JP2003107311A - 光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法

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JP2003107311A
JP2003107311A JP2001298317A JP2001298317A JP2003107311A JP 2003107311 A JP2003107311 A JP 2003107311A JP 2001298317 A JP2001298317 A JP 2001298317A JP 2001298317 A JP2001298317 A JP 2001298317A JP 2003107311 A JP2003107311 A JP 2003107311A
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exposure
leaf spring
holding
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JP2001298317A
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Yuichi Shibazaki
祐一 柴崎
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
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  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光学素子を高精度に駆動でき、光学素子への微
小振動の伝達を効率よく抑制可能な光学素子保持装置及
び鏡筒、スループット及び露光精度の高い露光装置、微
細なデバイスを歩留まりよく製造可能なデバイスの製造
方法を提供する。 【解決手段】光学素子保持装置のインナリング部44a
に板バネ88の一端を固定する。その板バネ88の他端
を、前記光学素子保持装置のアウタリング部44bに固
定されるベースリング45に対して、同じくアウタリン
グ部44bに固定されるバネ受け68内に装着されたコ
イルバネ98の付勢力により前記ベースリング45側に
付勢させた状態で摺接させる。この摺接により、前記板
バネ88と前記ベースリング45との間に、可動レンズ
を移動させるべくアクチュエータからインナリング部4
4aに伝達される駆動力を阻害しない程度の摩擦力を発
生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバ
イス、あるいはレチクル、フォトマスク等のマスクなど
の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程で使用
される露光装置において、投影光学系等の光学素子を保
持するための光学素子保持装置に関するものである。ま
た、その光学素子保持装置を用いて光学素子を保持して
なる鏡筒、及びその鏡筒を備えた露光装置に関するもの
である。さらに、この露光装置を用いて製造するデバイ
スの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の露光装置においては、マスクと
してのレチクル上のパターンが照明光学系により照明さ
れる。そして、そのパターンの像が投影光学系を介し
て、フォトレジスト等の感光材料を塗布してなる基板と
してのウエハまたはガラスプレート等に区画された各露
光領域に転写されるようになっている。
【0003】ところで、近年における半導体素子等の著
しい高度集積化に伴って、パターンがますます微細化し
てきている。このため、前記のような露光装置では、波
面収差やディストーションの極めて少ない投影光学系が
要求されるようになってきている。
【0004】このような要求に対応するため、例えば図
18に示すように、投影光学系を構成する鏡筒201内
には、レンズ202等の光学素子を光軸方向に移動させ
るとともに、その光学素子をチルト可能に保持するため
の光学素子保持装置203を備える。そして、駆動機構
により光学素子を移動して精密に位置決めするようにし
た構成が提案されている。
【0005】すなわち、この図18に示す従来構成にお
いては、鏡筒201内に収容される複数のレンズ202
のうちで、レチクルRの近傍に位置するレンズ202a
が光学素子保持装置203を介して、光軸方向に移動可
能に、またはチルト可能に保持されている。また、複数
のレンズ202のうちで、鏡筒201の中間部及びウエ
ハWの近傍に位置する他のレンズ202bは、鏡筒20
1の鏡筒本体201a内に収容され、かつレンズ202
aに対して固定されている。
【0006】前記光学素子保持装置203においては、
鏡筒本体201a上にサブ鏡筒201bが3つの板バネ
204を介して光軸方向へ移動可能に連結されている。
これら板バネ204の一端は、ボルトにより鏡筒本体2
01aに固定され、他端は、ボルトによりサブ鏡筒20
1bに固定される。そして、このサブ鏡筒201b内に
前記レンズ202aが保持されている。鏡筒本体201
aの側部には、圧電素子等よりなる素子駆動機構として
の複数のアクチュエータ205が光軸方向と平行な方向
へ延びるように配設されている。これらのアクチュエー
タ205により、サブ鏡筒201bを介してレンズ20
2aが光軸方向へ移動されるようになっている。各アク
チュエータ205の外側近傍に位置するように、鏡筒本
体201a上には複数のセンサ206が配設され、これ
らのセンサ206により、サブ鏡筒201bの位置及び
姿勢が検出されるようになっている。
【0007】このような構成の鏡筒201では、製造段
階においてアクチュエータ205によりレンズ202a
を収容したサブ鏡筒201bを光軸方向へ容易に移動す
ることができて、投影光学系を効率よく製造することが
可能となる。また、投影光学系を露光装置に搭載した後
の実稼動時においても、大気圧変化及び照射熱等により
発生する諸収差やディストーションの変化等を、露光中
にリアルタイムで容易に補正することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記露光装
置内には、自身の動作により振動を発生する様々な加振
源が存在する。このような加振源としては、例えばウエ
ハWに区画された各露光領域を前記投影光学系の露光視
野内に配置すべくウエハWを移動させるウエハステージ
などがある。このような加振源からの振動は、その大部
分が前記ウエハステージを保持する基台と、前記投影光
学系を保持する架台との間に介装される除振装置によ
り、吸収また減衰されるにようになっている。
【0009】しかしながら、このような除振装置を用い
たとしても、前記振動が完全に除去されず、微小振動が
投影光学系に伝達されてしまうことがある。特に、近年
の著しいパターンの微細化の流れの中で、このような微
小振動の存在が無視できなくなりつつある。
【0010】ところが、前記従来構成においては、鏡筒
201内に収容される複数のレンズ202を保持するサ
ブ鏡筒201bが、鏡筒本体201aに対して前記板バ
ネ204及び前記アクチュエータ205を介して保持さ
れている。ここで、前記板バネ204のみならず、前記
アクチュエータ205も所定の弾性力を有しており、前
記サブ鏡筒201bの前記鏡筒本体201aに対する支
持剛性が不足がちになるおそれがある。特に、近年のス
キャン型露光装置では、レチクルステージ及びウエハス
テージにおける駆動の高速度化が進み、投影光学系の鏡
筒に加わる加速度も増加している。このような状況下で
は、サブ鏡筒201bを支持する剛性力を高く保つこと
は必須の要件とされている。
【0011】このように、前記サブ鏡筒201bの前記
鏡筒本体201aに対する支持剛性が不足がちになる
と、投影光学系の鏡筒本体201aに伝達された微小振
動が前記板バネ204を介してサブ鏡筒201bに伝達
される。そして、この微小振動は、さらに、サブ鏡筒2
01b内に光学素子保持装置203により保持される前
記レンズ202aに伝達されることになる。
【0012】このような微小振動は露光精度の低下を招
くおそれがあるため、高い露光精度を確保しようとすれ
ば、その微小振動が所定のレベル以下に減衰されるまで
露光動作の開始を遅らせる必要が生じる得る。このた
め、露光装置のスループットの低下を招くおそれがあ
る。
【0013】これに対して、サブ鏡筒201bを支持し
ているアクチュエータ205の剛性を高めれば、前記サ
ブ鏡筒201bの鏡筒本体201aに対する支持剛性を
高めることができる。しかしながら、アクチュエータの
剛性は用いられる部材の物性や収納スペースの都合上、
大きく向上させることは困難である。
【0014】本発明は、前記のような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
しては、光学素子を高精度に駆動することができるとと
もに、その光学素子への微小振動の伝達を効率よく抑制
可能な光学素子保持装置を提供することにある。
【0015】本発明のその他の目的は、内部の光学素子
を高精度にかつ効率よく駆動調整することができる鏡筒
を提供することにある。本発明のさらにその他の目的
は、投影光学系の光学素子の収差を高精度かつ迅速に調
整することができて、高いスループットを維持しつつパ
ターンの像を基板上に正確に転写することができる露光
装置を提供することにある。
【0016】本発明のさらにその他の目的は、微細なパ
ターンを有するデバイスであっても、高い生産性を維持
しつつ、パターンの像を基板上に正確に転写して製造す
ることのできるデバイスの製造方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の発明は、光学素子の周縁部を
保持する保持部と、前記保持部に連結される連結部と、
前記連結部に対して前記保持部を移動させることによ
り、前記光学素子を移動させる素子駆動機構と、前記連
結部を介して前記保持部に伝達される外部環境の振動を
吸収する振動吸収機構とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0018】この本願請求項1に記載の発明では、振動
吸収機構により外部環境から保持部に伝達される振動が
吸収されるため、光学素子への振動伝達が効率よく抑制
される。そして、素子駆動機構により、光学素子を高精
度に移動させることが可能となる。
【0019】また、本願請求項2に記載の発明は、前記
請求項1に記載の発明において、前記振動吸収機構は、
前記素子駆動機構が前記光学素子を移動させるべく所定
の駆動力を前記保持部に与えた時、前記保持部と前記連
結部との相対移動を許容する摩擦力を備えることを特徴
とするものである。
【0020】この本願請求項2に記載の発明では、前記
請求項1に記載の発明の作用に加えて、外部環境からの
振動は保持部と連結部との間に働く摩擦力により保持部
側への伝達が抑制される。この一方で、この摩擦力は、
素子駆動機構から所定の駆動力が与えられると、保持部
と連結部との相対移動を許容する程度のものとなってい
る。このため、素子駆動機構からの駆動力は、大きな抵
抗を受けることなく光学素子に伝達される。
【0021】また、本願請求項3に記載の発明は、前記
請求項1または請求項2に記載の発明において、前記振
動吸収機構は、前記保持部と前記連結部とが互いに接触
した状態で摺動する摺動機構を備えることを特徴とする
ものである。
【0022】この本願請求項3に記載の発明では、前記
請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、
保持部と連結部との間に所定の摩擦力を確保しつつ、保
持部と連結部とを相対移動させることが可能となる。
【0023】また、本願請求項4に記載の発明は、前記
請求項3に記載の発明において、前記摺動機構は、前記
光学素子の光軸方向には剛性を有するとともに、前記光
学素子の光軸と交差する方向には可撓性を有するもので
あることを特徴とするものである。
【0024】この本願請求項4に記載の発明では、前記
請求項3に記載の発明の作用に加えて、摺動機構が光学
素子の光軸方向には剛性を有するため、外部環境からの
振動伝達がより確実に抑制される。また、この摺動機構
の剛性を利用して、素子駆動機構からの駆動力を保持部
に効率よく伝達することが可能となる。また、摺動機構
は、光学素子の光軸と交差する方向には可撓性を有して
いるため、保持部と連結部との製造公差が吸収され、光
学素子の安定した保持が可能となる。
【0025】また、本願請求項5に記載の発明は、前記
請求項3または請求項4に記載の発明において、前記摺
動機構は、前記光学素子の光軸方向に長手方向を有する
板バネからなり、該板バネの一端部が前記保持部または
前記連結部の一方に固定されるとともに、その他端部が
少なくとも前記保持部または前記連結部の他方に摺接す
ることを特徴とするものである。
【0026】この本願請求項5に記載の発明では、前記
請求項3または請求項4に記載の発明の作用に加えて、
簡単な構成で、保持部と連結部との間に所定の摩擦力を
発生させることが可能となる。
【0027】また、本願請求項6に記載の発明は、前記
請求項5に記載の発明において、前記摺動機構は、前記
板バネを前記保持部または前記連結部の他方に対して付
勢する付勢機構を有することを特徴とするものである。
【0028】この本願請求項6に記載の発明では、前記
請求項5に記載の発明の作用に加えて、板バネと保持部
または連結部とがより確実に摺接され、板バネと保持部
または連結部との間により確実に所定の摩擦力を発生さ
せることが可能となる。
【0029】また、本願請求項7に記載の発明は、前記
請求項6に記載の発明において、前記付勢機構は、付勢
力を調整する調整機構を有することを特徴とするもので
ある。
【0030】この本願請求項7に記載の発明では、前記
請求項6に記載の発明の作用に加えて、保持部と連結部
との間の摩擦力を調整することで、板バネにおける振動
吸収能力と素子駆動機構からの駆動力の伝達能力とのバ
ランスをより好適に調整することが可能となる。
【0031】また、本願請求項8に記載の発明は、内部
に少なくとも1つの光学素子を保持する鏡筒において、
前記光学素子の少なくとも1つを、請求項1〜請求項7
のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して
保持したことを特徴とするものである。
【0032】この本願請求項8に記載の発明では、内部
に光学素子を保持する鏡筒において、請求項1〜請求項
7のうちいずれか一項に記載の発明の作用が好適に発揮
される。
【0033】また、本願請求項9に記載の発明は、前記
請求項8に記載の発明において、前記少なくとも1つの
光学素子は、マスク上に形成されたパターンの像を基板
上に転写する投影光学系の一部であることを特徴とする
ものである。
【0034】この本願請求項9に記載の発明では、前記
請求項8に記載の発明の作用に加えて、パターンの像を
より正確に基板上に転写される。また、本願請求項10
に記載の発明は、露光光のもとで、マスク上に形成され
たパターンの像を基板上に露光する露光装置において、
前記露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学
素子を、請求項8または請求項9に記載の鏡筒内に収容
したことを特徴とするものである。
【0035】この本願請求項10に記載の発明では、投
影光学系の収差を高精度かつ迅速に補正することができ
るとともに、外部環境からの振動が吸収されるため、基
板の移動後にも直ちに露光することが可能になる。この
ため、高いスループットを維持しつつ、パターンの像を
より正確に基板上に転写することが可能になる。
【0036】また、本願請求項11に記載の発明は、前
記請求項10に記載の発明において前記振動吸収機構の
一部をなし、一端が前記保持部と前記連結部との一方に
固定され、他端が前記保持部と前記連結部との他方に摺
動する板バネと、その板バネを前記保持部と前記連結部
との他方に対して付勢する付勢機構とを備え、その付勢
機構は、前記パターンの像を前記基板上に露光する露光
シーケンスに連動して前記保持部または前記連結部の他
方に対する付勢力を調整することを特徴とするものであ
る。
【0037】この本願請求項11に記載の発明では、前
記請求項10に記載の発明の作用に加えて、露光シーケ
ンスに連動して付勢力を調整することで、露光時に光学
素子に振動が伝達されるのをより確実に抑制することが
可能となる。
【0038】また、本願請求項12に記載の発明は、前
記請求項11に記載の発明において、前記付勢機構は、
前記露光シーケンスとして、前記基板上に区画された所
定の露光領域が露光される露光時に前記保持部または前
記連結部の他方に対して所定の付勢力を付与するととも
に、前記露光シーケンスとして、1つの前記露光領域か
ら他の前記露光領域に移行する移行時には前記付勢力を
解除するまたは前記付勢力を徐々に小さくなるように付
与することを特徴とするものである。
【0039】この本願請求項12に記載の発明では、前
記請求項11に記載の発明の作用に加えて、露光時に
は、付勢機構の付勢により板バネと保持部または連結部
との間に所定の摩擦力がより確実に発生される。この一
方で、基板の他の露光領域への移行時には、前記付勢機
構による付勢をゆるめて、前記摩擦力を小さくする。こ
の移行時に、光学素子を移動させることにより、光学素
子の移動の応答性をさらに高めることが可能になる。
【0040】また、本願請求項13に記載の発明は、前
記請求項12に記載の発明において、前記付勢機構は、
前記移行時に、前記保持部または前記連結部の他方に対
して、前記付勢力を徐々にまたは段階的に増大させ、少
なくとも前記他の露光領域への移行が終了する直前には
前記所定の付勢力を付与するように調整することを特徴
とするものである。
【0041】この本願請求項13に記載の発明では、前
記請求項12に記載の発明の作用に加えて、基板の他の
露光領域への移行時に、保持部または連結部に対する付
勢力を小さくして光学素子を移動させる。これにより、
素子駆動機構からの駆動力に対する抵抗が小さくなっ
て、光学素子の移動の応答性をさらに高めることが可能
になる。そして、この移行時において、光学素子の位置
調整が終了すると直ちに付勢機構による板バネに対する
付勢を高めると、板バネと保持部または連結部との間に
所定に摩擦力が発生し、基板の移動に伴う振動が迅速に
吸収される。
【0042】また、本願請求項14に記載の発明は、前
記請求項11〜請求項13のうちいずれか一項に記載の
発明において、前記マスク及び前記基板の少なくとも一
方を駆動する駆動機構を有し、前記付勢機構は、前記マ
スク及び基板の駆動状態に応じて前記保持部または前記
連結部の他方に対する付勢力を調整することを特徴とす
るものである。
【0043】この本願請求項14に記載の発明では、前
記請求項11〜請求項13のうちいずれか一項に記載の
発明の作用に加えて、マスクまたは基板の駆動に伴って
発生する振動が吸収され、より正確な露光が実現され
る。
【0044】また、本願請求項15に記載の発明は、リ
ソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前
記リソグラフィ工程で、請求項10〜請求項13のうち
いずれか一項に記載の露光装置を用いて露光することを
特徴とするものである。
【0045】この本願請求項15に記載の発明では、露
光精度を向上することができて、高集積度のデバイスを
歩留まりよく生産することが可能となる。次に、前記各
請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想につい
て、それらの作用とともに以下に記載する。
【0046】(1) 前記板バネは、その表面が前記保
持部と前記連結部との一方と摺接するとともに、前記光
学素子の光軸方向に撓みのほとんどない状態またはわず
かに撓んだ状態で取着されていることを特徴とする請求
項5に記載の光学素子保持装置。
【0047】従って、この(1)に記載の発明によれ
ば、板バネにおける光学素子の光軸方向における剛性が
確保され、連結部に対する保持部の支持剛性を高く維持
することができるという効果が得られる。
【0048】(2) 前記付勢機構は、弾性体と、その
弾性体の撓み量を調整する撓み量調整機構とを有するこ
とを特徴とする請求項6に記載の光学素子保持装置。従
って、この(2)に記載の発明によれば、撓み量調整機
構により弾性体の撓み量を調整することで、保持部と連
結部との間に所定の摩擦力をより確実に発生させること
ができるという効果が得られる。
【0049】(3) 前記付勢機構は、永久磁石からな
ることを特徴とする請求項6に記載の光学素子保持装
置。従って、この(3)に記載の発明によれば、板バネ
に対して永久磁石を磁着させるといった極めて簡素な構
成でもって、所定の摩擦力を発生させることができると
いう効果が得られる。
【0050】(4) 前記付勢機構は、電磁石と、その
電磁石で励磁される磁力を制御する磁力制御機構とを有
することを特徴とする請求項6に記載の光学素子保持装
置。従って、この(4)に記載の発明によれば、磁力制
御機構により電磁石で励磁される磁力を制御すること
で、板バネと保持部または連結部との間の摩擦力を調整
可能に発生させることができる。しかも、その摩擦力の
制御を電気的に行うことができて、その制御を容易に行
うことができるという効果が得られる。
【0051】(5) 前記付勢機構は、前記電磁石を冷
却する冷却機構をさらに有することを特徴とする前記
(4)に記載の光学素子保持装置。従って、この(5)
に記載の発明によれば、電磁石における発熱が光学素子
に及ぼす影響を排除することができる。このため、板バ
ネと保持部または連結部との間の摩擦力の容易な制御を
確保しつつ、光学素子の位置決めを厳密に行うことがで
きるという効果が得られる。
【0052】(6) 前記磁力制御装置は、前記外部環
境から前記連結部に伝達される振動に応じて前記電磁石
で励磁される磁力を調整することを特徴とする前記
(4)または(5)に記載の光学素子保持装置。
【0053】従って、この(6)に記載の発明によれ
ば、外部環境からの振動を吸収するために、板バネと保
持部または連結部との間の摩擦力を必要最低限に設定す
ることができて、素子駆動機構による光学素子の移動の
応答性をさらに高めることができるという効果が得られ
る。
【0054】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、本発明
の第1実施形態について図1〜図9に基づいて説明す
る。
【0055】図1は、本実施形態の露光装置31の概略
構成を示すものである。図1に示すように、この実施形
態の露光装置31は、光源32と、照明光学系33と、
マスクとしてのレチクルRを保持し、外部環境及び駆動
装置をなすレチクルステージ34と、投影光学系35
と、基板としてのウエハWを保持し、外部環境及び駆動
装置をなすウエハステージ36とより構成されている。
【0056】前記光源32は、高圧水銀灯、KrFエキ
シマレーザ光源、ArFエキシマレーザ光源、F2レー
ザ光源、金属蒸気レーザまたはYAGレーザ等の高調波
を発振する光源等のいずれかからなっている。照明光学
系33は、図示しないリレーレンズ、フライアイレン
ズ、コンデンサレンズ等の各種レンズ系や、開口絞り及
び前記レチクルRのパターン面と共役な位置に配置され
たブラインド等を含んで構成されている。そして、光源
32から入射される露光光ELが、この照明光学系33
を通過することにより、レチクルR上のパターンを均一
に照明するように調整される。
【0057】前記レチクルステージ34は、照明光学系
33の下方において、そのレチクル載置面が投影光学系
35の光軸方向と直交するように配置されている。投影
光学系35は、鏡筒37内に複数の光学素子としてのレ
ンズ38を収容して構成されている。ウエハステージ3
6は、投影光学系35の下方において、そのウエハ載置
面が投影光学系35の光軸方向と交差するように配置さ
れている。そして、露光光ELが投影光学系35を通過
する際に、レチクルR上のパターンの像が所定の縮小倍
率にて縮小された状態で、ウエハステージ36上のウエ
ハWに転写されるようになっている。
【0058】次に、前記投影光学系35の鏡筒37の構
成について詳細に説明する。図1に示すように、前記鏡
筒37は露光装置のフレーム41上に載置され、鏡筒の
一部を構成する複数の部分群鏡筒42を光軸方向に積層
して構成されている。そして、中間部に位置する部分群
鏡筒42及びそれよりも上方に位置する所定数の部分群
鏡筒42は、光学素子保持装置43と、その光学素子保
持装置43により光軸方向に移動可能で、かつチルト可
能に保持されたレンズ38aとを備える。以下、光軸方
向に移動可能で、かつチルト可能なレンズを可動レンズ
と称する。
【0059】図2は、投影光学系35の鏡筒37の一部
を構成する部分群鏡筒42を、一部を切り欠いて示した
図である。図3は、その部分群鏡筒42の平面図であ
る。また、図4は、その部分群鏡筒42の断面図であ
る。
【0060】図2〜図4に示すように、前記可動レンズ
38aを備える部分群鏡筒42の鏡筒本体44は、保持
部として機能するインナリング部44aと、インナリン
グ部44aが連結される連結部として機能するアウタリ
ング部44bとを有する。アウタリング部44bは、後
述するように、露光光ELの光軸方向に沿って配置され
る他の部分群鏡筒42に対する取付面48を備えている
ため、他の部分群鏡筒42に対する連結部として機能す
る。言い換えれば、アウタリング部44bは、他の部分
群鏡筒42、または露光装置本体への連結機能を有す
る。
【0061】このアウタリング部44bとインナリング
部44aとは、一体に形成されている。もしくは、アウ
タリング部44bとインナリング部44aとは、同一部
材で形成されている。アウタリング部44bは円筒状に
形成され、その下端にはベースリング45が固定されて
いる。インナリング部44aはその外径がアウタリング
部44bの内径よりも僅かに小さくなるように円筒状に
形成され、ベースリング45の内側において光軸方向へ
移動可能及びチルト可能に配置されている。
【0062】なお、鏡筒37を露光装置31のフレーム
41上に載置する場合は、3点で、いわゆる「キネマテ
ィックに」支持されている。すなわち、鏡筒37のフラ
ンジ部37a(図1参照)の下面と、フレーム41の上
面との間には、キネマティックカップリング機構が設置
される。このキネマティックカップリング機構は、フラ
ンジ部37aとフレーム41との一方に取付けられ、V
溝が形成された第1の係合部材と、フランジ部37aと
フレーム41との他方に取付けられ、上記第1の係合部
材に係合する凸部(例えば、ボール)を有する第2の係
合部材とを備える。
【0063】さらに、フランジ部37aとフレーム41
との間には、鏡筒37の荷重をキャンセルするための荷
重キャンセル機構(例えば、弾性部材としてのバネを利
用したバネ機構)が取付けられている。また、荷重キャ
ンセル機構の代わりに、エアパッド(ワッシャパッド)
を用いてもよい。
【0064】このように、フランジ部37aとフレーム
41との間に、荷重キャンセル機構やエアパッドを設置
することによって、鏡筒37をフランジ部37a上に載
置するときに発生する応カの均一化を図ることができ、
鏡筒37に対して不均一な応力がかからないようにする
ことができる。
【0065】前記インナリング部44aには、光軸方向
にインナリング部44aを介して移動される光学素子と
しての可動レンズ38aが第1レンズセル46を介して
取り付けられている。可動レンズ38aは、第1レンズ
セル46に対してその周縁部が、例えば第1レンズセル
46の内周面上に複数突設された受け座(図示略)に載
置された状態で、レンズ押さえ部材等により固定されて
いる。詳しくは、可動レンズ38aの周縁部は、互いに
平行な面を有するフランジが形成されている。このフラ
ンジの下面は、第1レンズセル46の内方に突出する複
数の受け座(図示略)に載置され、フランジの上面に
は、受け座とともにフランジを挟むためのレンズ押さえ
部材が取付けられる。
【0066】可動レンズ38aの上方には、互いの光軸
が一致または光学特性が最適化されるように、アウタリ
ング部44bに常に静止状態に保たれる光学素子として
のレンズ38bが第2レンズセル47を介して取り付け
られている。このレンズ38bは、鏡筒本体44に常に
静止している状態で取り付けられるため、以下、このレ
ンズ38bを静止レンズと称する。第1レンズセル46
により保持された可動レンズ38a及び第2レンズセル
47により保持された静止レンズ38bの間に、レンズ
室が区画される。
【0067】前述したように、鏡筒37は、光軸方向に
積層された複数の部分群鏡筒42により形成されてい
る。ウエハステージ36側及びレチクルステージ34側
における各部分群鏡筒42は、アウタリング部44bに
おける一方の端面に取付面48を一つ備える。その間に
配置される各部分群鏡筒42は、アウタリング部44b
における両方の端面に取付面48を備える。詳述する
と、前記アウタリング部44bの上端面及びベースリン
グ45の下端面には、平面状の取付面48がそれぞれ形
成されている。そして、複数の部分群鏡筒42間におい
て、上下の取付面48が互いに接触して重合されること
によって、複数の部分群鏡筒42の鏡筒本体44がイン
ナリング部44aに荷重をかけることなく、光軸方向へ
安定状態で積層配置されるようになっている。なお、複
数の部分群鏡筒42の間、すなわち、各部分群鏡筒42
の取付面48の間には、部分群鏡筒42間の間隔を調整
するための間隔調整部材を配置してもよい。
【0068】この間隔調整部材は、アウタリング部44
bの径と略同径を有するリング状のワッシャ、または取
付面48の径方向の長さより小さい径を有するワッシャ
で形成される。なお、後者のワッシャは、アウタリング
部44bの取付面48内に、等間隔おきに複数個配置さ
れる。このようにワッシャを用いた場合は、複数の部分
群鏡筒42を積層する際に、各部分群鏡筒42の取付面
48は直接接触することがない。
【0069】図5は部分群鏡筒42の駆動機構の周辺を
示す拡大図であり、図6はその断面図である。前記アウ
タリング部44bの周壁(側壁)には、開口部をなす3
つの切欠部49(図2参照)が等角度間隔をおいて形成
されている。図3及び図5に示すように、各切欠部49
内には、アクチュエータ50が収容されている。各アク
チュエータ50は、アクチュエータ50の長手軸がアウ
タリング部44bの接線方向に沿うように配置されてい
る。また、各アクチュエータ50は、アウタリング部4
4bの周面に露出している。各アクチュエータ50は、
好ましくは、高精度、低発熱、高剛性、高クリーン度の
特性を有する圧電素子から構成される。制御装置51
(図1参照)は、アクチュエータ50に制御信号に従う
制御電圧を印加し、アクチュエータ50の伸縮を制御す
る。このアクチュエータ50の伸縮方向は、アウタリン
グ部44bの接線方向に対して、略平行な方向である。
【0070】図2及び図5に示すように、前記各アクチ
ュエータ50の一端に対応して、そのアクチュエータ5
0と同方向へ延びるように、アウタリング部44bの周
壁には保持ボルト52が螺合されている。各アクチュエ
ータ50の他端と対応するように、アウタリング部44
bに形成された後述する変位拡大機構60の第1リンク
62a上には結合具53が固定されている。そして、各
アクチュエータ50の両端が、保持ボルト52の先端及
び結合具53に対して、円錐溝及びボールよりなる回転
ピボット機構54を介して相対回転可能に結合されてい
る。
【0071】図2、図5及び図6に示すように、前記各
アクチュエータ50に対応して、インナリング部44a
の上端面には3つの連結アーム部59が形成されてい
る。各連結アーム部59の両側縁に連結配置されるよう
に、アウタリング部44bには変位拡大機構60及び案
内機構61がそれぞれ配設されている。そして、インナ
リング部44aがアウタリング部44bに対し、3箇所
のアクチュエータ50、変位拡大機構60、案内機構6
1及び連結アーム部59を介して、光軸方向へ相対移動
可能に連結されている。
【0072】インナリング部44aは、3箇所のアクチ
ュエータ50の伸縮量がそれぞれ異なった場合に、アウ
タリング部44bに対してチルトする。また、インナリ
ング部44aは、3箇所のアクチュエータ50の伸縮量
が略等しい場合に、アウタリング部44bに対して略平
行に移動する。
【0073】前述したように、可動レンズ38aは、第
1レンズセル46を介してインナリング部44aに固定
されるために、このインナリング部44aの移動に伴っ
て、可動レンズ38aが、光軸方向への移動及びチルト
する。
【0074】前記各変位拡大機構60は、アクチュエー
タ50の伸縮量(変位)を拡大する変位拡大機構を構成
するとともに、アクチュエータ50の変位の方向を可動
レンズ38aの光軸方向への移動方向に変換する役割も
担っている。また、各変位拡大機構60は、複数のスリ
ット63と複数の貫通孔64とからなる弾性ヒンジリン
ク機構62で構成されている。
【0075】ここで、弾性ヒンジリンク機構62につい
て説明する。図5に示すように、各連結アーム部59の
紙面右側においてアウタリング部44bには、光学素子
の光軸に対して交差して延びる複数の貫通孔64と、複
数の貫通孔64に接続された複数のスリット63がワイ
ヤカット加工等により形成されている。すなわち、複数
の貫通孔64は、アウタリング部44bの軸心に向かっ
て延びるように形成されている。また、複数のスリット
63は、アウタリング部44bの外面からその内面に向
かって貫通孔64に沿って形成されている。これによ
り、近接する一対の貫通孔64間に弾性ヒンジ部65が
形成される。そして、複数のスリット63及び貫通孔6
4によって、弾性ヒンジリンク機構62の第1リンク6
2a及び第2リンク62bが区画される。
【0076】図8は、部分群鏡筒42におけるアクチュ
エータ50、変位拡大機構60及び案内機構61の動作
を模式的に示したものである。図5及び図8に示すよう
に、前記第1リンク62aは、図面において右端(アク
チュエータ50の他端部を右端とする)の弾性ヒンジ部
65aを支点P1として、アウタリング部44bの周壁
に回動可能に連結されるとともに、連結点P2をなす前
記回転ピボット機構54を介してアクチュエータ50の
右端に連結されている。また、第2リンク62bは、右
端の弾性ヒンジ部65bを連結点P3として、第1リン
ク62aの下端に連結されるとともに、左端の弾性ヒン
ジ部65c(後述するバネ受け67の内側に配置)を連
結点P4として、連結アーム部59の右側縁に連結され
ている。ここで、アクチュエータ50の一端部(図面に
おいて左端)の回転ピボット機構54は、支点P0に相
当する。
【0077】そして、アクチュエータ50が左端の回転
ピボット機構54を支点P0として回転されながら伸長
変位されたとき、第1リンク62aが支点P1を中心に
して図8の時計方向に回転されるとともに、第2リンク
62bが上方に移動されて、連結アーム部59が上方に
移動変位される。この場合、第1リンク62a及び第2
リンク62bの作動により、アクチュエータ50の変位
が拡大されるとともに、その変位方向がアクチュエータ
50の伸張方向に対して交差する方向への変位に変換さ
れて連結アーム部59に伝達される。これにより、イン
ナリング部44aに保持された可動レンズ38aが、光
軸方向へ移動されるようになっている。
【0078】一方、前記各案内機構61は、図5に示す
ように、各連結アーム部59の紙面左側に形成されてい
る。そして、各案内機構61は、アウタリング部44b
に対するインナリング部44aの相対移動を所定の方
向、すなわち可動レンズ38aの光軸とほぼ平行な方向
に案内する役割を担っている。そして、各案内機構61
は、可動レンズ38aの光学的ピボタル位置、すなわち
可動レンズ38aがチルト動作された場合に生じる像シ
フトがゼロとなる光軸上の位置とほぼ一致するように配
置されている。また、各案内機構61は、前記弾性ヒン
ジリンク機構62とほぼ同様の複数のスリット63と複
数の貫通孔64とからなる平行リンク機構66で構成さ
れる。
【0079】詳述すると、複数のスリット63と複数の
貫通孔64とは、光学系(例えば、可動レンズ38a)
の光軸に対して交差する方向に、すなわち、複数のスリ
ット63は、アウタリング部44bの軸線に向かって延
びるように形成されている。また、複数のスリット63
は、複数の貫通孔64に連続して形成されている。従っ
て、複数のスリット63は、アウタリング部44bの外
面からその内面に向かって貫通孔64に沿って形成され
ている。つまり、変位拡大機構60及び案内機構61を
構成する複数の貫通孔64及び複数のスリット63は、
アウタリング部44bのリング中心を含む中心軸(部分
群鏡筒42が光学素子を保持している場合には光軸を示
す)を含む仮想面上において、アウタリング部44bの
外面から内面、もしくは内面から外面に向かって形成さ
れている。
【0080】ここで、近接対向する一対の貫通孔64間
が弾性ヒンジ部65となっている。そして、これらのス
リット63及び貫通孔64によって、平行リンク機構6
6の一対のレバー66a,66bが形成されている。各
レバー66a,66bは、その長手方向が可動レンズ3
8aの接線に沿うように、すなわち、アウタリング部4
4bの周壁に沿って、アウタリング部44bに形成され
る。
【0081】図5及び図8に示すように、前記一対のレ
バー66a,66bは、左端の弾性ヒンジ部65d,6
5eを支点P5,P6として、アウタリング部44bの
周壁に回動可能に連結されるとともに、右端の弾性ヒン
ジ部65f,65g(いずれも、後述するバネ受け67
の内側に配置)を連結点P7,P8として、連結アーム
部59の左側縁に連結されている。そして、アクチュエ
ータ50の伸長変位に伴い、変位拡大機構60及び連結
アーム部59を介してインナリング部44aが光軸方向
に移動されるとき、一対のレバー66a,66bが支点
P5,P6を中心にして図8の反時計方向に回転され
る。これにより、可動レンズ38aを支持したインナリ
ング部44aの移動が、可動レンズ38aの径方向及び
接線方向に規制されながら、光軸方向のみに許容される
ようになっている。
【0082】図5及び図6に示すように、連結アーム部
59の外面のそれぞれにはバネ受け67が取り付けら
れ、それらのバネ受け67と対応するように、ベースリ
ング45の外周面にはバネ受け68が取り付けられてい
る。バネ受け67,68間には、復帰機構としての一対
の引張りバネ69がそれぞれ掛装されている。そして、
これらの引張りバネ69の付勢力により、前記アクチュ
エータ50の非作動状態において、可動レンズ38aを
支持するインナリング部44aが、その可動範囲の原位
置に復帰移動されるようになっている。
【0083】図2〜図4に示すように、前記アウタリン
グ部44bの外側部において、その外周方向に隣接する
アクチュエータ50の中間位置には、アウタリング部4
4bに対するインナリング部44aの位置を計測するた
めに、アウタリング部44bに切り欠いて形成された開
口部が形成されている。この開口部に、3つのセンサ7
2が等角度間隔おきに配設されている。
【0084】各センサ72は、非接触式エンコーダ、例
えば光学式エンコーダから構成されている。各センサ7
2は、スケールホルダ73を介してインナリング部44
a上のスケール台に取り付けられたスケール74と、そ
のスケール74に近接対応するように、ヘッドホルダ7
5を介してアウタリング部44b上に取り付けられた検
出ヘッド76とを備えている。検出ヘッド76は、アウ
タリング部44bの周壁(側壁)に形成された切欠部に
配置される。そして、検出ヘッド76は、前記切欠部の
開口からインナリング部44aに取付けられたスケール
の目盛を読み取る。また、各スケール74及び各検出ヘ
ッド76は、アウタリング部44bの周壁の切欠部に、
露出された状態で配置されている。すなわち、各センサ
72のスケール74及び検出ヘッド76は、アウタリン
グ部44bの外表面から露出している。
【0085】そして、前記アクチュエータ50が非作動
状態にあって、可動レンズ38aを支持するインナリン
グ部44aが原位置に配置された状態で、検出ヘッド7
6にてスケール74上の目盛が読み取られることによ
り、移動量計測のための原点が検出されるようになって
いる。また、アクチュエータ50にてインナリング部4
4aが光軸方向に移動された状態で、検出ヘッド76に
てスケール74上の目盛が読み取られることにより、前
記原点に基づいてインナリング部44aの移動量が計測
されるようになっている。
【0086】なお、図1に示すように、前記鏡筒37の
中間部のフランジ部37a上には円筒状のジャケット7
9が配設され、このジャケット79によりフランジ部3
7aよりも上方に位置する部分群鏡筒42の外周が包囲
されるようになっている。ジャケット79の周壁には制
御装置51から延びるケーブル51aを挿通するための
挿通孔80が形成され、その内周にはシール部材81が
取り付けられている。これにより、鏡筒37の中間部よ
り上方の部分が二重構造となって、鏡筒37の内部にそ
の下端部等から導入される不活性ガスが充填状態に維持
されるようになっている。鏡筒37の内部にその下端部
から不活性ガスを導入し、導入された不活性ガスをアク
チュエータ50が収容された切欠部49や複数のスリッ
ト63や複数の貫通孔64を介して排気する。そうする
ことによって、アクチュエータ50や案内機構61、平
行リンク機構66などが変位する際に生じる不純物(露
光光を吸収する吸光物質など)が光学レンズに付着する
のを抑制することができる。なお、不活性ガスとして
は、窒素ガス、ヘリウム、アルゴンなどの希ガスを使用
することができる。
【0087】次に、インナリング部44aとアウタリン
グ部44bとの間に設けられる振動吸収機構87につい
て、説明する。図7に示すように、この振動吸収機構8
7は、前記インナリング部44aに固定される連結アー
ム部59と、前記アウタリング部44bに固定されるベ
ースリング45との間に介装される摺動機構としての板
バネ88を備えている。この板バネ88は、その一端が
前記連結アーム部59の外周面と前記バネ受け67との
間に挟持固定されている。また、この板バネ88と前記
連結アーム部59の外周面との間には、所定厚さのスペ
ーサ89が介在されている。前記板バネ88の他端側
は、前記バネ受け68で覆われた状態で、前記ベースリ
ング45の外周面に対して摺接可能に接合されている。
なお、前記板バネ88は、レンズ38の光軸方向には所
定の剛性を有して撓みにくく、その光軸と交差する方向
には可撓性を有するように装着されている。すなわち、
この板バネ88は、レンズ38の光軸方向に長手方向を
有するように装着されている。
【0088】ここで、前記バネ受け68の板バネ88に
対応する部分には、所定深さの凹部90が形成されてお
リ、板バネ88とバネ受け68が所定の間隔をおいて離
間するようになっている。また、このバネ受け68の中
央部にはねじ穴91が穿設されており、押さえプラグ9
2が螺合されている。
【0089】この押さえプラグ92には、その軸線に沿
って貫通孔93が穿設されている。この貫通孔93にお
ける押さえプラグ92の螺入方向側(図7において左
側)には段部94が、螺脱方向側(図7において右側)
には雌ねじ部95が、それぞれ形成されている。
【0090】この貫通孔93の前記螺入方向側には、前
記板バネ88に接合して押圧する板バネ押さえ96が係
入されている。この板バネ押さえ96には、その先端に
前記板バネ88の表面に接触する接触フランジ部97が
形成されており、その接触フランジ部97と前記押さえ
プラグ92の段部94との間には、付勢機構をなすコイ
ルバネ98が介装されている。
【0091】このコイルバネ98の初期撓み量は、前記
押さえプラグ92の締め込み量により設定されるように
なっている。そして、その押さえプラグ92の締め込み
量は、前記押さえプラグ92をその外周面上に膨出形成
された規制フランジ部92aが前記バネ受け68の外表
面に当接するまで締め込むことで、所定の値に設定され
るようになっている。
【0092】この押さえプラグ92の締め込み動作によ
り、前記コイルバネ98が圧縮され、そのコイルバネ9
8に所定の付勢力が発生する。この付勢力に基づいて、
板バネ押さえ96が板バネ88を押圧し、板バネ88が
ベースリング45側に付勢された状態となる。そして、
板バネ88がベースリング45の外表面に圧接され、板
バネ88とベースリング45の外表面との間に所定の摩
擦力が発生される。
【0093】ここで、この摩擦力は、後述するように前
記アクチュエータ50が駆動され、前記インナリング部
44aとアウタリング部44bとを相対移動させるよう
な駆動力が発生されたときには、前記板バネ88とベー
スリング45の外表面との間で滑りを生じ得る程度に設
定されている。この一方で、この摩擦力は、外部環境を
なす前記レチクルステージ34やウエハステージ36等
の駆動で発生し、前記ベースリング45に伝達された微
小振動では、前記板バネ88とベースリング45の外表
面との間で滑りを生じない程度に設定されている。
【0094】この振動吸収機構87は、図9に示すよう
な振動吸収特性を有している。この図9では、横軸が外
部環境からの外部振動の周波数を、縦軸が前記ベースリ
ング45に入力される外部振動に対する振動吸収機構8
7を介して連結アーム部59側に出力される振動の比
を、それぞれあらわしている。
【0095】本実施形態の振動吸収機構87を用いない
場合には、外部振動の周波数が大きくなるに従って、可
動レンズ38aのチルト方向に対応する振動と、可動レ
ンズ38aの光軸方向に対応する振動との、2つの大き
なピークが認められる(グラフにおける上側の曲線)。
これに対して、インナリング部44aとアウタリング部
44bとの間に本実施形態の振動吸収機構87を介装す
ることにより、連結アーム部59側に出力される振動レ
ベルが全体に小さくなるとともに、前記2つのピークが
効果的に低減される(グラフにおける下側の曲線)。
【0096】前記押さえプラグ92における貫通孔93
の雌ねじ部95には、ロックハンドル99が進退自在に
螺合されている。このロックハンドル99は、例えば投
影光学系35を露光装置31のフレーム41に載置する
場合や、投影光学系35を備える露光装置31を搬送し
たりするような場合に、可動レンズ38aが不用意に移
動しないように、インナリング部44aとアウタリング
部44bとの相対移動を規制するために使用するもので
ある。
【0097】このように、インナリング部44aとアウ
タリング部44bとの相対移動を規制する場合には、ロ
ックハンドル99をベースリング45側に締め込んで、
そのロックハンドル99の先端を前記板バネ押さえ96
に当接させる。この状態から、ロックハンドル99を、
さらに所定のトルクで締め付ける。これにより、前記板
バネ88を前記ベースリング45と板バネ押さえ96と
で強固に挟着して、その板バネ88の摺動を規制する。
【0098】また、露光装置31を使用する場合には、
ロックハンドル99を退出する方向に緩め、そのロック
ハンドル99の先端と前記板バネ押さえ96とを離間さ
せる。これにより、板バネ押さえ96は、前記コイルバ
ネ98の付勢力のみで板バネ88を押圧するようにな
り、アクチュエータ50からの駆動力により可動レンズ
38aの移動が可能になる。
【0099】次に、前記のように構成された光学素子保
持装置43により、可動レンズ38aが光軸方向に移動
される場合の動作について説明する。図8に示すよう
に、アクチュエータ50が電圧の印加に伴い、図面左端
の回転ピボット機構54を支点P0として回転されなが
ら変位量dLだけ伸長変位されると、変位拡大機構60
を構成する弾性ヒンジリンク機構62の第1リンク62
aが支点P1を中心にして時計方向に回転される。これ
により、第2リンク62bに対する第1リンク62aの
下端の連結点P3が、左方へ変位量dxだけ変位される
とともに、上方へ変位量dyだけ変位される。
【0100】このとき、インナリング部44a上の連結
アーム部59は、平行リンク機構66で構成された案内
機構61によって、光軸方向のみに移動できるように案
内保持されている。このため、第2リンク62bの右端
の連結点P3に前記のような変位が加わると、その第2
リンク62bは上方に突き上げられ、これによって連結
アーム部59は上方へ変位量dYだけ移動変位される。
従って、案内機構61と弾性ヒンジリンク機構62と
は、アクチュエータ50の変位を互いに協働し合って、
連結アーム部59を上方へ移動させる。
【0101】この場合、前記アクチュエータ50の変位
は、弾性ヒンジリンク機構62の第1リンク62a及び
第2リンク62bにて、変位の方向を変換されながら2
段階で拡大されて連結アーム部59に伝達される。よっ
て、アクチュエータ50の僅かな変位に基づいて、イン
ナリング部44aに支持された可動レンズ38aが光軸
方向へ大きな変位量で移動変位されることになる。
【0102】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (イ) この光学素子保持装置43では、可動レンズ3
8aの周縁部を保持するインナリング部44aと、その
インナリング部44aに連結されるアウタリング部44
bとを有している。そして、アクチュエータ50を駆動
させて、そのアウタリング部に44bに対して前記イン
ナリング部44aを移動させることにより、前記可動レ
ンズ38aを移動させるようになっている。また、前記
アウタリング部44bを介して前記インナリング部44
aに伝達されるレチクルステージ34、ウエハステージ
36の駆動等の外部環境に基づいた振動を吸収する振動
吸収機構87が設けられている。
【0103】このため、振動吸収機構87により外部環
境からインナリング部44aに伝達される振動が吸収さ
れるため、可動レンズ38aへの振動伝達が効率よく抑
制される。従って、アクチュエータ50により、可動レ
ンズ38aを高精度に移動させることができ、可動レン
ズ38aの位置決めを高精度に行うことができる。
【0104】(ロ) この光学素子保持装置43では、
振動吸収機構87において、外部環境からの振動がイン
ナリング部44aとアウタリング部44bとの間に発生
される摩擦力により吸収されるようになっている。そし
て、その摩擦力は、アクチュエータ50が可動レンズ3
8aを移動させるべく所定の駆動力をインナリング部4
4aに与えた時には、インナリング部44aとアウタリ
ング部44bとの相対移動を許容する程度のものとなっ
ている。その摩擦力は、インナリング部44aとアウタ
リング部44bとの間に、アウタリング部44bに固定
されるベースリング45に対して、互いに接触した状態
で摺動可能な板バネ88により発生されるようになって
いる。
【0105】このため、外部環境からの振動はインナリ
ング部44aとアウタリング部44bとの間に働く摩擦
力によりインナリング部44a側への伝達が抑制され
る。この一方で、この摩擦力は、アクチュエータ50か
ら所定の駆動力が与えられると、インナリング部44a
とアウタリング部44bとの相対移動を許容する程度の
ものとなっている。これにより、アクチュエータ50か
らの駆動力は、大きな抵抗を受けることなく可動レンズ
38aに伝達される。そして、インナリング部44aと
アウタリング部44bとの間に所定の摩擦力を確保しつ
つ、インナリング部44aとアウタリング部44bとを
相対移動させることが可能となる。従って、簡単な構成
で、外部環境からインナリング部44aへの振動伝達を
抑制しつつ、アクチュエータ50から可動レンズ38a
へと応答性よく駆動力を伝達することができる。
【0106】(ハ) この光学素子保持装置43では、
板バネ88が、可動レンズ38aの光軸方向には剛性を
保持するとともに、その光軸と交差する方向には可撓性
を有するように配置されている。
【0107】このため、板バネ88が可動レンズ38a
の光軸方向に剛性を有することで、アウタリング部44
bに対するインナリング部44aの支持剛性が不足がち
になることがなく、外部環境からの振動伝達がより確実
に抑制される。また、この板バネ88の剛性を利用し
て、アクチュエータ50からの駆動力をインナリング部
44aに効率よく伝達することができる。また、板バネ
88は、可動レンズ38aの光軸と交差する方向には可
撓性を有しているため、インナリング部44aとアウタ
リング部44bとの製造公差が効率よく吸収され、可動
レンズ38aを安定した状態で保持することができる。
【0108】(ニ) この光学素子保持装置43では、
インナリング部44aとアウタリング部44bとの間に
所定の摩擦力を発生させる板バネ88が、可動レンズ3
8aの光軸方向に長手方向を有するものとなっている。
その板バネ88は、一端がインナリング部44aの連結
アーム部59に固定されるとともに、他端がアウタリン
グ部44bに固定されるベースリング45に摺接するよ
うなっている。
【0109】このため、簡単な構成で、インナリング部
44aとアウタリング部44bとの間に所定の摩擦力を
発生させることができる。 (ホ) この光学素子保持装置43では、板バネ88を
アウタリング部44bに固定されるベースリング45に
対して付勢するコイルバネ98を有している。このた
め、板バネ88とベースリング45とがより確実に摺接
され、板バネ88とアウタリング部44bとの間により
確実に所定の摩擦力を発生させることができる。
【0110】(ヘ) この光学素子保持装置43では、
振動吸収機構87の板バネ88が、その表面をアウタリ
ング部44bに固定されるベースリング45に摺接させ
るとともに、可動レンズ38aの光軸方向に撓みのほと
んどない状態で取着されている。このため、板バネ88
における可動レンズ38aの光軸方向における剛性が確
保され、アウタリング部44bに対するインナリング部
44aの支持剛性を高く維持することができる。
【0111】(ト) この光学素子保持装置43では、
板バネ88が所定厚さのスペーサ89を介してインナリ
ング部44aの連結アーム部59に接合固定されてい
る。このため、板バネ88を固定する際に、そのスペー
サ89の厚さを適宜選択して装着することにより、取り
付け状態における板バネ88の可動レンズ38aの光軸
と交差する方向の撓み量を小さくすることができる。こ
れにより、板バネ88における可動レンズ38aの光軸
方向の剛性をさらに高くすることができて、アウタリン
グ部44bに対するインナリング部44aの支持剛性を
一層高く維持することができる。
【0112】(チ) この露光装置31では、レチクル
R上に形成されたパターンの像をウエハW上に転写する
投影光学系35の一部をなす可動レンズ38aが、前記
の優れた効果を有する光学素子保持装置43により鏡筒
37内に保持されている。
【0113】このため、可動レンズ38aが外部環境か
らの振動の伝達が抑制された状態で保持される。そし
て、その可動レンズ38aを高精度にかつ効率よく駆動
調整して、より正確に位置決めすることができる。これ
により、投影光学系35において、より正確な収差の補
正が可能となり、レチクルR上に形成されたパターンの
像の結像精度が向上され、より正確な露光を行うことが
できる。
【0114】また、投影光学系35の収差を高精度かつ
迅速に補正することができるとともに、外部環境からの
振動が吸収されるため、レチクルステージ34、ウエハ
ステージ36の駆動後にも、ウエハW上に区画された各
露光領域を直ちに露光することができる。このため、高
いスループットを維持しつつ、レチクルR上に形成され
たパターンの像をより正確にウエハW上に転写すること
ができる。
【0115】(第2実施形態)つぎに、本発明の第2実
施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0116】図10に示すように、この第2実施形態に
おける振動吸収機構111では、前記板バネ88の接合
するベースリング45の外表面上に、そのベースリング
45の周方向に延びる曲面突部112が形成されてい
る。そして、前記板バネ88は、前記コイルバネ98に
より前記板バネ押さえ96を介してベースリング45側
に付勢された状態で、前記曲面突部112上に押圧接合
されている。
【0117】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態に記載したのとほぼ同等の効果に加えて、以下の
ような効果を得ることができる。 (リ) この振動吸収機構111では、曲面突部112
の存在により、板バネ88とベースリング45の外表面
とが、互いに線接触状態で接合される。このため、ベー
スリング45の外表面を平面状に加工する場合に比べ
て、そのベースリング45の外表面をそれほど厳密に加
工することなく、板バネ88とベースリング45の外表
面とを容易に接合させることができる。従って、ベース
リング45の加工が容易なものとなる。
【0118】(第3実施形態)つぎに、本発明の第3実
施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0119】図11に示すように、この第3実施形態に
おける振動吸収機構116では、前記板バネ88と対向
するベースリング45の外表面上に凹部117が形成さ
れている。そして、前記板バネ88は、前記ベースリン
グ45の外表面には接合せず、前記コイルバネ98によ
り前記板バネ88側に付勢された前記板バネ押さえ96
との間で、所定の摩擦力を発生するようになっている。
ここで、板バネ押さえ96をコイルバネ98を介して保
持する押さえプラグ92は、ベースリング45に固定さ
れるバネ受け68に対して固定されている。そして、そ
のベースリング45は、アウタリング部44bに固定さ
れている。この一方で、前記板バネ88は、前記板バネ
押さえ96とは反対側の部分においてインナリング部4
4aに対して固定されている。このため、板バネ88
が、インナリング部44aとアウタリング部44bとの
間で、可動レンズ38aの光軸方向に剛性を保ちつつ、
摺動が可能な構成となっている。
【0120】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態に記載したのとほぼ同等の効果を得ることができ
る。 (第4実施形態)つぎに、本発明の第4実施形態につい
て、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0121】図12に示すように、この第4実施形態に
おける振動吸収機構121では、バネ受け68の中央部
に穿設された貫通孔122には、前記第1実施形態にお
ける振動吸収機構87の貫通孔93のように段部94及
び雌ねじ部95が形成されていない。また、この貫通孔
122は、その開口部が前記第1実施形態の貫通孔93
に比べ大径に形成されている。そして、この貫通孔12
2内には付勢機構としての永久磁石123が係入され、
その永久磁石123は前記板バネ88を前記ベースリン
グ45側に付勢しつつ、そのベースリング45の外表面
に磁着している。
【0122】この振動吸収機構121では、前記板バネ
88を挟んで永久磁石123とベースリング45とを磁
着させることで、その板バネ88とベースリング45の
外周面及び永久磁石123との間に所定の摩擦力を発生
させるようになっている。
【0123】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態に記載したのとほぼ同等の効果に加えて、以下の
ような効果を得ることができる。 (ヌ) この振動吸収機構121では、板バネ88を前
記ベースリング45側に付勢するとともに、その板バネ
88とベースリング45の外周面及び永久磁石123と
の間に所定の摩擦力を発生させるために永久磁石123
が用いられている。このため、板バネ88及びベースリ
ング45に対して永久磁石123を磁着させるといった
極めて簡素な構成でもって、所定の摩擦力を発生させる
ことができる。また、永久磁石123を、異なる磁力を
有するものに変更することで、前記所定の摩擦力を容易
に調整することができる。
【0124】(第5実施形態)つぎに、本発明の第5実
施形態について、前記第4実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0125】図13に示すように、この第5実施形態に
おける振動吸収機構126では、バネ受け68の中央部
に穿設された貫通孔122に、前記第4実施形態におけ
る永久磁石123に代えて、付勢機構としての電磁石1
27が係入されている。この電磁石127には、調整機
構としての制御ユニット128が接続されている。そし
て、この制御ユニット128の制御により、前記電磁石
127で発生される磁力が、露光装置31の露光シーケ
ンスに連動して調整されるようになっている。これによ
り、前記露光シーケンスに連動して、前記板バネ88を
ベースリング45側に付勢する付勢力、ひいては板バネ
88とベースリング45の外周面及び電磁石127との
間で発生される所定の摩擦力が調整されるようになって
いる。
【0126】この振動吸収機構126の電磁石127に
おける磁力調整パターンの一例を図14(b)に示す。
なお、図14(a)は、露光シーケンスの一例を示して
いる。図14(a)に示すように、この露光シーケンス
では、ウエハW上に区画された各露光領域を露光する露
光動作が所定の時間をおいて繰り返される。各露光動作
の間には、露光済みの露光領域から他の露光領域に移行
するためのステッピング動作が行われる。このステッピ
ング動作中(移行時)には、前記ウエハステージ36が
駆動され、前記他の露光領域を投影光学系35の露光視
野内に対応させるべくウエハWを移動させる。
【0127】この一方で、このステッピング動作中に
は、露光装置31全体の制御を担う主制御装置(図示
略)の制御のもとで、前記投影光学系35における大気
圧変化及び照射熱等により発生する諸収差やディストー
ションの変化の補正が行われる。
【0128】このような露光シーケンスに連動して、前
記制御ユニット128では、電磁石127に給電される
電力の電流を、図14(b)に実線で示すように、変化
させる。すなわち、ウエハW上の1つの露光領域の露光
が完了され、ステッピング動作に移行すると、前記制御
ユニット128は、前記電磁石127への給電を停止
し、その電磁石127を消磁させる。これにより、電磁
石127と、板バネ88及びベースリング45との間の
吸引力が消失され、その吸引力に基づく板バネ88をベ
ースリング45側に付勢する付勢力も消失される。
【0129】この状態では、前記板バネ88とベースリ
ング45及び電磁石127との間の摩擦力も小さくな
り、前記アクチュエータ50からの駆動力が、ほとんど
抵抗なく、アウタリング部44bからインナリング部4
4aを介して可動レンズ38aに伝達される。この電磁
石127が消磁されている期間(消磁期間)に、前記制
御装置51の制御のもとで、アクチュエータ50が駆動
され、可動レンズ38aの位置調整が行われる。
【0130】次いで、前記電磁石127が消磁されてか
ら、前記可動レンズ38aの位置調整が完了する所定の
時間経過後、再び前記電磁石127への給電が開始され
る。この際、前記電磁石127に供給される電力の電流
は、経時的に徐々に増大され、さらに露光開始時に一気
に増大され所定の値に変更される。これにより、電磁石
127が励磁され、その板バネ88及びベースリング4
5との間の吸引力が徐々に増大され、そして露光開始時
にはその吸引力が所定のレベルに達するようになってい
る。この吸引力の変化に伴って、前記板バネ88とベー
スリング45及び電磁石127との間の摩擦力も、露光
開始時には所定のレベルに達するようになっている。そ
して、露光中には、前記電磁石127に一定の電流が供
給され、前記板バネ88とベースリング45及び電磁石
127との間に所定の摩擦力が確保されるようになって
いる。
【0131】ここで、図15に示すように、前記消磁期
間においては、前記板バネ88とベースリング45及び
電磁石127との間の摩擦力が小さくなるため、前記ウ
エハステージ36の駆動に伴って発生した微小な振動が
アウタリング部44b及びインナリング部44aに伝達
されることがある。しかしながら、電磁石127の励磁
が開始され、前記摩擦力が次第に高められていくと、前
記インナリング部44aに伝達された微小な振動は直ち
に減衰され、露光開始時にはその微小な振動はほとんど
消失される。
【0132】従って、本実施形態によれば、前記第1実
施形態に記載のとほぼ同等の効果に加えて、以下のよう
な効果を得ることができる。 (ル) この振動吸収機構126では、板バネ88の撓
み量を調整する電磁石127が設けられている。このた
め、電磁石127の励磁により板バネ88の撓み量を調
整することで、板バネ88とベースリング45及び電磁
石127との間に所定の摩擦力をより確実に発生させる
ことができる。
【0133】(ヲ) この振動吸収機構126では、電
磁石127が板バネ88のベースリング45側への付勢
力を調整するようになっている。このため、板バネ88
とベースリング45との間の摩擦力を調整することがで
きて、板バネ88における振動吸収能力とアクチュエー
タ50からの駆動力の伝達能力とのバランスをより好適
に調整することができる。
【0134】(ワ) この露光装置31では、投影光学
系35の振動吸収機構126として、板バネ88を光学
素子保持装置43のアウタリング部44bに対して付勢
する電磁石127を備えている。そして、その電磁石1
27は、制御ユニット128の制御のもとで、露光装置
31の露光シーケンスに連動して、前記板バネ88をア
ウタリング部44bに固定されるベースリング45側へ
付勢する付勢力を調整するようになっている。そして、
ウエハW上の各露光領域が露光される露光時には前記板
バネ88を前記ベースリング45側に所定の付勢力を付
与するとともに、他の露光領域に移行するステッピング
動作時には前記付勢力を解除するようになっている。
【0135】このため、露光時には、板バネとベースリ
ング45及び電磁石127との間に所定の摩擦力がより
確実に発生される。この一方で、ステッピング動作時に
は、前記電磁石127の励磁による付勢をゆるめて、前
記摩擦力を小さくする。これにより、可動レンズ38a
の位置調整を行う際には、アクチュエータ50からの駆
動力に対する前記可動レンズ38aの位置調整の応答性
を一層高めることができる。しかも、露光時には、板バ
ネ88とベースリング45及び電磁石127との摩擦力
により、例えばウエハステージ36の駆動に伴う微小な
振動をより確実に吸収することができる。
【0136】(カ) この振動吸収機構126では、制
御ユニット128の制御により、電磁石127が、ウエ
ハWのステッピング時に板バネ88のベースリング45
側への付勢力を徐々に増大させ、他の露光領域の露光開
始時には前記所定の付勢力を付与するように調整されて
いる。
【0137】このため、ステッピング動作時に、板バネ
88のベースリング45側への付勢力を小さくして可動
レンズ38aを移動させる。これにより、アクチュエー
タ50からの駆動力に対する抵抗が小さくなって、可動
レンズ38aの移動の応答性をさらに高めることができ
る。そして、このステッピング動作時において、可動レ
ンズ38aの位置調整が終了すると、電磁石127によ
る板バネ88に対する付勢力が高められ、板バネ88と
ベースリング45及び電磁石127との間に所定に摩擦
力が発生され、ウエハWの移動に伴う振動が迅速に吸収
される。従って、可動レンズ38aの位置調整時に伝達
された振動が迅速に減衰され、露光装置31のスループ
ットの低下を抑制することができる。ウエハWの駆動に
伴って発生する微小な振動が振動吸収機構126におい
て吸収され、より正確な露光を行うことができる。
【0138】(ヨ) この振動吸収機構126では、電
磁石127に供給される電力の電流を制御することで、
その電磁石127で励磁される磁力を制御して、板バネ
88とベースリング45及び電磁石127との間の摩擦
力を調整するようになっている。このため、前記摩擦力
の制御を電気的に行うことができて、その摩擦力の制御
を容易に行うことができる。また、板バネ88とベース
リング45及び電磁石127との間の摩擦力を容易に必
要最低限に設定することができて、アクチュエータ50
による可動レンズ38aの移動の応答性をさらに高める
ことができる。
【0139】(変更例)なお、本発明の実施形態は、以
下のように変更してもよい。 ・ 前記各実施形態では、板バネ88をインナリング部
44a側に固定するともに、アウタリング部44b側に
摺接するようにした。これに対して、前記板バネ88を
アウタリング部44b側に固定するともに、インナリン
グ部44a側に摺接するようにしてもよい。
【0140】・ 前記各実施形態では、振動吸収機構8
7,111,116,121.126として、板バネ8
8をインナリング部44a側に固定するともに、アウタ
リング部44b側に摺接する構成を採用した。これに対
して、振動吸収機構として、インナリング部44aとア
ウタリング部44bとの間に、例えば蛇腹内に振動吸収
能を有するような粘弾性体を封入したものを介在させる
ようにしてもよい。
【0141】・ 前記各実施形態において、板バネ88
をわずかに撓んだ状態で装着するようにしてもよい。 ・ 前記第1〜第3実施形態において、ロックハンドル
99を省略してもよい。
【0142】・ 前記第1〜第3実施形態において、コ
イルバネ98を異なるバネ定数のコイルバネに変更し
て、板バネ88の初期撓み量を調整するようにしてもよ
い。 ・ 前記第1〜第3実施形態において、板バネ88と板
バネ押さえ96との間にスペーサを介装して、板バネ8
8の初期撓み量を調整するようにしてもよい。
【0143】・ 前記第1〜第3実施形態において、押
さえプラグ92のバネ受け68に対する締め込み量を調
整して、板バネ88の初期撓み量を調整するようにして
もよい。
【0144】・ 前記第5実施形態において、図13に
二点鎖線で示すように、電磁石127の外側に、内部に
冷媒の流通するジャケット、ペルチェ素子等の冷却装置
131を取着してもよい。このように構成した場合、電
磁石127における発熱が可動レンズ38aに及ぼす影
響を排除することができる。従って、板バネ88とベー
スリング45との間の摩擦力の容易な制御を確保しつ
つ、可動レンズ38aの位置決めを厳密に行うことがで
きる。
【0145】・ 前記第5実施形態において、ステッピ
ング動作中に、図14(b)に一点鎖線で示すように、
電磁石127を消磁して所定時間経過後、その電磁石1
27に対して一気に所定電流の電力を供給するようにし
てもよい。また、図14(b)に二点鎖線で示すよう
に、電磁石127を一旦消磁した後、直ちに電磁石12
7への給電を再開し、その電流量が徐々に増大するよう
に電力を供給するようにしてもよい。また、電磁石12
7に対する給電を、その電流量が段階的に増大するよう
にしてもよい。
【0146】・ 前記第4及び第5実施形態において、
永久磁石123及び電磁石127をバネ受け68に固定
して、板バネ88がその永久磁石123及び電磁石12
7側に吸着されるようにしてもよい。
【0147】・ 前記各実施形態では、素子駆動機構と
してのアクチュエータ50を圧電素子で構成したが、こ
れを磁歪アクチュエータや流体圧アクチュエータで構成
してもよい。
【0148】・ 前記各実施形態では、インナリング部
44aとアウタリング部44bとの間に復帰機構として
の引張りバネ69を設けたが、アクチュエータ50とし
て復帰バネを内蔵した圧電素子を用いて、アクチュエー
タ50の非作動時に、インナリング部44aが可動範囲
の一端側に復帰されるように構成してもよい。
【0149】・ 前記各実施形態では光学素子としてレ
ンズ38が例示されているが、この光学素子は平行平
板、位相差板等の他の光学素子であってもよい。さら
に、この光学素子は、露光光ELを偏向する偏向部材、
露光光ELを反射する反射面を備えた反射光学部材であ
ってもよい。
【0150】・ 前記各実施形態では、複数の部分群鏡
筒42を積層する際に、各部分群鏡筒42の取付面48
の間に、間隔調整部材を配置したが、間隔調整部材を省
略して、各部分群鏡筒42の取付面48同士を直接接触
させてもよい。
【0151】・ この発明の光学素子保持装置43は、
前記各実施形態の露光装置31の投影光学系35におけ
る横置きタイプのレンズ38の保持構成に限定されるこ
となく、露光装置31の照明光学系33における各種光
学素子の保持装置、あるいは縦置きタイプの光学素子の
保持装置に具体化してもよい。さらに、他の光学機械、
例えば顕微鏡、干渉計等の光学系における光学素子の保
持装置に具体化してもよい。
【0152】・ 本発明の露光装置は、半導体素子製造
用の露光装置31に限定されるものではなく、また、縮
小露光型の露光装置に限定されるものでもない。すなわ
ち、この露光装置は、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁
気ヘッド等の露光装置を含むものである。また、等倍露
光型の露光装置、ステップ・アンド・リピート方式の一
括露光型露光装置、ステップ・アンド・スキャン方式の
走査露光型露光装置をも含むものである。
【0153】また、露光装置として、投影光学系を用い
ることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパタ
ーンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用するこ
とができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプ
に限らず、反射屈折タイプであってもよい。
【0154】なお、照明光学系、投影光学系を構成する
複数のレンズまたは反射光学素子の少なくとも一部を本
実施の形態の光学部材保持装置で保持し、この照明光学
系及び投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整
をするとともに、多数の機械部品からなるウエハステー
ジ(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステ
ージも含む)を露光装置本体に取り付けて配線を接続
し、露光光の光路内にガスを供給するガス供給配管を接
続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認な
ど)をすることにより、実施形態の露光装置を製造する
ことができる。
【0155】また、光学部材保持装置を構成する各部品
は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの
不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光
装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリ
ーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ま
しい。
【0156】本実施形態における硝材として、蛍石、石
英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マグ
ネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウ
ム−アルミニウム−フローライド、及びリチウム−スト
ロンチウム−アルミニウム−フローライド等の結晶や、
ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムから
なるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、
フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基
を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有
した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、本実施
の形態の光学部材保持装置を適用することができる。
【0157】次に、上述した露光装置をリソグラフィ工
程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説
明する。図16は、デバイス(ICやLSI等の半導体
チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイク
ロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図であ
る。図16に示すように、まず、ステップS151(設
計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)
の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計
等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を
行う。引き続き、ステップS152(マスク製作ステッ
プ)において、設計した回路パターンを形成したマスク
(レクチル)を製作する。一方、ステップS153(基
板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート
等の材料を用いて基板を製造する。
【0158】次に、ステップS154(基板処理ステッ
プ)において、ステップS151〜S153で用意した
マスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフ
ィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次
いで、ステップS155(デバイス組立ステップ)にお
いて、ステップS154で処理された基板を用いてデバ
イス組立を行う。このステップS155には、ダイシン
グ工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程
(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0159】最後に、ステップS156(検査ステッ
プ)において、ステップS155で作製されたデバイス
の動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こう
した工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0160】図17は、半導体デバイスの場合におけ
る、図16のステップS154の詳細なフローの一例を
示す図である。図17において、ステップS161(酸
化ステップ)では、ウエハの表面を酸化させる。ステッ
プS162(CVDステップ)では、ウエハ表面に絶縁
膜を形成する。ステップS163(電極形成ステップ)
では、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステッ
プS164(イオン打込みステップ)では、ウエハにイ
オンを打ち込む。以上のステップS161〜S164の
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0161】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
165(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感
光剤を塗布する。引き続き、ステップS166(露光ス
テップ)において、上で説明したリソグラフィシステム
(露光装置)によってレチクルの回路パターンをウエハ
に転写する。この転写の動作時に、大気圧変化及び照射
熱により発生する収差やディストーションを上述した光
学素子保持装置43によって補正する。そして、補正し
ながら転写されたウエハをステップS167において、
現像する。ステップS168(エッチングステップ)に
おいて、レジストが残存している部分以外の部分の露出
部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS
169(レジスト除去ステップ)において、エッチング
が済んで不要となったレジストを取り除く。
【0162】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。以上説明した本実施形態のデバイス製造
方法を用いれば、露光工程(ステップS166)におい
て上記の露光装置が用いられ、真空紫外域の露光光によ
り解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精
度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が
0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生
産することができる。
【0163】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1に記
載の発明によれば、光学素子を高精度に移動させること
ができるとともに、光学素子への外部環境からの振動の
伝達を効率よく抑制することができる。
【0164】また、本願請求項2及び請求項3に記載の
発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加え
て、簡単な構成で、外部環境から保持部への振動伝達を
抑制しつつ、素子駆動機構から光学素子へと応答性よく
駆動力を伝達することができる。
【0165】また、本願請求項4に記載の発明によれ
ば、前記請求項3に記載の発明の効果に加えて、光学素
子を安定した状態で保持することができる。また、本願
請求項5に記載の発明によれば、前記請求項3または請
求項4に記載の発明の効果に加えて、簡単な構成で、保
持部と連結部との間に所定の摩擦力を発生させることが
できる。
【0166】また、本願請求項6に記載の発明によれ
ば、前記請求項5に記載の発明の効果に加えて、板バネ
と保持部または連結部との間により確実に所定の摩擦力
を発生させることができる。
【0167】また、本願請求項7に記載の発明によれ
ば、前記請求項6に記載の発明の効果に加えて、板バネ
における振動吸収能力と駆動力の伝達能力とのバランス
をより好適に調整できる。
【0168】また、本願請求項8に記載の発明によれ
ば、内部に保持された光学素子を高精度にかつ効率よく
駆動調整することができる。また、本願請求項9に記載
の発明によれば、前記請求項8に記載の発明の効果に加
えて、パターンの像の結像精度が向上され、より正確な
露光を行うことができる。
【0169】また、本願請求項10に記載の発明によれ
ば、高いスループットを維持しつつ、パターンの像をよ
り正確に基板上に転写することができる。また、本願請
求項11に記載の発明によれば、前記請求項10に記載
の発明の効果に加えて、露光シーケンスに連動して付勢
力を調整することで、露光時に光学素子に振動が伝達さ
れるのをより確実に抑制することができる。
【0170】また、本願請求項12に記載の発明によれ
ば、前記請求項11に記載の発明の効果に加えて、光学
素子の位置調整を行う際には素子駆動機構からの駆動力
に対する応答性を一層高めることができる。また、露光
時には、外部環境からの振動をより確実に吸収すること
ができる。
【0171】また、本願請求項13に記載の発明によれ
ば、前記請求項12に記載の発明の効果に加えて、光学
素子の位置調整時に伝達された振動を迅速に減衰させる
ことができ、スループットの低下を抑制することができ
る。
【0172】また、本願請求項14に記載の発明によれ
ば、前記請求項11〜請求項13のうちいずれか一項に
記載の発明の効果に加えて、マスクまたは基板の駆動に
伴って発生する振動が吸収され、より正確な露光を行う
ことができる。
【0173】また、本願請求項15に記載の発明によれ
ば、露光精度を向上することができて、高集積度のデバ
イスを歩留まりよく生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の露光装置を示す概略構成図。
【図2】 図1の投影光学系における部分群鏡筒の一部
切欠斜視図。
【図3】 図2の部分群鏡筒の平面図。
【図4】 図3の4−4線における断面図。
【図5】 図2の部分群鏡筒の一部分を拡大して示す要
部側面図。
【図6】 図5の6−6線における部分断面図。
【図7】 図6の振動吸収機構を拡大して示す部分断面
図。
【図8】 図5のアクチュエータの駆動力がインナリン
グ部の連結アーム部に伝達される機構に関する説明図。
【図9】 図6の振動吸収機構の振動吸収効果に関する
説明図。
【図10】 第2実施形態の振動吸収機構を拡大して示
す部分断面図。
【図11】 第3実施形態の振動吸収機構を拡大して示
す部分断面図。
【図12】 第4実施形態の振動吸収機構を拡大して示
す部分断面図。
【図13】 第5実施形態の振動吸収機構を拡大して示
す部分断面図。
【図14】 (a)は露光シーケンスに関する説明図、
(b)は図13及び変形例の振動吸収機構における電磁
石への給電パターンに関する説明図。
【図15】 図14(b)に実線で示す給電パターンで
の振動の減衰に関する説明図。
【図16】 デバイスの製造例のフローチャート。
【図17】 半導体デバイスの場合における図17の基
板処理に関する詳細なフローチャート。
【図18】 従来構成の光学素子保持装を示す概略構成
図。
【符号の説明】
31…露光装置、34…外部環境及び駆動機構をなすレ
チクルステージ、35…投影光学系、36…外部環境及
び駆動機構をなすウエハステージ、37…鏡筒、38…
光学素子としてのレンズ、38a…光学素子としての
(可動)レンズ、38b…光学素子としての(静止)レ
ンズ、42…鏡筒の一部を構成する部分群鏡筒、43…
光学素子保持装置、44a…保持部を構成するインナリ
ング部、44b…連結部を構成するアウタリング部、5
0…素子駆動機構としてのアクチュエータ、87,11
1,116,121,126…振動吸収機構、88…摺
動機構をなす板バネ、98…付勢機構をなすコイルバ
ネ、123…付勢機構をなす永久磁石、127…付勢機
構をなす電磁石、128…調整機構をなす制御ユニッ
ト、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウ
エハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/08 G03B 5/06 G03B 5/06 G03F 7/20 521 G03F 7/20 521 H01L 21/30 515D H01L 21/027 503F G02B 7/04 E Fターム(参考) 2H043 AB07 AB10 AB18 AB30 AB36 2H044 AA04 AA09 AA11 AA15 AA16 AA17 AA19 AB06 AB07 AB17 AB22 AB24 AB25 AC01 AC03 BE04 BE06 BE10 BE20 DB04 DD00 5F046 AA23 BA03 CB12 CB20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子の周縁部を保持する保持部と、 前記保持部に連結される連結部と、 前記連結部に対して前記保持部を移動させることによ
    り、前記光学素子を移動させる素子駆動機構と、 前記連結部を介して前記保持部に伝達される外部環境の
    振動を吸収する振動吸収機構とを備えたことを特徴とす
    る光学素子保持装置。
  2. 【請求項2】 前記振動吸収機構は、前記素子駆動機構
    が前記光学素子を移動させるべく所定の駆動力を前記保
    持部に与えた時、前記保持部と前記連結部との相対移動
    を許容する摩擦力を備えることを特徴とする請求項1に
    記載の光学素子保持機構。
  3. 【請求項3】 前記振動吸収機構は、前記保持部と前記
    連結部とが互いに接触した状態で摺動する摺動機構を備
    えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    光学素子保持装置。
  4. 【請求項4】 前記摺動機構は、前記光学素子の光軸方
    向には剛性を有するとともに、前記光学素子の光軸と交
    差する方向には可撓性を有するものであることを特徴と
    する請求項3に記載の光学素子保持装置。
  5. 【請求項5】 前記摺動機構は、前記光学素子の光軸方
    向に長手方向を有する板バネからなり、該板バネの一端
    部が前記保持部または前記連結部の一方に固定されると
    ともに、その他端部が少なくとも前記保持部または前記
    連結部の他方に摺接することを特徴とする請求項3また
    は請求項4に記載の光学素子保持装置。
  6. 【請求項6】 前記摺動機構は、前記板バネを前記保持
    部または前記連結部の他方に対して付勢する付勢機構を
    有することを特徴とする請求項5に記載の光学素子保持
    装置。
  7. 【請求項7】 前記付勢機構は、付勢力を調整する調整
    機構を有することを特徴とする請求項6に記載の光学素
    子保持装置。
  8. 【請求項8】 内部に少なくとも1つの光学素子を保持
    する鏡筒において、 前記光学素子の少なくとも1つを、請求項1〜請求項7
    のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して
    保持したことを特徴とする鏡筒。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも1つの光学素子は、マス
    ク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する投影
    光学系の一部であることを特徴とする請求項8に記載の
    鏡筒。
  10. 【請求項10】 露光光のもとで、マスク上に形成され
    たパターンの像を基板上に露光する露光装置において、 前記露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学
    素子を、請求項8または請求項9に記載の鏡筒内に収容
    したことを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 前記振動吸収機構の一部をなし、一端
    が前記保持部と前記連結部との一方に固定され、他端が
    前記保持部と前記連結部との他方に摺動する板バネと、
    その板バネを前記保持部と前記連結部との他方に対して
    付勢する付勢機構とを備え、その付勢機構は、前記パタ
    ーンの像を前記基板上に露光する露光シーケンスに連動
    して前記保持部または前記連結部の他方に対する付勢力
    を調整することを特徴とする請求項10に記載の露光装
    置。
  12. 【請求項12】 前記付勢機構は、前記露光シーケンス
    として、前記基板上に区画された所定の露光領域が露光
    される露光時に前記保持部または前記連結部の他方に対
    して所定の付勢力を付与するとともに、前記露光シーケ
    ンスとして、1つの前記露光領域から他の前記露光領域
    に移行する移行時には前記付勢力を解除するまたは前記
    付勢力を徐々に小さくなるように付与することを特徴と
    する請求項11に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記付勢機構は、前記移行時に、前記
    保持部または前記連結部の他方に対して、前記付勢力を
    徐々にまたは段階的に増大させ、少なくとも前記他の露
    光領域への移行が終了する直前には前記所定の付勢力を
    付与するように調整することを特徴とする請求項12に
    記載の露光装置。
  14. 【請求項14】 前記マスク及び前記基板の少なくとも
    一方を駆動する駆動機構を有し、前記付勢機構は、前記
    マスク及び基板の駆動状態に応じて前記保持部または前
    記連結部の他方に対する付勢力を調整することを特徴と
    する請求項11〜請求項13のうちいずれか一項に記載
    の露光装置。
  15. 【請求項15】 リソグラフィ工程を含むデバイスの製
    造方法において、 前記リソグラフィ工程で、請求項10〜請求項13のう
    ちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光すること
    を特徴とするデバイスの製造方法。
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