JP2003149646A - 不揮発性記録媒体およびその製造方法、ならびにそれを用いた情報の記録および読み出し方法 - Google Patents

不揮発性記録媒体およびその製造方法、ならびにそれを用いた情報の記録および読み出し方法

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JP2003149646A
JP2003149646A JP2001351100A JP2001351100A JP2003149646A JP 2003149646 A JP2003149646 A JP 2003149646A JP 2001351100 A JP2001351100 A JP 2001351100A JP 2001351100 A JP2001351100 A JP 2001351100A JP 2003149646 A JP2003149646 A JP 2003149646A
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Nobukazu Nagae
伸和 長江
Yoshihiro Izumi
良弘 和泉
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境安定性およびメモリ保存性に優れ、低コ
ストで製造できる不揮発性記録媒体およびその製造方
法、ならびにそれを用いた情報の記録および読み出し方
法を提供する。 【解決手段】 互いに対向する一対の基板10および2
0と、一対の基板10および20の間に設けられたネマ
チック相を呈する液晶層30と、一対の基板10および
20の液晶層30側に設けられた一対の電極層12およ
び22と、液晶層30の両側に設けられた一対の配向膜
16および26とを有する不揮発性記録媒体である。一
対の配向膜16および26は、液晶層30の液晶分子3
1にプレチルト角を与える配向規制力が付与された第1
配向規制領域R1および第2配向規制領域R2を有す
る。第2配向規制領域R2における液晶分子31のプレ
チルト角は、第1配向規制領域R1における液晶分子3
1のプレチルト角よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性記録媒体
およびその製造方法、ならびにそれを用いた情報の記録
および読み出し方法に関し、特に、液晶層を備えた不揮
発性記録媒体およびその製造方法、ならびにそれを用い
た情報の記録および読み出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な高密度の不揮発性
記録媒体として、相転移現象を利用するものや、光磁気
現象を利用するもの、あるいはスメクチック液晶材料の
電場配向を用いるもの、さらには熱的記録方式によって
高分子液晶材料の液晶状態と等方性状態との間の光学特
性の差を利用するもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、相転移
現象を利用する方式(例えば特開平6−82814号公
報に開示されている)は、材料の環境安定性に欠けると
いう問題を有しており、光磁気現象を利用する方式は、
微小な偏光面の回転を検出することが必要であることか
ら、記録再生装置が複雑かつ高価となってしまうという
問題を有している。
【0004】また、スメクチック液晶材料の電場配向を
用いる方式は、良好なメモリ保存性を示さないという問
題がある。さらに、高分子液晶材料を用いる方式は、環
境安定性およびメモリ保存性は良好であるものの、情報
を記録する際に印加する電圧として、数十Vから数百V
の大きさの電圧を必要とするので、記録装置の耐圧を考
慮する必要があり、製造コストが高くなるという問題が
ある。
【0005】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、環境安定性およびメモリ保存性
に優れ、低コストで製造できる不揮発性記録媒体および
その製造方法、ならびにそれを用いた情報の記録および
読み出し方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による不揮発性記
録媒体は、互いに対向する一対の基板と、前記一対の基
板間に設けられたネマチック相を呈する液晶層と、前記
一対の基板の前記液晶層側に設けられた一対の電極層
と、前記液晶層の両側に設けられた一対の配向膜とを有
し、前記一対の配向膜は、前記液晶層の液晶分子にプレ
チルト角を与える配向規制力が付与された第1配向規制
領域および第2配向規制領域を有し、前記第2配向規制
領域における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1
配向規制領域における前記液晶分子のプレチルト角より
も大きい構成を有しており、そのことによって上記目的
が達成される。
【0007】前記第2配向規制領域は、前記第1配向規
制領域を包囲するように構成されていることが好まし
い。
【0008】前記液晶層の前記液晶分子は、電圧無印加
時に、前記第1配向規制領域においてスプレイ配向し、
前記第2配向規制領域においてベンド配向するように構
成されていることが好ましい。
【0009】前記第1配向規制領域における前記液晶分
子のプレチルト角は、1°〜30°の範囲内にあり、前
記第2配向規制領域における前記液晶分子のプレチルト
角は、60°〜89°の範囲内にあることが好ましい。
【0010】前記一対の電極層の少なくとも一方上に形
成された光導電層をさらに有する構成としてもよい。
【0011】前記光導電層の厚さは、100nm〜10
00nmの範囲内にあることが好ましい。
【0012】前記光導電層は透明な光導電層であっても
よい。
【0013】前記光導電層は不透明な光導電層であって
もよい。
【0014】前記光導電層は、前記一対の電極層の一方
上に形成されている構成としてもよい。
【0015】前記一対の基板の外側に設けられた少なく
とも1つの偏光層をさらに有していてもよい。
【0016】本発明による不揮発性記録媒体の製造方法
は、上記構成を有する不揮発性記録媒体の製造方法であ
って、前記一対の配向膜を形成する工程は、前記一対の
基板上に配向膜材料を塗布する工程と、前記塗布された
配向膜材料にフォトマスクを介して波長が300nm以
下の光を照射する工程とを包含し、そのことによって上
記目的が達成される。
【0017】本発明による他の不揮発性記録媒体の製造
方法は、上記構成を有する不揮発性記録媒体の製造方法
であって、前記一対の配向膜を形成する工程は、前記一
対の基板上に、凹凸状の表面を有する下地層を形成する
工程と、前記下地層が形成された前記一対の基板上に配
向膜材料を塗布する工程とを包含し、そのことによって
上記目的が達成される。
【0018】本発明による情報の記録および読み出し方
法は、前記光導電層が透明な光導電層である不揮発性記
録媒体を用いた情報の記録および読み出し方法であっ
て、前記一対の電極層間に所定の電圧を印加するととも
に、前記不揮発性記録媒体に波長が380nm未満の光
を照射することによって情報の記録を行い、前記不揮発
性記録媒体に波長が380nm〜780nmの範囲内の
光を照射することによって情報の読み出しを行うことを
特徴としており、そのことによって上記目的が達成され
る。
【0019】本発明による他の情報の記録および読み出
し方法は、前記光導電層が不透明な光導電層である不揮
発性記録媒体を用いた情報の記録および読み出し方法で
あって、前記一対の電極層間に所定の電圧を印加すると
ともに、前記不揮発性記録媒体に波長が380nm〜7
80nmの範囲内の光を、前記一対の電極層のうちのそ
の上に前記光導電層が形成されている電極層側から照射
することによって情報の記録を行い、前記不揮発性記録
媒体に波長が380nm〜780nmの範囲内の光を、
前記一対の電極層のうちのその上に前記光導電層が形成
されていない電極層側から照射することによって情報の
読み出しを行うことを特徴としており、そのことによっ
て上記目的が達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施
形態に限定されるものではない。
【0021】(実施形態1)まず、本発明による実施形
態1の不揮発性記録媒体100の構造を図1および図2
を参照しながら説明する。図1は、不揮発性記録媒体1
00を模式的に示す断面図であり、図2は、不揮発性記
録媒体100の一部を模式的に示す上面図である。
【0022】不揮発性記録媒体100は、図1に示すよ
うに、互いに対向するように設けられた第1基板10お
よび第2基板20と、第1基板10および第2基板20
の間に設けられたネマチック相を呈する液晶層30とを
有している。
【0023】第1基板10および第2基板20の液晶層
30側には、それぞれ電極層12および22が設けられ
ており、第1基板10の液晶層30側に設けられた電極
層12上に光導電層14が形成されている。
【0024】液晶層30の両側に、一対の配向膜16お
よび26が設けられている。本実施形態では、第1基板
10側に設けられた配向膜16は光導電層14上に形成
されており、第2基板20側に設けられた配向膜26は
電極層22上に形成されている。
【0025】配向膜16および26は、図2に示すよう
に、液晶層30の液晶分子にプレチルト角を与える配向
規制力が付与された第1配向規制領域R1および第2配
向規制領域R2を有しており、第2配向規制領域R2に
おける液晶分子のプレチルト角が、第1配向規制領域R
1における液晶分子のプレチルト角よりも大きくなるよ
うに構成されている。より具体的には、配向膜16およ
び26には、図3に示すように、電圧が印加されていな
い状態において、第1配向規制領域の液晶分子31がス
プレイ配向し、第2配向規制領域の液晶分子31がベン
ド配向するように配向規制力が付与されている。
【0026】また、本実施形態では、図2に示したよう
に、第2配向規制領域R2が、第1配向規制領域R1を
包囲するように設けられている。典型的には、配向膜1
6および26は、格子状の第2配向規制領域R2と、こ
の第2配向規制領域R2によって分割された(2次元的
に実質的に包囲された)複数の第1配向規制領域R1と
を有しており、複数の第1配向規制領域R1が不揮発性
記録媒体100において情報記録部として機能する。
【0027】本実施形態の不揮発性記録媒体100は、
さらに、第1基板10および第2基板20の外側(液晶
層30とは反対側)に設けられた一対の偏光板(ここで
は不図示)を有している。これらの偏光板は、クロスニ
コル状態に配置されており、一方の偏光板の偏光軸が、
配向膜16および26の配向規制力の方位角方向(典型
的にはラビング方向)と一致するように配置されてい
る。
【0028】なお、本実施形態においては、図1に示し
たような構成を有する不揮発性記録媒体100を例示し
たが、勿論これに限定されず、図4に示す不揮発性記録
媒体100’のように、光導電層14と配向膜16との
間に反射層18をさらに備えた構成としてもよい。図1
に示した不揮発性記録媒体100は、後述するように透
過光を用いて情報の読み出しが行われる透過型の不揮発
性記録媒体であるのに対し、図4に示した不揮発性記録
媒体100’は、反射光を用いて情報の読み出しが行わ
れる反射型の不揮発性記録媒体である。
【0029】次に、上述の不揮発性記録媒体100を用
いた、本発明による情報の記録および読み出し方法を説
明する。
【0030】本発明による情報の記録および読み出し方
法においては、一対の電極層16および26の間に所定
の電圧を印加した状態で、不揮発性記録媒体100に所
定のパターン(強度分布)の光を照射することによっ
て、情報記録部として機能する第1配向規制領域R1の
液晶層30のうち、所定の領域の液晶層30の配向状態
を選択的に変化させ、情報の記録を行う。図5(a)〜
(c)を参照しながら、情報の記録を行う際の液晶層3
0の配向状態の変化を説明する。
【0031】液晶層30に電圧が印加されていない状態
においては、図5(a)に示すように、第1配向規制領
域R1の液晶分子31は、比較的プレチルト角が小さい
ためにスプレイ配向しており、第2配向規制領域の液晶
分子31は、比較的プレチルト角が大きいためにベンド
配向している。
【0032】不揮発性記録媒体100の電極層16およ
び26の間に所定の電圧を印加するとともに、不揮発性
記録媒体100に所定のパターンの光を照射すると、第
1配向規制領域R1の液晶層30のうち、光が照射され
た領域の液晶層30の配向状態が、図5(b)に示すよ
うにベンド配向状態となる。光の照射により液晶層30
の配向状態が変化する理由を以下に説明する。
【0033】図6に示す等価回路で表される不揮発性記
録媒体100の電極層16および26の間に所定の電圧
appを印加したとき、この電圧Vappと、液晶層30に
印加される電圧VLCおよび光導電層14に印加される電
圧VPCとには、下式で表される関係が成立する。
【0034】 Vapp=I×(RLC+RPC)=VLC+VPC なお、ここで、Iは電流、RLCは液晶層30の抵抗、R
PCは光導電層14の抵抗である。
【0035】一対の電極層16および26の間に所定の
電圧Vappが印加された状態で、不揮発性記録媒体10
0に所定のパターンの光を照射すると、光が照射された
領域の光導電層14が励起され、その抵抗RPCが小さく
なるので、光導電層14に印加される電圧VPCが小さく
なる。そのため、光が照射された領域の液晶層30に印
加される電圧VLCが大きくなる。
【0036】光が照射されることによって、液晶層30
に印加される電圧VLCがスプレイ−ベンド転移電圧VCR
(典型的には約1V〜約3Vの範囲内)を超えると、図
7に示すようにスプレイ配向状態よりもベンド配向状態
の方がエネルギー的に安定であるので、光が照射された
領域の液晶層30は、スプレイ配向状態からベンド配向
状態に転移する。このとき、第1配向規制領域R1(情
報記録部)の外周部に位置する第2配向規制領域R2
が、第1配向規制領域R1の液晶層30のスプレイ配向
状態からベンド配向状態への転移を助長する。
【0037】その後、電極層16および26の間に印加
された電圧Vappを除去すると、図5(c)に示すよう
に、液晶層30の配向状態は、ベンド状態から180°
ツイスト配向状態に変化する。電圧無印加時には、図7
に示したように、ベンド配向状態よりもスプレイ配向状
態の方がエネルギー的には安定であるものの、図8に示
すように、ベンド配向状態からスプレイ配向状態への転
移にはエネルギー障壁が存在するので、ベンド配向状態
に転移した液晶層30は、電圧Vappが除去されてもス
プレイ配向状態とはならず、180°ツイスト配向状態
に転移する。180°ツイスト配向状態は、ベンド配向
状態と配向的に連続であり、ベンド配向状態から180
°ツイスト配向状態への転移にはエネルギー障壁が存在
しないからである。
【0038】180°ツイスト配向状態に転移した第1
配向規制領域R1の液晶層30は、ベンド配向状態の液
晶層30(第2配向規制領域R2の液晶層30)に包囲
されており、スプレイ配向状態に戻るための核が存在し
ない。従って、第1配向規制領域R1の液晶層30は、
エネルギー障壁を超えることができないので、180°
ツイスト配向状態のままである。
【0039】このように、本発明による情報の記録およ
び読み出し方法においては、情報記録部として機能する
第1配向規制領域R1の一部の液晶層30の配向を、光
を照射することによって選択的に変化(スプレイ配向状
態からベンド配向状態を経て180°ツイスト配向状態
に変化)させ、情報の記録を行う。
【0040】また、本発明による情報の記録および読み
出し方法においては、上述のようにして情報の記録が行
われた不揮発性記録媒体100に光を照射することによ
って情報の読み出しを行う。図9を参照しながらより詳
しく説明する。
【0041】情報記録部として機能する第1配向規制領
域R1のうち、液晶層30がスプレイ配向状態のままの
領域(情報記録時に光が照射されなかった領域)におい
ては、液晶分子31の長軸がラビング方向に平行である
ため、クロスニコル下で一方の偏光軸にラビング方向が
一致していると、一方の偏光板側から入射した偏光は、
複屈折効果を受けずに直線偏光のまま液晶層30を通過
し、他方の偏光板で吸収されて出射しない。そのため、
図9(a)に示すように、不揮発性記録媒体100に一
対の偏光板の一方側(例えば第1基板10側)から光を
入射させると、液晶層30がスプレイ配向状態の領域に
おいては、他方側(例えば第2基板20側)から光がほ
とんど出射しない。
【0042】これに対して、液晶層30が180°ツイ
スト配向状態の領域(情報記録時に光が照射された領
域)においては、液晶層30は複屈折性を示すので、一
方の偏光板側から入射した偏光は、複屈折効果を受けて
偏光状態が変化し、他方の偏光板側から出射する。その
ため、図9(b)に示すように、一対の偏光板の一方側
から光を入射させると、液晶層30が180°ツイスト
配向状態の領域においては、他方側から透過光が得られ
る。なお、上述のようにして透過光が得られるのは、モ
ーガン条件が成立しないとき、すなわち、液晶層30が
旋光性を示さないときである。モーガン条件が成立する
ときには液晶層30は旋光性を示すので、一方の偏光板
から入射した偏光は、他方の偏光板で吸収されて出射し
ない。ここで、モーガン条件とは、液晶層が、そのツイ
ストピッチpと光の波長λとがp>>λの関係を満たす
ときに旋光性を示すというものであり、この関係を満た
さないときには、液晶層は旋光性を示さない。例えば、
TNモード(旋光性を利用)の液晶表示装置では、一般
に、セル厚が約4μm〜5μmで、ツイストピッチが約
16μm〜20μmであるのに対して、STNモード
(複屈折性を利用)の液晶表示装置では、一般に、セル
厚が約7μm〜9μmで、ツイストピッチが約9μm〜
12μmである。このことから、旋光性を利用するため
には、光の波長の約40倍程度のピッチが必要であるこ
とが示唆される。
【0043】従って、不揮発性記録媒体100に例えば
可視光を入射させると、液晶層30がスプレイ配向状態
の領域は暗く視認され、液晶層30が180°ツイスト
配向状態の領域は明るく視認される。そのため、情報の
記録の際に、所定の画像パターンの光を照射することに
よって画像パターンを記録すれば、情報の読み出しの際
にその画像パターンを視認することができる。
【0044】不揮発性記録媒体100に記録された情報
を消去するには、液晶層30を一旦アイソトロピックに
すればよい。液晶層30をアイソトロピックにすること
によって、配向状態をエネルギー的に準安定な180°
ツイスト配向状態から最も安定なスプレイ配向状態に戻
すことができ、記録された情報を消去することができ
る。具体的には、例えば、液晶層30を、等方性液体へ
の転移温度(透明点)以上に加熱することによって、情
報の消去を行うことができる。
【0045】上述したように、本発明による情報の記録
および読み出し方法においては、光を不揮発性記録媒体
100に照射することにより、情報の記録および読み出
しを行う。情報の記録の際に用いる光としては、光導電
層14を励起することができる光を用いることができ、
例えば、可視光(波長が380nm〜780nmの範囲
内にある光)や紫外光(波長が380nm未満の光)を
用いることができる。また、情報の読み出しの際に用い
る光としては、例えば可視光を用いることができる。
【0046】不揮発性記録媒体として、図1に示した透
過型の不揮発性記録媒体100を用いる場合には、例え
ば、図10(a)に示すように、紫外光(UV光)を第
1基板10側から照射することによって情報の記録を行
い、可視光を第1基板10側から照射することによって
情報の読み出しを行うことができる。勿論、第2基板2
0側から紫外光を照射して情報の記録を行ってもよい
し、第2基板20側から可視光を照射して情報の読み出
しを行ってもよい。
【0047】また、不揮発性記録媒体として、図4に示
した反射型の不揮発性記録媒体100’を用いる場合に
は、例えば、図10(b)に示すように、可視光を光導
電層14が形成された電極層12側、つまり、第1基板
10側から照射することによって情報の記録を行い、可
視光を光導電層14が形成されていない電極層22側、
つまり、第2基板20側から照射することによって情報
の読み出しを行うことができる。
【0048】次に、本実施形態の不揮発性記録媒体10
0の製造方法を説明する。
【0049】まず、第1基板10と第2基板20とを用
意する。第1基板10および第2基板20としては、例
えばガラス基板やプラスチック基板を用いることができ
る。プラスチック基板を用いると、軽量化を図ることが
できる。本発明による情報の記録および読み出し方法に
おいては、上述したように光を用いて情報の記録および
情報の読み出しを行うので、第1基板10および第2基
板20の少なくとも一方が透明性を有していることが好
ましい。
【0050】次に、第1基板10および第2基板20の
それぞれ上に電極層12および22を形成する。電極層
12および22の材料としては、透明な導電材料(例え
ばITO)を用いることが好ましい。電極層12および
22は、例えば、平板状のべた電極であってよい。
【0051】続いて、第1基板10上に形成された電極
層12上に、光導電層14を形成する。光導電層14の
材料としては、光導電性を有する公知の材料を用いるこ
とができる。本実施形態においては、透明な光導電材料
であるZnOやGaNなどを用いる。これらの材料は、
可視光(波長が380nm〜780nm)の透過率が8
0〜95%で、紫外光(波長が380nm未満)の透過
率が0.1%以下であり、紫外光を吸収することによっ
て電子正孔対が励起され、電導度が高くなる。なお、図
4に示した反射型の不揮発性記録媒体200のように反
射層18を備える構成においては、光導電層14の材料
として、上述したような透明な材料に加え、不透明な材
料、すなわち可視光領域に吸収域を有する材料であるa
−Si、a−Seおよび有機半導体などを用いることが
できる。光導電層14の厚さは、100nm〜1000
nmの範囲内であることが好ましい。光導電層14の厚
さが100nm未満であると、光吸収効率が悪くなるこ
とがある。また、光導電層14の厚さが1000nmを
超えると、光導電層14の深い位置(光が入射する層面
から遠い部分)には光が届かず、導電度が十分高くなら
ないことがある。
【0052】次に、光導電層14が形成された第1基板
10上と、第2基板20上とに、第1配向規制領域R1
および第2配向規制領域R2を有する配向膜16および
26を形成する。配向膜16および26は、第1配向規
制領域R1における液晶分子31のプレチルト角が1°
〜30°の範囲内であり、第2配向規制領域R2におけ
る液晶分子31のプレチルト角が60°〜89°の範囲
内であるように形成することが好ましい。配向膜16お
よび26のプレチルト角を上記範囲内に設定すると、液
晶層30として一般的なネマチック液晶材料から形成さ
れたものを用いて上述の配向状態を容易に実現すること
ができる。
【0053】具体的には、例えば、以下のようにして配
向膜16および26を形成する。
【0054】まず、第1基板10および第2基板20の
それぞれ上に、側鎖に垂直配向成分を有する垂直配向膜
材料を塗布する。次に、塗布された垂直配向膜材料にフ
ォトマスクを介して波長が300nm以下の光を照射す
ることによって、垂直配向膜材料の第1配向規制領域R
1となる領域の側鎖を切断する。ここで用いるフォトマ
スクは、第1配向規制領域R1となる領域に光を照射す
る(露光する)ためのパターンを有している。垂直配向
膜材料の側鎖を切断された領域は、水平配向性の表面と
して機能するので、上述のようにして露光を行うこと
で、配向膜16および26の第1配向規制領域R1が液
晶分子31に与えるプレチルト角を、第2配向規制領域
R2が液晶分子31に与えるプレチルト角よりも小さく
することができる。
【0055】また、以下のようにして配向膜16および
26を形成してもよい。
【0056】まず、第1基板10および第2基板20上
に、凹凸状の表面を有する下地層を形成する。次に、下
地層が形成された第1基板10および第2基板20上に
水平配向膜材料を塗布することによって、配向膜16お
よび26を形成する。凹凸状の表面を有する下地層上に
形成された配向膜16および26は、第1基板10およ
び第2基板20の基板面に対して傾斜した表面を有して
おり、液晶層30の液晶分子31は、この傾斜面に対し
てほぼ水平(配向膜表面に対して若干のチルト角を有す
ることもある)に配向するので、このようにして配向膜
16および26を形成することによって、プレチルト角
を局所的に変化させることができ、配向膜16および2
6の第1配向規制領域R1が与えるプレチルト角を、第
2配向規制領域R2が与えるプレチルト角よりも大きく
することができる。
【0057】あるいは、配向膜材料として、異なるプレ
チルト角を与える2つの配向膜材料の混合物を用いて、
以下のようにして配向膜16および26を形成してもよ
い。
【0058】まず、第1基板10および第2基板20上
に、上述の混合物に含まれる2つの配向膜材料のいずれ
かとほぼ同じ表面張力を有する材料からなる下地層を形
成し、この下地層をパターニングする。次に、下地層が
形成された第1基板10および第2基板20上に、上述
の混合物を塗布することによって配向膜16および26
を形成すると、下地層が存在する部分に一方の配向膜材
料(下地層とほぼ同じ表面張力を有する配向膜材料)が
多く分布する。従って、下地層が存在する領域の液晶分
子31のプレチルト角が、下地層が存在しない領域の液
晶分子31のプレチルト角よりも大きくなるので、配向
膜16および26の第1配向規制領域R1が与えるプレ
チルト角を、第2配向規制領域R2が与えるプレチルト
角よりも大きくすることができる。
【0059】続いて、配向膜16および26に必要に応
じてラビング処理などの配向処理を行った後、第1基板
10および第2基板20を貼り合わせる。このとき、配
向膜16および26が液晶分子31に与える配向規制力
の方位角方向が一致するように貼り合わせる。
【0060】次に、貼り合わされた第1基板10および
第2基板20の間隙に液晶材料を注入し、液晶層30を
形成する。液晶層30としては、ネマチック相を呈する
液晶層を用いることができ、典型的には、液晶層30
は、一般的なネマチック液晶材料を用いて形成されたネ
マチック液晶層である。
【0061】その後、第1基板10および第2基板20
の外側(液晶層30とは反対側)に、クロスニコル状態
に配置された一対の偏光板を設ける。このとき、一対の
偏光板の一方の偏光軸が、配向膜16および26の配向
規制力の方位角方向(典型的にはラビング方向)と一致
するように配置する。このようにして、本実施形態の不
揮発性記録媒体100が得られる。
【0062】本発明による不揮発性記録媒体100は、
常温の広い範囲で安定なネマチック相を呈する一般的な
ネマチック材料を用いることができるので、環境安定性
に優れている。これに対して、室温でスメクチック相を
示す液晶材料を用い、その相転移現象を利用する記録媒
体は、環境温度により容易に相転移を引き起こしてしま
って使用できなくなるので、環境安定性に劣る。
【0063】また、不揮発性記録媒体100が有する配
向膜16および26は、第1配向規制領域R1と、第1
配向規制領域R1よりも大きなプレチルト角を与える第
2配向規制領域R2とを有しており、このことによっ
て、記録された情報が保存されるので、本発明による不
揮発性記録媒体100は、メモリ保存性に優れている。
【0064】さらに、不揮発性記録媒体100が有する
液晶層30は、一般的なネマチック液晶材料から形成す
ることができ、比較的低電圧で配向状態を変化させるこ
とができるので、本発明による不揮発性記録媒体100
は、装置の耐圧を考慮する必要がなく、低コストで製造
することができる。
【0065】このように、本発明による不揮発性記録媒
体100は、環境安定性およびメモリ保存性に優れ、低
コストで製造することができる。
【0066】なお、上述の説明においては、説明の簡単
さのために、第1基板10上に配向膜16を形成する工
程と、第2基板20上に配向膜26を形成する工程とを
併せて説明したが、これらの工程は別個に行われてもよ
いことはいうまでもない。電極層12および22を形成
する工程についても同様である。
【0067】また、図4に示した反射型の不揮発性記録
媒体100’は、上述した不揮発性記録媒体100の製
造方法において、光導電層14上に高反射率金属などを
用いて反射層18を形成することによって得られる。な
お、反射層18をアルミニウムなどの導電性材料を用い
て形成する場合には、図4に示したように、反射層18
を所定の形状にパターニングすることが好ましい。具体
的には、図2に示した第1配向規制領域R1と同じ形状
にパターニングすることが好ましい。情報記録の際に所
定のパターンの光が照射されると、光が照射された領域
の光導電層14が励起されて液晶層30への印加電圧が
大きくなるが、このとき、反射層18が光導電層14上
の全面に形成されていると、印加電圧の増分が全域の液
晶層30にわたって平均化されて印加されることとな
る。これに対して、反射層18を図4に示したようにパ
ターニングし、ある第1配向規制領域R1の反射層18
が、隣接する第1配向規制領域R1の反射層18と導通
しないようにすると、情報の記録を好適に行うことがで
きる。勿論、反射層18を、誘電体ミラー(例えばTi
2とSiO2の多層積層板)のような絶縁体で形成する
場合には、反射層18をパターニングせず、全面に形成
してもよい。
【0068】さらに、本実施形態においては、一対の電
極層12および22のうちの一方の電極層12上にのみ
光導電層14が形成されている場合について説明した
が、勿論、他方の電極層22上にさらなる光導電層が形
成されていてもよい。
【0069】(実施形態2)図11(a)および(b)
に本発明による実施形態2の不揮発性記録媒体200を
模式的に示す。図11(a)は、不揮発性記録媒体20
0を模式的に示す断面図であり、図11(b)は、不揮
発性記録媒体100を模式的に示す斜視図である。実施
形態2の不揮発性記録媒体200は、光導電層を有して
いない点において、実施形態1の不揮発性記録媒体10
0と異なる。以下の説明においては、実施形態1の不揮
発性記録媒体100と異なる点を中心に説明する。
【0070】図11(a)に示したように、不揮発性記
録媒体200は、第1基板10および第2基板20の液
晶層30側に設けられた電極層12’および22’上に
光導電層を有していない。
【0071】第1基板10上に設けられた電極層12’
は、図11(a)および(b)に示したように、互いに
平行なストライプ状の複数の電極から構成されており、
第2基板20上に設けられた電極層22’も、互いに平
行なストライプ状の複数の電極から構成されている。第
2基板20上の電極層22’を構成する複数の電極は、
第1基板10上の電極層12’を構成する複数の電極が
延びる方向と直交する方向に延びている。
【0072】不揮発性記録媒体200が備える配向膜1
6および26は、典型的には、電極層12’を構成する
電極と電極層22’を構成する電極とが交差する領域内
に、第1配向規制領域R1を有している。
【0073】実施形態2の不揮発性記録媒体200を用
いて情報の記録を行う場合には、実施形態1の不揮発性
記録媒体100を用いる場合とは異なり、光を照射する
必要はなく、第1配向規制領域R1の液晶層30のう
ち、所定の領域の液晶層30にスプレイ−ベンド転移電
圧以上の電圧を選択的に印加して、液晶層30の配向状
態を変化させる。
【0074】具体的には、例えば、一方の電極層を構成
するストライプ状の複数の電極を走査電極とし、他方の
電極層を構成するストライプ状の複数の電極を信号電極
として機能させ、走査電極と信号電極との任意の交点に
選択的に電圧印加を行うことによって、所定の領域の液
晶層30の配向状態を変化させることができる。
【0075】本実施形態の不揮発性記録媒体200は、
実施形態1の不揮発性記録媒体100の製造方法におい
て、電極層を形成する工程において電極層12’および
22’をストライプ状に形成し、光導電層を形成する工
程を省略することによって製造することができる。
【0076】
【実施例】以下、具体的な実施例と比較例とを用いて本
発明による不揮発性記録媒体を説明する。
【0077】(実施例1)実施例1では、図1に示した
不揮発性記録媒体100を作成した。
【0078】第1基板10としてガラス基板を用意し、
この第1基板10上にITOを用いて透明な電極層12
を形成した。次に、電極層12上に、酸化亜鉛(Zn
O)を用いてスパッタ法により厚さ約500nmの光導
電層14を形成した。続いて、光導電層14上に、配向
膜材料(JSR社製JALS−204)をスピンコータ
ーを用いて塗布し、180°で焼成した後、図12に示
すような、格子状(ピッチが約40μm)の遮光部72
で分割された複数の透光部74を有する石英フォトマス
ク70を用いて、deepUV光(245nm、7mJ
/cm2)を17分間照射した。その後、ラビング布を
用いてラビング処理を行い、配向膜16を得た。配向膜
16のUV光が照射された領域と照射されなかった領域
のプレチルト角を測定すると、それぞれ5°、85°で
あった。
【0079】次に、第2基板20としてガラス基板を用
意し、同様にして電極層22および配向膜26を形成し
た。
【0080】続いて、第1基板10上に平均粒径が約
5.0μmのプラスチックビーズ(積水ファインケミカ
ル社製ミクロパールSP2050)を散布し、第1基板
10と第2基板20とを、配向膜16および26のラビ
ング方向が互いに平行になるように、シール剤(三井東
圧化学社製ストラクトボンドXN−21S)を用いて貼
り合わせた。貼り合わされた第1基板10と第2基板2
0との間隙に、ネマチック液晶材料(メルク・ジャパン
株式会社製ZLI4801−100)を注入した後、封
止し、第1基板10と第2基板20との間に液晶層30
が挟持された液晶セルを得た。
【0081】この液晶セルを、クロスニコル状態に配置
された一対の偏光板の間にいれて観察すると、配向膜1
6および26のラビング方向と、一対の偏光板の一方の
偏光軸とを一致させた場合には、透過光(漏れ光)は観
察されないが、配向膜16および26のラビング方向が
一対の偏光板のいずれの偏光軸とも一致しない場合に
は、第1配向規制領域R1から透過光(漏れ光)が観察
された。このことから、第1配向規制領域R1の液晶層
30の液晶分子31は、ほぼ一様に所定の方位角方向
(すなわちラビング方向)に沿って配向していると考え
られる。一方、第2配向規制領域R2からは、ラビング
方向と透過軸とが一致しているか否かにかかわらず、透
過光(漏れ光)はほとんど観察されなかった。これらの
結果から、deepUV光の照射により、プレチルト角
を領域ごとに変化させることができることがわかった。
【0082】その後、液晶セルの両側に、一対の偏光板
を、一方の偏光軸が配向膜16および26のラビング方
向と一致するようにクロスニコル状態で貼付した。
【0083】このようにして作成された実施例1の不揮
発性記録媒体の電極層12および22の間に、5Vrm
s(60Hz)の交流電圧を印加しながら、高圧水銀灯
(波長365nm)を用いて所定の画像パターンを照射
(像露光)した結果、露光された領域における可視光領
域(380nm〜780nm)の透過光量の増加が目視
により観察された。
【0084】図13に、情報記録前および情報記録後
の、情報記録部(第1配向規制領域R1)における透過
率(任意単位)と印加電圧(V)との関係を示す。図1
3に示したように、情報記録後に電極層12および22
間の印加電圧を除去しても画像は保持されており、実施
例1の不揮発性記録媒体がメモリ保存性を有しているこ
とが確認された。分解能は500ppi程度であった。
【0085】情報が記録された実施例1の不揮発性記録
媒体を約100℃で約5分間保持すると、記録された情
報(画像情報)は消去され、不揮発性記録媒体は元の状
態(情報が記録されていない状態)に戻った。また、別
の画像パターンを照射(像露光)すると、その画像パタ
ーンが記録されることが確認された。
【0086】(実施例2)実施例2では、図4に示した
不揮発性記録媒体100’を作成した。
【0087】第1基板10としてガラス基板を用意し、
この第1基板10上にITOを用いて透明な電極層12
を形成した。次に、電極層12上に、アモルファスシリ
コン(a−Si)をスパッタ法により堆積し、厚さ約4
00nmの光導電層14を形成した。続いて、光導電層
14上にアルミニウムを堆積し、厚さが約100nmの
反射層18を形成した。続いて、反射層18上に、実施
例1と同様にして、配向膜16を形成した。
【0088】その後、実施例1と同様の工程により実施
例2の不揮発性記録媒体を作成した。
【0089】実施例2の不揮発性記録媒体に、ハロゲン
ランプを用いて可視光を第1基板10側、つまり光導電
層14が形成されている基板側から照射し、像露光をお
こなった。その結果、露光された領域の液晶層30の配
向状態が変化し、第2基板20側、つまり光導電層14
が形成されていない基板側からの可視光を用いて観察す
ることにより、画像が記録されていることが確認でき
た。
【0090】(実施例3)実施例3では、図1に示した
不揮発性記録媒体100を作成した。
【0091】第1基板10としてガラス基板を用意し、
この第1基板10上にITOを用いて透明な電極層12
を形成した。次に、電極層12上に、酸化亜鉛(Zn
O)を用いてスパッタ法により厚さ約300nmの光導
電層14を形成した。
【0092】続いて、図14(a)に示すように、光導
電層14が形成された第1基板10上に、ポジ型レジス
ト(東京応化社製TFR−B3)19’を厚さが約2μ
mとなるようにスピンナーで塗布した。次に、図14
(b)に示すように、図12に示したフォトマスクを介
して波長が365nmの紫外光を照射し、現像液を用い
て現像した。続いて、240℃に加熱することによっ
て、図14(c)および(d)に示すように、ポジ型レ
ジスト19’を軟化させてスムージングし、第1基板1
0上に凹凸状の表面を有する下地層19を形成した。そ
の後、同様にしてリブをパターニングすることによりレ
ジストスペーサーを情報記録部の外周に配置した。
【0093】次いで、下地層19が形成された第1基板
10上に、水平配向膜材料(JSR社製AL1T104
8)を塗布し、180℃で焼成した後、ラビング処理を
行って配向膜16を得た。
【0094】その後、実施例1と同様にして不揮発性記
録媒体を作成した。
【0095】このようにして作成された実施例3の不揮
発性記録媒体の電極層12および22の間に、4Vの交
流電圧を印加しながら、高圧水銀灯(波長365nm)
を用いて所定の画像パターンを照射(像露光)した結
果、画像パターンが記録されていることが確認された。
1ヶ月以上放置した後に再度可視光にて観察したとこ
ろ、ほぼ同じ状態で画像パターンが維持されていること
が確認された。
【0096】情報が記録された実施例3の不揮発性記録
媒体を約110℃のオーブンに入れ、約30分間放置し
た後に取り出し、室温に冷却して観察したところ、記録
された情報(画像パターン)が消去されていることが確
認された。
【0097】(実施例4)実施例4では、図11に示し
た実施形態2の不揮発性記録媒体200を作成した。
【0098】電極層12’および22’をストライプ状
に形成する点と、光導電層を形成しない点以外は、実施
例1と同様にして、不揮発性記録媒体を作成した。電極
層12’を構成するストライプ状の電極が延びる方向
と、電極層22’を構成するストライプ状の電極が延び
る方向とが直交するように第1基板10と第2基板20
とを貼り合わせた。
【0099】このようにして作成した実施例4の不揮発
性記録媒体の電極層12’および22’の間に3Vの交
流電圧を3秒間印加した。このとき、所望の領域の液晶
層30にのみ選択的に電圧を印加した。電圧を印加され
た領域の透過率が変化していることが確認された。
【0100】上述したように、光導電層を有しない構成
であっても情報の記録を行うことができることが確認さ
れた。
【0101】(比較例)比較例として、液晶層の両側の
配向膜が液晶分子に対して一様なプレチルト角を与える
ように構成された記録媒体を作成した。
【0102】ガラス基板を用意し、ガラス基板上にIT
Oを用いて透明な電極層を形成した。次に、電極層上
に、窒化ガリウム(GaN)を用いてスパッタ法により
厚さ約200nmの光導電層を形成した。続いて、光導
電層14上に、プレチルト角が4°となるような配向規
制力を与える配向膜材料(JSR社製AL4452)を
塗布し、210°で焼成した後、ラビング処理を行っ
た。その後、実施例1と同様にして比較例の記録媒体を
作成した。
【0103】このようにして作成された比較例の記録媒
体の電極層間に5Vの交流電圧を印加しながら、高圧水
銀灯(波長365nm)を用いて所定の画像パターンを
照射(像露光)した。電圧を印加している間に、偏光板
の偏光軸を回転させることによって露光された領域の液
晶層の配向状態が変化していることが確認できたが、電
圧を除去すると、露光された領域の液晶層は、すぐにス
プレイ配向状態にもどってしまった。このことからわか
るように、比較例の記録媒体は、メモリ保存性を有して
いない。
【0104】
【発明の効果】本発明によると、環境安定性およびメモ
リ保存性に優れ、低コストで製造できる不揮発性記録媒
体が提供される。また、本発明によると、このような不
揮発性記録媒体を効率よく製造できる方法が提供され
る。さらに、本発明によると、このような不揮発性記録
媒体を用いた情報の記録および読み出し方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態1の不揮発性記録媒体1
00を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による実施形態1の不揮発性記録媒体1
00の一部を模式的に示す上面図である。
【図3】電圧無印加状態における液晶分子の配向状態を
模式的に示す図である。
【図4】本発明による実施形態1の他の不揮発性記録媒
体100’を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、情報の記録を行う際の液晶
層30の配向状態の変化を説明するための図であり、
(a)は電圧無印加状態を示し、(b)は液晶層にスプ
レイ−ベンド転移電圧以上の電圧が印加された状態を示
し、(c)は印加電圧が除去された状態を示す図であ
る。
【図6】本発明による実施形態1の不揮発性記録媒体1
00の等価回路を示す図である。
【図7】液晶層30への印加電圧(V)と、ギブスの自
由エネルギー(μJ/mm2)との関係を示すグラフで
ある。
【図8】ベンド配向状態、180°ツイスト配向状態お
よびスプレイ配向状態における配向の自由エネルギー値
を示す図である。
【図9】(a)および(b)は、情報の読み出しを行う
際の液晶層30の配向状態と透過光量との関係を説明す
るための図である。
【図10】(a)および(b)は、情報の記録および情
報の読み出しの際の光の照射の仕方の例を示す図であ
り、(a)は本発明による実施形態1の不揮発性記録媒
体100を用いる場合を示し、(b)は本発明による実
施形態1の他の不揮発性記録媒体100’を用いる場合
を示す図である。
【図11】(a)は、本発明による実施形態2の不揮発
性記録媒体200を模式的に示す断面図であり、(b)
は、不揮発性記録媒体200を模式的に示す斜視図であ
る。
【図12】実施例の不揮発性記録媒体を作成する際に用
いるフォトマスク70を模式的に示す上面図である。
【図13】実施例1の不揮発性記録媒体における、情報
記録部の透過率(任意単位)と、印加電圧(V)の関係
を示すグラフである。
【図14】(a)〜(d)は、第1基板10上に凹凸状
の表面を有する下地層19を形成する工程を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
10 第1基板 12 電極層 14 光導電層 16 配向膜 18 反射層 20 第2基板 22 電極層 26 配向膜 30 液晶層 31 液晶分子 70 フォトマスク 72 遮光部 74 透光部 100、100’、200 不揮発性記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/004 G11B 7/004 Z 5D090 7/24 501 7/24 501B 5D121 7/26 531 7/26 531 Fターム(参考) 2H088 EA62 GA02 HA09 HA18 HA21 HA29 JA03 KA04 KA11 KA14 LA02 MA20 2H090 HA02 HC05 HC16 KA04 LA05 MA05 MA12 MB01 MB14 2H092 GA05 HA03 KA07 LA02 LA06 LA08 LA12 LA14 NA25 PA13 2H093 NA11 NA74 NC02 NC42 NC73 ND60 NE05 NF04 NF21 NF25 NG16 5D029 HA02 5D090 BB09 CC01 CC04 KK06 5D121 AA01 EE21 GG02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の基板と、 前記一対の基板間に設けられたネマチック相を呈する液
    晶層と、 前記一対の基板の前記液晶層側に設けられた一対の電極
    層と、 前記液晶層の両側に設けられた一対の配向膜とを有し、 前記一対の配向膜は、前記液晶層の液晶分子にプレチル
    ト角を与える配向規制力が付与された第1配向規制領域
    および第2配向規制領域を有し、前記第2配向規制領域
    における前記液晶分子のプレチルト角は、前記第1配向
    規制領域における前記液晶分子のプレチルト角よりも大
    きい、不揮発性記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第2配向規制領域は、前記第1配向
    規制領域を包囲するように構成されている、請求項1に
    記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶層の前記液晶分子は、電圧無印
    加時に、前記第1配向規制領域においてスプレイ配向
    し、前記第2配向規制領域においてベンド配向する、請
    求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1配向規制領域における前記液晶
    分子のプレチルト角は、1°〜30°の範囲内にあり、
    前記第2配向規制領域における前記液晶分子のプレチル
    ト角は、60°〜89°の範囲内にある、請求項1から
    3のいずれかに記載の不揮発性記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記一対の電極層の少なくとも一方上に
    形成された光導電層をさらに有する、請求項1から4の
    いずれかに記載の不揮発性記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記光導電層の厚さは、100nm〜1
    000nmの範囲内にある、請求項5に記載の不揮発性
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記光導電層は透明な光導電層である、
    請求項5または6に記載の不揮発性記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記光導電層は不透明な光導電層であ
    る、請求項5または6に記載の不揮発性記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記光導電層は、前記一対の電極層の一
    方上に形成されている、請求項8に記載の不揮発性記録
    媒体。
  10. 【請求項10】 前記一対の基板の外側に設けられた少
    なくとも1つの偏光層をさらに有する、請求項1から9
    のいずれかに記載の不揮発性記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載の
    不揮発性記録媒体の製造方法であって、 前記一対の配向膜を形成する工程は、 前記一対の基板上に配向膜材料を塗布する工程と、 前記塗布された配向膜材料にフォトマスクを介して波長
    が300nm以下の光を照射する工程とを包含する、不
    揮発性記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から10のいずれかに記載の
    不揮発性記録媒体の製造方法であって、 前記一対の配向膜を形成する工程は、 前記一対の基板上に、凹凸状の表面を有する下地層を形
    成する工程と、 前記下地層が形成された前記一対の基板上に配向膜材料
    を塗布する工程とを包含する、不揮発性記録媒体の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の不揮発性記録媒体を
    用いた情報の記録および読み出し方法であって、 前記一対の電極層間に所定の電圧を印加するとともに、
    前記不揮発性記録媒体に波長が380nm未満の光を照
    射することによって情報の記録を行い、 前記不揮発性記録媒体に波長が380nm〜780nm
    の範囲内の光を照射することによって情報の読み出しを
    行う、情報の記録および読み出し方法。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の不揮発性記録媒体を
    用いた情報の記録および読み出し方法であって、 前記一対の電極層間に所定の電圧を印加するとともに、
    前記不揮発性記録媒体に波長が380nm〜780nm
    の範囲内の光を、前記一対の電極層のうちのその上に前
    記光導電層が形成されている電極層側から照射すること
    によって情報の記録を行い、 前記不揮発性記録媒体に波長が380nm〜780nm
    の範囲内の光を、前記一対の電極層のうちのその上に前
    記光導電層が形成されていない電極層側から照射するこ
    とによって情報の読み出しを行う、情報の記録および読
    み出し方法。
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