JP2003129920A - フユーエルデリバリパイプ - Google Patents

フユーエルデリバリパイプ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子燃料噴射式自動車用エンジンに用いられる
フユーエルデリバリパイプにおいて、燃料インジェクタ
の開閉に伴って発生する衝撃波や脈動圧を低減させると
共に、他部品との干渉を回避し工具のスペースを確保す
る。 【解決手段】連通管の断面を偏平形状としかつ連通管の
外壁部に少なくとも1つの平坦状又は円弧状で可撓性の
アブゾーブ面を形成する。偏平形状の一部にプレス機械
と切断刃による円弧状切断面を形成する。この円弧状切
断面に封止キャップをろう付け及び又は溶接により固着
して円弧状凹所を形成する。これにより、ソケットに流
入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓みで低
減させると共に円弧状凹所で他部品や工具との干渉を回
避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子燃料噴射式自
動車用エンジンの燃料加圧ポンプから送給された燃料を
エンジンの各吸気通路あるいは気筒内に直接噴射する燃
料インジェクタ(噴射ノズル)を介して供給するための
フユーエルデリバリパイプの改良に関し、特に燃料通路
を有する連通管の断面構造と外部構造に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フユーエルデリバリパイプは、ガソリン
エンジンの電子燃料噴射システムに広く使用されてお
り、燃料通路を有する連通管から複数個の円筒状ソケッ
トを介して燃料インジェクタに燃料を送った後、燃料タ
ンク側へと戻るための戻り通路を有するタイプと、戻り
通路を持たないタイプ(リターンレス)とがある。最近
は高温の戻り燃料による蒸散ガス低減対策やコストダウ
ンのため戻り通路を持たないタイプが増加してきたが、
それに伴い、インジェクタから噴射させるために弁を開
閉させるスプールの往復運動に起因する反射波(衝撃
波)や脈動圧による燃料噴射脈動によって、フユーエル
デリバリパイプや関連部品が振動し耳ざわりな異音を発
するという問題が発生していた。加えて、インジェクタ
のスプールの着座に伴う衝撃による異音も発生してい
た。燃料を直接燃焼室内に噴射するいわゆる直噴型のエ
ンジンでは、高圧のサプライポンプが設けられるため、
その大きな脈動を吸収するためにパルセーションダンパ
が設けられており、通常の燃料噴射型(MPI)エンジ
ンの場合においても一部で採用されているが、スペース
の制約とコスト高から採用するのは容易でない。
【0003】そこで本発明者等は、特開2000−32
9031号「フユーエルデリバリパイプ」に記載したよ
うに、連通管の壁面の一部を可撓性のアブゾーブ面にし
て振動を吸収させる方法として、連通管の断面を偏平形
状にすることを提案した。しかしながら、連通管を偏平
形状にすると、エンジンの周囲にある配管部品等に干渉
したり接触したりするおそれがあり、さらに工具を挿入
したり回転させたりするスペースが確保できないため、
充分な偏平形状を採用しにくいという欠点があることが
判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、燃料
インジェクタの開閉に伴って発生する衝撃波や脈動圧を
低減させるために充分な偏平形状を採用しながら、他部
品との干渉を防止し、工具のスペースを確保することを
可能にする新規なフユーエルデリバリパイプの構造を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前述した課題
は、連通管の断面が偏平形状に形成され、かつ連通管の
外壁部が少なくとも1つの平坦状又は円弧状で可撓性の
アブゾーブ面を包含しており、偏平形状の一部にプレス
機械と切断刃による円弧状切断面が形成され、この円弧
状切断面に封止キャップがろう付け又は溶接により固着
されて円弧状凹所を形成しており、これにより、ソケッ
トに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓
みで低減させると共に円弧状凹所で他部品との干渉を回
避するようになっているフユーエルデリバリパイプによ
って達成される。
【0006】本発明において、プレス機械と切断刃によ
る円弧状切断面を形成する方法は、例えば本出願人によ
る特許第3010307号「フユーエルデリバリパイプ
の製造方法」に記載されているような従来の方法を用い
ることができる。その方法については添付図面の図6を
参照して後述する。
【0007】
【作用】本発明によれば、上述した構造を採用すること
により、アブゾーブ面の撓みによる振動吸収効果と共
に、円弧状凹所で他部品との干渉が回避でき、工具や配
線などを挿入するスペースも確保されることになり、充
分な偏平形状を採用することが可能になる。
【0008】アブゾーブ面による脈動吸収の理論的な根
拠としては、燃料インジェクタの開閉時に発生する衝撃
波が、ソケットの燃料流入口へと流入あるいは瞬間的な
逆流によって流出する際に、可撓性のアブゾーブ面の撓
みによって衝撃や脈動が吸収されることと、バネ定数の
比較的小さい薄肉の部材が撓んで変形することにより容
積が変化し燃料の圧力変動を吸収するものと理解され
る。
【0009】本発明は他の態様として、円弧状凹所の仮
想延長部上に連通管をエンジン本体に固定するための穴
付きブラケットを配置することにより、穴付ブラケット
が他部品に干渉することを防止することができ、加えて
固定用ボルトを締め付ける際の工具のスペースを確保す
ることができる。
【0010】本発明はさらに他の態様として、封止キャ
ップに連通管を固定するための穴付きブラケットを一体
化させて構成することができ、これにより従来の突起物
を削除してフユーエルデリバリパイプ全体をコンパクト
に構成することができ、他部品との干渉をより一層回避
できるようになる。
【0011】本発明において、連通管の外壁部やアブゾ
ーブ面の板厚・縦横の比率・ソケットの燃料流入口と対
向する面との隙間などは、特にエンジンのアイドリング
時において振動や脈動が最も小さい値になるように実験
や解析によって定めることができる。本発明は基本的に
連通管の断面構造と外部構造に係るものであるから、ブ
ラケットの取り付け寸法を維持することにより、従来の
フユーエルデリバリパイプに対して互換性を維持するこ
とができる。本発明の他の特徴及び利点は、添付図面の
実施例を参照した以下の記載により明らかとなろう。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の態様による
フユーエルデリバリパイプ10を表しており、図1Aは
全体の斜視図、図1Bはソケット部分の縦断面図を表し
ている。クランク軸方向に沿って延伸する連通管11の
底面には、噴射ノズルの先端を受け入れるためのソケッ
ト3が、例えば3気筒エンジンであれば3個が所定の間
隔と角度で取り付けられている。連通管11には、さら
にフユーエルデリバリパイプ10をエンジン本体に取り
付けるための厚肉で堅固なブラケット4が2個横方向に
架け渡されている。連通管11の長手方向端部はエンド
キャップ13,14で気密に封止されている。
【0013】連通管11の側端部にはコネクタ(図示せ
ず)を介して燃料導入管2がろう付けや溶接で固定され
ている。連通管11のいずれかの端部には燃料タンクに
戻るための戻り管を設けることができるが、リターンレ
スタイプのフユーエルデリバリパイプでは、戻り管は設
けられていない。燃料は矢印の方向へと流れ、ソケット
3から燃料インジェクタ(図示せず)を介して各吸気通
路あるいは気筒内へ直接噴射される。
【0014】図1A,Bに示すように、この例では連通
管11は円形断面の低炭素鋼もしくはステンレス鋼パイ
プをつぶして形成した偏平楕円形断面に作られており、
偏平部分の内側下面がソケット3の燃料流入口13(図
1B)に対向している。連通管11の断面寸法は、例え
ば板厚1.2mmの平板で、高さHを6.4mm、幅W
を32mmに設定することができ、この平板のバネ定数
は約65kgf/cm 2 /mmである。本発明に従い、
偏平楕円形断面の連通管11の外壁部のほぼ全体がアブ
ゾーブ面を提供し、特に燃料流入口13に対向する平坦
部分11aはそのスパンの長さから主アブゾーブ面とし
て作用する。
【0015】さらに、図1Aに示すように本発明の特徴
に従い、連通管11の偏平形状の一部にプレス機械と切
断刃による円弧状切断面16が形成され、この円弧状切
断面16に、これと対応する形状の封止キャップ18が
突き合わせ溶接の形でろう付け及び又は溶接により固着
されて円弧状凹所20を形成している。かくして、ソケ
ットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の
撓みで低減させると共に、円弧状凹所で他部品との干渉
を回避し、かつ工具のスペースを確保するようになって
いる。
【0016】図2A,B,Cは、連通管11に形成され
た円弧状切断面16と封止キャップ18の関係を斜視
図、平面図及び断面図で表している。円弧状の切断面と
することにより、アブゾーブ面の撓みに影響を及ぼすこ
とが最小限となり、本発明により振動低減効果と干渉防
止効果の両面を達成することができる。
【0017】図6は、連通管に円弧状切断面を形成する
ための連通管Rカット装置を表しており、前述したよう
にこの装置は特許第3010307号に記載されている
装置を参照している。この装置70は、偏平形状の連通
管11を両側からクランプする2つ割りの把持機構74
と、把持機構74を支持する基礎台76と、円形棒状体
の先端を斜めに切断した形状の切断刃78をクランプす
る保持部80とで構成されている。基礎台76と保持部
80はプレス装置に組込まれており、両者の間隔は所定
のサイクルで変化させられる。把持機構74は、固定チ
ャック82と可動チャック84、及び可動チャック84
を動かすための液圧、空気圧又は機械式作動ユニット8
6とを包含している。固定チャック82と可動チャック
84の合せ面90の位置には、固定チャック側と可動チ
ャック側のそれぞれに円弧状の溝(図示せず)が設けら
れており、これらの溝はチャックが当接した状態で切断
刃78の外形にほぼ等しい円形となるように形成され
て、ガイドの役目を果たす。かくして、このRカット装
置を用いれば、連通管の偏平状断面の側面に円弧状凹所
を形成できることになる。
【0018】図3A,B,Cは封止キャップの変形例を
表しており、連通管11に円弧状凹所20を形成するた
めの封止キャップ22と連通管11の関係を斜視図、平
面図及び断面図で表している。図3Cに示すように、封
止キャップ22は円弧状切断面上にオーバーラップする
形で当接され、ろう付け及び又は溶接により連通管11
に固着されている。
【0019】図4A,B,C,Dは本発明の他の実施例
を表しており、円弧状凹所20の仮想延長部上に連通管
を固定するための穴付きブラケット30を配置して、穴
付ブラケット30が他部品に干渉することを防止し、か
つ工具を用いて固定用ボルト(図示せず)を締め付ける
際に工具が他部品や連通管11に干渉することを防止す
るようにした例である。
【0020】図5A,B,Cは本発明のさらに他の実施
例を表しており、円弧状切断面16を封止するための封
止キャップ40に連通管を固定するための穴付きブラケ
ットを一体化させて構成した例である。こうすると、従
来のフユーエルデリバリパイプで側方に向けて突出して
いた突起物を削除してフユーエルデリバリパイプ全体を
コンパクトに構成することができ、他部品との干渉をよ
り一層回避できるようになる。封止キャップ40と円弧
状切断面16とはろう付け及び又は溶接により連通管1
1に固着されるが、前述した例に比べて溶接面積が大き
くなるため、燃料の内圧に耐えなければならない封止キ
ャップの強度が充分確保できるという利点がある。な
お、円弧状切断面16の輪郭は正確な円弧である必要は
なく、略円弧状であれば種々の形状で良い。
【0021】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば、燃料インジェクタの開閉時に発生するスプールの着
座に伴う衝撃波・ソケットの燃料流入口へと流入あるい
は瞬間的な逆流によって流出する際に発生する脈動圧な
どが偏平形状の連通管のアブゾーブ面の撓みによって低
減させられると共に、円弧状凹所の存在で他部品との干
渉を回避することができ、工具のスペースが確保される
等、その技術的効果には極めて顕著なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフユーエルデリバリパイプ全体の
斜視図とソケット部分の断面図である。
【図2】連通管と封止キャップの関係を表す一部破断斜
視図と平面図及びP−P線に沿う断面図である。
【図3】封止キャップの変形例を表す一部破断斜視図と
平面図及びQ−Q線に沿う断面図である。
【図4】他の実施例による連通管と封止キャップの関係
を表す一部破断斜視図と平面図及びR−R線に沿う断面
図である。
【図5】さらに他の実施例による連通管と封止キャップ
の関係を表す一部破断斜視図と平面図及びS−S線に沿
う断面図である。
【図6】連通管に円弧状断面を形成するRカット装置の
縦断面図である。
【符号の説明】
2 燃料導入管 3 ソケット 4 固定用ブラケット 10 フユーエルデリバリパイプ 11 連通管 11a アブゾーブ面 13 燃料流入口 16 円弧状切断面 18,22 封止キャップ 20 円弧状凹所 30,40 固定用ブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 55/02 F02M 55/02 350Z B21D 28/28 B21D 28/28 F02M 37/00 F02M 37/00 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線状に延びる燃料通路を内部に有する
    連通管と、この連通管の端部又は側部に固定された燃料
    導入管と、前記連通管に交差して突設され一部が前記燃
    料通路に連通し開放端部が燃料噴射ノズル先端を受け入
    れる複数のソケットとを備えて成るフユーエルデリバリ
    パイプにおいて、 前記連通管の断面が偏平形状に形成され、かつ前記連通
    管の外壁部が少なくとも1つの平坦状又は円弧状で可撓
    性のアブゾーブ面を包含しており、 前記偏平形状の一部にプレス機械と切断刃による円弧状
    切断面が形成され、 前記円弧状切断面に封止キャップがろう付け又は溶接に
    より固着されて円弧状凹所を形成しており、 これにより、ソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波
    をアブゾーブ面の撓みで低減させると共に円弧状凹所で
    他部品との干渉を回避するようになっていることを特徴
    とするフユーエルデリバリパイプ。
  2. 【請求項2】 前記円弧状凹所の仮想延長部上に連通管
    を固定するための穴付きブラケットが配置されている請
    求項1記載のフユーエルデリバリパイプ。
  3. 【請求項3】 前記封止キャップに連通管を固定するた
    めの穴付きブラケットが一体化されている請求項1記載
    のフユーエルデリバリパイプ。
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