JP2003163260A - 静電吸着装置およびそれを用いた移動テーブル試料台 - Google Patents

静電吸着装置およびそれを用いた移動テーブル試料台

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JP2003163260A
JP2003163260A JP2001362724A JP2001362724A JP2003163260A JP 2003163260 A JP2003163260 A JP 2003163260A JP 2001362724 A JP2001362724 A JP 2001362724A JP 2001362724 A JP2001362724 A JP 2001362724A JP 2003163260 A JP2003163260 A JP 2003163260A
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electrostatic
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Kensho Murata
憲昭 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小さい印加電圧でより大きな静電吸着
力の発生が可能であり、かつクリーンな半導体製造プロ
セスに適し、精密な基板の固定保持を可能とする静電吸
着装置およびそれを用いた移動テーブル試料台を提供す
る。 【解決手段】 基台1と電極メッキ膜2と誘電層3とか
ら構成され、電極メッキ膜2に電圧Eを印加して吸着力
を発生する静電チャックであって、基台1はポアレスな
セラミックス部材で構成され、基台1上に製膜後残留圧
縮応力が働くような膜材質により電極メッキ膜2を形成
し、電極メッキ膜2上に溶射あるいはCVDなどの製膜
方法により誘電層3を形成する。基台1および誘電層3
の材質の熱膨張係数は、電極メッキ膜2の膜材質の熱膨
張係数よりも小さく、なおかつ前記製膜方法による誘電
層3の製膜時の雰囲気温度は誘電層3は電極メッキ膜2
を構成する膜材質の結晶化温度よりも低い温度で製膜さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハなど
の基板を静電吸着力により固定保持する静電チャック等
の静電吸着装置、およびそれを用いた移動テーブル試料
台に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVDやプラズマエッチングや
X線露光など、真空雰囲気あるいは減圧雰囲気で半導体
ウエハを処理する各種の半導体製造装置において、ウエ
ハを固定保持する方法として、真空中でもウエハの固定
保持が可能な静電チャックがよく用いられている。
【0003】図4に、よく使用される一般的な静電チャ
ックを示す。静電チャック全体を支える基台10の上面
に電極板11が接着により形成され、さらにその上に誘
電層12が形成されている。また、基台10および誘電
層12は絶縁材料であればよく、セラミックスやプラス
チックなどが用いられる。なお、同図において、ウエハ
5はウエハアース4と接続されることにより接地されて
いる。
【0004】静電チャックの吸着力Fは、以下の数式で
表わされる。
【0005】
【数1】 である。式(1)より、吸着力Fは、誘電層12の厚み
dの2乗に反比例していることがわかる。すなわち、印
加電圧Vを増加させないでできるだけ大きな吸着力を得
るには、誘電層12の厚みdを絶縁破壊が起きない範囲
で薄く平滑に形成することが必要である。
【0006】特公昭60−59104号公報には、誘電
層をより薄く平滑に形成する手段として、溶射を用いて
誘電層を製膜する方法が示されている。また、溶射など
の製膜方法により誘電層を薄く平滑に形成するために
は、その下地となる電極が平面度よく平滑に形成されて
いる必要がある。そのための手段として、特開平5−6
3063号公報では、メッキにより電極を形成させる方
法が示されている。これらの方法は、誘電層や電極の薄
膜形成が簡便に得られることにおいては優れた方法であ
ると言える。
【0007】半導体製造プロセスでは、Na、Li、K
などのアルカリ金属やFe、Ni、Crなどの重金属な
どといった不純物の混入汚染による歩留まりの悪化を嫌
うため、ウエハチャックの材質、特にウエハの裏面と接
触する静電チャック誘電層のセラミックスの材質はでき
るだけ高純度であることが要求される。この要求に応え
る誘電膜の製膜方法としては化学蒸着(CVD:Chemic
al Vapour Deposition)法があり、原料ガスを高純度化
することにより、99.99%レベルの高純度の製膜も
可能である。同時に薄く均一な厚みの膜が比較的簡単に
得られる。
【0008】すなわち、上面を精密に加工したセラミッ
クスの基台上にメッキまたは蒸着等で電極膜を形成し、
さらにその上にCVD法により誘電膜を形成させれば、
比較的小さい印加電圧でより大きな静電吸着力の発生が
可能であり、かつクリーンな半導体製造プロセスに適す
る静電チャックを得ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の製造方法では、以下に示すような問題があった。
半導体製造装置において、ウエハの固定支持に用いられ
る静電チャックの基台や誘電層の材質としてセラミック
スが用いられることが多い。これは、例えばX線露光装
置に使用される場合であれば、低熱膨張で高剛性なセラ
ミックスを静電チャックの材料とすることで、パターン
描画時のウエハの熱変形や振動による変形を抑えること
ができ、精密な描画を可能とするためである。
【0010】しかし、セラミックスの材質上の問題は、
金属の場合とは異なり、その組織内に気孔(ポーラス)
を含む傾向があることである。これは、セラミックスの
製造方法が金属とは大きく異なり、原料粉末の焼結によ
り製造することに起因する。
【0011】図5は、従来のセラミックスに含まれる粗
大な粒子や気孔についての説明図である。すなわち、セ
ラミックス組織を微視的に見れば粗大な粒子16が存在
したり、燒結(結合)時に消失しきれなかったすきまが
微少な気孔17として存在している。これは、必ずしも
均一に焼結反応が進まなかったことを意味する。このた
め、セラミックス部材を精密に仕上げ加工したとして
も、仕上げ面15にはこの気孔に起因する凹凸が残るこ
とになる。
【0012】図6は、従来例に係るメッキふくれ不良に
ついての説明図である。上記のようにして得られたセラ
ミックス基台上にメッキにより電極を施した場合、セラ
ミックス研削加工時の研削液やメッキ時のメッキ液が前
記気孔に染み込んだ状態でメッキ膜18が形成されてし
まうことになる。すなわち、メッキ膜18の下に研削液
やメッキ液が閉じ込められた状態となる。
【0013】このようにして製造された静電チャックの
電極膜上にCVDにより誘電膜を形成させる場合、CV
D製膜時に電極メッキ膜18下に閉じ込められた研削液
やメッキ液が加熱膨張し、その圧力によってメッキ膜1
8を押し上げるメッキふくれ不良19(図6参照)を引
き起こす場合がある。その場合は、誘電膜にも影響を及
ぼし、静電チャックの吸着面の平面度を悪化させること
につながる。セラミックスのメッキふくれ不良の問題に
ついては、例えば特開平5−148069号公報におい
ても論じられている。
【0014】また、メッキふくれ不良が発生するほどで
はなくても、基台のセラミックスと電極メッキ膜の熱膨
張係数の違いが大きければ、CVDによる誘電膜の製膜
時に熱応力が生じ、電極メッキ膜に微小クラックが生じ
て静電吸着力の分布にむらが発生してしまう場合もあ
る。また、そのような熱影響を受けなかったとしても、
染み込んだ研削液やメッキ液が後から表面に染み出して
きて、電極メッキ膜を変質させる恐れもある。電極を蒸
着により形成した場合でも、同様の問題の発生が懸念さ
れる。
【0015】また、例えば特許第2859993号公報
によれば、ドクターブレード法などの方法により、グリ
ーンシートと呼ばれるセラミックスの薄い板を成形し、
この表面に電極層を焼成(印刷)により形成した後、こ
の上にさらに別のセラミックスのグリーンシートを積層
し、これを一体焼成して作製する方法も開示されてい
る。しかし、こうしたグリーンシートを誘電層に用いる
場合、焼成による反りやひび割れの問題があり、あまり
薄く形成することは困難であり、1mm程度が限界であ
ると言われている。あるいは、グリーンシートを積層す
る際に層間の合わせ面に気泡が入りやすいといった問題
もある。さらに、一般的にセラミックスの成形焼成を行
う場合は、金属化合物を焼結助剤として添加する。ま
た、添加物の中には、アルカリ金属や重金属などのウエ
ハ汚染につながる種類のものもある。静電チャックの誘
電層は、ウエハと直接接触する面であり、微量ではある
もののこうした金属不純物が含まれていると吸着時にウ
エハの裏面に付着し、半導体製造工程の歩留まりを低下
させるなどの懸念がでていた。
【0016】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたものであり、比較的小さい印加電圧でより大きな静
電吸着力の発生が可能であり、かつクリーンな半導体製
造プロセスに適し、精密な基板の固定保持を可能とする
静電吸着装置およびそれを用いた移動テーブル試料台を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の静電吸着装置は、基台上に電極および誘電
層を積層して構成され、前記電極に電圧を印加して吸着
対象物に吸着力を発生する静電吸着装置であって、前記
基台はポアレスなセラミックス部材で構成され、前記電
極は製膜後残留圧縮応力が働くような膜材質により前記
基台上に形成され、前記誘電層はその製膜方法としてC
VD(化学蒸着)を用い前記電極上に形成されるととも
に、前記基台および前記誘電層の材質の熱膨張係数は前
記電極の膜材質の熱膨張係数より小さく、なおかつ前記
誘電層は前記製膜方法による製膜時の雰囲気温度が前記
電極を構成する膜材質の結晶化温度より低い温度で製膜
されることを特徴とする。
【0018】本発明において、前記基台を構成するセラ
ミックスの材質は、アルミナ、窒化珪素、または窒化ア
ルミニウムであるとよい。ここで、前記基台を構成する
セラミックスの材質が前記アルミナの場合、粒成長抑制
剤として、酸化マグネシウム、三酸化二鉄、酸化マンガ
ン、および二酸化チタンから選ばれるいずれか1種を添
加して焼成することによりセラミックスの緻密化を行う
ことが好ましい。また、前記電極の膜材質は、リン含有
率が8%以上、15%以下の無電解ニッケル−リンメッ
キであるとよい。さらに、前記誘電層の材質は、アルミ
ナ、窒化珪素、または窒化アルミニウムであるとよい。
【0019】また本発明において、前記誘電層は、その
製膜方法として雰囲気温度250度以下のプラズマCV
D、または、前記CVDの代替方法として溶射により形
成されることができる。また、前記誘電層の厚みは、5
0μm以上、1mm以下の間であるとよい。さらに、前
記誘電層の表面には、凹部と凸部とから成る段差を設け
てもよい。
【0020】さらに本発明において、前記基台の少なく
とも2つの面に前記電極と前記誘電層とが対をなしてそ
れぞれ形成されることが可能である。また、前記電極と
前記誘電層との少なくとも1対が前記基台を移動台上に
固定保持するために使用されることが可能である。ま
た、前記移動台の表面にアースをとるための導電性また
は半導電性のコーティングを施すとよい。さらに、前記
コーティングは、無電解ニッケル−リンメッキまたはS
iC(炭化珪素)−CVD膜より成るとよい。
【0021】上記課題を解決するために、本発明の移動
テーブル試料台は、基板を静電吸着力により固定保持す
る静電チャックを備える移動テーブル試料台において、
前記静電チャックとして、前記静電吸着装置を用いたこ
とを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態に係
る静電吸着装置は、基台と電極と誘電層とから構成さ
れ、前記電極に電圧を印加して半導体ウエハなどの基板
に吸着力を発生する静電チャックであって、前記基台は
ポアレスなセラミックス部材で構成され、前記セラミッ
クスの基台上に製膜後残留圧縮応力が働くような膜材質
により前記電極が形成され、前記電極上に溶射あるいは
CVDなどの製膜方法により前記誘電層が形成されると
ともに、前記基台および前記誘電層の材質の熱膨張係数
は、前記電極の膜材質の熱膨張係数よりも小さく、なお
かつ前記誘電層の製膜方法では前記電極を構成する膜材
質の結晶化温度よりも低い温度で前記誘電層が製膜され
たものである。
【0023】
【作用】上記の構成において、セラミックスの基台はポ
アレスのセラミックスを用いており、電極膜のメッキふ
くれ不良や変質をさせる心配がない。電極の膜材質は若
干の残留圧縮応力が生じる材質とし、基台および誘電層
の材質は電極の膜材質よりも適度に熱膨張係数の小さい
材質を用いているため、電極膜にクラックが発生するこ
とはない。
【0024】また、半導体ウエハなどの基板と接触する
静電チャックの誘電膜(誘電層)は、高純度なCVDで
製膜されているため不純物を含んでおらず、半導体製造
プロセス中に歩留まりを悪化させるような不純物が混入
することもない。また、CVDにより誘電膜が薄くかつ
均一に形成されているため、比較的小さい印加電圧で大
きな静電吸着力を得ることができる。誘電膜を形成する
CVDは、低温のCVDを用いているため、電極の膜を
熱変質させることもない。
【0025】さらには、静電チャック全体の厚みを薄く
することができるので、移動テーブル上に試料台として
載置する場合、省スペースおよび軽量化にもつながる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を用い
て詳細に説明する。 [第1の実施例]図1は、本発明の第1の実施例に係る
静電吸着装置としての静電チャックの構成を示す。同図
に示すように、セラミックス製の基台1上に電極メッキ
膜2が形成され、その上に誘電膜3が形成されている。
また、基台1の中央には、電極メッキ膜2に電圧Vを印
加するための電線を通すための貫通穴1aが形成されて
いる。また、同図において、ウエハ5は、ウエハアース
4と接続され、接地されている。
【0027】無電解ニッケル−リンメッキは、リン含有
量によってメッキ膜の残留応力状態が変化する。リン含
有量が8%〜15%の間の場合、残留応力は、若干の圧
縮応力状態になることが知られている。また、メッキ膜
のクラックの発生は、引っ張り応力状態の時に起こり、
圧縮応力状態では生じないことも知られている。なお、
これについては、例えば、電気鍍金研究会編:無電解め
っき 基礎と応用(1994年5月30日発刊)第36
頁〜第37頁[日刊工業新聞社刊]に詳しい。
【0028】電極メッキ膜2に使用するメッキは、残留
応力が圧縮応力となるようにリン含有率8%〜15%の
無電解ニッケル−リンメッキとする。また、電極メッキ
膜2を挟む誘電膜3と基台1のセラミックスの材質は、
電極メッキ膜2よりも熱膨張係数の小さいものを選ぶ。
これにより、静電チャックが誘電膜3の製膜やウエハ5
の露光等による熱を受けても、電極メッキ膜2を挟みこ
む誘電膜3および基台1が電極メッキ膜2以上には伸び
ようとせず、間に挟まれた電極メッキ膜2は圧縮応力状
態となる。すなわち、常に適度な圧縮応力状態に保たれ
るため、電極メッキ膜2にクラックが発生することはな
い。無電解ニッケル−リンメッキ膜の熱膨張係数は、1
3ppm程度である。従って、上記したセラミックスと
しては、これよりも熱膨張係数の小さいアルミナ(7〜
9ppm程度)や窒化珪素(2〜4ppm程度)、ある
いは窒化アルミニウム(4〜6ppm程度)などを用い
ればよい。
【0029】また、上記したセラミックスには、十分に
緻密化処理されたポアレスのセラミックスを用いる。十
分に緻密化処理されたポアレスのセラミックスを得るた
めの方法は、例えば、守吉、笹本、植松他:セラミック
スの焼結(1995年12月15日発刊)第6章〜第8
章[内田老鶴圃刊]に詳述されている。
【0030】十分に緻密化され、ポアレスのセラミック
スを得るためには、原材料であるセラミックス粉末の選
択が重要であり、粒径が小さく均一であることや粒形状
がそろっていること、粒径の分布が小さいこと、さらに
複数粒子が凝集したいわゆる二次粒子が少ないことなど
が条件としてあげられる。一般的に、セラミックスの成
形過程では、原料粉末を溶媒である液体に固溶させたい
わゆるスラリーを一旦作製する場合が多い。これは、ス
ラリーの状態にすることにより、微粒子の均一分散を図
ること、スラリーをボールミルなどで混合攪拌すること
により粒子、特に複数粒子が凝集してダマになった二次
粒子を十分に粉砕することなどの目的がある。
【0031】使用する原料粉末は、できるだけ粒径の小
さい微粒子である方が緻密化が図られやすい。しかし、
ミクロンオーダーの粒径の微粒子になると、粒子間に働
くファン・デル・ワールス力が支配的となるため、複数
粒子の凝集による二次粒子が発生しやすくなり、逆に微
粒子の均一分散がされにくくなるという現象が発生す
る。そのため、スラリー中に界面活性剤を添加したり、
あるいは粒子のζ電位を制御することなどにより凝集を
防ぐ方法をとることが望ましい。
【0032】アルミナの場合、従来法であるバイヤー法
由来のアルミナ粉末は、粒径が数十ミクロンと大きく、
粒径の分布も大きい。また、機械強度や電気絶縁性を悪
化させる二酸化ナトリウム(NaO2 )も0.3%程度
含んでいる。バイヤー法を改良した低ソーダ法の場合、
NaO2 は0.03%程度と改善され、粒径も数ミクロ
ン程度と微細化されているが、十分とは言いがたい。サ
ブミクロンオーダーの粒径で、かつ純度も99.99%
(4N)程度が得られるミョウバン法やAACH法、あ
るいはアルキル法で合成した高純度のアルミナ粉末を使
用するのが望ましい。さらに、焼成時の異常結晶粒の成
長を抑えるために、粒成長抑制剤である酸化マグネシウ
ム(MgO)などを添加したり、加圧雰囲気で焼成する
などの方法によってより緻密化され、気孔率の少ないポ
アレスのアルミナセラミックスを用いることが望まし
い。MgO以外にアルミナの緻密化効果が得られる添加
物には、三酸化二鉄(Fe23 )、酸化マンガン(M
nO)、二酸化チタン(TiO2 )などがある。
【0033】図2は、上記のようにして得られた緻密化
処理され気孔率の少ないポアレスのセラミックスを説明
する図であり、13は電極メッキ膜、14は緻密化され
たセラミックス粒子を示す。粒子14は、一様に緻密化
され、気孔を含まないことがわかる。
【0034】上記した基台の材質には、このようにして
得られたポアレスのセラミックスを用いるとともに、基
台の上面はその上に形成される電極膜および誘電膜の下
地面となるため、精密研削加工を行い、十分な平面度を
出しておく。ポアレスの材料であり表面の凹凸が少なく
なるため、アンカー効果が減少してメッキ膜の密着性が
低下する可能性がある。このため、研削加工後にメッキ
膜の着きをよくするために薬液による表面のエッチング
処理を行う。また、基台の寸法は、例えば12”ウエハ
用であれば、直径Φ300mm、厚さ5mm程度の円盤
形状とする。さらに、基台の中央には、直径Φ1mm以
下の貫通穴1aを形成する。
【0035】電極メッキ膜2の形成に先立ち、基台1の
表面を溶剤で脱脂処理をし、メッキ膜が形成される必要
のない側面および底面は、マスキングフィルムで覆う。
電極メッキ膜2の形成に用いる無電解リン−ニッケルメ
ッキの浴は、例えばクエン酸3ナトリウムを錯化剤とす
る基本浴とする浴を用いてリン含有率8%以上の無電解
リン−ニッケルメッキ膜を形成させる。メッキ膜が均一
となるように攪拌層とするのが望ましい。
【0036】図1の電極メッキ膜2を製膜した後は、精
密研削により表面研磨する。この上からCVD装置で誘
電膜3となるセラミックスの製膜を施す。CVDの方法
は、電極メッキ膜2への熱影響を抑えるために、プラズ
マCVDなどの低温CVDを用いて製膜する。無電解リ
ン−ニッケルメッキは熱による結晶化温度が250〜3
00℃程度であるため、CVDの雰囲気温度はそれ以下
であればよい。誘電膜3の材質としては、例えばアルミ
ナなどを用い、削りしろも含めて膜厚は250μm程度
に形成する。また、絶縁耐圧を考慮してあまり薄すぎて
もいけない。
【0037】誘電膜3を製膜した後は、精密研削により
吸着面となる上面を仕上げる。さらには、貫通穴1aを
通して電極メッキ膜2に対して電圧印加用の電線をろう
づけなどの方法により接着する。
【0038】本方法では、基台1の部分のセラミックス
と誘電層3のセラミックスの製法は別方法をとってい
る。すなわち、ウエハ5と直接接触し、アルカリ金属や
重金属などの不純物の混入を極端に嫌う誘電層3の部分
は、高純度なプラズマCVDで製膜する。ウエハ5と接
触しない基台1の部分は、そのような制約がない一方
で、メッキふくれ不良を防止するために緻密化ポアレス
化する必要がある。純度99.99%で微細化されたア
ルミナ原料粉末を使用して緻密化を図るとともに、さら
に緻密化ポアレス化を促進させるために、ごく微量のM
gOなどの粒成長抑制剤を添加することも許される。特
許第2859993号公報に開示されたような方法、す
なわち誘電層、電極、基台部分の全てをグリーンシート
の積層および焼成により製作する方法に比べると、制約
が少ない方法であると思われる。また、グリーンシート
の積層による方法であれば、積層する際に層間の合わせ
面に気泡が入りやすいといった問題があるが、減圧ある
いは真空雰囲気中で行うCVD法であればそのような問
題が発生することはない。また、膜中に気孔が含まれる
こともない。
【0039】次に、上記方法に基づいて直径Φ300m
m、厚さ5mm、誘電層厚み200μm、印加電圧40
0V、誘電層材質をアルミナとして静電チャックの発生
吸着圧力を上記した式(1)に基づいて計算したとこ
ろ、177Pa程度の吸着圧力が得られることがわかっ
た。ここで、アルミナの比誘電率は10とし、電極面積
はチャック面積の80%としている。また、本実施例で
の電界強度は、印加電圧V/誘電層厚みdより2kV/
mmとなる。アルミナの絶縁破壊電圧は10kV/mm
程度以上であり、絶縁耐圧上も問題ない。誘電層厚みd
をさらに薄くして50μmとすれば、2832Pa程度
の吸着圧力が得られ、電界強度は8kV/mmであり、
上記絶縁破壊電圧以下である。
【0040】なお、本実施例においては、前記誘電層
は、その製膜方法としてCVDによって製膜されること
について説明したが、本発明はCVDに限定されるもの
ではなく、このCVDの代替方法として溶射などの製膜
方法によって形成されてもよい。
【0041】[第2の実施例]図3は、本発明の第2の
実施例に係る静電吸着装置としての静電チャックおよび
これを移動テーブル試料台として用いた場合の構成を示
す。この静電チャックは、上記した第1の実施例におけ
る静電チャックを応用したものである。すなわち、基台
1の上面および下面には、電極メッキ膜2および誘電膜
3が対をなしてそれぞれ形成されている。それぞれの電
極メッキ膜2には、電圧Vを印加するための電線が各々
接続されており、各々に吸着力を発生させることが可能
である。基台1の上面では、ウエハ5を固定保持すると
ともに、基台1の下面で発生した静電吸着力により移動
テーブル7に静電チャックの固定保持がなされる。これ
によって、静電チャックは、試料台として移動テーブル
7と一体となって移動することが可能となる。また、移
動テーブル7上には、ウエハ5のアースを確保するため
のアース用爪6が取り付けられている。アース用爪6
は、ウエハ5や静電チャックの着脱の邪魔にならないよ
うに片側に取り付けられている。
【0042】移動テーブル7全体は絶縁材料で構成され
ていてもよいが、静電吸着力が発生するように移動テー
ブル上面には導電性あるいは半導電性のコーティング8
が施され、アース用爪6とともに電線によりアース20
に接続され、アースがとられている。また、2つの電極
2に対してスイッチ9がそれぞれ設けられ、別々に電圧
Vを印加することが可能となっている。導電性あるいは
半導電性のコーティングは、例えば無電解ニッケル−リ
ンメッキでもよいし、SiC−CVD膜でもよい。
【0043】この方式によれば、静電チャック全体の厚
さを薄くすることが可能であり、なおかつ静電チャック
の移動テーブル7への固定保持方法も機械的に固定保持
する方法と比べて簡便な構造となるため、省スペースか
つ軽量化を図ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電吸着
装置によれば、静電吸着装置のセラミックスの基台はポ
アレスのセラミックスを用いており、電極の膜のメッキ
ふくれ不良や変質をさせる心配がない。また、電極の膜
材質は若干の残留圧縮応力が生じる材質を用い、基台お
よび誘電層の材質は電極の膜の材質よりも適度に熱膨張
係数の小さい材質を用いているため、電極の膜にクラッ
クが発生することはない。
【0045】また本発明によれば、半導体ウエハなどの
基板と接触する静電吸着装置の誘電層は高純度なCVD
で製膜されているため不純物を含んでおらず、半導体製
造プロセス中に歩留まりを悪化させるような不純物が混
入することもない。また、CVDにより誘電層が薄くか
つ均一に形成されているため、比較的小さい印加電圧で
大きな静電吸着力を得ることができる。さらに、誘電層
を形成するCVDは、低温のCVDを用いているため、
電極の膜を熱変質させることもない。
【0046】さらに本発明の移動テーブル試料台によれ
ば、静電吸着装置全体の厚みを薄くすることができるの
で、移動テーブル上に試料台として載置する場合、省ス
ペースおよび軽量化にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る静電チャックを
示す構成図である。
【図2】 図1の静電チャックに用いられる緻密化処理
されたポアレスのセラミックスを説明する図である。
【図3】 本発明の第2の実施例に係る静電吸着装置お
よびこれを移動テーブル試料台として用いた場合の構成
図である。
【図4】 従来例に係るよく使用される一般的な静電チ
ャックを示す図である。
【図5】 従来例に係るセラミックスに含まれる粗大な
粒子や気孔について説明する図である。
【図6】 従来例に係るメッキふくれ不良についての説
明する図である。
【符号の説明】
1:基台、1a:貫通穴、2:電極メッキ膜、3:誘電
膜、4:ウエハアース、5:ウエハ、6:アース用爪、
7:移動テーブル、8:導電性あるいは半導電性のコー
ティング、9:スイッチ、10:静電チャック基台、1
1:電極板、12:誘電層、13:電極メッキ膜、1
4:緻密化されたセラミックス粒子、15:セラミック
スの仕上げ面、16:粗大な粒子、17:気孔、18:
メッキ膜、19:メッキふくれ不良、20:アース。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台上に電極および誘電層を積層して構
    成され、前記電極に電圧を印加して吸着対象物に吸着力
    を発生する静電吸着装置であって、前記基台はポアレス
    なセラミックスで構成され、前記電極は製膜後残留圧縮
    応力が働くような膜材質により前記基台上に形成され、
    前記誘電層はその製膜方法としてCVDを用い前記電極
    上に形成されるとともに、前記基台および前記誘電層の
    材質の熱膨張係数は前記電極の膜材質の熱膨張係数より
    小さく、なおかつ前記誘電層は前記製膜方法による製膜
    時の雰囲気温度が前記電極を構成する膜材質の結晶化温
    度より低い温度で製膜されることを特徴とする静電吸着
    装置。
  2. 【請求項2】 前記基台を構成するセラミックスの材質
    は、アルミナ、窒化珪素、または窒化アルミニウムであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電吸着装置。
  3. 【請求項3】 前記基台を構成するセラミックスの材質
    が前記アルミナの場合、粒成長抑制剤として、酸化マグ
    ネシウム、三酸化二鉄、酸化マンガン、および二酸化チ
    タンから選ばれるいずれか1種を添加して焼成すること
    によりセラミックスの緻密化を行うことを特徴とする請
    求項2に記載の静電吸着装置。
  4. 【請求項4】 前記電極の膜材質は、リン含有率が8%
    以上、15%以下の無電解ニッケル−リンメッキである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    静電吸着装置。
  5. 【請求項5】 前記誘電層の材質は、アルミナ、窒化珪
    素、または窒化アルミニウムであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の静電吸着装置。
  6. 【請求項6】 前記誘電層は、その製膜方法として雰囲
    気温度250度以下のプラズマCVD、または、前記C
    VDの代替方法として溶射により形成されることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電吸着装
    置。
  7. 【請求項7】 前記誘電層の厚みは、50μm以上、1
    mm以下の間であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の静電吸着装置。
  8. 【請求項8】 前記誘電層の表面に凹部と凸部とから成
    る段差を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の静電吸着装置。
  9. 【請求項9】 前記基台の少なくとも2つの面に前記電
    極と前記誘電層とが対をなしてそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    静電吸着装置。
  10. 【請求項10】 前記電極と前記誘電層との少なくとも
    1対が前記基台を移動する移動台上に固定保持するため
    に使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の静電吸着装置。
  11. 【請求項11】 前記移動台の表面にアースをとるた
    め、導電性または半導電性のコーティングを施したこと
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の静
    電吸着装置。
  12. 【請求項12】 前記コーティングは、無電解ニッケル
    −リンメッキまたはSiC−CVD膜より成ることを特
    徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の静電吸
    着装置。
  13. 【請求項13】 基板を静電吸着力により固定保持する
    静電チャックを備える移動テーブル試料台において、前
    記静電チャックとして、請求項1〜12のいずれか1項
    に記載の静電吸着装置を用いたことを特徴とする移動テ
    ーブル試料台。
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