JP2003123250A - 光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置

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JP2003123250A
JP2003123250A JP2001319819A JP2001319819A JP2003123250A JP 2003123250 A JP2003123250 A JP 2003123250A JP 2001319819 A JP2001319819 A JP 2001319819A JP 2001319819 A JP2001319819 A JP 2001319819A JP 2003123250 A JP2003123250 A JP 2003123250A
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Tatsuya Kato
達也 加藤
Hajime Utsunomiya
肇 宇都宮
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高データ転送レートを実現するのに適した光
記録媒体への情報記録方法を提供する。 【解決手段】 互いに長さの異なる複数種類の記録マー
クからなる群より選ばれた複数の記録マークを光記録媒
体に形成することによって情報を記録する光記録媒体へ
の情報記録方法であって、冷却期間におけるレーザビー
ムの基底パワーを他の期間における基底パワーよりも高
く設定して前記情報の記録を行う。本発明によれば、基
底パワーによって消去がアシストされることから、デー
タ転送レートを高く設定して記録を行う場合において
も、十分な消去率が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、光記
録媒体への情報記録方法及び情報記録装置に関し、さら
に詳細には、高データ転送レートを実現するのに適した
光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、デジタルデータを記録するた
めの記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録
媒体が広く利用されており、そのデータ記録方式として
は、記録すべきデータをトラックに沿った記録マークの
長さに変調するという方式が広く用いられている。例え
ば、ユーザによるデータの書き換えが可能な光記録媒体
の一種であるDVD−RWにおいては、3T〜11T及
び14T(Tは1クロック周期)に対応する長さの記録
マークが用いられ、これによってデータの記録が行われ
る。
【0003】このような記録マークの形成においては、
レーザービームが光記録媒体のトラックに沿って照射さ
れ、これによって光記録媒体に含まれる記録層に所定の
長さを持ったアモルファス領域が形成され、これが記録
マークとして用いられる。記録層のうちアモルファス状
態でない部分は結晶状態となっている。
【0004】記録マークの形成に際しては、一般に、形
成すべき記録マークの長さに対応する時間と同じパルス
幅を持ったレーザービームが光記録媒体に照射されるの
ではなく、形成すべき記録マークの種類に基づき定めら
れた数のパルス列からなるレーザービームが光記録媒体
に照射され、これによって所定の長さをもった記録マー
クが形成される。例えば、上述したDVD−RWに対す
るデータの記録においては、n−1またはn−2(nは
記録マークの種類であり、3〜11及び14のいずれか
の値となる)の数のパルスが連続的に照射され、これに
よって3T〜11T及び14Tに対応する長さをもった
いずれかの記録マークが形成される。したがって、n−
2の場合、3Tに対応する長さをもった記録マークを形
成する場合には1個のパルスが用いられ、11Tに対応
する長さをもった記録マークを形成する場合には9個の
パルスが用いられることになる。また、n−1の場合、
3Tに対応する長さをもった記録マークを形成する場合
には2個のパルスが用いられ、11Tに対応する長さを
もった記録マークを形成する場合には10個のパルスが
用いられることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、光記録媒体に対
してデータ転送レートのさらなる向上が強く望まれてお
り、これを実現するためには、より高速な記録を行う必
要がある。ここで、高速な記録を可能とするためには、
記録層に用いる相変化膜の結晶化速度を高めることが有
効である。しかしながら、記録層に用いる相変化膜の結
晶化速度を高めると、データの記録時において、アモル
ファス状態とすべき領域が結晶状態に変化する、いわゆ
る再結晶化現象が起こりやすくなってしまう。再結晶化
が発生すると、所望の長さ・形状の記録マークが形成で
きなくなることからジッタが大幅に悪化し、場合によっ
てはデータの読み出しができないという状況も考えられ
る。
【0006】本発明者らの研究によれば、このような再
結晶化を抑制するためには、記録時におけるレーザビー
ムの記録パワー(Pw)を高くするとともに、レーザビ
ームの消去パワー(Pe)を低くすることにより、記録
パワー(Pw)と消去パワー(Pe)との比(Pe/P
w)を低く設定することが有効であると判明した。記録
パワー(Pw)と消去パワー(Pe)との比(Pe/P
w)は、相変化膜の結晶化速度が速いほど、すなわち、
得ようとするデータ転送レートが高いほど、低く設定す
る必要が生じる。
【0007】しかしながら、記録時におけるレーザビー
ムの消去パワー(Pe)を低く設定すると、既に書き込
まれた記録マーク上に新たな記録マークを直接上書き
(ダイレクト・オーバーライト)する場合に、古い記録
データが十分に消去されず、オーバーライト不能となる
おそれが生じる。特に、高いデータ転送レート(フォー
マット効率を80%として70Mbps以上)を実現す
るために記録パワーと消去パワーとの比(Pe/Pw)
を0.5以下に設定してダイレクト・オーバーライトす
る場合にオーバーライト不能となるおそれが高くなり、
より高いデータ転送レート(フォーマット効率を80%
として140Mbps以上)を実現するために記録パワ
ーと消去パワーとの比(Pe/Pw)を0.3以下に設
定してダイレクト・オーバーライトする場合にオーバー
ライト不能となるおそれが極めて高くなることが判明し
た。
【0008】したがって、本発明の目的は、光記録媒体
への改良された情報記録方法及び改良された情報記録装
置を提供することである。
【0009】また、本発明の他の目的は、高データ転送
レートを実現するのに適した光記録媒体への情報記録方
法及び情報記録装置を提供することである。
【0010】また、本発明のさらに他の目的は、高デー
タ転送レートでの記録が可能な光記録媒体を提供するこ
とである。
【0011】また、本発明のさらに他の目的は、既に書
き込まれた記録マーク上に新たな記録マークを直接上書
きする場合に、古い記録データを十分に消去することが
できる光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
少なくとも記録層を有し、互いに長さの異なる複数種類
の記録マークからなる群より選ばれた複数の記録マーク
を前記記録層に形成することによって情報を記録可能な
光記録媒体であって、前記記録マークの形成に用いるレ
ーザビームの基底パワーを複数レベルに設定して前記情
報の記録を行うために必要な情報を有することを特徴と
する光記録媒体によって達成される。
【0013】本発明によれば、レーザビームの基底パワ
ーを複数レベルに設定して情報の記録を行っていること
から、適切な基底パワーを用いることにより、データ転
送レートを高く設定して記録を行う場合においても、十
分な消去率を確保することが可能となる。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記情報には、冷却期間におけるレーザビームの基底パワ
ーを他の期間における少なくとも一つの基底パワーより
も高く設定して前記情報の記録を行うために必要な情報
が含まれている。
【0015】本発明の好ましい実施態様によれば、冷却
期間におけるレーザビームの基底パワーを他の期間にお
ける基底パワーよりも高く設定していることから、冷却
期間における基底パワーによって消去がアシストされ
る。これにより、データ転送レートを高く設定して記録
を行う場合においても、十分な消去率を確保することが
可能となる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、前記冷却期間におけるレーザビーム
の基底パワーを他の期間における全ての基底パワーより
も高く設定して前記情報の記録を行うために必要な情報
が含まれている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、前記冷却期間におけるレーザビーム
の基底パワーを再生に用いるレーザビームの再生パワー
よりも高く設定して前記情報の記録を行うために必要な
情報が含まれている。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、前記冷却期間におけるレーザビーム
の基底パワーを前記記録マークの形成に用いるレーザビ
ームの消去パワーよりも低く設定して前記情報の記録を
行うために必要な情報が含まれている。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、冷却効果を過度に損なうことがないことから、再結
晶化の発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、前記記録マークの形成に用いるレー
ザビームの記録パワーと前記消去パワーとの比を0.5
以下に設定して前記情報の記録を行うために必要な情報
が含まれている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、前記記録パワーと前記消去パワーと
の比を0.3以下に設定して前記情報の記録を行うため
に必要な情報が含まれている。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、データ転送レートを70Mbps以
上に設定して前記情報の記録を行うために必要な情報が
含まれている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記情報には、データ転送レートを140Mbps
以上に設定して前記情報の記録を行うために必要な情報
が含まれている。
【0024】本発明の前記目的はまた、互いに長さの異
なる複数種類の記録マークからなる群より選ばれた複数
の記録マークを光記録媒体に形成することによって情報
を記録する光記録媒体への情報記録方法であって、前記
記録マークの形成に用いるレーザビームの基底パワーを
複数レベルに設定して前記情報の記録を行うことを特徴
とする光記録媒体への情報記録方法によって達成され
る。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、冷
却期間におけるレーザビームの基底パワーを他の期間に
おける少なくとも一つの基底パワーよりも高く設定して
前記情報の記録を行う。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記冷却期間におけるレーザビームの基底パワーを
再生に用いるレーザビームの再生パワーよりも高く設定
して前記情報の記録を行う。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記冷却期間におけるレーザビームの基底パワーを
前記記録マークの形成に用いるレーザビームの消去パワ
ーよりも低く設定して前記情報の記録を行う。
【0028】本発明の前記目的はまた、レーザビームを
照射することにより、光記録媒体へのデータの記録が可
能な情報記録装置であって、光記録媒体に対するデータ
の記録時に用いる前記レーザビームの記録パワーをP
w、消去パワーをPe、冷却期間における基底パワーを
Pb2、冷却期間以外の期間における基底パワーをPb
1とした場合、Pw>Pe>Pb2>Pb1に設定して
データの記録を行うことを特徴とする情報記録装置によ
って達成される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る情報記録装置の主要部を概略的に示す図である。
【0031】本実施態様にかかる情報記録装置は、図1
に示されるように、光記録媒体1を回転させるためのス
ピンドルモータ2と、光記録媒体1にレーザビームを照
射するヘッド3と、スピンドルモータ2及びヘッド3の
動作を制御するコントローラ4と、ヘッド3にレーザ駆
動信号を供給するレーザ駆動回路5と、ヘッド3にレン
ズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路6とを備えてい
る。
【0032】さらに、図1に示されるように、コントロ
ーラ4にはフォーカスサーボ追従回路7、トラッキング
サーボ追従回路8及びレーザコントロール回路9が含ま
れている。フォーカスサーボ追従回路7が活性化する
と、回転している光記録媒体1の記録面にフォーカスが
かかった状態となり、トラッキングサーボ追従回路8が
活性化すると、光記録媒体1の偏芯している信号トラッ
クに対して、レーザビームのスポットが自動追従状態と
なる。フォーカスサーボ追従回路7及びトラッキングサ
ーボ追従回路8には、フォーカスゲインを自動調整する
ためのオートゲインコントロール機能及びトラッキング
ゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール
機能がそれぞれ備えられている。また、レーザコントロ
ール回路9は、レーザ駆動回路5により供給されるレー
ザ駆動信号を生成する回路であり、光記録媒体1に記録
されている記録条件設定情報に基づいて、適切なレーザ
駆動信号の生成を行う。
【0033】ここで、記録条件設定情報とは、光記録媒
体1に対してデータを記録する場合に必要な各種条件を
特定するために用いられる情報をいう。本実施態様にお
いては、記録条件設定情報には、記録時におけるレーザ
ビームのパワー及び以下に詳述する記録ストラテジを決
定するために必要な情報が少なくとも含まれている。記
録条件設定情報としては、データの記録に必要な各条件
を具体的に示すもののみならず、情報記録装置内にあら
かじめ格納されている各種条件のいずれかを指定するこ
とにより記録条件の特定を行うものも含まれる。
【0034】尚、上記フォーカスサーボ追従回路7、ト
ラッキングサーボ追従回路8及びレーザコントロール回
路9については、コントローラ4内に組み込まれた回路
である必要はなく、コントローラ4と別個の部品であっ
ても構わない。さらに、これらは物理的な回路である必
要はなく、コントローラ4内で実行されるソフトウェア
であっても構わない。
【0035】図2は、本実施態様にかかる情報記録装置
に光記録媒体1が挿入されてからスタンバイ状態となる
までに行われる一連の動作を概略的に示すフローチャー
トである。
【0036】図2に示されるように、まず本実施態様に
かかる情報記録装置に光記録媒体1が挿入されると(ス
テップS1)、まずコントローラ4はスピンドルモータ
2を駆動して光記録媒体1を回転させるとともに、レー
ザ駆動回路5によりヘッド3を駆動してレーザビームを
光記録媒体1の記録面に照射する(ステップS2)。そ
の後、コントローラ4は、レンズ駆動回路5によりヘッ
ド3をホームポジションに移動させる(ステップS
3)。
【0037】次に、コントローラ4は、フォーカスサー
チを行い、これによりフォーカス位置を決定する(ステ
ップS4)。かかるフォーカスサーチにおいては、レン
ズ駆動回路6による制御のもと、ヘッド3が光記録媒体
1の記録面に対して垂直方向に駆動される。その後、コ
ントローラ4はフォーカスゲインの設定を行う(ステッ
プS5)。
【0038】このようにして、フォーカスサーチ(ステ
ップS4)及びフォーカスゲインの設定(ステップS
5)が完了すると、コントローラ4は、フォーカスサー
ボ追従回路7を活性化させる。すなわち、フォーカスを
オンさせる(ステップS6)。これにより、回転してい
る光記録媒体1の記録面にフォーカスがかかった状態と
なる。尚、フォーカスサーボ追従回路7が活性化する
と、フォーカスゲインはオートゲインコントロール機能
により自動調整される。
【0039】次に、コントローラ4は、トラッキングエ
ラー信号振幅の測定を行い(ステップS7)、さらに、
トラッキングゲインの設定を行う(ステップS8)。か
かるトラッキングゲインの設定(ステップS8)におい
ては、ステップS7において得られたトラッキングエラ
ー信号振幅に基づき、適切なトラッキングゲインが選
【0040】このようにしてトラッキングゲインの設定
(ステップS8)が完了すると、コントローラ4は、ト
ラッキングサーボ追従回路8を活性化させる。すなわ
ち、トラッキングをオンさせる(ステップS9)。これ
により、偏芯している信号トラックに対して、レーザビ
ームのスポットが自動追従状態となる。トラッキングサ
ーボ追従回路8が活性化すると、トラッキングゲインは
オートゲインコントロール機能により自動調整される。
【0041】以上のようにして、フォーカスサーボ追従
回路7及びトラッキングサーボ追従回路8の活性化が完
了すると、コントローラ4は、アドレスの検出やファイ
ル管理情報の読みとり、上述した記録条件設定情報の読
みとり等からなる初期設定を実行し(ステップS1
0)、これが終了するとスタンバイ状態となる(ステッ
プS11)。スタンバイ状態は、ユーザからの指示の待
ち受け状態であり、例えば、かかる状態においてユーザ
より光記録媒体1に対するデータの記録が指示される
と、これが開始される。
【0042】次に、本実施態様にかかる光記録媒体の構
造について説明する。
【0043】図3は、本実施態様にかかる光記録媒体1
の構造を概略的に示す断面図である。
【0044】図3に示されるように、光記録媒体1は、
厚さが約1.1mmの基板11と、厚さが約10〜30
0nmの反射層12と、厚さが約10〜50nmの第2
の誘電体層13と、厚さが約5〜30nmの記録層14
と、厚さが約30〜300nmの第1の誘電体層15
と、厚さが約50〜150μmの光透過層16によって
構成される。また、光記録媒体1の中央部分には孔17
が設けられている。このような構造を有する光記録媒体
に対するデータの記録においては、ヘッド3の一部であ
りレーザビームを収束するための対物レンズと光記録媒
体1の表面との距離(ワーキング・ディスタンス)が非
常に狭く(例えば、約80〜150μm)設定され、こ
れにより、従来に比べて極めて小さいビームスポット径
が実現されている。このような構造を持つ光記録媒体1
は、大容量且つ高データ転送レートを実現可能である。
また、光記録媒体1には、上述した記録条件設定情報及
び再生条件設定情報が記録されている。
【0045】光記録媒体1の記録層14は、相変化膜に
よって構成され、結晶状態である場合の反射率とアモル
ファス状態である場合の反射率とが異なることを利用し
てデータの記録が行われる。高データ転送レートでの記
録を可能とするためには、より結晶化速度の速い相変化
膜によって記録層14を構成する必要がある。
【0046】未記録領域における記録層14の状態は結
晶状態となっており、このため、その反射率は例えば2
0%となっている。このような未記録領域に何らかのデ
ータを記録する場合、記録すべきデータにしたがい、記
録層14の所定の部分を融点を超える温度に加熱した
後、急冷することによってアモルファス状態に変化させ
る。アモルファス状態となった部分における反射率は例
えば7%となり、これにより、所定のデータが記録され
た状態となる。そして、一旦記録したデータを上書きす
る場合には、上書きすべきデータが記録されている部分
の記録層14を記録すべきデータにしたがい、結晶化温
度以上若しくは融点以上の温度に加熱し、結晶状態若し
くはアモルファス状態に変化させる。
【0047】この場合、記録層14を溶融する際に照射
されるレーザビームのパワー(記録パワー)Pwと、記
録層14を冷却する際に照射されるレーザビームのパワ
ー(基底パワー)Pb1及びPb2と、記録層14を結
晶化する際に照射されるレーザビームのパワー(消去パ
ワー)Peとの関係は、 Pw>Pe>Pb2>Pb1 である。したがって、光記録媒体1にデータを記録する
場合、コントローラ4は光記録媒体1より読み出された
記録条件設定情報に基づき、レーザコントロール回路9
を介して、レーザビームのパワーがPw、Pe、Pb1
またはPb2となるようレーザ駆動回路5を制御し、こ
れに基づいて、レーザ駆動回路5はレーザ駆動信号のパ
ワーを制御する。以下に詳述するが、基底パワーPb2
とは、冷却期間におけるレーザビームの基底パワーであ
り、基底パワーPb1は、冷却期間以外の期間における
レーザビームの基底パワーである。このように、本実施
態様においては、冷却期間におけるレーザビームの基底
パワーPb2が、その他の期間における基底パワーPb
1よりも高く設定される。
【0048】特に限定されるものではないが、基底パワ
ーPb2は、再生時におけるレーザビームのパワーPr
との関係では、 Pb2>Pr に設定することが好ましい。
【0049】本実施態様においては、再結晶化を抑制す
べく、記録時におけるレーザビームの記録パワーPwが
高く設定されるとともに、消去パワーPeが低く設定さ
れる。記録パワーPw及び消去パワーPeの実際の値に
ついては、主に記録層14を構成する相変化膜の結晶化
速度に基づいて定めればよく、例えば、70Mbps以
上のデータ転送レート(フォーマット効率=80%)を
実現するために、結晶化速度の速い相変化膜が用いられ
ている場合には、記録パワーPwと消去パワーPeとの
比(Pe/Pw)を0.5以下に設定することが好まし
く、140Mbps以上のデータ転送レート(フォーマ
ット効率=80%)を実現するために、結晶化速度のよ
り速い相変化膜が用いられている場合には、記録パワー
Pwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を0.3以
下に設定することが好ましい。一例として、フォーマッ
ト効率を80%としたデータ転送レートとして約140
Mbpsを実現する場合、記録パワーPw及び消去パワ
ーPeとしては、それぞれ9.0mW及び2.6mWに
設定すればよく、この場合、記録パワーPwと消去パワ
ーPeとの比(Pe/Pw)は、約0.29となる。
【0050】次に、本実施態様にかかる情報記録方法に
おいて用いられる変調方式について説明する。
【0051】本実施態様にかかる情報記録方法において
は、(1,7)RLLの変調方式を用いることが可能で
ある。但し、本発明による情報記録方法において適用可
能な変調方式が、これに限定されるものではなく、他の
変調方式を用いることも可能であることは言うまでもな
い。尚、本明細書においては、記録マークを形成するた
めのレーザビームの照射方法、すなわち記録時における
レーザビームのパルス数、各パルスのパルス幅、パルス
間隔、パルスのパワー等の設定を「記録ストラテジ」と
呼ぶことがある。
【0052】また、光記録媒体1に格納されている記録
条件設定情報には、どのような記録ストラテジによって
データを記録すべきかを決定するための内容が含まれて
おり、図1に示した情報記録装置は、かかる決定に基づ
き以下に詳述する記録ストラテジによるデータの記録を
行う。
【0053】次に、(1,7)RLLの変調方式を用い
た場合における記録ストラテジの一例について説明す
る。
【0054】図4は、2Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0055】図4に示されるように、2Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合、レーザビームのパルス
数は「1」に設定される。ここで、レーザビームのパル
ス数とは、レーザビームのパワーがPwまで高められた
回数によって定義される。より詳細には、レーザビーム
が記録マークの始点に位置するタイミングを時刻tsと
し、レーザビームが記録マークの終点に位置するタイミ
ングを時刻teとした場合、時刻tsから時刻teまで
の間に、レーザビームのパワーが一旦Pwとされ、次
に、パワーPb2とされる。ここで、時刻ts以前にお
けるレーザビームのパワーはPeに設定されており、時
刻tsにおいてレーザビームの立ち上げが開始される。
また、時刻teにおけるレーザビームのパワーはPeま
たはPb2に設定される。
【0056】ここで、図4に示す時刻t21から時刻t
22までの期間をTtop(2T)と定義し、時刻t2
2から時刻t23までの期間をTcl(2T)と定義し
た場合、Ttop(2T)は約0.6Tに設定され、T
cl(2T)は約0.7Tに設定される。図4に示され
るように、時刻t21とはレーザビームのパワーが(P
w+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t22
とはレーザビームのパワーが(Pw+Pb2)/2を下
回ったタイミングであり、時刻t23とはレーザビーム
のパワーが(Pe+Pb2)/2を超えたタイミングで
ある。
【0057】Ttop(2T)の期間(加熱期間)にお
いては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを
受けてその温度が融点を超え、Tcl(2T)の期間
(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は
急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層
14には、2Tに対応する長さの記録マークが形成され
る。
【0058】図5は、3Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0059】図5に示されるように、3Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合も、レーザビームのパル
ス数は「1」に設定される。より詳細には、時刻tsか
ら時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦P
wとされ、次に、パワーPb2とされる。ここで、時刻
ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設定さ
れており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上げが
開始される。また、時刻teにおけるレーザビームのパ
ワーはPeまたはPb2に設定される。
【0060】ここで、図5に示す時刻t31から時刻t
32までの期間をTtop(3T)と定義し、時刻t3
2から時刻t33までの期間をTcl(3T)と定義し
た場合、Ttop(3T)は約1.3Tに設定され、T
cl(3T)は約0.7Tに設定される。図5に示され
るように、時刻t31とはレーザビームのパワーが(P
w+Pe)/2を超えたタイミングであり、時刻t32
とはレーザビームのパワーが(Pw+Pb2)/2を下
回ったタイミングであり、時刻t33とはレーザビーム
のパワーが(Pe+Pb2)/2を超えたタイミングで
ある。
【0061】Ttop(3T)の期間(加熱期間)にお
いては、光記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを
受けてその温度が融点を超え、Tcl(3T)の期間
(冷却期間)においては、光記録媒体1の記録層14は
急速に冷却される。これにより、光記録媒体1の記録層
14には、3Tに対応する長さの記録マークが形成され
る。
【0062】図6は、4Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0063】図6に示されるように、4Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合、レーザビームのパルス
数は「2」に設定される。より詳細には、時刻tsから
時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦Pw
とされ、次に、パワーPb1またはPb2とされる組み
合わせからなるセットが2回繰り返される。ここで、時
刻ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設定
されており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上げ
が開始される。また、時刻teにおけるレーザビームの
パワーはPeまたはPb2に設定される。また、1回目
の基底パワーはPb1に設定され、2回目の基底パワー
はPb2に設定される。
【0064】ここで、図6に示す時刻t41から時刻t
42までの期間をTtop(4T)と定義し、時刻t4
2から時刻t43までの期間をToff(4T)と定義
し、時刻t43から時刻t44までの期間をTlast
(4T)と定義し、時刻t44から時刻t45までの期
間をTcl(4T)と定義した場合、Ttop(4T)
は約1.0Tに設定され、Toff(4T)は約1.0
Tに設定され、Tlast(4T)は約0.7Tに設定
され、Tcl(4T)は約0.7Tに設定される。図6
に示されるように、時刻t41とはレーザビームのパワ
ーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時
刻t42とはレーザビームのパワーが(Pw+Pb1)
/2を下回ったタイミングであり、時刻t43とはレー
ザビームのパワーが(Pw+Pb1)/2を超えたタイ
ミングであり、時刻t44とはレーザビームのパワーが
(Pw+Pb2)/2を下回ったタイミングであり、時
刻t45とはレーザビームのパワーが(Pe+Pb2)
/2を超えたタイミングである。
【0065】Ttop(4T)、Toff(4T)及び
Tlast(4T)の期間(加熱期間)においては、光
記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその
温度が融点を超え、Tcl(4T)の期間(冷却期間)
においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却さ
れる。これにより、光記録媒体1の記録層14には、4
Tに対応する長さの記録マークが形成される。
【0066】図7は、5Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0067】図7に示されるように、5Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合も、レーザビームのパル
ス数は「2」に設定される。より詳細には、時刻tsか
ら時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦P
wとされ、次に、パワーPb1またはPb2とされる組
み合わせからなるセットが2回繰り返される。ここで、
時刻ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設
定されており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上
げが開始される。また、時刻teにおけるレーザビーム
のパワーはPeまたはPb2に設定される。また、1回
目の基底パワーはPb1に設定され、2回目の基底パワ
ーはPb2に設定される。
【0068】ここで、図7に示す時刻t51から時刻t
52までの期間をTtop(5T)と定義し、時刻t5
2から時刻t53までの期間をToff(5T)と定義
し、時刻t53から時刻t54までの期間をTlast
(5T)と定義し、時刻t54から時刻t55までの期
間をTcl(5T)と定義した場合、Ttop(5T)
は約1.0Tに設定され、Toff(5T)は約1.0
Tに設定され、Tlast(5T)は約1.3Tに設定
され、Tcl(5T)は約0.7Tに設定される。図7
に示されるように、時刻t51とはレーザビームのパワ
ーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時
刻t52とはレーザビームのパワーが(Pw+Pb1)
/2を下回ったタイミングであり、時刻t53とはレー
ザビームのパワーが(Pw+Pb1)/2を超えたタイ
ミングであり、時刻t54とはレーザビームのパワーが
(Pw+Pb2)/2を下回ったタイミングであり、時
刻t55とはレーザビームのパワーが(Pe+Pb2)
/2を超えたタイミングである。
【0069】Ttop(5T)、Toff(5T)及び
Tlast(5T)の期間(加熱期間)においては、光
記録媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその
温度が融点を超え、Tcl(5T)の期間(冷却期間)
においては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却さ
れる。これにより、光記録媒体1の記録層14には、5
Tに対応する長さの記録マークが形成される。
【0070】図8は、6Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0071】図8に示されるように、6Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合、レーザビームのパルス
数は「3」に設定される。より詳細には、時刻tsから
時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦Pw
とされ、次に、パワーPb1またはPb2とされる組み
合わせからなるセットが3回繰り返される。ここで、時
刻ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設定
されており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上げ
が開始される。また、時刻teにおけるレーザビームの
パワーはPeまたはPb2に設定される。また、1回目
及び2回目の基底パワーはPb1に設定され、3回目の
基底パワーはPb2に設定される。
【0072】ここで、図8に示す時刻t61から時刻t
62までの期間をTtop(6T)と定義し、時刻t6
2から時刻t63までの期間をToff(6T−1)と
定義し、時刻t63から時刻t64までの期間をTmp
(6T)と定義し、時刻t64から時刻t65までの期
間をToff(6T−2)と定義し、時刻t65から時
刻t66までの期間をTlast(6T)と定義し、時
刻t66から時刻t67までの期間をTcl(6T)と
定義した場合、Ttop(6T)は約1.0Tに設定さ
れ、Toff(6T−1)は約1.0Tに設定され、T
mp(6T)は約1.0Tに設定され、Toff(6T
−2)は約1.0Tに設定され、Tlast(6T)は
約0.7Tに設定され、Tcl(6T)は約0.7Tに
設定される。図8に示されるように、時刻t61とはレ
ーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイ
ミングであり、時刻t62及び時刻t64とはレーザビ
ームのパワーが(Pw+Pb1)/2を下回ったタイミ
ングであり、時刻t63及び時刻t65とはレーザビー
ムのパワーが(Pw+Pb1)/2を超えたタイミング
であり、時刻t66とはレーザビームのパワーが(Pw
+Pb2)/2を下回ったタイミングであり、時刻t6
7とはレーザビームのパワーが(Pe+Pb2)/2を
超えたタイミングである。
【0073】Ttop(6T)、Toff(6T−
1)、Tmp(6T)、Toff(6T−2)及びTl
ast(6T)の期間(加熱期間)においては、光記録
媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度
が融点を超え、Tcl(6T)の期間(冷却期間)にお
いては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却され
る。これにより、光記録媒体1の記録層14には、6T
に対応する長さの記録マークが形成される。
【0074】図9は、7Tに対応する長さの記録マーク
を形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0075】図9に示されるように、7Tに対応する長
さの記録マークを形成する場合も、レーザビームのパル
ス数は「3」に設定される。より詳細には、時刻tsか
ら時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦P
wとされ、次に、パワーPb1またはPb2とされる組
み合わせからなるセットが3回繰り返される。ここで、
時刻ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設
定されており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上
げが開始される。また、時刻teにおけるレーザビーム
のパワーはPeまたはPb2に設定される。また、1回
目及び2回目の基底パワーはPb1に設定され、3回目
の基底パワーはPb2に設定される。
【0076】ここで、図9に示す時刻t71から時刻t
72までの期間をTtop(7T)と定義し、時刻t7
2から時刻t73までの期間をToff(7T−1)と
定義し、時刻t73から時刻t74までの期間をTmp
(7T)と定義し、時刻t74から時刻t75までの期
間をToff(7T−2)と定義し、時刻t75から時
刻t76までの期間をTlast(7T)と定義し、時
刻t76から時刻t77までの期間をTcl(7T)と
定義した場合、Ttop(7T)は約1.0Tに設定さ
れ、Toff(7T−1)は約1.0Tに設定され、T
mp(7T)は約1.0Tに設定され、Toff(7T
−2)は約1.0Tに設定され、Tlast(7T)は
約1.3Tに設定され、Tcl(7T)は約0.7Tに
設定される。図9に示されるように、時刻t71とはレ
ーザビームのパワーが(Pw+Pe)/2を超えたタイ
ミングであり、時刻t72及び時刻t74とはレーザビ
ームのパワーが(Pw+Pb1)/2を下回ったタイミ
ングであり、時刻t73及び時刻t75とはレーザビー
ムのパワーが(Pw+Pb1)/2を超えたタイミング
であり、時刻t76とはレーザビームのパワーが(Pw
+Pb2)/2を下回ったタイミングであり、時刻t7
7とはレーザビームのパワーが(Pe+Pb2)/2を
超えたタイミングである。
【0077】Ttop(7T)、Toff(7T−
1)、Tmp(7T)、Toff(7T−2)及びTl
ast(7T)の期間(加熱期間)においては、光記録
媒体1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度
が融点を超え、Tcl(7T)の期間(冷却期間)にお
いては、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却され
る。これにより、光記録媒体1の記録層14には、7T
に対応する長さの記録マークが形成される。
【0078】図10は、8Tに対応する長さの記録マー
クを形成する場合の記録ストラテジを示す図である。
【0079】図10に示されるように、8Tに対応する
長さの記録マークを形成する場合、レーザビームのパル
ス数は「4」に設定される。より詳細には、時刻tsか
ら時刻teまでの間に、レーザビームのパワーが一旦P
wとされ、次に、パワーPb1またはPb2とされる組
み合わせからなるセットが4回繰り返される。ここで、
時刻ts以前におけるレーザビームのパワーはPeに設
定されており、時刻tsにおいてレーザビームの立ち上
げが開始される。また、時刻teにおけるレーザビーム
のパワーはPeまたはPb2に設定される。また、1回
目乃至3回目の基底パワーはPb1に設定され、4回目
の基底パワーはPb2に設定される。
【0080】ここで、図10に示す時刻t81から時刻
t82までの期間をTtop(8T)と定義し、時刻t
82から時刻t83までの期間をToff(8T−1)
と定義し、時刻t83から時刻t84までの期間をTm
p(8T−1)と定義し、時刻t84から時刻t85ま
での期間をToff(8T−2)と定義し、時刻t85
から時刻t86までの期間をTmp(8T−2)と定義
し、時刻t86から時刻t87までの期間をToff
(8T−3)と定義し、時刻t87から時刻t88まで
の期間をTlast(8T)と定義し、時刻t88から
時刻t89までの期間をTcl(8T)と定義した場
合、Ttop(8T)は約1.0Tに設定され、Tof
f(8T−1)は約1.0Tに設定され、Tmp(8T
−1)は約1.0Tに設定され、Toff(8T−2)
は約1.0Tに設定され、Tmp(8T−2)は約1.
0Tに設定され、Toff(8T−3)は約1.0Tに
設定され、Tlast(8T)は約0.7Tに設定さ
れ、Tcl(8T)は約0.7Tに設定される。図10
に示されるように、時刻t81とはレーザビームのパワ
ーが(Pw+Pe)/2を超えたタイミングであり、時
刻t82、時刻t84及び時刻t86とはレーザビーム
のパワーが(Pw+Pb1)/2を下回ったタイミング
であり、時刻t83、時刻t85及び時刻t87とはレ
ーザビームのパワーが(Pw+Pb1)/2を超えたタ
イミングであり、時刻t88とはレーザビームのパワー
が(Pw+Pb2)/2を下回ったタイミングであり、
時刻t89とはレーザビームのパワーが(Pe+Pb
2)/2を超えたタイミングである。
【0081】Ttop(8T)、Toff(8T−
1)、Tmp(8T−1)、Toff(8T−2)、T
mp(8T−2)、Toff(8T−3)及びTlas
t(8T)の期間(加熱期間)においては、光記録媒体
1の記録層14は高いエネルギーを受けてその温度が融
点を超え、Tcl(8T)の期間(冷却期間)において
は、光記録媒体1の記録層14は急速に冷却される。こ
れにより、光記録媒体1の記録層14には、8Tに対応
する長さの記録マークが形成される。
【0082】上述の通り、高いデータ転送レートを実現
するために結晶化速度の速い相変化膜を用いると再結晶
化が起こりやすくなるが、これを防止するためには、記
録パワーPwを高く消去パワーPeを低く設定すること
により、記録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe
/Pw)を小さく設定することが有効である。具体的に
は、フォーマット効率を80%とした場合のデータ転送
レートとして70Mbps以上を実現するためには、記
録パワーPwと消去パワーPeとの比(Pe/Pw)を
0.5以下に設定することが好ましく、フォーマット効
率を80%とした場合のデータ転送レートとして140
Mbps以上を実現する場合、記録パワーPwと消去パ
ワーPeとの比(Pe/Pw)を0.3以下に設定する
ことが好ましい。この場合、消去パワーPeが小さいこ
とから、消去がされにくい状態となっているが、本実施
態様においては、冷却期間における基底パワーPb2が
他の期間における基底パワーPb1よりも高く設定され
ているため、Tclの期間における過度の冷却が抑制さ
れる。その結果、基底パワーPb2によって消去がアシ
ストされ、消去不足が解消される。このため、データ転
送レートを高く設定して記録を行う場合においても、十
分な消去率を確保することが可能となる。
【0083】ここで、「消去率」とは、所定の記録マー
クの連続によって構成される単一信号を記録した後、こ
の単一信号上に上記記録マークとは異なる記録マークの
連続によって構成される他の単一信号を1回上書きした
場合の先に記録した単一信号のキャリアの減少分によっ
て定義され、これが低いと、ジッタが高くなってしま
う。良好なオーバーライトを実現するためには、30d
B以上の消去率が必要であるが、本実施態様によれば、
冷却期間における基底パワーPb2が他の期間における
基底パワーPb1よりも高く設定されていることから3
0dB以上の高い消去率を確保することが可能となる。
【0084】尚、冷却期間における基底パワーPb2を
高く設定しすぎると、十分な冷却効果が得られなくな
り、再結晶化が発生してしまうことから、上述の通り、
基底パワーPb2は、消去パワーPeよりも低く設定す
ることが好ましい。
【0085】
【実施例】まず、図3に示した構造を有し、基板11の
厚みが1.1mmであり、反射層12の厚みが100n
mであり、第2の誘電体層13の厚みが20nmであ
り、記録層14の厚みが12nmであり、第1の誘電体
層15の厚みが35nmであり、光透過層16の厚みが
100μmである光記録媒体1を用意した。
【0086】このような光記録媒体1に対し、表1に示
す条件のもと、7Tに対応する長さの記録マークのみか
らなる単一信号を形成した。記録ストラテジは上述した
記録ストラテジを用いた。
【0087】
【表1】 ここで、レーザビームの記録パワー(Pw)、消去パワ
ー(Pe)及び基底パワー(Pb1、Pb2)は、表2
に示す値に設定した。
【0088】
【表2】 次に、表1及び表2に示す条件によって、かかる7Tの
単一信号上に2T、3T、4T、5T、6T及び8Tに
対応する長さの記録マークからなる単一信号をそれぞれ
上書きし、その消去率を測定した。記録ストラテジは、
いずれも上述した記録ストラテジを用いた。測定の結果
を表3に示す。
【0089】
【表3】 表3に示すように、いずれの単一信号で上書きした場合
においても、30dB以上の消去率が得られていること
が分かる。
【0090】次に、比較例として、表1に示す条件のも
と、冷却期間における基底パワーPb2も他の基底パワ
ーPb1(=0.1mW)と同一パワーに設定して、上
記7Tの単一信号上に2T、3T、4T、5T、6T及
び8Tに対応する長さの記録マークからなる単一信号を
それぞれ上書きし、その消去率を測定した。測定の結果
を表4に示す。
【0091】
【表4】 表4に示すように、最短記録マークである2Tに対応す
る長さの記録マークを上書きした場合において、消去率
が低下している。これは、Ttop(2T)が非常に短
いことから、Tcl(2T)の期間の途中において光記
録媒体1の記録層14が既に十分冷却されているためで
あると考えられる。すなわち、Tcl(2T)の期間の
途中において光記録媒体1の記録層14が十分に冷却さ
れると、その後レーザビームのパワーがPeとなるまで
の期間において、古い記録マークが消去されず、これに
より消去率の低下が生じるものと考えられる。
【0092】このように、本実施態様においては、冷却
期間におけるレーザビームの基底パワーPb2を他の期
間における基底パワーPb1も高く設定していることか
ら、高データ転送レートを実現するために結晶化速度の
速い相変化膜によって記録層14を構成し、これに応答
してレーザビームの記録パワーPwと消去パワーPeと
の比(Pe/Pw)を小さく設定した場合であっても、
記録マークの上書きに際して、良好な消去特性を得るこ
とが可能となる。
【0093】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0094】例えば、上記実施態様においては、冷却期
間におけるレーザビームの基底パワーのみを他の期間に
おける基底パワーよりも高く設定しているが、冷却期間
におけるレーザビームの基底パワーが当該他の期間にお
ける少なくとも一つの基底パワーよりも高い限り、当該
他の期間における1または2以上の基底パワーを冷却期
間におけるレーザビームの基底パワーと同じレベル(P
b2)に設定しても構わない。例えば、図10に示す記
録ストラテジにおいて、時刻t82〜t83の期間及び
時刻t84〜t85の期間において、レーザビームの基
底パワーをPb1に設定し、時刻t86〜t87の期間
及び時刻t88〜t89の期間において、レーザビーム
の基底パワーをPb2に設定しても構わない。
【0095】また、上記実施態様においては、レーザビ
ームの基底パワーを2段階(Pb1、Pb2)に設定し
ているが、これを3段階以上に設定しても構わない。こ
の場合、冷却期間におけるレーザビームの基底パワーと
しては、少なくとも最低レベルの基底パワー以外のパワ
ーを用いる必要があり、最高レベルの基底パワーを用い
ることが好ましい。
【0096】また、上記実施態様においては、2T、3
T、4T、5T、6T、7T及び8Tに対応する長さの
記録マークを形成する場合、レーザビームのパルス数を
それぞれ1、1、2、2、3、3及び4に設定している
が、本発明における記録ストラテジがこれに限定される
ことはなく、これとは異なる記録ストラテジを採用して
も構わない。
【0097】また、上記実施態様による光記録媒体への
情報記録方法の適用が好適な光記録媒体として、図3に
示される光記録媒体1を挙げたが、本発明による情報記
録方法の適用がこのような光記録媒体に制限されること
はなく、情報の記録が可能な光記録媒体であれば、どの
ような光記録媒体に対しても適用可能である。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高データ転送レートを実現するのに適した光記録媒体、
光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置を提供す
ることができる。特に、本発明による効果は、データ転
送レートを70Mbps以上に設定する場合に顕著とな
り、140Mbps以上に設定する場合に特に顕著とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかる情報記録装
置の主要部を概略的に示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施態様にかかる情報記録装
置に光記録媒体1が挿入されてからスタンバイ状態とな
るまでに行われる一連の動作を概略的に示すフローチャ
ートである。
【図3】本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体
1の構造を概略的に示す断面図である。
【図4】2Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図5】3Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図6】4Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図7】5Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図8】6Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図9】7Tに対応する長さの記録マークを形成する場
合の記録ストラテジを示す図である。
【図10】8Tに対応する長さの記録マークを形成する
場合の記録ストラテジを示す図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 スピンドルモータ 3 ヘッド 4 コントローラ 5 レーザ駆動回路 6 レンズ駆動回路 7 フォーカスサーボ追従回路 8 トラッキングサーボ追従回路 9 レーザコントロール回路 11 基板 12 反射層 13 第2の誘電体層 14 記録層 15 第1の誘電体層 16 光透過層 17 孔

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも記録層を有し、互いに長さの
    異なる複数種類の記録マークからなる群より選ばれた複
    数の記録マークを前記記録層に形成することによって情
    報を記録可能な光記録媒体であって、前記記録マークの
    形成に用いるレーザビームの基底パワーを複数レベルに
    設定して前記情報の記録を行うために必要な情報を有す
    ることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記情報には、冷却期間におけるレーザ
    ビームの基底パワーを他の期間における少なくとも一つ
    の基底パワーよりも高く設定して前記情報の記録を行う
    ために必要な情報が含まれていることを特徴とする請求
    項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記情報には、前記冷却期間におけるレ
    ーザビームの基底パワーを他の期間における全ての基底
    パワーよりも高く設定して前記情報の記録を行うために
    必要な情報が含まれていることを特徴とする請求項2に
    記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記情報には、前記冷却期間におけるレ
    ーザビームの基底パワーを再生に用いるレーザビームの
    再生パワーよりも高く設定して前記情報の記録を行うた
    めに必要な情報が含まれていることを特徴とする請求項
    2または3に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記情報には、前記冷却期間におけるレ
    ーザビームの基底パワーを前記記録マークの形成に用い
    るレーザビームの消去パワーよりも低く設定して前記情
    報の記録を行うために必要な情報が含まれていることを
    特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の光記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 前記情報には、前記記録マークの形成に
    用いるレーザビームの記録パワーと前記消去パワーとの
    比を0.5以下に設定して前記情報の記録を行うために
    必要な情報が含まれていることを特徴とする請求項5に
    記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記情報には、前記記録パワーと前記消
    去パワーとの比を0.3以下に設定して前記情報の記録
    を行うために必要な情報が含まれていることを特徴とす
    る請求項6に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記情報には、データ転送レートを70
    Mbps以上に設定して前記情報の記録を行うために必
    要な情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記情報には、データ転送レートを14
    0Mbps以上に設定して前記情報の記録を行うために
    必要な情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 互いに長さの異なる複数種類の記録マ
    ークからなる群より選ばれた複数の記録マークを光記録
    媒体に形成することによって情報を記録する光記録媒体
    への情報記録方法であって、前記記録マークの形成に用
    いるレーザビームの基底パワーを複数レベルに設定して
    前記情報の記録を行うことを特徴とする光記録媒体への
    情報記録方法。
  11. 【請求項11】 冷却期間におけるレーザビームの基底
    パワーを他の期間における少なくとも一つの基底パワー
    よりも高く設定して前記情報の記録を行うことを特徴と
    する請求項10に記載の光記録媒体への情報記録方法。
  12. 【請求項12】 前記冷却期間におけるレーザビームの
    基底パワーを再生に用いるレーザビームの再生パワーよ
    りも高く設定して前記情報の記録を行うことを特徴とす
    る請求項11に記載の光記録媒体への情報記録方法。
  13. 【請求項13】 前記冷却期間におけるレーザビームの
    基底パワーを前記記録マークの形成に用いるレーザビー
    ムの消去パワーよりも低く設定して前記情報の記録を行
    うことを特徴とする請求項11または12に記載の光記
    録媒体への情報記録方法。
  14. 【請求項14】 レーザビームを照射することにより、
    光記録媒体へのデータの記録が可能な情報記録装置であ
    って、光記録媒体に対するデータの記録時に用いる前記
    レーザビームの記録パワーをPw、消去パワーをPe、
    冷却期間における基底パワーをPb2、冷却期間以外の
    期間における基底パワーをPb1とした場合、Pw>P
    e>Pb2>Pb1に設定してデータの記録を行うこと
    を特徴とする情報記録装置。
JP2001319819A 2001-10-17 2001-10-17 光記録媒体、光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 Pending JP2003123250A (ja)

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