JP2003127413A - インク供給装置及びプリンタヘッド - Google Patents

インク供給装置及びプリンタヘッド

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JP2003127413A
JP2003127413A JP2001322361A JP2001322361A JP2003127413A JP 2003127413 A JP2003127413 A JP 2003127413A JP 2001322361 A JP2001322361 A JP 2001322361A JP 2001322361 A JP2001322361 A JP 2001322361A JP 2003127413 A JP2003127413 A JP 2003127413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク収容量が大きく、構造が簡素であり、
傾斜時や圧力又は温度の変化が生じた場合でも、インク
が漏れないようにする。 【解決手段】 インク収容部20と、インク収容部20
内のインクが流下可能にインク収容部20と連結された
インク室51と、インク収容部20とインク室51との
間を開閉するためのものであって、両者間を閉塞するよ
うに付勢されるとともに、インク室51からインクが供
給されたときに発生するインク室51内の圧力の低下に
よってインク収容部20とインク室51との間を開放す
る弁52とを備える。インク収容部20は、外気と連通
する外気連通孔32aと、インク収容部20の内部に延
在するとともにインク収容部20のインク量が減少した
ときに空気を外気連通孔32aから取り込むための空気
導入管32とを備える。空気導入管32の一部にはイン
クを一時的に溜め込むバッファ部32bを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク収容部から
所定量のインクを外部に送出するためのインク供給装置
と、このインク供給装置を適用したプリンタヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプリンタヘッドに用いられるイン
ク供給装置としては、例えば以下のものが知られてい
る。図11は、従来のこの種のインク供給装置の第1例
を示す図である。図11において、インク収容部101
は、インクタンク101aと、インク保持室101bと
に仕切られている。インクタンク101aとインク保持
室101bとの間は、底面部で連通されている。
【0003】インクタンク101a側には、インクが装
填されている。また、インク保持室101bの天面側に
は、外気と連通する外気連通孔102が形成されてい
る。さらにまた、インク保持室101b内には、インク
を保持しておく多孔質体103が設けられている。さら
に、インク保持室101bの底面側には、インク送出部
104が形成されている。
【0004】インクがインク送出部104から送り出さ
れると、空気がインクタンク101a側に入り、その空
気に相当する分のインクがインクタンク101aからイ
ンク保持室101b側に送られるとともに、多孔質体1
03に保持される。ここで、多孔質体103の毛管力に
より、インクには吸い上げられる方向の力が加わってい
る。これにより、インク送出部104からインクが漏れ
ることはない。
【0005】図12は、従来のインク供給装置の第2例
を示す図である。図12において、インク収容部105
の底面側には、上記第1例と同様に、インク送出部10
4が形成されている。また、インク収容部105内に
は、内部にインクを収容した袋状体106が設けられて
いる。この袋状体106は、バネ107によって常時押
し広げる方向(図12中、矢印方向)に力が加わってい
る。このバネ107の力により、袋状体106内部のイ
ンクには、吸い上げられる方向の力が加わっている。こ
れにより、上記第1例と同様に、インク送出部104か
らインクが漏れることはない。
【0006】以上のように、プリンタヘッドに用いられ
るインク供給装置は、インク送出部104からインクが
漏れないように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
技術では、以下の問題があった。第1例では、インク保
持室101b内に多孔質体103を設けているので、イ
ンク供給装置内の容積は、多孔質体103の分だけ小さ
くなる。よって、インク供給装置全体の大きさに対し
て、内部に収容できるインク量が少ないという問題があ
った。
【0008】また、第1例のように外気連通孔102を
設けた場合、インク供給装置に振動が加わったり、イン
ク供給装置が傾斜したときに、外気連通孔102からイ
ンクがこぼれる可能性があるという問題があった。さら
に、圧力の低下又は温度上昇が起きたときに、インク収
容部101内の空気が膨張して、インク収容部101内
のインクが押し出され、外気連通孔102から漏れ出て
しまう可能性があるという問題があった。
【0009】また、第2例では、バネ107を用いる方
式であるので、例えばインク収容部105を薄型にした
場合には、袋状体106の内部にバネ107を収納する
ことができなくなったり、製造工程が複雑化する等の製
造上の問題があった。また、バネ107を用いるもので
あるので、機構が複雑化し、コストも高くなるという問
題があった。
【0010】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、インク収容量が大きく、構造が簡素であり、かつ
インク漏れがなく安定してインクを保持することができ
るようにするとともに、振動が加わったり傾斜した場
合、及び圧力又は温度の変化が生じた場合でも、インク
が漏れないようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の解決手
段によって、上述の課題を解決する。請求項1の発明
は、インク収容部と、前記インク収容部の下側に配置さ
れるとともに前記インク収容部内のインクが流下可能に
前記インク収容部と連結され、インクを送り出すインク
送出部を有するインク室と、前記インク収容部と前記イ
ンク室との間を開閉するためのものであって、前記前記
インク収容部と前記インク室との間を閉塞するように付
勢されるとともに、前記インク室の前記インク送出部か
らインクが供給されたときに発生する前記インク室内の
圧力の低下によって前記インク収容部と前記インク室と
が連通するように移動される弁とを備え、前記インク収
容部は、外気と連通する外気連通孔と、前記外気連通孔
から前記インク収容部の内部に延在するとともに、前記
インク収容部から前記インク室にインクが送られたこと
によりインク量が減少したときに、そのインク量の減少
分に相当する分の空気を前記外気連通孔から前記インク
収容部の内部に取り込むための空気導入管とを備え、前
記空気導入管の一部には、インクを一時的に溜め込み可
能なバッファ部を備えることを特徴とするインク供給装
置である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載のイン
ク供給装置において、前記インク収容部は、着脱可能に
形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1に記載のイン
ク供給装置において、前記インク収容部は、着脱可能に
形成されており、前記インク収容部のインクの未使用時
には、前記空気導入管内を含む前記インク収容部内にイ
ンクが充填されていることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1に記載のイン
ク供給装置において、前記インク収容部は、着脱可能に
形成されており、前記インク収容部のインクの未使用時
には、前記空気導入管内を除いた前記インク収容部内に
インクが充填されていることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載のインク供給装置において、
前記弁は、前記インク室内に設けられており、付勢部材
によって前記インク収容部側に付勢されていることを特
徴とする。
【0016】請求項6の発明は、インク供給装置とプリ
ンタヘッドチップとを含むプリンタヘッドであって、前
記インク供給装置は、インク収容部と、前記インク収容
部の下側に配置されるとともに前記インク収容部内のイ
ンクが流下可能に前記インク収容部と連結され、インク
を送り出すインク送出部を有するインク室と、前記イン
ク収容部と前記インク室との間を開閉するためのもので
あって、前記前記インク収容部と前記インク室との間を
閉塞するように付勢されるとともに、前記インク室の前
記インク送出部からインクが供給されたときに発生する
前記インク室内の圧力の低下によって前記インク収容部
と前記インク室とが連通するように移動される弁とを備
え、前記インク収容部は、外気と連通する外気連通孔
と、前記外気連通孔から前記インク収容部の内部に延在
するとともに、前記インク収容部から前記インク室にイ
ンクが送られたことによりインク量が減少したときに、
そのインク量の減少分に相当する分の空気を前記外気連
通孔から前記インク収容部の内部に取り込むための空気
導入管とを備え、前記空気導入管の一部には、インクを
一時的に溜め込み可能なバッファ部を備えるものであ
り、前記プリンタヘッドチップは、発熱抵抗体を有する
とともに前記インク供給装置の前記インク室と連通され
たインク加圧室を基板上に複数並設し、前記発熱抵抗体
を駆動することで、前記インク加圧室内のインクをノズ
ルから吐出させるものであることを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項6に記載のプリ
ンタヘッドにおいて、前記インク供給装置の前記インク
収容部は、着脱可能に形成されていることを特徴とす
る。
【0018】請求項8の発明は、請求項6に記載のプリ
ンタヘッドにおいて、前記インク供給装置の前記インク
収容部は、着脱可能に形成されており、前記インク収容
部のインクの未使用時には、前記空気導入管内を含む前
記インク収容部内にインクが充填されていることを特徴
とする。
【0019】請求項9の発明は、請求項6に記載のイン
ク供給装置において、前記インク供給装置の前記インク
収容部は、着脱可能に形成されており、前記インク収容
部のインクの未使用時には、前記空気導入管内を除いた
前記インク収容部内にインクが充填されていることを特
徴とする。
【0020】請求項10の発明は、請求項6から請求項
9までのいずれか1項に記載のプリンタヘッドにおい
て、前記インク供給装置の前記弁は、前記インク室内に
設けられており、付勢部材によって前記インク収容部側
に付勢されていることを特徴とする。
【0021】(作用)請求項1又は請求項6の発明にお
いては、インク室のインク送出部からインクが供給され
ると、インク室内の圧力が低下する。これにより、イン
ク室内では、インクを引き込もうとする吸引力が発生
し、この吸引力によって弁が移動され、インク収容部と
インク室とが連通し、インク収容部からインク室にイン
クが送られる。
【0022】インク収容部からインク室にインクが送ら
れると、インク収容部内のインク量が減少するが、この
減少分に相当する分の空気が外気連通孔から空気導入管
を介してインク収容部内に取り込まれる。また、インク
収容部からインク室にインクが送られることにより、イ
ンク室内の圧力が定常状態に戻ると、弁は、インク収容
部とインク室との間を閉塞する。これにより、インク収
容部からインク室へのインクの送りは停止する。
【0023】したがって、インク収容部内にインクを保
持する多孔質体等を設けるものではないので、インク収
容量を大きくすることができる。また、バネ等を用いて
インク収容部内の圧力を低くするものではなく、インク
収容部とインク室との間で気液交換を行うとともに、弁
によってインク収容部とインク室とを開閉するものであ
るので、構造を簡素にすることができる。そして、イン
ク漏れがなく安定してインクを保持することができる。
【0024】また、空気導入管は、外気連通孔からイン
ク収容部の内部に延在するものであるので、空気導入管
内の全てにインクが満たされていない限り、インク供給
装置に振動が加わったり傾斜した場合でも、外気連通孔
からインクが漏れ出ることを防止することができる。さ
らにまた、圧力の低下又は温度上昇が起きたときに、イ
ンク収容部内の空気が膨張して空気導入管側にインクが
逆流しても、バッファ部にそのインクが溜められるの
で、外気連通孔からインクが漏れ出ることを防止するこ
とができる。
【0025】また、請求項2から請求項4まで又は請求
項7から請求項9までの発明においては、インク収容部
は、インク供給装置から着脱可能である。したがって、
インク収容部をインクカートリッジとして交換すること
ができる。
【0026】さらにまた、請求項3又は請求項8の発明
においては、インクの未使用時に、インク収容部内に
は、空気導入管内を含むインク収容部内にインクが充填
されている。この状態では、インク収容部の空気導入管
の外側に存在する密閉空気はわずかな量である。したが
って、圧力の低下又は温度上昇によって密閉空気の膨張
が生じても、空気導入管の外側に存在するインクの水位
の低下も、わずかとなる。よって、圧力の低下又は温度
上昇によって、空気導入管側へのインクの逆流量も、わ
ずかな量となる。これにより、外気連通孔からのインク
漏れを防止することができる。
【0027】さらに、請求項4又は請求項9の発明にお
いては、インクの未使用時に、インク収容部内には、空
気導入管内を除いたインク収容部内にインクが充填され
ている。この状態において、圧力の低下又は温度上昇に
よって密閉空気の膨張が生じると、膨張した体積分に相
当するインクが空気導入管側に逆流するが、逆流したイ
ンクは、空気導入管のバッファ部に溜められる。これに
より、外気連通孔からのインク漏れを防止することがで
きる。
【0028】請求項5又は請求項10の発明において
は、インク室内に設けられた弁がインク室とインク収容
部との間の開閉を行う。したがって、インク供給装置の
小型化を図ることができるとともに、インク室とインク
収容部との間の開閉を簡素な構造で確実に行うことがで
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の一実施形態について説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態である
バブルインクジェットプリンタヘッド(以下、単に「プ
リンタヘッド」という。)1を示す正面の断面図であ
る。プリンタヘッド1は、インク供給装置10と、プリ
ンタヘッドチップ100とから構成されている。図1で
は、プリンタヘッドチップ100は、外形のみを図示し
ている。
【0030】インク供給装置10は、インク収容部20
と、弁部50とを備える。さらに、インク収容部20
は、インクタンク30と、インク溜め部41とを備え
る。インクタンク30は、容器状体であり、内部にイン
クが装填されたものである。インクタンク30の底面側
には、筒状のノズル部31が形成されている。ノズル部
31は、インク溜め部41と連結する部分である。
【0031】また、インクタンク30の内部には、空気
導入管32が設けられている。空気導入管32は、イン
クタンク30の上面側で開口されており、この部分が外
気と連通する外気連通孔32aを構成している。また、
空気導入管32の中央付近には、外気連通孔32aや空
気導入管32の下端部32cの開口径より大きい径を有
するバッファ部32bが設けられている。本実施形態で
は、図1に示すように、バッファ部32bは、断面が略
菱形状に形成されたものであり、その内部にインクを溜
め込み可能である。
【0032】インク溜め部41は、インクタンク30の
下側に配置されている。図1に示すように、インク溜め
部41の基体は、上面の一部が円形状に開口されてお
り、それ以外の部分は密閉されている。また、上面の開
口された部分には、Oリング43が取り付けられてい
る。インクタンク30のノズル部31の先端部がこのO
リング43内に入り込むと、ノズル部31とOリング4
3とが隙間なく嵌め合う。さらにまた、インク溜め部4
1の底面側は、筒状に下方に延びており、弁部50に連
結されている。
【0033】弁部50は、以下のインク室51、弁5
2、バネ(付勢部材)53及びインク送出部54を備え
る。インク室51は、インク溜め部41の底面側から筒
状に延びる部分と一体となって形成され、略直方体状を
なすインク収容体である。このインク室51の内部に
は、弁52及びバネ53が配置されている。弁52は、
弁部50側とインク収容部20側との間を開閉するため
のものである。
【0034】図1では、インク収容部20側(インク溜
め部41の底面側から筒状に延びる部分)と、弁部50
側(インク室51)とを開放する位置に配置された状態
を示しているが、定常状態では、弁52は、バネ53の
付勢力によってインク室51の上面(インク溜め部41
の底面側から筒状に延びる部分との連結部分)に押し付
けられており、弁部50側とインク収容部20側との間
を閉塞する位置に配置されている。
【0035】なお、弁52の材質は、その種類を問わな
いが、例えばゴム弾性体(エラストマー)から形成すれ
ば、高い閉塞性を有するので、好ましい。バネ53は、
弁52の下面側と、インク室51の底面との間を連結す
るように取り付けられ、弁52を上方向に付勢する圧縮
コイルバネである。インク送出部54は、インク室51
の底面側に設けられた筒状のものである。インク送出部
54は、プリンタヘッドチップ100側にインクを送り
出すためのものである。
【0036】第1実施形態では、インクタンク30がイ
ンクカートリッジとなり、プリンタヘッド1から着脱可
能に形成される。インクタンク30の着脱構造として
は、例えば、図2に示す構造が挙げられる。
【0037】図2は、ノズル部31に設けられる弁構造
の一実施形態を示す図であり、開状態及び閉状態を併せ
て示す図である。先ず、上側の図の閉状態では、コイル
バネ31dの付勢力により弁31cは閉じられている。
そして、インクタンク30のノズル部31がインク溜め
部41に装着されると、棒体31eが弁31cを押し上
げ、インクタンク30のノズル部31と、インク溜め部
41とが連通するようになる。
【0038】また、インクタンク30をインク溜め部4
1から引き抜く際には、上記と逆の動作により、弁が3
1cが閉じられる。よって、インクタンク30を装着す
る直前に、ノズル部31の先端部が下方を向いている状
態であっても、内部のインクが漏れることはない。ま
た、インクタンク30を交換するときに、インクタンク
30を引き抜いたときには、直ちに弁31cが閉じられ
るので、この時もまた、ノズル部31の先端からインク
が漏れることはない。
【0039】図3は、プリンタヘッド1の全体図(正面
の断面図)と、その全体図におけるA部を詳細に示す図
である。プリンタヘッドチップ100は、基板101
と、フィルム103と、ノズルシート104等とを備え
る。
【0040】基板101は、シリコン等の半導体基板か
らなるものであり、その一面(図3中、下面)に、発熱
抵抗体(ヒーター)102が形成されたものである。発
熱抵抗体102は、吐出するインクを加熱するためのも
のである。発熱抵抗体102の駆動制御等は、基板10
1によって行われる。基板101には、図示しないが、
ロジックICや、ドライバートランジスタ等が設けられ
ている。
【0041】フィルム103は、基板101の図3中、
下面に積層されている。フィルム103は、例えば露光
硬化型のドライフィルムレジストからなるものであり、
基板101の発熱抵抗体102が形成された面の略全体
に積層された後、フォトリソプロセスによって不要部分
が除去されて、所定形状に形成される。これにより、フ
ィルム103は、各発熱抵抗体102の周囲部を略凹状
に囲むように形成される。この発熱抵抗体102を囲む
部分がインク加圧室105となる。よって、フィルム1
03は、インク加圧室105の一部を形成している。
【0042】ノズルシート104は、インクを吐出する
ためのノズル104aが形成されたシート状部材であ
り、シート103の下層に積層されている。ノズル10
4aは、円形に開口された穴であり、各発熱抵抗体10
2の下側に位置するように配置されている。なお、ノズ
ルシート104は、インク加圧室105の一部を形成し
ている。
【0043】また、各インク加圧室105に連通するよ
うに、インク流路部106が形成されている。インク流
路部106は、インク供給装置10から供給されたイン
クを各インク加圧室105に送り込むためのものであ
る。すなわち、インク流路部106と、上述のインク送
出部54とが連通されている。よって、インク供給装置
10から供給されるインクは、インク流路部106に流
れ込み、インク加圧室105内に充填される。
【0044】以上のインク加圧室105やノズル104
aは、基板101に、略直線状に多数並設されている。
そして、図3の全体図で示すように、各ノズル104a
からインクiが吐出される。プリンタ制御部(図示せ
ず)からの指令によって、選択された発熱抵抗体102
に、短時間(例えば1〜3マイクロ秒程度)電流パルス
が流されることにより、その発熱抵抗体102が急速に
加熱される。その結果、発熱抵抗体102に接する部分
にインク気泡が発生し、そのインク気泡の膨張によっ
て、ある体積のインクが押しのけられる。これによっ
て、ノズル104aに接する部分の上記押しのけられた
インクと同等の体積のインクiがインク液滴としてノズ
ル104aから吐出され、紙等の印画対象体に着弾され
る。
【0045】インク液滴が吐出されると、インク液滴を
吐出したインク加圧室105内に、吐出された量と同量
のインクが直ちに補充される。このインクは、インク供
給装置10のインク送出部54を通じて供給される。
【0046】続いて、インクが吐出された後のインクの
供給について、より詳細に説明する。図4から図7まで
は、図3の詳細図で示したプリンタヘッドチップ100
を示す断面図であって、インクが吐出された後、インク
がインク加圧室105に供給されるまでの様子を順を追
って示す図である。さらに、各プリンタヘッドチップ1
00の右側には、その状態における弁部50の様子を併
せて示している。
【0047】先ず、図4は、ノズル104aからインク
iが吐出された瞬間の様子を示すものである。インク気
泡の膨張によって、インクiが吐出されると、インク加
圧室105内には、吐出したインクiに相当する分のバ
ブル(インク気泡)Bが発生する。この時点では、図4
に示すように、弁52は、バネ53の付勢力によってイ
ンク室51の上面に押し付けられており、弁部50とイ
ンク収容部20との間を閉塞する位置に配置されてい
る。
【0048】次に、図5さらには図6に示すように、バ
ブルBは、次第に収縮する。この収縮に伴い、毛管力に
よって、インク加圧室105内にインクを引き込む力が
発生する。この引込み力の発生により、インクは、イン
ク加圧室105内に供給される。
【0049】ここで、インク加圧室105、インク流路
部106、弁部50のインク送出部54(インク室5
1)は、それぞれ連通されている。したがって、インク
加圧室105から弁部50のインク室51までの連通す
る部分の圧力は、それまでの圧力より低くなる。このた
め、それまでのバランスが崩れ、インク室51内では、
インクを引き込もうとする吸引力が発生し、バネ53に
は、その付勢力に抗して圧縮される力が作用する。この
ため、弁52は下方側に移動され、インク室51の上面
が開放される。これにより、インク収容部20側から弁
部50側にインクが送り込まれる。
【0050】そして、図7に示すように、インク加圧室
105内のバブルBがなくなると、弁部50のインク室
51からインク加圧室105までの連通する部分の圧力
は、元の状態に戻り、インク室51内では、インクを引
き込もうとする吸引力が消滅する。よって、バネ53
は、その付勢力によって弁52をインク室51の上面に
押し上げ、弁52は、再度、弁部50とインク収容部2
0との間を閉塞する。
【0051】説明を図1に戻す。インクがノズル104
aから吐出される前、すなわちインク加圧室105内に
バブルBが発生する前は、図1に示す状態でインクが平
衡状態にある。なお、図1では、空気導入管32内には
インクがほとんどない状態を例に挙げている。次に、プ
リンタヘッドチップ100側でインクが吐出されると、
弁52がバネ53の付勢力に抗して下方に移動され、イ
ンク室51より上方にあるインク(インクタンク30及
びインク溜め部41を含むインク収容部20内のイン
ク)が弁部50側に流下する。
【0052】そして、インク収容部20内のインクがイ
ンク室51に流下すると、インク収容部20内のインク
が減少するが、このとき、空気導入管32から外気がイ
ンクタンク30内に入り込む。インクタンク30内に入
り込んだ空気は、インクタンク30の上方に送られる。
【0053】インクが弁部50及びプリンタヘッドチッ
プ100側に送られ、弁部50及びプリンタヘッドチッ
プ100内の圧力が定常状態に戻ると、弁52がバネ5
3の付勢力によって、インク室51の上面に押し上げら
れ、再度、弁部50とインク収容部20との間を閉塞す
る。そして、インク収容部20からインク室51へのイ
ンクの流下が停止する。これにより、インクがノズル1
04aから吐出される前の状態に戻り、平衡状態とな
る。このとき、図1に示すように、空気導入管32内に
インクがほとんどない状態で平衡状態となる。
【0054】プリンタヘッドチップ100側でインクが
吐出され、インクが使用されると、弁52が開放され、
上記の動作を繰り返す。これにより、インクタンク30
内のインクが徐々に減少していく。
【0055】また、図1に示すように、外気連通孔32
aを有する空気導入管32がインクタンク30内部に設
けられるとともに、空気導入管32の下端部32cは、
インクタンク30の上面より低い位置にあるため、イン
クタンク30に振動が加わったり、傾斜した場合であっ
ても、インクタンク30内のインクが外部に漏れ出るこ
とを防止することができる。
【0056】さらに、圧力変化や温度変化に対しても、
インクタンク30内のインクが漏れ出ることを防止する
ことができる。図8及び図9は、この効果を説明する図
である。図8は、常温、常圧時の状態を示し、空気導入
管32内には、ほとんどインクがない状態を示してい
る。
【0057】この状態で、圧力の低下又は温度上昇が起
こると、インクタンク30内の空気導入管32の外側に
ある空気(外気から遮断されてインクタンク30の上方
部に存在する空気)が膨張する。この空気の膨張によ
り、図9に示すように、インクタンク30内の空気導入
管32の外側にあるインクの水位が低下する。そして、
この分だけインクが空気導入管32側に逆流するが、こ
のインクは、空気導入管32のバッファ部32b内に一
時的に溜められる。よって、インクタンク30内のイン
クが外部に漏れ出ることを防止することができる。
【0058】なお、インクタンク30のインクの未使用
時は、空気導入管32内にインクがない状態でも良い
が、インクが満たされている状態であっても良い。空気
導入管32内にインクがない状態でインクタンク30が
インク供給装置1に取り付けられると、最初の時点で図
1に示す状態となる。
【0059】これに対し、空気導入管32内を含むイン
クタンク30内のほぼ全てにインクが満たされている状
態でインクタンク30がインク供給装置1に取り付けら
れると、最初は、空気導入管32内のインクのみが使用
される。これは、空気導入管32内のみが外気連通孔3
2aによって外気と連通されているためである。そし
て、空気導入管32内のほぼ全てのインクが使用される
と、図1に示す状態となる。
【0060】ここで、空気導入管32内を含むインクタ
ンク30内のほぼ全てにインクが満たされている状態で
は、インクタンク30内の空気導入管32の外側に存在
する密閉空気は、わずかな量である。このため、圧力の
低下又は温度上昇によって密閉空気の膨張が生じても、
空気導入管32の外側に存在するインクの水位の低下
も、わずかとなる。よって、圧力の低下又は温度上昇に
よって、空気導入管32側へのインクの逆流量も、わず
かな量となる。これにより、外気連通孔32aからイン
クが漏れ出すことはない。
【0061】以上により、インクタンク30のインクの
未使用時は、空気導入管32内にインクがない状態、又
はインクが満たされている状態のいずれでも良く、いず
れの状態であっても、圧力の低下又は温度上昇によりイ
ンクタンク30内のインクが外部に漏れ出ることを防止
することができる。
【0062】(第2実施形態)図10は、本発明の第2
実施形態であるプリンタヘッド1Aを示す正面の断面図
である。第2実施形態では、インク収容部20Aにおい
て、インクタンク30と弁部50のインク室51とが一
体で形成されたものである。よって、第2実施形態で
は、第1実施形態のようにインク溜め部41やOリング
43は設けられていない。その他は第1施形態と同一で
ある。
【0063】第2実施形態では、第1実施形態のよう
に、インクタンク30をインクカートリッジとして用い
るものではない。第2実施形態のプリンタヘッド1Aが
プリンタに適用された場合において、インクタンク30
内のインクが無くなったときには、インク供給装置10
A全体を交換するか(この場合には、インク供給装置1
0Aをプリンタヘッドチップ100に対して着脱可能に
形成する必要がある)、又はプリンタヘッドチップ10
0を含めてプリンタヘッド1A全体を交換する。このよ
うに形成しても、第1実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0064】
【発明の効果】請求項1又は請求項6の発明によれば、
インク収容部内にインクを保持する多孔質体等を設ける
ものではないので、インク収容量を大きくすることがで
きる。また、バネ等を用いてインク収容部内の圧力を低
くするものではなく、インク収容部とインク室との間で
気液交換を行うとともに、弁によってインク収容部とイ
ンク室とを開閉するものであるので、構造を簡素にする
ことができる。そして、インク漏れがなく安定してイン
クを保持することができる。
【0065】また、空気導入管内の全てにインクが満た
されていない限り、インク供給装置に振動が加わったり
傾斜した場合でも、外気連通孔からインクが漏れ出るこ
とを防止することができる。さらにまた、圧力の低下又
は温度上昇が起きたときに、インク収容部内の空気が膨
張して空気導入管側にインクが逆流しても、バッファ部
にそのインクが溜められるので、外気連通孔からインク
が漏れ出ることを防止することができる。
【0066】請求項2から請求項4まで又は請求項7か
ら請求項9までの発明によれば、インク収容部をインク
カートリッジとして交換することができる。
【0067】また、請求項3又は請求項8の発明によれ
ば、圧力の低下又は温度上昇によって密閉空気の膨張が
生じても、空気導入管側へのインクの逆流量は、わずか
な量であるので、外気連通孔からのインク漏れを防止す
ることができる。
【0068】さらにまた、請求項4又は請求項9の発明
によれば、圧力の低下又は温度上昇によって密閉空気の
膨張が生じてインクが空気導入管側に逆流しても、その
インクは、空気導入管のバッファ部に溜められるので、
外気連通孔からのインク漏れを防止することができる。
【0069】請求項5又は請求項10の発明によれば、
インク供給装置の小型化を図ることができるとともに、
インク室とインク収容部との間の開閉を簡素な構造で確
実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるプリンタヘッドを
示す正面の断面図である。
【図2】インクタンクの着脱構造を示す図である。
【図3】プリンタヘッドの全体図(正面の断面図)と、
その全体図におけるA部を詳細に示す図である。
【図4】プリンタヘッドチップを示す断面図であって、
インクが吐出された後、インクがインク加圧室に供給さ
れるまでの様子を示す図であり、その状態における弁部
の様子を併せて示す図である。
【図5】図4の様子に続く様子を示す図である。
【図6】図5の様子に続く様子を示す図である。
【図7】図6の様子に続く様子を示す図である。
【図8】インクタンク内のインクの様子を示す図であ
り、常温、常圧時の状態を示す図である。
【図9】インクタンク内のインクの様子を示す図であ
り、高温、低圧時の状態を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態であるプリンタヘッド
を示す正面の断面図である。
【図11】従来のインク供給装置の第1例を示す図であ
る。
【図12】従来のインク供給装置の第2例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 バブルインクジェットプリンタヘッド 10 インク供給装置 20 インク収容部 30 インクタンク 31 ノズル部 32 空気導入管 32a 外気連通孔 32b バッファ部 41 インク溜め部 43 Oリング 50 弁部 51 インク室 52 弁 53 バネ(付勢部材) 54 インク送出部 100 プリンタヘッドチップ 101 基板 102 発熱抵抗体 103 フィルム 104 ノズルシート 104a ノズル 105 インク加圧室 106 インク流路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滑川 巧 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 堀井 伸一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA18 KB02 KB11 KB33 KC15 KC16 KC22 KC24 KC27

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク収容部と、前記インク収容部の下
    側に配置されるとともに前記インク収容部内のインクが
    流下可能に前記インク収容部と連結され、インクを送り
    出すインク送出部を有するインク室と、 前記インク収容部と前記インク室との間を開閉するため
    のものであって、前記前記インク収容部と前記インク室
    との間を閉塞するように付勢されるとともに、前記イン
    ク室の前記インク送出部からインクが供給されたときに
    発生する前記インク室内の圧力の低下によって前記イン
    ク収容部と前記インク室とが連通するように移動される
    弁とを備え、 前記インク収容部は、 外気と連通する外気連通孔と、 前記外気連通孔から前記インク収容部の内部に延在する
    とともに、前記インク収容部から前記インク室にインク
    が送られたことによりインク量が減少したときに、その
    インク量の減少分に相当する分の空気を前記外気連通孔
    から前記インク収容部の内部に取り込むための空気導入
    管とを備え、 前記空気導入管の一部には、インクを一時的に溜め込み
    可能なバッファ部を備えることを特徴とするインク供給
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインク供給装置におい
    て、 前記インク収容部は、着脱可能に形成されていることを
    特徴とするインク供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインク供給装置におい
    て、 前記インク収容部は、着脱可能に形成されており、 前記インク収容部のインクの未使用時には、前記空気導
    入管内を含む前記インク収容部内にインクが充填されて
    いることを特徴とするインク供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインク供給装置におい
    て、 前記インク収容部は、着脱可能に形成されており、 前記インク収容部のインクの未使用時には、前記空気導
    入管内を除いた前記インク収容部内にインクが充填され
    ていることを特徴とするインク供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載のインク供給装置において、 前記弁は、前記インク室内に設けられており、付勢部材
    によって前記インク収容部側に付勢されていることを特
    徴とするインク供給装置。
  6. 【請求項6】 インク供給装置とプリンタヘッドチップ
    とを含むプリンタヘッドであって、 前記インク供給装置は、 インク収容部と、 前記インク収容部の下側に配置されるとともに前記イン
    ク収容部内のインクが流下可能に前記インク収容部と連
    結され、インクを送り出すインク送出部を有するインク
    室と、 前記インク収容部と前記インク室との間を開閉するため
    のものであって、前記前記インク収容部と前記インク室
    との間を閉塞するように付勢されるとともに、前記イン
    ク室の前記インク送出部からインクが供給されたときに
    発生する前記インク室内の圧力の低下によって前記イン
    ク収容部と前記インク室とが連通するように移動される
    弁とを備え、 前記インク収容部は、 外気と連通する外気連通孔と、 前記外気連通孔から前記インク収容部の内部に延在する
    とともに、前記インク収容部から前記インク室にインク
    が送られたことによりインク量が減少したときに、その
    インク量の減少分に相当する分の空気を前記外気連通孔
    から前記インク収容部の内部に取り込むための空気導入
    管とを備え、 前記空気導入管の一部には、インクを一時的に溜め込み
    可能なバッファ部を備えるものであり、 前記プリンタヘッドチップは、 発熱抵抗体を有するとともに前記インク供給装置の前記
    インク室と連通されたインク加圧室を基板上に複数並設
    し、前記発熱抵抗体を駆動することで、前記インク加圧
    室内のインクをノズルから吐出させるものであることを
    特徴とするプリンタヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプリンタヘッドにおい
    て、 前記インク供給装置の前記インク収容部は、着脱可能に
    形成されていることを特徴とするプリンタヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のプリンタヘッドにおい
    て、 前記インク供給装置の前記インク収容部は、着脱可能に
    形成されており、 前記インク収容部のインクの未使用時には、前記空気導
    入管内を含む前記インク収容部内にインクが充填されて
    いることを特徴とするプリンタヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のインク供給装置におい
    て、 前記インク供給装置の前記インク収容部は、着脱可能に
    形成されており、 前記インク収容部のインクの未使用時には、前記空気導
    入管内を除いた前記インク収容部内にインクが充填され
    ていることを特徴とするプリンタヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項6から請求項9までのいずれか
    1項に記載のプリンタヘッドにおいて、 前記インク供給装置の前記弁は、前記インク室内に設け
    られており、付勢部材によって前記インク収容部側に付
    勢されていることを特徴とするプリンタヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007301805A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Sony Corp 液体貯留容器及び液体吐出装置
KR102127954B1 (ko) * 2019-10-02 2020-06-29 주식회사 우심시스템 잉크공급장치 및 이를 포함하는 잉크젯 프린터

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