. 【請求項17】 前記負極電極または前記正極電極が、
    それぞれ前記ナトリウム二次電池を構成する負極容器の
    一部または正極容器の一部である請求項13に記載の電
    池集合体。
  18. 【請求項18】 請求項13〜17のいずれかに記載さ
    れた前記電池集合体の1個、または、複数個を保温容器
    内へ収納し、前記金属容器を介して前記電池集合体間ま
    たは前記電池集合体と外部回路との間を電気的に接続し
    たことを特徴とするモジュール。
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