JP2003113468A - 真空蒸着方法および真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着方法および真空蒸着装置

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JP2003113468A
JP2003113468A JP2001294545A JP2001294545A JP2003113468A JP 2003113468 A JP2003113468 A JP 2003113468A JP 2001294545 A JP2001294545 A JP 2001294545A JP 2001294545 A JP2001294545 A JP 2001294545A JP 2003113468 A JP2003113468 A JP 2003113468A
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film
vapor deposition
phosphor
vacuum
substrate
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JP2001294545A
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English (en)
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Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
Junji Nakada
純司 中田
Yasuo Iwabuchi
康夫 岩渕
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体を含む膜を成膜するに際し、蛍光体の発
光を利用して成膜の状態を正確に把握することができ、
成膜状態に応じた成膜のコントロールを好適に行って、
均一かつ適正な厚さを有する高品位な膜を、安定して成
膜することが可能な真空蒸着方法および装置を提供す
る。 【解決手段】真空蒸着によって蛍光体を含有する膜を成
膜するに際し、成膜した膜に含有される蛍光体を発光さ
せ、発光強度を測定することにより、成膜状態を知見
し、あるいはさらに成膜を制御することにより、前記課
題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空蒸着の技術分野
に属し、詳しくは、フィードバックによる成膜の制御を
好適に行うことができる真空蒸着方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】放射線(X線、α線、β線、γ線、電子
線、紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギ
ーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光の照射を
受けると、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽発光を示
す蛍光体が知られている。この蛍光体は、蓄積性蛍光体
(輝尽性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途
に利用されている。
【0003】一例として、この蓄積性蛍光体からなる層
(以下、蛍光体層とする)を有するシート(以下、蛍光
体シートとする(放射線像変換シートとも呼ばれてい
る))を利用する、放射線画像情報記録再生システムが
知られており、例えば、FCR(Fuji Computed Radiog
raphy)等として実用化されている。このシステムでは、
蛍光体シート(蛍光体層)に人体などの被写体の放射線
画像情報を記録し、記録後に、蛍光体シートをレーザ光
等の励起光で2次元的に走査して輝尽発光光を生ぜし
め、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を
得、この画像信号に基づいて再生した画像を、CRTな
どの表示装置や、写真感光材料などの記録材料等に、被
写体の放射線画像として出力する。
【0004】このような蛍光体シートは、通常、蓄積性
蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗
料を調製して、この塗料をガラスや樹脂製のシート状の
支持体に塗布し、乾燥することによって、作成される。
これに対し、真空蒸着やスパッタリング等の物理蒸着法
(気相成膜法)によって、支持体に蛍光体層を形成して
なる蛍光体シートも知られている(特許第278919
4号、特開平5−249299号等の各公報参照)。蒸
着によって作製される蛍光体層は、真空中で形成される
ので不純物が少なく、また、バインダなどの蓄積性蛍光
体以外の成分が殆ど含まれないので、性能のバラツキが
少なく、しかも発光効率が非常に良好であるという、優
れた特性を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸着による
成膜は、蛍光体シート以外にも、光学部品のコーティン
グ、磁気記録メディアや電子ディスプレイの製造等の各
種の分野において成膜方法として利用されている。ここ
で、これらにおける蒸着による成膜では、ほとんどの場
合は、形成する膜の厚さは1μm以下で、厚くても3μ
m程度である。これに対し、蒸着で形成される蛍光体シ
ートの蛍光体層は、500μm程度、厚い場合で100
0μm近い膜厚が必要になる。
【0006】このように厚い膜を蒸着によって成膜する
際に、均一で、かつ、全域に渡って適正な厚さを有す
る、高品位な膜を形成するためには、成膜の状態を正確
に把握して、成膜を適正にコントロールする必要があ
り、すなわち、このようなフィードバック制御を好適に
行うことができる成膜装置が望ましい。
【0007】本発明の目的は、前述の蒸着型の蛍光体シ
ートの製造など、蛍光体を含む膜を成膜するに際し、蛍
光体の発光を利用して成膜の状態を正確に把握すること
ができ、これに応じたフィードバックを行うことによ
り、成膜状態に応じた成膜のコントロールを好適に行っ
て、均一かつ適正な厚さを有する高品位な膜を、安定し
て成膜することが可能な真空蒸着方法、および、これを
利用する真空蒸着装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の真空蒸着方法は、真空蒸着によって蛍光体
を含有する膜を成膜するに際し、成膜した膜に含有され
る蛍光体を発光させ、その発光強度を測定することによ
り、成膜状態を知見することを特徴とする真空蒸着方法
を提供する。
【0009】また、本発明の真空蒸着装置は、基板に成
膜を行う真空蒸着装置であって、真空蒸着によって成膜
した膜が含有する蛍光体を発光させる発光手段と、前記
発光手段による蛍光体の発光強度を測定する測定手段
と、前記測定手段による測定結果に応じて、成膜を制御
する制御手段とを有することを特徴とする真空蒸着装置
を提供する。
【0010】このような本発明において、蒸着する蛍光
体が、輝尽発光する蓄積性蛍光体であって、前記発光手
段は、成膜した膜に紫外線を入射することにより、ある
いは、成膜した膜に放射線を照射した後に励起光を入射
することにより、成膜した膜が含有する蓄積性蛍光体を
発光させるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空蒸着方法およ
び真空蒸着装置について、添付の図面に示される好適実
施例を基に、詳細に説明する。
【0012】図1に、本発明の真空蒸着方法を実施する
本発明の真空蒸着装置の一例の概念図を示す。図1に示
される真空蒸着装置10は、基本的に、真空チャンバ1
2と、ロード室14と、アンロード室16と、シースヒ
ータ18と、基板搬送機構20と、加熱蒸発部22と、
隔壁24と、膜厚測定手段26と、蒸発制御部28とを
有して構成される、いわゆるロードロックタイプの真空
蒸着装置である。また、真空チャンバ12には、系内を
排気して所定の真空度にするための、図示しない真空ポ
ンプ(排気手段)が接続される。
【0013】図示例の真空蒸着装置10は、一例とし
て、臭化セシウム(CsBr)および臭化ユーロビウム
(EuBrx (xは、通常、2〜3))を成膜材料とし
た二元の真空蒸着を行って、透明な基板(成膜基板)S
にCsBr:Euを蓄積性蛍光体とする蛍光体層を形成
して、前述の蛍光体シートを作製する。なお、本発明の
真空蒸着装置で成膜するのは、このような蓄積性蛍光体
を含有する膜に限定はされず、各種の蛍光体を含有する
膜の成膜に好適に利用可能であり、また、蛍光体を含有
しない膜を成膜してもよいのは、もちろんである。
【0014】真空チャンバ12は、鉄、ステンレス、ア
ルミニウム等で形成される、真空蒸着装置で利用される
公知の真空チャンバ(ベルジャー、真空槽)である。図
示例においては、真空チャンバ12内は、開口部24a
を有する隔壁24によって、上方の基板搬送機構20側
と、下方の加熱蒸発部22側とに分離される。前述のよ
うに、真空チャンバ12には、真空ポンプが接続され
る。真空ポンプにも、特に限定はなく、必要な到達真空
度を達成できるものであれば、真空蒸着装置で利用され
ている各種のものが利用可能である。一例として、油拡
散ポンプ、クライオポンプ、ターボモレキュラポンプ等
を利用すればよく、また、補助として、クライオコイル
等を併用してもよい。なお、前述の蛍光体層を成膜する
図示例の真空蒸着装置10においては、真空チャンバ1
2内の到達真空度は、5×10-5Torr以下、特に3
×10-6Torr以下であるのが好ましい。
【0015】ロード室14およびアンロード室16は、
通常のロードロックタイプの真空蒸着装置が有するもの
と同様の、基板Sを装填し(ロード室14)、成膜を終
了した基板を取り出す(アンロード室16)部位であ
る。なお、ロード室14に装填可能な基板Sの数、およ
び、アンロード室16が収容可能な基板Sの数は、1つ
でも、複数でもよい。また、ロード室14およびアンロ
ード室16と、真空チャンバ12との接合部には、基板
Sの装填や取り出し等のためにロード室14およびアン
ロード室16を大気開放した際に、真空チャンバ12内
の真空度を保つためのゲートバルブ14aおよび16a
が配置される。
【0016】基板搬送機構20は、基板Sをロード室1
4〜成膜位置(隔壁24の開口部24a)〜アンロード
室16に搬送するものである。さらに、基板搬送機構2
0の上には、基板Sを裏面(非成膜面)側から加熱する
ためのシースヒータ18が配置される。
【0017】基板搬送機構20は、一例として、ガイド
レール30と、基板ホルダ32と、図示しない搬送手段
とを有して構成される。ガイドレール30は、ロード室
14からアンロード室16に至る方向に延在して、ステ
ー等を用いた公知の手段によって真空チャンバ12内の
所定の位置に固定されている。基板ホルダ32は、基板
Sを保持すると共に、基板Sの成膜面におけるマスクを
兼ねる枠体で、ガイドレール30に載置され係合する車
輪34を有している。このような基板ホルダ32は、ガ
イドレール30に垂下された状態で保持/案内されて、
図示しない搬送手段によって、ロード室14からアンロ
ード室16に移動される。基板ホルダ32の移動手段に
は、特に限定はなく、ねじ伝動やラックアンドピニオン
等の公知の手段を利用すればよい。なお、前述のよう
に、図示例においては、基板Sは、ガラス基板等の透明
なものが用いられる。
【0018】隔壁24によって基板搬送機構20等と隔
てられた下方には、加熱蒸発部22が配置される。前述
のように、真空蒸着装置10は、臭化セシウムおよび臭
化ユーロビウムを成膜材料とし、これらを個々に加熱す
る二元の真空蒸着を行うものであり、加熱蒸発部22
は、セシウム蒸発部40(以下、Cs蒸発部40とす
る)と、ユーロビウム蒸発部42(以下、Eu蒸発部4
2とする)とを有する。なお、このような加熱蒸発部2
2は、基板Sのサイズ(基板搬送機構20による搬送方
向と直交方向(以下、幅方向とする)のサイズ)等に対
応して、必要に応じて、幅方向に複数有してもよく、ま
た、目的とする膜厚に応じて、前記搬送方向に複数有し
てもよい。
【0019】図2に、加熱蒸発部22の概念図を示す。
なお、図2において(A)は上面図(図1の上方から見
た図)を、(B)は正面図(図1と同方向から見た図)
を、それぞれ示す。また、Cs蒸発部40と、Eu蒸発
部42とは、基本的に同様の構成を有するので、同じ部
材には同じ符号を付し、個々の説明は、異なる部位につ
いて行う。
【0020】Cs蒸発部40およびEu蒸発部42は、
偏向型の電子銃44(以下、偏向銃44とする)および
材料供給手段46を有する。
【0021】偏向銃44は、各種の真空蒸着装置に利用
されているものと同様、成膜材料を蒸発するために、所
定の蒸発位置にエレクトロンビーム(EB)を入射す
る、加熱源で、図示例においては、矢印で示すように、
EBを180°偏向して蒸発位置に入射する180°偏
向銃を利用している。なお、本発明において、電子銃は
180°偏向銃に限定はされず、270°偏向銃、直進
銃、90°偏向直進銃等、各種の電子銃が利用可能であ
り、また、抵抗加熱を利用してもよい。中でも、制御性
等の点で、電子銃が好ましい。
【0022】また、本発明において、偏向銃44のエミ
ッション電流やEBの加速電圧にも限定はなく、成膜材
料や目的とする膜厚等に応じた十分なものであればよ
い。また、膜中における各成分の量比の調整は、通常の
二元の真空蒸着と同様に、各偏向銃44の出力で行えば
よい。図示例においては、一例として、EBの加速電圧
は−1kV〜−30kV、エミッション電流は、Cs蒸
発部40が50mA〜2A、Eu蒸発部42が10mA
〜500mAとするのが好ましい(後述するが、Csに
比して、Euの蒸着量は、極めて少ない)。なお、図示
例においては、両偏向銃44の出力は、後述する蒸発制
御部28によって制御される。
【0023】材料供給手段46は、所定の蒸発位置(偏
向銃44からのEBの照射位置)に成膜材料、すなわち
Cs蒸発部40においては臭化セシウムを、Eu蒸発部
42においては臭化ユーロビウムを、それぞれ供給する
ものである。図示例において、材料供給手段46は、シ
リンダ48と、ピストン50と、ケーシング52と、昇
降手段(モータ)54とから構成される。
【0024】シリンダ48は、その上端部がEBの照射
位置と一致するように、真空チャンバ12の下面を貫通
して一部が外部に突出した状態で、真空チャンバ12の
壁面に固定される円筒である。すなわち、図示例におい
ては、シリンダ48がいわゆるハースとなっており、そ
の上端部が材料の蒸発位置P(臭化セシウムの蒸発位置
Pc、臭化ユーロビウムの蒸発位置Pe)となる。ま
た、ピストン50は、シリンダ48内に緩く挿嵌される
円柱状のピストンヘッド50aと、先端にピストンヘッ
ド50aを固定するピストンピン50bとから構成され
る。ピストンピン50bには、ピストン50を昇降(図
中矢印a方向に移動)する昇降手段54が係合する。さ
らに、シリンダ50の開放端はケーシング52で覆われ
て真空チャンバ12内は気密に保たれ、かつ、ピストン
ピン50bは、図示しないベアリングによって、前記昇
降方向に往復動可能にケーシング52に気密に軸支され
る。
【0025】成膜材料は、シリンダ50の内径よりも若
干小径の円柱状に成形されて、ピストンヘッド50aに
載置された状態でシリンダ48内に収容される。基板へ
の成膜によって、蒸発位置の成膜材料が消費されると、
それに応じて、昇降手段54が駆動して成膜材料を上昇
する。これにより、シリンダ50の上面すなわち蒸発位
置には、常に、成膜材料が供給される。従って、加熱蒸
発部22を有する真空蒸着装置10によれば、複数の成
膜材料を用いた2元の真空蒸着で、かつ、200μmを
超えるような厚膜の成膜にも好適に対応することがで
き、前述の蛍光体シートの蛍光体層の真空蒸着による成
膜等を好適に行うことができる。
【0026】なお、図示例のようなCsBr:Euを蓄
積性蛍光体とする蛍光体層では、蓄積性蛍光体における
Eu/Csの量比は、例えば、モル濃度比で0.003
/1程度と大幅な差があり、ユーロビウムは不純物レベ
ルである。そのため、図示例においては、Cs蒸発部4
0に装填される臭化セシウムの量を、Eu蒸発部42に
装填される臭化ユーロビウムよりも多くしている。
【0027】膜厚測定手段26は、成膜された蛍光体層
中に含まれる蓄積性蛍光体を発光させて、その発光強度
から、蛍光体層の膜厚を測定して、結果を蒸発制御部2
8に供給する部位で、光源60と、光ファイバ62と、
光学フィルタ64と、測光/処理部66とを有して構成
される。
【0028】光源60は、所定波長のレーザ光(レーザ
ビーム)Lを所定位置に照射することにより、基板Sの
裏面側から成膜された蛍光体層にレーザ光Lを入射す
る。これにより、蛍光体層に含まれる蓄積性蛍光体(C
sBr:Eu)を励起して、Eu2+に起因する波長44
0nmの発光を生じさせる。レーザ光Lの波長には、特
に限定はなく、蛍光体層(生成した膜)に含まれる蛍光
体に応じて、蛍光体を発光させられる波長を、選択すれ
ばよい。なお、蛍光体によるレーザ光Lの吸収効率が高
過ぎると、蛍光体の発光が飽和して、膜厚と発光強度と
の間の相関が不適正になる場合も有り得る。従って、レ
ーザ光Lの波長は、このような点を考慮して、実験やシ
ュミレーション等を用いて、適宜、選択するのが好まし
い。図示例においては、光源60として、波長325n
m、出力100mWのHe−Cdレーザを用いている。
【0029】光ファイバ62は、レーザ光Lによる蛍光
体層の発光を測光/処理部66(光学フィルタ64)に
伝播するもので、一方の端部は、端面(入射面)を基板
に向けて光源60からのレーザ光Lの入射位置(蓄積性
蛍光体の励起位置)近傍に配置され、他方の端部の端面
(出射面)は、光学フィルタ64に接続している。な
お、光ファイバ62の入射面近傍には、必要に応じて、
発光光を集光するための集光ガイドを配置してもよい。
【0030】本発明の真空蒸着装置においては、このよ
うな励起/受光システムを、幅方向に、複数配置して、
基板Sの全面に対応して、発光強度の測定を行うのが好
ましい。なお、励起/受光システムの設置数は、多い
程、精度の点では好ましい反面、コスト的には不利にな
る。従って、設置数は、要求精度等に応じて、適宜、決
定すればよい。図示例においては、一例として、幅方向
に基板Sを均等に5分割するように5つの励起/受光シ
ステムを設置している。
【0031】光ファイバ62によって伝播された光は、
光学フィルタ64を介して、測光/処理部66に入射す
る。光学フィルタ64は、蛍光体の発光光のみを通過し
て、それ以外の余分な波長域の光をカットするフィルタ
である。図示例においては、蛍光体層が発光する波長4
40nmの光を測定するので、光学フィルタ64として
は、例えば、HOYA社製のB−410を用いればよ
い。
【0032】測光/処理部66は、各光ファイバ62で
伝播された光の光量を測光することで、蛍光体層の発光
強度を測定して、この発光強度から、蛍光体層の膜厚を
得て、蒸発制御部28に供給する部位である。測光/処
理部66には、発光強度(光ファイバ62からの入射光
量)と蛍光体層の膜厚との関係が、予め実験的に調べら
れ、テーブル化されてルックアップテーブル(LUT)
として記憶されている。測光/処理部66は、伝播され
た光の光量を、例えば、光電子増倍管によって測光す
る。次いで、前記LUTを参照して、この光量から、前
述の励起/受光システムの設置位置(幅方向の5箇所)
で成膜された蛍光体層の膜厚を得、蒸発制御部28に供
給する。なお、LUTに変えて、発光強度と蛍光体層の
膜厚との関係を示す関数を用いてもよい。
【0033】蒸発制御部28は、供給された膜厚の測定
結果に応じて、加熱蒸発部22における各偏向銃44の
出力を調整し、成膜材料(臭化セシウムおよび臭化ユー
ロビウム)の蒸発量を調整する。すなわち、膜厚が適正
範囲よりも厚い場合には、適正範囲との差分に応じて偏
向銃44の出力を低下し、逆に、薄い場合には、同差分
に応じて出力を向上する。また、幅方向に複数の加熱蒸
発部22が配置される場合には、各位置における膜厚の
差に応じて、それぞれの加熱蒸発部22毎に偏向銃44
の出力を調整してもよい。従って、本発明の真空蒸着装
置10によれば、蛍光体の特性を利用して、成膜中に膜
厚を測定しながら、測定結果に応じたフィードバックに
よって成膜材料の蒸発を調整できる。そのため、200
μmを超える厚膜であっても、均一かつ適正厚さの膜を
真空蒸着によって成膜でき、前述の蛍光体シートの蛍光
体層の成膜等も、好適に行うことができる。
【0034】図示例においては、成膜した蛍光体層に波
長325nmの紫外線を入射して、蓄積性蛍光体を発光
させたが、本発明はこれに限定はされず、蛍光体の発光
方法は、蛍光体の種類等に応じた、各種の方法が利用可
能である。例えば、図示例のような蓄積性蛍光体を含む
膜を成膜する場合であれば、紫外線による発光以外に
も、蓄積性蛍光体の特性を利用して、蛍光体層に所定量
の放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線
等)を照射して、放射線エネルギを蓄積させ、その後、
励起光(例えば、波長633nmのレーザ光)を照射す
ることにより、蛍光体層を輝尽発光させて、輝尽発光の
発光強度から膜厚を知見して、成膜を制御してもよい。
【0035】このような真空蒸着装置10によって、基
板Sに蛍光体層を成膜する際には、最初に、基板Sを基
板ホルダ32に保持して、ロード室14の所定位置に装
填する。なお、基板Sは、真空チャンバ12内におい
て、成膜面が下方に向くようにセットされる。成膜開始
が指示され、真空チャンバ14(ロード室14およびア
ンロード室16を含む)内の真空度が所定値に到達する
と、ゲートバルブ26を開放して、基板搬送機構20が
アンロード室16に向けて基板ホルダ32の搬送を開始
する。また、シースヒータ18は、基板搬送機構20に
よって搬送される基板Sを裏面から加熱する。ロード室
14に、新たな基板を装填する場合には、基板ホルダ3
2がロード室14から排出された時点で、ゲートバルブ
26を閉塞する。
【0036】基板S(その成膜領域)が隔壁24の開口
部24aに対応する位置の直前に搬送されたら、加熱蒸
発部22において、偏向銃44が駆動を開始して蒸発位
置PにEBを照射し、成膜材料(臭化セシウムおよび臭
化ユーロビウム)が蒸発されて、基板へのCsBr:E
uの蒸着すなわち蛍光体層の成膜が開始される。
【0037】さらに、基板Sの搬送方向の先端部が所定
の位置に至ると、光源60が駆動を開始して、レーザ光
Lを基板Sの裏面から成膜した蛍光体層に入射する。レ
ーザ光の照射によって生じた蛍光体層の発光光は、光フ
ァイバ62によって伝播され、光学フィルタ64によっ
て余分な波長領域が除去されて、測光/処理部66に入
射する。測光/処理部66は、入射した発光光の光量を
測定し、光量から前述のLUTを参照して膜厚を得、膜
厚の測定結果として蒸発制御部28に送る。蒸発制御部
28は、膜厚の測定結果に応じて、偏向銃44の出力を
調整し、成膜材料(臭化セシウムおよび臭化ユーロビウ
ム)の蒸発量を調整して、蛍光体層の膜厚を適正にす
る。
【0038】基板ホルダ32がさらに搬送され、基板S
の成膜領域が隔壁24の開口部24aから外れると、偏
向銃44を停止して、成膜を終了する。従って、基板ホ
ルダ32の搬送速度(すなわち成膜時間)、偏向銃44
の出力等は、成膜速度や成膜する膜厚に応じて、適宜、
設定すればよい。なお、本例においては、成膜速度は、
10nm/sec〜5000nm/secとするのが好
ましい。成膜を終了した基板を保持する基板ホルダ32
は、さらに搬送されて、アンロード室16に収容され
る。成膜を終了した基板を取り出す場合には、基板ホル
ダ32がアンロード室16に収容された時点で、ゲート
バルブ28を閉塞する。
【0039】図示例の真空蒸着装置10においては、基
本的に、ロード室14からアンロード室16に至る一回
の基板の搬送(ワンパス)によって成膜を終了するが、
本発明はこれに限定はされず、基板搬送機構20によっ
て基板を1回あるいは複数回往復搬送して、成膜を行っ
てもよい。
【0040】本発明は、図示例のようなロードロックタ
イプの真空蒸着装置10に限定はされず、各種の真空蒸
着装置の全てに利用可能である。例えば、1枚あるいは
複数枚の基板に成膜を行うバッチ式の真空蒸着装置であ
ってもよく、あるいは、1枚あるいは複数枚の基板を保
持して回転する回転ドーム(基板回転機構)等を用いる
真空蒸着装置であってもよい。また、図示例において
は、加熱蒸発部22が材料供給手段46を有している
が、本発明は、これに限定はされず、材料供給手段を有
さなくてもよい。さらに、図示例のような二元の真空蒸
着装置にも限定はされず、1つの成膜材料で真空蒸着を
行う一元の真空蒸着装置であってもよく、あるいは、3
種以上の成膜材料からの成膜が可能な、三元以上の真空
蒸着装置であってもよい。
【0041】以上の例では、一例として、蛍光体層の発
光強度から膜厚を知見して、これに応じたフィードバッ
クによって、両成分の蒸発量を制御することにより、膜
厚を調整している。しかしながら、本発明はこれに限定
はされず、真空蒸着による蛍光体を含む膜の成膜におい
て、膜(蛍光体)を励起した際の発光量に相関を有する
各種の要素に対応して、成膜状態を知見し、あるいはさ
らにフィードバック制御を行うことが可能である。例え
ば、図示例のような二元の真空蒸着において、発光量と
膜中における各成分の含有量とに相関がある場合には、
これを利用して、各成膜材料の蒸発量を制御して、膜の
成分コントロールを行ってもよい。これらは、例えば、
実験やシュミレーション等によって、予め、発光量と、
膜厚、含有成分比、成分含有量等との相関関係を知見
し、また、それに応じたフィードバックを行えばよい。
【0042】以上、本発明の真空蒸着方法および真空蒸
着装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施
例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろん
である。例えば、図示例においては、透明な基板Sを用
いて裏面から蛍光体層にレーザ光Lを入射したが、本発
明はこれに限定はされず、成膜面に直接レーザ光を入射
して、発光強度の測定を行ってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、蛍光体を含む膜の真空蒸着による成膜におい
て、蛍光体の発光を利用して膜厚等を測定しつつ、この
測定結果に応じたフィードバックによって成膜をコント
ロールすることができるので、200μmを超えるよう
な厚膜であっても、均一かつ適正な膜厚を有する高品位
な膜の成膜を安定して行うことができ、例えば、蛍光体
シートの製造における蛍光体層の成膜を好適に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真空蒸着装置の一例の概念図であ
る。
【図2】 図1の真空蒸着装置の加熱蒸発部の概念図で
あって、(A)は上面図、(B)は正面図である。
【符号の説明】
10 真空蒸着装置 12 真空チャンバ 14 ロード室 16 アンロード室 18 シースヒータ 20 基板搬送機構 22 加熱蒸発部 24 隔壁 26 膜厚測定手段 28 蒸発制御部 30 レール 32 基板ホルダ 34 車輪 40 Cs蒸発部 42 Eu蒸発部 44 偏向銃(偏向型の電子銃) 46 材料供給手段 48 シリンダ 50 ピストン 52 ケーシング 54 昇降手段 60 光源 62 光ファイバ 64 光学フィルタ 66 測光/処理部 S 基板
フロントページの続き (72)発明者 岩渕 康夫 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA30 AA55 BB17 BB30 CC31 FF41 GG05 GG21 HH12 JJ01 LL02 RR05 4K029 BA41 CA01 EA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空蒸着によって蛍光体を含有する膜を成
    膜するに際し、成膜した膜に含有される蛍光体を発光さ
    せ、その発光強度を測定することにより、成膜状態を知
    見することを特徴とする真空蒸着方法。
  2. 【請求項2】基板に成膜を行う真空蒸着装置であって、 真空蒸着によって成膜した膜が含有する蛍光体を発光さ
    せる発光手段と、前記発光手段による蛍光体の発光強度
    を測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に
    応じて、成膜を制御する制御手段とを有することを特徴
    とする真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】蒸着する蛍光体が、輝尽発光する蓄積性蛍
    光体であって、前記発光手段は、成膜した膜に紫外線を
    入射することにより、あるいは、成膜した膜に放射線を
    照射した後に励起光を入射することにより、成膜した膜
    が含有する蓄積性蛍光体を発光させる請求項2に記載の
    真空蒸着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003279326A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Univ Toyama 有機エレクトロルミネッセンス素子に使用される有機薄膜の膜厚測定法および測定装置

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