JP2003106896A - 赤外線センサ及びその製造方法 - Google Patents

赤外線センサ及びその製造方法

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JP2003106896A
JP2003106896A JP2001305331A JP2001305331A JP2003106896A JP 2003106896 A JP2003106896 A JP 2003106896A JP 2001305331 A JP2001305331 A JP 2001305331A JP 2001305331 A JP2001305331 A JP 2001305331A JP 2003106896 A JP2003106896 A JP 2003106896A
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infrared sensor
film
infrared
detection film
electrode
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Yoshiyuki Nakagi
義幸 中木
Hisatoshi Hata
久敏 秦
Takanori Sone
孝典 曽根
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 YBCOをボロメータ材料に用いた赤外線セ
ンサより、高感度で低雑音の赤外線センサを提供する。 【解決手段】 信号処理部を有する基板上に、赤外線検
知部が断熱脚で支持された赤外線センサにおいて、基板
と、基板上に固定された断熱脚と、断熱脚に設けられた
配線層と、断熱脚で支えられた赤外線検知部であって、
配線層に接続された電極と、検知膜とを含む赤外線検知
部とを含み、検知膜が、ガドリニウム、バリウム、およ
び銅を主成分とする酸化物のボロメータ材料からなり、
ガドリニウム、バリウム、銅の化学量論的組成比が、お
およそ1:0.5〜4:1〜6である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線センサ
及びその製造方法に関し、特に、ボロメータ材料を赤外
線検知膜に用いた熱型赤外線センサ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、YBaCuO(イットリウム、バ
リウム、銅を主成分とする酸化物材料。以下、「YBC
O」という。)を、ボロメータ材料として用いた赤外線
センサが実用化されつつある。図7は、U.S.Patent 5,5
72,060に記載された、全体が500で表される赤外線セ
ンサである。図7(a)に断面図、図7(b)に検知部
の概略図を示す。
【0003】図7(a)に示すように、赤外線センサ5
00は、半導体基板501を含む。半導体基板501上
には複数の導電性支柱502が設けられている。また、
赤外線センサ500は、赤外線検知部503を含む。赤
外線検知部503は、支持層504と、その上に積層さ
れたYBCOからなるボロメータ層505、更にその上
に形成された電極506を含む。電極506と導電性支
柱502とは、接続リード507で接続され、これによ
り赤外線検知部503が中空に保持される。また、赤外
線検知部503の上には、赤外線検知部503への赤外
線の入射を制御するシャッタ508が設けられている。
ボロメータ層505は、単独では3.5%/Kと良好な
TCR(TemperatureCoefficient of Resistance)特性
を有する一方、抵抗率は0.001Ωm程度と低い。こ
のため、図7(b)に示すような形状にボロメータ層5
05を加工することにより、ボロメータ層505の抵抗
値を大きくして使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、赤外線の検出
感度を向上させるためには、赤外線センサのTCRを高
くするとともに、低雑音化を図る必要があった。これに
対して、発明者らが検討した結果、GdBaCuO(ガ
ドリニウム、バリウム、銅を主成分とする酸化物材料。
以下、「GBCO」という。)をボロメータ材料に用い
ることにより、TCRが高く、かつYBCOをボロメー
タ材料に用いるより、低雑音の赤外線センサが得られる
ことを見出した。
【0005】なお、Nivelle らの "Low noise high-Tc
superconducting bolometers on silicon nitride memb
ranes for far-infrared detection" (J. Appl. Phys v
ol 82 (10) p.4719 (1997))には、GBCOを用いた赤
外線センサが記載されている。しかしながら、かかる赤
外線センサは、超伝導特性から金属伝導に伝導性が変化
する領域を用いて高いTCRを得るものであり、赤外線
センサを80K程度の低温に冷却して使用することが必
要となる。また、超伝導材料であるGBCOは多結晶か
ら形成されるため、雑音の低減は困難である。
【0006】そこで、本発明は、YBCOをボロメータ
材料に用いた赤外線センサより、高感度で低雑音の赤外
線センサの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは鋭意
研究の結果、ボロメータ材料であるGBCOを所定の組
成とすること、アモルファス状態とすること、GBCO
中の酸素量を制御することにより、室温においても、高
感度で低雑音の赤外線センサが得られることを見出し、
本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、信号処理部を有する基板
上に、赤外線検知部が断熱脚で支持された赤外線センサ
であって、基板と、該基板上に固定された断熱脚と、該
断熱脚に設けられた配線層と、該断熱脚で支えられた赤
外線検知部であって、該配線層に接続された電極と、検
知膜とを含む赤外線検知部とを含み、該検知膜が、ガド
リニウム、バリウム、および銅を主成分とする酸化物の
ボロメータ材料からなり、ガドリニウム、バリウム、銅
の化学量論的組成比が、おおよそ1:0.5〜4:1〜
6であることを特徴とする赤外線センサである。検知膜
をこのような組成のGBCOから形成することにより、
室温においても、高感度で低雑音の赤外線センサを得る
ことができる。
【0009】上記検知膜は、ガドリニウム、バリウム、
銅の化学量論的組成比がおおよそ1:2:3であるボロ
メータ材料からなることが好ましい。
【0010】上記検知膜は、アモルファス状態のボロメ
ータ材料からなることが好ましい。ボロメータ材料を、
多結晶状態とせずにアモルファス状態とすることによ
り、低抵抗の検知膜の形成が可能となる。
【0011】上記検知膜の抵抗率は、23℃において、
略0.01〜10Ωmであることが好ましい。
【0012】上記検知膜の温度変化率は、23℃におい
て、略2.5%/K以上であることが好ましい。
【0013】上記検知膜の膜厚は、略10nm〜略1μ
mであることが好ましい。
【0014】また、本発明は、上記電極の上記検知膜と
接する部分は、白金、イリジウム、ルテニウム、及びそ
れぞれの酸化物のいずれかからなることを特徴とする赤
外線センサでもある。かかる電極材料を用いることによ
り、検知膜と電極とのコンタクト抵抗を低減し、低雑音
の赤外線センサを得ることができる。なお、電極全体を
白金等から形成しても構わない。
【0015】上記電極は、櫛型形状であることが好まし
い。
【0016】上記電極は、上記検知膜を挟んで対向配置
されたものであっても良い。
【0017】更に、上記赤外線検知部の表面を覆う保護
膜を含むものであっても良い。
【0018】また、本発明は、信号処理部を形成した基
板上に、断熱脚で支持された赤外線検知部を形成する赤
外線センサの製造方法であって、基板を準備する工程
と、該基板上に犠牲層を形成する工程と、該犠牲層上に
配線層を含む断熱脚を形成する工程と、該配線層に接続
された電極を形成する工程と、該電極上に、ガドリニウ
ム、バリウム、および銅を主成分とする酸化物のボロメ
ータ材料からなる検知膜をスパッタ法で堆積するスパッ
タ工程と、該犠牲層を除去して、該断熱脚と、該断熱脚
に支えられ該電極と該検知膜とを含む赤外線検知部とを
形成する工程とを含むことを特徴とする赤外線センサの
製造方法でもある。このように、スパッタ法を用いて検
知膜を作製することにより、アモルファス状態のボロメ
ータ膜を形成することができる。
【0019】上記スパッタ工程は、ガドリニウム、バリ
ウム、銅の化学量論的組成比が、おおよそ1:0.5〜
4:1〜6であるスパッタターゲットを用いる工程であ
ることが好ましい。かかる工程を用いることにより、T
CRが高く、雑音の低い赤外線センサを作製できるから
である。
【0020】上記スパッタ工程は、略1〜10体積%の
酸素を含むアルゴンガスをスパッタガスに用いる工程で
あることが好ましい。かかる工程を用いることにより、
検知膜(ボロメータ膜)を低抵抗化できるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、全体が1
00で表される、本実施の形態1にかかる赤外線センサ
であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)
のI−I方向の断面図である。なお、図1(a)では、
理解を容易にするために、配線層3、電極5上の検知膜
6、保護膜4は記載していない。
【0022】赤外線センサ100は、例えばシリコンか
らなる基板1を含む。基板1上には、例えば酸化シリコ
ンからなる絶縁膜2が形成されている。基板1上には、
断熱脚10と、断熱脚10により支持された赤外線検知
部20とを含む。断熱脚10は、周辺部に固定されて赤
外線検知部20を中空に保持する。断熱脚10は、例え
ば窒化チタンからなる配線層3と、配線層3を囲み、例
えば酸化シリコンからなる保護膜4からなる。なお、か
かる保護膜4は、配線層3等を支持する支持膜としても
機能している。赤外線検知部20は、例えば白金からな
る2つの電極5を含む。2つの電極5は、それぞれが櫛
型形状であり、図1(a)に示すように、櫛部分が交互
に配置される。電極5は、白金以外に、イリジウム、ル
テニウム、又は、それぞれの酸化物(白金の酸化物、イ
リジウムの酸化物、ルテニウムの酸化物)から形成する
こともできる。なお、少なくとも検知膜6と接する電極
5の部分のみ、白金、イリジウム、ルテニウム、及びそ
れぞれの酸化物のいずれかから形成されればよい。
【0023】電極5の上には、ガドリニウム、バリウ
ム、および銅を主成分とする酸化物のボロメータ材料か
らなる検知膜6が設けられている。ガドリニウム、バリ
ウム、銅の化学量論的組成比は、好適には、おおよそ
1:0.5〜4:1〜6であり、更に好適には、おおよ
そ1:2:3である。また、電極5、検知膜6は、例え
ば酸化シリコンからなる保護膜4で覆われている。ま
た、ボロメータ材料は、アモルファス状態となってい
る。赤外線検知部20の周囲は開口部(熱分離部)7と
なり、赤外線検知部20は断熱脚10により中空に支持
されている。
【0024】次に、図2を参照しながら、本実施の形態
1にかかる赤外線センサ100の製造方法について説明
する。図2中、左図は、図1(a)のI−I方向の断面
図、右図は、上面図を示す。
【0025】まず、図2(a)に示すように、シリコン
等の基板1上に、酸化シリコン等の絶縁膜2を形成す
る。更に、例えばアモルファスシリコンからなる犠牲層
8を堆積させた後、酸化シリコン等からなる保護膜4を
形成する。保護膜4上には、一般的なパターニング技術
を用いて、例えば窒化チタンからなる配線層3を形成す
る。かかる保護膜4は、配線層3等の支持膜としても機
能する。
【0026】次に、図2(b)に示すように、一般的な
パターニング技術を用いて、白金からなる櫛型の電極5
を形成する。電極5は、白金の他に、イリジウム、ルテ
ニウム、さらにはそれぞれの酸化物から形成しても良
い。なお、電極5の材料に、チタン、クロム、銅、鉄、
ニッケル、アルミニウムを用いた場合も、ボロメータと
しての機能は確認できた。しかしながら、電極5と検知
膜6との間の電気的コンタクトが不完全であるような、
多少の抵抗値の増加と雑音値の増加がみられた。従っ
て、電極材料として、チタン等の材料も適用可能ではあ
るが、少なくとも検知膜6と接する部分には、白金、イ
リジウム、ルテニウムおよびそれらの酸化物を用いるこ
とが好ましい。また、それぞれの電極5は、櫛型とし、
櫛部分が交互に並ぶように配置した。電極5の間隔は略
1μmとし、2つの電極5の対向部分の総延長は略50
μmとした。なお、かかる電極構造(平面対向電極)
は、製造工程が少ないため有利である。熱容量等の検知
膜6の膜厚制限と、検知膜6の好ましい抵抗率の範囲で
ある0.01Ωmから10Ωmを考慮すると、電極の間
隔は、対向部分の長さより実質的に短いことが好まし
い。
【0027】次に、図2(c)に示すように、電極5の
上に、ガドリニウム、バリウム、および銅を主成分とす
る酸化物のボロメータ材料からなる検知膜6をスパッタ
法で形成する。スパッタ法による膜形成技術は、電気回
路を有する基板1にダメージを与えないことから有用な
技術である。検知膜6の形成は、例えば、ガドリニウ
ム、バリウム、および銅が、1:2:3の化学量論的組
成で混合されたスパッタターゲットを用いて行われる。
また、スパッタガスには、略1〜10体積%の酸素を混
合したアルゴンガスが用いられる。赤外線センサ100
の抵抗値が100kΩ程度に設計されているため、上述
のような櫛型の電極5の上に、検知膜6を膜厚200n
m程度、形成することが必要となる。
【0028】ここで、2つの電極5の間の間隔と、対向
部分の実質的な長さを変えたテストサンプルについて、
2端子法による電気抵抗のばらつきを評価した。素子構
造は、本実施の形態にかかる赤外線センサ100と同じ
であり、検知膜6の膜厚は、5nm、7nm、10n
m、20nm、100nmとした。かかる評価の結果、
検知膜6の膜厚が5nm、7nmでは、電極形状から予
想される抵抗値より、測定された抵抗値が大きくなる傾
向にあった。一方、検知膜6の膜厚が10nm以上で
は、概ね安定した、予想された抵抗値が得られた。ま
た、後述するように、赤外線検知部20の熱容量は、応
答性を向上させる上で、小さいほうが好ましい。このた
め、検知膜6の体積も低減する必要があり、現在および
将来の赤外センサの開発動向から判断して、膜厚が1μ
mより厚い検知膜6は実用的でないことがわかった。以
上の内容を勘案すると、検知膜(ボロメータ膜)6の膜
厚は、10nmから最大でも1μmの範囲内とすること
が適当であると判断される。
【0029】図3は、検知膜6の作製工程における、ス
パッタガスの成分と、形成されたGBCOからなる検知
膜6の抵抗値との関係である。図3からわかるように、
スパッタガス中の酸素の体積%を略1〜10%とするこ
とにより、検知膜6の抵抗率を、略3Ωmから略1Ωm
に低下させることができる。このように、検知膜6の抵
抗率を低くすることにより、検知膜6の膜厚を薄くし
て、赤外線検知部の熱容量を小さくできる。また、図3
には図示していないが、酸素の体積%が3%以上で、検
知膜6の抵抗値は殆ど変化せず、略一定となった。一
方、このようにスパッタガス中の酸素量を変化させて
も、検知膜6のTCRは劣化せず、良好なボロメータ特
性が得られることも分かった。
【0030】また、図4は、GBCO膜の化学量論的組
成を変化させた場合の、TCRの値を示す。横軸、縦軸
は、ガドリニウムの化学量論比を1とした場合の、バリ
ウム、銅の化学量論的組成である。図4中、○はTCR
が3%/K以上、▽は2.5%/K以上で3%/K未
満、×は、2.5%/K未満である。図4に示すよう
に、ガドリニウム、バリウム、銅の化学量論的組成比
は、好適には、おおよそ1:0.5〜4:1〜6であ
り、更に好適には、おおよそ1:2:3である。
【0031】電極5の上に堆積されたボロメータ膜は、
エッチング加工されて、電極5を覆う所定形状の検知膜
6に加工される。ここで、GBCOからなるボロメータ
膜のエッチング加工に関しては、化学反応を積極的に用
いたドライエッチング法が確立できていないため、物理
的なドライエッチング法が用いられる。かかる物理的な
ドライエッチング工程では、ボロメータ膜の下地に導電
性の金属、又は金属酸化膜が存在するとボロメータ特性
が劣化する。これは、物理的エッチングで、導電性材料
がボロメータ膜の側壁に付着するためと考えられてい
る。このため、ボロメータ膜を加工して形成される検知
膜6より、電極5のパターンを小さく形成してしておく
ことが重要である。配線層3の上に設けた保護膜4も、
配線層3への導電性材料の付着を防止するために設けら
れている。更に、全面を覆うように、再度、酸化シリコ
ン等からなる保護膜4を形成する。
【0032】次に、図2(d)に示すように、保護膜4
をエッチングし、開口部7を形成する。続いて、例えば
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、犠牲層
8を除去する。以上の工程で、図1に示す赤外線センサ
100が完成する。
【0033】以上の工程で作製した赤外線センサ100
の抵抗値を測定した結果、100kΩの測定値が得ら
れ、設計どおりの赤外線センサ100が得られることが
わかる。また、赤外線センサ100の温度の上昇に伴っ
て、抵抗値は単調に減少し、またTCRは3.5%と高
い値を示した。雑音特性については、高周波領域で一定
の値となる熱雑音と考えられる成分と、低周波領域で増
大する1/f揺らぎ雑音と考えられる成分とが観測され
た。
【0034】1/f雑音は、例えば100Hzにおいて
110nV/√Hzとなり、YBCOを検知膜6に使用
した場合の8割程度に低減できた。また、赤外線センサ
100としての性能を示す、雑音等価温度差の指標でみ
たところ、酸化バナジュウムを検知膜に用いた赤外線セ
ンサに比較して、雑音等価温度差が約0.5倍となり、
優れた特性が得られた。かかる値は、YBCOを検知膜
に用いた赤外線センサに比較しても優れた値である。
【0035】ここで、赤外線センサ100は、ボロメー
タ素子として、高感度かつ低雑音であることが必要であ
るが、一方で、赤外光に対する応答性も重要である。断
熱特性等の感度に寄与する要素を一定とした場合、赤外
光に対する応答性を向上させるには、赤外線検知部の熱
容量を小さくする必要がある。赤外線センサ100で
は、検知膜6をアモルファス状態のGBCOから作製す
るため、多結晶材料を検知膜に用いる場合のように、検
知膜6の下地に、検知膜6の結晶性を向上させるための
バッファ層を形成する必要がない。従って、本実施の形
態にかかる赤外線センサ100では、赤外線検知部の熱
容量を小さくでき、赤外光に対する応答性を向上させる
ことができる。
【0036】また、赤外線センサ100では、検知膜6
が、保護膜4(支持膜を兼ねる)で覆われているため、
大気中で長期間、保管しても特性劣化が見られない。比
較として、保護膜4を形成しない赤外線センサを作製
し、大気中で保管したところ、検知膜6のボロメータ特
性が、経時的に劣化した。
【0037】実施の形態2.図5は、全体が200で表
される、本実施の形態2にかかる赤外線センサであり、
図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)のV−V
方向の断面図である。なお、図5(a)では、理解を容
易にするために、配線層3、電極15上の検知膜6、保
護膜4は記載していない。なお、図1と同一符号は、同
一又は相当箇所を示す。
【0038】赤外線センサ200は、いわゆるサンドイ
ッチ構造の電極構造を有する。電極構造以外は、上述の
赤外線センサ100と同じ構造及び材料からなる。電極
構造は、図5(a)に示すような、2つの矩形形状の下
層電極15が形成され、その上に、検知膜6、1つの上
部電極25が積層されている。かかる電極構造では、電
流は、下部電極15の一方から、検知膜6を通過して上
部電極25に流れ、更に、上部電極25から検知膜6を
通って他方の下部電極15に流れる。下部電極15、上
部電極25ともに、白金、イリジウム、ルテニウム又は
それらの酸化物から形成される。
【0039】次に、図6を参照しながら、赤外線センサ
200の製造工程について説明する。図中、図2と同一
符号は、同一又は相当箇所を示す。かかる製造工程で
は、まず、図6(a)に示すように、赤外線センサ10
0と同じ工程で、基板1上に、絶縁膜2、犠牲層8、保
護膜4を堆積させ、更に、保護膜4上に配線層3を形成
する。
【0040】次に、図6(b)に示すように、矩形の下
部電極15を2つ形成する。下部電極は、例えば白金か
ら形成される。
【0041】次に、図6(c)に示すように、下部電極
15を覆う、GBCOからなる検知膜6を、スパッタ法
およびドライエッチング法を用いて形成する。実施の形
態1と同様に、検知膜6は、下部電極15より外方に広
がるように形成することが好ましい。続いて、検知膜6
上に、例えば白金からなる上部電極25を形成する。更
に、保護膜4で全面を覆う。
【0042】検知膜6の抵抗値は、配線層3の配線抵抗
が無視できるほど高い方が、有効TCR(検知膜6と配
線層3とコンタクト抵抗とからなる直列抵抗を一体とし
たTCR)が高くなる。一方、検知膜6からの読み出し
時の、電気的な時定数を低減するには、検知膜6の抵抗
値は、ある程度小さいことが望ましい。一般的に画素抵
抗としては、10kΩから数MΩとすることが望ましい
ため、本実施の形態にかかるサンドイッチ型の電極で
は、1Ωm程度の高抵抗率の検知膜を用いることが好ま
しい。
【0043】次に、図6(d)に示すように、保護膜4
をエッチングし、開口部7を形成する。続いて、例えば
フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、犠牲層
8を除去することにより、図5に示す赤外線センサ20
0が完成する。
【0044】実施の形態1、2の赤外線センサ100、
200において、Gd:Ba:Cuの組成比は、好適に
は1:2:3近傍である。しかしながら、組成比が多少
変動しても、TCR値が大きく低下することはなく、T
CRが2.5%/K以上の膜が得られる。なお、赤外線
センサ100、200は、一般的な赤外線センサに用い
られる赤外線吸収膜を含まない構造となっているが、赤
外線吸収膜を設けても構わない。また、保護膜4に酸化
シリコンを用いる場合について述べたが、窒化シリコン
を用いても構わない。特に、検知膜6の上部に設けられ
る保護膜4は、誘電体材料であれば、他の材料を用いて
もかまわない。また、断熱構造、特に、断熱脚10の構
造には、例えば、図7に示す従来構造のような、他の構
造を用いてもかまわない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる赤外線センサでは、検知膜にアモルファス状態
のGBCOを用いることにより、高いTCRと低い雑音
とを備えた赤外線センサを得ることができる。
【0046】また、電極材料に白金、イリジウム、ルテ
ニウム又はそれぞれの酸化物を用いることにより、電極
と検知膜とのコンタクト抵抗を抑え、雑音を低減でき
る。
【0047】また、本発明にかかる製造方法では、GB
COからなる検知膜を、酸素を含むスパッタガスを用い
たスパッタ法で作製するため、低抵抗の検知膜の作製が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1にかかる赤外線センサであ
る。
【図2】 本実施の形態1にかかる赤外線センサの製造
工程である。
【図3】 スパッタガス中の酸素の体積%と抵抗率との
関係である。
【図4】 GBCOからなる検知膜の化学量論的組成比
とTCRとの関係である。
【図5】 本実施の形態2にかかる赤外線センサであ
る。
【図6】 本実施の形態2にかかる赤外線センサの製造
工程である。
【図7】 従来の赤外線センサである。
【符号の説明】
1 基板、2 絶縁膜、3 配線層、4 保護膜、5
電極、6 検知膜、7開口部、10 断熱脚、20 赤
外線検知部、100 赤外線センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根 孝典 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AB02 BA12 BA14 BC07 DA20 2G066 BA09 BA55 BC30 4M118 AA08 AA10 BA05 BA30 CA14 CA19 CB14 EA01 GA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号処理部を有する基板上に、赤外線検
    知部が断熱脚で支持された赤外線センサであって、 基板と、 該基板上に固定された断熱脚と、 該断熱脚に設けられた配線層と、 該断熱脚で支えられた赤外線検知部であって、該配線層
    に接続された電極と、検知膜とを含む赤外線検知部とを
    含み、 該検知膜が、ガドリニウム、バリウム、および銅を主成
    分とする酸化物のボロメータ材料からなり、ガドリニウ
    ム、バリウム、銅の化学量論的組成比が、おおよそ1:
    0.5〜4:1〜6であることを特徴とする赤外線セン
    サ。
  2. 【請求項2】 上記検知膜が、ガドリニウム、バリウ
    ム、銅の化学量論的組成比がおおよそ1:2:3である
    ボロメータ材料からなることを特徴とする請求項1に記
    載の赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 上記検知膜が、アモルファス状態のボロ
    メータ材料からなることを特徴とする請求項1に記載の
    赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 上記検知膜の抵抗率が、23℃におい
    て、略0.01〜10Ωmであることを特徴とする請求
    項1に記載の赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 上記検知膜の温度変化率が、23℃にお
    いて、略2.5%/K以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の赤外線センサ。
  6. 【請求項6】 上記検知膜の膜厚が、略10nm〜略1
    μmであることを特徴とする請求項1に記載の赤外線セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 上記電極の上記検知膜と接する部分が、
    白金、イリジウム、ルテニウム、及びそれぞれの酸化物
    のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の
    赤外線センサ。
  8. 【請求項8】 上記電極が、櫛型形状であることを特徴
    とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  9. 【請求項9】 上記電極が、上記検知膜を挟んで対向配
    置されたことを特徴とする請求項1に記載の赤外線セン
    サ。
  10. 【請求項10】 更に、上記赤外線検知部の表面を覆う
    保護膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の赤外線
    センサ。
  11. 【請求項11】 信号処理部を形成した基板上に、断熱
    脚で支持された赤外線検知部を形成する赤外線センサの
    製造方法であって、 基板を準備する工程と、 該基板上に犠牲層を形成する工程と、 該犠牲層上に、配線層を含む断熱脚を形成する工程と、 該配線層に接続された電極を形成する工程と、 該電極上に、ガドリニウム、バリウム、および銅を主成
    分とする酸化物のボロメータ材料からなる検知膜をスパ
    ッタ法で堆積するスパッタ工程と、 該犠牲層を除去して、該断熱脚と、該断熱脚に支えられ
    該電極と該検知膜とを含む赤外線検知部とを形成する工
    程とを含むことを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記スパッタ工程が、ガドリニウム、
    バリウム、銅の化学量論的組成比が、おおよそ1:0.
    5〜4:1〜6であるスパッタターゲットを用いる工程
    であることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記スパッタ工程が、略1〜10体積
    %の酸素を含むアルゴンガスをスパッタガスに用いる工
    程であることを特徴とする請求項11に記載の製造方
    法。
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