JP2003138046A - ゴム製品の製造方法 - Google Patents
ゴム製品の製造方法Info
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Abstract
を、種々の溶剤との接触によっても消滅または減殺され
ることなく安定的に発現することのできるゴム製品を製
造する方法の提供。 【解決手段】 原料ゴム100質量部に対して0.5〜
5質量部のシランカップリング剤を配合・混練してなる
ゴム組成物を成形加工することにより、架橋ゴムからな
る成形体を得る工程と、この成形体の表面に、下記一般
式(I)(式中、RF はフルオロアルキル基を含有する
基、R1 は、加水分解性基との反応性を有する官能基、
R2 は、水素原子またはアルキル基、R3 およびR
4 は、水素原子または1価の有機基を表す。xは1〜1
00の整数であり、yは0〜500の整数である。)で
示されるフッ素系化合物を付着させる工程と、前記特定
のフッ素系化合物が表面に付着された当該成形体を加熱
処理する工程とを含むことを特徴とする。 【化1】
Description
法に関し、更に詳しくは、フルオロアルキル基を含有す
る基を分子両末端に有するフッ素系化合物に由来の構造
が、成形体の表面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖
に確実に結合されてなるゴム製品を製造する方法に関す
る。
に有し、中間鎖に官能基が結合されてなるフッ素系化合
物(オリゴマー)により表面処理された樹脂製品が知ら
れている。このような樹脂製品の表面処理に適用される
当該フッ素系化合物は、分子両末端におけるフルオロア
ルキル基が共有結合を介して中間鎖に結合されているの
で、非粘着性、表面潤滑性、撥水撥油性、防汚性、抗菌
性および生理活性の付与など、表面処理による所期の効
果を長期にわたり発現することができる。そこで、この
ようなフッ素系化合物により表面処理されたゴム製品を
製造することができれば望ましい。
た樹脂製品の製造方法(樹脂製品の表面処理方法)とし
て、下記(1)および(2)の方法が紹介されている。 (1)当該フッ素系化合物を樹脂とともに有機溶剤に溶
解し、一定時間放置した後に溶剤を除去する方法(特開
平11−246573号公報参照)。 (2)当該フッ素系化合物を光重合性モノマーに溶解し
て光硬化性の組成物を調製し、当該組成物を樹脂製品
(プラスチック)の表面に塗布し、形成された塗膜を光
硬化させる方法(特開平10−245419号公報参
照)。
(1)および(2)の方法は、樹脂製品の製造方法(樹
脂の表面処理方法)としては適しているものの、これら
の方法をゴム製品に適用しても、表面特性の良好なゴム
製品を得ることができなかった。そこで、本発明者ら
は、さらに下記(3)および(4)の方法を試みた。
材)を、当該フッ素系化合物の溶液中に浸漬し、乾燥
後、当該成形体を加熱処理することにより、当該成形体
の表面に被膜(表面処理層)を形成する方法。 (4)未架橋ゴムからなる成形体(ゴム基材)を、当該
フッ素系化合物の溶液中に浸漬し、乾燥後、当該成形体
を加熱処理することにより、ゴムを架橋させるととも
に、当該成形体の表面に被膜(表面処理層)を形成する
方法。
方法においては、形成される被膜(表面処理層)の成形
体(ゴム基材)に対する密着力が小さく、当該被膜が容
易に剥離してしまい実用的ではない。また、被膜を構成
するフッ素系化合物が種々の溶剤に溶解されやすいため
に、上記(3)または(4)の方法によって得られたゴ
ム製品に溶剤を接触させると、当該被膜が溶剤に浸食・
溶解されて、成形体の表面から除去されてしまう。
たものであって、本発明の目的は、フルオロアルキル基
を含有する基を分子両末端に有し、中間鎖に官能基が結
合されてなるフッ素系化合物に由来の構造を、成形体の
表面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖に確実かつ効
率的に結合させることができ、当該フッ素系化合物によ
る表面処理効果を、種々の溶剤との接触によっても消滅
または減殺されることなく安定的に発現し得るゴム製品
を製造することができる方法を提供することにある。
方法は、原料ゴム100質量部に対して0.5〜5質量
部のシランカップリング剤を配合・混練してなるゴム組
成物を成形加工することにより、架橋ゴムからなる成形
体を得る工程と、この成形体の表面に、下記一般式
(I)で示されるフッ素系化合物(以下、「特定のフッ
素系化合物」ともいう。)を付着させる工程と、特定の
フッ素系化合物が表面に付着された当該成形体を加熱処
理する工程とを含むことを特徴とする。
する基、R1 は、加水分解性基との反応性を有する官能
基、R2 は、水素原子またはアルキル基、R3 およびR
4 は、同一または異なる、水素原子または1価の有機基
を表す。xは1〜100の整数であり、yは0〜500
の整数である。)
下記の形態が好ましい。 〔1〕前記成形体の表面に、特定のフッ素系化合物の溶
液を塗布することにより、当該フッ素系化合物を当該成
形体の表面に付着させること。 〔2〕前記成形体を、特定のフッ素系化合物の溶液中に
浸漬することにより、当該フッ素系化合物を当該成形体
の表面に付着させること。 〔3〕特定のフッ素系化合物を示す上記一般式(I)に
おいて、R1 で表される官能基がアルコキシシリル基ま
たはアルコキシアルコキシシリル基であること。 〔4〕特定のフッ素系化合物を示す上記一般式(I)に
おいて、R1 で表される官能基がトリメトキシシリル基
であること。 〔5〕特定のフッ素系化合物を示す上記一般式(I)に
おいて、RF で表されるフルオロアルキル基を含有する
基が、−CF3 、−C2 F5 、−C3 F7 、−C
6 F13、−C7 F15または−CF(CF3 )[OCF2
CF(CF3 )]p OC 3 F7 (式中、pは0,1もし
くは2である)で表されること。 〔6〕特定のフッ素系化合物が、下記式(1)で示され
る化合物であること。 〔7〕前記シランカップリング剤の有する反応性有機官
能基がメルカプト基またはビニル基であること。
せることにより、当該架橋反応とともに、シランカップ
リング剤の有する反応性有機官能基と、ゴムのポリマー
主鎖との反応が起こり、これにより、シランカップリン
グ剤がポリマー主鎖に結合された架橋ゴムが得られる。
そして、この架橋ゴムからなる成形体の表面に、特定の
フッ素系化合物を付着させた後、当該成形体を加熱処理
することにより、当該成形体の表面近傍において、特定
のフッ素系化合物の有する官能基(R1 )と、ポリマー
主鎖に結合されているシランカップリング剤の有する加
水分解性基とが反応する。この結果、成形体の表面近傍
における架橋ゴムのポリマー主鎖に、シランカップリン
グ剤を介して、特定のフッ素系化合物に由来の構造を結
合させることができる。
の構造とシランカップリング剤との間、および、シラン
カップリング剤と架橋ゴムのポリマー主鎖との間に化学
的な結合が形成されるため、特定のフッ素系化合物に由
来の構造(表面処理層)は、ゴム基材である成形体の表
面に対して強固に密着することになる。さらに、特定の
フッ素系化合物の有する官能基と、シランカップリング
剤の有する加水分解性基との反応により形成されるハイ
ブリッドは、熱安定性および化学的安定性に優れ、特定
のフッ素系化合物に対して良溶媒である種々の溶剤に対
しても不溶性または難溶性となるため、得られるゴム製
品の耐薬品性(耐油性・耐溶剤性)を格段に向上させる
ことができる。
する。本発明のゴム製品の製造方法は、シランカップリ
ング剤を配合・混練してなるゴム組成物を成形加工する
ことにより、架橋ゴムからなる成形体を得る工程(以
下、「成形工程」ともいう。)と、この成形体の表面
に、特定のフッ素系化合物を付着させる工程(以下、
「フッ素系化合物の付着工程」ともいう。)と、特定の
フッ素系化合物が表面に付着された当該成形体を加熱処
理する工程(以下、「加熱工程」ともいう。)とを含む
点に特徴を有する。
形工程は、シランカップリング剤を配合・混練してなる
ゴム組成物を成形加工することにより、架橋ゴムからな
る成形体を得る工程である。ここに、「成形加工」と
は、ゴム製品の形状を得るとともに、ゴムを架橋するこ
とをいう。
成物を構成する原料ゴム)としては、特に限定されるも
のではなく、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(C
R)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピ
レンゴム(EPM,EPDM)、アクリルゴム(AC
M,ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO,EC
O)、シリコーンゴム(VMQ,FVMQ)、ウレタン
ゴム(AU,EU)、フッ素ゴム(FKM,FEPM)
などを例示することができる。
リング剤(ゴム組成物の構成成分)は、加水分解性基お
よび反応性有機官能基を1分子中に含有し、特定のフッ
素系化合物および架橋ゴムのポリマー主鎖のそれぞれと
反応して、両者の間に強固な化学結合を形成するもので
ある。かかるシランカップリング剤としては、下記一般
式(II)で示されるものを挙げることができる。
(II)において、R5 は、アルキル基またはアルコキシ
アルキル基を示し、R6 はアルキル基を示す。また、m
は1〜3の整数、好ましくは3であり、nは0〜5の整
数、好ましくは0〜3の整数である。
基〔Si(OR5 )m R6 3-m −〕と、特定のフッ素系
化合物の有する官能基(R1 )とが反応することによ
り、熱安定性および化学的安定性に優れたハイブリッド
が形成される。かかる加水分解性基としては、トリメト
キシシリル基などのアルコキシシリル基を挙げることが
できる。
(II)において、R7 は、ゴムのポリマー主鎖との反応
性を有する有機官能基を示す。ここに、反応性有機官能
基(R7 )としては、アミノ基、メルカプト基、ビニル
基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、ウレ
イド基などを挙げることができる。これらのうち、不飽
和結合を有するゴムのポリマー主鎖に対して反応性を有
するメルカプト基、不飽和結合を有しないゴムのポリマ
ー主鎖に対して反応性を有するビニル基などを好適なも
のとして挙げることができる。このように、ゴムの種類
(ポリマー主鎖中の不飽和結合の有無)に応じて、反応
性有機官能基(R7 )を選択することによれば、特定の
フッ素系化合物として同一種類の化合物を種々のゴムに
対して使用することが可能となる。
剤の配合量としては、当該ゴム組成物中に配合される充
填剤の量などによっても異なるが、例えば、原料ゴム1
00質量部あたり0.5〜5質量部とされ、好ましくは
0.5〜2質量部、特に好ましくは0.75〜2質量部
とされる。シランカップリング剤の配合量が0.5質量
部未満である場合には、特定のフッ素系化合物に由来の
構造を架橋ゴムのポリマー主鎖に効率的に結合させるこ
とができず、所期の処理効果を成形体の表面に付与する
ことができない。他方、5質量部を超えて場合しても、
当該配合量にみあう効果が得られない。
須成分とするゴム組成物中には、架橋剤、架橋促進剤、
老化防止剤、充填剤、可塑剤など、従来公知の種々のゴ
ム用配合剤が含有されていてもよい。ゴム組成物を得る
ための混練方法としても特に限定されるものではなく、
混練機を使用する従来公知の方法を採用することができ
る。
のではなく、架橋ゴムからなる成形体を得るための従来
公知の方法(例えばプレス成形)を採用することができ
る。ここに、ゴムの架橋条件としては、例えば140〜
180℃で5〜60分間とされる。
シランカップリング剤の存在下に、ゴムを架橋させるこ
とにより、当該架橋反応とともに、シランカップリング
剤の有する反応性有機官能基と、ゴムのポリマー主鎖と
の反応が起こり、これにより、シランカップリング剤が
ポリマー主鎖に結合された架橋ゴムが得られる。
造方法におけるフッ素系化合物の付着工程は、上記の成
形工程で得られた架橋ゴムからなる成形体(ゴム基材)
の表面に、特定のフッ素系化合物を付着させる工程であ
る。
系化合物は、フルオロアルキル基を含有する基(RF )
を分子両末端に有し、加水分解性基との反応性を有する
官能基(R1 )を中間鎖に有する、分子量が500〜5
0,000程度のフッ素系のオリゴマーである。
アルキル基を含有する基(RF )の具体例としては、−
CF3 、−C2 F5 、−C3 F7 、−C6 F13および−
C7F15など−Cq F2q+1(q=1〜10)で表される
フルオロアルキル基;−CF(CF3 )OC3 F7 、−
CF(CF3 )[OCF2 CF(CF3 )]OC
3 F 7 、および−CF(CF3 )[OCF2 CF(CF
3 )]2 OC3 F7 で表される基(オキシフルオロアル
キレン基およびフルオロアルキル基を含有する基)を例
示することができ、これらのうち、−CF(CF3 )O
C3 F7 で表される基が特に好ましい。
(R1 )は、加水分解性基との反応性を有するものであ
り、これにより、シランカップリング剤との結合が担保
される。かかる官能基(R1 )としては、トリメトキシ
シリル基、トリエトキシシリル基などのアルコキシシリ
ル基;トリ(メトキシメトキシ)シリル基、トリ(メト
キシエトキシ)シリル基、トリ(エトキシメトキシ)シ
リル基、トリ(エトキシエトキシ)シリル基などのアル
コキシアルコキシシリル基を挙げることができる。これ
らのうち、アルコキシシリル基が好ましく、トリメトキ
シシリル基が特に好ましい。特定のフッ素系化合物を構
成する基(R2 )は、水素原子またはメチル基などのア
ルキル基である。
(R3 ,R4 )は、同一または異なる基であって、水素
原子または1価の有機基であり、ゴムの表面に付与すべ
き機能などに応じて適宜の基を選択することができる。
R3 またはR4 で示される有機基としては、下記(i)
〜(v)に示すような基を挙げることができる。
(I)において、xは1〜100の整数とされ、好まし
くは1〜50、更に好ましくは1〜10、特に好ましく
は1〜5の整数とされる。また、yは0〜500の整数
とされ、好ましくは0〜100、更に好ましくは0〜5
0、特に好ましくは0〜10、最も好ましくは0〜5と
される。
系化合物は、下記一般式(IA)で示される含フッ素過
酸化物の存在下に、下記一般式(IB)で示される単量
体と、下記一般式(IC)で示される単量体とを重合さ
せることにより得ることができる。
合物としては、上記式(1)で示される化合物、下記式
(2)乃至式(5)で示される化合物を挙げることがで
きる。特に、上記式(1)および下記式(2)で示され
る化合物は、1分子中に占めるフッ素原子(表面特性の
向上に寄与する原子)の割合が大きいために、成形体
(ゴム基材)の表面に高い効率でフッ素原子を存在させ
ることができるので好ましい。
RF ' は、式:−CF(CF3 )OCF2CF(C
F3 )OC3 F7 で示される基である。式(2)中、x
aは1〜100の整数である。式(3)中、xbは1〜
100の整数、ybは1〜500の整数である。〕
cは0〜100の整数である。式(5)中、xdは1〜
10の整数、ydは0〜100の整数である。〕
工程)において、架橋ゴムからなる成形体(ゴム基材)
の表面に、特定のフッ素系化合物を付着させる方法とし
ては、特定のフッ素系化合物を適宜の溶剤に溶解して溶
液を調製し、この溶液を当該成形体の表面に塗布する方
法を挙げることができる。ここに、特定のフッ素系化合
物を溶解する溶剤としては、水、メタノール、エタノー
ル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ベンゼン、酢
酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、アセト
ン、ヘキサン、および精密洗浄などの用途に使用される
代替フロン(HCFC系,HFC系,PFC系)などを
挙げることができる。
性またはアルカリ性であることが好ましく、酸性(pH
が6以下、特に3〜5)であることが特に好ましい。こ
れにより、特定のフッ素系化合物の有する官能基
(R1 )と、シランカップリング剤の加水分解性基との
反応が効率的に行われ、ハイブリッドの形成が促進され
る。これらの溶液を酸性とするために添加含有される酸
としては、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸;蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸などの有機酸
を挙げることができ、これらのうち、酢酸が好ましい。
特定のフッ素系化合物の溶液を塗布する方法としては、
特に限定されるものではないが、当該溶液中に成形体を
浸漬する方法(浸漬法)が好ましい。なお、塗布面積の
広い大型の成形体に対する塗布方法としては、刷毛塗
り、吹き付け・噴霧による方法、各種のコーターによる
方法などを採用することができる。
熱工程は、特定のフッ素系化合物が表面に付着された成
形体を加熱処理する工程である。ここに、加熱条件とし
ては、特定のフッ素系化合物とシランカップリング剤と
の縮合反応を十分に進行させる観点から規定される。具
体的には、70〜180℃で5〜60分間とされる。加
熱処理方法としては、換気機能を備えた恒温槽を用いる
方法が好ましい。
体(ゴム基材)の表面近傍において、ポリマー主鎖に結
合されているシランカップリング剤の有する加水分解性
基と、特定のフッ素系化合物の有する官能基(R1 )と
が反応し、熱安定性および化学的安定性に優れたハイブ
リッド(特定のフッ素系化合物−シランカップリング剤
のハイブリッド)が形成される。これにより、成形体の
表面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖に、シランカ
ップリング剤を介して、特定のフッ素系化合物に由来の
構造を結合させることができる。
特定のフッ素系化合物の加水分解物と、上記一般式(I
I)で示されるシランカップリング剤(但し、m=3)
の加水分解物との縮合反応により形成される、シロキサ
ン結合を有するハイブリッド構造の一例を示している。
なお、下記式(6)では、シランカップリング剤とポリ
マー主鎖との結合状態は示されていないが、本発明の製
造方法によって得られるゴム製品において、実際には、
当該シランカップリング剤は、有機官能基(R7)によ
ってゴムのポリマー主鎖と結合している。
の付着工程・加熱工程)により、成形体の表面近傍にお
ける架橋ゴムのポリマー主鎖に、シランカップリング剤
を介して、特定のフッ素系化合物に由来の構造が結合さ
れてなるゴム製品(表面処理されたゴム製品)が得られ
る。このようにして得られるゴム製品においては、特定
のフッ素系化合物に由来の構造とシランカップリング剤
との間、および、シランカップリング剤と架橋ゴムのポ
リマー主鎖との間に化学的な結合が形成されるため、特
定のフッ素系化合物に由来の構造(表面処理層)は、成
形体の表面に対して強固に密着することになる。さら
に、特定のフッ素系化合物の有する官能基(R1 )と、
シランカップリング剤の有する加水分解性基との反応に
より形成されるハイブリッドは、熱安定性および化学的
安定性に優れ、特定のフッ素系化合物に対して良溶媒で
ある種々の溶剤に対しても不溶性または難溶性となるた
め、当該ゴム製品の耐薬品性(耐油性・耐溶剤性)を格
段に向上させることができる。本発明の製造方法により
得られるゴム製品の形状は、特に限定されるものではな
い。また、本発明の製造方法により得られるゴム製品に
は、構成部材の一部がゴム製であるものも含まれる。
は、ベルト、プーリー、ホース、チューブ、ガスケッ
ト、Oリング、パッキン、ダイヤフラム、ワイパー、ロ
ール、ケーブル、クッションパッド、印刷用ブランケッ
ト(特に表面層)、グロメット、各種シール材および各
種シート材などとして使用することができる。
本発明がこれらに限定されるものではない。なお、以下
において「部」は「質量部」を意味するものとする。
体積%からなる混合溶剤約100mLに、酢酸2滴を添
加した後、当該混合溶剤に、上記式(1)で示される特
定のフッ素系化合物を添加し、当該フッ素系化合物の濃
度が1質量%の処理液を調製した。
3 CF2 CHCl2 )と、HCFC−225cb(CC
lF2 CF2 CHClF)との混合溶剤「アサヒクリン
AK−225」(旭硝子(株))約100mLに、酢酸
2滴を添加した後、当該混合溶剤に、上記式(2)で示
される特定のフッ素系化合物(但し、xa=2〜3)を
添加して、均一に分散させることにより、当該フッ素系
化合物の濃度が1質量%の処理液を調製した。
体積%からなる混合溶剤約100mLに、酢酸2滴を添
加した後、当該混合溶剤に、上記式(3)で示される特
定のフッ素系化合物(但し、xb=1〜10、yb=1
〜100)を添加し、当該フッ素系化合物の濃度が1質
量%の処理液を調製した。
ルゴム「Nipol DN401」(日本ゼオン(株)
製,AN量=18%)100部と、硫黄1部と、酸化亜
鉛5部と、架橋促進剤「ノクセラーZTC」(大内新興
化学(株)製)1部と、架橋促進剤「ノクセラーTOT
−N」(大内新興化学(株)製)4部と、架橋促進剤
「ノクセラーDM」(大内新興化学(株)製)2部と、
式:Si(OCH3 )3 −(CH2 )3 −SHで示され
るシランカップリング剤「A−189」〔日本ユニカー
(株)製〕1部とを8インチロールにより混練してニト
リルゴム組成物からなる未架橋ゴムシートを作製し、こ
の未架橋ゴムシートを150℃で10分間プレス成形す
ることにより、架橋ゴムシート(ゴム基材である成形
体)を作製した。
成形工程によって得られた架橋ゴムシートを、調製例1
で得られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴ
ムシートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することに
より、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合
物を付着させた。
付着工程により、特定のフッ素系化合物を表面に付着さ
せた当該架橋ゴムシートを、換気機能を備えた恒温槽
(150℃)内で10分間加熱処理することにより、上
記式(1)で示される特定のフッ素系化合物により表面
処理された架橋ゴムシート(ゴム製品)を製造した。
て、シランカップリング剤の配合量を2部に変更したこ
と以外は実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混
練することによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴ
ムシートを作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で
10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシートを
作製した。次いで、得られた架橋ゴムシートを、調製例
1で得られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋
ゴムシートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去すること
により、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化
合物を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様
にして、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱
処理することにより、上記式(1)で示される特定のフ
ッ素系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(ゴ
ム製品)を製造した。
て、実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練す
ることによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシ
ートを作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10
分間プレス成形することにより、架橋ゴムシートを作製
した。次いで、この架橋ゴムシートを、調製例2で得ら
れた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴムシー
トを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することにより、
当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物を付
着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にして、
当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理する
ことにより、上記式(2)で示される特定のフッ素系化
合物により表面処理された架橋ゴムシート(ゴム製品)
を製造した。
て、シランカップリング剤の配合量を2部に変更したこ
と以外は実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混
練することによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴ
ムシートを作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で
10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシートを
作製した。次いで、この架橋ゴムシートを、調製例2で
得られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴム
シートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することによ
り、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物
を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にし
て、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理
することにより、上記式(2)で示される特定のフッ素
系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(ゴム製
品)を製造した。
て、実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練す
ることによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシ
ートを作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10
分間プレス成形することにより、架橋ゴムシートを作製
した。次いで、この架橋ゴムシートを、調製例3で得ら
れた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴムシー
トを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することにより、
当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物を付
着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にして、
当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理する
ことにより、上記式(3)で示される特定のフッ素系化
合物により表面処理された架橋ゴムシート(ゴム製品)
を製造した。
て、シランカップリング剤の配合量を2部に変更したこ
と以外は実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混
練することによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴ
ムシートを作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で
10分間プレス成形することにより、架橋ゴムシートを
作製した。次いで、この架橋ゴムシートを、調製例3で
得られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴム
シートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することによ
り、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物
を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にし
て、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理
することにより、上記式(3)で示される特定のフッ素
系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(ゴム製
品)を製造した。
て、シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は
実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練するこ
とによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシート
を作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10分間
プレス成形することにより、架橋ゴムシート(比較用の
ゴム製品)を製造した。
て、シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は
実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練するこ
とによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシート
を作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10分間
プレス成形することにより、架橋ゴムシートを作製し
た。次いで、得られた架橋ゴムシートを、調製例1で得
られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴムシ
ートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することによ
り、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物
を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にし
て、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理
することにより、上記式(1)で示される特定のフッ素
系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(比較用
のゴム製品)を製造した。
て、シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は
実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練するこ
とによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシート
を作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10分間
プレス成形することにより、架橋ゴムシートを作製し
た。次いで、得られた架橋ゴムシートを、調製例2で得
られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴムシ
ートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することによ
り、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物
を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にし
て、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理
することにより、上記式(2)で示される特定のフッ素
系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(比較用
のゴム製品)を製造した。
て、シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は
実施例1の成形工程と同様にして、各成分を混練するこ
とによりニトリルゴム組成物からなる未架橋ゴムシート
を作製し、この未架橋ゴムシートを150℃で10分間
プレス成形することにより、架橋ゴムシートを作製し
た。次いで、得られた架橋ゴムシートを、調製例3で得
られた処理液中に30分間浸漬した後、当該架橋ゴムシ
ートを室温にて乾燥して混合溶剤を除去することによ
り、当該架橋ゴムシートの表面に特定のフッ素系化合物
を付着させた。その後、実施例1の加熱工程と同様にし
て、当該架橋ゴムシートを150℃で10分間加熱処理
することにより、上記式(3)で示される特定のフッ素
系化合物により表面処理された架橋ゴムシート(比較用
のゴム製品)を製造した。
例1〜4で得られた架橋ゴムシートの各々について、X
線光電子分光分析装置(XPS)により、シート表面に
おけるフッ素原子の存在量(炭素原子1個あたりのフッ
素原子の個数)を測定した。この存在量が多いほど、撥
水性および撥油性などの表面特性に優れているといえ
る。結果を下記表1に示す。測定条件は、下記のとおり
である。
00 ESCA System, ・室内の圧力(減圧条件):2.8×10-7Pa, ・補正:中和銃にてC1sを285.0eVに補正, ・X線:AlKαモノクロX線, ・X線照射角度:45°〜55°, ・測定領域:800μm×2000μm
得られた架橋ゴムシートの各々について、下記表1に示
す各溶剤との接触処理(ソックスレー抽出,抽出時間=
12時間)を行った後に、シート表面におけるフッ素原
子の存在量を再度測定し、抽出前(初期値)に対する保
持率を求めた。この保持率が90%以上であれば、当該
溶剤を接触させても、架橋ゴムシートの表面処理層によ
り発現される所期の表面特性が消滅または減殺されるこ
とはないといえる。結果を併せて下記表1に示す。
面近傍における架橋ゴムのポリマー主鎖に、特定のフッ
素系化合物に由来の構造を確実かつ効率的に結合させる
ことができ、この結果、特定のフッ素系化合物による表
面処理効果を、種々の溶剤との接触によっても消滅また
は減殺されることなく安定的を発現するゴム製品を確実
に製造することができる。また、原料ゴムの種類に応じ
て、シランカップリング剤の反応性有機官能基を選択す
ることにより、特定のフッ素系化合物として、同一種類
の化合物を種々のゴムに対して使用することが可能とな
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 原料ゴム100質量部に対して0.5〜
5質量部のシランカップリング剤を配合・混練してなる
ゴム組成物を成形加工することにより、架橋ゴムからな
る成形体を得る工程と、 この成形体の表面に、下記一般式(I)で示されるフッ
素系化合物を付着させる工程と、 前記フッ素系化合物が表面に付着された当該成形体を加
熱処理する工程とを含むことを特徴とするゴム製品の製
造方法。 【化1】 (式中、RF はフルオロアルキル基を含有する基、R1
は、加水分解性基との反応性を有する官能基、R2 は、
水素原子またはアルキル基、R3 およびR4 は、同一ま
たは異なる、水素原子または1価の有機基を表す。xは
1〜100の整数であり、yは0〜500の整数であ
る。) - 【請求項2】 前記成形体の表面に、前記フッ素系化合
物の溶液を塗布することにより、当該フッ素系化合物を
当該成形体の表面に付着させることを特徴とする請求項
1に記載のゴム製品の製造方法。 - 【請求項3】 前記成形体を、前記フッ素系化合物の溶
液中に浸漬することにより、当該フッ素系化合物を当該
成形体の表面に付着させることを特徴とする請求項1に
記載のゴム製品の製造方法。 - 【請求項4】 前記フッ素系化合物を示す上記一般式
(I)において、R1で表される官能基がアルコキシシ
リル基またはアルコキシアルコキシシリル基であること
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のゴ
ム製品の製造方法。 - 【請求項5】 前記フッ素系化合物を示す上記一般式
(I)において、R1で表される官能基がトリメトキシ
シリル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項3
の何れかに記載のゴム製品の製造方法。 - 【請求項6】 前記フッ素系化合物を示す上記一般式
(I)において、RFで表されるフルオロアルキル基を
含有する基が、−CF3 、−C2 F5 、−C3F7 、−
C6 F13、−C7 F15または−CF(CF3 )[OCF
2 CF(CF3)]p OC3 F7 (式中、pは0,1も
しくは2である)で表されることを特徴とする請求項1
乃至請求項5の何れかに記載のゴム製品の製造方法。 - 【請求項7】 前記フッ素系化合物が、下記式(1)で
示される化合物であることを特徴とする請求項1乃至請
求項3の何れかに記載のゴム製品の製造方法。 【化2】 (式中、x’は2または3である。) - 【請求項8】 前記シランカップリング剤の有する反応
性有機官能基がメルカプト基またはビニル基であること
を特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のゴ
ム製品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002229461A JP3737464B2 (ja) | 2001-08-21 | 2002-08-07 | ゴム製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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|---|---|---|---|
| JP2001-249917 | 2001-08-21 | ||
| JP2001249917 | 2001-08-21 | ||
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|---|---|---|---|---|
| JP2004352742A (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-16 | Fujikura Rubber Ltd | 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法 |
| JP2006009978A (ja) * | 2004-06-28 | 2006-01-12 | Fujikura Rubber Ltd | リリーフ弁およびその製造方法 |
| JP2006152011A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Fujikura Rubber Ltd | 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法、並びにリリーフ弁の製造方法 |
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| JP2017149829A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | 藤倉ゴム工業株式会社 | ナノコンポジット粒子、カラム充填材、表面処理剤、フィルタ、ナノコンポジット粒子分散液の製造方法及び表面処理方法 |
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2002
- 2002-08-07 JP JP2002229461A patent/JP3737464B2/ja not_active Expired - Fee Related
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