JP2003118022A - 耐貫通性を向上させた港湾用シート - Google Patents

耐貫通性を向上させた港湾用シート

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JP2003118022A
JP2003118022A JP2001314538A JP2001314538A JP2003118022A JP 2003118022 A JP2003118022 A JP 2003118022A JP 2001314538 A JP2001314538 A JP 2001314538A JP 2001314538 A JP2001314538 A JP 2001314538A JP 2003118022 A JP2003118022 A JP 2003118022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維製シートが本来備える特性の低下を最小
限としつつ、港湾での土木工事で砕石等と接触する用途
において十分な耐久性を持つ港湾用シートを提供する。 【解決手段】 透水性を備えた繊維製シートと、該シー
トの少なくとも片面若しくは内層に設けられて耐貫通性
を向上させる樹脂及び/又は金属からなる不連続保護層
と、からなる港湾用シートである。不連続保護層がシー
ト面積の10〜95%の範囲で設けられ、透水性が10
−3cm/sec以上であり、また、隣接する2つの保
護層間の繊維部分の最大幅Wが、W < 2・T・tan
(θ/2)を満足することが好適である(Tは繊維製シ
ートの厚み、θは港湾用シートに接触する砕石等の接触
物の平均頂角)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、港湾での土木工事
において、砕石等と土砂等との間を分離したり、あるい
は砕石等から遮水シート等の構造材を保護するために用
いられる港湾用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】港湾での土木工事においては、不織布な
どの繊維製シートが、その分離・保護機能を活かして、
吸出し防止用シート、海洋処分場等での保護マット、埋
立地等での防砂シート、軟弱路床での舗装用分離シート
などに使用されている。
【0003】しかしながら、繊維製シートは、強い圧力
で砕石等が押し付けられた場合の耐久性に問題があり、
特に海洋処分場では大きなサイズの砕石等を使用するこ
とから、その工事施工中、あるいは供用後に繊維製シー
トが部分的に貫通され、分離機能の消失、もしくは被保
護材への傷の要因へと結びつき、設計時の効果が失われ
る状況へと発展してしまう。そのため、一般には、構成
する繊維重量を増したり、他の材料との複合、加工等に
より補強を行っているが、それらは繊維製シート全体に
加工、複合することが基本であり、これまで期待された
透水性能、地盤変形への追随性が失われることが多く、
ほんの一部分のみ使用されてきただけであった。
【0004】例えば、特開2000−158572等に
開示されたシート表面全体に樹脂層を複合したもので
は、十分な耐候性を発揮するためには50〜100g/
の樹脂が必要であり、また、シート表面全体に樹脂
を積層するために特殊な樹脂を用いない限り透水性が悪
化したり、あるいはまた地盤変形への追随性が悪化する
等、繊維製シートが本来持っていた特性を低下させる等
の問題があった。また、表面保護機能を向上させるもの
としては、ネット等と不織布等を複合させ、砕石等との
接触による破損防止とした製品もあったが、ネットと不
織布の特性の違いから、施工後に剥離したり、変形追随
性が失われるといった問題があった。一方、繊維製シー
ト表面を保護した製品としては、特開平11−2565
46のように自然石を二分した石塊を表面に張りつけた
ものもあるが、接触する砕石等での割れの問題や、製品
の重量が重いこと、加工及び施工性の問題から、小さな
パネル状景観材料としてのみしか使用できなかった。ま
た、どちらもシート全体に加工を施すものであり、巻き
取り性に大きく影響を与え、限られた作業船上では使用
することが難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決すべくなされたものであり、繊維製シートが本来
備える特性の低下を最小限としつつ、港湾での土木工事
で砕石等と接触する用途において十分な耐久性を持つ港
湾用シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の港湾用シート
は、透水性を備えた繊維製シートと、該シートの少なく
とも片面若しくは内層に設けられて耐貫通性を向上させ
る樹脂及び/又は金属からなる不連続保護層と、から構
成されたものである。
【0007】かかる本発明の港湾用シートであると、繊
維製シートに設けた上記保護層により砕石等に対する耐
貫通性が向上する。また、かかる保護層を不連続保護層
として設けたので、保護層の存在しない不連続部で、透
水性能や地盤変形への追従性といった繊維製シート本来
の特性を発揮することができ、施工性を確保することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0009】本発明で使用する透水性を備えた繊維製シ
ートとしては、織物、編物、不織布、フェルトなどの長
繊維や短繊維からなる布状繊維材が用いられる。構成す
る繊維としては、例えばポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂若しく
はこれらの誘導体からなる合成繊維、反毛などの天然繊
維、ガラス繊維などの無機繊維が挙げられ、これらは1
種単独で用いても2種以上併用してもよい。また、繊維
製シートとしては、上記布状繊維材にプラスチックフィ
ルムやシート等の他の材料が複合されたものを用いるこ
ともできる。なお、繊維製シートの透水性は特に限定さ
れないが、10−3cm/sec以上であることが好適
である。
【0010】保護層を構成する樹脂としては、繊維製シ
ートの耐貫通性を向上させるものであれば特に限定する
ことなく用いることができ、例えばABS樹脂、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン等
の熱可塑性樹脂、アスファルト等の他の石油製品、繊維
や砂等で補強されたプラスチック、ウレタンやエポキ
シ、アクリル等の一般に接着剤として使用される材料な
どが挙げられる。保護層と上記繊維製シートについて、
共に熱可塑性樹脂を用いる場合、両者は同じ熱可塑性樹
脂にて構成してもよく、また異なる熱可塑性樹脂を組み
合わせてもよい。
【0011】保護層を構成する金属としても、繊維製シ
ートの耐貫通性を向上させるものであれば特に限定する
ことなく用いることができ、例えば鉄等を主成分とする
ステンレス、アルミニウムを主成分とするハイブリッド
材料、チタン材料等が挙げられる。
【0012】保護層は、樹脂又は金属のいずれか一方で
構成してもよく、また、両者を組み合わせて使用し相乗
効果を得ることもできる。
【0013】保護層は、繊維製シートに不連続的に設け
られる。不連続とは、所定の形状をなす複数の保護層が
互いに連結されることなく独立して配設されていること
を意味する。例えば、図1に示す例では、同一形状を持
つ矩形の保護層が縦横に一定の間隔をあけて碁盤の目状
に並設されている。保護層の形状は、巻き取り性を重視
して、シートの幅方向に長い楕円型、トラック型にする
ことも良好である。また、保護層は全て同一形状である
必要はなく、複数の形状を組み合わせて設けることもで
きる。
【0014】不連続保護層を繊維製シートに設ける方法
としては、所定形状の樹脂板や金属板を、接着剤を用い
て接着したり、融着させたりする方法が挙げられる。ま
た、樹脂液を不連続的に塗布し固化させることにより形
成することもできる。
【0015】不連続保護層は、図1(b)に示すように
繊維製シートの片面に設けても、あるいはまた両面に設
けてもよい。また、砕石等と保護層が接触することを避
ける場合には、繊維製シートの内層、即ち繊維層間の中
間に保護層をサンドイッチすることも有効である。その
場合、サンドイッチする繊維製シートは、その必要な特
性から例えば不織布と織布を混用、即ち不織布と織布の
間に保護層をサンドイッチすることもできる。
【0016】かかる不連続保護層は、シート面積の10
〜95%の範囲で設けられていることが好適である。保
護層による被覆部分を全面積の10〜95%としたの
は、10%未満の場合には保護層による保護機能を十分
に発揮できないからであり、また95%を越えると、巻
き取り性を損ない、また地盤変形への対応等でシートの
変形し易さに影響を与え、繊維製シート本来の機能が失
われるからである。保護層による被覆比率はより好まし
くは30〜80%、更に好ましくは50〜70%であ
る。なお、上記の保護層による被覆比率は、港湾用シー
トの施工時もしくは使用中での値であり、保護層が海中
で部分的溶解する場合や、港湾用シートにかかる応力等
により保護層が意図的に不連続化する場合も含まれる。
【0017】本発明の港湾用シートにおいては、その透
水性が10−3cm/sec以上であることが好適であ
る。これは、石、砂混じり層の透水性が最低10−3
m/sec程度であり、それらの層と同レベルの透水性
を有することで、本発明シートの前後に異常な水、塩水
の滞留を防ぐことができるからである。また、海洋で使
用する際に海中に沈めるのに特に問題は発生しない。透
水性の設定は、繊維製シートの透水性や、保護層による
被覆率などを調整することにより行うことができる。
【0018】本発明の港湾用シートにおいては、隣接す
る2つの保護層間の繊維部分(表面保護されていない繊
維部分)の最大幅Wが下記式(1)を満足するように設
定することが好適である。
【0019】 W < 2・T・tan(θ/2) … (1) ここで、Tは繊維製シートの厚み、θは港湾用シートに
接触する砕石等の接触物の平均頂角である。
【0020】式(1)は接触する砕石等がシートを貫通
しない条件である。すなわち、基布である繊維製シート
や保護層の樹脂等に変形が無い場合において、図2に示
すように、先端角度θの石等で保護層間の最小隙間Wの
中央を狙ったとき、その先端部の貫入深さは1/2・W
・tan−1(θ/2)となる。繊維製シートの厚さが
この計算値より大きい場合、仮に未保護部に砕石突起が
当たり、反対面に貫通しようとしても繊維層の厚さ内で
停止できる。よって、逆算し、保護されていない部分の
最大隙間W<2Ttan(θ/2)を満足することで、
耐貫通性を確保することができる。
【0021】本発明の港湾用シートは、港湾での土木工
事において砕石等の鋭利な角部を持つ物体と接触する箇
所に効果的に用いられるものであり、例えば吸出し防止
工法、海洋処分場等での保護マット、汚濁防止幕、砕石
等が混入する埋立地、軟弱路床での舗装用分離シート工
法等で用いられる。
【0022】本発明のシートを、港湾用防砂シートや、
海洋処分場における遮水シートのための保護マットとし
て用いる場合、上記の繊維製シートとしては、短繊維不
織布、長繊維不織布、反毛フェルトなどの不織布製品を
含むものであることが好適である。また、海中では塩害
による腐食の関係から、金属でも耐久性のあるもの若し
くは樹脂製の保護層が好ましい。
【0023】また、海洋処分場において遮水2重シート
のための保護マットとして用いる場合、本発明のシート
は、遮水2重シート上の表層マットとして使用してもよ
く、また、遮水2重シートの中間層や最下層に配する保
護マットとして使用することもできる。表層マットとし
て用いる場合、遮光性、耐久性を有する保護層を使用す
ることもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、本
発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0025】(実施例1)基布となる繊維製シートとし
て長繊維不織布を使用した。詳細には、極限粘度が0.
64のポリエチレンテレフタレートを孔径0.25φの
紡糸口金から吐出し、エアーサッカーを用いて紡糸速度
4500m/分で牽引後にネット上へ捕集させ、得られ
たウェブに1cm当たり90個のニードルパンチを施
して、単糸デニール3.3デシテックス、目付500g
/m,厚さ5mmの長繊維不織布を得た。
【0026】不連続保護層を形成する保護材として30
mm角の厚さ1mmの正方形のABS樹脂板を用い、上
記で得られた長繊維不織布の片面に、図1に示すように
該保護材を互いに5mmの隙間を空けてエポキシ系接着
剤で固定して、港湾用シートを得た。
【0027】(実施例2)不連続保護層を形成する保護
材として25mm角の厚さ0.5mmの正方形のアルミ
ニウム板を用い、上記実施例1の長繊維不織布の片面に
該保護材を互いに3mmの隙間を空けて実施例1と同様
に接着剤で固定して、港湾用シートを得た。
【0028】(実施例3)上記実施例1において保護材
の配設隙間を10mmとし、その他は同様にして、港湾
用シートを得た。
【0029】(比較例1)上記実施例1の長繊維不織布
の片面全体に、厚さ1mmのABS樹脂シートをエポキ
シ系接着剤で固定して、港湾用シートを得た。
【0030】(比較例2)上記実施例1において保護材
の配設隙間を100mmとし、その他は同様にして、港
湾用シートを得た。
【0031】上記で得られた各港湾用シートについて、
5%伸張時応力、透水性を測定するとともに、砕石評
価、現場施工性の評価を行った。結果を下記表1に示
す。
【0032】透水性は、JIS A 1218法で測定し
た。
【0033】砕石評価は、30cm角のアルミ製容器内
に砕石を10cm並べ、その上に港湾用シートを置き、
さらに砕石を10cm並べて、その上に鉄板を置き、上
部からエアー圧で20t/mとなるように調整し、1
時間放置後にシートを取り出して、目視にて孔の有無を
確認した。使用した砕石は2号砕石であり、使用した砕
石の平均頂角は87度であった。平均頂角は、使用前の
砕石を20個採取し、木枠に押し付けて頂部(即ち、各
砕石で最も鋭利な角部)中央が1cm以上離れない状況
で固定し、分度器で測定して、20個の平均値を求め
た。この平均頂角及び繊維製シートの厚みを上記式
(1)に当てはめて繊維部分の最大幅Wを求めたとこ
ろ、W<9.5mmであった。
【0034】現場施工性の評価は、1×2mの各港湾用
シートをミシン縫製し、2m角に加工し、その周りを鉄
枠で固定後に、柔らかな砂地盤上に敷設し、上部に砕石
50cm置き、3日放置後にとりだして縫製部の破損状
態を観察した。比較例1以外は特に問題はなかったが、
比較例1では、砂地盤の変形に対する追従性が低く、縫
製糸が部分的に切れて港湾用シートの機能を失ってい
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維製シート自身の特性を失うことなく、接触する砕石
等からの破損なしに使用できる港湾用シートが得られ
る。特に、大きな負荷が予想される海洋処分場用保護マ
ットとして鋭利な埋立材料から遮水シートを長期に保護
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る港湾用シー
トの平面図、(b)はその断面図である。
【図2】同港湾用シートの一部拡大断面略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D018 DA03 4F100 AB01B AK01B AK42 AK53G AK74 AT00B BA02 CB02 DC11B DC21B DG06A DG15A GB07 JD05 JD05A JK01 JK01B YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透水性を備えた繊維製シートと、該シート
    の少なくとも片面若しくは内層に設けられて耐貫通性を
    向上させる樹脂及び/又は金属からなる不連続保護層
    と、からなる港湾用シート。
  2. 【請求項2】前記不連続保護層がシート面積の10〜9
    5%の範囲で設けられたことを特徴とする請求項1記載
    の港湾用シート。
  3. 【請求項3】透水性が10−3cm/sec以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の港湾用シート。
  4. 【請求項4】隣接する2つの保護層間の繊維部分の最大
    幅Wが下記式を満足することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の港湾用シート。 W < 2・T・tan(θ/2) (ここで、Tは繊維製シートの厚み、θは港湾用シート
    に接触する砕石等の接触物の平均頂角である。)
  5. 【請求項5】前記繊維製シートが不織布からなり、港湾
    用防砂シートとして用いられる請求項1〜4のいずれか
    に記載の港湾用シート。
  6. 【請求項6】前記繊維製シートが不織布からなり、海洋
    処分場における遮水シートのための保護マットとして用
    いられる請求項1〜4のいずれかに記載の港湾用シー
    ト。
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JP2019081133A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 東洋建設株式会社 遮水構造
JP2022020156A (ja) * 2020-07-20 2022-02-01 株式会社大林組 保護マットの選定支援方法

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