JP2003160906A - 透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装及びその施工方法 - Google Patents

透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装及びその施工方法

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JP2003160906A
JP2003160906A JP2001359296A JP2001359296A JP2003160906A JP 2003160906 A JP2003160906 A JP 2003160906A JP 2001359296 A JP2001359296 A JP 2001359296A JP 2001359296 A JP2001359296 A JP 2001359296A JP 2003160906 A JP2003160906 A JP 2003160906A
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water retention
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Masato Takagi
正人 高木
Katsunori Takahashi
克則 高橋
Keimei Onuma
啓明 大沼
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、透・排水性と保水性とを両立させ、
従来より安価で、且つ表面の冷却を長期間にわたって持
続可能な透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装並びに
その施工方法を提供することを目的としている。 【解決手段】アスファルト混合物の層を有してなる舗装
において、前記アスファルト混合物の間隙に、保水材が
部分的に充填され、且つ上面から下面及び/又は側面へ
連通した空隙が残存している舗装体と、該舗装体の下側
に積層され、底面及び側面を防水材で囲んだ貯水層と、
該貯水槽に給水を行う給水手段とからなる。この場合、
前記保水材が、水を添加して養生され、固化後に保水性
を発揮する材料であるのが良い。 【解決手段】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透・排水性及び保
水性を兼ね備えた舗装及びその施工方法に係わり、詳し
くは、アスファルト混合物、固化後に保水性を発揮する
材料等を用い、保水性及び透・排水性の両方を有し、都
市で起きる所謂「ヒートアイランド現象」を抑制した
り、雨水の地下還元を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アスファルト舗装は、雨水を該
舗装の下方に浸透させない構造となっている。これに対
して、最近は雨水を地下に浸透させるようにした透水
性、あるいは舗装面に浸透させ、それを舗装下で集める
ような排水性(本発明では、これらを包括的に透・排水
性と呼ぶことにする)を有する舗装が施されるようにな
ってきた。そのような舗装にするのは、舗装上の水溜ま
りを減らし、自動車等の水跳ねやスリップ現象を抑制し
たり、あるいは、走行時の騒音を減らす等、さまざまな
メリットがあるからである。具体的には、透水性をもつ
多孔質のレンガ類を敷き詰めるとか、舗装の全体積のう
ち10%以上を、表面が開口した間隙を有するアスファ
ルト混合物による舗装が施工されている。いずれも、透
・排水機能層から排水処理層あるいは路盤層まで速やか
に水を透過させるため、舗装内に上面から下面又は側面
まで連らなった間隙を、高い体積比率で内包している。
つまり、透水性舗装の場合は、舗装上面の雨水等を舗装
の下の路盤に逃がす必要があるので、上記の間隙は、舗
装の上面から下面に連なって設けられている。また、排
水性舗装の場合は、該間隙が舗装上面から排水溝を設け
た位置へと連なっていることが必要である。その排水溝
は、多く場合、舗装の側方に設けるので、この場合の間
隙は、排水処理層を設ける位置に従い、舗装の上面から
下面及び/又は側面へと連なっている。
【0003】このような住環境に密着した課題だけでな
く、近年は、社会環境全体の改善が着目され、その1つ
として、都市で頻発する所謂「ヒートアイランド現象」
の抑制が検討されている。ここで、「ヒートアイランド
現象」とは、都市では、道路や建物の多くがコンクリー
ト、アスファルト、レンガといった蓄熱し易い材料によ
って構成されているので、特に夏季において道路等の表
面温度が著しく上昇し、冷却が進まないことによる熱帯
夜が常態化して、都市全体が一つの高温島のようになる
現象をいう。このような環境悪化は、さらにエアコン等
のエネルギー使用量の増加に伴う廃熱の増加で、一層促
進される傾向にある。このようなヒートアイランド現象
は、本来土や植物で覆われていた地面等が、前記したよ
うに、コンクリート、アスファルト等に置き換わったこ
とに起因する。つまり、地面が土壌であれば、雨が降る
とその内部空間に水分を溜め、その水分が晴天時に蒸発
することで気化熱を奪い、大気温度を低下させるが、コ
ンクリート、アスファルト等では、ほとんど雨水が浸み
込まずに排水溝等に流れてしまい、晴天になっても気化
熱による冷却が起らないからである。また、この現象と
は別に、コンクリート、アスファルト等からなる都市で
は、大量の降雨があると、排水設備にかかる負荷が大き
くなり、都市型洪水という新規な問題も発生しつつあ
る。
【0004】ところで、このような排水設備にかかる負
荷の増大については、前記した透・排水性の舗装を施せ
ば、大幅に改良できると考えられる。しかしながら、舗
装の高温化については、透水性の舗装は水を保持できな
いために冷却が不十分で、解決することができない。ま
た、単純にコンクリートを土に戻すことも考えられる
が、コンクリートに置き換わってきた理由である乾燥時
の砂埃や豪雨時の流失を防止するといった利便性が大き
く失われることとなる。さらに、都市の緑化面積を拡大
するという対策もある。この対策は、ヒートアイランド
現象の抑制ばかりでなく、大気へのCO2放出量の削
減、景観の向上等の利点も多い。しかしながら、どのよ
うな場所にも適用可能なわけではないので、上記した砂
埃等の問題は軽減されても無くなるわけではなく、加え
て、植物の管理という別の仕事が必要となる。そこで、
このような問題を一気に解決する手段として、透水性舗
装と保水性(内部に長時間にわたて水を保持できる特
性)舗装とを組み合わせた舗装が考えられるようになっ
た。
【0005】例えば、特開平9−95904号公報及び
特開平9−195212号公報は、表面に保水性セラミ
ックス舗装を施し、下層に透水性で、かつ水を保持でき
る構造の舗装を開示している。この舗装は、表層部が保
水性であるため、前記ヒートアイランド現象の抑制には
極めて効果的と言える。しかしながら、保水性セラミッ
クスは、一応透水もするが、透水係数が大きくないの
で、降雨量が多いと、水を浸透させきることができなく
なり、舗装の上面に水が停滞してしまう、所謂「水浮
き」現象が起きる恐れが高い。
【0006】また、特開2000−120010号公報
は、逆に、表面に透水性アスファルト舗装を施工し、下
層に保水性骨材を施工する舗装を開示している。これに
よって、表面の透水性を確保すると共に、下層の保水性
骨材での気化熱冷却が期待でき、透水性の利点と保水性
の利点とを有効に作用させることができると考えられ
た。しかしながら、この舗装では、下層の保水性材料
は、上層の透水性舗装(アスファルト)を介して伝熱し
た後の温度となるため、表面にあるときに比べて温度が
低いので水の蒸発が起こり難く、保水材を設けたことの
本来の効果が発揮できない。また、上層の透水性舗装の
間隙内には、空気が比較的滞留し易いため、表面に保水
性材料がある場合に比べると、その透水効果は大きく抑
制されるという問題があった。
【0007】さらに、これらの保水性舗装の一般的な問
題として、路面の冷却性能の持続性が小さいことが挙げ
られる。降雨のない環境下では、冷却効果は日数が経過
すると極端に低下する。通常、降雨がなくなってから3
日目にはほとんど冷却効果を発揮しなくなる。よって、
冷却効果を継続させるには、舗装面に定期的な散水が必
要となるが、かかる散水を実施することは煩雑であるば
かりか、大きなコスト負担になり、この舗装の普及を阻
んでいる。
【0008】そこで、この問題を解決するために、幾つ
かの技術が提案されている。例えば、特開平8−859
05号公報は、路床上に切込砕石を敷き詰め、その上部
に複数層の透水性アスファルト層を積層して一体化した
舗装構造において、前記切込砕石の底面を防水シートで
囲うと共に、該防水シート内で、上部が前記透水性アス
ファルト層に接続され、下部が前記切込石内に挿入され
る不織布を設けた保水舗装を提案している。また、特開
平11−269808号公報は、透水性舗装材と、該舗
装材の縁部に配置されて雨水を流通させる側溝と該側溝
内の水の一部を毛管現象により前記舗装材に流通可能に
接続した導水部材とを備え、前記側溝内には、渇水時に
水を供給する導水管を接続すると共に、増水時に水を側
溝外に抜くバイパス管が接続されている湿潤性舗装シス
テムを、特開2001−81709号公報は、透水性舖
装材と、該舗装材の下方又は内部に位置し、水を流通さ
せる暗渠と、該暗渠内に一端を浸され他端を舗装材下面
に配置し、毛細管現象により暗渠内の水の一部を前記舗
装材に導水可能とした導水部材と、前記暗渠内に導水用
配管を通じて水を通水する水源とを備えた湿潤性舗装シ
ステムを提案している。
【0009】しかしながら、これらの技術における舗装
面はいずれも透水性であり、表層の保水性が極めて小さ
いために、いかに水を給水したとしても表層が短時間の
日射ですぐに乾燥状態となり、その表面湿度が上昇して
しまうという欠点がある。
【0010】また、特開平10−46513号公報に
は、透水性アスファルト等の多孔質成形ブロック等の有
孔表層において、保水性を有すると共に、透水性を有す
るシルト系充填材を充填した表層温度の上昇を抑える舗
装体の有孔表層と、この有孔表層若しくは該有孔表層に
接続する水分貯留層に給水を行うための給水用有孔管を
配設する技術が開示されている。しかしながら、この技
術は、舗装面冷却の持続性という観点では優れている
が、舗装材が保水性であるために透水、排水性能に欠
け、降雨両が多いと、水を浸透させきることができなく
なり、舗装の上面に水が停滞してしまう、所謂「水浮
き」の現象が起きる恐れが高い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、透・排水性と保水性とを両立させ、従来より安
価で、且つ表面の冷却を長期間にわたって持続可能な透
・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装並びにその施工方
法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、透・排水性と保水性を同時に発揮させ
る舗装及びその方法について、今までに開示されている
ものより優れたものがないか検討した。その結果、舗装
の上面から下面及び/又は側面に連なる間隙を舗装内に
設け、その間隙内に保水性を有する物質を部分的に配し
て、透・排水性と保水性とを兼ね備えた舗装体にするこ
とに加えて、さらに該舗装体に接続する貯水層及び給水
手段を設け、長期間にわたる水の蒸発冷却を利用できる
ようにして、本発明を完成させたのである。
【0013】すなわち、本発明は、アスファルト混合物
の層を有してなる舗装において、前記アスファルト混合
物の間隙に、保水材が部分的に充填され、且つ上面から
下面及び/又は側面へ連通した空隙が残存している舗装
体と、該舗装体の下側に積層され、底面及び側面を防水
材で囲んだ貯水層と、該貯水槽に給水を行う給水手段と
からなることを特徴とする透・排水性及び保水性を兼ね
備えた舗装である。この場合、前記保水材が、水を添加
して養生され、固化後に保水性を発揮する材料であるの
が良い。また、前記貯水層が、土砂、砂利、各種人工
砂、高炉水砕スラグ粉末、砕石、高炉スラグ砕石、各種
人工砕石、コンクリート破砕物、プラスチックス破砕
物、高炉水砕スラグ、透水性アスファルト及び透水性セ
メントコンクリートブロックより選ばれた1種又は2種
以上からなる材料を内蔵することが好ましい。さらに、
前記給水手段は、前記貯水層内に埋設された有孔管と、
該有孔管へ水を供給する水源とで形成していたり、前記
貯水層の縁部に配置され、水を流す側溝と、該側溝内の
水の一部を、該貯水層内に吸い上げる導水部材とを備え
ており、且つ前記側溝には、渇水時に該側溝へ水を補給
する導水管と、増水時に水を該側溝の外へ抜くバイパス
管とを接続していたり、あるいは、前記貯水層の下方に
配置され、内部に水を流す暗渠と、該暗渠から貯水層内
へ水を吸い上げる導水部材とを備えており、前記暗渠に
は、導水用配管を通じて水を供給する水源を接続してい
ることが好ましい。そして、前記導水部材は、不織布で
あるのが良い。さらに加えて、前記固化後に保水性を発
揮する材料が、高炉スラグ微粉末を50〜70質量%
と、非晶質SiO2を50質量%以上含有する無機粉末
を30〜50質量%と、該高炉スラグ微粉末と該無機粉
末の合計100質量部に対してアルカリ刺激剤を3〜4
9質量部添加した混合材、前記固化後に保水性を発揮す
る材料が、粒度5〜74μmの部分を50質量%以上含
むシルト系粉末50〜80質量%と残部セメント系固化
材料とからなる混合材、粒度50〜200μmの高炉ス
ラグの骨材を30〜70質量%と高炉スラグ微粉末を、
70〜30質量%と、該高炉スラグ骨材及び該高炉スラ
グ微粉末の合計100質量部に対してアルカリ刺激剤を
3〜49質量部以上添加した混合材、あるいは保水性を
有するポリマー原料30〜70質量%とセメント系固化
材料70〜30質量%とからなる混合材であるのが好ま
しい。さらに加えて、前記間隙の体積率が、舗装全体の
12%以上であったり、あるいは前記舗装体の上面から
少なくとも深さ10mmまでの空隙率が体積率で10%
以上であると一層良い。
【0014】上記したいずれの施工についても発明をな
し、それは、アスファルト混合物の間隙に、保水材が部
分的に充填され、且つ上面から下面及び/又は側面へ連
通した空隙を残存している舗装体と、該舗装体の下側に
積層され、底面及び側面を防水材で囲んだ貯水層と、該
貯水槽に給水を行う給水手段とからなる舗装を施工する
に際して、前記間隙に、固化後に保水性を発揮する材料
を含む水スラリーを注入することを特徴とする透・排水
性及び保水性を兼ね備えた舗装の施工方法である。この
場合、前記注入される水スラリーの量を、前記間隙の全
体積の30〜70容量%としたり、あるいは前記水スラ
リーが、Pロートで測定した流下時間が10〜20秒の
ものであることが好ましい。
【0015】本発明によれば、保水性と透・排水性とを
兼ね備え、従来より安価で、且つ効率良く、長期間にわ
たり冷却性能を発揮できる舗装が入手できるようにな
る。その結果、都市で起きる所謂「ヒートアイランド現
象」の抑制や雨水の地下還元が達成できるばかりでな
く、自動車等の水はねやスリップ現象を抑制したり、走
行時の騒音を減らすことも可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯を
まじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】現在まで公知にされている保水性と透・排
水性を兼ね備えた舗装は、構造的には、保水させる物質
(材料)及び透水させる物質を表面に水平な層として配
置している。この舗装は、確かに施工上は簡便で、かつ
実用的であるが、前記したように、透・排水性と保水性
の効果を十分に発揮できるとは言い難い。そのため、本
発明者らは、透・排水性を発揮する空隙と保水性のある
物質とを共に舗装表面に存在させるようにしなければ、
両方の機能が十分に発揮できないと考え、具体的な達成
手段について種々検討した。
【0018】その結果、舗装の上面から下面及び/又は
側面へ連なる間隙を舗装内に設け、該間隙内に保水性を
有する物質を配して透・排水性及び保水性を兼ね備えた
舗装体とし、さらに該舗装体へ貯水層及び該貯水層への
給水手段を加えることを想到し、本発明を完成したので
ある。
【0019】まず、本発明は、舗装体の構造として、図
1(a)及び(b)に示すように、アスファルト混合物
1の間隙2が上面から下面及び/又は側面へ連通してお
り、そこに保水材3を部分的に充填して、舗装体5の上
面から下面及び/又は側面へ連通した空隙4が残存する
ようにしたものを提案する。従って、アスファルト混合
物1には、例えば開粒度アスファルト、排水性アスファ
ルトあるいは透水性アスファルトのような水の通り道と
なる間隙を有するものを使用する。そして、この間隙2
が舗装体5の上面から下面及び/又は側面へ連通した空
隙4を残しつつ保水材3で部分的に充填されているので
ある。この保水材3で充填されていない空隙4は、水の
通り道として機能するので、舗装の透・排水性が確保さ
れる。一方、保水材3は、この水の通り道である空隙4
に面しているので、この空隙4を通る水の一部は、保水
材3中に吸収され、貯留される。貯留された水分は、後
にこの舗装が太陽光に曝された際に徐々に気化して気化
熱を奪うので、舗装の温度が急激に上昇することを防止
する。
【0020】次に、本発明では、この冷却性能を一層向
上させるために、該舗装体5の下方に積層する貯水層6
を設けた。それは、文字通り水を貯めておく層であり、
充填した際に水を貯めるのに有効な連続空隙が多く形成
される材料であれば、いかなるもので形成しても良い。
具体的には、砂利、砕石、高炉スラグ砕石、人工砕石、
コンクリート破砕物、プラスチックス破砕物のような礫
状のもの、砂、高炉水砕スラグ、人工砂、コンクリート
粉砕物、プラスチックス粉砕物等のような砂状のもの、
土状のもの、並びに透水性アスファルト、セメントコン
クリートブロック類が挙げられる。この場合、空隙率
は、特に限定する必要がない。この貯水層6は、底面及
び側面を防水材12で覆う必要があるが、防水材は、水
を透過させないアスファルトやコンクリートで形成した
り、繊維性の遮水シートを利用すれば良い。
【0021】このような防水材で覆われた貯水層6は、
人工的な水溜りとなり、降雨や散水があった時には、上
部の舗装体中の保水材3に蓄え切れない水が貯まるよう
になる。その貯められた水は、晴天時には、図1(b)
に示したように、接触している前記保水材3の毛細管現
象によって上部の舗装体5に浸透し、表面から蒸発する
ことで、舗装表面の温度上昇を防ぐ働きをする。つま
り、降雨がしばらくない時にも舗装を冷却するのに役立
つ。
【0022】しかし、降雨が長い期間なかったり、ある
いは高い気温が続き貯水層6の水が欠乏することも予想
される。そこで、本発明では、該貯水層6への水供給の
安定化を図ることにした。具体的には、該貯水層6に給
水する給水手段を設けるようにしたのである。
【0023】その一つは、図2に示すように、上記貯水
層6内に埋設した有孔管7を用いたものである。この有
孔管7の材料としては、微細な孔を側壁に有するゴム管
等が好適である。この有孔管7へ外部に設けた水源(図
示せず)より給水することで、貯水層6へ水が供給さ
れ、その上に接続している舗装体5の表面から蒸発する
水を補い、舗装表面の冷却を長期間にわたって持続でき
るようになる。
【0024】また、本発明では、別形態の給水手段も考
慮した。それは、図3に示すように、貯水層6へ外部よ
り給水するため、貯水層6の縁部に側溝8を設けるよう
にする。この側溝8を導水部材9を介して貯水層6へ接
続すると、側溝8の中の水を自動的に上記導水部材9を
介して貯水層6へ供給できるからである。この場合、導
水部材9としては、例えば不織布からなるシート状ある
いはネット状のものが利用できる。なお、該側溝8に
は、渇水時に水を供給する導水管(図示せず)や増水時
に水を側溝外へに抜くバイパス管(図示せず)が接続さ
れていることが好ましい。
【0025】本発明では、さらに別形態の給水手段とし
て、図4に示すようなものも開発した。それは、貯水層
6の内部又は下方の路床10内に暗渠11を配設し、該
暗渠11から前記したような導水部材9を介して貯水層
6へ給水するようにしたものである。これにより、上記
側溝8を設けた場合と同様になるからである。ただし、
この暗渠11には、側溝8と異なり、自然に水が貯まら
ないので、別途水源を接続する必要がある。
【0026】加えて、本発明では、前記保水材3と前記
空隙4とを合わせた部分、つまり前記間隙2の体積率
が、舗装全体の12%以上であることが好ましい。これ
によって、舗装の透・排水性及び及び保水効果が十分に
発揮されるようになるからである。なお、通常の開粒度
アスファルトでは、この間隙は14〜25%である。
【0027】また、舗装を道路に施した場合には、雨天
時の自助車の走行や人の歩行に際して、水跳ねが生じな
いことが好ましい。この観点より、本発明では、前記舗
装の空隙が、特に上面から少なくとも深さ10mmまで
の空隙率が体積率にして10%以上であることを提案す
る。このように舗装の上面近い位置での空隙率を確保す
ることによって、短時間に多量の降水があった場合で
も、雨水が速やかに舗装内にとりこまれるため、自動車
の走行や人の歩行に際しての水跳ねを効果的に防止でき
るからである。なお、ここにアスファルト舗装の間隙の
体積率は、(社)日本道路協会による連続空隙率測定方
法(社団法人 日本道路協会編、「排水性舗装技術指針
(案)」、発行所:丸善、平成8年刊)により測定され
る連続空隙率をいう。また、保水材施工後の空隙率は、
保水材の微細気孔をパラフィンにて封孔したうえで、上
記の連続空隙率測定方法によって測定した連続空隙率を
いう。
【0028】引き続いて、上記した本発明に係る舗装を
形成する施工方法と、そこで好ましく使用される保水材
について説明する。
【0029】舗装内に透・排水性を有する部分と保水性
を有する部分とを共存させる方法としては、保水性材料
と透・排水性材料とを、お互いが水平層として重なるよ
うに区切って流し込み施工していくことが考えられる。
しかしながら、この施工方法は、労力がかかる上に、全
体として一体の舗装構造とならず、使用に際して破損し
易く、安全上の問題が生じる恐れがあり、現実的ではな
い。
【0030】これに対して、保水性に有効な材料とし
て、気孔径を調整した棒状又は板状の焼結体(セラミッ
クス)等のレンガを鉛直にして横方向に離隔して並べて
施工し、その間を透水性レンガ等で埋めるという施工方
法も考えられる。しかしながら、レンガ施工では、並べ
たレンガ同士が圧縮応力を与え合って構造体として保持
されるので、特性の異なるレンガが隣接すると、弱い材
料にしわ寄せがきて、破壊が起こり易いという問題点が
ある。また、現実的には、透・排水性レンガと保水性レ
ンガとを交互に施工するというのは、施工管理上で手間
がかかるという問題点もある。
【0031】そこで、本発明者らは、舗装の内部に透・
排水性を有する部分と保水性を有する部分を併せ持って
形成する方法について鋭意検討を重ね、開粒度アスファ
ルト、排水性アスファルト、透水性アスファルト等に代
表されるアスファルト混合物からなる舗装を先に施工
し、そのアスファルト混合物の間隙に対して保水性材料
を、該間隙内に部分的に充填するのが有効であると考え
たのである。ここに、「部分的に充填する」とは、アス
ファルト混合物の間隙を完全に塞がないようにし、連続
した空隙が残存する程度に充填することを意味する。好
ましくは、アスファルト混合物の間隙に対して体積率で
30−70%程度の保水材が充填されているのが良い。
ここで、先に施工する舗装の材料として、開粒度アスフ
ァルト舗装、排水性アスファルト舗装、透水性アスファ
ルト舗装(骨材の粒度分布を調整して、形成する舗装に
空隙を持たせるようにしたアスファルト類)を選んだの
は、これら材料の適切な配合設計(骨材の形状や量、添
加水量等の組合せ)を行えば、所望体積率の間隙を有
し、その間隙が舗装の上面から下面ないしは側面へ連な
った透・排水性を備えた舗装体が施工できるからであ
る。
【0032】ここに、前記アスファルト混合物からなる
舗装体は、前記したように、体積率で12%以上の間隙
を有することが好ましい。間隙が12%以上あると、そ
こに保水材を充填する作業が容易となる上、十分な保水
量を維持しうる量の保水材を充填したとしても、なお、
水の通り道となる空隙を残存させることが可能となるか
らである。さらに、保水材は、間隙に充填し易く、且つ
充填後には、間隙の内壁等に固着して、雨水等によって
流されないことが必要である。従って、充填性の観点よ
り、粉粒体または流体(スラリー)であることが好まし
く、一旦間隙に入った後には、固化して固体となり、保
水性を発揮することが必要である。
【0033】そのような保水材に利用する材料について
は、発明者らが鋭意研究を重ね、以下の材料を見出し
た。 (A)高炉スラグ微粉末を50〜70質量%と、非晶質
SiO2を50質量%以上含有する無機粉末を30〜5
0質量%と、該高炉スラグ微粉末と該無機粉末の合計1
00質量部に対してアルカリ刺激剤を3〜49質量部添
加した混合材、(B)粒度5〜74μmの部分を50質
量%以上含むシルト系粉末50〜80質量%と残部セメ
ント系固化材料からなる混合材、(C)粒度50〜20
0μmの高炉スラグ骨材を30〜70質量%と、高炉ス
ラグ微粉末を70〜30質量%と、該高炉スラグ骨材と
該高炉スラグ微粉末の合計100質量部に対してアルカ
リ刺激剤を3〜49質量部以上添加した混合材、(D)
保水性を有するポリマー原料30〜70質量%とセメン
ト系固化材料70〜30質量%からなる混合材 これら材料は、粉粒体の状態でアスファルト混合物の間
隙に散布充填された後、噴霧水や蒸気等で水分を与えて
固化反応を生じさせると、保水性を有する固化体とな
り、あるいは予め水を加えて混練してスラリー状にして
から上記のアスファルト混合物の間隙に注入して固化さ
せると、保水性を有する固化体となるからである。
【0034】上記の各種物質のなかでは、特に(A)の
高炉スラグ微粉末を50〜70質量%と、非晶質SiO
2を50質量%以上含有する無機粉末を30〜50質量
%と、該高炉スラグ微粉末と該無機粉末の合計100質
量部に対してアルカリ刺激剤を3〜49質量部添加した
混合材が好ましい。その理由は、これらの混合物が、と
りわけスラリーとした時に、その性能が優れているから
である。つまり、高炉スラグ微粉末を主体としているの
で、同じ流動性のスラリー条件で他のスラリーと比較し
た場合に、その粘性が高く、アスファルト混合物への付
着性が高いからである。したがって、少ないスラリー注
入量で、アスファルト混合物への付着量を確保でき、そ
の結果、十分な量の保水材層をアルファルト合材の間隙
に形成できるからである。それに加えて、非晶質SiO
2を50質量%以上含む無機粉末を併用するので、固化
後の保水材の強度が向上する。アルファルト混合物から
なる舗装体の間隙率を12%以上とすると、間隙が多い
ために舗装の強度が低下してしまう。しかし、上記の混
合材を該間隙に注入して固化した後は、それによって形
成された保水材そのものの強度が高く、舗装体全体の強
度を高めることができるのである。
【0035】また、上記した各種の混合材は、前述のよ
うに、粉粒体かスラリーの形態でアスファルト混合物の
間隙に充填するのが好ましいが、特にスラリーとして注
入するのが一層好ましい。注入するものがスラリー状で
あるため、アスファルト混合物の間隙の内部まで浸透す
ることができ、上部から下部に、重力によって落下する
際に、母体の壁に少しずつ付着しながら浸透するからで
ある。このスラリーを注入した様子を図1に示したが、
舗装体5の表面付近には、元々の間隙2に対して、その
周辺が保水性スラリー3で覆われ、その間隙2より少し
径の小さくなった空隙4が残ったような構造となる。ま
た、空隙4によっては、ほとんど全体が詰まってしまう
ものや、逆に元の間隙2の大きさでそのまま残るものも
あるが、構造上の問題はない。これによって、舗装の表
面は、保水性と透・排水性を兼ね備えるような特性とな
る。
【0036】さらに、このスラリーの量は、少な過ぎる
と、形成された固化体の保水効果が小さくなったり、固
化体が表面から下部の次の層まで連続しない場合が発生
し、下からの水分の吸い上げによる冷却効果が期待でき
なくなる。これを回避するには、開口した間隙容積の3
0%以上に該当する量のスラリーを注入することが望ま
しい。一方、スラリーの量が多くなると、舗装表面に滞
留するスラリーの量が多くなり、十分な透・排水性を確
保できなくなる場合が発生する。これでは、保水性舗装
としては良いが、透・排水性舗装にはならない。そこ
で、発明者らはさらに検討を行い、間隙容積の70%以
下にスラリーの注入量を絞ると、振動をかけることで表
面の透水性が確保できるが、その量を超えると、振動を
かけても表面の開口をスラリーが埋めてしまうことを知
った。したがって、本発明では、間隙容積の70%以下
にスラリー量を限定することにした。
【0037】なお、このスラリーの流動性については、
特に限定されるものではないが、流動性が極めて高い
と、表面に残留する保水性の固化体の厚みが薄くなり易
く、その保水効果が小さくなるという問題がある。ま
た、間隙を全部埋めるような量のスラリーを浸透させる
わけではないので、表層の全面にできる限り均質にスラ
リーを供給することが必要となるが、これがやや難しく
なる可能性もある。そこで、本発明者らは、流動性につ
いても検討を行い、Pロートによる測定で流下時間が1
0秒以上確保できれば良いことを見出した。より望まし
くは12秒以上である。ただし、流動性が悪くなり過ぎ
ると、表面付近に保水材料が溜まってしまい、透水性能
を得難くなることから、Pロートの流下時間は20秒以
下が望ましい。ここで、Pロートによる流下時間とは、
主に土木関係でグラウトやスラリー、粘着性の少ないペ
ースト等の流動性を規定するために一般的に適用されて
いるプレパクトフローコーンを用いた流動性試験方法で
測定される時間であり、該時間が短いほど高い流動性が
あることを示すものである。プレパクトフローコーン
は、逆円錐の上に円筒をつけたような形態をもち、その
最下部に直径13mmの吐出口をもっている。ここに1
725ccのスラリーを入れ、吐出口からスラリーが流
下する時間を測定するのである。また、実際にスラリー
をこのような所望のPロートによる流下時間のものにす
るには、スラリーとする前記保水材料と水の量を適切に
配合することで行える。
【0038】本発明では、このような保水性と透・排水
性とを両立した舗装体に、貯水槽を接続し、該貯水槽に
給水するための給水手段を併設することによって、長期
間にわたり持続した舗装表面の冷却性能を発揮させるこ
とが可能となるのである。このような舗装の用途として
は、歩道、車道等の道路舗装への適用が基本となるが、
この舗装及び舗装方法は、住宅用ブロック、床材、屋根
材、ビルの屋上材等としても用いることができる。
【0039】また、この技術は間隙を持つアスファルト
を母体としているが、透水性レンガ、ポーラスコンクリ
ート等にも、本発明と同様に保水材をその間隙に部分的
に充填すると共に、下層に貯水層と給水手段とを設ける
ことで利用することが可能である。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
【0041】(実施例1)前記図2は,この発明に係る
舗装を示すもので、路床10上には、砕石からなる厚さ
210mmの貯水層6を敷き、該貯水層6には、有孔管
7を施設してある。この有孔管7の材料は、微細な孔を
側壁に有する可とう性の硬質ゴム骨を使用した。貯水層
6の上に、まず、透水性の層として、排水性アスファル
ト(間隙率22%)又は開粒度アスファルト(間隙率1
4%)を流し込み、試験的な舗装を施工した。その後、
透水性の層が固化したので、その表面の間隙開口に予め
計算で求めた量の固化後に保水性を発揮する材料を含む
水スラリー3を流し込み、固化させて保水層である水硬
固化体を形成した。水スラリー3に含有させた水硬固化
体を形成させる材料には、本発明に従い、高炉スラグ微
粉末100重量部に対して非晶質SiO2を50質量%
以上含む100μm以下の粒子40重量部との混合物1
00重量部に、アルカリ刺激剤としてCa(OH)2を
15重量部添加したものを用いた。この試験舗装の施工
厚みは、50mmである。なお、使用した水スラリー
は、Pロート流下時間が15秒になるように調整したも
のである。なお、舗装の施工は、スラリーの注入条件を
種々変更して行われた。また、水スラリーの形成のため
配合した水の量は、前記材料の100重量部に対して8
0重量部である。
【0042】実施した本発明例及び比較例の施工条件及
び施工結果を表1に一括して示す。
【0043】
【表1】
【0044】施工結果は、以下の通りである。
【0045】施工性については、水スラリーのPロート
流下時間を種々変更して実施した結果、10秒以下の水
スラリーでは、施工はできたが、やや舗装が不均質にな
り、表面にムラが認められた。また、水スラリーのPロ
ート流下時間が20秒を超えると、施工体に振動をかけ
ても、水スラリーは流動するだけでなかなか間隙内に浸
透せず、舗装の表面を水スラリーが覆ったような状態に
なってしまい、水スラリーの存在が上層に偏っていると
推定された。これに対して、Pロート流下時間が10〜
20秒の水スラリーは、間隙内に円滑に侵入し、水スラ
リーの固化後にコア抜きして深さ方向の状況を調査した
ところ、50mmの深さ方向全体に良好な保水性の固化
体が形成していた。
【0046】透水性については、透水試験機を用いて評
価した。その透水試験機は、給水槽として内径50mm
で約700ccの容量を有するパイプを上部に持ち、そ
こから内径8mmのパイプで下部の路面に設置した円盤
につながっている。その円盤は、透水部が直径150m
mになるように地面に対して凹状になっている。この試
験機で400cc相当の流下時間を計測し、15秒あた
りの流下量に換算して透水性の判断基準とした。15秒
あたりの流下量が800cc以上の場合を良好(○
印)、400cc以上、800cc未満までの場合をや
や良好(△印)、400cc未満の場合を不良(×印)
として評価した。
【0047】本発明例では、いずれも固化体が埋まりき
らずに残っている表面開口を通じて、空隙内を下方へ水
が抜けており、従来の透水性しか備えていない舗装とほ
ぼ同等の流下特性及び水跳ね防止効果のあることが確認
された。一方、密粒度アスファルトや、スラリーの注入
量が多い比較例1や2では、透水しなかったり、極めて
ゆっくりとしか流下せず、雨のとき等に舗装の上を歩く
と水跳ねが起こってしまうと予想された。
【0048】なお、これら舗装の日射時に測定した温度
変化例を図5に示す。温度は、熱電対を舗装表面から2
0mmの位置に埋め込んでおき測定した。この図5よ
り、比較例の密粒度アスファルト舗装の温度が約50℃
以上になった条件でも、本発明例では、温度が40〜4
5℃まで低下しており、10℃以上の冷却効果のあるこ
とが明らかである。実際の表面温度は、さらに差が大き
いと推定される。また、比較例でも完全に浸透した場合
では、本発明例と同程度の効果が確認されたが、スラリ
ー量が少ない場合には、温度の低減効果が5℃程度と一
応の効果はあるものの、透・排水性及び保水性が両立で
きる構造にはなっていない。
【0049】以上のように、本発明例においては、高い
透・排水性と有効な保水性とを両立する材料構造である
ことが確認できた。さらに、舗装面温度(比較例の密粒
度アスファルトとの温度差)の経日変化の様子を図6に
示すが、降雨がなくとも、舗装面の冷却は14日経過し
ても継続していることがわかる。
【0050】(実施例2)前記図3は、本発明に係る別
形態の舗装を示すもので、路床10上には、前記導水部
材9として不織布を敷き、その上に厚さ150mmの砕
石からなる貯水層6を設ける。該不織布の両端は、道路
の両側に配設されている測溝8としてのU字管に接続さ
れている。この貯水層6の上に、本発明例1と同様に、
透・排水性を有する舗装体5を施工した。該側溝8に
は、渇水時に水を供給する導水管(図示せず)と、増水
時に水を側溝外に抜くバイパス管(図示せず)とを接続
した。
【0051】(実施例3)前記図4は、本発明に係るさ
らに別形態の舗装を示すもので、路床10上には、導水
部材9として不織布を敷き、その上に厚さ150mmの
砕石からなる貯水層6を設ける。該不織布の両端は、道
路の両側に配設されている暗渠11中に接続されてい
る。この貯水層6の上に、本発明例1と同様に、透・排
水性を有する保水性の舗装体5を施工した。該暗渠11
には、渇水時に水源から水を供給する導水管(図示せ
ず)と、増水時に水を暗渠外に抜くバイパス管(図示せ
ず)を接続した。
【0052】これら本発明例2及び3の場合の舗装面温
度(比較例の密粒度アスファルトとの温度差)の経日変
化の様子を図7に示す。降雨がなくとも、舗装面の冷却
は、14日経過しても継続していることがわかる。
【0053】(実施例4)本発明例1と同様な構造で、
保水性スラリー原料を変更して保水性及び透・排水性を
評価した。評価試験に用いた材料の組み合わせと評価結
果とを一括して表2に示す。透水性の層として、排水性
アスファルト(間隙率22%)、保水性の層として、
(A)粒度5〜74μmの部分を50質量%以上含むシ
ルト系粉末60重量%と残部セメント系固化材料40重
量%からなる混合材、(B)粒度50〜200μmの高
炉スラグ骨材50重量%と高炉スラグ微粉末50重量%
と高炉スラグ微粉末を100重量部に対してアルカリ刺
激剤20重量部からなる混合材、(C)保水性を有する
ポリマー原料50重量%とセメント系固化材料50重量
%からなる混合材の3種類を用いた。施工厚みは、排水
性アスファルトを50mmとして行なった。保水材につ
いては、水スラリーをPロート流下時間15秒になるよ
うに水を添加、調整して浸透させた。
【0054】
【表2】
【0055】保水性の特性確認試験は、舗装表面に5リ
ットル/m2の量の水を散水し、表面から25mmの位
置に熱電対を設置し、日射条件下で温度変化を測定し
た。透水性については、実施例1と同様な方法で現場透
水試験機を用いて評価した。
【0056】表2に示すように、施工性、透水性能とも
良好な特性を示した。また、冷却性能は、比較例の密粒
度アスファルト舗装が約50℃以上になった条件でも、
実施例では、40〜45℃まで低下しており、10℃以
上の冷却効果が確認された。実際の表面温度は、さらに
差が大きいと推定される。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、高い
透・排水性と高保水性とを兼ね備え、且つ従来より安価
で、且つ長期間にわたって冷却性能を保持できるアスフ
ァルト舗装が入手可能となった。その結果、都市で頻発
する「ヒートアイランド現象」の抑制が可能となるばか
りでなく、省エネルギーも達成することができる。さら
に、本発明は、自動車の水跳ね抑制等、生活環境の改善
及び排水設備の負荷軽減による洪水防止等にも貢献す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透・排水性及び保水性を兼ね備え
た舗装の施工状況を説明する図であり、(a)は舗装表
面の平面を、(b)は縦断面である。
【図2】本発明に係る透・排水性及び保水性を兼ね備え
た舗装の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る透・排水性及び保水性を兼ね備え
た舗装の別の例を示す図である。
【図4】本発明に係る透・排水性及び保水性を兼ね備え
た舗装のさらに別の例を示す図である。
【図5】舗装温度の経時変化を示す図である。
【図6】舗装温度(比較例の密粒度アスファルト温度と
の差)の経日変化を示す図である。
【図7】別の舗装温度比較例の密粒度アスファルト温度
との差)の経日変化を示す図である。
【符号の説明】
1 アスファルト混合物 2 間隙 3 保水材(水スラリー) 4 空隙 5 舗装体 6 貯水層 7 有孔管 8 側溝 9 導水部材 10 路床 11 暗渠 12 防水材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沼 啓明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2D051 AA02 AA03 AA05 AD07 AF01 AF03 AF05 AG01 AG11 AH02 AH03 EA02 EA06 EA07 EB04 EB06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスファルト混合物の層を有してなる舗
    装において、 前記アスファルト混合物の間隙に、保水材が部分的に充
    填され、且つ上面から下面及び/又は側面へ連通した空
    隙が残存している舗装体と、該舗装体の下側に積層さ
    れ、底面及び側面を防水材で囲んだ貯水層と、該貯水槽
    に給水を行う給水手段とからなることを特徴とする透・
    排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  2. 【請求項2】 前記保水材が、水を添加して養生され、
    固化後に保水性を発揮する材料であることを特徴とする
    請求項1記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗
    装。
  3. 【請求項3】 前記貯水層が、土砂、砂利、各種人工
    砂、高炉水砕スラグ粉末、砕石、高炉スラグ砕石、各種
    人工砕石、コンクリート破砕物、プラスチックス破砕
    物、高炉水砕スラグ、透水性アスファルト及び透水性セ
    メントコンクリートブロックより選ばれた1種又は2種
    以上からなる材料を内蔵することを特徴とする請求項1
    又は2記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  4. 【請求項4】 前記給水手段は、前記貯水層内に埋設さ
    れた有孔管と、該有孔管へ水を供給する水源とで形成し
    てなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  5. 【請求項5】 前記給水手段は、前記貯水層の縁部に配
    置され、水を流す側溝と、該側溝内の水の一部を、該貯
    水層内に吸い上げる導水部材とを備えており、且つ前記
    側溝には、渇水時に該側溝へ水を補給する導水管と、増
    水時に水を該側溝の外へ抜くバイパス管とを接続したこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透・排
    水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  6. 【請求項6】 前記給水手段は、前記貯水層の下方に配
    置され、内部に水を流す暗渠と、該暗渠から貯水層内へ
    水を吸い上げる導水部材とを備えており、前記暗渠に
    は、導水用配管を通じて水を供給する水源を接続したこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透・排
    水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  7. 【請求項7】 前記導水部材が不織布からなることを特
    徴とする請求項5又は6記載の透・排水性及び保水性を
    兼ね備えた舗装。
  8. 【請求項8】 前記固化後に保水性を発揮する材料が、
    高炉スラグ微粉末を50〜70質量%と、非晶質SiO
    2を50質量%以上含有する無機粉末を30〜50質量
    %と、該高炉スラグ微粉末と該無機粉末の合計100質
    量部に対してアルカリ刺激剤を3〜49質量部添加した
    混合材であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか
    に記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  9. 【請求項9】 前記固化後に保水性を発揮する材料が、
    粒度5〜74μm成分を50質量%以上含むシルト系粉
    末50〜80質量%と残部セメント系固化材料とからな
    る混合材であることを特徴とする請求項2〜7のいずれ
    かに記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  10. 【請求項10】 前記固化後に保水性を発揮する材料
    が、粒度50〜200μmの高炉スラグの骨材を30〜
    70質量%と高炉スラグ微粉末を、70〜30質量%
    と、該高炉スラグ骨材及び該高炉スラグ微粉末の合計1
    00質量部に対してアルカリ刺激剤を3〜49質量部以
    上添加した混合材であることを特徴とする請求項2〜7
    のいずれかに記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた
    舗装。
  11. 【請求項11】 前記固化後に保水性を発揮する材料
    が、保水性を有するポリマー原料30〜70質量%とセ
    メント系固化材料70〜30質量%とからなる混合材で
    あることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の
    透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  12. 【請求項12】 前記間隙の体積率が、舗装全体の12
    %以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    かに記載の透・排水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  13. 【請求項13】 前記舗装体の上面から少なくとも深さ
    10mmまでの空隙率が体積率で10%以上であること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の透・排
    水性及び保水性を兼ね備えた舗装。
  14. 【請求項14】 アスファルト混合物の間隙に、保水材
    が部分的に充填され、且つ上面から下面及び/又は側面
    へ連通した空隙を残存している舗装体と、該舗装体の下
    側に積層され、底面及び側面を防水材で囲んだ貯水層
    と、該貯水槽に給水を行う給水手段とからなる舗装を施
    工するに際して、 前記間隙に、固化後に保水性を発揮する材料を含む水ス
    ラリーを注入することを特徴とする透・排水性及び保水
    性を兼ね備えた舗装の施工方法。
  15. 【請求項15】 前記注入される水スラリーの量を、前
    記間隙の全体積の30〜70容量%とすることを特徴と
    する請求項14記載の透・排水性及び保水性を兼ね備え
    た舗装の施工方法。
  16. 【請求項16】 前記水スラリーが、Pロートで測定し
    た流下時間が10〜20秒のものであることを特徴とす
    る請求項14又は15記載の透・排水性及び保水性を兼
    ね備えた舗装の施工方法。
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