JP2003103162A - ナノグラファイバーの製造装置 - Google Patents

ナノグラファイバーの製造装置

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JP2003103162A
JP2003103162A JP2001299900A JP2001299900A JP2003103162A JP 2003103162 A JP2003103162 A JP 2003103162A JP 2001299900 A JP2001299900 A JP 2001299900A JP 2001299900 A JP2001299900 A JP 2001299900A JP 2003103162 A JP2003103162 A JP 2003103162A
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cathode
anode
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Takeshi Nagameguri
武志 長廻
Sashiro Kamimura
佐四郎 上村
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Noritake Itron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の高いナノグラファイバーの製造装置
を提供する。 【解決手段】 内部が真空排気可能な密閉容器1と、密
閉容器1中に水素ガスを導入するガス導入手段と、密閉
容器1中に配置された陰極用炭素電極21と陽極用炭素
電極71との間にアーク放電を発生させる直流電源12
とを有するナノグラファイバーの製造装置において、密
閉容器1中に配置され直流電源12の出力が印加される
1対の通電用コンタクト5,10と、陰極用炭素電極2
1を複数収納する陰極収納ホルダー2と、陽極用炭素電
極71を複数収納する陽極収納ホルダー7と、陰極用炭
素電極21と陽極用炭素電極71を陰極収納ホルダー2
および陽極収納ホルダー7と通電用コンタクト5,10
に接触しかつ対向する所定位置との間で1組ずつ往復さ
せる電極移動手段3,4,8,9とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナノグラファイバ
ーの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナノグラファイバー(nanografibers)
は、単層のグラファイト(グラフェン)が入れ子構造的
に積層し、それぞれのグラフェンが円筒状に閉じた同軸
多層構造をなしている多層ナノチューブの一種で、特に
円筒状のグラフェンが中心軸付近まで密に積層した構造
を持つものである。ナノグラファイバーは、電界放出型
電子源として使用した場合、一般的な多層ナノチューブ
に比べて、より低い印加電圧で電子放出が得られるとと
もに、電流や電流密度も大きくとれるという特徴があ
る。このナノグラファイバーは、水素ガス雰囲気中で、
対向配置された黒鉛電極間に直流アーク放電を発生させ
たときに、陰極側の黒鉛電極先端に形成される堆積物中
に見いだされる。
【0003】図7は、従来のナノグラファイバーの製造
装置の一例を示す構成図である。この製造装置は密閉容
器1を備え、この中に陰極用炭素電極21と陽極用炭素
電極71とが対向して配置されている。陰極用炭素電極
21は、直径10mmの円柱に形成した黒鉛であり、絶
縁スペーサを介して密閉容器1の内壁に固定された陰極
取付具14に取り付けられている。この陰極用炭素電極
21は、陰極取付具14と陰極側電流導入端子(図示せ
ず)を介して密閉容器1の外側に配置した直流電源12
の負側出力端子(−)に接続されている。
【0004】陽極用炭素電極71は、直径6mmの円柱
の一端に曲率半径12mmの凸面からなる凸部を設けた
形状の黒鉛であり、凸部を陰極用炭素電極21に対向し
て陽極取付具16に取り付けられている。この陽極用炭
素電極71は、陽極取付具16と陽極側電流導入端子
(図示せず)を介して直流電源12の正側出力端子
(+)に接続されている。陽極取付具16は、絶縁体1
7を介して直線運動を可能とする移動機構18に取り付
けられている。
【0005】移動機構18は、陰極用炭素電極21と陽
極用炭素電極71の凸部とを接触させる機能と、両電極
間の通電、すなわち直流電源12の電流出力と同時に、
陰極用炭素電極21と陽極用炭素電極71の凸部との間
隔を0から所定距離となるまで所定速度で広げる機能を
有する。また、密閉容器1には、真空排気手段(図示せ
ず)と流量制御機能を備えたガス導入手段(図示せず)
とが接続されており、内部が真空排気可能に構成される
とともに、ガス導入手段により流量制御された水素ガス
が導入されて所定の圧力を保つように構成されている。
【0006】このナノグラファイバーの製造装置は、所
定圧力の水素ガス雰囲気中で陰極用炭素電極21と陽極
用炭素電極71の凸部とを接触させ、直流電流を流すと
同時に、陽極用炭素電極71を電極間隔が所定距離とな
るまで所定速度で移動させてアーク放電を発生させる。
これにより、陰極用炭素電極21にクレータ状堆積物2
7が生成される。このクレータ状堆積物27は、図7
(b)に示すように、外側に形成されるクレータ状グラ
ファイト28と、クレータ状グラファイト28の内側に
形成されるナノグラファイバー層29の2つの領域から
構成されている。
【0007】ナノグラファイバー層29は、ディスク状
の形状を有し、図1(c)に示すように、厚さ方向に方
向性を持ったナノグラファイバー群30と、ナノグラフ
ァイバー群30の中に含まれる少量のナノポリへドロン
(nanopolyhedoron)からなる。クレータ状堆積物27
が生成された陰極用炭素電極21からナノグラファイバ
ー層29を取り出すことによりナノグラファイバーが得
られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ナノグラファイバーの製造装置は、ナノグラファイバー
を製造するたびに陰極と陽極を交換する必要があり、生
産性が低いという問題があった。本発明は、以上のよう
な問題点を解消するためになされたものであり、生産性
の高いナノグラファイバーの製造装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、内部が真空排気可能な密閉容器と、
密閉容器中に水素ガスを導入するガス導入手段と、密閉
容器中に配置された陰極となる第1の炭素電極と陽極と
なる第2の炭素電極との間にアーク放電を発生させる直
流電源とを有するナノグラファイバーの製造装置におい
て、密閉容器中に配置され直流電源の出力が印加される
1対の通電用コンタクトと、第1の炭素電極を複数収納
する第1の電極収納手段と、第2の炭素電極を複数収納
する第2の電極収納手段と、第1の炭素電極と第2の炭
素電極を第1の電極収納手段及び第2の電極収納手段と
通電用コンタクトに接触しかつ対向する所定位置との間
で1組ずつ往復させる電極移動手段とを備えたことによ
って特徴づけられる。
【0010】この製造装置の一構成例は、第1及び第2
の炭素電極が磁石に吸着される部材を一端に備えた導電
性保持部材の他端に固定され、電極移動手段が磁石を有
し、導電性保持部材の磁石に吸着される部材と吸着して
導電性保持部材を移動させる。この場合、第1の炭素電
極と第2の炭素電極とが通電用コンタクトに接触しかつ
対向する所定位置に隣接して導電性保持部材を冷却する
冷却手段が配置されている。電極移動手段の一構成例
は、第1の電極収納手段と第2の電極収納手段を第1の
炭素電極と第2の炭素電極の組ごとに往復可能な位置に
移動させる電極収納手段移動機構と、第1の炭素電極と
第2の炭素電極の1組を往復させる電極移動機構とから
構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態に係るナ
ノグラファイバーの製造装置の構成図であり、(a)が
上方から見た構成を示し、(b)が(a)のI-I線断面
を示す。図1に示すように、この製造装置は密閉容器1
を備え、この中に陰極収納ホルダー2、陰極収納ホルダ
ー移動機構3、陰極移動機構4、陰極通電用コンタクト
5、陰極冷却部6、陽極収納ホルダー7、陽極収納ホル
ダー移動機構8、陽極移動機構9、陽極通電用コンタク
ト10及び陽極冷却部11が配置されている。
【0012】また、密閉容器1の外部には直流電源12
が配置され、直流電源12の負側出力端子(−)が陰極
通電用コンタクト5と接続され、正側出力端子(+)が
陽極通電用コンタクト10と接続されている。なお、直
流電源12は、アーク放電中の電流を所定の値に保つ安
定化回路を備えていてもよい。さらに、密閉容器1に
は、真空排気手段(図示せず)と流量制御機能を備えた
ガス導入手段(図示せず)とが接続されており、内部が
真空排気可能に構成されるとともに、ガス導入手段によ
り流量制御された水素ガスが導入されて所定の圧力を保
つように構成されている。
【0013】陰極収納ホルダー2は、図2に示すよう
に、陰極用炭素電極21が固定された陰極用電極保持部
材22を複数収納可能な長さと幅を有し、これらの陰極
用電極保持部材22を収納する収納溝23を備えてい
る。この収納溝23は、陰極収納ホルダー2の移動によ
り陰極用電極保持部材22が溝内の位置を変えないよう
に陰極用電極保持部材22の外形に対応した形状に形成
されている。また、収納溝23の一方の端は陰極用電極
保持部材22が通過可能にくりぬかれており、他方の端
は後述する陰極移動機構4の電極移動用シャフト42が
通過可能にくりぬかれている。この場合、収納溝23を
5個としたが、この数は陽極収納ホルダー7の収納溝の
数と同じであればよく、必要な処理能力に合わせて任意
に設定してよい。
【0014】陰極収納ホルダー移動機構3は、陰極収納
ホルダー2を図1(a)の紙面の上下方向に移動させる
とともに、陰極収納ホルダー2に収納された陰極用炭素
電極21が固定された陰極用電極保持部材22を移動さ
せるための所定位置に停止させる機能を有する。この場
合、陰極収納ホルダー移動機構3は、気密シール31を
介して密閉容器1を貫通して設けられたスクリュー溝を
有する駆動シャフト32と密閉容器1内のガイドシャフ
ト33により陰極収納ホルダー2が取り付けられたホル
ダー取付部34を支持するとともに、図示しないモータ
により駆動シャフト32を回転してホルダー取付部34
を移動させる。
【0015】陰極移動機構4は、陰極収納ホルダー2に
収納された陰極用炭素電極21が固定された陰極用電極
保持部材22を陰極通電用コンタクト5と接する放電位
置へ移動させるとともに、放電終了後に陰極収納ホルダ
ー2に回収する機能を有する。この場合、陰極移動機構
4は、電気絶縁・気密シール41を介して密閉容器1を
貫通して設けられた電極移動用シャフト42を有し、図
示しないモータによりこの電極移動用シャフト42を図
1(a)の紙面の左右方向に移動させ、2つの所定位置
に停止させる。所定の位置は、放電位置と、陰極収納ホ
ルダー2を移動可能とする待避位置である。
【0016】電極移動用シャフト42には、図3に示す
ように、その先端に金属容器43が取り付けられてお
り、金属容器43内に磁石44が取り付けられている。
また、陰極用電極保持部材22には、この磁石44が接
する一端面に鉄製ねじ24が取り付けられており、電極
移動用シャフト42の磁石44に吸着されてチャッキン
グされるように構成されている。ここで、磁石44に
は、キュリー温度が600〜700℃の耐熱性磁石を用
いる。
【0017】また、陰極用電極保持部材22は、例えば
黒鉛や銅などの高導電性の耐熱性材料からなる丸棒であ
り、一方の端面に鉄製ねじ24が取り付けられ、他方の
端面に陰極用炭素電極21を取り付ける取付穴25が形
成されている。ここで、陰極用炭素電極21は、従来の
製造装置に用いたものと同じものである。丸棒の側面に
は、取付穴25の中心と垂直な穴が設けられ、取付穴2
5に挿入された陰極用炭素電極21を固定する固定ねじ
26が取り付けられている。なお、陰極用電極保持部材
22の鉄製ねじ24は、これに限られるものではなく、
磁石に吸引される材料であればよい。
【0018】陰極通電用コンタクト5は、図4に示すよ
うに、板バネ51がねじ52で取り付けられて対向配置
された2つのカーボン接触子53からなり、これらのカ
ーボン接触子53の対向面には、陰極用電極保持部材2
2の外周面に対応した溝54が設けられている。この陰
極通電用コンタクト5は、溝54の長さ方向の中心線が
電極移動用シャフト42の中心軸と同じ線上となるよう
に絶縁性の固定台55に取り付けられており、直流電源
12の負側出力端子(−)と接続するリード線56が接
続されている。
【0019】陰極冷却部6は、陰極用電極保持部材22
が通過可能な貫通孔を有する銅製の水冷ジャケットであ
り、この貫通孔の中心線が電極移動用シャフト42の中
心軸と同じ線上となるように絶縁性の固定台55に取り
付けられている。この陰極冷却部6には、外部から電気
絶縁された2本のパイプ61,62が接続されており、
一方のパイプ61から供給された冷却水が他方のパイプ
62を介して排出されるように構成されている。これに
より、アーク放電時の発熱を除去し、陰極用電極保持部
材22の過熱を防ぐので、陰極用電極保持部材22にチ
ャッキングした電極移動用シャフト42の磁石44の温
度がキュリー温度を超えないようにすることができる。
【0020】陽極収納ホルダー7は、陽極用炭素電極7
1が固定された陽極用電極保持部材72を複数収納可能
な長さと幅を有し、これらの陽極用電極保持部材72を
収納する収納溝を備えている。この収納溝は、陽極収納
ホルダー7の移動により陽極用電極保持部材72が溝内
の位置を変えないように陽極用電極保持部材72の外形
に対応した形状に形成されている。また、収納溝の一方
の端は陽極用電極保持部材72が通過可能にくりぬかれ
ており、他方の端は後述する陽極移動機構8の電極移動
用シャフト82が通過可能にくりぬかれている。収納溝
の数は陰極収納ホルダー2と同じ5個とする。この場
合、陽極収納ホルダー7は、図2に示した陰極収納ホル
ダー2と同じものを用いる。
【0021】陽極収納ホルダー移動機構8は、陽極収納
ホルダー7を図1(a)の紙面の上下方向に移動させる
とともに、陽極収納ホルダー7に収納された陽極用炭素
電極71が固定された陽極用電極保持部材72を移動さ
せるための所定位置に停止させる機能を有する。この場
合、陽極収納ホルダー移動機構8は、気密シール81を
介して密閉容器1を貫通して設けられたスクリュー溝を
有する駆動シャフト82と密閉容器1内のガイドシャフ
ト83により陽極収納ホルダー7が取り付けられたホル
ダー取付部84を支持するとともに、図示しないモータ
により駆動シャフト82を回転してホルダー取付部84
を移動させる。この場合、陽極収納ホルダー移動機構8
は、陰極収納ホルダー移動機構3と同じものを用いる。
【0022】陽極移動機構9は、陽極収納ホルダー7に
収納された陽極用炭素電極71が固定された陽極用電極
保持部材72を陽極通電用コンタクト10と接する放電
位置へ移動させるとともに、放電終了後に陽極収納ホル
ダー7に回収する機能を有する。この場合、陽極移動機
構9は、電気絶縁・気密シール91を介して密閉容器1
を貫通して設けられた電極移動用シャフト92を有し、
図示しないモータによりこの電極移動用シャフト92を
図1(a)の紙面の左右方向に移動させ、3つの所定位
置に停止させる。
【0023】ここで、電極移動用シャフト92は、陰極
移動機構4の電極移動用シャフト42と中心軸が一致す
るように配置される。また、所定の位置には、陽極用炭
素電極71が陰極用炭素電極21と接触する通電開始位
置と、陽極用炭素電極71と陰極用炭素電極21が所定
距離離間した放電位置と、陽極収納ホルダー7を移動可
能とする待避位置とがある。電極移動用シャフト92
は、図3に示した陰極移動機構4の電極移動用シャフト
42と同様に、先端に金属容器が取り付けられており、
金属容器内に耐熱性磁石が取り付けられている。
【0024】また、陽極用電極保持部材72には、この
磁石が接する一端面に鉄製ねじが取り付けられており、
電極移動用シャフト92の磁石に吸着され、チャッキン
グされるように構成されている。ここで、陽極用電極保
持部材72は、例えば黒鉛や銅などの高導電性の耐熱性
材料からなる丸棒であり、一方の端面に鉄製ねじが取り
付けられ、他方の端面に陽極用炭素電極71を取り付け
る取付穴が形成されている。丸棒の側面には、取付穴の
中心と垂直な穴が設けられ、取付穴に挿入された陽極用
炭素電極71を固定する固定ねじが取り付けられてい
る。陽極用炭素電極71には従来の製造装置に用いたも
のと同じものを用いる。なお、陽極用電極保持部材72
の鉄製ねじは、これに限られるものではなく、磁石に吸
引される材料であればよい。この場合、陽極用電極保持
部材72の構成は、取付穴の直径が異なる以外、図3で
示した陰極用電極保持部材22と同じである。
【0025】陽極通電用コンタクト10は、板バネがね
じで取り付けられて対向配置された2つのカーボン接触
子からなり、これらのカーボン接触子の対向面には、陽
極用電極保持部材72の外周面に対応した溝が設けられ
ている。この陽極通電用コンタクト10は、溝の長さ方
向の中心線が電極移動用シャフト72の中心軸と同じ線
上となるように絶縁性の固定台75に取り付けられてお
り、直流電源12の正側出力端子(+)と接続するリー
ド線が接続されている。この場合、陽極通電用コンタク
ト10は、陰極通電用コンタクト5と同じものを用い
る。
【0026】陽極冷却部11は、陽極用電極保持部材7
2が通過可能な貫通孔を有する銅製の水冷ジャケットで
あり、この貫通孔の中心線が電極移動用シャフト92の
中心軸と同じ線上となるように絶縁性の固定台75に取
り付けられている。この陽極冷却部11には、外部から
電気絶縁された2本のパイプ111,112が接続され
ており、一方のパイプ111から供給された冷却水が他
方のパイプ112を介して排出されるように構成されて
いる。この場合、陽極冷却部11は陰極冷却部6と同じ
ものを用いる。これにより、アーク放電時の発熱を除去
し、陽極用電極保持部材72の過熱を防ぐので、陽極用
電極保持部材72にチャッキングした電極移動用シャフ
ト92の磁石の温度がキュリー温度を超えないようにす
ることができる。
【0027】次に、図5を参照してこの製造装置の動作
を説明する。図5は、この製造装置の動作を示す説明図
である。図5(a)に示すように、陰極収納ホルダー2
と陽極収納ホルダー7に未使用の陰極用炭素電極21が
固定された陰極用電極保持部材22と未使用の陽極用炭
素電極71が固定された陽極用電極保持部材72をそれ
ぞれ収納した状態で処理を開始すると、まず、密閉容器
1内を真空排気手段により排気して10-3〜10-4Pa
程度の真空度とする。次いで、ガス導入手段により水素
ガスを導入し、密閉容器1内の水素ガス圧を所定の圧力
とする。
【0028】次に、陰極移動機構4により未使用の陰極
用炭素電極21が固定された陰極用電極保持部材22が
放電位置に移動されるとともに、陽極移動機構9により
未使用の陽極用炭素電極71が固定された陽極用電極保
持部材72が通電開始位置に移動され、図5(b)に示
すように、陰極用炭素電極21と陽極用炭素電極71が
接触する。これにより、陰極用電極保持部材22は、陰
極通電用コンタクト5と接触して直流電源の負側出力端
子(−)に接続されるとともに、陰極冷却部6により冷
却される。また、陽極用電極保持部材72は、陽極通電
用コンタクト10と接触して直流電源の正側出力端子
(+)に接続されるとともに、陽極冷却部11により冷
却される。
【0029】次に、直流電源が所定の電流を出力すると
同時に陽極移動機構9により陽極用炭素電極71が固定
された陽極用電極保持部材72を所定の速度で放電位置
へ移動させる。これにより、図5(c)に示すように、
陰極用炭素電極21と陽極用炭素電極71との間でアー
ク放電13が発生する。次に、所定の放電時間が経過し
たら、直流電源の出力を停止してアーク放電を消失させ
る。アーク放電を消失させた後、陰極移動機構4の電極
移動用シャフト42と陽極移動機構9の電極移動用シャ
フト92をそれぞれ待避位置に戻す。これにより、クレ
ータ状堆積物27の形成された陰極用炭素電極21を固
定した陰極用電極保持部材22が陰極収納ホルダー2に
収納されるとともに、消耗した陽極用炭素電極76を固
定した陽極用電極保持部材72が陽極収納ホルダー7に
収納される。
【0030】次に、陰極収納ホルダー移動機構3により
陰極収納ホルダー2を移動させるとともに、陽極収納ホ
ルダー移動機構8により陽極収納ホルダー7を移動さ
せ、図5(d)に示すように、未使用の陰極用炭素電極
21を固定した陰極用電極保持部材22と未使用の陽極
用炭素電極71を固定した陽極用電極保持部材72を送
り出し可能な位置に配置する。以後、未使用の陰極用炭
素電極21を固定した陰極用電極保持部材22と未使用
の陽極用炭素電極71を固定した陽極用電極保持部材7
2がなくなるまで同様の動作を繰り返す。
【0031】未使用の陰極用炭素電極21を固定した陰
極用電極保持部材22と未使用の陽極用炭素電極71を
固定した陽極用電極保持部材72がなくなり、クレータ
状堆積物27の形成された陰極用炭素電極21を固定し
た陰極用電極保持部材22と消耗した陽極用炭素電極7
6を固定した陽極用電極保持部材72がそれぞれ陰極収
納ホルダー2と陽極収納ホルダー7に収納されたら、水
素ガスの供給を停止して密閉容器1内の水素ガスを排気
した後、密閉容器1を大気圧に戻し、処理を終了する。
【0032】ここで、水素ガス圧は、6kPa〜27k
Paの範囲であればよく、最も望ましい範囲は10kP
a〜20kPaである。水素ガス圧をこの範囲とするの
は、厚さが均一で、表面が平坦なナノグラファイバー層
を生成するには、安定な放電が得られるとともにナノグ
ラファイバー層の堆積速度を2.5〜15μm/秒の範
囲とする必要があり、この圧力範囲を超えると放電が不
安定となったり、堆積速度が適正値から外れるためであ
る。
【0033】直流電流の所定値は、40〜100Aとす
ることが望ましい。電流の最大値を100Aとするの
は、電流が多くなるほど堆積物の面積が大きくなり、ナ
ノグラファイバー層の直径も大きくなるが、生成するナ
ノグラファイバーの方向の不ぞろいやナノポリへドロン
の増加といった現象が生じ、ナノグラファイバー層の質
の低下が無視できなくなるためである。また、電流の最
小値を40Aとするのは、これより電流が少ないと生成
するナノグラファイバー層の直径が小さくなり実用的で
ないためである。
【0034】放電位置における陰極用炭素電極21と陽
極用炭素電極71の電極間隔は、0.5〜2mmの範囲
とすることが望ましく、最も望ましい電極間隔は、0.
8〜1.2mmの範囲である。電極間隔をこのような範
囲とするのは、電極間隔が広くなると放電が不安定とな
り、陰極の温度上昇や凹凸発生による陰極面の劣化が進
み、生成される陰極堆積物の形状がゆがむことと、陰極
堆積物の堆積速度が遅くなり、2mmを超えるとナノグ
ラファイバー層がほとんど生成されなくなるためであ
る。また、電極間隔が0.5mmより狭いと、生成する
陰極堆積物によって電極同士が接触する恐れがあるため
である。
【0035】陽極用炭素電極71の通電開始位置から放
電位置への移動速度は、電極引き離し中に堆積するクレ
ータ状の陰極堆積物の周囲が新たな放電の陰極点となっ
て放電位置が移動することや、電極間隔が狭いときにで
きるナノポリへドロンを多く含むナノグラファイバー層
が生成することを抑止するため、0.2mm/秒以上と
することが望ましい。この実施の形態における代表的な
条件は、密閉容器1内の水素ガス圧を13.3kPaと
し、電極間に50Aの直流電流を流し、陽極用炭素電極
71を電極間隔が1.2mmとなる位置まで1mm/秒
の速度で移動し、放電時間を30秒とするものである。
これにより、直径が2〜3mmで厚さが0.2mm程度
のディスク状のナノグラファイバー層が形成される。
【0036】この実施の形態によれば、未使用の陰極用
炭素電極21を固定した陰極用電極保持部材22と未使
用の陽極用炭素電極71を固定した陽極用電極保持部材
72とをそれぞれ陰極収納ホルダー2と陽極収納ホルダ
ー7に配置するだけで処理を開始でき、処理終了後に陰
極収納ホルダー2と陽極収納ホルダー7からそれぞれク
レータ状堆積物27の形成された陰極用炭素電極21を
固定した陰極用電極保持部材22と消耗した陽極用炭素
電極76を固定した陽極用電極保持部材72とを取り出
すだけでよいので、従来の製造装置に比べて生産に要す
る段取り時間を大幅に短縮することができる。さらに、
常に未使用の陰極用炭素電極21と未使用の陽極用炭素
電極71を対で用いるため、クレータ状堆積物27が再
現性よく形成できるので、生産ごとのばらつきが少なく
なり均一なナノグラファイバーが得られる。
【0037】また、陰極収納ホルダー2と陽極収納ホル
ダー7に陰極用炭素電極21を固定した陰極用電極保持
部材22と陽極用炭素電極71を固定した陽極用電極保
持部材72とを複数収納できるため、1回のアーク放電
ごとに真空排気と大気開放を行う必要がないので、生産
時間を短縮することができる。さらに、陰極用電極保持
部材22や陽極用電極保持部材72の電極移動用シャフ
ト42,92とのチャッキングに磁石を用いたので、機
械的チャック方式に比べて構造が簡単なため、安価で信
頼性の高い製造装置とすることができる。なお、この実
施の形態では、陰極冷却部6と陽極冷却部11を設けた
が、電極移動用シャフト42,92に取り付けた磁石の
温度がこの磁石のキュリー温度を超えない範囲で使用す
る場合には、これらの冷却部を省いてもよい。
【0038】図7は、第2の実施の形態に係るナノグラ
ファイバーの製造装置の構成図であり、同図において図
1と同一符号は同一部分を示す。この実施の形態が第1
の実施の形態と異なる点は、陰極移動機構4と陽極移動
機構9をそれぞれ気密シール46,96を介して密閉容
器1を貫通して設けられたスクリュー溝を有する駆動シ
ャフト47,97により電極移動用シャフト48,98
を移動させるように構成したことである。
【0039】ここで、駆動シャフト47,97は、密閉
容器1の上部に配置され、電極移動用シャフト48,9
8はL字状で駆動シャフト47,97からつり下がるよ
うに配置されている。電極移動用シャフト48,98
は、L字状の水平部分の端部に第1の実施の形態と同様
の金属容器43,93が取り付けられており、金属容器
43,93内に耐熱性磁石が取り付けられている。この
場合、図示しないモータにより駆動シャフト47,97
を回転すると電極移動用シャフト48,98が図6の紙
面の左右方向に移動し、電極保持部材22,72を所定
位置に移動させる。
【0040】この実施の形態によっても第1の実施の形
態と同様に動作してナノグラファイバーを製造すること
ができる。この場合、第1の実施の形態での効果に加
え、陰極移動機構4や陽極移動機構9を駆動する際に大
気中と真空中を行き来するシャフトがないので、気密シ
ール46,96の構成が簡単になるとともに、シャフト
からの脱ガスが大幅に減るので密閉容器1内の雰囲気が
安定し、クレータ状堆積物27の再現性をより高める効
果が得られる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナノグラ
ファイバーの製造装置は、密閉容器中に配置され直流電
源の出力が印加される1対の通電用コンタクトと、第1
の炭素電極を複数収納する第1の電極収納手段と、第2
の炭素電極を複数収納する第2の電極収納手段と、第1
の炭素電極と第2の炭素電極を第1の電極収納手段及び
第2の電極収納手段と通電用コンタクトに接触しかつ対
向する所定位置との間で1組ずつ往復させる電極移動手
段とを備えたので、ナノグラファイバーを製造するたび
に陰極と陽極を交換する必要がなくなるので、生産性を
大きく向上する効果が得られる。
【0042】また、第1及び第2の炭素電極は磁石に吸
着される部材を一端に備えた導電性保持部材の他端に固
定され、電極移動手段は磁石を有し、導電性保持部材の
磁石に吸着される部材と吸着して導電性保持部材を移動
させるようにしたので、安価で信頼性の高いチャッキン
グの効果が得られる。また、第1の炭素電極と第2の炭
素電極とが通電用コンタクトに接触しかつ対向する所定
位置に隣接して導電性保持部材を冷却する冷却手段を配
置したので、電極移動手段の磁石の温度がキュリー温度
を超えないようにできるため、磁石が磁力を失わないよ
うにする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係るナノグラファイバー
の製造装置の構成図である。
【図2】 図1の陰極収納ホルダーの構成を示す斜視図
である。
【図3】 図1の電極移動用シャフトと陰極用電極保持
部材の構成を示す断面図である。
【図4】 図1の陰極通電用コンタクトの構成を示す図
である。
【図5】 図1の製造装置の動作を示す説明図である。
【図6】 第2の実施の形態に係るナノグラファイバー
の製造装置の構成図である。
【図7】 従来のナノグラファイバーの製造装置の一例
を示す構成図である。
【符号の説明】
1…密閉容器、2…陰極収納ホルダー、3…陰極収納ホ
ルダー移動機構、4…陰極移動機構、5…陰極通電用コ
ンタクト、6…陰極冷却部、7…陽極収納ホルダー、8
…陽極収納ホルダー移動機構、9…陽極移動機構、10
…陽極通電用コンタクト、11…陽極冷却部、12…直
流電源、13…アーク放電、14…陰極取付具、16…
陽極取付具、17…絶縁体、18…移動機構、21…陰
極用炭素電極、22…陰極用電極保持部材、23…収納
溝、24…鉄製ねじ、25…取付穴、26…固定ねじ、
27…クレータ状堆積物、28…クレータ状グラファイ
ト、29…ナノグラファイバー層、30…ナノグラファ
イバー群、31,46,81,96…気密シール、3
2,82…駆動シャフト、33,83…ガイドシャフ
ト、41,91…電気絶縁・気密シール、34,84…
ホルダー取付部、42,48,92,97…電極移動用
シャフト、43,93…金属容器、44…磁石、51…
板バネ、52…ねじ、53…カーボン接触子、54…
溝、55,75…固定台、56…リード線、61,6
2,111,112…パイプ、71…陽極用炭素電極、
72…陽極用電極保持部材、76…消耗した陽極用炭素
電極。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 CA01 CB01 CC06 CC09 4G075 AA27 CA03 CA17 CA62 CA65 EC21 FB02 FB03 FC06 4L037 CS03 CT05 FA02 FA20 PA01 PA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空排気可能な密閉容器と、 前記密閉容器中に水素ガスを導入するガス導入手段と、 前記密閉容器中に配置された陰極となる第1の炭素電極
    と陽極となる第2の炭素電極との間にアーク放電を発生
    させる直流電源とを有するナノグラファイバーの製造装
    置において、 前記密閉容器中に配置され前記直流電源の出力が印加さ
    れる1対の通電用コンタクトと、 前記第1の炭素電極を複数収納する第1の電極収納手段
    と、 前記第2の炭素電極を複数収納する第2の電極収納手段
    と、 前記第1の炭素電極と前記第2の炭素電極を前記第1の
    電極収納手段及び前記第2の電極収納手段と前記通電用
    コンタクトに接触しかつ対向する所定位置との間で1組
    ずつ往復させる電極移動手段とを備えたことを特徴とす
    るナノグラファイバーの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の炭素電極は、 磁石に吸着される部材を一端に備えた導電性保持部材の
    他端に固定され、 前記電極移動手段は、 磁石を有し、前記導電性保持部材の磁石に吸着される部
    材と吸着して前記導電性保持部材を移動させることを特
    徴とする請求項1記載のナノグラファイバーの製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の炭素電極と前記第2の炭素電
    極とが前記通電用コンタクトに接触しかつ対向する所定
    位置に隣接して前記導電性保持部材を冷却する冷却手段
    を配置したことを特徴とする請求項2記載のナノグラフ
    ァイバーの製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007536189A (ja) * 2004-05-05 2007-12-13 エヌ テック アーエス カーボンナノチューブの製造

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