JP2003151122A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2003151122A
JP2003151122A JP2002251086A JP2002251086A JP2003151122A JP 2003151122 A JP2003151122 A JP 2003151122A JP 2002251086 A JP2002251086 A JP 2002251086A JP 2002251086 A JP2002251086 A JP 2002251086A JP 2003151122 A JP2003151122 A JP 2003151122A
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Nobuhiro Jingu
信宏 神宮
Masao Nakayama
正雄 中山
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行耐久性や耐候性に優れると共に、カッピ
ングが防止された磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2の一面上に、磁性層3、
炭素を主成分とする機能層4及び潤滑剤層5をこの順で
有し、非磁性支持体2の他面上に、カッピング防止機能
層6及びバックコート層7をこの順で有する磁気記録媒
体1。カッピング防止機能層6は、炭素を主成分とする
機能層4による媒体の磁性層3側に凸となるカッピング
作用を打ち消すように設けられた炭素を主成分とする層
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属磁性薄膜型の
磁気記録媒体及びその製造方法に関し、より詳しくは、
カッピングが防止された磁気記録媒体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】情報社会の進展に従い、磁気記録媒体の
高密度化が切望されている。金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体は磁性層に塗布型磁気記録媒体のようなバインダー
を含まないので、媒体の飽和磁化が大きく、高密度記録
に適している。
【0003】また近年、磁気記録媒体における磁性層の
薄膜化は著しく、薄膜化された磁性層に対する物理的又
は化学的な損傷が媒体の信頼性に大きな影響を与えるよ
うになってきている。この点については、金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体においては、磁性層上に炭素膜の中で
もより硬い膜であるダイヤモンドライクカーボン(DL
C)膜を保護層として設けることにより、物理的又は化
学的な損傷を防ぎ、適切な走行耐久性や耐候性が維持さ
れている。
【0004】すなわち、図1を参照して、従来の金属磁
性薄膜型の磁気記録媒体(11)は、一般に、非磁性支持体
(12)の一面上に磁性層(13)、DLC層(14)及び潤滑剤層
(15)をこの順で有し、非磁性支持体(12)の他面上にバッ
クコート層(17)を有する。磁性層(13)は蒸着法で形成さ
れ、DLC層(14)がCVD法又はスパッタ法で成膜さ
れ、DLC層(14)上に塗布法で潤滑剤層(15)が形成され
る。また、バックコート層(17)が塗布法で形成される。
【0005】しかしながら、DLC膜は非常に強い圧縮
応力を持っているため、上記層構成では、いわゆる長手
磁気記録媒体(11)において、媒体の磁性層(13)側に凸と
なるカッピング(長手磁気記録媒体の幅方向の湾曲)が
起こる。
【0006】このDLC膜の圧縮応力の起源は、特開平
4−132684号公報に記述されているように、ダイ
ヤモンド構造の成長様式にあると考えられている。すな
わち、基板上に捕獲されたダイヤモンド核を中心として
ダイヤモンド構造が逆テーパー状に成長していくことに
より、成長が進むにつれて膜内部に結晶粒界を中心とし
て圧縮応力が形成・蓄積されていく。DLC膜も連続で
はないがダイヤモンド構造を含有するため、本質的に圧
縮応力を生じてしまう。また、ダイヤモンド構造を多く
含有するDLC膜ほど、強い圧縮応力を生じることにな
る。
【0007】このように、DLC膜は磁性層の保護層と
しての役目を果たすが、DLC膜の強い圧縮応力によっ
て、長手磁気記録媒体においてカッピングを起こす。長
手媒体の製造工程において、カッピングは走行不安定化
の原因となり巻き乱れやエッジダメージを生じさせ、製
品歩留りや、記録・再生の信頼性、走行耐久性に大きく
影響する。
【0008】特許第2638113号公報、特開平9−
91681号公報、特開平9−54935号公報には、
磁性層上にDLC膜を有する磁気記録媒体が開示されて
いる。しかしながら、いずれの公報にも、薄膜化された
磁性層におけるカッピング防止は不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体において、磁性層上にDLC保護層を
設け走行耐久性や耐候性を向上させつつ、カッピングを
起こすことのない媒体が望まれる。本発明の目的は、走
行耐久性や耐候性に優れると共に、カッピングが防止さ
れた磁気記録媒体及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、磁性層上にDLC保護層が設けられた磁気記
録媒体において、支持体のバックコート層側にカッピン
グ防止機能層を設けることにより、走行耐久性や耐候性
に優れると共に、カッピングを起こすことのない磁気記
録媒体が得られることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、支持体の一面側の磁性層上に形成
されたDLC保護層が有する磁性層側に凸となるカッピ
ング作用を打ち消して媒体の平面性を保つために、前記
支持体の他面上に、カッピング防止機能層としてのDL
C層を形成することに基づく。
【0011】本発明は、非磁性支持体の一面上に、少な
くとも磁性層、炭素を主成分とする機能層及び潤滑剤層
をこの順で有し、前記非磁性支持体の他面上に、カッピ
ング防止機能層及びバックコート層をこの順で有する磁
気記録媒体である。本発明は、カッピング防止機能層
は、炭素を主成分とする機能層による媒体の磁性層側に
凸となるカッピング作用を打ち消すように設けられたも
のである、前記の磁気記録媒体である。本発明は、カッ
ピング防止機能層は炭素を主成分とする層である、前記
の磁気記録媒体である。本発明は、カッピング防止機能
層は、0.01μm以下の厚みの炭素を主成分とする層
である、前記の磁気記録媒体である。
【0012】本発明は、磁性層は金属薄膜型磁性層であ
る、前記の磁気記録媒体である。本発明は、バックコー
ト層は塗布により形成されたものである、前記の磁気記
録媒体である。
【0013】また、本発明は、非磁性支持体の一面上に
磁性層を気相成膜法で形成する工程と、前記磁性層上に
炭素を主成分とする機能層をCVD法又はスパッタ法で
形成する工程と、前記炭素を主成分とする機能層上に潤
滑剤層を塗布により形成する工程と、前記非磁性支持体
の他面上にカッピング防止機能層としての炭素を主成分
とする層を気相成膜法で形成する工程と、前記カッピン
グ防止機能層上にバックコート層を塗布により形成する
工程とを含む磁気記録媒体の製造方法である。
【0014】本発明は、非磁性支持体の一面上の前記炭
素を主成分とする機能層が有する磁性層側に凸となるカ
ッピング作用を打ち消して媒体の平面性を保つように、
非磁性支持体の他面上への前記炭素を主成分とする層
を、前記炭素を主成分とする機能層の形成条件と同じか
もしくは近似した条件で形成する、前記の磁気記録媒体
の製造方法である。
【0015】本発明は、非磁性支持体の一面上に磁性層
を形成する工程と、前記磁性層上に炭素を主成分とする
機能層をCVD法又はスパッタ法で形成する工程と、前
記非磁性支持体の他面上に、前記炭素を主成分とする機
能層が有する磁性層側に凸となるカッピング作用を打ち
消して媒体の平面性を保つように、カッピング防止機能
層としての炭素を主成分とする層を、前記炭素を主成分
とする機能層の形成条件と同じかもしくは近似した条件
で形成する工程とを含む磁気記録媒体の製造方法であ
る。
【0016】本発明において、前記炭素を主成分とする
機能層は、磁性層の物理的損傷からの保護と、磁性層の
酸化防止という機能を有する。また、潤滑剤層に比べれ
ば弱いが潤滑性を向上させる機能も有する。
【0017】
【発明の実施の形態】図2及び図3を参照して、本発明
の磁気記録媒体を説明する。図2は、本発明の磁気記録
媒体の層構成例を示す断面図である。図2において、磁
気記録媒体(1) は、非磁性支持体(2) の一面上に、磁性
層(3) 、炭素を主成分とする機能層(4) 及び潤滑剤層
(5) をこの順で有し、非磁性支持体(2) の他面上に、カ
ッピング防止機能層(6) 及びバックコート層(7) をこの
順で有する。
【0018】非磁性支持体(2) の材料は、特に限定され
ることなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステ
ル系樹脂、芳香族ポリアミドなどのポリアミド系、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系の樹脂よ
り選択される。非磁性支持体厚みは、目的とする録画時
間や記録時間等により、3〜12μmより選択される。
【0019】非磁性支持体(2) の一面上に、磁性層(3)
を、蒸着、イオンプレーティングなど気相成膜法で成膜
する。磁性材料としては、Co又はCoを含む合金、例
えば、Co−Ni、Co−Cr、Fe−Co−Ni、C
o−Pt、Co−Feなどが用いられる。蒸着などの気
相成膜では、沸点が近いものは合金で、また異なるもの
は多元蒸着を行う。一方、スパッタなどでは、金属又は
合金そのままで成膜する。テープ状媒体では、斜め気相
成膜を行う。
【0020】磁性層の蒸着は、蒸着用チャンバー内を1
-5Torr程度にまで排気した後、磁性材料を電子銃
にて溶解し、磁性材料全体が溶解した時点で非磁性支持
体を冷却したメインローラ(冷却キャン)に沿って走行
させてメインローラ部にて蒸着を始める。このときに磁
気特性を制御するために、酸素、オゾン、亜酸化窒素か
ら選ばれる酸化性ガスを磁性層へ導入しても良い。長手
媒体では、斜め成膜を行い、カラムの角度を非磁性支持
体に対して20度から50度の範囲で行う。一方、垂直
媒体ではルツボをキャンの真下に位置させ、マスクの開
口部を±10度以下で行う。
【0021】磁性層は、単層又は多層構成とされる。磁
性層の厚みは、0.01〜0.5μm程度である。
【0022】磁性層(3) 上に、炭素を主成分とする機能
層(4) (DLC膜)を、CVD法又はスパッタ法で形成
する。スパッタ法でも問題はないが、高速に成膜できる
CVD法の方が望ましい。CVD法に用いられるガス
は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プ
ロピレン、アセチレンなど常温常圧で気体状のものが使
い易く、あるいは液体原料でも問題はない。
【0023】反応系に上記ガスを導入し、高周波を印加
してプラズマ状態を作り出し、気相成膜を行う。具体的
には、繰出しローラ、巻取りローラ、プラズマ重合用部
分円筒面状(断面部分円弧状)電極板を間隔をおいて対
向して有するメインローラ等、及び必要に応じてパスロ
ーラ、を備えたチャンバー(真空槽)において、原反
(強磁性金属を蒸着した非磁性支持体をロール状に捲回
したもの)を繰出しローラに設置後、10-5Torrよ
り低圧にまで排気したのち、炭化水素ガスを、反応圧力
として1〜10-2Torrになるように所定量を導入し
つつ、プラズマ重合する。導入量は、チャンバーの大き
さに依存するので必要に応じて適宜決定する。
【0024】高周波は、特に限定はないが、1kHz〜
1MHz程度が放電も安定し、使い易い。1kHzより
低い周波数では、長時間の成膜が行いにくいし、1MH
zより高い周波数では、硬い膜か得られにくい。使用し
易い範囲としては、50kHz〜450kHzくらいが
望ましい。炭素を主成分とする膜の膜厚としては、2〜
20nm厚のものが使用され、望ましくは5〜10nm
程度である。2nmより薄いと保護膜の機能が発現せ
ず、一方、20nmより厚いとスペーシングロス上問題
がある。
【0025】DLC膜の上には潤滑剤が塗設しにくいの
で、DLC膜形成後に後処理を行っても良い。後処理は
酸素又は酸素を含むガスを用いて行うことが望ましく、
例えば、酸素、空気、炭酸ガスなどが使用される。後処
理は、DLC膜形成時とあまり変わらない手法が使い易
い。後処理における周波数は、DLC膜形成時と同様に
1kHz〜40MHzが望ましく、特に50kHz〜1
3.56MHzであれば効果が発現し易い。
【0026】炭素を主成分とする機能層(4) 上に潤滑剤
層(5) を塗布により形成する。潤滑剤としては、フッ素
を含む潤滑剤、炭化水素系のエステル、又はこれらの混
合物が用いられる。
【0027】潤滑剤は、例えば、基本構造として、R1
−A−R2 で表わされるものである。ここで、 R1 :CF3 (CF2 n −、CF3 (CF2 n (C
2 m −、CH3 (CH2 l −、又はHであり、 A:−COO−、−O−、又は−COOCH(Cl
2l+1)CH2 COO−であり、 R2 :CF3 (CF2 n −、CF3 (CF2 n (C
2 m −、CH3 (CH2 l −、又はHである。 但し、R1 とR2 とは異なり、n=7〜17、m=1〜
3、l=7〜30を満足するものが好ましい。更に、R
1 及び/又はR2 が直鎖のものであれば、潤滑効果が大
きい。nが7より小さいと撥水効果が低く、また、nが
17より大きいと潤滑剤と非磁性支持体あるいはバック
コート層とのブロッキング現象が起こり、摩擦が低くな
らない。これらの中でも特にフッ素を含む潤滑剤が好ま
しい。さらにこのような潤滑剤を2種以上混合しても良
い。
【0028】これらの潤滑剤をケトン類、炭化水素類、
アルコール類などの溶剤に溶解させて塗布液を調製す
る。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、ジエチルケトン等が挙げられる。炭化水素類として
は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
アンデカン、ドデカンのノルマル系、iso系等が挙げ
られる。アルコール系としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
調製された塗布液を、炭素を主成分とする膜上に塗布し
乾燥し、潤滑剤層とする。潤滑剤層の厚みは、正確には
測定できないが数nm程度とされる。また、潤滑剤量は
塗布液の濃度により調整する。
【0029】非磁性支持体(2) の他面上に、カッピング
防止機能層としての炭素を主成分とする層(6) (DLC
膜)を、炭素を主成分とする機能層(4) におけるのと同
様に形成する。非磁性支持体(2) の他面上に炭素を主成
分とする層を設けることにより、炭素を主成分とする機
能層(4) による媒体の磁性層(3) 側に凸となるカッピン
グ作用を打ち消すことができ、カッピングを防止するこ
とができる。
【0030】カッピング防止について、図3を参照して
説明する。図3は、長手磁気記録媒体(1) における磁性
層(3) 、炭素を主成分とする機能層(4) 、カッピング防
止機能層としての炭素を主成分とする層(6) 及びバック
コート層(7) の各層のカッピングに及ぼす作用を概念的
に示す幅方向の断面図である。そのため、各層は離され
て描かれている。
【0031】炭素を主成分とする機能層(4) は磁性層
(3) 上に気相成膜されたDLC膜であり、圧縮応力によ
って磁性層(3) 側に凸となるカッピング作用を有する。
一方、カッピング防止機能層としての炭素を主成分とす
る層(6) は支持体(2) の下面上に気相成膜されたDLC
膜であり、圧縮応力によってバックコート層(7) 側に凸
となるカッピング作用を有する。このように、炭素を主
成分とする機能層(4) による磁性層(3) 側に凸となるカ
ッピング作用が打ち消される。従って、炭素を主成分と
する層(6) は炭素を主成分とする機能層(4) と等しいか
もしくは近似した厚みを有することが好ましく、炭素を
主成分とする機能層(4) と同じかもしくは近似した条件
で成膜されることが好ましい。
【0032】より詳細には、蒸着により形成された磁性
層(3) は、DLC膜に比べると弱いが、バックコート層
(7) 側に凸となるカッピング作用を有する。以下で述べ
る塗布により形成されたバックコート層(7) は、DLC
膜に比べると弱いが、磁性層(3) 側に凸となるカッピン
グ作用を有する。従って、カッピング防止機能層として
の炭素を主成分とする層(6) は、これらの層(3),(4),
(6),(7) が有するカッピング作用がうまく中和され媒体
の平面性が保たれるように、0.01μm以下の厚みで
形成されることが好ましい。炭素を主成分とする層(6)
のより好ましい厚みは、0.001μm〜0.09μm
である。
【0033】カッピング防止機能層としての炭素を主成
分とする層(6) 上にバックコート層(7) を塗布により形
成する。バックコート層(7) の塗布に先立ち、DLC膜
(6)形成後に前述したのと同様の後処理を行ってもよ
い。
【0034】バックコート層は、カーボンブラック、無
機顔料(炭酸カルシウムなど)、ニトロセルロース、フ
ェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化
ビニル樹脂より選択される材料及び溶剤を用いてバック
コート用塗料を調製し、調製された塗料を非磁性支持体
の他面上に塗布し乾燥し、形成する。溶剤としては、メ
チルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン等を用
いることができる。バックコート層の厚みは、0.1〜
0.7μm、特に0.3〜0.5μmが好ましい。以上
のようにして、蒸着型磁気記録媒体を作製する。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0036】[実施例]4.5μm厚みのPEN(ポリ
エチレンナフタレート)支持体の一面上に、蒸着法でト
ータル0.2μm厚みのCo100%磁性層を同方向2
層成膜した。磁性層上に、エチレンを導入して、所定の
放電周波数(50kHz)を印加してプラズマ重合硬質
炭素膜(DLC膜)を0.01μm厚みで成膜した。D
LC膜に対し潤滑剤を固定するための後処理(プラズマ
処理)をO2 ガスを用いて行った。後処理されたDLC
膜上に、潤滑剤塗布液をダイノズル法で塗布し乾燥し
て、潤滑剤層を成膜した。潤滑剤塗布液は、0.5重量
%の潤滑剤合計濃度となるように、以下に示すコハク酸
誘導体の含フッ素化合物と脂肪族エステルの含フッ素化
合物とを同一重量でMEK/ヘキサン/エタノール=1
/2/7の混合溶媒中に溶解させた溶液であった。
【0037】支持体の他面上に、エチレンを導入して、
所定の放電周波数(50kHz)を印加してプラズマ重
合硬質炭素膜(DLC膜)を0.01μm厚みで成膜し
た。DLC膜に対し後処理(プラズマ処理)をO2 ガス
を用いて行った。後処理されたDLC膜上に、以下の組
成のバックコート層分散液をダイノズル法で、乾燥後の
厚みが0.4μmとなるように塗布、乾燥し、バックコ
ート層を形成した。
【0038】得られた各層形成済みの原反をDVC(1
/4インチ)幅に切断し、磁気テープサンプルとした。
磁性層は、保磁力(Hc)=118.5A/m(150
0Oe)、飽和磁束密度(Bs)=0.55T(550
0G)とした。磁気テープサンプルのカッピングを測定
した。
【0039】 (潤滑剤) HOOCCH(C1429)CH2 COOCH2 CH2 (CF2 7 CF3 CH3 (C1632)COOCH2 CH2 (CF2 7 CF3 (バックコート層塗布液の組成) カーボンブラック(粒径80nm) 10重量部 カーボンブラック(粒径20nm) 40重量部 炭酸カルシウム (粒径70nm) 50重量部 Nc(ニトロセルロース) 40重量部 (旭化成工業社製(BTH1/2S) ポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR−8300) 60重量部 メチルエチルケトン 800重量部 トルエン 640重量部 シクロヘキサノン 160重量部 ポリイソシアネート(固形分50%) 40重量部 (日本ポリウレタン工業社製:コロネートL)
【0040】[比較例]支持体の他面上にDLC膜を形
成せずに、支持体の他面上に直接バックコート層を形成
した以外は、実施例と同様にして磁気テープサンプルを
作製した。磁気テープサンプルのカッピングを測定し
た。
【0041】(カッピングの測定法)150mm長さの
磁気テープサンプルを、図4に示すように、磁性層側の
面を上に向け、水平位置に中心間距離35mmで設けら
れた左右2つの支点(p)(p)に左右対象となるように掛
け、テープの左右両端それぞれに0.3gを加重(w)(w)
した。この状態でのテープの左右方向の中点における変
形厚み(mm)を、レーザー光の遮光幅により測定し
た。この変形厚み(mm)の値をカッピング測定値とし
た。
【0042】実施例のテープサンプルのカッピング測定
値は0mmであり、比較例テープサンプルのカッピング
測定値は0.8mm(磁性層側に凸)であった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、磁性層上にDLC保護
層が設けられた磁気記録媒体において、支持体のバック
コート層側にカッピング防止機能層を設けることによ
り、走行耐久性や耐候性に優れると共に、カッピングを
起こすことのない磁気記録媒体及びその製造方法が提供
される。すなわち、本発明によれば、薄膜磁性層の保護
と媒体形状の維持とが両立できる。本発明による支持体
のバックコート層側へのカッピング防止機能層の形成と
いう手法は、今後の媒体の更なる薄膜化に対して、非常
に効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の磁気記録媒体の層構成を示す断面図で
ある。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の層構成例を示す断面
図である。
【図3】 本発明におけるカッピング防止を説明するた
めの、長手磁気記録媒体における各層のカッピングに及
ぼす作用を概念的に示す幅方向の断面図である。
【図4】 カッピングの測定法の説明図である。
【符号の説明】
(1) :磁気記録媒体 (2) :支持体 (3) :磁性層 (4) :炭素を主成分とする機能層 (5) :潤滑剤層 (6) :カッピング防止機能層 (7) :バックコート層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/851 G11B 5/851 Fターム(参考) 5D006 AA02 AA05 CC01 CC03 5D112 AA07 AA08 BC01 BC05 BD01 BD02 FA01 FA04 FA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一面上に、少なくとも磁
    性層、炭素を主成分とする機能層及び潤滑剤層をこの順
    で有し、前記非磁性支持体の他面上に、カッピング防止
    機能層及びバックコート層をこの順で有する磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 カッピング防止機能層は、炭素を主成分
    とする機能層による媒体の磁性層側に凸となるカッピン
    グ作用を打ち消すように設けられたものである、請求項
    1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 カッピング防止機能層は炭素を主成分と
    する層である、請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 カッピング防止機能層は、0.01μm
    以下の厚みの炭素を主成分とする層である、請求項1〜
    3のうちのいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁性層は金属薄膜型磁性層である、請求
    項1〜4のうちのいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 バックコート層は塗布により形成された
    ものである、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載
    の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 非磁性支持体の一面上に磁性層を気相成
    膜法で形成する工程と、前記磁性層上に炭素を主成分と
    する機能層をCVD法又はスパッタ法で形成する工程
    と、前記炭素を主成分とする機能層上に潤滑剤層を塗布
    により形成する工程と、 前記非磁性支持体の他面上にカッピング防止機能層とし
    ての炭素を主成分とする層を気相成膜法で形成する工程
    と、前記カッピング防止機能層上にバックコート層を塗
    布により形成する工程とを含む磁気記録媒体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 非磁性支持体の一面上の前記炭素を主成
    分とする機能層が有する磁性層側に凸となるカッピング
    作用を打ち消して媒体の平面性を保つように、非磁性支
    持体の他面上への前記炭素を主成分とする層を、前記炭
    素を主成分とする機能層の形成条件と同じかもしくは近
    似した条件で形成する、請求項7に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 非磁性支持体の一面上に磁性層を形成す
    る工程と、前記磁性層上に炭素を主成分とする機能層を
    CVD法又はスパッタ法で形成する工程と、 前記非磁性支持体の他面上に、前記炭素を主成分とする
    機能層が有する磁性層側に凸となるカッピング作用を打
    ち消して媒体の平面性を保つように、カッピング防止機
    能層としての炭素を主成分とする層を、前記炭素を主成
    分とする機能層の形成条件と同じかもしくは近似した条
    件で形成する工程とを含む磁気記録媒体の製造方法。
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