JP2003124876A - ツリー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法及び送信電力設定プログラム - Google Patents

ツリー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法及び送信電力設定プログラム

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JP2003124876A JP2001319147A JP2001319147A JP2003124876A JP 2003124876 A JP2003124876 A JP 2003124876A JP 2001319147 A JP2001319147 A JP 2001319147A JP 2001319147 A JP2001319147 A JP 2001319147A JP 2003124876 A JP2003124876 A JP 2003124876A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は各局の送信電力を最小化しネットワ
ーク全体の通信容量を改善することが可能なツリー型マ
ルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 各無線リンクについて各局の送信電力の
初期値を決定する第1の手順と、各局の送信電力に基づ
いて各無線リンクのCI比を求める第2の手順と、各無
線リンクについて上位無線リンクの最小CI比を目標C
I比として求める第3の手順と、目標CI比に応じて当
無線リンクの送信電力を変更する場合のIC比変化量の
全無線リンクに関する総和をIC比総変化量として求め
る第4の手順と、IC比総変化量により制御対象リンク
を選出する第5の手順と、制御対象リンクの目標CI比
によりその送信電力を変更する第6の手順とを実行する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツリー型マルチホ
ップ無線ネットワークの送信電力設定方法及び送信電力
設定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】ツリー型マルチホップ無線ネットワーク
は、例えば図7に示すように構成される。すなわち、複
数の無線端末WTと基地局BSとを備える。また、各無
線端末WTは送信機能,受信機能及び中継機能を備え
る。基地局BSは、無線端末WTとの間で無線回線を介
して通信を行い、無線端末WTと有線ネットワークとの
間で信号の中継を行う。
【0003】図7に示す例では、無線端末WT(1)−W
T(2)の間、無線端末WT(1)−WT(3)の間、無線端末
WT(2)−WT(3)の間、無線端末WT(4)−WT(5)の
間、無線端末WT(1)−基地局BSの間、無線端末WT
(4)−基地局BSの間にそれぞれ無線回線が形成されて
いる。すなわち、基地局BSに対して多数の無線端末W
Tがそれぞれの無線回線を介してツリー状に接続されて
いる。従って、例えば無線端末WT(2)が基地局BSと
直接通信できない場合であっても、複数の無線回線を経
由することにより、無線端末WT(2)と基地局BSとの
間で通信することができる。
【0004】例えば、無線端末WT(2)が有線ネットワ
ーク上の端末に対して情報を送信する場合、無線端末W
T(2)の送出した情報は無線回線を介してまず無線端末
WT(1)に届く。無線端末WT(1)は情報の中継を行い、
受信した情報を無線回線を介して隣の基地局BSに送
る。同様に、基地局BSは情報の中継を行い受信した情
報を有線ネットワーク上の端末に送る。すなわち、中継
により複数の無線回線を経由して情報が宛先まで伝達さ
れる。
【0005】このようなツリー型マルチホップ無線ネッ
トワークは、各無線端末と基地局とを直接接続する一般
的なスター型の無線ネットワークと比べると、無線周波
数の利用効率の向上,無線通信エリアの拡大,迂回ルー
トの構築などの点で優れている。また、このような通信
システムでは従来よりそれぞれの無線回線毎に独立に送
信電力を決定している。実際には、無線回線毎に受信局
における干渉受信電力の許容値を予め定め、前記許容値
と当該無線回線における設計上の所要通信速度とに従っ
て送信局の送信電力を決定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法を用いて各
無線回線の送信電力を決定した場合、ある無線回線を形
成する受信局の干渉受信電力がその許容値を超えると、
前記無線回線では所要通信速度を維持できなくなる。す
なわち、干渉受信電力が許容値を上回ると、設計上の通
信速度を保証できなくなる。
【0007】実際には、多数の無線端末局が任意の位置
関係で配置されることが想定されるので、全ての無線回
線について各受信局の干渉受信電力が許容値を下回るよ
うに各無線回線の送信電力を決定できるとは限らない。
従って、ツリー型マルチホップ無線ネットワークにおい
ては、送信元の端末と宛先の端末との間の通信経路を構
成する複数の無線回線のそれぞれについて保証可能な通
信速度が互いに異なることになる。
【0008】このため、ツリー型マルチホップ無線ネッ
トワークにおいて送信元の端末と宛先の端末との間の通
信速度(エンド−エンド通信速度と呼ぶ)は、その経路
上の全ての無線回線の中で、通信速度が最小の1つの無
線回線の制約によって制限される。従って、それぞれの
無線回線の通信速度が独立して決定される場合には、送
信元の端末と宛先の端末との間の経路を構成する複数の
無線回線の中には、エンド−エンド通信速度よりも早い
通信速度に対応する無線回線も存在することになる。そ
の場合、エンド−エンド通信速度よりも通信速度が早い
無線回線では、必要以上の余分な電力を使って信号を送
信していることになる。
【0009】このような余分な送信電力は、他の無線回
線に対して余分な干渉を与えることになり、結果として
ツリー型マルチホップ無線ネットワーク全体の通信容量
を下げることにつながる。本発明は、各無線端末局及び
無線基地局の送信電力を最小化しネットワーク全体の通
信容量を改善することが可能なツリー型マルチホップ無
線ネットワークの送信電力設定方法及び送信電力設定プ
ログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1は、無線基地局
と複数の無線端末局とで構成され、少なくとも一部分の
無線端末局が受信した信号を他の無線端末局もしくは無
線基地局に送信する無線中継機能を有し、無線基地局と
直接無線通信できない無線端末局が他の少なくとも1つ
の無線端末局の無線中継機能を利用して無線基地局との
間で無線通信を行う通信システムにおいて各無線端末局
及び/又は無線基地局の送信電力を決定するためのツリ
ー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法
であって、無線回線により対向する2つの無線端末局の
間又は無線端末局と無線基地局との間を直接接続する各
無線リンクについて、無線端末局又は無線基地局の送信
電力の初期値を決定する第1の手順と、各無線端末局及
び無線基地局の送信電力に基づいて、前記各無線リンク
の無線端末局又は無線基地局における希望波と干渉波と
の受信電力比を表すCI比を求める第2の手順と、各無
線リンクについて、当該無線リンクが属する通信経路上
で当該無線リンクよりも無線基地局に近い他の各無線リ
ンクを上位無線リンクとし、各上位無線リンクの中で、
最小のCI比を当該無線リンクの目標CI比として求め
る第3の手順と、無線端末局と無線基地局とを直接接続
する最上位無線リンクを除く各無線リンクについて、当
該無線リンクのCI比が目標CI比よりも大きい場合
に、前記目標CI比に応じて当該無線リンクを形成する
無線端末局の送信電力を変更することを仮定し、当該送
信電力の変更に伴って各無線リンクにおける干渉波と希
望波との受信電力比の変化を表すIC比変化量の全無線
リンクに関する総和をIC比総変化量として求める第4
の手順と、各無線リンクの前記IC比総変化量に基づい
て1つの無線リンクを制御対象リンクとして選出する第
5の手順と、前記制御対象リンクの目標CI比に応じて
当該無線リンクを形成する無線端末局の送信電力を変更
する第6の手順とを実行すること特徴とする。
【0011】請求項1においては、前記第1の手順〜第
6の手順を実行することにより、無線端末局と無線基地
局とを接続し複数の無線リンクを含む通信経路上で無線
端末局及び無線基地局が必要以上の送信電力で送信しな
いように、送信電力を適切に決定することができる。従
って、各無線リンクの通信速度を均一化するとともに、
他局からの電波の干渉を減らすことができツリー型マル
チホップ無線ネットワーク全体の通信容量を増やすこと
ができる。
【0012】請求項2は、請求項1のツリー型マルチホ
ップ無線ネットワークの送信電力設定方法において、前
記第1の手順では、各無線リンクの受信局における希望
波の受信電力が予め定めた値になるように送信局の送信
電力を決定することを特徴とする。請求項2において
は、第1の手順で各無線リンクの受信局における希望波
の受信電力が予め定めた値になるように送信局の送信電
力を決定するので、各無線リンクの最初のCI比が干渉
波の影響の大きさを表すように各無線リンクのCI比を
正規化することができる。
【0013】請求項3は、請求項1のツリー型マルチホ
ップ無線ネットワークの送信電力設定方法において、前
記第4の手順では、各無線リンクのCI比が前記目標C
I比と等しくなるように当該無線リンクを形成する無線
端末局及び/又は無線基地局の送信電力を変更すること
を仮定してIC比総変化量を求めることを特徴とする。
前記目標CI比は、無線端末局と無線基地局とを接続し
複数の無線リンクを含む通信経路上で最小のCI比であ
る。従って、同じ通信経路上では各無線リンクのCI比
を目標CI比まで下げても前記エンド−エンド通信速度
は劣化しない。
【0014】請求項3においては、送信電力の変更対象
となる無線リンク毎にIC比総変化量を求めることによ
り、各無線リンクのCI比を目標CI比まで下げた場合
の全体としての影響を調べることができる。請求項4
は、請求項1のツリー型マルチホップ無線ネットワーク
の送信電力設定方法において、前記第5の手順では、全
無線リンクの中で前記IC比総変化量が最大になる1つ
の無線リンクを制御対象リンクとして選出することを特
徴とする。
【0015】全無線リンクの中で前記IC比総変化量が
最大になる1つの無線リンクについてそれを形成する送
信局の送信電力を減らすことによりシステム全体の干渉
波の影響を最も抑制することができる。従って、この無
線リンクを制御対象リンクとして選出する。請求項5
は、請求項1のツリー型マルチホップ無線ネットワーク
の送信電力設定方法において、前記第6の手順では、前
記制御対象リンクのCI比が当該無線リンクの目標CI
比と等しくなるように当該無線リンクを形成する無線端
末局及び/又は無線基地局の送信電力を変更することを
特徴とする。
【0016】前記目標CI比は、無線端末局と無線基地
局とを接続し複数の無線リンクを含む通信経路上で最小
のCI比である。従って、同じ通信経路上では各無線リ
ンクのCI比を目標CI比まで下げても前記エンド−エ
ンド通信速度は劣化しない。請求項6は、請求項1のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法において、前記第2の手順,第3の手順,第4の手
順,第5の手順及び第6の手順を複数回繰り返し実行す
ることを特徴とする。
【0017】第2の手順〜第6の手順を複数回繰り返し
実行することにより、余分な送信電力で送信する無線リ
ンクを順次に選択して送信電力を変更し、システム全体
のCI比を最適化することができる。
【0018】請求項7は、請求項1のツリー型マルチホ
ップ無線ネットワークの送信電力設定方法において、前
記第3の手順では、無線端末局と無線基地局とを直接接
続する最上位無線リンクについては目標CI比として定
数を割り当てることを特徴とする。最上位無線リンクの
目標CI比として割り当てる定数については、例えばネ
ットワーク設計上の所要CI比などを用いることが考え
られる。
【0019】請求項7においては、各通信経路において
最上位無線リンクの無線端末局又は無線基地局のCI比
を極力前記定数に揃えるように制御するので、各通信経
路の最上位無線リンクの通信速度を均一化することが可
能になる。すなわち、ツリー上の各通信経路の通信品質
を均一化できる。請求項8は、請求項1のツリー型マル
チホップ無線ネットワークの送信電力設定方法におい
て、全無線リンクにおける各受信局のCI比の平均値を
平均CI比として求める手順を更に実行し、前記第3の
手順では、無線端末局と無線基地局とを直接接続する最
上位無線リンクについては目標CI比として前記平均C
I比を割り当てることを特徴とする。
【0020】請求項8においては、各通信経路において
最上位無線リンクの無線端末局又は無線基地局のCI比
を前記平均CI比に揃えるように制御することになる。
また、最上位無線リンク以外の各無線リンクについては
CI比を最上位無線リンクのCI比に揃えるように制御
するので、結果として全無線リンクの無線端末局及び無
線基地局のCI比を均一化することができる。
【0021】請求項9は、無線基地局と複数の無線端末
局とで構成され、少なくとも一部分の無線端末局が受信
した信号を他の無線端末局もしくは無線基地局に送信す
る無線中継機能を有し、無線基地局と直接無線通信でき
ない無線端末局が他の少なくとも1つの無線端末局の無
線中継機能を利用して無線基地局との間で無線通信を行
う通信システムにおいて各無線端末局の送信電力を決定
するために用いるコンピュータで実行可能な送信電力設
定プログラムであって、無線回線により対向する2つの
無線端末局の間又は無線端末局と無線基地局との間を直
接接続する各無線リンクについて、無線端末局又は無線
基地局の送信電力の初期値を決定する第1の手順と、各
無線端末局及び無線基地局の送信電力に基づいて、前記
各無線リンクの無線端末局又は無線基地局における希望
波と干渉波との受信電力比を表すCI比を求める第2の
手順と、各無線リンクについて、当該無線リンクが属す
る通信経路上で当該無線リンクよりも無線基地局に近い
他の各無線リンクを上位無線リンクとし、各上位無線リ
ンクの中で、最小のCI比を当該無線リンクの目標CI
比として求める第3の手順と、無線端末局と無線基地局
とを直接接続する最上位無線リンクを除く各無線リンク
について、当該無線リンクのCI比が目標CI比よりも
大きい場合に、前記目標CI比に応じて当該無線リンク
を形成する無線端末局の送信電力を変更することを仮定
し、当該送信電力の変更に伴って各無線リンクにおける
干渉波と希望波との受信電力比の変化を表すIC比変化
量の全無線リンクに関する総和をIC比総変化量として
求める第4の手順と、各無線リンクの前記IC比総変化
量に基づいて1つの無線リンクを制御対象リンクとして
選出する第5の手順と、前記制御対象リンクの目標CI
比に応じて当該無線リンクを形成する無線端末局の送信
電力を変更する第6の手順とを設けたことを特徴とす
る。
【0022】請求項9の送信電力設定プログラムを所定
のコンピュータで実行することにより、請求項1のツリ
ー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法
を実施することができる。請求項10は、請求項9の送
信電力設定プログラムにおいて、前記第3の手順では、
無線端末局と無線基地局とを直接接続する最上位無線リ
ンクについては目標CI比として定数を割り当てること
を特徴とする。
【0023】請求項10の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項7のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。
【0024】請求項11は、請求項9の送信電力設定プ
ログラムにおいて、全無線リンクにおける各受信局のC
I比の平均値を平均CI比として求める手順を更に設け
るとともに、前記第3の手順では、無線端末局と無線基
地局とを直接接続する最上位無線リンクについては目標
CI比として前記平均CI比を割り当てることを特徴と
する。
【0025】請求項11の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項8のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。請求項12は、請求項9の
送信電力設定プログラムにおいて、前記第1の手順で
は、各無線リンクの受信局における希望波の受信電力が
予め定めた値になるように送信局の送信電力を決定する
ことを特徴とする。
【0026】請求項12の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項2のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。請求項13は、請求項9の
送信電力設定プログラムにおいて、前記第4の手順で
は、各無線リンクのCI比が前記目標CI比と等しくな
るように当該無線リンクを形成する無線端末局及び/又
は無線基地局の送信電力を変更することを仮定してIC
比総変化量を求めることを特徴とする。
【0027】請求項13の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項3のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。請求項14は、請求項9の
送信電力設定プログラムにおいて、前記第5の手順で
は、全無線リンクの中で前記IC比総変化量が最大にな
る1つの無線リンクを制御対象リンクとして選出するこ
とを特徴とする。
【0028】請求項14の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項4のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。請求項15は、請求項9の
送信電力設定プログラムにおいて、前記第6の手順で
は、前記制御対象リンクのCI比が当該無線リンクの目
標CI比と等しくなるように当該無線リンクを形成する
無線端末局及び/又は無線基地局の送信電力を変更する
ことを特徴とする。
【0029】請求項15の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項5のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。請求項16は、請求項9の
送信電力設定プログラムにおいて、前記第2の手順,第
3の手順,第4の手順,第5の手順及び第6の手順を複
数回繰り返し実行することを特徴とする。
【0030】請求項16の送信電力設定プログラムを所
定のコンピュータで実行することにより、請求項6のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法を実施することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明のツ
リー型マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方
法及び送信電力設定プログラムの1つの実施の形態につ
いて、図1及び図4〜図7を参照して説明する。この形
態は、請求項1〜請求項6,請求項9及び請求項12〜
請求項16に対応する。
【0032】図1はこの形態の送信電力設定方法の手順
を示すフローチャートである。図4は送信局及び受信局
の配置例を示す平面図である。図5は各局の配置例を示
す平面図である。図6は1つの通信経路を構成する各無
線リンクの構成例を示すブロック図である。図7はツリ
ー型マルチホップ無線ネットワークの構成例を示すブロ
ック図である。
【0033】この形態では、請求項1における第1の手
順,第2の手順,第3の手順,第4の手順,第5の手順
及び第6の手順はそれぞれ図1のステップS11,S1
2,PR1,PR2,S20及びS21に対応する。こ
の形態では、例えば図7に示すように複数の無線端末W
Tが無線基地局BSに対してツリー状に接続されたツリ
ー型マルチホップ無線ネットワークにおいて、各無線端
末WT及び無線基地局BSの送信電力を決定する場合を
想定している。また、この例では無線基地局BS及び各
無線端末WTは位置が固定され、それらの位置情報が把
握できる状態で送信電力を決定する場合を想定してい
る。
【0034】各無線端末WTは、それぞれが送信機能,
受信機能及び中継機能を備える。基地局BSは、無線端
末WTとの間で無線回線を介して通信を行い、無線端末
WTと有線ネットワークとの間で信号の中継を行う。図
7に示す例では、無線端末WT(1)−WT(2)の間、無線
端末WT(1)−WT(3)の間、無線端末WT(2)−WT(3)
の間、無線端末WT(4)−WT(5)の間、無線端末WT
(1)−基地局BSの間、無線端末WT(4)−基地局BSの
間にそれぞれ無線回線が形成されている。
【0035】すなわち、基地局BSに対して多数の無線
端末WTがそれぞれの無線回線を介してツリー状に接続
されている。従って、例えば無線端末WT(2)が基地局
BSと直接通信できない場合であっても、複数の無線回
線を経由することにより、無線端末WT(2)と基地局B
Sとの間で通信することができる。例えば、無線端末W
T(2)が有線ネットワーク上の端末に対して情報を送信
する場合、無線端末WT(2)の送出した情報は無線回線
を介してまず無線端末WT(1)に届く。無線端末WT(1)
は情報の中継を行い、受信した情報を無線回線を介して
隣の基地局BSに送る。同様に、基地局BSは情報の中
継を行い受信した情報を有線ネットワーク上の端末に送
る。すなわち、中継により複数の無線回線を経由して情
報が宛先まで伝達される。
【0036】なお、対向する無線端末WT同士の間、並
びに無線端末WTと無線基地局BSとの間を接続する1
つの無線回線をそれぞれ無線リンクと呼ぶ。例えば、図
6において無線端末WT(3)と無線基地局BSとを接続
する1つの通信経路は、無線端末WT(3)−WT(2)を接
続する無線リンクL(23)と、無線端末WT(2)−WT(1)
を接続する無線リンクL(12)と、無線端末WT(1)−無
線基地局BSを接続する無線リンクL(1B)とで構成され
ている。
【0037】図1に示す送信電力設定方法を実施する場
合には、例えば図7に示すようなネットワークの構成及
び各局の位置関係を予め決定し、形成可能な各々の無線
リンクに通信用のチャネルを配置する。なお、図1に示
す処理は任意のチャネル配置に対して実行できる。以
下、図1に示す各ステップについて説明する。ステップ
S11では、無線リンク毎に各受信局の希望波受信電力
C(n)が規定値になるように当無線リンクの送信局の送
信電力T(n)を決定する(nは各無線リンクを区別する
番号を表す)。
【0038】例えば、1つの無線リンクにおける送信局
と受信局とが図4に示すように配置された場合を想定す
ると、次のようにしてステップS11における送信局の
送信電力を決定することができる。送信局のアンテナか
らθt方向へ出る電力(密度)の強さEは、形式的に考
えると次式で表される。
【0039】 E=T・Gt・Dt(θt) ・・・(1) 一方、受信局はθr方向に電力pの電波が到来したと
き、アンテナの指向性(絞り方)に応じて次式で表され
る受信電力R[W]の信号をアンテナから入力する。 R=p・Gr・Dr(θr) ・・・(2) また、電波は次式で表されるように距離dに応じて減衰
する。
【0040】p=E・A・d-x x:伝搬定数(2〜4程度) ・・・(3) A:定数 x,Aは電波伝搬環境に応じて定まる。従って、送信局
の送信電力Tと受信局の受信電力Rとの関係は次式で表
される。
【0041】 R=T・Gt・Dt(θt)・GrDr(θr)・A・d-x ・・・(4) 前記第(4)式におけるx,A,Rを設計者が一意に定め
ることにより、第(4)式から送信局の送信電力Tを求め
ることができる。図1のステップS11を実行すること
により、各無線リンクの希望波受信電力C(n)が一定に
なるように各無線リンクの送信局の送信電力T(n)が決
定される。
【0042】図1におけるステップS12〜S22の処
理は所定の条件を満たすまで複数回繰り返し実行され
る。ステップS12では、無線リンク毎に各無線端末W
T又は無線基地局BSの受信する信号における希望波受
信電力Cと干渉波受信電力Iとの割合(C/I)を算出
する。
【0043】例えば、図5に示すようにj番目の無線リ
ンクを形成する送信局(j)及び受信局(j)とk番目の無線
リンクを形成する送信局(k)及び受信局(k)が存在する場
合には、j番目の無線リンクの受信局(j)の受信信号に
対して、k番目の無線リンクを形成する送信局(k)から
の信号が干渉波として影響する。ここで、j番目の無線
リンクの送信局(j)から送信され受信局(j)で受信される
希望波受信電力(所要受信電力)C(jr)は次式で表され
る。
【0044】 C(jr)=T(jt)・G(jt)・D(jt)(θ(jt))・G(jr)・D(jr)(θ(jr))・A・d(j)-x ・・・(5) 但し、所要受信電力C(jr)は受信局(j)における干渉雑
音成分M,熱雑音N,所要C/(N+I)により定まる。
【0045】また、k番目の無線リンクの送信局(k)か
ら送信され受信局(k)で受信される希望波受信電力(所
要受信電力)C(kr)は次式で表される。 C(kr)=T(kt)・G(kt)・D(kt)(θ(kt))・G(kr)・D(kr)(θ(kr))・A・d(k)-x ・・・(6) 但し、所要受信電力C(kr)は受信局(k)における干渉雑
音成分M,熱雑音N,所要C/(N+I)により定まる。
【0046】一方、k番目の無線リンクの送信局(k)か
ら送信されj番目の無線リンクの受信局(j)で受信され
る干渉波受信電力I(jkr)は次式で表される。 I(jkr)=T(kt)・G(kt)・D(kt)(θ(kjt))・ G(jr)・D(jr)(θ(jkr))・A・d(kj)-x ・・・(7) 従って、j番目の無線リンクの受信局(j)における希望
波受信電力(所要受信電力)C(jr)と干渉波受信電力I
(jkr)との比C(jr)/I(jkr)は前記第(5)式,第(6)式,
第(7)式より次式で表される。
【0047】 C(jr)/I(jkr)=(C(jr)/C(kr))・[D(kt)(θ(kt))/D(kt)(θ(kjt))]・ (G(kr)/G(jr))・[D(kr)(θ(kr))/D(jr)(θ(jr))]・ (d(k)/d(kj))-x ・・・(8) すなわち、図1のステップS12では前記第(8)式に基
づいて無線リンク毎にC/Iを算出する。実際には干渉
局が複数の場合もあるが、その場合でも上記と同様の計
算方法に基づいてC/Iを算出することができる。
【0048】図1に示す処理PR1では、無線リンク毎
に目標C/Iを算出する。但し、無線基地局BSと直接
接続された最上位無線リンクについては、当無線リンク
のC/Iをそのまま当無線リンクの目標C/Iに定め
る。最上位無線リンク以外の各無線リンクについては、
まずステップS13で当無線リンクが属する通信経路上
で当無線リンクよりも無線基地局BSに近い他の無線リ
ンク(上位無線リンクと呼ぶ)の無線端末WT又は無線
基地局BSのC/Iの中で最小のC/Iを選択し、それ
と当無線リンクのC/Iとを比較する。
【0049】図6に示すように、無線基地局BSと無線
端末WT(3)との間に1つの通信経路が形成されている
場合を想定して説明する。この通信経路は、3つの無線
リンクL(1B),L(12),L(23)で接続されている。例え
ば無線リンクL(23)についてステップS13を実行する
場合には、2つの無線リンクL(1B),L(12)が上位無線
リンクになるので、無線リンクL(1B)における無線端末
WT(1)又は無線基地局BSのC/I並びに無線リンク
L(12)における無線端末WT(1)又はWT(2)のC/Iの
中で最小のC/Iを選択し、それと無線リンクL(23)に
おける無線端末WT(2)又はWT(3)のC/Iとを比較す
る。
【0050】「上位リンク最小C/I<当無線リンクC
/I」の場合、すなわち当無線リンクの送信局の送信電
力が同じ通信経路上の他の無線リンクに比べて必要以上
に大きい場合にはステップS13からS14に進み、そ
うでない場合にはステップS15に進む。ステップS1
4では、上位リンク最小C/Iを当無線リンクの目標C
/Iに定める。例えば、図6において無線リンクL(23)
を処理する場合には、上位無線リンクである無線リンク
L(1B)におけるC/Iと無線リンクL(12)におけるC/
Iとのいずれか小さい方を無線リンクL(23)の目標C/
Iに定める。
【0051】ステップS15では、ステップS12で算
出された当無線リンクのC/Iをそのまま当無線リンク
の目標C/Iに定める。図1に示すPR1の処理は全て
の無線リンクに対してそれぞれ実行される。従って、各
々の無線リンクについてそれぞれ目標C/Iが決定され
る。この目標C/Iは、当無線リンクにおいてC/Iを
下げる場合の目標値であり、当無線リンクを通る1つの
通信経路上で通信品質の劣化が生じない下限値を表す。
【0052】次の処理PR2では、無線リンク毎に、送
信電力を下げると仮定した場合の影響を表す変化量(D
ic)を算出する。まず、ステップS17では当無線リ
ンクのC/Iと当無線リンクの目標C/Iとを比較す
る。「当無線リンクC/I>当無線リンク目標C/I」
の場合には、ステップS17からS18に進む。
【0053】ステップS18では、当無線リンクのC/
Iが当無線リンクの目標C/Iになるまで当無線リンク
の送信電力を下げると仮定した場合の、各無線リンクに
おける干渉波受信電力Iと希望波受信電力Cとの割合
(I/C)の全無線リンクについての総和の変化量Di
cを算出する。送信電力を下げると仮定する無線リンク
を順番に切り替えて、ステップS17,S18,S19
の処理を無線リンクの数だけ繰り返す。従って、無線リ
ンクの総数がNである場合を想定すると、処理PR2で
はN個の変化量Dicが得られる。なお、C/Iと目標
C/Iとが等しい無線リンクについては送信電力を下げ
ることができないので変化量Dicは0になる。
【0054】次のステップS20では、前の処理PR2
で得られたN個の変化量Dicを互いに比較する。そし
て、最大の変化量Dicが得られた1つの無線リンクを
制御対象無線リンクとして選出する。ステップS21で
は、ステップS20で選出された1つの制御対象無線リ
ンクについて、無線端末WTのC/Iがその目標C/I
と一致するように、当無線リンクの無線端末WTの送信
電力を下げる。
【0055】すなわち、変化量Dicが最大の無線リン
クを制御対象無線リンクとし、その制御対象無線リンク
について送信電力を下げることによりシステム全体とし
て干渉波の影響を最も効果的に低減することができる。
ステップS22では、所定の終了条件に適合するか否か
を識別する。終了条件に適合しない場合には、ステップ
S12からの処理を繰り返し実行する。ステップS22
における実際の処理としては、例えば処理を繰り返す回
数を予め定めた回数と比較してもよいし、各無線リンク
のC/Iと目標C/Iとの差分の平均値を予め定めた閾
値と比較してもよい。
【0056】ステップS12〜S22の処理を実行する
度に1つの制御対象無線リンクが選出され、その無線リ
ンクの送信電力が下がるので、ステップS12〜S22
の処理を複数回繰り返すことにより、各無線リンクのC
/Iと目標C/Iとの差は徐々に小さくなる。但し、送
信電力が減らされる無線リンクはそれが属する通信経路
上で必要とされるエンド−エンド通信速度に必要とされ
る送信電力と比べて大きな送信電力で送信している無線
リンクに限定される。そのため、図1に示す処理によっ
ていくつかの無線リンクの送信電力を減らしても、各通
信経路のエンド−エンド通信速度が下がることはない。
つまり、各通信経路のエンド−エンド通信速度に合わせ
て余分な電力で送信しないように、各無線リンクの送信
電力を最適化することができる。
【0057】以上の説明では、各無線端末及び無線基地
局の位置関係が把握できる初期状態で各無線端末及び無
線基地局の送信電力を決定する設計時の状況を想定して
いる。しかし、例えば既存のツリー型マルチホップ無線
ネットワークに新たな無線端末を追加する場合に各無線
端末及び無線基地局の送信電力を再び最適化するために
本発明を利用することもできる。
【0058】その場合には、各無線端末及び無線基地局
に受信C/Iの測定機能を設けるのが望ましい。そし
て、各無線端末及び無線基地局でそれぞれ測定された受
信C/Iを所定の制御局に通知し、制御局で本発明の方
法を用いて各局の送信電力を決定し、決定された送信電
力を制御局から各無線端末及び無線基地局に通知し、各
無線端末及び無線基地局では通知された送信電力の情報
に従って送信電力を制御すればよい。
【0059】なお、この形態では最適化アルゴリズムの
「Simulated Annealing方法」を利用している。この形
態の送信電力設定方法はコンピュータを用いて自動的に
実行することができる。コンピュータを用いる場合に
は、図1に示す手順に相当する送信電力設定プログラム
を作成しておき、この送信電力設定プログラムを所定の
記録媒体あるいはネットワークからコンピュータに読み
込んで実行すればよい。
【0060】(第2の実施の形態)本発明のツリー型マ
ルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法及び送
信電力設定プログラムの1つの実施の形態について、図
2を参照して説明する。この形態は、請求項7及び請求
項10に対応する。図2はこの形態の送信電力設定方法
の手順を示すフローチャートである。この形態は、第1
の実施の形態の変形例である。また、図2において図1
と対応するステップには同一の番号を付けて示してあ
る。第1の実施の形態と同一の部分については以下の説
明を省略する。
【0061】この形態では、図2に示すようにステップ
S12の後でステップS31を実行する。ステップS3
1では、最上位無線リンク(無線基地局BSと直接接続
された無線リンク)の目標C/Iとして予め定めた定数
を割り当てる。この定数としては、例えばネットワーク
設計上の所要C/Iなどが考えられる。最上位無線リン
クの目標C/Iとして予め定めた定数を割り当てること
により、各通信経路の最上位無線リンクについて、無線
端末局あるいは無線基地局のC/Iを前記定数に極力揃
えようとするので、各通信経路の最上位無線リンクの通
信速度を均一化することが可能になる。すなわち、各通
信経路の通信品質を均一化することができる。
【0062】図2の処理PR1Bでは、最上位無線リン
ク以外の各無線リンクについて目標C/Iを算出する。
それ以外は図1の処理PR1と同一である。この形態の
送信電力設定方法はコンピュータを用いて自動的に実行
することができる。コンピュータを用いる場合には、図
2に示す手順に相当する送信電力設定プログラムを作成
しておき、この送信電力設定プログラムを所定の記録媒
体あるいはネットワークからコンピュータに読み込んで
実行すればよい。
【0063】(第3の実施の形態)本発明のツリー型マ
ルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法及び送
信電力設定プログラムの1つの実施の形態について、図
3を参照して説明する。この形態は、請求項8及び請求
項11に対応する。図3はこの形態の送信電力設定方法
の手順を示すフローチャートである。この形態は、第1
の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例である。ま
た、図3において図2と対応するステップには同一の番
号を付けて示してある。第1の実施の形態及び第2の実
施の形態と同一の部分については以下の説明を省略す
る。
【0064】この形態では、図3に示すようにステップ
S12の後でステップS32を実行する。ステップS3
2では、全ての無線リンクにおける無線端末局及び無線
基地局のC/Iの平均値を算出し、その結果(平均C/
I)を最上位無線リンク(無線基地局BSと直接接続さ
れた無線リンク)の目標C/Iとして割り当てる。最上
位無線リンクの無線端末局あるいは無線基地局の目標C
/Iとして平均C/Iを割り当てることにより、各通信
経路の最上位無線リンクについて、無線端末局あるいは
無線基地局のC/Iを平均C/Iに極力揃えるように制
御される。また、最上位無線リンク以外の無線リンクに
おける無線端末局のC/Iをその無線リンクが属する通
信経路上の最上位無線リンクにおける無線端末局あるい
は無線基地局のC/Iに極力揃えるように制御される。
そのため、結果的に全ての無線リンクにおける無線端末
局及び無線基地局のC/Iを均一化することになる。
【0065】この形態の送信電力設定方法はコンピュー
タを用いて自動的に実行することができる。コンピュー
タを用いる場合には、図3に示す手順に相当する送信電
力設定プログラムを作成しておき、この送信電力設定プ
ログラムを所定の記録媒体あるいはネットワークからコ
ンピュータに読み込んで実行すればよい。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、各無線端末局及び無線
基地局がエンド−エンド通信速度に必要とされる送信電
力を超える余分な電力で送信しないように各局の送信電
力を最適化することが可能になる。
【0067】また、本発明の方法を実施することにより
各局の送信電力は前述の目標C/Iと等しくなる。それ
を検証するために計算機を用いてシミュレーションを実
施した。その結果が図8に示されている。図8において
は、あるチャネル配置直後において各無線リンクにおけ
る無線端末局あるいは無線基地局の希望波受信電力が一
定になるように各局の送信電力を定めた初期状態につい
ての実際のC/Iの累積分布及び目標C/Iの累積分布
と、前記初期状態から第1の実施の形態の手順を用いて
各局の送信電力を定めた場合の実際のC/Iの累積分布
及び目標C/Iの累積分布と、前記初期状態から第3の
実施の形態の手順を用いて各局の送信電力を定めた場合
の実際のC/Iの累積分布及び目標C/Iの累積分布と
が対比できるように表してある。
【0068】このシミュレーションにおいては、無線基
地局のセルモデルとして正方形モデルを想定し、無線基
地局は正方形の中心に配置されるものとした。また、無
線端末局が各セル内に一様になるように、セル内を格子
分割して各格子点を中心とした正方形を描きその正方形
内に1無線端末局をランダム分布させている。また、経
路については無線基地局を中心とする正方形周辺上の格
子点に対応する無線端末局は無線基地局からのホップ数
が同一とし、各無線端末局が上り方向で最も近い無線端
末局又は無線基地局と接続するようにした。また、各局
のアンテナについては次式で与えられる指向性アンテナ
パターンのペンシルビームアンテナを想定した。
【数1】 D(θ):角度θにおけるアンテナゲイン θH:半値幅 αB:サイドローブ減衰量 また、上記以外のシミュレーションの条件については次
の表に示すとおりである。
【表1】 図8を参照すると、チャネル配置直後は実際のC/Iの
累積分布よりも目標C/Iの累積分布が小さくなってい
ることが分かる。従って、ある無線リンクにおける受信
局のC/Iが上位無線リンクにおける受信局のC/Iよ
りも大きい状態、すなわち該無線リンクにおける無線端
末局においてエンド−エンド通信速度以上の通信速度に
対応する余分な電力を送信している状態になっているこ
とが分かる。
【0069】一方、本発明の各実施形態により各局の送
信電力を変更して得られる特性を参照すると、実際のC
/Iの累積分布と目標C/Iの累積分布とがほぼ一致し
ていることが分かる。従って、本発明によれば各無線端
末局及び無線基地局が余分な電力を送信しないように送
信電力を適切に決定できることが分かる。また、第1の
実施の形態よりも第3の実施の形態の手順で送信電力を
決定した方が累積分布の低い範囲でのC/Iが向上して
いることが分かる。従って、第1の実施の形態におい
て、最上位リンクの無線端末局あるいは無線基地局に対
しても送信電力を変更することが効果的であることが分
かる。
【0070】すなわち、第2の実施の形態のように最上
位無線リンクにおける無線端末局あるいは無線基地局の
目標C/Iにある定数を割り当てることにより、各通信
経路の最上位無線リンクにおける無線端末局あるいは無
線基地局のC/Iを前記定数に極力揃えるように制御す
ることになり、各通信経路の最上位無線リンクの通信速
度を均一化することができる。すなわち、各通信経路の
通信品質を均一化することができる。
【0071】また、第3の実施の形態のように最上位無
線リンクにおける無線端末局あるいは無線基地局の目標
C/Iに平均C/Iを割り当てることにより、各通信経
路の最上位無線リンクにおける無線端末局あるいは無線
基地局のC/Iを平均C/Iに極力揃えるように制御す
ることになる。また、最上位無線リンク以外の無線リン
クにおける無線端末局のC/Iを、その無線リンクの属
する通信経路の最上位無線リンクにおける無線端末局あ
るいは無線基地局のC/Iに極力揃えるように制御され
る。その結果、全ての無線リンクにおける無線端末局及
び無線基地局のC/Iを均一化することができる。
【0072】本発明は、上記のように全無線リンクにお
ける各局のC/Iをなるべく最上位無線リンクにおける
無線端末局及び無線基地局のC/Iに近づける送信電力
を決定することができるので、ベストエフォート型サー
ビスをツリー型マルチホップ無線ネットワークで提供す
る際に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の送信電力設定方法の手順を
示すフローチャートである。
【図2】第2の実施の形態の送信電力設定方法の手順を
示すフローチャートである。
【図3】第3の実施の形態の送信電力設定方法の手順を
示すフローチャートである。
【図4】送信局及び受信局の配置例を示す平面図であ
る。
【図5】各局の配置例を示す平面図である。
【図6】1つの通信経路を構成する各無線リンクの構成
例を示すブロック図である。
【図7】ツリー型マルチホップ無線ネットワークの構成
例を示すブロック図である。
【図8】本発明による特性変化を示すグラフである。
【符号の説明】
BS 無線基地局 WT 無線端末 L 無線リンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 栄亮 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 厚木 岳夫 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 梅比良 正弘 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K067 AA03 DD44 EE02 EE06 EE10 EE25 GG08 HH21 HH22 KK02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線基地局と複数の無線端末局とで構成
    され、少なくとも一部分の無線端末局が受信した信号を
    他の無線端末局もしくは無線基地局に送信する無線中継
    機能を有し、無線基地局と直接無線通信できない無線端
    末局が他の少なくとも1つの無線端末局の無線中継機能
    を利用して無線基地局との間で無線通信を行う通信シス
    テムにおいて各無線端末局及び/又は無線基地局の送信
    電力を決定するためのツリー型マルチホップ無線ネット
    ワークの送信電力設定方法であって、 無線回線により対向する2つの無線端末局の間又は無線
    端末局と無線基地局との間を直接接続する各無線リンク
    について、無線端末局又は無線基地局の送信電力の初期
    値を決定する第1の手順と、 各無線端末局及び無線基地局の送信電力に基づいて、前
    記各無線リンクの無線端末局又は無線基地局における希
    望波と干渉波との受信電力比を表すCI比を求める第2
    の手順と、 各無線リンクについて、当該無線リンクが属する通信経
    路上で当該無線リンクよりも無線基地局に近い他の各無
    線リンクを上位無線リンクとし、各上位無線リンクの中
    で、最小のCI比を当該無線リンクの目標CI比として
    求める第3の手順と、 無線端末局と無線基地局とを直接接続する最上位無線リ
    ンクを除く各無線リンクについて、当該無線リンクのC
    I比が目標CI比よりも大きい場合に、前記目標CI比
    に応じて当該無線リンクを形成する無線端末局の送信電
    力を変更することを仮定し、当該送信電力の変更に伴っ
    て各無線リンクにおける干渉波と希望波との受信電力比
    の変化を表すIC比変化量の全無線リンクに関する総和
    をIC比総変化量として求める第4の手順と、 各無線リンクの前記IC比総変化量に基づいて1つの無
    線リンクを制御対象リンクとして選出する第5の手順
    と、 前記制御対象リンクの目標CI比に応じて当該無線リン
    クを形成する無線端末局の送信電力を変更する第6の手
    順とを実行すること特徴とするツリー型マルチホップ無
    線ネットワークの送信電力設定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第1の手
    順では、各無線リンクの受信局における希望波の受信電
    力が予め定めた値になるように送信局の送信電力を決定
    することを特徴とするツリー型マルチホップ無線ネット
    ワークの送信電力設定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第4の手
    順では、各無線リンクのCI比が前記目標CI比と等し
    くなるように当該無線リンクを形成する無線端末局及び
    /又は無線基地局の送信電力を変更することを仮定して
    IC比総変化量を求めることを特徴とするツリー型マル
    チホップ無線ネットワークの送信電力設定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第5の手
    順では、全無線リンクの中で前記IC比総変化量が最大
    になる1つの無線リンクを制御対象リンクとして選出す
    ることを特徴とするツリー型マルチホップ無線ネットワ
    ークの送信電力設定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第6の手
    順では、前記制御対象リンクのCI比が当該無線リンク
    の目標CI比と等しくなるように当該無線リンクを形成
    する無線端末局及び/又は無線基地局の送信電力を変更
    することを特徴とするツリー型マルチホップ無線ネット
    ワークの送信電力設定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第2の手
    順,第3の手順,第4の手順,第5の手順及び第6の手
    順を複数回繰り返し実行することを特徴とするツリー型
    マルチホップ無線ネットワークの送信電力設定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、前記第3の手
    順では、無線端末局と無線基地局とを直接接続する最上
    位無線リンクについては目標CI比として定数を割り当
    てることを特徴とするツリー型マルチホップ無線ネット
    ワークの送信電力設定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1のツリー型マルチホップ無線ネ
    ットワークの送信電力設定方法において、全無線リンク
    における各受信局のCI比の平均値を平均CI比として
    求める手順を更に実行し、前記第3の手順では、無線端
    末局と無線基地局とを直接接続する最上位無線リンクに
    ついては目標CI比として前記平均CI比を割り当てる
    ことを特徴とするツリー型マルチホップ無線ネットワー
    クの送信電力設定方法。
  9. 【請求項9】 無線基地局と複数の無線端末局とで構成
    され、少なくとも一部分の無線端末局が受信した信号を
    他の無線端末局もしくは無線基地局に送信する無線中継
    機能を有し、無線基地局と直接無線通信できない無線端
    末局が他の少なくとも1つの無線端末局の無線中継機能
    を利用して無線基地局との間で無線通信を行う通信シス
    テムにおいて各無線端末局の送信電力を決定するために
    用いるコンピュータで実行可能な送信電力設定プログラ
    ムであって、 無線回線により対向する2つの無線端末局の間又は無線
    端末局と無線基地局との間を直接接続する各無線リンク
    について、無線端末局又は無線基地局の送信電力の初期
    値を決定する第1の手順と、 各無線端末局及び無線基地局の送信電力に基づいて、前
    記各無線リンクの無線端末局又は無線基地局における希
    望波と干渉波との受信電力比を表すCI比を求める第2
    の手順と、 各無線リンクについて、当該無線リンクが属する通信経
    路上で当該無線リンクよりも無線基地局に近い他の各無
    線リンクを上位無線リンクとし、各上位無線リンクの中
    で、最小のCI比を当該無線リンクの目標CI比として
    求める第3の手順と、 無線端末局と無線基地局とを直接接続する最上位無線リ
    ンクを除く各無線リンクについて、当該無線リンクのC
    I比が目標CI比よりも大きい場合に、前記目標CI比
    に応じて当該無線リンクを形成する無線端末局の送信電
    力を変更することを仮定し、当該送信電力の変更に伴っ
    て各無線リンクにおける干渉波と希望波との受信電力比
    の変化を表すIC比変化量の全無線リンクに関する総和
    をIC比総変化量として求める第4の手順と、 各無線リンクの前記IC比総変化量に基づいて1つの無
    線リンクを制御対象リンクとして選出する第5の手順
    と、 前記制御対象リンクの目標CI比に応じて当該無線リン
    クを形成する無線端末局の送信電力を変更する第6の手
    順とを設けたことを特徴とする送信電力設定プログラ
    ム。
  10. 【請求項10】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第3の手順では、無線端末局と無線基地局
    とを直接接続する最上位無線リンクについては目標CI
    比として定数を割り当てることを特徴とする送信電力設
    定プログラム。
  11. 【請求項11】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、全無線リンクにおける各受信局のCI比の平均
    値を平均CI比として求める手順を更に設けるととも
    に、前記第3の手順では、無線端末局と無線基地局とを
    直接接続する最上位無線リンクについては目標CI比と
    して前記平均CI比を割り当てることを特徴とする送信
    電力設定プログラム。
  12. 【請求項12】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第1の手順では、各無線リンクの受信局に
    おける希望波の受信電力が予め定めた値になるように送
    信局の送信電力を決定することを特徴とする送信電力設
    定プログラム。
  13. 【請求項13】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第4の手順では、各無線リンクのCI比が
    前記目標CI比と等しくなるように当該無線リンクを形
    成する無線端末局及び/又は無線基地局の送信電力を変
    更することを仮定してIC比総変化量を求めることを特
    徴とする送信電力設定プログラム。
  14. 【請求項14】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第5の手順では、全無線リンクの中で前記
    IC比総変化量が最大になる1つの無線リンクを制御対
    象リンクとして選出することを特徴とする送信電力設定
    プログラム。
  15. 【請求項15】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第6の手順では、前記制御対象リンクのC
    I比が当該無線リンクの目標CI比と等しくなるように
    当該無線リンクを形成する無線端末局及び/又は無線基
    地局の送信電力を変更することを特徴とする送信電力設
    定プログラム。
  16. 【請求項16】 請求項9の送信電力設定プログラムに
    おいて、前記第2の手順,第3の手順,第4の手順,第
    5の手順及び第6の手順を複数回繰り返し実行すること
    を特徴とする送信電力設定プログラム。
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