JP2003113699A - 可撓継手 - Google Patents

可撓継手

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Abstract

(57)【要約】 【課題】可撓継手の継手部の幅を大きくとらず、また外
水圧によって可撓止水部材がトンネル内に膨出するおそ
れがない可撓継手を提供する。 【解決手段】短筒状の可撓部材からなり外周側に膨出す
る一つの膨出部(3a)と内周側に膨出する一つの膨出
部(3b)とが断面S字形に連続して形成され、両膨出
部の外端部には取付端部(3c、3d)が連続して形成
された可撓止水部材(3)と、1対の暗渠(2,2’)
に固定され可撓止水部材(3)が取付けられる1対のリ
ング状枠体(4、5)とを備え、枠体(4)を鈍角に折
り曲げることによって継手の内側に向けて傾斜する傾斜
面部(4b)を形成し、枠体(5)を鈍角に折り曲げる
ことによって枠体(4)の傾斜面部(4b)よりも内周
側に継手の内側に向けて傾斜する傾斜面(5a)を形成
し、取付端部(3c)を傾斜面部(4b)に碇着部材に
より取付け、取付端部(3d)を傾斜面部(5a)に碇
着部材により取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路トンネル、上
下水道、農業用水道、工業用水道等の導水トンネル、共
同溝、地下道等の暗渠および開渠の可撓継手に関し、特
に道路トンネルおよび導水トンネルに適用して好適な可
撓継手に関する。
【0002】
【従来の技術】暗渠等の可撓継手として、従来図5の部
分断面図に示すような継手が知られている。この継手a
は、接続されるべき被接続体である暗渠b、bの対向す
る段部に取付けられた1対のリング状の枠体f、fの間
に収容され中央部に膨出部cを備えるゴム・合成樹脂等
からなる短筒状の可撓止水部材dの両端部をアンカーボ
ルトe、eにより枠体f、fを介して継手の軸線から見て
半径方向同一距離において暗渠端部に取り付けたもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の暗渠
の継手においては、対向する暗渠間の大きな伸縮変位に
追従するには可撓止水部材dの膨出部cは一つでは不充
分であるので、通常2つの膨出部cを設けており、この
ため継手の幅をその分大きくとらねばならない。このた
めこの継手を導水トンネルに使用する場合は、幅の広い
継手部において水流に乱流等が発生する可能性が大き
い。また可撓止水部材dの膨出部cは、通常の使用状態
において、トンネル外からの外水圧により継手の内周側
に膨出するが、図5のように膨出部が2つある場合は膨
出部cが図5中点線で示す位置に膨出し、水路内に突出
する場合が生じ、その結果円滑な水の流れを妨げるおそ
れがある。
【0004】またこの従来の継手を道路トンネルに使用
する場合は、継手部の中車輛などの通路となる部分は鉄
板等で覆ってその上を舗装するので、可撓止水部材dが
道路内に膨出するおそれはないが、この場合でも継手部
の幅が広いため鉄板等継手部を覆うための資材も多く必
要となり、鉄板の厚みも大きくしなければならず施工コ
ストが嵩むという問題がある。
【0005】本発明は上記従来の可撓継手の問題点にか
んがみなされたものであって、充分な伸縮変位量を有し
ながら可撓継手の継手部の幅を大きくとらず、また外水
圧によって可撓止水部材がトンネル内に膨出するおそれ
がない、道路トンネルや導水トンネルに好適な可撓継手
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】上記目的を達成する本発明の可
撓継手は、接続すべき1対の被接続体間に介装される継
手であって、ゴム・合成樹脂等からなる短筒状の可撓部
材からなり外周側に膨出する一つの膨出部と内周側に膨
出する一つの膨出部とが断面S字形に連続して形成さ
れ、両膨出部の外端部には取付端部が連続して形成され
た可撓止水部材と、該1対の被接続体に固定され該可撓
止水部材が取付けられる1対のリング状枠体とを備え、
該1対の被接続体の一方側に固定されるリング状枠体を
鈍角に折り曲げることによって該枠体の一部に継手軸線
から見て継手の内側に向けて傾斜する傾斜面を形成し、
該1対の被接続体の他方側に固定されるリング状枠体を
鈍角に折り曲げることによって該一方の枠体の傾斜面よ
りも内周側の該他方の枠体の一部に継手軸線から見て継
手の内側に向けて傾斜する傾斜面を形成し、該可撓止水
部材のいずれか一方の取付端部を該一方の枠体の傾斜面
に碇着部材により取付け、該可撓止水部材の他方の取付
端部を該他方の枠体の傾斜面に碇着部材により取付けた
ことを特徴とする。前記各傾斜面の継手軸線に対する傾
斜角は45°であることが好ましい。
【0007】
【作用】本発明によれば、1対のリング状枠体のそれぞ
れに継手軸線から見て継手の内側に傾斜する傾斜面をを
形成し、一方の傾斜面よりも内周側に他方の傾斜面を位
置させ、これらの傾斜面に可撓止水部材の両取付端部を
取付けたので、外水圧を受けた可撓止水部材は継手の半
径方向ではなく継手の半径方向に対して斜め方向に膨出
する。したがって、可撓止水部材が継手の半径方向に膨
出する従来の継手とくらべると、可撓止水部材の伸縮変
位量を同一とした場合に従来の継手では膨出部がトンネ
ル内に突出する場合でも本発明の継手においては膨出部
がトンネル内に突出しないように抑えることが可能とな
り、導水トンネルにおいて円滑な水の流れを確保するこ
とができる。
【0008】また、上記構成により可撓止水部材の両取
付端部の取付位置が継手の軸線から見て半径方向に異な
る位置にあるので、両取付端部の取付位置が半径方向同
一距離にある従来の継手に比べて継手の幅を減少させる
ことができる。したがって、導水トンネルにおいては継
手部における乱流等の発生が減少し、道路トンネルにお
いては鉄板等継手部を覆う資材を節約することができ
る。
【0009】また、可撓止水部材の取付位置である傾斜
面が半径方向に異なる上に両傾斜面が角度をなしている
ので(図示の実施形態では90°)取付ボルトの方向も
角度をなしており、施工時における取付ボルト周辺の施
工空間が充分に確保され、その結果施工性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。図1〜図4は本発明を導
水トンネル等の暗渠に適用した1実施形態を示すもの
で、図1は継手の部分断面図、図2は可撓止水部材の側
面図、図3は保護部材の斜視図、図4(a)は押さえ板
の側面図、(b)は斜視図である。
【0011】図1において図の上方は継手の内周側、下
方は外周側を示す。接続すべき被接続体である1対の円
筒状のコンクリート暗渠2、2’の間に介装される可撓
継手1は可撓止水部材3とこの可撓止水部材3が取付け
られる1対のリング状枠体4、5を備えている。
【0012】可撓止水部材3は、ゴム・合成樹脂等から
なる短筒状の可撓部材からなり、外周側に膨出する一つ
の膨出部3aと内周側に膨出する一つの膨出部3bとが
断面S字形に連続して形成され、両膨出部3a、3bの
外端部には取付端部3c、3dが連続して形成されてい
る。両取付端部3c、3dの枠体への取付側には図2に
示すように止水用突条6が周方向に形成されており、可
撓止水部材3の中央部には補強用の繊維シート7が埋設
されている。また、両取付端部3c、3dにはボルト挿
通孔3e、3fが周方向に所定の間隔で形成されてい
る。
【0013】1対のリング状枠体の中暗渠2側に固定さ
れた枠体4は、継手の軸線と垂直に半径方向外側に向け
て延長する垂直面部4aと、この垂直面部4aから継手
の内側に向けて135°の角度で折れ曲がって延長する
傾斜面部4bを備えている。したがって傾斜面部4bは
継手軸線から見て継手の内側に向けて45°の傾斜角で
傾斜している。枠体4は外周端部において継手の外側に
向けてさらに135°折れ曲がって垂直面部4cが形成
されている。この垂直面部4cの暗渠2側には水膨張ゴ
ム8がリング状に配設されている。
【0014】暗渠2’側に固定された枠体5は、内周側
において継手軸線から見て継手の内側に向けて45°の
傾斜角で傾斜する傾斜面部5aと、この傾斜面部5aか
ら135°の角度で折れ曲がって継手の軸線と垂直に半
径方向外側に延長する垂直面部5bを備えている。傾斜
面部5aは傾斜面部4bよりも継手の内周側に位置して
おり、傾斜面部4bに対して垂直に配置されている。垂
直面部5bの暗渠2’側には水膨張ゴム9がリング状に
配設されている。
【0015】枠体4、5の傾斜面部4b、5aにはアン
カーボルト挿通孔(図示せず)が所定の間隔で周方向に
形成されている。枠体4の垂直面部4cと枠体5の垂直
面部5bの間には発泡ゴム等からなる目地材10が介装
されている。
【0016】可撓止水部材3は取付端部3cにおいて枠
体4の傾斜面部4bに、取付端部3dにおいて枠体5の
傾斜面部5aにそれぞれ碇着部材により取付けられてい
る。
【0017】枠体4側の碇着部材は押え板12とアンカ
ーボルト13、ナット14からなり、枠体5側の碇着部
材は押え板12’とアンカーボルト13、ナット14か
らなる。
【0018】押え板12は、鋼材からなり、図4(a)
に拡大側面図、図4(b)に斜視図を示すように、頂面
が円弧状に形成された頭部12a、該頭部12aの一方
の端面から垂直方向に延長する板状の垂直部12b、お
よび該垂直部12bの頭部12aと反対側端部から垂直
部12bとT字形をなすようにして垂直部12bの両側
に水平方向に延長する板状の水平部12cを有するリン
グ状の部材を周方向に複数個に分割した形状を有し、垂
直部12bを貫通して複数のアンカーボルト挿通用のボ
ルト孔12dが枠体4のアンカーボルト挿通孔に対応す
る位置に形成されている。頭部12aの垂直部12bに
接しない部分と水平部12cの対応する端部との間には
凹部11が形成されている。
【0019】押え板12’は、押え板12における頭部
12aの垂直部12bに接しない部分に対応する水平部
12cの一端部が存在せず、したがって凹部11が存在
しない以外は押え板12と同一形状である。
【0020】可撓止水部材3を枠体4、5取付けるに
は、暗渠2、2’のコンクリートを打設する前に、枠体
4、5の傾斜面部4b、5aの各アンカーボルト挿通孔
にアンカーボルト13を挿通し、止水のためにボルト部
13aを傾斜面部4b、5aの暗渠側の面に溶接する。
【0021】次に可撓止水部材3の取付端部3c、3d
のアンカーボルト挿通孔3e、3fにアンカーボルト1
3を挿通するようにして可撓止水部材3を配置する。次
いで枠体4側においては、押え板12をその凹部11が
継手内周側に面するようにして可撓止水部材3の上に配
置し、ボルト孔12dにアンカーボルトを挿通する。
【0022】可撓止水部材保護部材15は発泡ゴム等弾
性を有する材料からなり、図3の斜視図に示すように、
押え板12の凹部11に嵌合し得る寸法と形状を有する
板状のもので、押え板12のボルト孔12dに対応する
位置にアンカーボルト挿通用のボルト孔15aが形成さ
れている。可撓止水部材3のボルト取付孔をアンカーボ
ルト13に挿入し、次いで押え板12をはめ込んだ後、
アンカーボルト13にナット14を締め付けることによ
って可撓止水部材3の取付端部3cを枠体4の傾斜面部
4bに固定する。次いで押え板12を締め付けたナット
14に可撓止水部材保護部材15のボルト孔15aを挿
入し、押え板12の凹部11に可撓止水部材保護部材1
5を取付ける。この可撓止水部材保護部材15は可撓止
水部材3が圧縮変位した場合にボルト頭部に接触して傷
つけられることを防止する。
【0023】枠体5側においても、可撓止水部材保護部
材15の取付を省略する以外は、枠体4側と同様の施工
方法で可撓止水部材3の取付端部3dを傾斜面部5aに
取付ける。
【0024】可撓止水部材3は相互に角度をなして設置
された傾斜面部4b、5aに取り付けられるので、アン
カーボルト13にナット14を締め込む作業は可撓止水
部材3の内周面側のみにおいて行なうことができ、施工
性がよい。
【0025】次に暗渠2、2’のコンクリートを打設す
ることにより枠体4、5を暗渠2、2’に固定し継手1
の施工を完了する。枠体4、5の折曲がり部は鈍角に折
れ曲がっているので、コンクリート打設に際してコンク
リートの流れが良く、図5に示す従来の継手のように折
曲がり部が直角に折れ曲がっている構成にくらべて空気
溜りの発生を防止することができ、止水性を向上させる
ことができる。水膨張ゴム8、9は折曲がり部における
止水をさらに完全にするものである。
【0026】次にこの継手1の動作について説明する。
施工後通常の使用状態において外水圧が作用すると、可
撓止水部材3は図1中破線で示すように内周側に半円形
に膨出するが、傾斜面部5aにおける取付端部3dの取
付位置は傾斜面部4bにおける取付端部3cの取付位置
よりも内周側に位置するので、外水圧を受けた可撓止水
部材3は継手の半径方向ではなく継手の半径方向に対し
て45°の斜め方向に膨出する。また可撓止水部材3の
取付位置を調節することにより、可撓止水部材3は暗渠
2、2’の内周面2a、2’aよりも内周側に突出する
ことはない。
【0027】また、地震等による地盤の変化により暗渠
2、2’が相互に接近または離間する方向またはせん断
方向に変位する場合には、可撓止水部材3はその変位に
追随して伸縮変位することによりこのような暗渠間の相
対変位に対応することができる。
【0028】上記の説明は暗渠の断面形状が円形のもの
についてなされたが、暗渠の形状は円形にかぎるもので
はなく、正方形、矩形、多角形、馬蹄形、楕円形等他の
形状であってもよい。
【0029】また、本発明は暗渠にかぎらず、開渠にも
適用することができるものである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、1
対のリング状枠体のそれぞれに継手軸線から見て継手の
内側に傾斜する傾斜面をを形成し、一方の傾斜面よりも
内周側に他方の傾斜面を位置させ、これらの傾斜面に可
撓止水部材の両取付端部を取付けたので、外水圧を受け
た可撓止水部材は継手の半径方向ではなく継手の半径方
向に対して斜め方向に膨出する。したがって、可撓止水
部材が継手の半径方向に膨出する従来の継手とくらべる
と、可撓止水部材の伸縮変位量を同一とした場合に従来
の継手では膨出部がトンネル内に突出する場合でも本発
明の継手においては膨出部がトンネル内に突出しないよ
うに抑えることが可能となり、導水トンネルにおいて円
滑な水の流れを確保することができる。
【0031】また、上記構成により可撓止水部材の両取
付端部の取付位置が継手の軸線から見て半径方向に異な
る位置にあるので、両取付端部の取付位置が半径方向同
一距離にある従来の継手に比べて継手の幅を減少させる
ことができる。したがって、導水トンネルにおいては継
手部における乱流等の発生が減少し、道路トンネルにお
いては鉄板等継手部を覆う資材を節約することができ
る。
【0032】また、可撓止水部材の取付位置である両傾
斜面が半径方向に異なる上に両傾斜面が角度をなしてい
るので(図示の実施形態では90°)取付ボルトの方向
も角度をなしており、施工時における取付ボルト周辺の
施工空間が充分に確保され、その結果施工性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態にかかる継手の部分断面図
である。
【図2】可撓止水部材の側面図である。
【図3】可撓止水部材保護部材の斜視図である。
【図4】(a)は押さえ板の側面図、(b)は斜視図で
ある。
【図5】従来の可撓継手の部分断面図である。
【符号の説明】
1 可撓継手 2、2’ 暗渠 3 可撓止水部材 4、5 枠体 12 押え板 13 アンカーボルト 14 ナット 15 可撓止水部材保護部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接続すべき1対の被接続体間に介装される
    継手であって、ゴム・合成樹脂等からなる短筒状の可撓
    部材からなり外周側に膨出する一つの膨出部と内周側に
    膨出する一つの膨出部とが断面S字形に連続して形成さ
    れ、両膨出部の外端部には取付端部が連続して形成され
    た可撓止水部材と、該1対の被接続体に固定され該可撓
    止水部材が取付けられる1対のリング状枠体とを備え、
    該1対の被接続体の一方側に固定されるリング状枠体を
    鈍角に折り曲げることによって該枠体の一部に継手軸線
    から見て継手の内側に向けて傾斜する傾斜面を形成し、
    該1対の被接続体の他方側に固定されるリング状枠体を
    鈍角に折り曲げることによって該一方の枠体の傾斜面よ
    りも内周側の該他方の枠体の一部に継手軸線から見て継
    手の内側に向けて傾斜する傾斜面を形成し、該可撓止水
    部材のいずれか一方の取付端部を該一方の枠体の傾斜面
    に碇着部材により取付け、該可撓止水部材の他方の取付
    端部を該他方の枠体の傾斜面に碇着部材により取付けた
    ことを特徴とする可撓継手。
  2. 【請求項2】前記各傾斜面の継手軸線に対する傾斜角は
    45°であることを特徴とする請求項1記載の可撓継
    手。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007092305A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Seibu Polymer Corp 暗渠の耐水圧可撓継手
JP2014228071A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 西武ポリマ化成株式会社 既設可撓管の外面補強構造
JP2015214852A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 西武ポリマ化成株式会社 大沈下用可撓止水継手及びそれを用いた目地の耐震補強方法
JP2016075108A (ja) * 2014-10-08 2016-05-12 西武ポリマ化成株式会社 目地材およびその取付構造

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