JP2003170432A - 発泡体の製造方法及び発泡体 - Google Patents

発泡体の製造方法及び発泡体

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JP2003170432A
JP2003170432A JP2001375059A JP2001375059A JP2003170432A JP 2003170432 A JP2003170432 A JP 2003170432A JP 2001375059 A JP2001375059 A JP 2001375059A JP 2001375059 A JP2001375059 A JP 2001375059A JP 2003170432 A JP2003170432 A JP 2003170432A
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foam
thermoplastic resin
producing
temperature
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JP2001375059A
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Minoru Sugawara
稔 菅原
Toshitaka Kanai
俊孝 金井
Hiroyuki Kawahigashi
宏至 川東
Hiroshi Aida
宏史 合田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度が低下せず、外観が良好な発泡体を製造で
きる発泡体の製造方法およびこの製造方法によって製造
された発泡体を提供すること。 【解決手段】予め射出成形機1の金型12の表面温度、
すなわち、隙間121を形成し、樹脂と接する固定金型
と可動金型の表面温度を導入する熱可塑性樹脂の結晶化
温度±20℃又はガラス転移点±20℃の範囲に保って
おく。発泡剤と熱可塑性樹脂とをシリンダ111内に投
入し、スクリュウ112により混練する。これを金型1
2に導入し、金型12に接する樹脂の表面にスキン層が
形成され、その内部が溶融状態である間に、金型12の
可動金型を後退(コアバック)させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤または超臨
界状ガスを用いた熱可塑性樹脂の発泡体の製造方法及び
発泡体に関する。
【0002】
【背景技術】従来、電子機器、雑貨、及び自動車用の部
品等は強度や耐衝撃性などの物性の維持、改善に加え、
軽量化が求められている。このため、各部品等を構成す
る熱可塑性樹脂に発泡剤を混合し、加熱等する発泡方式
や、熱可塑性樹脂に超臨界状のガスを浸透させた後に、
この超臨界ガスを脱ガスするマイクロセルラー方式等の
各手段によって樹脂内にセルと呼ばれる空隙を形成し、
軽量化する発泡体の開発が行われている。樹脂の種類に
よって多少異なるが、どちらの方法においても金型の温
度は、作業効率等を考慮し、一般にエンジニヤリングプ
ラスチック(例えば、ポリカーボネートなど)で40℃
〜100℃、スーパーエンプラ(例えば、ポリイミド樹
脂等)で50℃〜150℃程度に保たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の方法の場合に
は、発泡によって表面にシルバーストリークと称する銀
白色の筋状のものが生じて、外観がよくないという問題
がある。その上、発泡によって生じるセルが大きすぎ
て、得られた成形品の強度が低下するという問題もあ
る。一方、後者の方法の場合には、成形品内部に形成さ
れるセルが比較的小さくなるため、得られた成形品の強
度は十分確保できるものの、シルバーストリークの発生
による外観不良が発生しやすいという問題がある。
【0004】本発明の目的は、強度が低下せず、外観が
良好な発泡体を製造できる発泡体の製造方法およびこの
製造方法によって製造された発泡体を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は以下
の構成を採用して前記目的を達成しようとするものであ
る。本発明の発泡体の製造方法は、熱可塑性樹脂100
重量部に発泡剤を0.1から20重量部混合する工程
と、前記熱可塑性樹脂が接する金型の表面温度を前記熱
可塑性樹脂の結晶化温度±20℃またはガラス転移点±
20℃に保持した金型に前記発泡剤を含有した熱可塑性
樹脂を導入する工程とを備えることを特徴とする。熱可
塑性樹脂を金型に導入する工程において、樹脂が結晶性
樹脂である場合には、金型の表面温度を結晶化温度±2
0℃に保持し、非結晶性樹脂である場合には、金型の表
面温度をガラス転移点±20℃に保持する。
【0006】ここで、発泡剤としては、熱分解により二
酸化炭素または窒素等を発生する熱分解型発泡剤が考え
られる。例えば、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニ
トロソペンタテトラミン、アゾビスイソブチロニトリ
ル、クエン酸、重曹、ブタン、ペンタン、ジクロロジフ
ロロメタン等があげられる。
【0007】また、熱可塑性樹脂としては、通常の発泡
成形ができるものであればよく、例えば、スチレン樹脂
(ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アク
リロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・
ブタジエン、スチレン共重合体等)、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−
エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタ
ール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコー
ル、ポリメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等)、生分解性ポリエステル樹脂(ポリ乳酸等のヒドロ
キシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのよ
うなジオールとジカルボン酸の縮合物など)、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエ
ーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー等の一種または
二種以上の混合物があげられる。さらに、必要に応じて
熱可塑性樹脂に熱可塑性エストラマーや無機充填剤を配
合してもよい。
【0008】また、それぞれの熱可塑性樹脂の標準的な
荷重条件、測定条件で測定するメルトフローインデック
ス(MI)が、0.1から200g/10分、好ましく
は1から100g/10分程度の範囲内にあることが好
ましい。MIが上記範囲を外れると好適な成形加工性を
保ちつつ、微細な発泡セルを形成することが困難となる
場合がある。なお、標準的な荷重条件としては、AST
Mで規定された条件を目安とする。例えば、ポリプロピ
レンの場合、230℃、2.16kg/cm2、ポリス
チレンの場合、200℃、5.0kg/cm2である。
標準的な測定条件としてASTM D1238に定めら
れた測定条件があり、これに従って測定を行う。
【0009】熱可塑性樹脂と発泡剤を混合する工程で
は、通常、発泡剤又は発泡剤含有マスターバッチと熱可
塑性樹脂を機械的に混合する。ブタン、ペンタン、ジク
ロロジフロロメタン等の低沸点有機物を発泡剤として使
用する場合は、混練機内の熱可塑性樹脂の溶融している
部分にプランジャーポンプ等で供給してもよい。また、
金型の表面温度を結晶化温度±20℃または、ガラス転
移点±20℃に保持するためには、通常の金型にヒータ
と冷却ユニットとを設け、頻繁にそれぞれのオン・オフ
を繰り返すことにより調整してもよいが、断熱金型を用
いて温度を維持してもよい。
【0010】本発明において、発泡剤が熱可塑性樹脂に
対し0.1重量部よりも少ないと、微細な発泡セルを得
ることができず、20重量部よりも多いと発泡体表面に
水膨れが生じ、外観不良となってしまう。従って、本発
明では、発泡剤の量を前記範囲内としたため、このよう
な問題が起こらない。
【0011】また、金型の表面温度を結晶化温度または
ガラス転移点+20℃よりも高くすると樹脂の表面が溶
融して十分な外観を確保できず、シルバーストリークも
発生しやすい。また、金型の表面温度を結晶化温度また
はガラス転移点−20℃未満とすると、表面転写が悪く
なる。本発明の製造方法では、金型の表面温度を結晶化
温度±20℃または、ガラス転移点±20℃の範囲に保
つことにより、樹脂が金型に転写した後、素早くスキン
層が形成されるため、発泡剤の発泡ガスが発泡体と金型
の表面との間に滞留することがなく、高転写、高光沢で
シルバーストリーク等の外観不良のない発泡体を得るこ
とができる。
【0012】また、金型の表面温度を前記範囲内に保つ
と、熱可塑性樹脂の温度低下に伴う粘度上昇の割合と、
発泡ガスの拡散速度とがつりあって、粗大発泡の生成を
防止することができる。これにより、発泡体の強度の低
下を防ぐことができる。
【0013】このような本発明の製造方法により得られ
た発泡体は以下のような用途がある。自動車分野におい
ては、外装部品としてバンパー、フェンダー、ドア、サ
イトモール、ランプリフレクター等に使用することがで
きる。また、内装部品としては、インパネ、コンソー
ル、トリム等がある。さらに、エンジンルーム部品とし
ては、エンジンカバー、エアクリ等がある。家電OA分
野では、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の各種パネルの他、パ
ソコン、プリンター、電話の各種パネルに使用すること
ができる。住設分野においては、トイレユニットの便
座、蓋、バスユニットの天井、壁、収納パネル、浴槽に
使用することができる。
【0014】この際、前記金型内に導入された熱可塑性
樹脂の少なくとも一部が溶融状態にある間に、前記金型
内の圧力を低下する工程を備えることが好ましい。
【0015】金型の圧力を低下させる方法としては、金
型の型締め圧をゆるめる方法や、発泡剤を含有した熱可
塑性樹脂を導入する前に、金型内に10から200kg
/cm2の不活性ガスを充満しておき、前記樹脂導入後
に不活性ガスを抜く方法、金型の温度を急速に下げる方
法、金型内に樹脂を充填した後、金型の一部又は全部を
後退させる方法がある。金型内の圧力を低下させること
で多数の発泡核が生成し、それを中心に発泡セルが成長
して均一な発泡セルを持つ発泡体が得られる。
【0016】また、前記金型内の圧力の低下は、前記熱
可塑性樹脂の金型に接する表面にスキン層が形成され、
その内部が溶融状態にある間に、前記金型の一部あるい
は全部を後退させることにより行われることが好まし
い。金型を後退させる割合は必要とする発泡倍率にあわ
せればよく、通常は1.5倍から3倍程度である。金型
の表面温度は少なくとも金型の一部または全部を後退さ
せる工程が終了するまで保持することが好ましい。金型
内の樹脂の金型に接する表層にスキン層が形成され、内
部が溶融状態である間に金型の一部または全部を後退さ
せることで、発泡セル径のバラツキ(分布)が小さくな
る。また、溶融樹脂を膨張させる前にスキン層が形成さ
れるので、スキン層を確実に形成でき、外観品質に優れ
た発泡体が得られる。
【0017】本発明の発泡体の製造方法は、熱可塑性樹
脂100重量部に超臨界状ガスを0.1から20重量部
浸透させる工程と、前記熱可塑性樹脂が接する金型の表
面温度を前記熱可塑性樹脂の結晶化温度±20℃または
ガラス転移点±20℃に保持した金型に前記超臨界状ガ
スを浸透させた熱可塑性樹脂を導入する工程とを備える
ことを特徴とする。請求項1記載の発明と同様、熱可塑
性樹脂を金型に導入する工程において、樹脂が結晶性樹
脂である場合には、金型の表面温度を結晶化温度±20
℃に保持し、非結晶性樹脂である場合には、金型の表面
温度をガラス転移点±20℃に保持する。
【0018】ここで、ガスは熱可塑性樹脂に溶け込むこ
とができ、かつ不活性であればよいが、安全性、コスト
等の面から二酸化炭素や窒素またはこれらの混合ガスが
好ましい。また、超臨界状ガスを熱可塑性樹脂に浸透さ
せる方法としては、超臨界状ガスを加圧または減圧した
状態で注入する方法や液体状態の不活性ガスをプランジ
ャーポンプ等で注入する方法がある。超臨界状ガスを熱
可塑性樹脂に浸透させる場合の圧力は、浸透させる超臨
界状ガスの臨界圧以上を必須とし、より浸透速度を向上
させるためには、15MPa以上、さらに好ましくは2
0MPa以上である。
【0019】本発明において、超臨界状ガスが熱可塑性
樹脂に対し0.1重量部よりも少ないと、微細な発泡セ
ルを得ることができず、20重量部よりも多いと発泡体
表面に外観不良が生じ、粗大な発泡セルが生成しやすく
なる。本発明では、発泡剤の量を前記範囲内としたた
め、このような問題が起こらない。
【0020】また、本発明の製造方法では、実際の金型
の表面温度を結晶化温度±20℃または、ガラス転移点
±20℃の範囲に保つことにより、請求項1記載の発明
と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法
により得られた発泡体には、請求項1記載の製造方法で
得られた発泡体と同様の用途がある。
【0021】この際、前記金型内に導入された熱可塑性
樹脂の少なくとも一部が溶融状態にある間に、金型内の
圧力を低下する工程を備えることが好ましい。金型の圧
力を低下させることで、熱可塑性樹脂に浸透しているガ
スが過飽和状態になり、多数の発泡核が発生し、結果と
して均一な発泡セルを持つ発泡体を得ることができる。
【0022】また、前記金型内の圧力の低下は、前記熱
可塑性樹脂の金型に接する表面にスキン層が形成され、
その内部が溶融状態にある間に、前記金型の一部あるい
は全部を後退させることにより行われることが好まし
い。
【0023】これによれば、金型内の樹脂の金型に接す
る表層にスキン層が形成され、内部が溶融状態である間
に金型の一部または全部を後退させることで、発泡セル
径のバラツキ(分布)が小さくなる。また、溶融樹脂を
膨張させる前にスキン層が形成されるので、スキン層を
確実に形成でき、外観品質に優れた発泡体が得られる。
【0024】さらに、少なくとも前記熱可塑性樹脂を前
記金型に導入する工程が終了するまでは、前記超臨界状
ガスを超臨界状態に維持することが好ましい。
【0025】超臨界状ガスを含む熱可塑性樹脂を金型内
に導入し終わる以前に、超臨界状態でなくなってしまう
と、発泡しにくくなるうえ、シルバーストリークの原因
ともなる。これに対し、本発明では、超臨界状ガスを、
少なくとも熱可塑性樹脂を金型に導入する工程が終了す
るまでは、超臨界状態に維持するため、このような問題
が起こらない。
【0026】以上の発泡体の製造方法において、前記金
型は断熱金型であることが好ましい。金型を断熱金型と
することで、金型の表面温度の調整が容易となる。ここ
で、断熱金型としては、耐熱性に優れた断熱材、例え
ば、セラミック焼結体により形成された金型や、通常の
金型の表面に成形温度で溶融しない樹脂フィルムや樹脂
発泡体を貼り付けたもの等が考えられる。例えば、成形
する樹脂がポリプロピレンの場合は、一般的なOHP用
PETフィルムを通常の無断熱の金型の表面に貼り付け
ることで断熱金型とすることができる。なお、通常の金
型を使用する場合には、金型の表面温度は溶融した樹脂
が接触しても素早く熱平衡に達して金型の設定温度と大
差なくなることが多いが、断熱金型を用いる場合、一般
的に金型の表面温度は金型の設定温度よりも20℃から
50℃程度高くなることに留意して金型の設定温度を設
定することが好ましい。
【0027】本発明の発泡体は、以上のような製造方法
によって製造され、その表面の光沢度が80%以上であ
ること、または、前記超臨界状ガスを浸透させた熱可塑
性樹脂を脱圧することにより得られることを特徴とす
る。前述の発泡体の製造方法においては、光沢度がJI
S K 7105(入射角、反射角とも60°)80%
以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以
上の発泡体を得ることができる。また、通常の化学発
泡、物理発泡により得られた発泡体はセルの径分布が1
00から500ミクロンのものが好ましいとされている
が、本願発明の製造方法により製造され、かつ、超臨界
状ガスが浸透された熱可塑性樹脂を脱圧することにより
得られる発泡体のセルの分布は100ミクロン以下、さ
らには、50ミクロン以下とすることができ、粗大なセ
ルの形成を防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1には、本発明の発泡体を
製造するための射出成形機1が示されている。この射出
成形機1は、発泡剤と熱可塑性樹脂であるポリプロピレ
ンとを混合したものから所定形状の発泡体である射出成
形品を製造する機械であり、射出成形機本体11と、金
型12とを備える。
【0029】ポリプロピレンはペレット状に形成された
ものであり、その結晶化温度は126℃である。発泡剤
はポリプロピレン100重量部に対し、0.1から20
重量部混合される。発泡剤の混合は、発泡剤含有マスタ
ーバッチペレットとしてポリプロピレンに添加されるこ
とにより行われる。また、この発泡剤とポリプロピレン
とを混合したものに、発泡核として作用する添加剤とし
て、無機微粉末や微細な無機繊維が添加される。例え
ば、無機微粉末としては、タルク、炭酸カルシウム、ナ
ノ分散した層状珪酸塩、クレー、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛、ガラスビーズ、ガラスパウダー、酸化チタン、
カーボンブラック、無水シリカ等がある。また、無機繊
維としては、ウィスカー、ガラス繊維等がある。この無
機微粉末や無機繊維をポリプロピレン100重量部に対
し、0.01から30重量部添加することが好ましく、
特に0.1から10重量部添加することが好ましい。従
って、ポリプロピレンに発泡剤含有マスターバッチペレ
ット、添加剤を混合させたものが原料となる。
【0030】射出成形機本体11は、投入されるポリプ
ロピレンを可塑化して金型12に射出するものであり、
ヒータ111Aを有するシリンダ111と、このシリン
ダ111内に配置されるスクリュウ112と、シリンダ
111内に原料を投入するホッパ113と、スクリュウ
112を回転させる油圧装置114と、シリンダ111
及び金型12をつなぐノズル115とを備えている。ホ
ッパ113から投入され、シリンダ111のヒータ11
1Aにより加熱された原料は、スクリュウ112により
可塑化され、ノズル115側へと移動し、ノズル115
を介して金型12内へ高圧で射出される。
【0031】金型12は、ノズル115に取り付けられ
る固定金型12Aと、この固定金型12Aに対して進退
可能な可動金型12Bとを備えており、可動金型12B
の進退には型締装置(図示略)が利用されている。固定
金型12Aと可動金型12Bとの間には所定形状の隙間
121が形成されている。射出成形機本体11から射出
された可塑化ポリプロピレンは隙間121に充填され、
充填されたポリプロピレンは隙間121の形状に成形さ
れる。この金型12は断熱金型であり、固定金型12A
と可動金型12Bの隙間121を形成する面には耐熱効
果を発揮する断熱材、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートのフィルムが貼り付けられており、断熱金型となっ
ている。なお、金型12としては、例えば、特開平07
-164500、特開平10−193421等に示され
ているようなものがある。
【0032】以上のような射出成形機1を用いた発泡体
の製造方法を説明する。まず、予め、ヒータ111Aに
よりシリンダ111を予熱し、金型12の表面温度、す
なわち、隙間121を形成し、樹脂と接する固定金型と
可動金型の表面温度をポリプロピレンの結晶化温度±2
0℃の範囲に保っておく。本実施形態では断熱金型を使
用しているため、金型の表面温度は、金型の設定温度よ
りも一般に20℃から50℃程度高くなることに留意し
て金型温度を設定することが好ましい。次いで、油圧装
置114を作動させ、スクリュウ112を回転させる。
【0033】この状態でペレット状のポリプロピレン、
発泡剤含有マスターバッチペレット、添加剤の原料をホ
ッパ113を介して、シリンダ111内に投入する。ス
クリュウ112により、ポリプロピレン、発泡剤含有マ
スターバッチペレット、添加剤を混練する(混合工
程)。また、ポリプロピレンはシリンダ111の熱及び
スクリュウ112からの圧力により可塑化する。スクリ
ュウ112の回転により原料を移動させ、ノズル115
を介して、その表面温度が結晶化温度±20℃の範囲に
保たれた金型12内の隙間121に導入する(導入工
程)。
【0034】金型12に接するポリプロピレンの表面に
スキン層が形成され、その内部が溶融状態である間に、
金型12の可動金型を後退(コアバック)させる(圧力
低下工程)。これにより、発泡剤が発泡する。金型12
の表面温度は、少なくとも可動金型を後退させるまで、
結晶化温度±20℃の範囲に保っておく必要がある。
【0035】ポリプロピレンは、金型12に導入され、
金型12の表面に接すること、及び金型12の可動金型
を後退させることで急速に冷却されるが、この冷却速度
は10℃/秒以下が好ましく、特に5℃/秒以下が好ま
しい。冷却速度が10℃/秒を超えると連続した発泡部
が生成したり、粗大な発泡が生成するおそれがあり、均
質な発泡構造にならない場合がある。さらに、この状態
で冷却、固化し、所定の冷却時間が経過したら、金型1
2を開き、成形品を取り出す。このようにして得られた
発泡体の表面の光沢度は80%以上となる。
【0036】従って、本実施形態によれば、以下の効果
を奏することができる。 (1)発泡剤がポリプロピレンに対し0.1重量部より
も少ないと、微細な発泡セルを得ることができず、20
重量部よりも多いと発泡体表面の外観が不良となってし
まう。前記実施形態では、発泡剤の量を前記範囲内とし
たため、このような問題が起こらない。
【0037】(2)金型の表面温度を結晶化温度+20
℃よりも高くすると樹脂の表面が溶融して十分な外観性
を確保できず、シルバーストリークも発生しやすい。ま
た、金型の表面温度を結晶化温度−20℃未満とする
と、表面転写が悪くなる。本実施形態では、樹脂が導入
される際、金型12の表面温度を結晶化温度±20℃の
範囲に保つことにより、樹脂が金型12に転写した後、
素早くスキン層が形成されるため、発泡剤の発泡ガスが
発泡体と金型12の隙間121を形成する面との間に滞
留することがなく、高転写、高光沢でシルバーストリー
ク等の外観不良のない発泡体を得ることができる。さら
に、金型の表面に0.5ミクロン以上の凹凸がある場
合、特に正確に転写されにくい0.5ミクロンから10
ミクロン程度の凹凸がある場合でも正確に転写した発泡
体を得ることができる。
【0038】(3)樹脂が導入される際、金型の表面温
度を結晶化温度±20℃の範囲内に保つと、熱可塑性樹
脂の温度低下に伴う粘度上昇の割合と、発泡ガスの拡散
速度とがつりあって、粗大発泡の生成を防止することが
できる。これにより、発泡体の強度の低下を防ぐことが
できる。
【0039】(4)樹脂導入後、金型12内の圧力を低
下させることで、多数の発泡核が生成し、それを中心に
発泡セルが成長するため、均一な発泡セルを持つ発泡体
が得られる。
【0040】(5)金型12内の樹脂の金型12に接す
る表層にスキン層が形成され、内部が溶融状態である間
に金型12の可動金型を後退させたため、発泡セル径の
分布が小さくなる。
【0041】(6)スキン層が形成されてから可動金型
を後退させるため、スキン層を確実に形成でき、外観品
質に優れた発泡体が得られる。
【0042】(7)金型12の表面に断熱材を貼り、断
熱効果を発揮する断熱金型としたため、ヒータや冷却ユ
ニットを用いて金型の表面温度調節する場合に比べ、金
型の表面温度を結晶化温度±20℃の範囲内に保つこと
が容易となり、発泡体の製造作業に手間がかからない。
【0043】次に、本発明の第二実施形態を図2を用い
て説明する。なお、第一実施形態と同一または相当構成
品には同じ符号を付し、説明を省略または簡略する。図
2には、射出成形機2が示されている。この射出成形機
2は、超臨界状ガスとポリプロピレンとを混合したもの
から射出成形品を製造する機械であり、第一実施形態の
射出成形機1と略同じ構造であるが、射出成形機本体1
1のシリンダ111に超臨界状ガス導入装置21が設け
られている点で射出成形機2と異なっている。この超臨
界状ガス導入装置21は、窒素ガスが充填されているガ
スボンベ211と、ガスボンベ211からの窒素ガスを
臨界圧力まで昇圧する昇圧機212と、臨界圧力まで昇
圧された超臨界状ガスのシリンダ111内への導入量を
制御する制御ポンプ213とを備える。
【0044】次に、この射出成形機2を用いた発泡体の
製造方法について説明する。まず、第一実施形態と同
様、予めシリンダ111を予熱し、金型12の表面温度
をポリプロピレンの結晶化温度±20℃の範囲に保って
おく。ペレット状のポリプロピレン、添加剤をホッパ1
13を介してシリンダ111内に投入する。ガスボンベ
211を開き、窒素ガスを昇圧機212で臨界圧力以上
(好ましくは15MPa、さらに好ましくは20MPa
以上)、臨界温度以上に昇圧、昇温する。制御ポンプ2
13を開き、超臨界状ガスをシリンダ111内に導入
し、ポリプロピレンが可塑化している部位に浸透させる
(浸透工程)。この際、超臨界状ガスをポリプロピレン
100重量部に対し、0.1から20重量部浸透する。
【0045】次に、スクリュウ112によりシリンダ1
11内の原料を移動させ、その表面温度が結晶化温度±
20℃の範囲に保たれた金型12内の隙間121に導入
する(導入工程)。この際、超臨界状ガスが、原料が金
型12内への導入が終了するまでは、超臨界状態を維持
するため、型締を加えたり、カウンタープレッシャーを
かけておいてもよい(臨界状態維持工程)。金型12に
接するポリプロピレンの表面にスキン層が形成され、そ
の内部が溶融状態である間に、金型12の可動金型12
Bを後退させ、脱ガスを行う(圧力低下工程)。金型1
2の表面温度は、少なくとも可動金型を後退させるま
で、結晶化温度±20℃の範囲に保っておく必要があ
る。さらに、冷却、固化し、所定の冷却時間が経過した
ら、金型12を開き、成形品を取り出す。このようにし
て得られた発泡体の表面の光沢度は80%以上、セルの
分布は100ミクロン以下となる。
【0046】第二実施形態によれば、第一実施形態と同
様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏す
ることができる。 (8)通常、窒素ガスは、樹脂との親和性が低いことか
ら樹脂に含浸させにくいが、超臨界状ガスは優れた溶解
性と、優れた拡散性を有するため樹脂への溶解性が高く
短時間で樹脂に含浸させることができる。
【0047】(9)超臨界状ガスは窒素であるため、環
境に影響を与えることがない。従って、環境面に配慮し
て発泡体の製造を行うことができる。
【0048】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、
前記実施形態では、金型12を固定金型に対して進退可
能な可動金型を備えているものとし、この可動金型を後
退させることで金型12内の圧力を低下させていたが、
本願発明はこれに限られない。すなわち、図3に示すよ
うに、後退させる機能を有していない金型32にガスを
導入する装置33を設けることにより、金型32内の圧
力を低減させてもよい。この場合、予め金型32に10
から200kg/cm2のガスを注入しておき、原料を
注入した後にガスを抜くことで金型32内の圧力を低減
する。ただし、ガスを導入する装置33を金型32に取
り付けなければならず、特に、樹脂に超臨界状ガスを含
浸させて射出成形する場合には2系統のガス導入ための
装置を付けなければならないので、装置が大型化してし
まうという問題がある。これに対し、金型12内の可動
金型12Bを後退させることで金型12内の圧力を低減
させるものとすれば、装置の大型化を防止することがで
きる。
【0049】また、金型内の圧力は金型の型締め圧をゆ
るめる方法によって低減させてもよい。さらに、金型1
2内の圧力は低下させなくてもよい。ノズル115から
金型12内に射出された時点で原料にかかる圧力が急激
に下がるため、金型12内の圧力を低下させなくても発
泡させることが可能だからである。金型12は表面に断
熱材を貼り付けた断熱金型としたが、これに限らず、金
型自体を耐熱性に優れた断熱材で形成して断熱金型とし
てもよい。さらに、金型12は断熱金型としたが、断熱
性能を有しない通常の金型にヒータと冷却ユニットとを
設け、頻繁にそれぞれのオン・オフを繰り返すことによ
り調整してもよい。ただし、このようにすると温度調節
に手間がかかる。これに対し、断熱金型とすれば金型の
表面を所定温度に保つことが容易となる。
【0050】前記実施形態では原料は無機微粉末や微細
な無機繊維の添加剤を含むものとしたが、添加剤はなく
てもよい。第一実施形態では、発泡剤を発泡剤含有マス
ターバッチペレットとして樹脂に混合し、シリンダ11
1内で混練したが、ブタン、ペンタン等の低沸点有機化
合物を発泡剤として用いる場合には、シリンダ111内
の樹脂が溶融している部位にこれらの発泡剤をプランジ
ャーポンプ等で供給してもよい。
【0051】前記実施形態では熱可塑性樹脂としてポリ
プロピレンを使用したが、これに限らず、通常の発泡成
形ができる熱可塑性樹脂であればよい。
【0052】本発明の効果を確かめるために、次のよう
な実験を行った。 <超臨界状ガスを使用した発泡体の製造の実施例> [実施例1から実施例8]第二実施形態で説明した製造方
法に基づき、発泡体の製造を行った。実施例1から実施
例8では、以下の原料、射出成形機本体、金型を採用し
た。
【0053】(射出成形機本体)JSW製MuCell
成形機J180ELIII−180H (金型)固定金型と可動金型で形成される隙間の部分の
寸法が170mm×250mm×1.2mmであるコアバック
可能なOAハウジング用金型 (断熱金型の場合には、金型表面に20μmの厚さのポ
リテトラフルオロエチレンフィルムが貼り付けられてい
る。無断熱金型の場合には、金型表面には何も貼り付け
られていない。)
【0054】(熱可塑性樹脂)ポリカーボネート(出光
石油化学株式会社製A1700(ガラス転移点145
℃)) (添加剤)タルク(ポリカーボネート95重量部に対し
5重量部添加してポリカーボネート系材料とした。) (超臨界状ガス)窒素(ポリカーボネート系の材料10
0重量部に対して0.3重量部混合)
【0055】(実施例1)昇圧機で常温、20MPaに
昇圧された窒素ガスをシリンダ内に吹き込んだ。吹き込
まれた窒素ガスはすぐに昇温し、超臨界状ガスとなり、
シリンダ内に投入され、樹脂温度300℃となったポリ
カーボネート系材料に浸透した。ノズル内の樹脂にかか
る圧力は18MPaとなっていた。さらに、これを金型
の表面温度140℃(ガラス転移点−5℃)の無断熱金
型に厚さ1mm相当分を射出し、射出後、金型を冷却して
取り出した。可動金型の後退(コアバック)は行わず、
発泡倍率は1.2倍であった。
【0056】(実施例2)無断熱金型に原料をフルショ
ットで射出し、射出完了後、1秒後に可動金型の後退
(コアバック)を行ない、金型の可動金型と固定金型と
の間隔を1.8mm(発泡倍率1.5倍)となるようにし
た。その他の条件は実施例1と同様である。
【0057】(実施例3)無断熱金型の表面温度を15
0℃(ガラス転移点+5℃)とした。その他の条件は実
施例1と同様である。 (実施例4)無断熱金型の表面温度を150℃(ガラス
転移点+5℃)とした。その他の条件は実施例2と同様
である。
【0058】(実施例5)金型は断熱金型を使用し、金
型の設定温度を80℃(金型の表面温度は130℃(ガ
ラス転移点−15℃)となっていた)とした。その他の
条件は実施例1と同様である。 (実施例6)金型は断熱金型を使用し、金型の設定温度
を80℃(金型の表面温度は130℃(ガラス転移点−
15℃)となっていた)とした。その他の条件は実施例
2と同様である。
【0059】(実施例7)金型は断熱金型を使用し、金
型温度の設定温度を100℃(金型の表面温度は150
℃(ガラス転移点+5℃)となっていた)とした。その
他の条件は実施例1と同様である。 (実施例8)金型は断熱金型を使用し、金型温度の設定
温度を100℃(金型の表面温度は150℃(ガラス転
移点+5℃)となっていた)とした。その他の条件は実
施例2と同様である。
【0060】[実施例1から実施例8の評価]実施例1か
ら実施例8で得られた発泡体の評価を光沢度、シルバー
ストリーク、発泡セルの分布により行った。光沢度は、
JIS K7105(入射角60°、受光角60°)に
基づき測定した。また、シルバーストリークは目視評価
した。発泡セルの分布は発泡体の厚み方向の断面のSE
M写真(500倍)をとり、この写真を画像処理機に取
り込んで、写真に写っている最小発泡セル径(A)及び
最大発泡セル径(B)を測定し、(A)から(B)を発
泡セル分布とした。結果を表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】なお、表1のシルバーストリークの評価に
おいて、○はシルバーストリークを視認できない、△は
成形品の一部にシルバーストリークが視認された、×は
成形品前面にシルバーストリークを視認できたことを示
している。すべての実施例において光沢度は90%であ
り、シルバーストリークは発生しなかった。また、発泡
セルの分布は最も広い場合で10ミクロンから70ミク
ロンの範囲内であった。
【0063】[実施例9から実施例12]実施例9から実
施例12における条件は以下の通りである。なお、実施
例9から実施例12では、実施例1から8と同様の射出
成形機本体を使用した。
【0064】(金型)実施例1から8と同様のコアバッ
ク可能なOAハウジング用金型であるが、断熱金型の場
合には、金型表面に文字がプリントされた30μmの厚
さのOHP用ポリエチレンテレフタレートフィルム(使
用済みOHP)が貼り付けられている。文字の厚みは1
ミクロンである。 (熱可塑性樹脂)ポリプロピレン(出光石油化学株式会
社製J6083H(結晶化温度126℃)) (添加剤)タルク(ポリプロピレン95重量部に対し5
重量部添加したものをポリプロピレン系材料とした。) (超臨界状ガス)窒素(ポリプロピレン系材料100重
量部に対して0.6重量部混合)
【0065】(実施例9)昇圧機で常温、20MPaに
昇圧された窒素ガスをシリンダ内に吹き込んだ。吹き込
まれた窒素ガスはすぐに昇温し、超臨界状ガスとなり、
シリンダ内に投入され、樹脂温度200℃となったポリ
プロピレン系材料に浸透した。ノズル内の樹脂にかかる
圧力は18MPaとなっていた。さらに、これを金型の
表面温度120℃(ガラス転移点−6℃)の無断熱金型
に厚さ1mm相当分を射出し、射出後、金型を冷却して取
り出した。可動金型の後退(コアバック)は行わず、発
泡倍率は1.2倍であった。
【0066】(実施例10)無断熱金型に原料をフルシ
ョットで射出し、射出完了後、1秒後に可動金型の後退
(コアバック)を行ない、金型の可動金型と固定金型と
の間隔を1.8mm(発泡倍率1.5倍)となるようにし
た。その他の条件は第9実施例と同じである。 (実施例11)金型は断熱金型を使用し、金型の設定温
度は100℃(金型の表面温度は120℃(結晶化温度
−6℃)となっていた)とした。その他の条件は実施例
9と同様である。
【0067】(実施例12)金型は断熱金型を使用し、
金型の設定温度は100℃(金型の表面温度は120℃
(結晶化温度−6℃)となっていた)とした。その他の
条件は実施例10と同様である。
【0068】[実施例9から実施例12の評価]実施例9
から実施例12で得られた発泡体を実施例1から実施例
8と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】すべての実施例において光沢度は90%で
あり、シルバーストリークは発生しなかった。また、発
泡セルの分布は1ミクロンから30ミクロンの範囲内で
あった。さらに、断熱金型を使用した場合には、発泡体
の表面にOHPの文字が明確に転写されていた。
【0071】[実施例13から実施例18]実施例13か
ら実施例18における条件は以下の通りである。なお、
実施例13から実施例18では、実施例1から8と同様
の射出成形機本体を使用した。
【0072】(金型)実施例1から8と同様のコアバッ
ク可能なOAハウジング用金型であるが、断熱金型の場
合には、金型表面に文字がプリントされた30μmの厚
さのOHP用ポリエチレンテレフタレートフィルム(使
用済みOHP)が貼り付けられている。文字の厚みは1
ミクロンである。 (熱可塑性樹脂)ポリスチレン(出光石油化学株式会社
製E101A12(ガラス転移点80℃)) (添加剤)タルク(ポリスチレン95重量部に対し5重
量部添加したものをポリスチレン系材料とした。) (超臨界状ガス)窒素(ポリスチレン系材料100重量
部に対して0.6重量部混合)
【0073】(実施例13)昇圧機で常温、20MPa
に昇圧された窒素ガスをシリンダ内に吹き込んだ。吹き
込まれた窒素ガスはすぐに昇温し、超臨界状ガスとな
り、シリンダ内に投入され、樹脂温度240℃となった
ポリスチレン系材料に浸透した。ノズル内の樹脂にかか
る圧力は18MPaとなっていた。さらに、これを金型
の表面温度80℃(ガラス転移点±0℃)の無断熱金型
に厚さ1mm相当分を射出し、射出後、金型を冷却して取
り出した。可動金型の後退(コアバック)は行わず、発
泡倍率は1.2倍であった。
【0074】(実施例14)無断熱金型に原料をフルシ
ョットで射出し、射出完了後、1秒後に可動金型の後退
(コアバック)を行ない、金型の可動金型と固定金型と
の間隔を1.8mm(発泡倍率1.5倍)となるようにし
た。他の条件は実施例13と同様である。
【0075】(実施例15)金型は断熱金型を使用し、
金型の設定温度は80℃(金型の表面温度は100℃
(ガラス転移点+20℃)となっていた)とした。他の
条件は実施例13と同様である。 (実施例16)金型は断熱金型を使用し、金型の設定温
度は80℃(金型の表面温度は100℃(ガラス転移点
+20℃)となっていた)とした。他の条件は実施例1
4と同様である。
【0076】(実施例17)金型は断熱金型を使用し、
金型の設定温度は40℃(金型の表面温度は60℃(ガ
ラス転移点−20℃)となっていた)とした。他の条件
は実施例13と同様である。 (実施例18)金型は断熱金型を使用し、金型の設定温
度は40℃(金型の表面温度は60℃(ガラス転移点−
20℃)となっていた)とした。他の条件は実施例14
と同様である。
【0077】[実施例13から実施例18の評価]実施例
13から実施例18で得られた発泡体を実施例1から実
施例8と同様の方法で評価した。結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】すべての実施例において光沢度は90%で
あり、シルバーストリークは発生しなかった。また、発
泡セルの分布は最も広いもので5ミクロンから80ミク
ロンの範囲内であった。さらに、断熱金型を使用した場
合には、発泡体の表面にOHPの文字が明確に転写され
ていた。
【0080】<発泡剤を使用した発泡体の製造の実施例
> [実施例19及び20]第一実施形態で説明した製造方法
に基づき、発泡体の製造を行った。実施例1から実施例
8と同様の射出成形機本体、金型、ポリカーボネート系
材料を使用した。発泡剤は、アゾジカルボンアミドをポ
リカーボネート系材料100重量部に対して1重量部混
合した。 (実施例19)ポリカーボネート系材料に前記発泡剤を
ドライブレンドして樹脂温度300℃、樹脂にかかる圧
力15MPaで溶融混練した。これを金型の表面温度1
40℃(ガラス転移点−5℃)の無断熱金型に原料をフ
ルショットで射出し、射出完了後、1秒後に可動金型の
後退(コアバック)を行ない、金型の可動金型と固定金
型との間隔を1.8mm(発泡倍率1.5倍)となるよう
にした。 (実施例20)ポリカーボネート系材料に前記発泡剤を
ドライブレンドして溶融混練した原料を金型の表面温度
140℃(ガラス転移点−5℃)の無断熱金型に厚さ1
mm相当分を射出し、射出後、金型を冷却して取り出し
た。可動金型の後退(コアバック)は行わず、発泡倍率
は1.2倍であった。その他の条件は実施例19と同様
である。
【0081】[実施例21]実施例21における条件は次
の通りである。実施例9から12と同様の射出成形機本
体、金型、ポリプロピレン系材料を採用した。発泡剤
は、アゾジカルボンアミドをポリプロピレン系材料10
0重量部に対して1重量部混合した。
【0082】ポリプロピレン系材料に前記発泡剤をドラ
イブレンドして樹脂温度200℃、樹脂にかかる圧力1
5MPaで溶融混練し、これを金型の設定温度温度10
0℃(金型の表面温度は120℃(結晶化温度−6℃)
の断熱金型にフルショットで射出し、射出完了後、1秒
後に可動金型の後退(コアバック)を行ない、金型の可
動金型と固定金型との間隔を1.8mm(発泡倍率1.5
倍)となるようにした。
【0083】[実施例22]実施例22における条件は次
の通りである。実施例13から16と同様の射出成形機
本体、金型、ポリスチレン系材料を採用した。発泡剤
は、アゾジカルボンアミドをポリスチレン系材料100
重量部に対して1重量部混合した。ポリスチレン系材料
に前記発泡剤をドライブレンドして樹脂温度240℃、
樹脂にかかる圧力15MPaで溶融混練し、これを金型
の表面温度80℃(ガラス転移点±0℃)の無断熱金型
にフルショットで射出し、射出完了後、1秒後に可動金
型の後退(コアバック)を行ない、金型の可動金型と固
定金型との間隔を1.8mm(発泡倍率1.5倍)となる
ようにした。 [実施例19から22の評価]実施例19から22で得ら
れた発泡体を実施例1から実施例8と同様の方法で評価
した。結果を表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】実施例19から22において光沢度は90
から91%と高く、シルバーストリークは発生しなかっ
た。また、発泡セルの分布はポリカーボネート系材料の
場合、100ミクロンから400ミクロンの範囲内、ポ
リプロピレン系材料及びポリスチレン系材料の場合13
0から450ミクロンの範囲内であった。さらに、断熱
金型を使用した実施例21で得られた発泡体は、その表
面にOHPの文字が明確に転写されていた。
【0086】次に、前記実施例の効果を確認するための
比較例について説明する。 <超臨界状ガスを使用した発泡体の製造の比較例> [比較例1から比較例6]比較例1から比較例6は、実施
例1から実施例8と同様の原料、射出成形機、金型を用
いて行った。
【0087】(比較例1)金型の表面温度は80℃(ガ
ラス転移点−65℃)であった。他の条件は実施例1と
同様である。 (比較例2)金型の表面温度は80℃(ガラス転移点−
65℃)であった。他の条件は実施例2と同様である。
【0088】(比較例3)金型の表面温度は120℃
(ガラス転移点−25℃)であった。他の条件は実施例
1と同様である。 (比較例4)金型の表面温度は120℃(ガラス転移点
−25℃)であった。他の条件は実施例2と同様であ
る。
【0089】(比較例5)金型設定温度は40℃(金型
の表面温度は90℃(ガラス転移点−55℃))であっ
た。他の条件は実施例5と同様である。 (比較例6)金型設定温度は40℃(金型の表面温度は
90℃(ガラス転移点−55℃))であった。他の条件
は実施例6と同様である。
【0090】比較例1から6で得られた発泡体を実施例
と同様の方法で評価した。結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】[比較例1から6と実施例1から8との比
較]比較例1から6で得られた発泡体は、シルバースト
リークが発生、発泡セルの分布が広く、粗大な発泡セル
が生じる、光沢度が低いの少なくとも何れかの項目に該
当していた。これに対し、実施例1から8で得られた発
泡体は、いずれもシルバーストリークが発生せず、発泡
セルの分布が狭く、高光沢度であり、本願発明の効果が
顕著に示された。
【0093】[比較例7から比較例10]比較例7から比
較例10は、実施例9から12と同様の原料、射出成形
機、金型を用いて行った。
【0094】(比較例7)金型の表面温度は80℃(結
晶化温度−46℃)であった。他の条件は実施例9と同
様である。 (比較例8)金型の表面温度は80℃(結晶化温度−4
6℃であった。他の条件は実施例10と同様である。
【0095】(比較例9)金型の設定温度は80℃(金
型の表面温度は100℃(結晶化温度−26℃))であ
った。他の条件は実施例11と同様である。 (比較例10)金型の設定温度は80℃(金型の表面温
度は100℃(結晶化温度−26℃))であった。他の
条件は実施例12と同様である。
【0096】比較例7から10で得られた発泡体を実施
例と同様の評価方法で評価した。結果を表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】[比較例7から10と実施例9から12と
の比較]比較例7から10で得られた発泡体は、シルバ
ーストリークが発生、発泡セルの分布が広く粗大な発泡
セルが生じる、光沢度が低いの少なくとも何れかの項目
に該当していた。これに対し、実施例9から12で得ら
れた発泡体は、いずれもシルバーストリークが発生せ
ず、発泡セルの分布が狭く、高光沢度であり、本願発明
の効果が顕著に示された。
【0099】[比較例11及び比較例12]比較例11及
び比較例12は、実施例13及び14と同様の原料、射
出成形機、金型を用いて行った。
【0100】(比較例11)金型の表面温度は40℃
(ガラス転移点−40℃)であった。他の条件は実施例
13と同様である。 (比較例12)金型の表面温度は40℃(ガラス転移点
−40℃)であった。他の条件は実施例14と同様であ
る。
【0101】比較例11及び12で得られた発泡体を実
施例と同様の評価方法で評価した。結果を表7に示す。
【0102】
【表7】
【0103】[比較例11及び12と実施例13から1
8との比較]比較例11、12で得られた発泡体は、シ
ルバーストリークが発生、発泡セルの分布が広く粗大な
発泡セルが生じる、光沢度が低いの少なくとも何れかの
項目に該当していた。これに対し、実施例13から18
で得られた発泡体は、いずれもシルバーストリークが発
生せず、発泡セルの分布が狭く、高光沢度であり、本願
発明の効果が顕著に示された。
【0104】
【発明の効果】このような本発明によれば強度が低下せ
ず、外観が良好な発泡体を製造できる発泡体の製造方法
およびこの製造方法によって製造された発泡体を提供す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる発泡体を製造す
るための射出成形機を示す図である。
【図2】本発明の第二実施形態にかかる発泡体を製造す
るための射出成形機を示す図である。
【図3】本発明の変形例に用いられる射出成形機を示す
図である。
【符号の説明】
1,2 射出成形機 11 射出成形機本体 111 シリンダ 111A ヒータ 112 スクリュウ 113 ホッパ 114 油圧装置 115 ノズル 12,32 金型 12A 固定金型 12B 可動金型 121 隙間 21 超臨界状ガス導入装置 211 ガスボンベ 212 昇圧機 213 制御ポンプ 33 装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:04 B29K 105:04 C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 合田 宏史 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Fターム(参考) 4F074 AA24 AA70 AB03 BA32 BA33 CA24 CA25 CA26 CC04X CC34X CC34Y DA02 DA03 DA47 4F202 AA11 AB02 AG20 AP17 AR02 AR06 AR18 CA11 CB01 CB30 CK19 CN01 4F206 AA11 AB02 AG20 AP17 AR02 AR06 AR18 JA04 JF04 JM05 JN21 JN25 JN43

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に発泡剤を
    0.1から20重量部混合する工程と、 前記熱可塑性樹脂が接する金型の表面温度を前記熱可塑
    性樹脂の結晶化温度±20℃またはガラス転移点±20
    ℃に保持した金型に前記発泡剤を含有した熱可塑性樹脂
    を導入する工程とを備えることを特徴とする発泡体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡体の製造方法におい
    て、 前記金型内に導入された熱可塑性樹脂の少なくとも一部
    が溶融状態にある間に、前記金型内の圧力を低下する工
    程を備えることを特徴とする発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発泡体の製造方法におい
    て、 前記金型内の圧力の低下は、前記熱可塑性樹脂の金型に
    接する表面にスキン層が形成され、その内部が溶融状態
    にある間に、前記金型の一部あるいは全部を後退させる
    ことにより行われることを特徴とする発泡体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂100重量部に超臨界状ガ
    スを0.1から20重量部浸透させる工程と、 前記熱可塑性樹脂が接する金型の表面温度を前記熱可塑
    性樹脂の結晶化温度±20℃またはガラス転移点±20
    ℃に保持した金型に前記超臨界状ガスを浸透させた熱可
    塑性樹脂を導入する工程とを備えることを特徴とする発
    泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発泡体の製造方法におい
    て、 前記金型内に導入された熱可塑性樹脂の少なくとも一部
    が溶融状態にある間に、金型内の圧力を低下する工程を
    備えることを特徴とする発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の発泡体の製造方法におい
    て、 前記金型内の圧力の低下は、前記熱可塑性樹脂の金型に
    接する表面にスキン層が形成され、その内部が溶融状態
    にある間に、前記金型の一部あるいは全部を後退させる
    ことにより行われることを特徴とする発泡体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項4から6の何れかに記載の発泡体
    の製造方法において、 少なくとも前記熱可塑性樹脂を前記金型に導入する工程
    が終了するまでは、前記超臨界状ガスを超臨界状態に維
    持することを特徴とする発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7の何れかに記載の発泡体
    の製造方法において、前記金型は断熱金型であることを
    特徴とする発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れかに記載の発泡体
    の製造方法によって、製造される発泡体であって、 その表面の光沢度が80%以上であること、または、前
    記超臨界状ガスを浸透させた熱可塑性樹脂を脱圧するこ
    とにより得られることを特徴とする発泡体。
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