JP2003120761A - 歯車、減速歯車機構及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

歯車、減速歯車機構及び電動式パワーステアリング装置

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JP2003120761A
JP2003120761A JP2001322303A JP2001322303A JP2003120761A JP 2003120761 A JP2003120761 A JP 2003120761A JP 2001322303 A JP2001322303 A JP 2001322303A JP 2001322303 A JP2001322303 A JP 2001322303A JP 2003120761 A JP2003120761 A JP 2003120761A
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Masahiko Shiina
晶彦 椎名
Noritake Okawa
憲毅 大川
Mitsuharu Minami
光晴 南
Masashi Kuze
真史 久世
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外周に歯を有する環状部材が芯部材に結合さ
れた後で特別の加工を行うことなく、望ましい空所を簡
易に得ることができるようにする。 【解決手段】 合成樹脂製の環状部材12と該環状部材
12の内側に嵌合された芯部材13との嵌合部14に、
環状部材12の膨張によるラジアル方向への体積増加を
抑制すべき空所4を設け、前記環状部材12を前記芯部
材13に融着することにより、望ましい空所4を簡易に
得ることができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周に歯を有する
合成樹脂よりなる環状部材の内側に芯部材が嵌合された
歯車、該歯車を備える減速歯車機構、及び該減速歯車機
構を備える電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の減速歯車機構及び電動式パ
ワーステアリング装置の構成を示す断面図である。電動
式パワーステアリング装置は、操舵輪100に連結され
る入力軸101と、該入力軸101にトーションバー1
02を介して連結される出力軸103と、操舵輪100
を操舵することによって入力軸101に加わる回転トル
クを前記トーションバー102に生じる捩れによって検
出するトルクセンサ104と、該トルクセンサ104が
検出した操舵トルクに基づいて駆動される操舵補助用の
モータ(不図示)とを備え、該モータの回転を減速歯車
機構106を介して前記出力軸103及び該出力軸10
3に連結される伝達手段(不図示)を介して舵取機構
(不図示)に伝達するように構成されている。
【0003】減速歯車機構106は前記モータ105の
回転に連動するウォーム107と、該ウォーム107に
噛合するウォームホイール108とを備えている。ウォ
ームホイール108は、前記ウォーム107に噛合する
歯を外周に有する合成樹脂製の環状部材109と、該環
状部材109の内側に嵌合された金属製の芯部材110
とを備え、該芯部材110が前記出力軸103に支持さ
れ、ウォーム107との噛合による騒音を小さくするよ
うにしてある。環状部材109は予め形成された前記芯
部材110を射出成形型にインサートとして収容配置
し、溶融された合成樹脂を芯部材110の外側周囲に射
出することにより成形し、芯部材110と一体に結合し
てある。
【0004】ウォーム107は、前記入力軸101及び
出力軸103の軸芯と交叉するように配置され、一対の
転がり軸受(不図示)を介してハウジング113の嵌合
孔内に支持されており、ウォームホイール108を支持
した出力軸103は一対の転がり軸受114,115を
介してハウジング113内に支持されており、ウォーム
107及びウォームホイール108のラジアル方向及び
アキシアル方向への移動が阻止されている。
【0005】このようにウォーム107及びウォームホ
イール108が用いられた減速歯車機構、電動式パワー
ステアリング装置にあっては、ウォーム107及びウォ
ームホイール108の噛合部に適宜のバックラッシュ量
を設けてウォーム107及びウォームホイール108を
スムースに回転させるようにしてある。このバックラッ
シュ量が大きいときは歯打ち音が発生し、該歯打ち音が
自動車の室内に洩れることになり、また、噛合部のバッ
クラッシュ量が小さいときは負荷が大きくなり、ウォー
ム107及びウォームホイール108を円滑に回転させ
ることができなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電動
式パワーステアリング装置は、ウォーム107及びウォ
ームホイール108のラジアル方向への移動が阻止され
ており、ウォーム107及びウォームホイール108の
回転中心間距離が固定されているため、雰囲気温度が高
くなり、減速歯車機構106の温度が例えば80〜14
0℃の高温になったとき、又は、減速歯車機構106周
りの湿度が比較的高くなったとき、噛合い詰まりが発生
することになり、改善策が要望されていた。
【0007】発明者はこの噛合い詰まりの原因を追及し
た結果、環状部材109及び該環状部材109の内側に
嵌合された芯部材110を有するウォームホイール10
8の環状部材109は合成樹脂製であり、芯部材110
とウォーム107とは金属製であり、何れも材質の線膨
張係数が異なるにも拘らず、線膨張係数を考慮すること
なく、個々の部品が許容寸法となるように加工されてい
るため、組み立てるときの室温及び湿度においてバック
ラッシュ量が適正であったものが、雰囲気温度等による
減速歯車機構106の温度上昇によって合成樹脂製の環
状部材109が金属製の芯部材110及びウォーム10
7に比べて大きく膨張し、該環状部材109のラジアル
方向外方への体積が増加し、噛合い詰まりが発生するこ
とを見出した。
【0008】本発明の出願人は斯かる知見に基づいて前
記環状部材109、又は、前記芯部材110の外周に、
前記環状部材109の膨張によるラジアル方向への体積
増加を抑制すべき空所を設け、噛合い詰まりを抑制し得
るようにした電動式パワーステアリング装置を先に提案
した(特願2001−232498)。
【0009】しかしながら、ウォームホイール108は
前記したように芯部材110を射出成形型にインサート
として収容配置し、溶融された合成樹脂を芯部材110
の外側周囲に射出することにより前記環状部材109が
成形され、該環状部材109が芯部材110と一体に結
合されるため、この結合後に特別の加工を行うことなく
前記空所を得るには、該空所の形状及び配設箇所が制約
されることになり、望ましい空所を得ることが難しかっ
た。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、環状部材が芯部材に結合された後で特別の加工
を行うことなく、望ましい空所を簡易に得ることができ
る歯車、該歯車を備える減速歯車機構、及び電動式パワ
ーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る歯車は、
外周に歯を有する合成樹脂よりなる環状部材と、該環状
部材の内側に嵌合される芯部材とを備えた歯車におい
て、前記環状部材と芯部材との嵌合部、又は、環状部材
の嵌合部の近傍に空所を有しており、前記環状部材が前
記芯部材に融着されていることを特徴とする。
【0012】第1発明にあっては、雰囲気温度等による
歯車の温度上昇、湿度上昇によって環状部材が膨張し、
ラジアル方向への体積が増加するとき、前記空所が狭く
なり、膨張による体積増加の一部を空所によって吸収す
ることができる。この結果、ラジアル方向外方への体積
増加を空所によって抑制でき、この体積増加による噛合
い詰まりをなくし得る。また、体積増加によっても前記
空所があまり狭くならない場合、別の歯車との噛合によ
って前記空所と歯面との間部分を空所の方向に撓ませる
ことが可能であるため、体積増加による噛合い詰まりを
なくし得る。さらに、環状部材と芯部材とが結合される
前に前記空所となるべき凹みが環状部材及び/又は芯部
材に設けられているため、環状部材が芯部材に結合され
た後で特別の加工を行うことなく、望ましい空所を簡易
に得ることができ、しかも、融着によって環状部材と芯
部材とを簡単に結合することができる。
【0013】第2発明に係る歯車は、前記芯部材は嵌合
部に前記環状部材の融着された部分が入り込む凹部を有
していることを特徴とする。第2発明にあっては、環状
部材の融着された部分が芯部材の凹部に入り込んでいる
ため、環状部材と芯部材との結合強度をより一層大きく
することができる。
【0014】第3発明に係る歯車は、前記芯部材は嵌合
部に前記空所を有していることを特徴とする。第3発明
にあっては、環状部材の製作が容易である。
【0015】第4発明に係る歯車は、前記環状部材は嵌
合部に前記空所を有していることを特徴とする。第4発
明にあっては、環状部材の内側から歯底までの厚さを比
較的小さくすることができ、しかも、前記空所となるべ
き凹みを潰すことなく環状部材と芯部材とを融着によっ
て簡単に結合することができる。
【0016】第5発明に係る歯車は、前記環状部材と芯
部材との嵌合部は回転中心に対して傾斜するテーパとし
てあることを特徴とする。第5発明にあっては、前記嵌
合部の軸長方向への相対移動を規制することができ、さ
らに、前記嵌合部の面圧を高め得るため、摩擦融着法、
スピン融着法、振動融着法等、高周波誘導加熱法に比べ
て簡易な融着法によって環状部材と芯部材とを結合する
ことができる。
【0017】第6発明に係る歯車は、前記芯部材は前記
テーパの大径端に前記環状部材の一側面に当接する鍔を
有していることを特徴とする。第6発明にあっては、環
状部材が融着されるときにおいても、前記嵌合部の軸長
方向への相対移動を規制することができるため、摩擦融
着法等の簡易な融着法によって結合する場合においても
軸長方向の位置ずれを少なくすることができる。
【0018】第7発明に係る減速歯車機構は、外周に歯
を有する大歯車と、該大歯車に噛合する小歯車とを備え
た減速歯車機構において、前記大歯車は請求項1乃至6
の何れかに記載された歯車であることを特徴とする。
【0019】第8発明に係る電動式パワーステアリング
装置は、請求項7に記載された減速歯車機構と、前記小
歯車に連結された操舵補助用のモータと、該モータの回
転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機構に伝達する伝達
手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】第7発明及び第8発明にあっては、第1発
明から第6発明の何れかと同様となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る歯車の実施の形態1の一部切欠正面
図、図2は図1のII−II線の拡大断面図、図3は芯部材
の一部を拡大した側面図である。この歯車1はモータ3
(図4参照)の回転によって回転されるウォーム2と噛
合するウォームホイールであり、外周に歯11を有する
合成樹脂製の環状部材12と、該環状部材12の内側に
嵌合された金属製の芯部材13とを備え、該芯部材13
に前記環状部材12が融着されている。さらに、芯部材
13と環状部材12との嵌合部14には、環状部材12
の膨張によるラジアル方向への体積増加を抑制すべき環
状の空所4が設けられている。
【0022】芯部材13は軟鋼等の金属材料によって円
板形に形成されており、外周面で、幅方向両側部には円
形のフランジ13a,13aが突設されており、該フラ
ンジ13a,13aの間に前記空所4を形成してある。
フランジ13a,13aの高さは等しくしてあり、換言
すれば、回転中心とほぼ平行になっており、該フランジ
13a,13aの周面に綾目形状のローレツトからなる
凹部13bが設けられている。また、芯部材13の中心
部には嵌合孔13cが穿設されており、該嵌合孔13c
に回転軸(例えば後記する出力軸31)が嵌合される。
尚、芯部材13の嵌合部14は幅方向の中心に対して両
側の形状がほぼ対称になっている。
【0023】環状部材12は成形型内にナイロン樹脂等
の溶融された合成樹脂を射出することにより成形されて
おり、この成形された環状部材12が前記芯部材13の
フランジ13a,13aに融着される。環状部材12の
内側は、前記フランジ13a,13aに融着される両側
部の融着部12a,12aが回転中心とほぼ平行になっ
ており、この融着部12a,12aの間は両側面に亘っ
て凹の円弧となる歯底11aとの間の厚さがほぼ等しく
なるように湾曲している。また、この湾曲部12bはラ
ジアル方向への撓みを可能としてある。この環状部材1
2の歯11は、前記成形型によって成形されるのである
が、その他、歯11を有しない環状素体を成形した後、
歯切り加工により形成してもよい。
【0024】空所4は前記環状部材12の融着部12
a,12aが芯部材13のフランジ13a,13aにし
まり嵌めとなるように嵌合された仮結合の状態で前記融
着部12a,12aが融着されることにより密封に形成
される。また、この空所4は、環状部材12の幅寸法の
1/2以上、好ましくは約2/3の幅寸法としてあり、
温度上昇、湿度上昇によって環状部材12がラジアル方
向へ膨張したとき、この膨張の一部を空所4で吸収する
ようにしてある。
【0025】環状部材12の融着は、例えば高周波誘導
加熱法により行われる。この高周波誘導加熱法は、高周
波電動発電機に接続された誘導コイルの内側に前記仮結
合された未完歯車を配置し、前記誘導コイルに高周波電
流を流すことにより、芯部材13の表面を加熱し、環状
部材12における融着部12a,12aの表面部分(芯
部材13との接触面部分)を溶かしてフランジ13a,
13aに融着する。この場合、融着された部分がフラン
ジ13a,13aの周面に設けられた凹部13bに入り
込むことになり、環状部材12と芯部材13との相対回
転及び軸長方向への相対移動が防止される。
【0026】このように構成された歯車1は、例えば減
速歯車機構Aのウォームホイールとして使用される。図
4は減速歯車機構の断面図である。この減速歯車機構A
は芯部材13の嵌合孔13cが回転軸5に嵌合固定され
たウォームホイール1と、該ウォームホイール1の歯1
1と噛合する金属製のウォーム2と、該ウォーム2の歯
部21の両端に連なる軸部22,23に嵌合された軸受
6,7と、該軸受6,7を介して前記ウォーム2を回転
可能に支持したアルミニウム製のハウジング8とを備え
ており、一方の軸部23に連結されるモータ3の回転を
減速してウォームホイール1に伝達し、回転軸5を回転
させるように構成されている。
【0027】このように構成された減速歯車機構Aは、
例えば電動式パワーステアリング装置に使用される。図
5は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の断面
図である。
【0028】電動式パワーステアリング装置は、上端が
舵取りのための操舵輪9に繋がり、下端に筒部を有する
入力軸10と、前記筒部内に挿入されてその上端が前記
入力軸10の筒部に同軸的に連結され、前記操舵輪9に
加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー
30と、下端が前記トーションバー30の下端に同軸的
に連結される出力軸31と、前記トーションバー30の
捩れに応じた入力軸10及び出力軸31の相対回転変位
量によって前記操舵輪9に加わる操舵トルクを検出する
トルクセンサ32と、該トルクセンサ32が検出したト
ルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータ3と、該
モータ3の回転に連動し、該回転を減速して出力軸31
に伝達する前記減速歯車機構Aと、前記トルクセンサ3
2及び前記減速歯車機構Aが収容されたハウジング8と
を備え、このハウジング8に前記モータ3が取付けられ
ている。尚、出力軸31が前記回転軸5を構成してい
る。
【0029】減速歯車機構Aは、ウォーム2の軸部23
が前記モータ3の駆動軸3aに繋がっており、また、ウ
ォームホイール1が前記出力軸31の中間に嵌合固定さ
れており、これらウォーム2及びウォームホイール1の
噛合により前記駆動軸3aの回転を減速して出力軸31
に伝達し、該出力軸31からユニバーサルジョイントを
経て例えばラックピニオン式の舵取機構(図示せず)へ
伝達するようにしている。尚、出力軸31及びユニバー
サルジョイントが、ウォームホイール1の回転力を舵取
機構に伝達する伝達手段を構成している。
【0030】以上の如く構成された減速歯車機構A、電
動式パワーステアリング装置において、ウォームホイー
ル1における芯部材13の環状部材12への嵌合部14
には膨張による環状部材12のラジアル方向への体積増
加を抑制すべき空所4が設けられているため、温度上
昇、湿度上昇によって前記環状部材12がラジアル方向
へ膨張するとき、この環状部材12は空所4が狭くなる
ように膨張し、環状部材12の体積増加の一部が空所4
によって吸収される。この結果、ラジアル方向外方への
体積増加を抑制でき、この体積増加による噛合い詰まり
をなくし得る。また、体積増加によって前記空所4があ
まり狭くならない場合、体積が増加した環状部材12の
歯11がウォーム2の歯面に押付けられ、この押付けに
よって環状部材12の空所4よりも歯11側部分が空所
4内へ撓み、体積増加の一部を空所4によって吸収する
ことができ、噛合い詰まりをなくし得る。
【0031】さらに、減速歯車機構Aを構成するウォー
ムホイール1及びウォーム2は回転中心線に対しその歯
すじが回転方向へ捩じれているため、電動式パワーステ
アリング装置においては、ウォーム2の歯面でウォーム
ホイール1の回転方向にトルクが加わるとき、ウォーム
ホイール1の歯幅方向(軸長方向)一方、他方へ分力が
発生することになるが、前記芯部材13の嵌合部14に
突設されたフランジ13a,13aの高さが等しいた
め、環状部材12の融着部12a,12aの耐強度を全
体的に等しくできる。
【0032】また、環状部材12の両側に融着部12
a,12aがあり、該融着部12a,12aによって前
記空所4を密閉にすることができ、さらに、該空所4の
水蒸気を前記融着時に発生する熱によって蒸発させ得る
ため、空所4の水蒸気を比較的少なくすることができ
る。この結果、歯車周りの湿度が上昇した場合において
も、環状部材12の湿度による膨張を抑制できる。
【0033】実施の形態2 図6は歯車の実施の形態2の構成を示す拡大断面図であ
る。この実施の形態2の歯車1は、空所4となるべき凹
みを芯部材13に設ける代わりに、前記嵌合部14にお
ける環状部材12の両側面間の中央部に空所4aを全周
に亘って設け、さらに、前記嵌合部14を回転中心に対
して傾斜するテーパ面としたものである。
【0034】軟鋼等の金属材料からなる芯部材13のテ
ーパ面の大径端には前記環状部材12の一側面に当接す
る円形の鍔13dが設けられている。また、芯部材13
のテーパ面には綾目形状のローレツトからなる前記凹部
13bが設けられている。
【0035】射出成形された環状部材12の嵌合部14
で、幅方向両側部には円形のフランジ12c,12dが
突設されており、該フランジ12c,12dの間を前記
空所4aとしてある。フランジ12c,12dは高さを
異ならせてあり、該フランジ12c,12dの周面をテ
ーパ面としてある。また、フランジ12c,12dの間
は両側面に亘って凹の円弧となる歯底11aとの間の厚
さがほぼ等しくなるように湾曲している。また、この湾
曲部12bはラジアル方向への撓みを可能としてある。
【0036】空所4aは前記環状部材12のフランジ1
2c,12dが芯部材13のテーパ面に嵌合された仮結
合の状態で前記フランジ12c,12dの周面部が融着
されることにより密封に形成される。また、この空所4
aは、環状部材12の幅寸法の1/2以上、好ましくは
約2/3の幅寸法としてあり、温度上昇、湿度上昇によ
って環状部材12がラジアル方向へ膨張したとき、この
膨張の一部を空所4aで吸収するようにしてある。
【0037】環状部材12の融着は、前記高周波誘導加
熱法の他、摩擦融着法、スピン融着法、振動融着法によ
って行われる。例えば摩擦融着法は、環状部材12の他
側面を受台に当接させた状態で芯部材13の鍔13d側
から嵌合孔13cに伝振部材(不図示)を嵌合し、前記
嵌合部14のテーパ面同士を圧接させつつ前記伝振部材
を芯部材13の軸長方向へ振動させ、芯部材13のテー
パ面と前記フランジ12c,12dとの間に摩擦熱を発
生させ、該摩擦熱により前記フランジ12c,12dの
周面部を溶かして芯部材13に融着する。この場合、融
着された部分がフランジ13a,13aの周面に設けら
れた凹部に入り込むことになり、相対回転及び軸長方向
への相対移動が防止される。また、前記嵌合部14はテ
ーパ面になっているため、前記嵌合部14での面圧を軸
長方向への振動によって高めることができる。また、芯
部材13のテーパ面の大径端には鍔13dが設けられて
いるため、前記フランジ13a,13aの周面部が融着
されるときにおいても、前記嵌合部14の軸長方向への
相対移動を鍔13dが規制することになり、嵌合部14
の軸長方向への位置ずれを少なくすることができる。
【0038】この実施の形態2において、温度上昇、湿
度上昇によって前記環状部材12がラジアル方向へ膨張
するとき、この環状部材12は空所4aが狭くなるよう
に膨張し、環状部材12の体積増加の一部が空所4aに
よって吸収される。この結果、ラジアル方向外方への体
積増加を抑制でき、噛合い詰まりをなくし得る。また、
体積増加によって前記空所4aがあまり狭くならない場
合、体積が増加した環状部材12の歯11がウォーム2
の歯面に押付けられ、この押付けによって環状部材12
の空所4aよりも歯11側部分が空所4a内へ撓み、体
積増加の一部を空所4aによって吸収することができ、
噛合い詰まりをなくし得る。
【0039】その他の構成及び作用は実施の形態1と同
様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、
その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0040】尚、以上説明した実施の形態において、前
記空所4,4aには乾燥した空気、水蒸気を含有しない
気体、又は、環状部材12の材料よりもヤング率の小さ
い弾性体等を充填し、空所4,4aの水蒸気をなくする
ようにしてもよい。この場合、空所4,4aには水蒸気
がないか、又は、比較的少ないため、空所4,4aの水
蒸気による環状部材12の膨張を抑制できる。また、空
所4,4aに前記弾性体が充填、又は、収容されている
場合、ウォーム2との噛合による環状部材12の空所
4,4a側への撓み量を前記弾性体によって調整し得る
ため、環状部材12の撓み量の設定を容易にできる。
【0041】また、以上説明した実施の形態では、前記
空所4,4aを全周に亘って形成したが、その他、周方
向に長い1つ、又は、複数の長孔としてもよい。また、
前記空所4,4aは環状部材12の一側面、又は、両側
面に開放され、周方向に離間して複数配置された構成と
してもよい。さらに、前記空所4,4aは環状部材12
の内側と歯底11aとの間に周方向に離間して形成され
てもよい。
【0042】また、実施の形態1では、高周波誘導加熱
法によって環状部材12を芯部材13に融着したが、そ
の他、実施の形態2のように摩擦融着法、スピン融着
法、振動融着法によって融着してもよい。また、実施の
形態2では高周波誘導加熱法によって融着してもよく、
融着の方法は特に制限されない。また、以上説明した実
施の形態の減速歯車機構Aは、ウォーム2である小歯車
及びウォームホイール1である大歯車を備えたウォーム
歯車である他、平歯の小歯車及び大歯車を備えた平歯車
であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように第1発明によれば、
歯車周りの温度上昇、湿度上昇によって歯車のラジアル
方向への体積が増加するとき、該体積増加の一部を空所
によって吸収し得るため、ラジアル方向外方への体積増
加を抑制でき、噛合い詰まりをなくし得るのであり、さ
らに、環状部材が芯部材に結合された後で特別の加工を
行うことなく、望ましい空所を簡易に得ることができ、
しかも、融着によって環状部材と芯部材とを簡単に結合
することができる。
【0044】第2発明によれば、環状部材と芯部材との
結合強度をより一層大きくすることができる。
【0045】第3発明によれば、環状部材の製作が容易
である。
【0046】第4発明によれば、環状部材の内側から歯
底までの厚さを比較的小さくすることができ、しかも、
前記空所となるべき凹みを潰すことなく環状部材と芯部
材とを融着によって簡単に結合することができる。
【0047】第5発明によれば、摩擦融着法、スピン融
着法、振動融着法等、高周波誘導加熱法に比べて簡易な
融着法によって環状部材と芯部材とを結合することがで
きる。
【0048】第6発明によれば、摩擦融着法等の簡易な
融着法によって結合する場合においても軸長方向の位置
ずれを少なくすることができる。
【0049】第7発明及び第8発明によれば、第1発明
から第6発明の何れかと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯車の実施の形態1の一部切欠正
面図である。
【図2】図1のII−II線の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る歯車の芯部材の一部を拡大した側
面図である。
【図4】本発明に係る減速歯車機構の断面図である。
【図5】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
断面図である。
【図6】本発明に係る歯車の実施の形態2の構成を示す
拡大断面図である。
【図7】従来の減速歯車機構及び電動式パワーステアリ
ング装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウォームホイール(大歯車) 11 歯 12 環状部材 13 芯部材 13b 凹部 13d 鍔 14 嵌合部 2 ウォーム(小歯車) 3 モータ 4、4a 空所 A 減速歯車機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 光晴 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 久世 真史 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3D033 CA04 3J009 DA06 DA16 DA18 EA06 EA19 EA23 EA32 EB06 EB14 FA06 3J030 AB03 BA03 BB02 BC01 BC10 BD06 CA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に歯を有する合成樹脂よりなる環状
    部材と、該環状部材の内側に嵌合される芯部材とを備え
    た歯車において、前記環状部材と芯部材との嵌合部、又
    は、環状部材の嵌合部の近傍に空所を有しており、前記
    環状部材が前記芯部材に融着されていることを特徴とす
    る歯車。
  2. 【請求項2】 前記芯部材は嵌合部に前記環状部材の融
    着された部分が入り込む凹部を有している請求項1記載
    の歯車。
  3. 【請求項3】 前記芯部材は嵌合部に前記空所を有して
    いる請求項1又は2記載の歯車。
  4. 【請求項4】 前記環状部材は嵌合部に前記空所を有し
    ている請求項1乃至3の何れかに記載の歯車。
  5. 【請求項5】 前記環状部材と芯部材との嵌合部は回転
    中心に対して傾斜するテーパとしてある請求項1乃至4
    の何れかに記載の歯車。
  6. 【請求項6】 前記芯部材は前記テーパの大径端に前記
    環状部材の一側面に当接する鍔を有している請求項5記
    載の歯車。
  7. 【請求項7】 外周に歯を有する大歯車と、該大歯車に
    噛合する小歯車とを備えた減速歯車機構において、前記
    大歯車は請求項1乃至6の何れかに記載された歯車であ
    ることを特徴とする減速歯車機構。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された減速歯車機構と、
    前記小歯車に連結された操舵補助用のモータと、該モー
    タの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機構に伝達す
    る伝達手段とを備えていることを特徴とする電動式パワ
    ーステアリング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007237459A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Honda Motor Co Ltd ウオームホイールの製造方法及びウオームホイール
DE102016104915A1 (de) * 2016-03-16 2017-09-21 Trw Automotive Gmbh Schneckenrad und Fahrzeug-Lenkvorrichtung mit einem Schneckenrad
DE102015005467B4 (de) * 2014-04-30 2019-05-09 Scania Cv Ab Zylindrisches Zahnrad mit Schrägverzahnung und Gangschaltmechanismus mit einem solchen Zahnrad

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