JP2003127314A - 変色性積層体 - Google Patents

変色性積層体

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JP2003127314A
JP2003127314A JP2001320618A JP2001320618A JP2003127314A JP 2003127314 A JP2003127314 A JP 2003127314A JP 2001320618 A JP2001320618 A JP 2001320618A JP 2001320618 A JP2001320618 A JP 2001320618A JP 2003127314 A JP2003127314 A JP 2003127314A
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Akio Nakajima
明雄 中島
Masahiro Ito
雅浩 伊藤
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水等の液体を吸液して透明化する多孔質層の
皮膜耐久性を更に向上させると共に、繰り返しの使用に
よっても乾燥状態での隠蔽性と吸液状態での透明性を損
なうことなく有効に機能し、各種分野への実用性に優れ
た商品価値の高い変色性積層体を提供する。 【解決手段】 支持体上に、低屈折率顔料をオキサゾリ
ン基を含むポリマーで架橋されたウレタン系樹脂からな
るバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を形
成した変色性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変色性積層体に関す
る。更に詳細には、水等の液体を吸液して常態とは異な
る様相に変化し、乾燥により再び常態に復する変色性積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、支持体上に低屈折率顔料と、バイ
ンダー樹脂としてウレタン系樹脂を含む多孔質層を設
け、前記多孔質層に液体を吸液させることにより透明化
して、下層の色調を現出させる変色性積層体が開示され
ている(特開平11−198272号公報)。前記した
変色性積層体は、多孔質層の耐洗濯性や耐擦過性等の皮
膜耐久性に優れ、玩具分野や衣料分野等への応用に好適
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した低
屈折率顔料を含む多孔質層の皮膜耐久性を更に向上させ
ると共に、多孔質層の隠蔽性を向上させることもでき、
商品価値を高めた変色性積層体を提供し、より多様な分
野への応用展開を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた
多孔質層を形成し、前記多孔質層が吸液状態で透明又は
半透明化して変化した様相を視覚させる積層体であっ
て、前記多孔質層のバインダー樹脂がオキサゾリン基を
含むポリマーで架橋されたウレタン系樹脂である変色性
積層体を要件とする。更には、前記バインダー樹脂中の
オキサゾリン基を含むポリマーで架橋されたウレタン系
樹脂の固形分比率が30重量%以上であること、前記オ
キサゾリン基を含むポリマーで架橋されたウレタン系樹
脂は、ウレタン系樹脂とオキサゾリン基を含むポリマー
の重量比率が100:5〜50であること、前記低屈折
率顔料が湿式法で製造される微粒子状珪酸であること、
前記多孔質層中の微粒子状珪酸の塗布量が1〜40g/
2 であること、前記支持体が布帛であること等を要件
とする。
【0005】低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態
に固着させた多孔質層は、常態、即ち、乾燥状態では隠
蔽性を有して白色を呈し、水等の液体を吸液した状態で
は透明又は半透明化して下層の色調を顕出させる。本発
明においては、前記バインダー樹脂としてウレタン系樹
脂を用いると共に、前記ウレタン系樹脂をオキサゾリン
基を含むポリマーで架橋してなる。前記バインダー樹脂
として、オキサゾリン基を含むポリマーで架橋されたウ
レタン系樹脂を用いることにより、多孔質層の皮膜強度
を更に向上させることができ、耐久性を必要とする種々
の用途に適用でき、しかも、乾燥状態での隠蔽性と吸液
状態での透明性を損なうことがない。また、前記皮膜耐
久性の向上により、例えば、従来と同等の皮膜強度を有
する積層体を製造する際、バインダー樹脂の添加量を少
なくすることができ、それに伴って低屈折率顔料の添加
量を多くすることが可能となり、従来と同等の皮膜強度
を有したまま、乾燥状態における白度(隠蔽性)を向上
させることもできる。
【0006】前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステ
ル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、
ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用
して用いることもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散
したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有する
ウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基
により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中
に溶解及至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)
ウレタン樹脂を用いることもできる。尚、前記ウレタン
系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂の
いずれを用いることもできるが、本発明においては水性
ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂や
コロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。前
記オキサゾリン基を含むポリマーとしては、(株)日本
触媒にて製造・販売されている架橋剤を用いることがで
き、オキサゾリン基含有ポリマー(化学式:C 712
2 ・C881010・C66 ON)X を水分散エマ
ルションとした商品名:エポクロスK−2010E、K
−2020E、K−2030E、或いは、オキサゾリン
基含有ポリマーを水及び/又は溶剤中に溶解した、商品
名:エポクロスWS−500、WS−700を例示でき
る。
【0007】なお、前記多孔質層中のオキサゾリン基を
含むポリマーで架橋されたウレタン系樹脂は、ウレタン
系樹脂とオキサゾリン基を含むポリマーの重量比率が1
00:5〜50であることが好ましい。ウレタン系樹脂
100重量部に対して、オキサゾリン基を含むポリマー
が5重量部未満では、架橋が十分ではなく、所望の皮膜
耐久性が得られ難い。また、50重量部を越えると、ウ
レタン系樹脂や低屈折率顔料の添加量が制限されるた
め、皮膜耐久性や隠蔽性を損なうことがある。
【0008】前記多孔質中に含まれるバインダー樹脂と
して、オキサゾリン基を含むポリマーで架橋されたウレ
タン系樹脂は単独で用いることが好ましいが、支持体の
種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダ
ー樹脂を併用することもできる。他のバインダー樹脂を
併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記
多孔質層のバインダー樹脂中にオキサゾリン基を含むポ
リマーで架橋されたウレタン系樹脂を固形分重量比率で
30%以上、好ましくは50%以上含有させることが好
ましい。
【0009】前記ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂
としては、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸
エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリ
ルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹
脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、
メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエ
ン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各
樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導
体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記バインダー樹脂
は支持体の性状によって適宜選定される。例えば、支持
体が布帛である場合はウレタン系樹脂の他にナイロン樹
脂等も好適に用いられる。
【0010】前記バインダー樹脂と低屈折率顔料の混合
比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、
好ましくは、低屈折率顔料1重量部に対してバインダー
樹脂固形分0.5〜2重量部であり、より好ましくは、
0.8〜1.5重量部である。低屈折率顔料1重量部に
対してバインダー樹脂固形分が0.5重量部未満の場合
には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困
難であり、2重量部を越える場合には、前記多孔質層内
部への液体の浸透性が悪くなる。前記バインダー樹脂に
は、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合
わせることにより、多孔質中への浸透時間、浸透度合
い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更に
は、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールする
ことができる。
【0011】前記低屈折率顔料としては、微粒子状珪
酸、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、
沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミ
ナホワイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、こ
れらは屈折率が1.4〜1.7の範囲にあり、水等を吸
液すると良好な透明性を示すものである。前記低屈折率
顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03
〜10.0μmのものが好適に用いられる。又、前記低
屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。尚、好
適に用いられる低屈折率顔料としては微粒子状珪酸が挙
げられる。微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製
造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲ
ン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法による
もの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸
ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式
法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)と
に大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式
法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系
に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に
対するバインダー樹脂の混合比率を大きくすることが可
能となり、多孔質層の皮膜強度を向上させることができ
るので、より好適に用いられる。前記した如く多孔質層
の常態での隠蔽性を満足させるために用いられる微粒子
状珪酸としては、湿式法微粒子状珪酸が好ましい。これ
は、乾式法微粒子状珪酸と、湿式法微粒子状珪酸とでは
構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は以下に示され
るような珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに
対して、
【化1】 湿式法微粒子状珪酸は、以下に示されるように、珪酸が
縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部
分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比
較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を
多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる
系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よ
って、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
【化2】 又、前記多孔質層に含まれる低屈折率顔料は、吸液する
媒体が主に水であることから、湿式法微粒子状珪酸は乾
式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基とし
て存在する水酸基が多く、従って、適度の親水性を有す
るため好適に用いられる。
【0012】前記湿式法微粒子状珪酸を低屈折率顔料と
して用いる場合、湿式法微粒子状珪酸の種類、粒子径、
比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠
蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗
布量が1g/m2 〜40g/m2 であることが好まし
く、より好ましくは、5g/m2 〜30g/m2 であ
る。1g/m2 未満では、常態で十分な隠蔽性を得るこ
とが困難であり、又、40g/m2 を越えると吸液時に
十分な透明性を得ることが困難である。前記低屈折率顔
料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分
散され、対象物に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔
質層を形成する。
【0013】前記の如くして形成される多孔質層中に
は、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二
酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲
母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等
の金属光沢顔料を添加したり、一般染料や顔料、蛍光染
料や顔料を添加して色変化を多様にすることもできる。
更に、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色性
材料を多孔質層中に含有させたり、可逆熱変色性材料を
含む可逆熱変色層を配設することもできる。
【0014】前記可逆熱変色層の形成に用いられる可逆
熱変色性材料には、例えば、電子供与性呈色性有機化合
物、電子受容性化合物及び前記両者の呈色反応を可逆的
に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色
性組成物、液晶、Ag2 HgI4 、Cu2 HgI4 等が
用いられる。前記電子供与性呈色性有機化合物と電子受
容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物として、具体的
には特公昭51−44706号公報、特公平1−293
98号公報、特公平4−17154号公報等に記載のも
のが挙げられる。前記した電子供与性呈色性有機化合物
と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有
機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物は、そ
のままの適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内
包したマイクロカプセル顔料として使用することが好ま
しく、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径
0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、よ
り好ましくは0.1〜30μmの範囲が実用性を満た
す。尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重
合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液
からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷
却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があ
り、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセ
ルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設
けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用
に供することもできる。
【0015】前記可逆熱変色性組成物(好適にはマイク
ロカプセル顔料)は、膜形成材料である樹脂を含むビヒ
クル中に分散されて、インキ、塗料等の色材として塗布
され可逆熱変色層を形成させることができる。又、熱可
塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に分散してシート状或いはそ
の他各種形態に成形され、それ自体が可逆熱変色層を備
えた層として適用することもできる。尚、非熱変色性の
一般染料や顔料、蛍光染料や顔料等を前記熱変色層中に
混在させて多彩に変色させることもできる。
【0016】前記支持体としては、織物、編物、組物、
不織布等の布帛以外に、紙、合成紙、合成皮革、レザ
ー、プラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石材等が挙
げられ、すべて有効である。布帛を支持体とする場合、
前記多孔質層の皮膜形成性の点で、布帛表面の平滑性に
優れる織物が好適に用いられる。布帛表面の平滑性が悪
い場合や、インキ等の布帛内部への浸透性が大きく、前
記多孔質層の皮膜形成性が悪い場合には、布帛にはっ水
加工等の処理を施すことにより、前記多孔質層の皮膜形
成性を向上させることができる。
【0017】前記多孔質層を形成する方法としては、従
来より公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷、オフ
セット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転
写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、
電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等の手
段が挙げられる。
【0018】更に本発明の変色性積層体には、必要によ
って、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を含む非変色性
インキを塗布して非変色層を設けたり、二酸化チタン被
覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲
母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オ
キシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を含むインキを塗布
して金属光沢層を設けることもできる。又、保護層や光
安定剤層を適宜設けることもできる。具体的には、前記
光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、
一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、
オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ば
れる光安定剤を分散状態に固着した層である。尚、帯電
防止剤、極性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に
応じ、各層に添加して機能を向上させることもできる。
【0019】次に、本発明の変色性積層体の構成と乾燥
状態(非吸液状態)及び水等を吸液した状態の変化につ
いて説明する。前述のように、本発明の変色性積層体
は、支持体上に積層されてなる低屈折率顔料とバインダ
ー樹脂を含有する多孔質層が、乾燥時には隠蔽性を有し
て下層を隠蔽し、水等を吸液した状態で透明又は半透明
化して下層を顕出させる。従って、支持体が単一色であ
っても、筆、刷毛、ペン、スタンプ等を用いて多孔質層
を部分的に濡らすことにより、濡れた部分が透明又は半
透明化して下層の色調が視認され、所望の像を現出させ
ることができる。前記多孔質層中の水が蒸発、乾燥する
と再び多孔質層が下層を隠蔽して元の状態に戻る。よっ
て、支持体上に図柄や多色柄を設けて多孔質層で隠蔽す
ることは勿論、多孔質層が吸液により透明化した状態で
視認される図柄と関連或いは一体化する図柄を多孔質層
上に設けて、吸液状態で前記図柄どうしが組み合わさっ
た像を視認させることも可能である。又、一般顔料等を
添加して着色した多孔質層により図柄を形成することも
可能であり、多孔質層が吸液して透視される支持体の色
調によって視覚的に判別不可能となるように、前記多孔
質層の色調を設定することもできる。更に、透明性を有
する支持体として、例えば、透明性立体物に多孔質層を
設け、前記多孔質層が吸液により透明化して立体物自体
を透視することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】前記した積層構造において、多孔
質層は必要により文字、記号、図形等の図柄層であって
もよい。又、可逆熱変色層や非変色層を介在させたり、
上層に設けてもよく、同様に文字、記号、図形等の図柄
層であってもよい。本発明の変色性積層体は平面状に限
らず、線状、凹凸状、立体状等、様々な形態が有効であ
る。前記変色性積層体の具体的な実施形態としては、例
えば、ぬいぐるみ、人形、レインコート等の人形用衣
装、傘や鞄等の人形用付属品、水鉄砲の標的、車や船を
模した模型、人間と人形の手形や足形等の形跡を現すボ
ード等の玩具類、水筆紙、水筆シート等の教習具類、文
房具類、ドレス、水着、レインコート等の衣類、雨靴等
の靴類、防水加工を施した本、カレンダー等の印刷物
類、スタンプカード、パズル、各種ゲーム等の娯楽用具
類、ウェットスーツ、浮袋、水泳用浮板等の遊泳又は潜
水用具類、コースター、コップ等の台所用具類、その
他、傘、造花、当りくじ等が挙げられる。又、各種イン
ジケーターとして適用することもでき、例えば、配管、
パイプ、水槽、タンク等の液洩れ検知、禁水性薬品の輸
送や保管場所での水濡れ検知、結露、降雨等の検知、使
い捨ておむつの尿の検知、各種容器やプールの液量、水
深検知、土壌中の水分検知等が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重
量部を示す。 実施例1 支持体として白色のナイロンタフタ生地上に、ピンク色
蛍光顔料〔商品名:エポカラーFP−10、(株)日本
触媒製〕10部、水性アクリル酸エマルジョン樹脂(商
品名:モビニール727、クラリアントポリマー社製、
固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、
増粘剤5部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系
架橋剤2.5部を均一に混合攪拌してなる蛍光ピンク色
スクリーン印刷用インキにて、150メッシュのスクリ
ーン版を用いて、支持体の表裏両面に全面ベタ印刷を行
い、130℃で5分間乾燥、硬化させて非変色層を形成
した。次いで、前記非変色層上に、低屈折率顔料として
湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200
A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂
として水性ウレタン樹脂(商品名:ハイドランAP−1
0)、ポリエステル系ウレタン樹脂〔大日本インキ化学
工業(株)製、固形分30%〕50部、水30部、シリ
コーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エ
チレングリコール1部、架橋剤〔オキサゾリン基含有ポ
リマー、商品名:エポクロスWS−700、(株)日本
触媒製、固形分25%〕3部を均一に混合攪拌してなる
白色スクリーン印刷用インキにて、180メッシュのス
クリーン版を用いて全面にベタ印刷し、130℃で5分
間乾燥、硬化させて、乾燥状態で白色の多孔質層を形成
して変色性積層体を得た。
【0022】前記変色性積層体は乾燥状態で白色を呈し
て下層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の透
明性にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に視認された。又、
前記水で濡らした変色性積層体を室温下に放置したとこ
ろ、水が蒸発するに従い、徐々に蛍光ピンク色から白色
に戻り、乾燥状態に戻ると元の白色となった。なお、前
記変色性積層体1は、以下の摩擦試験機による耐擦過性
試験の結果、吸液時及び乾燥時共に30回の耐擦過性試
験において、被膜の劣化は認められなかった。
【0023】実施例2 実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キ中の成分を、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシ
ールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、
水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、大
日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕25部、
水性アクリル酸エマルジョン樹脂(商品名:モビニール
727、クラリアントポリマー社製、固形分50%)1
5部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系イ
ンキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤
〔オキサゾリン基含有ポリマー、商品名:エポクロスW
S−700、(株)日本触媒製、固形分25%〕を1.
5部とした以外は同様にして、変色性積層体を得た。
【0024】前記変色性積層体は実施例1と同様に乾燥
状態で白色を呈して下層を十分に隠蔽しており、又、水
に濡らした時の透明性にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に
視認された。なお、前記変色性積層体は、下記の摩擦試
験機による耐擦過性試験の結果、吸液時及び乾燥時共に
30回の耐擦過性試験において、実用上問題となる被膜
の劣化は認められなかった。
【0025】実施例3 実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの成分を、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシー
ルE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、水
性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、大日
本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕15部、水
性アクリル酸エマルジョン樹脂(商品名:モビニール7
27、クラリアントポリマー社製、固形分50%)21
部、水44部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系イン
キ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤〔オ
キサゾリン基含有ポリマー、商品名:エポクロスWS−
700、(株)日本触媒製、固形分25%〕を1.35
部とした以外は同様にして、変色性積層体を得た。
【0026】前記変色性積層体は実施例1と同様に乾燥
状態で白色を呈して下層を十分に隠蔽しており、又、水
に濡らした時の透明性にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に
視認された。前記変色性積層体は、下記の摩擦試験機に
よる耐擦過性試験の結果、吸液時及び乾燥時共に30回
の耐擦過性試験において、実用上問題となる被膜の劣化
は認められなかった。
【0027】実施例4 実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの成分を、湿式法微粒子状珪酸〔商品名:ニップシー
ルE−200A、日本シリカ工業(株)製〕20部、バ
インダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイド
ランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂〔大日本
インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水3
0部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘
剤3部、エチレングリコール1部、架橋剤〔オキサゾリ
ン基含有ポリマー、商品名:エポクロスWS−700、
(株)日本触媒製、固形分25%〕3部とした以外は同
様にして、変色性積層体を得た。
【0028】前記変色性積層体は実施例1と同様に乾燥
状態で白色を呈して下層を実施例1に比べさらに十分に
隠蔽しており、又、水に濡らした時、蛍光ピンク色が鮮
明に視認された。なお、前記変色性積層体は、下記の摩
擦試験機による耐擦過性試験の結果、吸液時及び乾燥時
共に30回の耐擦過性試験において、実用上問題となる
被膜の劣化は認められなかった。
【0029】実施例5 支持体として白色合成紙上に、ピンク色蛍光顔料〔商品
名:エポカラーFP−10、(株)日本触媒製〕10
部、水性アクリル酸エマルジョン樹脂(商品名:モビニ
ール727、クラリアントポリマー社製、固形分50
%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤5
部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤
2.5部を均一に混合攪拌してなる蛍光ピンク色スクリ
ーン印刷用インキにて、150メッシュのスクリーン版
を用いて、支持体の表裏両面に全面ベタ印刷を行い、1
30℃で5分間乾燥、硬化させて非変色層を形成した。
次いで、前記非変色層上に、青色分散顔料〔商品名:サ
ンダイスーパーBLUE GLL、山陽色素(株)製〕
1部、低屈折率顔料として湿式法微粒子状珪酸〔商品
名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)
製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂
〔ポリカーボネート系ウレタン樹脂、商品名:ネオタン
UE−1300、大日本インキ化学工業(株)製、固形
分40%〕37.5部、水30部、シリコーン系消泡剤
0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコー
ル1部、架橋剤〔オキサゾリン基含有ポリマー、商品
名:エポクロスWS−700、(株)日本触媒製、固形
分25%〕3部を均一に混合攪拌してなる青色スクリー
ン印刷用インキにて、120メッシュのスクリーン版を
用いてベタ印刷し、80℃で5分間乾燥、硬化させ、乾
燥状態で淡青色の多孔質層を形成して変色性積層体を得
た。前記変色性積層体は乾燥状態で淡青色を呈してお
り、又、水に濡らした時、紫色が視認された。又、前記
水で濡らした変色性積層体を室温下に放置したところ、
水が蒸発するに従い、徐々に非変色層のピンク色と多孔
質層の青が混色となった紫色から淡青色に戻り、乾燥状
態に戻ると元の淡青色となった。なお、前記変色性積層
体は、以下の摩擦試験機による耐擦過性試験の結果、吸
液時及び乾燥時共に30回の耐擦過性試験において、被
膜の劣化は認められなかった。
【0030】比較例1 実施例1の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの架橋剤をブロックイソシアネート系架橋剤〔商品
名:NKリンカーBX、新中村化学工業(株)製〕に替
えた以外は同様にして、変色性積層体を得た。前記変色
性積層体は実施例1と同様に乾燥状態で白色を呈して下
層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の透明性
にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
【0031】比較例2 実施例2の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの架橋剤をブロックイソシアネート系架橋剤〔商品
名:NKリンカーBX、新中村化学工業(株)製〕に替
えた以外は同様にして、変色性積層体を得た。前記変色
性積層体は実施例2と同様に乾燥状態で白色を呈して下
層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の透明性
にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
【0032】比較例3 実施例3の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの架橋剤をブロックイソシアネート系架橋剤〔商品
名:NKリンカーBX、新中村化学工業(株)製〕に替
えた以外は同様にして、変色性積層体を得た。前記変色
性積層体は実施例3と同様に乾燥状態で白色を呈して下
層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の透明性
にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
【0033】比較例4 実施例4の多孔質層形成用の白色スクリーン用印刷イン
キの架橋剤をブロックイソシアネート系架橋剤〔商品
名:NKリンカーBX、新中村化学工業(株)製〕に替
えた以外は同様にして、変色性積層体を得た。前記変色
性積層体は実施例4と同様に乾燥状態で白色を呈して下
層を十分に隠蔽しており、又、水に濡らした時の透明性
にも優れ、蛍光ピンク色が鮮明に視認された。
【0034】比較例5 実施例5の多孔質層形成用のスクリーン用印刷インキの
架橋剤をブロックイソシアネート系架橋剤〔商品名:N
KリンカーBX、新中村化学工業(株)製〕に替えた以
外は同様にして、変色性積層体を得た。前記変色性積層
体1は乾燥状態で淡青色を呈しており、又、水に濡らし
た時、紫色が視認された。
【0035】耐擦過性試験 実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた積層体の多孔
質層の耐擦過性を以下のとおり試験した。 試験方法 摩擦試験機2型(学振型)〔スガ試験機(株)製〕を用
い、上部の摩擦子に綿布(かなきん3号、JIS L
0803準拠、JIS染色堅ろう度試験用)を取り付
け、前記摩擦子を700gの荷重下で変色性積層体上に
毎分30往復の速度で10cmの間を水平往復運動させ
て試験を行った。前記耐擦過性試験は、積層体が乾燥し
た状態と、積層体を水で濡らした状態(吸液状態)でそ
れぞれ行った。以下に実施例1〜5及び比較例1〜5の
多孔質層の摩擦試験機による耐擦過性試験結果を示す
(表中の擦過回数は摩擦子の往復回数を示す)。
【0036】
【表1】
【0037】耐擦過性の評価 ◎:擦過による皮膜の劣化がない。 ○:擦過によるわずかな皮膜の劣化があるが、実用上問
題のない皮膜強度を有する。 △:擦過による皮膜の劣化が大きく、実用的な皮膜強度
を有さない。 ×:擦過により、多孔質層が消失する。
【0038】試験結果にみられるように、本発明の変色
性積層体は比較例の積層体と比べて良好な耐擦過性を示
した。
【0039】透明性−隠蔽性試験 実施例1及び4、比較例1及び4の積層体の乾燥状態に
おける非変色層の隠蔽性と水に濡らした状態(吸液状
態)における透明性(非変色層の視認性)を目視による
評価及びCIE表色系における3刺激値X、Y、Zの測
定値を表に示す。なお、3刺激値X、Y、Zは、色差計
TC−3600〔東京電色(株)製〕を用いて測定し
た。
【0040】
【表2】
【0041】目視による多孔質層が乾燥状態の隠蔽性の
評価の記号に関する説明は以下のとおりである。なお、
前記多孔質層を水に濡らした時の透明性は、全て実用上
問題のない透明性を有するものであった。 乾燥状態での隠蔽性の評価 ◎:十分な隠蔽性を有する。 ○:実用上問題のない隠蔽性を有する。
【0042】
【発明の効果】本発明は、多孔質層中オキサゾリン基を
含むポリマーで架橋されたウレタン系樹脂を用いるた
め、多孔質層の皮膜耐久性を更に向上させると共に、繰
り返しの使用によっても乾燥状態での隠蔽性と吸液状態
での透明性を損なうことなく有効に機能し、玩具分野、
装飾分野、デザイン分野等、多様な分野への実用性に優
れた商品価値の高い変色性積層体を提供し、より多様な
分野への応用展開を図ろうとするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA03B AK01B AK51B AT00A BA02 BA07 CA13B DE01B DG11A DJ10B EH46B GB84 GB90 JN01 JN02 JN18B JN28 YY00B 4J039 AE04 BA22 BE01 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、低屈折率顔料をバインダー
    樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を形成し、前記多
    孔質層が吸液状態で透明又は半透明化して変化した様相
    を視覚させる積層体であって、前記多孔質層のバインダ
    ー樹脂がオキサゾリン基を含むポリマーで架橋されたウ
    レタン系樹脂であることを特徴とする変色性積層体。
  2. 【請求項2】 前記バインダー樹脂中のオキサゾリン基
    を含むポリマーで架橋されたウレタン系樹脂の固形分比
    率が30重量%以上である請求項1記載の変色性積層
    体。
  3. 【請求項3】 前記オキサゾリン基を含むポリマーで架
    橋されたウレタン系樹脂は、ウレタン系樹脂とオキサゾ
    リン基を含むポリマーの重量比率が100:5〜50で
    ある請求項1又は2記載の変色性積層体。
  4. 【請求項4】 前記低屈折率顔料が湿式法で製造される
    微粒子状珪酸である請求項1記載の変色性積層体。
  5. 【請求項5】 前記多孔質層中の微粒子状珪酸の塗布量
    が1〜40g/m2である請求項4記載の変色性積層
    体。
  6. 【請求項6】 前記支持体が布帛である請求項1乃至5
    のいずれか1項に記載の変色性積層体。
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