JP2003163086A - 有機el素子および有機elディスプレイ - Google Patents

有機el素子および有機elディスプレイ

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JP2003163086A
JP2003163086A JP2001361469A JP2001361469A JP2003163086A JP 2003163086 A JP2003163086 A JP 2003163086A JP 2001361469 A JP2001361469 A JP 2001361469A JP 2001361469 A JP2001361469 A JP 2001361469A JP 2003163086 A JP2003163086 A JP 2003163086A
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Japan
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organic
polymer
organic solvent
hole injection
injection layer
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JP2001361469A
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English (en)
Inventor
Seiji Tokito
静士 時任
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積化、高精細化および低コスト化と、高
発光効率化とを同時に実現することができる有機EL素
子および有機ELディスプレイを提供する。 【解決手段】 有機EL素子10は、陽極14が形成さ
れた基板12の上に、ホール注入層16、燐光性の発光
層18および陰極20をこの順で積層した構成を有す
る。ホール注入層16は、有機溶剤不溶性高分子を主成
分として含む。有機溶剤不溶性高分子は、ホール注入層
16を形成する材料中に存在する低分子や高分子を、ホ
ール注入層16を形成する過程で反応させて重合するこ
とにより、この有機溶剤不溶性高分子に変化させたもの
である。有機溶剤不溶性高分子は、発光層18を塗布形
成するときに用いる有機溶剤に不溶な高分子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子およ
び有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤に可溶な発光性高分子を材料と
して用いた有機EL素子(有機電界発光素子)の研究開
発が、フェニレンビニレン系やフルオレン系の高分子等
について活発に行われている。
【0003】この場合、成膜法としては、スピンコート
法、印刷法、インクジェット法等の塗布法が採用されて
いる。特に、インクジェット法は、フルカラーディスプ
レイの実用的な画素形成方法として期待されており、既
に小型のフルカラー試作パネルも提案されている。
【0004】このような発光性高分子を用いた有機EL
素子(以下、これを高分子EL素子ということがあ
る。)は、真空蒸着法によって形成される、後述する発
光性低分子を材料として用いた有機EL素子に比べ、デ
ィスプレイ材料に用いたときに大面積、高精細なディス
プレイを得ることができ、また、低コストでディスプレ
イを得ることができる点で優位にある。
【0005】一方、発光性低分子を材料として用いた有
機EL素子(以下、これを低分子EL素子ということが
ある。)についても、発光効率の超高効率化を実現する
手段としての観点から、研究が活発化している。これ
は、有機化合物の3重項励起状態からの発光である燐光
を活用するものであり、このような有機化合物として、
例えば、白金やイリジウムの金属錯体が報告されてい
る。燐光性有機化合物を利用した低分子EL素子は、従
来の蛍光性化合物を利用したEL素子が有する5%程度
の発光量子効率を凌ぐ、8%程度の発光量子効率を有す
る。ごく最近では、素子構成を工夫することで15%も
の超高効率の発光量子効率を達成可能であることが報告
されている(Appl.Phys.Lett.,Vol.77,pp.904(200
0))。
【0006】また、上記した低分子の燐光性有機化合物
を高分子に分散したドープ型高分子EL素子が報告され
ている(Appl.Phys.Lett.,Vol.77,pp.904(2000))。例
えば、イリジウム錯体をN−ビニルカルバゾールポリマ
ー(PVKポリマー)にドープした素子では、4%程度
の発光量子効率が得られるとされている。このようなド
ープ型高分子EL素子は、上記した高分子EL素子およ
び低分子EL素子のそれぞれの利点である、大面積化、
高精細化および低コスト化と、高発光効率化とを同時に
実現することができるデバイスであるといえる。また、
ごく最近では、高分子の側鎖に燐光性有機化合物を置換
したものでの燐光発光も報告されている(ICEL-3,Abstr
act,O-18(2001))。
【0007】ところで、高分子を用いたEL素子は、一
般的に、発光を得るために高い電圧を印加することが必
要であり、このことは上記ドープ型高分子EL素子につ
いても同様である。そして、この不具合を改善するため
に、陽極と発光層との間に、例えばポリエチレンジオキ
シフェニレンとポルスルフォン酸の混合物(以下、PE
DOT:PPSと表記する。)を材料とした導電性高分
子をホール注入層として挿入し、注入発光させることに
より低い印加電圧での発光を実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PED
OT:PPSはバンドギャップの非常に小さい高導電体
であるため、発光層の発光成分の励起状態によって生成
したエネルギがPEDOT:PPSとの界面まで移動し
て消失し、その結果、発光効率が低下する。
【0009】これに対して、バンドギャップの大きい、
言い換えれば、絶縁体的なホール注入材料として例えば
トリフェニルジアミン(TPD)やその誘導体であるα
−NPD等のトリフェニルアミン2量体を用いることが
検討されている。ところが、これらの材料を用いて形成
したホール注入層上に高分子発光材料を溶解した有機溶
剤の溶液を用いて塗布法により発光層を形成するとき、
有機溶剤によってホール注入層が侵される不具合があ
る。
【0010】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、大面積化、高精細化および低コスト化と、高
発光効率化とを同時に実現することができる有機EL素
子および有機ELディスプレイを提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る有機EL素
子は、陽極、ホール注入層、発光層および陰極を有する
有機EL素子において、該ホール注入層が、有機溶剤不
溶性高分子を主成分として含み、該発光層が、燐光性有
機化合物を含むことを特徴とする。
【0012】これにより、塗布法により燐光性の発光層
を形成するとき、有機溶剤によってホール注入層が侵さ
れることがなく、安定したホール注入層を形成すること
ができ、大面積化、高精細化および低コスト化と、高発
光効率化とを同時に実現することができる有機EL素子
を得ることができる。また、低電圧、低電流で取り扱う
ことができるため、長寿命の有機EL素子を得ることが
できる。このような有機EL素子は、ディスプレイ、照
明器具あるいは光源等に好適に適用することができる。
【0013】この場合、前記発光層が、前記燐光性有機
化合物を含む材料を有機溶剤に溶解した溶液を塗布する
ことにより形成されてなると、蒸着法に比べ、容易にか
つ安価に発光層を形成することができる。
【0014】また、この場合、有機溶剤不溶性高分子が
不溶な有機溶剤が、前記発光層を塗布形成するときに用
いる有機溶剤であると、上記した本発明の効果を好適に
得ることができる。
【0015】また、この場合、前記有機溶剤不溶性高分
子が、1または2以上の有機化合物を重合した重合体で
あると、好適である。
【0016】このとき、前記重合体が、前記1または2
以上の有機化合物を塗布法により塗布して塗布膜を形成
した後、該1または2以上の有機化合物を重合させて該
塗布膜を前記ホール注入層に形成することで生成されて
なるものであると、蒸着法に比べ、容易かつ安価にホー
ル注入層を形成することができる。
【0017】また、このとき、前記有機化合物が低分子
単量体であり、前記重合体が、該低分子単量体を蒸着材
料とする真空蒸着重合法により前記ホール注入層を形成
することで生成されてなると、好適である。
【0018】また、このとき、前記有機溶剤不溶性高分
子が、芳香族3級アミン構造を含むと、好適である。
【0019】また、本発明に係る有機ELディスプレイ
は、上記の有機EL素子が可撓性基板上にマトリクス状
に形成されてなることを特徴とする。
【0020】これにより、大面積化、高精細化および低
コスト化と、高発光効率化とを同時に実現することがで
き、また、長寿命であるとともに、フレキシブルな有機
ELディスプレイを得ることができる。
【0021】この場合、前記有機EL素子の発光層が、
塗布法により形成されてなると、蒸着法に比べ、容易に
製造することができ、かつ安価な有機ELディスプレイ
を得ることができる。また、カラーディスプレイとして
好適な大画面を有する有機ELディスプレイを得ること
ができる。
【0022】また、この場合、前記有機EL素子と2個
以上の薄膜トランジスタとで画素が形成されてなると、
高い応答速度を有する有機ELディスプレイを得ること
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る有機EL素子および
有機ELディスプレイの好適な実施の形態(以下、本実
施の形態例という。)について、以下に説明する。
【0024】まず、本実施の形態例に係る有機EL素子
について説明する。
【0025】図1に示すように、本実施の形態例に係る
有機EL素子10は、陽極14が形成された基板12の
上に、ホール注入層16、発光層18および陰極20を
この順で積層した構成を有する。
【0026】ホール注入層16は、有機溶剤不溶性高分
子を主成分として含む。
【0027】上記有機溶剤不溶性高分子は、ホール注入
層16を形成する材料中に存在する化学構造成分を、ホ
ール注入層16を形成する過程で反応させて重合するこ
とにより、この有機溶剤不溶性高分子に変化させたもの
である。
【0028】上記の化学構造成分として、好適には、例
えば下記式に示す3級アミンであるトリフェニルアミン
(1)やカルバゾール(2)、あるいはピラゾリン等を
挙げることができる。
【0029】
【化1】 また、化学構造成分は、上記のほか、チオフェン、フェ
ニレン、p−フェニレンビニレン、フルオレン等の芳香
族環、縮合環あるいはヘテロ環を含むものであってもも
よい。
【0030】1または2種類以上の上記の化学構造を含
む有機化合物を材料として用い、化学反応させてこれら
の有機化合物を重合させて重合体としたものをホール注
入層16とするプロセスにより、有機溶剤不溶性高分子
を主成分とするホール注入層16を得ることができる。
【0031】すなわち、例えば、下記式に示すような反
応部位を両端に有するトリフェニルアミン2量体(M.S.
Bayerl,Macromol,Rapid Commun.Vol.20,pp.224(1999))
を材料として用い、このトリフェニルアミン2量体を有
機溶剤に溶解した溶液に適宜反応開始剤を添加したもの
を、後述するように基板12に設けられた陽極14上に
塗布し、得られた塗布膜(層)に紫外線を照射する方法
を用いることができる。
【0032】
【化2】 また、上記と類似の有機化合物として、下記式に示すよ
うな反応部位を有するトリフェニルアミン2量体を用い
ることもできる。
【0033】
【化3】 これにより、トリフェニルアミン2量体が三次元的に結
合した重合体からなるホール注入層を得ることができ
る。この重合体は、汎用の有機溶剤に不溶であり、言い
換えれば、有機溶剤不溶性高分子である。ここで、重合
体が不溶な有機溶剤とは、好適には、後述する発光層を
塗布形成するときに用いる有機溶剤である。すなわち、
上記の有機溶剤不溶性高分子は、発光層を塗布形成する
ときに用いる有機溶剤に不溶な高分子である。この点
は、以下の他の実施例についても同様である。
【0034】また、下記式に示す高分子であるトリフェ
ニルアミン含有ポリエーテルケトンを材料として用い、
これに紫外線を照射すると、トリフェニルアミン含有ポ
リエーテルケトン間で架橋反応が起こり、有機溶剤不溶
性高分子とすることができる(第54回応用物理学会学術
講演会予稿集No.3,pp.445(1993))。
【0035】
【化4】 上記の紫外線を用いた重合方法においては、形成された
重合体にホール輸送の単位構造(成分)であるトリフェ
ニルアミン構造が保持されていることが必須であり、用
いる高分子材料の性質に応じて、紫外線照射条件やある
いは熱重合のときの加熱条件等を適宜選択する。この点
は、以下に説明する他の方法においても同様である。
【0036】また、例えば下記式中(3)に示す、それ
ぞれ両端に反応部位が付加された2種類の単量体を、基
板に設けられた陽極上に同時に真空蒸着して重合させて
下記式中(4)に示す中間化合物の形態を経由し、さら
に真空中で熱処理することで、下記式中(5)に示すト
リフェニルアミン構造を含む重合体を得ることができ
る。このとき、2種類の単量体の蒸着速度を1:1(同
一速度)に制御することにより、所定の構造の重合体を
得ることができる。得られる重合体は剛直な分子構造を
有し、有機溶媒に不溶である。この方法は、真空蒸着重
合法と呼ばれる。
【0037】
【化5】 また、上記と類似の蒸着重合法によるものとして、下記
式のものを用いてもよい。
【0038】
【化6】 また、以上説明したホール注入層形成の際に有機化合物
を反応させて重合体を得る方法やホール注入層形成材料
に重合体を用いる方法に限らず、例えば芳香族3級アミ
ンからなる化学構造を有し、水やアルコールに可溶な高
分子をそのまま直接に用いて、塗布法によりホール注入
層16を形成してもよい。このような水やアルコールに
可溶な高分子は、一般に、有機溶剤に不溶である。高分
子は、例えばイオン性を有するスルホニウム基、水酸
基、アンモニウム基あるいはカルボキシル基等の官能基
や、アルコキシ等の官能基を有するものを好適に用いる
ことができる。
【0039】発光層18は、燐光性有機化合物を発光成
分として含む。
【0040】上記燐光性有機化合物は、例えば、遷移金
属や希土類金属を含む金属錯体有機化合物であって、有
機溶剤に可溶で、有機溶剤溶液から均一な薄膜が形成で
きるものである。特に、高分子量の有機化合物であるこ
とが好ましい。この場合、高分子量の有機化合物に低分
子量の燐光性化合物を混合したものでもよく、また、高
分子量の有機化合物自体が蛍光性化合物に直接結合して
いてもよい。その代表的な化学構造としては、下記式に
示すイリジウムや白金の金属錯体が好適である。
【0041】
【化7】 基板12は、透明材料で形成される。透明材料からなる
基板としては、汎用的なガラス基板のほか、プラスチッ
クフィルムや金属フィルム等の可撓性を有する基板を用
いることができる。
【0042】プラスチックフィルムを用いるときは、耐
熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低
通気性および低吸湿性に優れた材料を用いる。このよう
な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミ
ド等が挙げられる。
【0043】金属フィルムを用いるときは、金属フィル
ムの陽極と接する側の面に絶縁層を形成する。
【0044】このような可撓性のあるフレキシブルな基
板12を用いることにより、フレキシブルな有機EL素
子10を得ることができる。
【0045】なお、基板12のいずれかの一面あるいは
両面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けると、好適で
ある。透湿防止層の材料としては、窒化ケイ素や酸化ケ
イ素等の無機物が好適である。透湿防止層は、高周波ス
パッタリング法等により成膜できる。
【0046】また、必要に応じてハードコート層やアン
ダーコート層を設けてもよい。
【0047】陽極14は、光透過性材料で形成される。
光透過性材料としては、汎用的なITOのほか、酸化イ
ンジウム、酸化スズおよび酸化インジウム酸化亜鉛合金
等を好適に用いることができる。また、陽極14は、
金、白金、銀マグネシウム等の金属の薄膜であってもよ
い。
【0048】陰極20の材料は、仕事関数の低いリチウ
ム、カリウム等のアルカリ金属や、マグネシウム、カル
シウム等のアルカリ土類金属を用いるのが、電子注入を
良好に行う観点から好適である。安定なアルミニウムも
陰極20の材料として好適である。
【0049】また、陰極20は、安定性と電子注入性と
を両立させるためには、2種類以上の材料を含む層とし
てもよく、それらの材料は、特開平2−15595号公
報や特開平5−121172号公報等に記載されている
ものを用いることができる。
【0050】また、陰極20は、アルミニウムを用いた
場合、アルミニウムと発光層18に接する界面にセシウ
ム、バリウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカ
リ金属やアルカリ土類金属の0.01〜100nm程度
の厚みの薄層を設けてもよい。
【0051】以上説明した本実施の形態例に係る有機E
L素子10の製造方法について説明する。
【0052】陽極14および陰極20は、いずれも、真
空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の公
知の方法で形成することができる。また、陽極14およ
び陰極20、このうち特に陽極14は、フォトリソグラ
フィ等による化学的エッチングや、レーザ等による物理
的エッチングによってパターニングすることが好まし
い。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタリング等
によってパターニングしてもよい。
【0053】ホール注入層16は、既に説明したよう
に、用いる有機溶剤の形態に応じて、有機化合物を有機
溶剤に溶解した溶剤を用いた塗布法や、蒸着法、真空蒸
着重合法等の各成膜方法から適宜選択した方法によって
形成することができる。
【0054】上記の各方法のうち、特に塗布法を用いる
と、蒸着法に比べ、容易かつ安価にホール注入層16を
形成することができる。このとき、有機溶剤は、例えば
クロロホルム、キシレン、トルエン、ヘキサン、ジクロ
ロメタン等を用いることができる。塗布して成膜したホ
ール注入層16は、前記有機化合物の重合体を主成分と
する。この重合体は、少なくとも後述する発光層18を
塗布法によって形成するときに用いる有機溶剤に不溶な
形態に形成されている。
【0055】発光層18は、スピンコート法、印刷法あ
るいはインクジェット法等の塗布法により形成する。こ
の場合、燐光性有機化合物を、例えばクロロホルム等の
有機溶剤に溶解した溶液を用いて塗布する。塗布法は、
製造コストが安価であるため好適である。このうち、特
にインクジェット法は、大面積の無数の画素を形成する
際に、各画素を異なる種類の有機化合物で塗り分けるこ
とができるため、容易にフルカラー化を実現することが
できる。燐光性有機化合物が比較的低分子の場合は、真
空蒸着法を用いて成膜してもよい。
【0056】なお、発光効率を高めるためには、発光層
18とともに電子輸送層やホール輸送層を有する積層構
造としてもよく、またさらに、電子注入層を設けてもよ
い。
【0057】本実施の形態例に係る有機EL素子10
は、塗布法により燐光性の発光層18を形成するとき、
有機溶剤によってホール注入層16が侵されることがな
く、安定したホール注入層16を形成することができ、
大面積化、高精細化および低コスト化と、高発光効率化
とを同時に実現することができる。また、低電圧、低電
流で取り扱うことができるため、長寿命の有機EL素子
を得ることができる。
【0058】つぎに、本実施の形態例に係る有機ELデ
ィスプレイについて説明する。
【0059】本実施の形態例に係る有機ELディスプレ
イは、本実施の形態例に係る有機EL素子10を備え
る。有機EL素子10は、基板12として例えばプラス
チックフィルムを用いる。
【0060】また、本実施の形態例に係る有機ELディ
スプレイは、本実施の形態例に係る有機EL素子10の
各画素単位に2個以上の薄膜トランジスタを配置し、薄
膜トランジスタによるアドレスと駆動によって、アクテ
ィブマトリクス方式のディスプレイとしたものである。
このとき、薄膜トランジスタとして、好適には有機トラ
ンジスタを用いる。
【0061】上記の有機ELディスプレイは、好適に
は、塗布法、特にインクジェット法や印刷法により形成
する。
【0062】本実施の形態例に係る有機ELディスプレ
イは、大面積化、高精細化および低コスト化と、高発光
効率化とを同時に実現することができ、また、長寿命を
有するとともに、高い応答速度を有する。
【0063】また、本実施の形態例に係る有機ELディ
スプレイは、有機トランジスタと可撓性の基板とを組み
合わせて用いているため、フレキシブルである。
【0064】また、本実施の形態例に係る有機ELディ
スプレイは、有機EL素子の発光層を塗布法により形成
しているため、容易かつ安価に、カラーディスプレイと
して好適な大画面が得られるる。
【0065】
【実施例】実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。
なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるも
のではない。
【0066】厚み150nmのITO膜(陽極)が上面
に形成されたガラス基板を準備した。
【0067】下記式で示すトリフェニルアミン構造を有
する有機化合物と、反応開始剤としての4−(チオ−フ
ェノキシフェニレン)ジフェニルーサルフォニウムヘキ
サフルオロアンチモラレイトとをクロロホルムに溶解
し、1質量%溶液を調製した。
【0068】
【化8】 この溶液を、スピンコート法によってITO膜上に塗布
し、厚み100nm程度に成膜した。
【0069】成膜したガラス基板を十分に乾燥した後、
水銀ランプをガラス基板に照射し、成膜中の上記有機化
合物に重合反応を起こさせ、有機溶剤に不溶な重合物
(高分子)に変化させ、ホール注入層を得た。
【0070】下記式中(6)に示すホール輸送性高分子
(PVK)と、下記式中(7)に示す燐光性金属錯体
と、下記式中(8)に示す電子輸送性高分子とをジクロ
ロエタンに溶解した溶液をスピンコート法により上記ホ
ール注入層上に塗布し、厚み100nmの発光層を形成
した。このとき、燐光性金属錯体(7)の発光層中含有
量は8質量%とした。さらに、この発光層上に厚み10
nmのカルシウム、厚み100nmのアルミニウムを連
続して真空蒸着して陰極を形成し、有機EL素子(高分
子EL素子)を得た。
【0071】
【化9】 上記有機EL素子に電圧を印加したところ、4Vの電圧
で燐光性高分子の緑色発光が得られた。このとき、6%
の発光量子効率が得られた。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る有機EL素子によれば、ホ
ール注入層が、有機溶剤不溶性高分子を主成分として含
み、発光層が、燐光性有機化合物を含むため、大面積
化、高精細化および低コスト化と、高発光効率化とを同
時に実現することができる。また、長寿命の有機EL素
子を得ることができる。
【0073】また、本発明に係る有機EL素子によれ
ば、発光層が、燐光性有機化合物を含む材料を有機溶剤
に溶解した溶液を塗布することにより形成されているた
め、蒸着法に比べ容易にかつ安価に発光層を形成するこ
とができる。
【0074】また、本発明に係る有機EL素子によれ
ば、重合体が、1または2以上の有機化合物を塗布法に
より塗布して塗布膜を形成した後、1または2以上の有
機化合物を重合させて塗布膜をホール注入層に形成する
ことで生成したものであるため、蒸着法に比べ、容易か
つ安価にホール注入層を形成することができる。
【0075】また、本発明に係る有機ELディスプレイ
によれば、上記の有機EL素子が可撓性基板上にマトリ
クス状に形成されているため、大面積化、高精細化およ
び低コスト化と、高発光効率化とを同時に実現すること
ができ、また、長寿命であり、さらにフレキシブルであ
る。
【0076】また、本発明に係る有機ELディスプレイ
によれば、有機EL素子と2個以上の薄膜トランジスタ
とで画素が形成されているため、高い応答速度を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例に係る有機EL素子の概略構成
を示す図である。
【符号の説明】
10 有機EL素子 12 基板 14 陽極 16 ホール注入層 18 発光層 20 陰極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極、ホール注入層、発光層および陰極
    を有する有機EL素子において、 該ホール注入層が、有機溶剤不溶性高分子を主成分とし
    て含み、 該発光層が、燐光性有機化合物を含むことを特徴とする
    有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記発光層が、前記燐光性有機化合物を
    含む材料を有機溶剤に溶解した溶液を塗布することによ
    り形成されてなることを特徴とする請求項1記載の有機
    EL素子。
  3. 【請求項3】 前記有機溶剤不溶性高分子が不溶な有機
    溶剤が、前記発光層を塗布形成するときに用いる有機溶
    剤であることを特徴とする請求項2記載の有機EL素
    子。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤不溶性高分子が、1または
    2以上の有機化合物を重合した重合体であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素
    子。
  5. 【請求項5】 前記重合体が、前記1または2以上の有
    機化合物を塗布法により塗布して塗布膜を形成した後、
    該1または2以上の有機化合物を重合させて該塗布膜を
    前記ホール注入層に形成することで生成されてなるもの
    であることを特徴とする請求項4記載の有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記有機化合物が低分子単量体であり、 前記重合体が、該低分子単量体を蒸着材料とする真空蒸
    着重合法により前記ホール注入層を形成することで生成
    されてなることを特徴とする請求項4記載の有機EL素
    子。
  7. 【請求項7】 前記有機溶剤不溶性高分子が、芳香族3
    級アミン構造を含むことを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有
    機EL素子が可撓性基板上にマトリクス状に形成されて
    なることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  9. 【請求項9】 前記有機EL素子と2個以上の薄膜トラ
    ンジスタとで画素が形成されてなることを特徴とする請
    求項8記載のアクティブマトリクス方式の有機ELディ
    スプレイ。
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