JP2003103173A - 重質炭化水素油の水素化処理触媒 - Google Patents

重質炭化水素油の水素化処理触媒

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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱硫活性及び耐金属性能ともに優れた重質炭化
水素油の水素化処理触媒を提供する。 【解決手段】多孔性アルミナ担体に水素化活性成分が担
持されており、かつ細孔分布に関する条件、(1)5〜
10nmの細孔径を有する細孔の容積が、細孔径3〜3
0nmを有する細孔の容積の30〜45%であること、
(2)10〜15nmの細孔径を有する細孔の容積が細
孔径3〜30nmを有する細孔の容積の50〜65%で
あること、および(3)30nm以上の細孔径を有する
細孔の容積が全細孔容積の2%以下であることを充足す
る重質炭化水素油の水素化処理触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重質炭化水素油の
水素化処理触媒に関し、優れた脱硫活性を有し、かつ重
質油中に存在する重金属化合物の堆積に対して長期にわ
たり触媒活性を維持可能な該水素化処理触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】原油を常圧蒸留装置により処理すること
で得られる常圧残渣油や、常圧残渣油をさらに減圧蒸留
装置で処理することにより得られる減圧残渣油などの重
質炭化水素油には多量の硫黄化合物及び重金属化合物が
含有されている。これらの重質炭化水素油を一般の用途
に供する場合、硫黄酸化物による大気汚染防止対策とし
て、重質炭化水素油に含有される硫黄化合物のより一層
の低減が要望されている。一方、世界的な原油の重質化
にともない硫黄化合物、重金属化合物の含有量が多い原
油を処理する傾向にあることから、このような重質炭化
水素油を水素化処理して低硫黄重油を得る工程では、重
質炭化水素油中に多量に存在するニッケル及びバナジム
等の重金属化合物が触媒上に沈着する。このことは触媒
活性を低下させ、多量に沈積した重金属化合物のため触
媒寿命が大幅に短縮するため、低硫黄重油を得る条件は
一段と厳しくなっている。
【0003】このため、重質炭化水素油を水素化処理す
る目的で、水素化処理触媒の高活性化、高寿命化に関す
る研究が盛んに行われている。これまでにも触媒劣化を
引き起こすニッケル及びバナジウム等の重金属化合物を
含有するアスファルテン分の触媒内部への拡散性を向上
させることを考慮して触媒上の細孔分布に特徴を持たせ
た触媒設計がなされており、例えば、特開昭57-20
1533号、特開昭62−78148号、特開昭62−
74455号等でその検討がなされている。しかし、特
開昭57-201533号は重質炭化水素油の拡散性を
促進するために、細孔径20〜100nmの大細孔径部
分が全細孔容積の5〜20%と非常に大きな割合で存在
することを特徴とした触媒である。このため、重金属化
合物の沈着に対する耐金属性能は優れているが、この重
質炭化水素油を拡散させるための大細孔径は、反応活性
を持たない空間であるため、反応器中での触媒活性部分
が減少することにより脱硫活性が低下したり、あるいは
存在する空間のために触媒強度が低下する難点を有す
る。
【0004】これに対し、特開昭62−78148号、
特開昭62−74455号は、比較的小さな細孔径の範
囲で、アルミナ担体にシリカ、ゼオライトを添加した触
媒を提案している。しかし、シリカ、ゼオライトを添加
すると、シリカ、ゼオライトの酸性質のため、コークの
生成が増加する傾向があり、長期間の運転には適さない
面がある。一方、特開平7-163890号では、担体
としてアルミナのみを用いて比較的小さな細孔径の範囲
で細孔分布に特徴を持たせた触媒について提案してい
る。しかし、この触媒は、軽油の脱硫用であり、軽油留
分の沸点における留出量の割合から触媒の細孔分布の設
計がなされている。そのため、重金属化合物を多量に含
有する重質炭化水素油を水素化処理した場合には、脱硫
活性は低く、重金属化合物の沈着により触媒活性が低下
することが予測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た脱硫活性を有し、かつ重質油中に存在する重金属化合
物の堆積に対して長期にわたり触媒活性を維持可能な水
素化処理触媒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、多孔性アルミナ担
体に水素化活性成分を担持させてなり、その触媒細孔分
布を詳細に設計することにより、重質油炭化水素油の水
素化処理において高い脱硫活性と長期間の触媒活性維持
が可能であることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明によれば、下記構成の水素化処理触媒が提供
されて、本発明の上記目的が達成される。 1.多孔性アルミナ担体に水素化活性成分が担持されて
おり、かつ細孔分布に関する下記条件、(1)5〜10
nmの細孔径を有する細孔の容積が、細孔径3〜30n
mを有する細孔の容積の30〜45%であること、
(2)10〜15nmの細孔径を有する細孔の容積が細
孔径3〜30nmを有する細孔の容積の50〜65%で
あること、および(3)30nm以上の細孔径を有する
細孔の容積が全細孔容積の2%以下であること、を充足
することを特徴とする重質炭化水素油の水素化処理触
媒。 2.全細孔容積が0.60ml/g以上であることを特
徴とする上記1に記載の重質炭化水素油の水素化処理触
媒。 3.細孔径10〜30nmを有する細孔の平均細孔径が
11〜13nmにあり、該平均細孔径±1nmの細孔が
持つ容積が、細孔径3〜30nmを有する細孔の容積の
25%以上であることを特徴とする上記1または2に記
載の重質炭化水素油の水素化処理用触媒。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の水素化処理触媒は、担体として多孔性ア
ルミナ担体が用いられる。アルミナ担体の調製方法は特
に限定されず、一般的な方法により調製することができ
る。例えば、2種類の粒子径の異なるアルミナゲルを各
々調製し、これらを混合、熟成することによっても調製
できるし、あるいは1種のアルミナゲルを調製後、溶液
のpHを調製することによっても調製することができ
る。上記アルミナゲルは、アルミニウムの水溶性化合物
である硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムをアンモニ
アのような塩基で中和し、あるいは、アルミン酸ナトリ
ウムのようなアルカリ金属アルミン酸塩を酸性アルミニ
ウム塩または酸で中和することにより、生成することが
できる。
【0008】本発明で特定された細孔径、細孔容積を有
する触媒の原料であるアルミナは、以下の方法で調製す
ることができる。すなわち、沈殿剤や中和剤を添加して
アルミナゲルを作る際のpH、これらの薬剤の濃度、時
間、温度等を調整すればよく、一般的に酸性側では細孔
径、細孔容積は小さくなり、アルカリ側では細孔径、細
孔容積ともに大きくなる。また、熟成時間を短くすると
細孔径が小さく、長くすると細孔分布をシャープにする
ことができる。例えば、ゲル生成の際のpHを3〜7、
温度を15〜90℃の範囲にすることにより、焼成後の
アルミナ担体の平均細孔径5〜10nmのアルミナゲル
を得ることができる。また、pHを7〜11、温度を3
0〜90℃の範囲にすると焼成後のアルミナ担体の平均
細孔径が10〜15nmであるアルミナゲルを得ること
ができる。
【0009】粒子径の異なる2種のアルミナゲルを混合
することによりアルミナ担体を得る場合には、上記の方
法により、粒子径の異なる2種類のアルミナゲルをそれ
ぞれ調製した後に、混合し、熟成、洗浄、水分調整を行
う。この時、目的の触媒細孔分布に合わせて、それぞれ
のアルミナゲルを混合する。混合する割合は目標とする
触媒細孔構造に合わせてそれぞれのアルミナゲルを質量
%で混合することにより得ることができる。また、通常
pH4〜9、温度40〜90℃で1〜10時間行うこと
により、30nm以上の細孔容積を2%以下に抑制でき
る他、熟成後のアルミナゲル中に存在する不純物を除去
し易くできる。一方、1種類のアルミナゲルから調製す
る場合には、例えば、以下のように調製することができ
る。まず上記方法により焼成後のアルミナ担体の平均細
孔径が10〜15nmとなるアルミナゲル含有溶液を調
製し、このアルミナゲル含有溶液に硝酸等の酸性溶液を
添加することにより調製される。このとき、溶液のpH
濃度、温度、時間等を調整することにより目的の触媒細
孔構造を得ることができる。通常、pH3〜7、反応温
度30〜90℃、反応時間0.1〜10時間で行い、p
H濃度を酸性側、反応温度を高く、反応時間を長くする
ことで、5〜10nmの細孔径を有する細孔の容積が細
孔径3〜30nmを有する細孔の容積に占める割合を増
加させることができる。
【0010】これらのアルミナゲルは、不純物を洗浄
後、乾燥又は加水などにより水分調整を行う。水分調整
を行うことにより、触媒の成型が容易となる。水分調整
後の含水量は、60〜90質量%が好ましい。また、水
分調整のための1次乾燥温度及び方法を変更すること
で、アルミナ微細表面構造の制御も可能である。本発明
の水素化処理触媒の調製には、1次乾燥の温度を100
℃未満にすることが好ましく、熱を極力与えず、約0.
01〜2MPaでの自然濾過、吸引濾過、加圧濾過によ
る方法がより好ましい。これにより、水素化処理触媒の
脱硫性能を増加させることが出来る。
【0011】水分調整後に担体の成形を行う。成形方法
は、特に限定されず、押出し成形、打錠成形等の一般的
な方法を用いることができる。なお、成形時の圧力や速
度を調整することによっても、アルミナの細孔分布の制
御が可能である。また、触媒形状に関しては特に限定さ
れず、通常の触媒形状に使用される種々の形状に使用す
ることができるが、特に三葉型や四葉型が好ましい。
【0012】成形後は、好ましくは常温〜150℃、よ
り好ましくは100〜120℃で、好ましくは5時間以
上、より好ましくは12〜24時間保持する。焼成は、
好ましくは350〜600℃、より好ましくは400〜
550℃で、好ましくは3時間以上、より好ましくは5
〜12時間保持される。
【0013】本発明の水素化処理触媒は、上記で調製さ
れたアルミナ担体に、水素化活性成分を、好ましくは元
素周期表第6A族金属及び第8族金属から選ばれる少な
くとも1種の金属を水素化活性成分として担持させたも
のである。第6A族金属としては、第6A族に属する金
属であればどのような金属でもよいが、モリブデンまた
はタングステンが特に好ましい。第8族金属について
も、第8族に属する金属であればどのようなものでもよ
いが、コバルト、ニッケルが特に好ましい。また、担持
する金属は1種類の活性金属でも良いし、2種類以上の
活性金属を組み合わせて使用しても良い。
【0014】活性金属の担持法は、特に制限はされず、
通常の方法、例えば、含侵法、共沈法、混練法、沈着
法、イオン交換法等の種々の方法が採用できる。第6A
族金属と第8族金属を担持する場合、順序はどちらを先
に担持しても良いし、両者を同時に担持しても良い。溶
液として使用できる化合物も特に制限はなく、例えば、
ニッケル化合物として、ニッケルの硝酸塩、硫酸塩、フ
ッ化物、塩化物、臭化物、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩な
どが挙げられ、またモリブデン化合物としては、パラモ
リブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、モリブデン酸
アンモニウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ア
ンモニウム、リンモリブデン酸などが挙げられる。
【0015】本発明の触媒は、含侵法、共沈法、混練
法、沈着法、イオン交換法等の種々の方法で調製する場
合であっても、アルミナ担体に、第6A族金属及び第8
族金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を担
持した後、乾燥、焼成することにより製造することがで
きる。乾燥は、好ましくは常温〜150℃、より好まし
くは100〜120℃で、好ましくは5時間以上、より
好ましくは12〜24時間保持することにより行われ
る。焼成は、好ましくは350〜600℃、より好まし
くは400〜550℃で、好ましくは3時間以上、より
好ましくは12〜24時間保持することにより行われ
る。
【0016】これら活性金属成分の担持量は、触媒基
準、酸化物換算で、第6A族金属の場合、好ましくは3
〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに
好ましくは8〜20質量%である。また、第8族金属の
場合、好ましくは0.5〜18質量%、より好ましくは
1〜10質量%、さらに好ましくは2〜8質量%であ
る。また、アルミナ担体の物理性状や担持する金属活性
種の組み合わせ状態により、適宜担持量を選択すること
ができる。第6A金属成分が3質量%未満では所定の金
属担持効果を発揮すること困難であり、また30質量%
を超えると活性金属の凝集や触媒の細孔容積が大幅に低
下してしまう。第8族金属成分が0.5質量%未満では
金属担持効果が十分発揮されず、また18質量%を超え
ると担持効果が飽和し、経済性が低下する。
【0017】本発明の水素化処理触媒は、重質炭化水素
油の水素化処理に使用する前に予備硫化することにより
担持した活性金属成分は大部分が硫化物となり、水素化
処理中に重質油の硫黄化合物により一部、あるいは全部
が硫化物となる。
【0018】活性金属成分を担持、乾燥、焼成すること
により、(1)5〜10nmの細孔径を有する細孔の容
積が細孔径3〜30nmを有する細孔の容積の30〜4
5%であり、(2)10〜15nmの細孔径を有する細
孔の容積が細孔径3〜30nmを有する細孔の容積の5
0〜65%であり、そして(3)30nm以上の細孔径
を有する細孔の容積が全細孔容積の2%以下である、を
充足する細孔分布を有する本発明の重質炭化水素油の水
素化処理用触媒を得ることができる 5〜10nmの細孔径を有する細孔の容積が、細孔径3
〜30nmを有する細孔の容積の30%未満であると十
分な脱硫活性が得られず、45%より大きいと耐金属性
能が低下し触媒寿命が短くなる。また、10〜15nm
の細孔径を有する細孔の容積が、細孔径3〜30nmを
有する細孔の容積の50%未満であると耐金属性能が劣
り触媒寿命が短くなり、65%より大きくなると脱硫活
性が低下し十分な触媒活性が得ることができない。ま
た、30nm以上の細孔径を有する細孔の容積が、全細
孔容積の2%より大きくなると、脱硫活性が低下し、十
分な脱硫活性が得られない。
【0019】本発明の触媒は、耐金属性能の観点から、
全細孔容積が0.60ml/g以上であることが好まし
く、より好ましくは、0.60〜0.75ml/g、特
に好ましくは0.60〜0.70ml/gである。全細
孔容積が0.60ml/g未満であると、耐金属性能が
低下し触媒寿命が短くなる。全細孔容積を上記範囲とす
るには、沈殿剤や中和剤を添加してアルミナゲルを作る
際のpHを調整することにより可能である。一般的に酸
性側では細孔容積は小さくなり、アルカリ側では細孔容
積が大きくなる。
【0020】さらに、本発明の触媒は、耐金属性能およ
び脱硫活性の観点から、細孔径10〜30nmの細孔の
平均細孔径が11〜13nmにあり、かつ該平均細孔径
±1nmの細孔がもつ容積が、細孔径3〜30nmを有
する細孔の容積の25%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは30〜65%、特に好ましくは35〜50
%である。細孔径10〜30nmの平均細孔径が11n
m未満であると、耐金属性能が低下し触媒寿命が短くな
る。平均細孔径が13nmを超えると脱硫活性が低下
し、十分な脱硫活性が得られない。また、平均細孔径±
1nmの細孔が持つ容積が、細孔径3〜30nmを有す
る細孔の容積の25%未満であると、十分な脱硫活性が
得られない。細孔径10〜30nmの細孔の平均細孔径
を11〜13nmとし、かつ該平均細孔径±1nmの細
孔がもつ容積を細孔径3〜30nmを有する細孔の容積
の25%以上とするには、2種類のアルミナゲルから調
製する場合には、目標とする触媒細孔構造に合わせてそ
れぞれのアルミナゲルを質量%で混合することにより可
能である。一方、1種類のアルミナゲルから調製する場
合には、沈澱剤や中和剤を添加してアルミナゲルを作る
際の熟成時間を調整することにより可能である。一般的
に熟成時間を短くすると細孔径は小さく、長くすると細
孔分布をシャープにすることができる。
【0021】本発明の触媒を用いて、重質炭化水素油を
水素化処理することで、長期間にわたり重質炭化水素油
中の硫黄化合物の低減をすることが可能となる。
【0022】
【実施例】以下に実施例によって本発明の内容を更に具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0023】〔触媒の調製〕 実施例1(水素化処理触媒Aの調製) 5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液10kgを60
℃に加熱し、温度を保持したまま、25質量%の硫酸ア
ルミニウム水溶液を滴下し、最終的にpHを4に調整し
た。生成したアルミナスラリーを濾過し、濾別したアル
ミナゲルを0.2質量%のアンモニア水溶液を加えてp
H7に調整し、焼成後のアルミナ担体の平均細孔径が6
nmのアルミナゲル(A)を得た。次に5質量%のアル
ミン酸ナトリウム水溶液10kgを70℃に加熱し、温
度を保持したまま、25質量%の硫酸アルミニウム水溶
液を滴下し、最終的にpHを8に調整した。生成したア
ルミナスラリーを濾過し、濾別したアルミナゲルに硝酸
水溶液を加えてpH7に調整し、焼成後の平均細孔径が
12nmのアルミナゲル(B)を得た。
【0024】このアルミナゲル(A)及び(B)を1:
2の質量比になるように混合し、室温下において、吸引
濾過により脱水乾燥後の含水量が70質量%となるよう
に水分調整した後、押出成形機により触媒直径1.3m
mの四葉型に合うように押出し、120℃で20時間乾
燥した後、550℃で3時間焼成し、アルミナ担体を得
た。
【0025】このアルミナ担体100gに、次のように
して活性金属成分を担持した。即ち、室温下、ナス型フ
ラスコ中で79.6gのイオン交換水に26.0gのモ
リブデン酸アンモニウム、6.33gの炭酸ニッケルと
4.9gのリン酸を溶解させた水溶液を含浸用水溶液と
した。この水溶液の全てをなす型フラスコ中でアルミナ
担体に滴下した後、室温にて1時間静置し、風乾、マッ
フル炉により空気流通下、550℃で3時間焼成するこ
とにより水素化処理触媒Aを調製した。水素化処理触媒
Aの活性金属量は酸化物換算としてモリブテン15質量
%、ニッケル3質量%であった。
【0026】実施例2(水素化処理触媒Bの調製) 実施例1の活性金属含浸用水溶液を、17.5gのモリ
ブデン酸アンモニウムと24gの水酸化アンモニウムか
らなる水溶液と、18.2gの硝酸ニッケル・6水和物
と79.6gのイオン交換水からなる水溶液を混合して
調製した以外は、実施例1と同様な方法で水素化処理触
媒Bを調製した。
【0027】実施例3(水素化処理触媒Cの調製) 実施例1においてアルミナゲル(A)、(B)の質量比
を3:4になるように混合し、金属含浸溶液用のイオン
交換水の量を74.2gとした以外は、実施例1と同様
な方法により水素化処理触媒Cを調製した。
【0028】実施例4(水素化処理触媒Dの調製) 実施例1においてアルミナゲル(A)、(B)の質量比
を2:3になるように混合し、金属含浸溶液用のイオン
交換水の量を81.2gにした以外は、実施例1と同様
な方法により水素化処理触媒Dを調製した。
【0029】実施例5(水素化処理触媒Eの調製) 5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液10kgを60
℃に加熱し、この温度を保持したまま25質量%の硫酸
アルミニウム水溶液を滴下し、最終的な水溶液のpHが
10になるように調整した。生成したアルミナスラリー
を濾別することで得たアルミナゲルを5kgのイオン交
換水に加えた後、硝酸水溶液をpH濃度が局所的に変化
しないように滴下し、最終的なpHが6になるように調
整した。この間、溶液の温度は40℃一定にし、0.5
時間を要した。その後、1時間攪拌することでアルミナ
ゲルを得た以外は実施例1と同様な方法で水素化処理触
媒Eを調製した。
【0030】比較例1(水素化処理触媒Fの調製) 実施例1のアルミナゲル(A)のみで成型、焼成し、実
施例1と等量活性金属を担持し、焼成することにより水
素化処理触媒Fを調製した。
【0031】比較例2(水素化処理触媒Gの調製) 実施例1のアルミナゲル(B)のみで成型、焼成し、実
施例1と等量活性金属を担持し、焼成することにより水
素化処理触媒Gを調製した。
【0032】比較例3(水素化処理触媒Hの調製) 実施例1のアルミナゲル(A)及び(B)を2:1の質
量比になるように混合し、成型、焼成し、実施例2と等
量の活性金属を担持し、焼成することにより水素化処理
触媒Hを調製した。
【0033】比較例4(水素化処理触媒Iの調製) 実施例1のアルミナゲル(A)及び(B)を3:1の質
量比になるように混合し、成型、焼成し、実施例2と等
量の活性金属を担持し、焼成することにより水素化処理
触媒Iを調製した。
【0034】比較例5(水素化処理触媒Jの調製) 比較例1の触媒Fを粉砕機を用いて、平均粒径9μmに
なるように粉砕した。得られた触媒粉末と実施例1のア
ルミナゲル(B)を焼成後の質量比が3:1となるよう
に混合し、成型、焼成し、実施例1と等量の活性金属を
担持し、焼成することにより水素化処理触媒Jを調製し
た。
【0035】比較例6(水素化処理触媒Kの調製) イオン交換水10Lを60℃に加熱し、20質量%水酸
化ナトリウムを添加し、pH13のアルカリ水溶液を得
た。この水溶液の温度を保持したまま、25質量%の硫
酸アルミニウム水溶液を滴下し、最終的にpHを10に
調整した。生成したアルミナスラリーを濾過し、濾別し
たアルミナゲルに硝酸水溶液を加えてpH7に調整し、
室温下において、吸引濾過で脱水乾燥後の含水量が60
質量%となるように脱水乾燥した後、押出成形機で必要
な触媒直径に合うように押出し、120℃で20時間乾
燥した後、550℃で3時間焼成しアルミナ担体を得
た。このアルミナ担体100gに、次のようにして活性
金属成分を担持した。室温下、三角フラスコ中で、1
5.5gのモリブデン酸アンモニウムと24gの水酸化
アンモニウムからなる水溶液と、18.2gの硝酸ニッ
ケル・6水和物と72gのイオン交換水からなる水溶液
を混合し、含浸用水溶液を調製した。この水溶液の全て
を、なす型フラスコ中でアルミナ担体に滴下した後、室
温にて1時間静置し、風乾後、マッフル炉により、空気
流通下、550℃で3時間焼成することにより水素化処
理触媒Kを調製した。
【0036】(水素化処理触媒の分析)調製した水素化
処理触媒A〜E、F〜Kの性状を表1、2に示す。ここ
で、触媒の細孔分布は水銀ポロシメーター(MICRO
MERITECS社製AUTOPORE−9220)を
使用し、水銀圧入法により求めた。また、触媒の平均細
孔径は水銀圧入法により細孔容積を求め、この時の細孔
容積をそれ以上の細孔径の部分と、それ以下の細孔径の
部分とに均等に2分する細孔径とした。この時の測定条
件は圧力0〜415MPa、接触角130°、表面張力
4.7×10-5N/mで行った。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1および2において、PVは全細孔容積
(ml/g)、PV−1は細孔径3〜30nmを有する
細孔の容積(ml/g)、PV−2は5〜10nmの細
孔径を有する細孔の容積の細孔径3〜30nmを有する
細孔の容積に対する割合(%)、PV−3は10〜15
nmの細孔径を有する細孔の容積の細孔径3〜30nm
を有する細孔の容積に対する割合(%)、PV−4は3
0nm以上の細孔径を有する細孔の容積の全細孔容積に
対する割合(%)、MPDは細孔径10〜30nmの平
均細孔径(nm)、PSDは細孔径10〜30nmを有
する細孔の平均細孔径±1nmの細孔が持つ容積が、細
孔径が3〜30nmを有する細孔の容積に占める割合、
をそれぞれ示す。
【0040】〔水素化処理触媒の反応:脱硫活性の評
価〕固定床流通式マイクロリアクターに、水素化処理触
媒A〜Lの25ccを充填した。予備硫化は、減圧軽油
により、LHSV=1.0h-1、水素分圧=10MP
a、370℃で12時間行った。その後、脱硫活性につ
いては、常圧残油(硫黄化合物3.42質量%、ニッケ
ル12ppm、バナジウム38ppm含有)を連続的に
通油し、380℃の反応温度、10MPaの水素分圧、
0.4h-1の液空間速度及び997m3/m3の水素/油
比で反応を行い、運転日数20日目の反応生成物中の残
留硫黄化合物で(質量%)を求め、以下の式(1)によ
り反応速度定数ksを求めた。ここで、ksが高いほど
脱硫活性が優れていることを示す。結果を、比較例1を
100とし、相対値で表3に示す。 式(1): ks=[(1/生成油のS濃度)−(1/原料油のS濃
度)]×液空間速度
【0041】〔水素化処理触媒の反応:耐金属性能〕固
定床流通式マイクロリアクターに、水素化処理触媒A〜
Lの10ccを充填した。予備硫化は、減圧軽油によ
り、LHSV=1.0h-1、水素分圧=10MPa、3
70℃で12時間行った。その後、耐金属性能を原料油
をボスカン原油(硫黄化合物4.7質量%、ニッケル1
20ppm、バナジウム1300ppm含有)を連続的
に通油し、395℃の反応温度、10MPaの水素分
圧、1.0h-1の液空間速度及び1690m3/m3の水
素/油比で反応を行い、生成油から求めた脱硫率が20
%になった時点で触媒上に沈着しているニッケル及びバ
ナジウム量(質量%)を測定した。結果を、比較例1を
100とし、相対値で表3に示す。なお、触媒上に沈着
しているニッケル及びバナジウム量の測定は以下の方法
による。 (ニッケル及びバナジウム量の測定方法)触媒上に沈着
しているニッケルおよびバナジウム量の測定は、高周波
プラズマ発光金属分析計(島津製作所製ICPS−22
00)を用いて行った。
【0042】
【表3】
【0043】表3の結果から、本発明の触媒は、脱硫活
性に優れていることがわかる。さらに、耐金属性能の比
較により、沈着する重金属化合物に対しても長期間触媒
活性の維持も可能であることが分かる。一方、比較例で
は、耐金属性能・脱硫活性ともに劣るものや、耐金属性
能は優れていても脱硫活性がかなり劣ることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の水素化処理触媒は、重質炭化水
素油の脱硫活性に優れ、かつ重質炭化水素油中に存在す
る重金属化合物の沈着に対しても長期間、触媒活性を維
持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐山 和幸 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 神戸 英樹 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 水谷 洋 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 出井 一夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA12 BA01A BA01B BB04A BB04B BC57A BC59A BC59B BC60A BC66A BC67A BC68A BC68B CC02 EA02Y EB18Y EC07X EC07Y EC15X EC15Y EC18X EC18Y EC19 ED07 4H029 CA00 DA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性アルミナ担体に水素化活性成分が
    担持されており、かつ細孔分布に関する下記条件、
    (1)5〜10nmの細孔径を有する細孔の容積が、細
    孔径3〜30nmを有する細孔の容積の30〜45%で
    あること、(2)10〜15nmの細孔径を有する細孔
    の容積が細孔径3〜30nmを有する細孔の容積の50
    〜65%であること、および(3)30nm以上の細孔
    径を有する細孔の容積が全細孔容積の2%以下であるこ
    と、を充足することを特徴とする重質炭化水素油の水素
    化処理触媒。
  2. 【請求項2】 全細孔容積が0.60ml/g以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の重質炭化水素油の
    水素化処理触媒。
  3. 【請求項3】 細孔径10〜30nmを有する細孔の平
    均細孔径が11〜13nmにあり、該平均細孔径±1n
    mの細孔が持つ容積が、細孔径3〜30nmを有する細
    孔の容積の25%以上であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の重質炭化水素油の水素化処理用触媒。
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