JP2003170809A - シートベルト緊締装置 - Google Patents

シートベルト緊締装置

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JP2003170809A JP2002347747A JP2002347747A JP2003170809A JP 2003170809 A JP2003170809 A JP 2003170809A JP 2002347747 A JP2002347747 A JP 2002347747A JP 2002347747 A JP2002347747 A JP 2002347747A JP 2003170809 A JP2003170809 A JP 2003170809A
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Kai Wustlich
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 快適性および安全性に関して、ともに改良さ
れたシートベルト緊締装置を提供すること。 【解決手段】 電動機(13)によって調整可能でシー
トベルト(1)から離間したスプリング受けを有するカ
ウンタスプリング(10)を巻取りスプリング(9)に
並列に配置し、常開カップリング(14)を電動機(1
3)と巻取り装置(8)との間に配置し、電動機(1
3)を2つの出力範囲間で反転可能とし、カップリング
(14)が、電動機(13)が高出力に切替わりかつ可
逆ベルト緊締を与えるための作動方向に作動する場合
に、自動的に閉じるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、特に乗用車
座席の乗員用シートベルト緊締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の標準装備として現在使用されて
いるこの種のシートベルト緊締装置においては、巻取り
装置が、ベルト巻取り時構造的に所定のプレストレスを
有する螺旋スプリングによって作動され、ベルト伸長時
にそのスプリング特性によって加えられる応力が増大す
る。
【0003】エクステンション・ロックが、機械的なキ
ャッチ要素を使用して作動する。キャッチ要素は、一方
で、車体に作用する力が僅かなしきい値を超える車体加
速もしくは減速をもたらす場合に、キャッチ無効ポジシ
ョンからキャッチ有効ポジションに移行される慣性要素
によって制御される。他方、ベルトの格納のために使用
されるリールがしきい値を超える回転加速度で、あるい
は急激にベルトの伸長方向に回動した場合には、遠心要
素がキャッチ無効ポジションからキャッチ有効ポジショ
ンに向けられる。それによって、ベルトの確実なロック
が保証され、危険な傾向の運転状況もしくは事故の場合
にもベルトが(さらに)伸長されることがない。
【0004】ドライバーおよび/または、特に、車両前
部の乗員は、少なくとも一時的に、通常もしくは所望の
座席ポジションを外したポジションを取り得る事実に鑑
みて、少なくとも高級車においては、不可逆緊張装置が
シートベルト緊締装置に割り当てられる。この装置は、
対応する感知機構が車両の衝突信号を「出力する」か、
あるいは車両内にあるエアバッグを起動すると、一般的
に点火により作動し、起動する。この不可逆緊張装置
は、シートベルトを強い力で短縮する(巻取る)ために
使用される。こうして、乗員の身体およびベルト・リー
ルにおけるベルトの弛緩は取り除かれ、また既に一度起
動されたエアバッグは弛緩され、二次衝突の可能性に関
して乗員に対する最適の安全性が保証される。それぞれ
の場合において、乗員は車体の硬質構造部品から極力遠
ざけられる。
【0005】快適性を改善するため、特許文献1によれ
ば、電動機を巻取り装置作動のために設けられるスプリ
ングに割り当てることにより、巻取りスプリングの相対
的に固定状態にあるスプリング受けを調節することが知
られている。このように、ベルトの張力は、特に、乗員
が平均より背高もしくは肥っている場合に必要とされる
ようにベルトが大幅に伸長されたとしても変更可能であ
り、かつ効果達成可能であり、ベルトの張力が低く維持
されることにより装着快適性が改善される。また、ベル
トが巻回のために巻込まれると直ぐに、相対的に固定状
態にあるスプリング受けが上述の電動機によって作動ポ
ジションに引き込まれ、ベルトが安全に巻き取られる。
【0006】同様の構造が特許文献2、特許文献3およ
び特許文献4の主題とされている。最後に挙げた特許文
献4は、巻取りスプリング、危険な状況で起動可能な電
動機および点火緊締装置を開示している。
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第3938081号明
細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4112620号明
細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19501076号
明細書
【特許文献4】国際公開第01/85495号パンフレ
ット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、快適
性および安全性に関して、ともに改良されたシートベル
ト緊締装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の請
求項1に記載した特徴部分によって解決される。即ち、
車両用特に乗用車用座席の乗員用シートベルトのシート
ベルト緊締装置であって、巻取りスプリングを有し、該
巻取りスプリングにより作動してシートベルトを自動的
に短縮するための巻取り装置と、パラメータが所定値に
おいて、特に車両の減速度または加速度が所定値、およ
び/またはシートベルトの所定伸長速度の超過時に該シ
ートベルトの伸長をロックするエクステンション・ロッ
クと、感知機構により生成可能な事故信号を得て、シー
トベルトの強力な不可逆緊締を短時間で生起する不可逆
緊張装置と、を有するシートベルト緊締装置において、
電動機によって調整可能なシートベルトから離間したス
プリング受けを有するカウンタスプリングを巻取りスプ
リングに並列に配置し、常開カップリングを電動機と巻
取り装置との間に配置し、電動機を2つの出力範囲間で
反転可能とし、前記カップリングが、電動機が高出力に
切替わりかつ可逆ベルト緊締を与えるための作動方向に
作動する場合に、自動的に閉じることにより、解決され
る。
【0010】本発明は、必要が生じたとき、即ちセンサ
によって危険な状況と判断された場合に、巻取り装置が
駆動され、既存のシートベルト弛緩が完全に取り除か
れ、ベルトが危険な状況から事故が発生するまでには常
に有効に緊締されるように可逆緊締を施すという概念に
基づく。危険な状況は、センサ等により、車両ブレーキ
の作動状態および/または車両の縦方向および横方向加
速が検知される事実によって認識される。急激なブレー
キ作動および/または車両の急激な加速もしくは減速
は、危険な状況の切迫を示す。
【0011】本発明によるシートベルト緊締装置によっ
て提供される可逆ベルト緊締により、一方では、安全性
の著しい向上が保証され、かつ特に、不可逆緊張装置が
より迅速に作用することが可能になり、それによって、
事故発生時に乗員はきわめて早い時点でベルトにより保
持される。
【0012】他方、ベルトに可逆緊締を与えるために設
けられる電動機により、ベルトから離間したカウンタス
プリングのスプリング受けへの連結、即ち駆動連結を可
能とすることにより、通常の運転状況における格段に高
い快適性が与えられる。即ち、電動機によってベルトか
ら離間したカウンタスプリングのスプリング受けを調整
することにより巻取りスプリングの有効付勢を減少する
効果が得られ、乗員が実質的にベルトが気にならない程
度に快適であることが保証される。乗員が移動する可能
性がある場合には、カウンタスプリングのスプリング受
けを一時的に解放するか、あるいは調節することによっ
て巻取りスプリングの有効巻取り力を増すことができ、
それによって、要求される巻取りが改善される。
【0013】同様に、カウンタスプリングの付勢も減少
可能とされ、したがって、シートベルトがベルト・バッ
クルから解放されるか、あるいは不使用状態のままの場
合には、巻取りスプリングの有効付勢が増大する。それ
によってベルトは不使用時には迅速に短縮(巻取り)さ
れ、比較的に強いスプリング力によって不使用状態に維
持することができる。
【0014】したがって、カウンタスプリングのスプリ
ング受けを調節するために設けられる電動機は多機能を
有する。第一に、電動機によってベルトの装着快適性が
向上し、またベルトが使用し易くなる。第二に、電動機
によって危険な状況においては即座にベルト張力が大幅
に増大し、事故発生に対してベルト・システムの備えが
できる。
【0015】好ましい実施形態によれば、電動機および
/またはカウンタスプリングのスプリング受けへの電動
機の連結は自動ロック式とされ、それによってスプリン
グ受けのセット・ポジションは電動機停止の場合にはエ
ネルギー供給無しに維持される。
【0016】本発明の特に好ましい実施形態によれば、
別の第2カップリングが電動機とカウンタスプリングの
スプリング受けとの間に配置され、その第2カップリン
グは電動機が可逆ベルト緊締のための作動方向と逆に作
動した場合に閉じる。
【0017】前記カップリングは、可逆ベルト緊締の場
合に閉じるが、カップリング入力とカップリング出力間
の速度差が十分の場合に限り、閉じることが可能な傾斜
式カップリングとすることが好ましい。
【0018】適切な場合は、上述のカップリングは、遠
心カップリングとすることもできる。
【0019】至便な改良においては、制動されたクラン
ピング・ローラ・ケージを有するクランピング・ローラ
・フリーホイーリング装置をその目的のために設けるこ
とが好ましい。
【0020】好ましくは、前記別の第2カップリング
を、軸方向に相互係合する先端歯部を備える噛合(かみ
合い)式カップリングとするとよい。
【0021】また、センサ・アレンジメントが事故を招
来する傾向にある運転状態信号を出力した場合、前記電
動機が、制御回路によって可逆ベルト緊締を行うための
出力および作動方向に切替えられるようにするとよい。
【0022】センサ・アレンジメントが車両の作動ブレ
ーキの流体圧力および/または車両の加速を監視し、流
体圧力および/または加速もしくは減速がしきい値を超
えた場合に警告信号を発するようにしてもよい。
【0023】チェスト・ベルトおよびラップ・ベルト
(スリーポイント・ベルト)が結合されて使用される場
合、不可逆緊張装置がベルト・バックルに配置されるよ
うにしてもよい。
【0024】以上の他に、本発明の好ましい特徴につい
ては、請求項ならびに本発明の特に好ましい実施形態を
示す図面に関する以下のさらに詳細な説明を参照された
い。
【0025】
【発明の実施の形態】図1に示すように、シートベルト
1に、既知の方法によりバックル・ラッチ2が固定さ
れ、通常の方法によりベルト・バックル3に挿着および
離脱可能とする。シートベルト1は、それぞれ所望およ
び所要の長さとなるようにリール4に巻着される。これ
については、さらに詳細に後述説明する。
【0026】リール4には、既知の方法により、機械式
のエクステンション・ロック5が割り当てられる。該エ
クステンション・ロック5は、リール4の回転速度およ
び/またはシートベルト1が配設された車両の加速度も
しくは減速度がしきい値を超えた場合に、シートベルト
1伸長方向の即ちリール4の巻解き方向の回転をロック
する。
【0027】さらに、リール4には、不可逆緊張装置6
を割り当てることができる。該不可逆緊張装置6は、既
知の方法により点火式により作動し、車両の感知機構が
車両の衝突もしくは直近に迫った衝突を認識した場合に
点火する。その場合、緊張装置6によってもたらされる
不可逆ベルト緊締はきわめて強力であり、たとえば40
00Nにも及ぶ。それによって、シートベルト1に拘束
された乗員を車両の内装品に衝突しないように保護する
効果が達成される。
【0028】さらに、リール4にはエクステンション・
ロック5と並列に巻取り装置8が装備され、それによっ
て、乗員がその体を移動するためにシートベルト1を延
ばし、所望の着座ポジションに戻ったときにシートベル
ト1を巻取り短縮することができる。
【0029】巻取り装置8は、そのために、巻取りスプ
リング9を有する。巻取りスプリング9は、さらに後述
するように螺旋スプリングとし、巻取りスプリング9の
一端はリール4または該リール4に相対回転不能に連結
されたシャフト(図1には示さず。図2の符号20を参
照。)に固定状態に連結され、巻取りスプリング9の他
端は固定支持部に固定状態に連結される。
【0030】カウンタスプリング10は、巻取りスプリ
ング9に並列に配置される。カウンタスプリング10も
巻取りスプリング9と同様に螺旋スプリングとすること
ができるが、巻取りスプリング9に対して反対方向巻回
とし、カウンタスプリング10の一端はリール4または
該リール4に相対回転不能に連結されたシャフト20に
固定状態に連結され、カウンタスプリング10の他端は
カップリング11の出力端に固定状態に連結される。カ
ップリング11の入力端は歯付きベルト機構等の駆動連
結部12を介して電動機13に駆動連結される。駆動連
結部12および/または電動機13は、自動ロック式で
構成され、電動機13が停止した場合でも停止状態を維
持することができる。
【0031】カップリング11およびこれに直列に配置
されたカウンタスプリング10と並列に、別のカップリ
ング14が駆動連結部12とリール4もしくはリールに
相対回転不能に連結されたシャフト20との間に配置さ
れる。このカップリング14は、電動機13が高出力段
階に切替わってリール4の巻回方向に回転する場合に
は、自動的に閉じられる。
【0032】その入力側が様々な作動パラメータを受信
するように感知機構に接続される制御回路15が、電動
機13の出力制御のために使用される。
【0033】この感知機構は、ベルト・バックル3に設
けたセンサ16を有することができ、その信号はバック
ル・ラッチ2がベルト・バックル3に挿着されたかどう
かを表す。
【0034】さらに、危険な、あるいは危険な傾向にあ
る運転状況を検知可能なセンサ・アレンジメント17が
設けられる。たとえば、センサ・アレンジメント17
は、アクセル・ペダルおよびブレーキ・ペダルの作動、
ブレーキ支援装置の応答およびブレーキ・システムの流
体圧力を検知することができ、したがって車両のブレー
キの作動状態を検知することができる。それに加え、あ
るいはそれに代えて、センサ・アレンジメント17は、
横方向加速、ヨー・レイト(横揺れ速度)、ステアリン
グ・アングルおよび/または車両減速等、運転目的に動
的に係わるパラメータを認識および評価し、そのような
運転状態信号を出力することができる。
【0035】さらにまた、ロータリ・トランスミッタ1
8もしくは別のセンサを設けることができ、その信号は
シートベルト1のリール4が回転しているかどうか、あ
るいはシートベルト1が巻取り方向もしくは伸長(巻解
き)方向いずれに移動中かを示す。
【0036】制御回路15は以下のように作動する。初
期作動時点では、センサ・アレンジメント17による危
険な状態信号は出力されていない。さらに、乗員が既に
シートベルトを装着し、比較的長時間に大きく移動して
いないこともあり得る。
【0037】制御回路15は、この状態をベルト・バッ
クル3のセンサ16およびリール4のセンサ18(ロー
タリ・トランスミッタ)の信号から判断することができ
る。電動機13が次いでカウンタスプリング10を付勢
させる回転方向に回転するように駆動される。その回転
方向では、カップリング11が閉じる一方で、カップリ
ング14は開くかあるいは開いた状態が維持される。カ
ウンタスプリング10は、電動機13の回転行程に従っ
て幾分高い付勢状態に置かれる。カウンタスプリング1
0の付勢が、巻取りスプリング9の付勢を打ち消すの
で、電動機13の上述の調整行程の結果、シートベルト
1において有効かつ感知し得る巻取り力は、相応して2
N程度の低い値に減少される。このようにして、ベルト
1の装着快適度が大幅に増す。
【0038】適度な速度で乗員が前方に屈んだ場合に
は、それに対応してシートベルト1が伸長される。シー
トベルト1のこの動作は、リール4のロータリ・トラン
スミッタ18によって伝えられ、それによって、カウン
タスプリング10の付勢力が減少し、したがって、リー
ル4に巻取りスプリング9が及ぼす巻取り力が増してベ
ルト1が巻回されるように制御回路15が電動機13を
低出力駆動する。これによって、シートベルト1は、乗
員が一時的に前方に屈んだ姿勢から通常の姿勢に戻った
場合に、乗員に直ちに追従することが保証される。
【0039】ロータリ・トランスミッタ18によって伝
えられた最新のベルト動作後の所定時間を経た後、ベル
ト1の緊張が2N程度のきわめて低い値に復帰するよう
に電動機13によってカウンタスプリング10が調節さ
れる。
【0040】それによってベルト1は、きわめて弱い力
で実質的に持続的に乗員に負荷を与える。
【0041】走行中に、急激なブレーキ作動等の危険
な、もしくは危険な傾向の運転状態信号がセンサ・アレ
ンジメント17によって出力された場合には、制御回路
15によって電動機13が高出力範囲でシートベルト1
およびそのリール4の巻取り方向に反転され、カップリ
ング11は開き、常開カップリング14が同時に閉じ
る。電動機13は、したがって、リール4を大きな力で
駆動し、シートベルト1がそれに相応する大きな力、た
とえば20N以上できつく引張られる。この可逆ベルト
緊締により、シートベルト1が乗員の体に対してきつく
当着し、かつ、特に、既に弛んでいたかあるいは乗員が
弛めるかしていたシートベルト1の弛緩はきわめて迅速
に取り除かれることが保証される。今、実際に事故が発
生したとしても、乗員が良好に締め付けられたシートベ
ルト1内に留まることが保証される。
【0042】バックル・ラッチ2がベルト・バックル3
から解放された場合には、センサ16が対応する信号を
発する。その結果、制御回路15によって電動機13が
再び作動され、カウンタスプリング10の付勢が減少
し、適切であれば既に閉じていたカップリング11が開
く回転方向に電動機13が低出力作動する。このように
して、巻取りスプリング9のスプリング力の効果が減少
されずにシートベルト1が巻き取られる。即ち、シート
ベルト1は巻取りスプリング9によって迅速かつ完全に
巻回され、不使用状態に保持される。
【0043】図2および図3は、巻取りスプリング9を
有する巻取り装置8、カウンタスプリング10、カップ
リング11およびカップリング14の構成形態の例をさ
らに具体的に示しており、ここで、カップリング11
は、以下で述べるスプリング受け21の先端歯部21’
とギヤホイール27の先端歯部27’とを含み、カップ
リング14はスリーブ22およびスリーブ25とクラン
ピングローラ30とを含んで構成される。
【0044】リール4は、図2にはその一部のみ示さ
れ、フレーム19に回動自在に取り付けられ、リールに
相対回動不能に連結されるシャフト20を介して、螺旋
スプリングとする巻取りスプリング9の半径方向内端に
連結される。巻取りスプリング9の半径方向外端はフレ
ームに固定状態に取り付け、即ち固定される(図示され
ていない)。さらに、シャフト20は、カウンタスプリ
ング10の半径方向内端10’に連結される(図3参
照)。カウンタスプリング10も同様に螺旋スプリング
とし、その巻回方向を巻取りスプリング9の巻回方向と
反対とする。カウンタスプリング10の半径方向外端1
0’’は、スプリング受け21に固定される。該スプリ
ング受け21は、シャフト20に回動自在に取り付けら
れ、内部ギヤホイール形式とし、カウンタスプリング1
0から離間した面側に先端歯部(かみ合い部)21’が
設けられる。
【0045】軸方向において、スプリング受け21と巻
取りスプリング9との間にスリーブ部22がシャフト2
0に相対回動不能に配置され、その相対回動不能な連結
は、シャフト20から半径方向に突出してスリーブ部2
2内周の対応する軸方向溝内に係合するストリップ23
により実現される。
【0046】スリーブ部22は、固定スリーブ24内で
その外周の一部分が摺動リング33と相互連結して回動
自在に取り付けられる。固定スリーブ24の外周には、
別の摺動リング部分34と相互連結して径方向外側のス
リーブ部25が回動自在に取り付けられ、該スリーブ部
25の外周には、軸方向変位可能に摺動スリーブ26と
相互連結してギヤホイール27が回転可能に配置され
る。
【0047】このギヤホイール27は先端歯部27’を
有し、該先端歯部27’は、ギヤホイール27が適切に
軸方向変位すれば、スプリング受け21の先端歯部2
1’に係合し、ギヤホイール27とスプリング受け21
とが相対回転不能に連結される。
【0048】環状のギヤホイール27には、スロット2
8が径方向に貫穿され、スロット28は円周方向に対し
て斜めに配向される。スロット28内には、スリーブ部
25から半径方向外向きに突出してスリーブ部25に対
して固定状態に配置される連結リンク状のガイドとして
のピン29がスライド可能に挿入され、スリーブ28と
協動する。スリーブ部25とギヤホイール27の間にト
ルクが生じた場合には、ギヤホイール27は、スリーブ
部25に対して、スロット28のサイズの範囲で、ギヤ
ホイール27周囲方向に回動し、その際、回動の方向次
第により、円周方向に対して斜めのスロット28とピン
29との協動作用により図2において左右に軸方向変位
が生じる。スロット28は、ギヤホイール27の先端歯
部27’がスプリング受け21の先端歯部21’に係合
できるように位置決めされる。
【0049】図2の左側のスリーブ部22および25の
軸方向端部領域は、それらの径方向の間に配置されたク
ランピング・ローラ30とともに、以下に説明するよう
に、クランピング・ローラ・フリーホイーリング装置を
形成する。複数のクランピング・ローラ30には、スリ
ーブ状ケージ31が設けられ、ケージ31の一方の軸方
向半分は、クランピング・ローラ30受け用に形成され
た複数のカット・アウト部を有し、ケージ31の他方の
軸方向半分は、固定スリーブ24に接して制動抵抗に抗
して回動可能とされる。制動抵抗は、固定スリーブ24
の周囲溝内に配置された摩擦リング32によって発生す
る。
【0050】特に図3から分かるように、クランピング
・ローラ30と相互作用するスリーブ部22の部分は円
形状の外周を有し、他方、クランピング・ローラ30と
相互作用するスリーブ部25の内周の軸方向断面には、
スリーブ部25がクランピング・ローラ・ケージ31お
よびスリーブ部22に対して矢印方向Aに回動するとき
に、クランピング・ローラ30を必然的にスリーブ部2
2と25間でクランプするされるようにクランピング・
傾斜部25’が形成される。逆にスリーブ部25が矢印
方向Bに回動するとき、クランピング・ローラ30がク
ランピング・傾斜部25’のスリーブ部22から離反す
る部分へと相対移動し(フリーホイール・ポジショ
ン)、非連結状態となる。こうしてスリーブ部22、ス
リーブ部25及びクランピング・ローラ30によって傾
斜形カップリングが形成される。
【0051】ギヤホイール27は、図1に概念的にのみ
示すように、電動機13に駆動連結部12を介して駆動
連結される。
【0052】図3において、ギヤホイール27が矢印方
向Bに回動した場合には、図2の左側に軸方向変位し、
ギヤホイール27の先端歯部27’がスプリング受け2
1の先端歯部21’に係合する。さらに、ギヤホイール
27の矢印方向Bへの上記回動中、同時にスリーブ部2
5がピン29を介して回動する。したがって、その結
果、第一にギヤホイール27がスプリング受け21に連
結され、それによって、さらに方向Bへの回動により、
カウンタスプリング10の付勢力が増す。第二に、クラ
ンピング・ローラ30がスリーブ部22と25間でその
フリー・ホイーリング・ポジションを取り、即ちギヤホ
イール27がシャフト20から外れ、非連結状態となる
(図3参照)。
【0053】ギヤホイール27が矢印方向Aに回動する
と、ギヤホイール27は図2の右側に軸方向変位し、ギ
ヤホイール27の先端歯部27’がスプリング受け21
の先端歯部21’から離れて、スプリング受け21が解
放される。したがって、カウンタスプリング10の付勢
力が弛む。
【0054】ギヤホイール27がさらに図3の矢印方向
Aに、特に電動機13が高出力で回動した場合には、ピ
ン29がスロット28の対応端に当接すると直ぐに、ス
リーブ部25が同時に矢印方向Aに回動する。その結
果、クランピング・ローラ30がスリーブ部22外周を
クランピング・傾斜部25’によりクランプされ、それ
に従ってスリーブ部25および22が相互連結される。
その結果、ギヤホイール27がさらに矢印方向Aに回動
すると、スリーブ部22に回動自在に固定状態に連結さ
れたシャフト20が同時に矢印方向Aに回動し、それに
従ってリール4がシートベルト1の巻回方向に回動す
る。このようにして、以上に説明した可逆ベルト緊締が
可能になる。
【0055】図示した実施形態の変形においては、不可
逆緊張装置6をリール4に配置するのに代えて、バック
ル3もしくは図示のチェスト(胸部)・ベルト1にバッ
クル・ラッチ2で連続するラップ(膝部)・ベルトの端
部付属具(図示せず)に配置することもでき、バックル
・ラッチ2はベルト上で容易に変位可能に配置される。
【0056】リール4への配置は、チェスト領域におけ
るベルトの格段に良好な緊締を達成するために有利であ
る。
【0057】端部付属具への配置は、ラップ領域におけ
るベルトの格段に良好な緊締をもたらす。バックルへの
配置は、チェストおよびラップ領域における緊締に関し
て、チェスト・ベルトおよびラップ・ベルトを組合せた
特に通常の場合に、格段に良好な折衷策を可能とする。
【0058】
【発明の効果】車両が危険な状況と判断された場合に、
巻取り装置が駆動されることにより既存のシートベルト
弛緩が完全に取り除かれ、ベルトが危険な状況から事故
が発生するまでには常に有効に緊締されるような可逆緊
締を行うことができるので、快適性および安全性がとも
に格段に向上されたシートベルトを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシートベルト緊締装置の概念図で
ある。
【図2】巻取りスプリング、カウンタスプリングおよび
カップリング・アレンジメントを備える巻取り装置の軸
断面図である。
【図3】図2の巻取り装置の矢印IIIの軸方向から見
た部分切除図である。
【符号の説明】
1 シートベルト 5 エクステンション・ロック 6 不可逆緊張装置 8 巻取り装置 9 巻取りスプリング 10 カウンタスプリング 11,14 カップリング 12 駆動連結部 13 電動機 15 制御回路 17 センサ・アレンジメント 21 スプリング受け 21’,27’ 第2カップリング 22,25,30 常開カップリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァルター・エベール ドイツ連邦共和国 73269 ホッホドルフ, クルツェル シュティヒ 2 (72)発明者 クリスティアン・メイヤー ドイツ連邦共和国 71254 ディツィンゲ ン,ローメルホフシュトラッセ 4 (72)発明者 マルクス・ヴォルドリッヒ ドイツ連邦共和国 71254 ディツィンゲ ン,ヴァコールデルヴェック 5 (72)発明者 カイ・ヴシュトリッヒ ドイツ連邦共和国 70329 シュトットガ ルト,ヒンテル デル ケルテル 2 Fターム(参考) 3D018 KA01 MA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用座席の乗員用シートベルト(1)
    のシートベルト緊締装置であって、 巻取りスプリング(9)を有し、該巻取りスプリング
    (9)により作動してシートベルト(1)を自動的に短
    縮するための巻取り装置(8)と、パラメータが所定値
    において、該シートベルト(1)の伸長をロックするエ
    クステンション・ロック(5)と、感知機構により生成
    可能な事故信号を得て、シートベルト(1)の強力な不
    可逆緊締を短時間で生起する不可逆緊張装置(6)と、
    を有するシートベルト緊締装置において、 電動機(13)によって調整可能でシートベルト(1)
    から離間したスプリング受け(21)を有するカウンタ
    スプリング(10)を巻取りスプリング(9)に並列に
    配置し、 常開カップリング(22、30、25)を電動機(1
    3)と巻取り装置(8)との間に配置し、 電動機(13)を2つの出力範囲間で反転可能とし、 前記カップリング(22、30、25)が、電動機(1
    3)が高出力に切替わりかつ可逆ベルト緊締を与えるた
    めの作動方向(A)に作動する場合に、自動的に閉じる
    ことを特徴とするシートベルト緊締装置。
  2. 【請求項2】 前記電動機(13)および/またはその
    前記カウンタスプリング(10)のスプリング受け(2
    1)への駆動連結部(12)を自動ロック式に構成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト緊締装
    置。
  3. 【請求項3】 別の第2カップリング(21’、2
    7’)が電動機(13)とカウンタスプリング(10)
    のスプリング受け(21)との間に配置され、該第2カ
    ップリング(21’、27’)は電動機(13)が可逆
    ベルト緊締のための作動方向と逆に作動した場合に閉じ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のシートベ
    ルト緊締装置。
  4. 【請求項4】 前記カップリング(22、30、25)
    を、カップリング入力とカップリング出力との間に比較
    的大きな相対速度がある相対的方向に生起した場合に閉
    じる傾斜形カップリングとすることを特徴とする請求項
    1から3の一項に記載のシートベルト緊締装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜形カップリング(22、30、
    25)をクランピング・ローラ・フリーホイーリング装
    置とすることを特徴とする請求項4に記載のシートベル
    ト緊締装置。
  6. 【請求項6】 前記別の第2カップリング(21’、2
    7’)を、軸方向に相互係合する先端歯部を備える噛合
    (かみ合い)式カップリングとすることを特徴とする請
    求項3から5の一項に記載のシートベルト緊締装置。
  7. 【請求項7】 センサ・アレンジメント(17)が事故
    を招来する傾向にある運転状態信号を出力した場合、前
    記電動機(13)が、制御回路(15)によって可逆ベ
    ルト緊締を行うための出力および作動方向に切替えられ
    ることを特徴とする請求項1から6の一項に記載のシー
    トベルト緊締装置。
  8. 【請求項8】 センサ・アレンジメント(17)が車両
    の作動ブレーキの流体圧力および/または車両の加速を
    監視し、流体圧力および/または加速もしくは減速がし
    きい値を超えた場合に警告信号を発することを特徴とす
    る請求項7に記載のシートベルト緊締装置。
  9. 【請求項9】 チェスト・ベルトおよびラップ・ベルト
    (スリーポイント・ベルト)が結合されて使用される場
    合、不可逆緊張装置(6)がベルト・バックル(3)に
    配置されることを特徴とする請求項1から8の一項に記
    載のシートベルト緊締装置。
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