JP2003102811A - プラズマ滅菌用インジケータ及び滅菌用包装材料 - Google Patents

プラズマ滅菌用インジケータ及び滅菌用包装材料

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JP2003102811A
JP2003102811A JP2001299815A JP2001299815A JP2003102811A JP 2003102811 A JP2003102811 A JP 2003102811A JP 2001299815 A JP2001299815 A JP 2001299815A JP 2001299815 A JP2001299815 A JP 2001299815A JP 2003102811 A JP2003102811 A JP 2003102811A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被殺菌物へのプラズマ殺菌処理が行われたか
どうかが明確に判定できる、色相の変化が著しく、且
つ、不可逆的であり、表示にあたっての変色速度がはや
いプラズマ滅菌用インジケータ及び該プラズマ滅菌用イ
ンジケータを用いた表示部を形成してなる滅菌用包装材
料を提供する。 【解決手段】 (A)吸着指示薬、キレート滴定・金属
指示薬からなる群より選択される1種以上の化合物と、
(B)有機金属化合物と、を含有することを特徴とす
る。前記(A)成分としては、ヘマトキシリン、モーダ
ントブルー29、エリオクロムブラックT、キシレノー
ルオレンジ、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトー
ル(PAN)などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酸化水素プラズ
マ殺菌処理に有用な化学指示薬による滅菌用インジケー
タ、および該滅菌用インジケータからなる表示部を形成
してなるプラズマ殺菌処理用の被処理物を収納するため
の滅菌用包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】使い捨て可能、或いは再使用可能な医療
装置や食品容器などのに対して、種々の殺菌手段が用い
られてきており、代表的なものとしては、エチレンオキ
サイドガス(EOG)滅菌、オートクレーブによる高圧
高温蒸気滅菌、或いはプラズマ滅菌などが挙げられる。
例えば、病院などで実施される滅菌方法としては、メス
やシリンジなどの被滅菌物を、少なくともガス透過性で
あって細菌類が通過不能である領域を有する包装袋に入
れ、密封した後、前記したような方法により滅菌処理を
行い、滅菌後の器具は手術などに使用するまで、この包
装袋内に収納され、手術や治療に用いる際に開封して使
用される。この場合、包装材料に密封された器具に殺菌
処理が行われたかどうかを容易に判断する表示を付する
ことが事故防止などの観点から有用である。表示部の形
成は、滅菌処理を行うと非可逆的に変色する、指示機能
を有するインキを使用して行なわれる。
【0003】そのようなインキを例示すると、水蒸気滅
菌のインジケーターとなる温度に感知する色材として
は、ジアゾニウム塩化合物等の感熱記録材料に使用する
色素や、感熱性のマイクロカプセルに内包されており所
定の温度に達するとマイクロカプセルの密閉性が損なわ
れて発色する色材などが挙げられ、市販品としては、例
えば、I・C・Sセンター(サクラクレパス)社製のネ
スコスI・C(S−25B、高圧蒸気滅菌用)、日油技
研工業社製のサーモラベルやスチームインテグレーター
カードに使用されるインクなどが挙げられる。EOGに
感知するものとしては、例えば、特開平5−1252号
公報に記載の(A−N=N−B)構造を有する分散性染
料を有する組成物などが挙げられる。
【0004】これらの滅菌処理のうち、被滅菌物である
医療器具に影響を与える懸念が少ないことから、最近で
は、過酸化水素プラズマ殺菌方法とそのための装置が提
案され、また実際に使用されている(特公平2−622
61号および同7−22693号)。この殺菌方法は、
要約すると、被殺菌製品を気密容器中で減圧下に過酸化
水素蒸気に触れさせ、ついで過酸化水素プラズマを発生
させるものである。この方法は、高殺菌効率が得られる
だけでなく、過酸化水素が全く無害な水と酸素に転換さ
れるという点で、非常に有用と言える。このようなプラ
ズマ滅菌処理に適合する表示組成物としては、例えば、
特開平11−178904号公報に記載のトリフェニル
メタン系色素、シアニン系色素、特開平11−3798
8号公報に記載のpH指示薬を変色色素として用いる技
術などが提案されている。これらの表示成分は、プラズ
マ滅菌に使用される酸化力の強いガスの酸化性により消
色或いは変色する色素を含有するが、変色速度が遅く、
短時間のプラズマ滅菌処理によっては、十分な変色が得
られない、耐光性が不十分で、白灯下或いは昼光下での
取り扱いにより所望されない変色が起こるなどの問題が
あり、実用上好ましくなかった。このため、変色速度が
速い指示薬として、pHにより色相が変わるpH指示薬
の利用が検討されたが、この変色反応は可逆的であるた
め、このような表示部を有する滅菌バッグは、滅菌後で
あっても保存環境により色相が変化してしまい、滅菌処
理を完了したか否かが不明瞭となり、安定性に欠けると
いう問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、被殺菌物へのプラズマ殺菌処理が行われたかどうか
が明確に判定できる、色相の変化が著しく、且つ、不可
逆的であり、表示にあたっての変色速度がはやいプラズ
マ滅菌用インジケータ及び該プラズマ滅菌用インジケー
タを用いた表示部を形成してなる滅菌用包装材料を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検討の結
果、特定の有機金属化合物を利用することで前記問題点
を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明のプラズマ滅菌用インジケー
タは、(A)吸着指示薬、キレート滴定・金属指示薬か
らなる群より選択される1種以上の化合物と、(B)有
機金属化合物と、を含有することを特徴とする。ここで
用いられる(A)吸着指示薬、キレート滴定・金属指示
薬からなる群より選択される1種以上の化合物は、ヘマ
トキシリン、モーダントブルー29、エリオクロムブラ
ックT、キシレノールオレンジ、1−(2−ピリジルア
ゾ)−2−ナフトール(PAN)より選択される化合物
であることが好ましい。また、請求項3に係る本発明の
滅菌用包装材料は、少なくとも一部がガス透過性の基材
により構成され、プラズマ滅菌処理のための被滅菌物を
収納しうる滅菌用包装材料であって、(A)吸着指示
薬、キレート滴定・金属指示薬からなる群より選択され
る1種以上の化合物と、(B)有機金属化合物と、を含
有するプラズマ滅菌用インジケータからなる表示部が形
成されてなることを特徴とする。
【0008】本発明のプラズマ滅菌インジケータは、変
色化合物として、吸着指示薬、キレート滴定・金属指示
薬を用いているため、通常の、白灯下或いは昼光下の取
り扱いにおいて変色する懸念がほとんどなく、さらに、
この指示薬と併存する有機金属化合物とが反応してなる
生成物が、特定のpH領域において過酸化水素によるp
Hの変化やプラズマ処理の強い酸化力によって明確に異
なる色相に変色し、その変色は非可逆的であるため、化
学指示薬として好適であり、医療装置、食品容器等の非
殺菌物が過酸化水素プラズマ殺菌処理を受けてから一定
の時間を経過した後でも、そのような処理を経たか否か
を明瞭に判定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のプラズマ滅菌用インジケータは、(A)吸着指
示薬、キレート滴定・金属指示薬からなる群より選択さ
れる1種以上の化合物と、(B)有機金属化合物と、を
含有してなる。
【0010】まず、(A)吸着指示薬、キレート滴定・
金属指示薬からなる群より選択される1種以上の化合物
について説明する。本発明に使用可能な吸着指示薬には
特に制限はなく、一般に金属イオンの検出などに使用さ
れるコロイド粒子に吸着されて変色する指示薬であれ
ば、適宜使用し得る。本発明に使用し得る吸着指示薬と
しては、例えば、コンゴーレッド、フェノールレッド、
メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェ
ノールブルー、チタンイエロー、エオシン、フルオレセ
イン、ジクロルフルオレセイン、ジブロムフルオレセイ
ン、アルミノン、アリザリン、クルクミン、等が挙げら
れる。
【0011】本発明に使用し得るキレート滴定・金属指
示薬は、金属イオンと錯イオンを形成して変色する有機
色素(分子内に金属イオンと置換し得る陽子を有する色
素化合物)、及び、金属イオンと結合してキレート化合
物を形成し得る多座配位子を有する化合物から選択され
る。キレート滴定指示薬は、ポリアミノカルボン酸類、
オキシカルボン酸類、縮合リン酸塩に代表される水溶性
化合物、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン等
に代表される難溶性化合物のいずれであってもよい。本
発明に用い得るキレート滴定・金属指示薬としては、具
体的には、例えば、タイロン、モーダントブルー29、
エリオクロムブラックT、キシレノールオレンジ、アイ
ザリンレッドS、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロ
キシルアミン、5−スルホサリチル酸二水和物、スルホ
サリチル酸二水和物、1−(2−ピリジルアゾ)−2−
ナフトール(以下、PANと記載する)、ムレキシド、
ヘマトキシリン、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナト
リウム二水和物(EDTA)、フタレインコンプレクソ
ン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、メチ
ルチモールブルー等が挙げられる。
【0012】上記のうち、本発明に好ましい化合物とし
ては、ヘマトキシリン、モーダントブルー29、エリオ
クロムブラックT、キシレノールオレンジ、PAN等が
挙げられ、なかでも、入手の容易性、滅菌前後の色相の
変化の検知しやすさの観点からヘマトキシリンが好まし
い。これらの化合物は1種のみを用いてもよく、目的に
応じて2種以上を組み合わせて使うこともできる。本発
明のプラズマ滅菌用インジケータににおける前記(A)
吸着指示薬、キレート滴定・金属指示薬からなる群より
選択される1種以上の化合物の含有量は後に詳述する
(B)有機金属化合物との関係において適宜決定される
が、一般的には、固形分で0.2〜10.0重量%程度
であり、0.5〜5.0重量%の範囲であることが好ま
しい。含有量が0.2重量%未満であると耐光性が低下
したり、滅菌して変色した後の表示部の色が薄く、視認
性が低下する傾向にあり、10.0重量%を超えると表
示部作成用の塗布液を調整する際などに、未溶解物が発
生しやすくなる傾向があるため、いずれも好ましくな
い。
【0013】次に、(B)有機金属化合物について説明
する。本発明に好適に用いられる(B)有機金属化合物
としては、酸の存在下、前記(A)吸着指示薬、キレー
ト滴定・金属指示薬からなる群より選択される1種以上
の化合物と反応して色相が明確に変わるものであればよ
く、アルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミ
ニウムキレート化合物、ジイソプロポキシビス(アセチ
ルアセトナト)チタンなどのチタンキレート化合物、ア
セチルアセトントリブトキシジルコニウムなどが挙げら
れる。
【0014】本発明に好適に使用し得る有機金属化合物
としては、具体的には、例えば、アルミニウムエチルア
セトアセテート、アルミニウムトリス(エチルアセトア
セテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネー
ト)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノア
セチルアセトネートなどのアルミニウムキレート化合
物、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタ
ン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノー
ルアミナト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス
(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ
−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン、テトラアセチルアセトネートチタンなどのチタンキ
レート化合物アセチルアセトントリブトキシジルコニウ
ムなどが挙げられ、好ましくはキレート能を有するアル
ミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物より選
択されるものであり、なかでも、アルミニウムエチルア
セトアセテートジイソプロピレート、ジイソプロポキシ
ビス(アセチルアセトナト)チタンが好ましい。これら
の化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合
わせて使うこともできる。これらの化合物の含有量は、
一般的には、固形分で0.2〜5.0重量%程度であ
り、0.5〜3.0重量%の範囲であることが好まし
い。含有量が0.2重量%未満であるとプラズマ滅菌前
の色相が不安定となり、5.0重量%を超えると、プラ
ズマ滅菌前の色相が経時的に変化したり、調製後のイン
ジケータ用インキの粘度が上昇するなど、インキの安定
性に問題が出やすくなるため、いずれも好ましくない。
【0015】前記(A)及び(B)の各化合物を含有し
てなる本発明のプラズマ滅菌用インジケータは、pHの
変化や強い酸化力により非可逆的に変色するため、イン
ジケーターとして好ましい特性を有する。具体的な変色
について述べれば、例えば、(A)成分としてフェノー
ルレッドを、(B)成分としてアルミニウムエチルアセ
トアセテートジイソプロピレート用いた場合、滅菌前の
色相は黄紅であり、滅菌後は赤に変色する。また、同じ
(B)成分を用いた場合、(A)成分としてエリオクロ
ムブラックTを用いた場合には、グレーから黄色へ、ヘ
マトキシリンを用いた場合には、こげ茶から黄色に変色
する。これらはいずれも、一見して変色が検知できるも
のである。
【0016】本発明の滅菌用インジケータには、前記の
必須成分に加えて、表示部用インキを構成するために通
常用いられる他の化合物を併用することができる。本発
明の滅菌用インジケーターには、バインダーを含有する
ことが好ましい。バインダーは、インジケータを包装材
料の表示部として用いる場合の担持体となる。バインダ
ーには特に制限はなく、例えば、印刷用インキの調製に
通常用いられる合成樹脂などを適宜選択して用いること
ができる。本発明のインジケータにおいては、組成物と
しての安定性の観点からは耐アルカリ性の高分子材料で
あるポリアミドやエチルセルロース系バインダーが好ま
しいが、他の添加物を調製することによりアルカリ成分
からのダメージを防止することができるため、必ずしも
耐アルカリ性である必要はない。従って、色素の変色速
度や安定性を考慮すれば、例えば、硝化綿などもバイン
ダーとして好適に用いることができる。バインダーの種
類や添加量は、滅菌用インジケータとしての特性、適用
される包装材料や容器などの材質、必要とされる耐久性
などに応じて適宜選択すればよいが、添加量としては、
5〜30重量%程度が一般的である。
【0017】本発明のプラズマ滅菌用インジケータに
は、前記各成分に加えて、耐久性、ハンドリング性など
の向上のため、公知の可塑剤、分散剤、安定剤、増粘剤
等の添加剤を適宜含有することができる。とくに、耐光
性向上の観点から、本発明のプラズマ滅菌用インジケー
タには、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外
線吸収剤としては、この分野で通常使用されているもの
であれば、本発明の目的達成に悪影響を与えるものでな
い限り、どのような種類のものでも使用することができ
る。具体的には、例えば、トリアジン系化合物、ベンゾ
トリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物など
が好適なものとして挙げられる。紫外線遮断効果を有す
るこのような化合物は、市販品としては、チバガイギー
(Ciba-Geigy)社のチヌビン(Tinuvin)の商標で知ら
れている種種の化合物を挙げることができる。紫外線吸
収剤は単独でも、また二種類以上の化合物を組み合わせ
て使用することもできるが、異なる特性を有する紫外線
吸収剤を複数種用いることも効果的である。
【0018】本発明のプラズマ滅菌用インジケータはプ
ラズマ滅菌処理によって変色する組成物であるが、イン
ジケータの変色後の色相が薄い場合には、視認性を確保
するため、色素主成分の色相を損なわず、且つ、滅菌処
理により消色或いは変色しない染料や顔料を添加するこ
とができる。
【0019】本発明のプラズマ滅菌用インジケータは、
前記各成分を好適な溶剤に溶解して、表示が必要な領域
に塗布、乾燥して使用することができる。溶剤は、前記
アントラキノン系色素や他の成分の溶解性を考慮して選
択されるが、バインダー樹脂の溶解性、色素の安定性及
び印刷時の乾燥の効率を考慮すれば、エタノール、メタ
ノール、プロピレングリコール、酢酸エチル、イソプロ
パノール、n−プロパノール、トルエンなどが好まし
い。
【0020】次に、本発明の滅菌用包装材料について説
明する。この包装材料は、少なくとも一部がガス透過性
の基材により構成される滅菌可能である領域を備え、且
つ、必要な強度を有する公知のシート状物を任意に選択
して構成することができる。ガス透過性の基材として
は、紙、多孔性フィルム、織布、不織布等が挙げられる
が、これらのなかでも、紙または不織布が好ましい。但
し、滅菌処理に用いられるH22が吸着しない素材によ
り構成されるものがより好ましい。滅菌可能である領
域、即ち、本発明に適用されるプラズマ滅菌処理に際し
て、有効成分であるガス(気体)を透過させ、菌を透過
させない範囲の透過度を有する紙または不織布等からな
る領域を少なくとも一部に有している必要がある。包装
材料のすべてをこのような滅菌可能な材料で構成するこ
ともできるが、コスト、強度、内容物の視認性の観点か
ら、一方が紙または不織布等のガス透過性材料を用い、
他方に透明の合成樹脂シートなどを用いることも好まし
い態様である。例えば、一方にガス透過性の紙または不
織布製シート、他方に透明な合成樹脂シートと2枚のシ
ートを組合せて用いて、袋状に成形したものは、製造も
容易であり、内容品の視認性、強度が確保される。
【0021】本発明の滅菌用包装材料は、前記したよう
に、表裏二枚のシートを積層し、両側端近傍に剥離可能
な接着部を設け、少なくともいずれか一方のシートに前
記インジケータによる表示部を設けることにより形成さ
れる。この包装材料は、袋状、ロール状など、所望によ
り任意の形状に加工されて供給される。
【0022】表示部の形成は、通常、包装材料を構成す
るシート上に少なくとも前記プラズマ滅菌用インジケー
タ組成物を適切な溶剤に溶解し、塗布、乾燥することで
行なわれる。このようにして形成された指示部には、指
示部を保護するための表面保護層を設けることもでき
る。表面保護層は、プラズマ滅菌処理に用いられる過酸
化水素蒸気、又は過酸化水素から誘導されるプラズマを
透過させ、かつ染料の色の変化を透視できるよう透明ま
たは半透明のものならば、どのような成分からも形成す
ることができる。なかでも、表示部との親和性の観点か
ら、前記指示部を形成する組成物を構成するバインダー
を皮膜形成成分として含み、紫外線吸収剤や耐水性付与
のための撥水性の成分、耐磨耗性の成分、具体的にはポ
リエチレンワックスなどのワックス成分などを含有する
組成物から形成されることが好ましい。このような表示
部の表面保護層も前記表示部の形成と同様に溶剤に溶解
して塗布することで実施することができる。
【0023】滅菌包装材料の表示部は、通常、包装材料
の一部を構成するガス透過性の紙または不織布製シート
の表面上に形成される。包装材料の他の構成材料が内部
を透視できる透明なシートである場合には、指示部層
は、ガス透過性の紙または不織布製シートの内側あるい
は透明な樹脂シートの内側(すなわち包装材料が形成す
る袋体の内側)に形成することができる。
【0024】インジケータを構成する前記組成物は、印
刷インキの調製に用いられているような公知の混練方法
を使って均質に混合され、次に、これを包装材料を構成
するシート状物の上に塗布して指示部を形成する。その
塗布方法としては、公知の印刷方法、例えば、オフセッ
ト印刷、フレキソ印刷あるいはグラビア印刷等に準じて
行なう方法が挙げられる。表示部上に表面保護層を形成
する場合にも、同様の方法をとることができる。表示部
の塗布量には特に制限はなく、表示が視認できる限り任
意に選択できるが、一般的には、0.2〜20g/m2
程度であり、好ましくは1〜10g/m2の範囲であ
る。塗布量が少なすぎると滅菌処理後の視認性に劣り、
多すぎると輸送や保管時における耐傷性が低下する傾向
がある。また、所望により設けられる表面保護層の塗布
量は、1〜10g/m2の範囲であることが好ましい。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例を用いて詳
細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものでは
ない。なお、以下の実施例において、「%」は、他に断
らない限り「重量%」を示す。
【0026】(実施例1)プラズマ滅菌用インジケータ
を構成する下記の各成分を混合し、均質になるまで撹拌
して、指示部形成用の組成物を調製した。 (プラズマ滅菌用インジケータ組成物) ・ヘマトキシリン 1.0重量% ・ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン 1.0重量% ・ワニス(セーフル:商品名、T&K TOKA社製) 80.5重量% ・メタノール 15.0重量% ・紫外線吸収剤 2.5重量% (チヌビン400:商品名、チバガイギー社製)
【0027】前記インジケータ組成物を、高密度ポリエ
チレン不織布のシート表面にグラビアロールを用いるグ
ラビア法で乾燥後の塗布量が10g/m2となるように
塗布し、表示部を形成した。表示部の色相はこげ茶色で
あった。
【0028】(実施例2〜10)前記プラズマ滅菌用イ
ンジケータ組成物において、ヘマトキシリンに変えて、
下記表1に記載の各吸着指示薬、キレート滴定・金属指
示薬を用いた他は、実施例1と同様にして指示部形成用
の組成物を調製し、表示部を形成した。表示部の色相も
下記表1に併記する。
【0029】
【表1】
【0030】(プラズマ滅菌用インジケータの評価) 1.表示性能 前記不織布シートを低温プラズマ滅菌システム〔STE
RRAD−100(商標)ジョンソン・エンド・ジョン
ソンメディカル(株)製〕に入れて75分間滅菌処理を
行ない、表示部の色相の変化を観察した。 2.変色速度 前記不織布シートに表示部を形成した直後に、低温プラ
ズマ滅菌システム〔STERRAD−100(商標)ジ
ョンソン・エンド・ジョンソンメディカル(株)製〕に
入れて過酸化水素を注入後1分間で処理を中止し、目視
にて表示部の色相の変化を観察した。完全に変色してい
るものを○、目視にては変色を検知できなかったものを
×と評価した。
【0031】3.滅菌包装材料の滅菌性能及び表示性能 前記不織布シートを片面に用い、他方に透明のポリエス
テル/低密度ポリエチレン積層フィルムを用い、三方を
ヒートシールして滅菌包装袋を作成した。この滅菌袋の
中に生物学的インジケータ(BI)を入れて密閉し、低
温プラズマ滅菌システム〔STERRAD−100(商
標)ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル(株)
製〕に入れて75分間滅菌処理を行なった。滅菌後の表
示部の色相の変化を観察した。結果を下記表2に示す。
また、生物学的インジケータを無菌的に取出し、滅菌済
みTSB培地に植え込み、35℃で7日間培養した後、
菌の発育の有無を目視により確認した。これらの結果を
前記表1に併記する。
【0032】表1に明らかなように本発明のプラズマ滅
菌用インジケータはプラズマ滅菌処理により速やかに変
色し、変色速度も速く、優れた表示機能を果たすことが
確認された。さらに、表示性能の検討を行なった変色後
の表示部をアルカリ雰囲気下に75分間保存したが、実
施例1〜10のいずれにおいてもインジケータの色相の
変化は認められなかったことから、変色がpHに依存す
るものではなく、不可逆的であることが確認された。ま
た、滅菌包装材料の形態をとった場合でも、表示機能に
問題はなく、プラズマ滅菌処理効果にも問題がないこと
が確認された。
【0033】(実施例11〜20)前記実施例1〜10
で用いた滅菌用インジケータ組成物において、有機金属
化合物であるジイソプロポキシビス(アセチルアセトナ
ト)チタンに代えて、アルミニウムエチルアセトアセテ
ートジイソプロピレートを用いた他は、実施例1と同様
にして実施例11〜20の不織布シート及び滅菌包装材
料を得て、実施例1と同様の評価を行なった。評価の結
果は、前記実施例1〜10と同様であり、有機金属化合
物を変更した場合にも、おおむね同様の色相が得られ、
いずれも良好な表示性能、滅菌性能が達成されているこ
とが確認された。
【0034】(実施例21)前記実施例1の表示部用の
組成物において、溶剤であるメタノールに変えてエタノ
ールを用いた他は、実施例1と同様にして不織布シート
及び滅菌包装材料を得て、実施例1と同様の評価を行な
った。変色前の色相はグレーであったが、滅菌後の色相
は実施例1とほぼ同様であり、溶剤を変更した場合に
も、同様の色相、表示性能、滅菌性能が得られることが
確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、被殺菌物へのプラズマ
殺菌処理が行われたかどうかが明確に判定でき、表示に
あたっての変色速度がはやいプラズマ滅菌用インジケー
タを提供しうる。また、本発明の滅菌用包装材料は前記
プラズマ滅菌用インジケータを用いた表示部を形成して
なるため、被殺菌物へのプラズマ殺菌処理が行われたか
どうかが明確に判定できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 BA22 BB03 EA19 HA10 HB10 HQ10 3E067 AA11 AB01 AB83 BA12A BB01A BB06A CA03 EA04 EE01 EE35 FA01 FB12 FC01 GC06 4C058 AA01 BB06 DD15 KK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)吸着指示薬、キレート滴定・金属
    指示薬からなる群より選択される1種以上の化合物と、
    (B)有機金属化合物と、を含有するプラズマ滅菌用イ
    ンジケータ。
  2. 【請求項2】 前記(A)吸着指示薬、キレート滴定・
    金属指示薬からなる群より選択される1種以上の化合物
    が、ヘマトキシリン、モーダントブルー29、エリオク
    ロムブラックT、キシレノールオレンジ、1−(2−ピ
    リジルアゾ)−2−ナフトール(PAN)より選択され
    る化合物であることを特徴とする請求項1に記載のプラ
    ズマ滅菌用インジケータ。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部がガス透過性の基材によ
    り構成され、プラズマ滅菌処理のための被滅菌物を収納
    しうる滅菌用包装材料であって、(A)吸着指示薬、キ
    レート滴定・金属指示薬からなる群より選択される1種
    以上の化合物と、(B)有機金属化合物と、を含有する
    プラズマ滅菌用インジケータからなる表示部が形成され
    てなることを特徴とする滅菌用包装材料。
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