JP2003171467A - リン酸化ポリオルガノシロキサン及びその製造方法、難燃剤並びに樹脂組成物 - Google Patents

リン酸化ポリオルガノシロキサン及びその製造方法、難燃剤並びに樹脂組成物

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JP2003171467A
JP2003171467A JP2001371374A JP2001371374A JP2003171467A JP 2003171467 A JP2003171467 A JP 2003171467A JP 2001371374 A JP2001371374 A JP 2001371374A JP 2001371374 A JP2001371374 A JP 2001371374A JP 2003171467 A JP2003171467 A JP 2003171467A
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carbon atoms
polyorganosiloxane
epoxy
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Masao Takase
正男 高瀬
Masahiro Takeya
雅啓 竹谷
Hiroaki Shoji
博昭 庄司
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NUC Corp
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Nippon Unicar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の難燃剤としてきわめて有用である新規
なリン酸化ポリオルガノシロキサン及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサ
ンは、1又は2個のP−OH基を有するリン酸誘導体に
より、少なくとも1個のエポキシ基含有基を有するエポ
キシ変性ポリオルガノシロキサンをリン酸化して得ら
れ、当該リン酸化が、エポキシ変性ポリオルガノシロキ
サンの有するエポキシ基と、リン酸誘導体の有するP−
OH基との反応によって形成される結合を介して行われ
ることを特徴とする。本発明の製造方法は、前記リン酸
誘導体と、前記エポキシ変性ポリオルガノシロキサンと
反応させる工程を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸化ポリオル
ガノシロキサン及びその製造方法、難燃剤並びに樹脂組
成物に関し、更に詳しくは、エポキシ変性ポリオルガノ
シロキサンとリン酸誘導体の間に、エポキシ基とP−O
H基との反応による結合を形成させることにより得られ
る新規なリン酸化ポリオルガノシロキサン及びその製造
方法、当該リン酸化ポリオルガノシロキサンからなる樹
脂用の難燃剤、並びにこれを含有してなる樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸化ポリオルガノシロキサンは、潤
滑剤、離型剤、艶出し剤、消泡剤、及び各種組成物の構
成成分として工業的に利用されており、種々の製造方法
及び生成物が提案されている(特開昭54−48718
号公報、特開平6−16684号公報等参照)。そし
て、工業上有用であるリン酸化ポリオルガノシロキサン
に関しては、その特性や製造方法についての更なる改善
が望まれている。一方、ポリオルガノシロキサン化合物
は、各種樹脂の難燃剤として用いられているが、単独で
は難燃効果が不十分なため、リン酸エステル系難燃剤と
併用することが行われている。然るに、要求される難燃
効果を達成するためには、これらを比較的多量に配合し
なければならないのが現状である。このため、多量に配
合された難燃剤が、樹脂の機械的強度や耐熱性を低下さ
せるという問題があった。従って、より少ない配合量で
高い難燃効果を達成することのできる新規な難燃剤の開
発が望まれていた。このような要請に対して、種々の樹
脂の難燃剤として優れた特性を有し、かつ容易に製造す
ることのできる、新規なリン酸化ポリオルガノシロキサ
ンが提案されている(特開2001−247582号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に記載のリン酸化ポリオルガノシロキサンは、加水
分解性のあるP−O−Si結合を分子中に有しているた
め、これを配合してなる樹脂組成物において、その難燃
性能が経時的に低下するという問題がある。
【0004】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものであって、本発明の目的は、新規なリン酸化ポリ
オルガノシロキサン及びその製造方法を提供することに
ある。本発明の他の目的は、これを配合してなる樹脂組
成物において優れた難燃性能を長期にわたり発揮させる
ことができ、樹脂の難燃剤としてきわめて有用なリン酸
化ポリオルガノシロキサンを提供することにある。本発
明の更に他の目的は、長期にわたり優れた難燃性能を発
揮することのできる樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のリン酸化ポリオ
ルガノシロキサンは、下記一般式〔1〕で表されるリン
酸誘導体(以下、「特定のリン酸誘導体」ともいう。)
により、下記一般式〔2〕で表されるエポキシ変性ポリ
オルガノシロキサン(以下、「特定のエポキシ変性ポリ
オルガノシロキサン」ともいう。)をリン酸化して得ら
れるリン酸化ポリオルガノシロキサンであって、前記リ
ン酸化が、特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン
の有するエポキシ基と、特定のリン酸誘導体の有するP
−OH基との反応によって形成される結合を介して行わ
れることを特徴とする。
【0006】
【化5】
【0007】[式中、R1 及びR3 は、それぞれ独立し
て、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素
数6〜24のアリール基、炭素数7〜25のアリールア
ルキル基、炭素数7〜25のアルキルアリール基、又は
炭素数1〜20のアシル基を示し、R2 は炭素数2〜5
のアルキレン基を示し、a及びbは、それぞれ、0、1
又は2であって、かつa+bが1又は2の整数であり、
mは0〜200の整数である。]
【0008】
【化6】
【0009】[式中、R41及びR42は、それぞれ独立し
て、エポキシ基含有基、置換若しくは非置換の炭素数1
〜24のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜
24のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜2
5のアリールアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数
7〜25のアルキルアリール基、トリ(C1-20アルキ
ル)シリルC2-10アルキレン基、式−O(R43 2 Si
O) c SiR43 3 (式中、R 43は、それぞれ独立して、
置換若しくは非置換の炭素数1〜24のアルキル基、置
換若しくは非置換の炭素数6〜24のアリール基、置換
若しくは非置換の炭素数7〜25のアリールアルキル
基、又は置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアルキ
ルアリール基であり、cは0〜300の整数である)の
基、又は−C2-10アルキレン−Si(C1-20アルキル)
d (C1-20アルコキシ)3-d 基(式中、dは0〜2の整
数である)であり、R5 及びR6 は、それぞれ独立し
て、エポキシ基含有基、置換若しくは非置換の炭素数1
〜24のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜
24のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数7〜2
5のアリールアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭
素数7〜25のアルキルアリール基であるか、又はR5
とR6 は互いに結合して−O−を形成してもよく、nは
0〜500の整数である。但し、R41、R42、R5 又は
6 で示される基のうち、少なくとも1つの基はエポキ
シ基含有基である。]
【0010】本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサン
においては、下記の形態が好ましい。 〔1〕上記一般式〔2〕で示されるエポキシ変性ポリオ
ルガノシロキサンを構成するエポキシ基含有基が、下記
化学式(1)又は化学式(2)で示されること。 〔2〕上記一般式〔1〕のa+bが2であること。 〔3〕上記一般式〔1〕のa+bが1であること。 〔4〕上記一般式〔1〕のa+bが1であり、上記一般
式〔2〕のR41、R42、R5 又はR6 で示される各々の
基のうち2つの基だけがエポキシ基含有基である結果、
リン酸化生成物が線状のリン酸誘導体/ポリオルガノシ
ロキサン交互共重合体となること。 〔5〕上記一般式〔1〕のa+bが1であり、上記一般
式〔2〕のR5 で示される各々の基のうち1つの基、及
び、R6 で示される各々の基のうち1つの基がエポキシ
基含有基であること。 〔6〕上記一般式〔1〕のa+bが1であり、上記一般
式〔2〕のR41、R42、R5 又はR6 で示される各々の
基のうち3つ以上がエポキシ基含有基である結果、リン
酸化生成物がネットワーク状のリン酸誘導体/ポリオル
ガノシロキサン交互共重合体となること。 〔7〕上記一般式〔1〕のリン酸誘導体がa+b=1の
ものとa+b=2のものとの混合物であり、上記一般式
〔2〕のR41、R42、R5 又はR6 で示される基のうち
3つ以上がエポキシ基含有基であること。 〔8〕上記一般式〔2〕のR41又はR42で示される基の
うち少なくとも1つがアリールアルキル基であること。
【0011】
【化7】
【0012】また、本発明のリン酸化ポリオルガノシロ
キサンは、下記一般式〔3〕で表されることを特徴とす
る。
【0013】
【化8】
【0014】本発明の樹脂用の難燃剤は、本発明のリン
酸化ポリオルガノシロキサンからなることを特徴とす
る。本発明の樹脂組成物は、本発明のリン酸化ポリオル
ガノシロキサンと、熱可塑性樹脂とを含有してなること
を特徴とする。
【0015】本発明の製造方法は、前記特定のリン酸誘
導体(P−OH基)と、前記特定のエポキシ変性ポリオ
ルガノシロキサン(エポキシ基)と反応させる工程を含
むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のリン酸化ポリオルガノシ
ロキサンは、特定のリン酸誘導体によって、特定のエポ
キシ変性ポリオルガノシロキサンをリン酸化することに
より得られる。
【0017】<特定のリン酸誘導体>特定のリン酸誘導
体を表す上記一般式〔1〕において、R1 及びR3 は、
それぞれ独立して、ハロゲン原子;炭素数1〜30、好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜4
のアルキル基;炭素数6〜24、好ましくは炭素数6〜
14、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基;炭
素数7〜25、好ましくは炭素数7〜15、より好まし
くは炭素数7〜11のアリールアルキル基;炭素数7〜
25、好ましくは炭素数7〜15、より好ましくは炭素
数7〜11のアルキルアリール基;又は炭素数1〜2
0、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数
2〜7のアシル基である。R1 又はR3 により示される
ハロゲン原子には、例えば塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子が含まれ;アルキル基には、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル
基等が含まれ;アリール基には、例えばフェニル基、ナ
フチル基等が含まれ、フェニル基が特に好ましく;アリ
ールアルキル基には、例えばベンジル基、フェネチル基
等のフェニルアルキル基のほか、ナフチルメチル基等が
含まれ;アルキルアリール基には、例えばトルイル基、
キシリル基、プロピルフェニル基等のアルキルフェニル
のほか、メチルナフチル基等が含まれ;そしてアシルに
は、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、ベンゾイル基等が含まれる。
【0018】上記一般式〔1〕のR2 は、炭素数2〜
5、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。R
2 により示されるアルキレン基には、例えばメチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が含まれ
る。上記一般式〔1〕のmは、0〜200の整数であ
り、好ましくは0〜50である。
【0019】上記一般式〔1〕で表されるリン酸誘導体
は、a及びbの数値に依存してヒドロキシ基を1つ又は
2つ有する。ヒドロキシ基を1つ有するリン酸誘導体
(a+b=2)には、リン酸ジエステル(a=2,b=
0)、モノ置換リン酸モノエステル(a=b=1)、及
びジ置換リン酸(a=0,b=2)が含まれる。一方、
ヒドロキシ基を2つ有するリン酸誘導体(a+b=1)
には、リン酸モノエステル(a=1,b=0)、及びモ
ノ置換リン酸(a=0,b=1)が含まれる。これらリ
ン酸誘導体は、市販されているか又は公知の方法で製造
することがでる。具体的には、以下の例示化合物(1)
〜(43)を挙げることができる。
【0020】・例示化合物(1):ビス(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート;大八化学(株)製、商品名DP
−8R; ・例示化合物(2):ブトキシエチルアシッドホスフェ
ート;城北化学工業(株)製、商品名JP−506H; ・例示化合物(3):2−エチルヘキシル、2−エチル
ヘキシルホスホネート;大八化学(株)製、商品名PC
−88A; ・例示化合物(4):ジイソデシルホスフェート;大八
化学(株)製、商品名DP−10R; ・例示化合物(5):メチルアシッドホスフェート;大
八化学(株)製、商品名AP−1; ・例示化合物(6):エチルアシッドホスフェート;城
北化学工業株)製、商品名JP−502; ・例示化合物(7):ブチルアシッドホスフェート;大
八化学(株)製、商品名AP−4; ・例示化合物(8):ジブチルホスフェート;大八化学
(株)製、商品名DP−4; ・例示化合物(9):モノブチルホスフェート;大八化
学(株)製、商品名MP−4; ・例示化合物(10):オレイルアシッドホスフェート;
城北化学工業(株)製、商品名JP−518−0;
【0021】・例示化合物(11):テトラコシルアシッ
ドホスフェート;城北化学工業(株)製、商品名JP−
524; ・例示化合物(12):2−エチルヘキシルアシッドホス
フェート;大八化学(株)製、商品名AP−8; ・例示化合物(13):イソデシルアシッドホスフェー
ト;大八化学(株)製、商品名AP−10; ・例示化合物(14):モノイソデシルホスフェート;大
八化学(株)製、商品名MP−10; ・例示化合物(15):ラウリルリン酸;東邦化学工業
(株)製、商品名フォスファノールML−200; ・例示化合物(16):ポリオキシエチレン(以下P.
O.E)ラウリルエーテルリン酸;東邦化学工業(株)
製、商品名フォスファノールML−220; ・例示化合物(17):P.O.Eラウリルエーテルリン
酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスファノールR
D−510Y; ・例示化合物(18):P.O.Eアルキル(C12-15
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRS−410; ・例示化合物(19):P.O.Eアルキル(C12-15
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRS−610; ・例示化合物(20):P.O.Eアルキル(C12-15
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRS−710;
【0022】・例示化合物(21):P.O.E ステア
リルエーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フ
ォスファノールRL−210; ・例示化合物(22):P.O.E ステアリルエーテル
リン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスファノー
ルRL−310; ・例示化合物(23):P.O.E ステアリルエーテル
リン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスファノー
ルRL−410; ・例示化合物(24):P.O.E アルキルフェニルエ
ーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスフ
ァノールRE−410; ・例示化合物(25):P.O.E アルキルフェニルエ
ーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスフ
ァノールRE−510; ・例示化合物(26):P.O.E アルキルフェニルエ
ーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスフ
ァノールRE−610; ・例示化合物(27):P.O.E アルキルエーテルリ
ン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォスファノール
RA−600; ・例示化合物(28):P.O.E ジアルキルフェニル
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRM−410; ・例示化合物(29):P.O.E ジアルキルフェニル
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRM−510; ・例示化合物(30):P.O.E ジアルキルフェニル
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォス
ファノールRM−710;
【0023】・例示化合物(31):P.O.E フェニ
ルエーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名フォ
スファノールLP−700; ・例示化合物(32):P.O.E−sec−アルキル
(C12-14 )エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、
商品名フォスファノール RT−510; ・例示化合物(33):P.O.E−sec−アルキル
(C12-14 )エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、
商品名フォスファノール RT−610; ・例示化合物(34):ブチルアシッドフォスフェート;
城北化学工業(株)製、商品名 JP−504; ・例示化合物(35):2−エチルヘキシルアシッドフォ
スフェート;城北化学工業(株)製、商品名 JP−5
08; ・例示化合物(36):ジ(2−エチルヘキシル)フォス
フェート;城北化学工業(株)製、商品名JB−58; ・例示化合物(37):エチレングリコールアシッドフォ
スフェート;城北化学工業(株)製、商品名EGAP; ・例示化合物(38):P.O.E−sec−アルキル
(C12-14 )エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、
商品名フォスファノール RT−710; ・例示化合物(39):P.O.E−sec−アルキル
(C12-14 )エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、
商品名フォスファノール RT−910 ・例示化合物(40):P.O.E−アルキル(C1-2
エーテルリン酸;東邦化学工業(株)製、商品名ネオス
コアーPF−100;
【0024】・例示化合物(41):[C2 5 O(C2
4 O)2 2 P(O)OH; ・例示化合物(42):(CH3 O)2 P(O)OH; ・例示化合物(43):(C2 5 O)2 P(O)OH。
【0025】なお、リン酸ジエステルとして市販されて
いるものは、リン酸モノエステル等との混合物である場
合が多いので、高純度のリン酸ジエステルを必要とする
場合には、例えば、五酸化リンを用いて、Uporら,
Magy.Kem.Foly.,73(11),pp.
479−83(1967)に記載された方法に従って製
造することができる。
【0026】<特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキ
サン>特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンを表
す上記一般式〔2〕において、ポリシロキサン主鎖に結
合したR41及びR42は、それぞれ独立して、エポキシ基
含有基、置換若しくは非置換の炭素数1〜24のアルキ
ル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜24のアリール
基、置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアリールア
ルキル基、置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアル
キルアリール基、トリ(C1-20アルキル)シリルC2-10
アルキレン基、式−O(R43 2 SiO) c SiR
43 3 (式中、R43は、それぞれ独立して、置換若しくは
非置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換若しくは非
置換の炭素数6〜24のアリール基、置換若しくは非置
換の炭素数7〜25のアリールアルキル基、又は置換若
しくは非置換の炭素数7〜25のアルキルアリール基で
あり、そしてcは0〜300、好ましくは0〜200、
より好ましくは0〜100の整数である)の基、又は、
−C2-10アルキレン−Si(C1-20アルキル)d (C
1-20アルコキシ)3-d 基(式中、dは0〜2の整数であ
る)である。R41、R42及びR43により示される非置換
のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及びア
ルキルアリール基には、上記一般式〔1〕のR1 及びR
3 について例示したものが挙げられ、好ましくは炭素数
1〜6のアルキル基(特にメチル基)、炭素数6〜10
のアリール基(特にフェニル基)である。R41、R42
びR43により示される置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリールアルキル基、及び置換アルキルアリー
ル基の置換基には、ハロゲノ基、特にフルオロ基、アミ
ノ基、2−アミノエチルアミノ基及び3,3,3−トリ
フルオロ基が含まれる。具体的な置換アルキル基には、
フルオロメチル基、3−アミノプロピル基、3−(2−
アミノエチルアミノ)プロピル基及び3,3,3−トリ
フルオロプロピル基を挙げることができる。
【0027】上記一般式〔2〕において、R5 及びR6
は、それぞれ独立して、エポキシ基含有基、置換若しく
は非置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換若しくは
非置換の炭素数6〜24のアリール基、置換若しくは非
置換の炭素数7〜25のアリールアルキル基、又は置換
若しくは非置換の炭素数7〜25のアルキルアリール基
である。R5 及びR6 により示される非置換及び置換の
アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及びアル
キルアリール基には、R41及びR42について例示したも
のが挙げられる。上記一般式〔2〕のnは、0〜500
の整数であり、好ましくは0〜300、より好ましくは
1〜100、特に好ましくは1〜50である。
【0028】上記一般式〔2〕のR5 及びR6 は、互い
に結合して−O−を形成することもできる。この場合、
エポキシ変性ポリオルガノシロキサンは、下記一般式
〔4〕で表されるような環状構造になる。
【0029】
【化9】
【0030】[式中、R41、R42、R5 及びR6 は、上
記一般式〔2〕の定義と同一であり、n’は少なくとも
1の整数、好ましくは1〜6の整数である。]
【0031】上記一般式〔2〕において、R41(n
個)、R42(n個)、R5 (3個)、R 6 (3個)で示
される基のうち、少なくとも1つの基、好ましくは1〜
100、より好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜
2の基がエポキシ基含有基であることを要する。ここ
に、『エポキシ基含有基』とは、下記一般式〔5〕で表
されるエポキシ基(オキシラン環)を1つ含有する1価
の基をいう。このエポキシ基が、上記一般式〔1〕で表
されるリン酸誘導体のヒドロキシ基と反応して開環し、
下記一般式〔6〕で表される結合〔上記一般式〔3〕で
示した(−YO−)結合〕が形成され、この結合を介し
て、ポリオルガノシロキサンのリン酸化が行われる。
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R71、R72及びR73は、それぞれ
独立して、水素原子または1価の有機基であり、R72
はR73は、エポキシ基含有基を構成する基と連結して環
を形成していてもよい。)
【0034】上記一般式〔5〕で表されるエポキシ基を
含有するエポキシ基含有基の好適なものとしては、上記
化学式(1)又は化学式(2)で示される基を例示する
ことができる。
【0035】上記一般式〔2〕で表されるエポキシ変性
ポリオルガノシロキサンは、周知の化合物であり、市販
されているか又は公知の方法で製造することができる。
【0036】特定のリン酸誘導体(ヒドロキシ基)と、
特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン(エポキシ
基)とを反応させて、上記一般式〔6〕で表される結合
を形成させることにより、本発明のリン酸化ポリオルガ
ノシロキサンが得られる。
【0037】このリン酸化反応は、使用する反応体の性
状により、溶媒の存在下でも不存在下でも行なうことが
できる。反応温度は、通常0〜150℃であり、好まし
くは80〜120℃である。本発明のリン酸化ポリオル
ガノシロキサンを得るための反応は、特定のリン酸誘導
体と、特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンとを
単に混合するだけでも進行するが、銅、鉄、ニッケル、
パラジウム、白金、ロジウム、チタン、ジルコニウム及
びバナジウムのような金属触媒や塩化白金酸や白金錯体
のような金属化合物を用いてもよい。
【0038】この反応に供される、特定のリン酸誘導体
と、特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンとの割
合は、後者の有するエポキシ基に対する、前者の有する
P−OH基のモル比(P−OH/エポキシ基)が1.5
〜0.5となる割合であることが好ましく、更に好まし
くは1.0〜0.7となる割合である。反応に供すされ
るリン酸誘導体は、ヒドロキシ基を1つ有するもの(a
+b=2)であっても、ヒドロキシ基を2つ有するもの
(a+b=1)であってもよく、また、これらの混合物
であってもよい。
【0039】得られるリン酸化ポリオルガノシロキサン
の形態(構造)は、特定のリン酸誘導体のヒドロキシ基
の数、及び特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン
のエポキシ基の数によって異なる。上記一般式〔1〕の
リン酸誘導体が、ヒドロキシ基を1つ有するもの(a+
b=2)であるときは、上記一般式〔2〕のエポキシ変
性ポリオルガノシロキサンが有するエポキシ基の数に関
係なく、例えば、下記一般式〔7〕で表されるような、
ポリオルガノシロキサンの1分子に、特定のリン酸誘導
体が、P−O−Y−Si結合を介して任意に置換したリ
ン酸化ポリオルガノシロキサンが得られる。このタイプ
のリン酸化ポリオルガノシロキサン中のリン原子の割合
は、1〜20質量%とされ、好ましくは2〜15質量
%、より好ましくは3〜8質量%である。
【0040】
【化11】
【0041】[式中、R1 、R2 、R3 及びmは、上記
一般式〔1〕の定義と同一であり、R41及びR42は、上
記一般式〔2〕の定義と同一であり、−YO−は、上記
一般式〔3〕の定義と同一であり、R8 及びR9 は、そ
れぞれ独立して、エポキシ基含有基、置換若しくは非置
換の炭素数1〜24のアルキル基、置換若しくは非置換
の炭素数6〜24のアリール基、置換若しくは非置換の
炭素数7〜25のアリールアルキル基、置換若しくは非
置換の炭素数7〜25のアルキルアリール基、又は式−
Y−O−P(O)[(OR2 ) m OR1 ] a 3 b の基で
あるか、又はR8 とR9 は互いに結合して−O−を形成
してもよい。a、bはそれぞれ0、1又は2であってか
つa+bが2の整数であり、p、q及びrは、0〜50
0であって、p+q+r=nとなる整数である。但し、
分子全体で少なくとも1つの式−Y−O−P(O)
[(OR2 ) m OR 1 ] a 3 b の基を有する。]
【0042】一方、特定のリン酸誘導体が、ヒドロキシ
基を2つ有するもの(a+b=1)であるときは、特定
のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンがエポキシ基を
1つ有するなら、リン酸基を連結基とするポリオルガノ
シロキサンの二量体が得られ、特定のエポキシ変性ポリ
オルガノシロキサンがエポキシ基を2つ有するなら、線
状のリン酸誘導体/ポリオルガノシロキサン交互共重合
体が得られる。例えば、上記一般式〔2〕のR5 で示さ
れる基の1つ、及びR6 で示される基の1つが、それぞ
れエポキシ基含有基であるエポキシ変性ポリオルガノシ
ロキサンを使用して得られるこのタイプの共重合体は、
下記一般式〔8〕で表される。
【0043】
【化12】
【0044】なお、特定のリン酸誘導体が、ヒドロキシ
基を2つ有するもの(a+b=1)と、ヒドロキシ基を
1つ有するもの(a+b=2)との混合物であり、特定
のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンがエポキシ基を
2つ有する場合には、得られる線状のリン酸誘導体/ポ
リオルガノシロキサン交互共重合体の末端基が、ヒドロ
キシ基を1つ有する特定のリン酸誘導体に由来する『−
YOP(=O)R3 b[(OR2 m OR1 a 』(a
+b=2)となることもある。
【0045】特定のリン酸誘導体がヒドロキシ基を2つ
有し、かつ特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン
がエポキシ基を3つ以上有する場合には、ネットワーク
状のリン酸誘導体/ポリオルガノシロキサン交互共重合
体が得られる。このネットワーク状の交互共重合体を製
造する際に、ヒドロキシ基を2つ有するリン酸誘導体と
共に、ヒドロキシ基を1つだけ有するリン酸誘導体を適
量存在させれば、得られる共重合体のネットワーク構造
の密度又は分子量を調節することができる。
【0046】また、ヒドロキシ基を2つ有する特定のリ
ン酸誘導体に、2つ及び3つ以上のエポキシ基を有する
上記一般式〔7〕のリン酸化ポリオルガノシロキサン
(但し、R41、R42、R8 又はR9 で示される各々の基
のうち、少なくとも2つの基がエポキシ基含有基である
場合)をそれぞれ反応させると、線状のリン酸誘導体/
リン酸化ポリオルガノシロキサン交互共重合体、及びネ
ットワーク状のリン酸誘導体/リン酸化ポリオルガノシ
ロキサン交互共重合体がそれぞれ得られる。このうち、
線状のリン酸誘導体/リン酸化ポリオルガノシロキサン
交互共重合体は、上記一般式〔7〕のR8 で示される各
々の基のうち1つの基、及び、R9 で示される各々の基
のうち1つの基がエポキシ基含有基である結果、上記一
般式〔7〕のリン酸化ポリオルガノシロキサンが2つの
エポキシ基を有する場合、下記一般式
〔9〕で表すこと
ができる。
【0047】
【化13】
【0048】[式中、R1 、R2 、R3 、R8 、R9
m、p、q、r及びxは、上記一般式〔7〕の定義と同
一(但し、p及びrが同時に0になることはない。)で
あり、R41及びR42は、上記一般式〔2〕の定義と同一
であるが、エポキシ基含有基であることはない。−YO
−は、上記一般式〔3〕の定義と同一である。WA'及び
B'は、上記一般式〔8〕の定義と同一である。a、b
はそれぞれ0、1又は2であって、かつa+bが2の整
数であり、a’は0又は1である。
【0049】上記のような、R8 で示される各々の基の
うち1つの基、及び、R9 で示される各々の基のうち1
つの基がエポキシ基含有基である結果、2つのエポキシ
基を有する上記一般式〔7〕のリン酸化ポリオルガノシ
ロキサンは、まず、ヒドロキシ基を1つだけ有する上記
一般式〔1〕のリン酸誘導体で、エポキシ基を少なくと
も1つ有する上記一般式〔4〕で表される環状のポリオ
ルガノシロキサンをリン酸化することにより、リン酸化
環状ポリオルガノシロキサンを生成させ、次いで、それ
を、上記一般式〔2〕の線状ポリオルガノシロキサンと
平衡化させることにより得られる。線状及びネットワー
ク状の交互共重合体の分子量は、200〜2,000,
000、好ましくは500〜1,000,000であ
る。
【0050】<難燃剤>上記のようにして得られる本発
明のリン酸化ポリオルガノシロキサンは、種々の樹脂用
の難燃剤として非常に優れた特性を有し、従来のリン系
難燃剤を同量使用した場合と比較して5〜20倍の難燃
効果(1/20〜1/5の使用量で同程度の難燃効果)
を示す。このように、樹脂への添加量を大幅に低減でき
るので、難燃剤の添加により起因する樹脂組成物(成形
体)の機械強度及び耐熱性の低下を実質的に防止するこ
とができる。
【0051】しかも、本発明のリン酸化ポリオルガノシ
ロキサンを構成するP−O−Y−Si結合は、加水分解
性を有するものではないので、当該リン酸化ポリオルガ
ノシロキサンを含有する樹脂組成物は、リン酸化ポリオ
ルガノシロキサンにより付与される優れた難燃性能を長
期にわたり発揮することができる。
【0052】<樹脂組成物>本発明の樹脂組成物は、本
発明のリン酸化ポリオルガノシロキサンと、熱可塑性樹
脂とを含有してなる。本発明の樹脂組成物を構成する好
適な熱可塑性樹脂としては、例えば、レキサン101、
121、131、141及び151のようなレキサン、
サイコロイ(以上、エンジニアリングプラスチック
ス)、パンライト、メタマーブル、マルチロン(以上、
帝人化成)、ユーピロン(三菱ガス化学)、ノバレック
ス、ノバメート(以上、三菱エンジニアリングプラスチ
ックス)、マクロロン、バイブレント(以上、バイエル
ジャパン)、タフロン(出光石油化学)、カリバー、及
びテクニエース(以上、住友ダウ)のようなポリカーボ
ネ−ト(PC)樹脂;サンタックUT−61(三井東圧
化学)、セビアンV―680(ダイセル化学工業)、ス
タイラック(旭化成工業)、サイコラック、ウベロイ
(以上、宇部サイコン)、カネエース、カネカFRX
(以上、鐘淵化学工業)、エスチレンABS(新日鐵化
学)、クララスチック(住友ダウ)、セビアンV(ダイ
セル化学工業)、デンカABS、デンカ難燃ABS(以
上、電気化学工業)、トヨラック(東レ)、JSRAB
S(ジェイエスアール)、タフレックス、コリメート
(以上、三菱化学)、ダイヤペットABS(三菱レイヨ
ン)、スミコンFM(住友ベークライト)、バイエルA
BS(バイエル)、及びテルラン(BASFエンジニア
リングプラスチック)のようなアクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン(ABS)樹脂;PC/ABS;タイ
リル、スタイラックAS(以上、旭化成工業)、エスチ
レンAS(新日本製鉄化学工業)、セビアン−N(ダイ
セル化学工業)、デンカAS(電気化学工業)、トヨラ
ックG(東レ)、ライタックA(三井化学)、及びサン
レックス(三菱化学)のようなスチレン−アクリロニト
リル(SAN)樹脂;バイタックス(日立化成工業)、
ダイヤラックA(三菱レイヨン)及びルランS(BAS
Fエンジニアリングプラスチック)のようなアクリレー
トスチレンアクリロニトリル(ASA)樹脂;バロック
ス(エンジニアリングプラスチックス)、プラナック
(大日本インキ化学工業)、帝人PBT樹脂(帝人)、
タフペットPBT(東洋紡績)、ジュラネックス(ポリ
プラスチックス)、テナイト(長瀬産業)、ノバドゥー
ル(三菱エンジニアリングプラスックス)、FR−PB
T(三井石油化学工業)、ポカン(バイエルジャパ
ン)、及びウルトラデュアー(BASFエンジニアリン
グプラスチック)のようなポリブチレンテレフタレート
(PBT)樹脂;帝人FR−PET(帝人)、バイロペ
ット(東洋紡績)、タフエイト(出光石油化学)、ハイ
パーライト(鐘淵化学工業)、クラペット(クラレ)、
ダイヤナイト(三菱レイヨン)、ペトロン(バイエルジ
ャパン)、及びノバペット(三菱エンジニアリングプラ
スックス)のようなポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂;旭化成ポリスチレン(旭化成工業)、エスチ
レン(新日本製鉄化学工業)、ダイセルスチロール(ダ
イセル化学工業)、出光ポリスチレン(出光石油化
学)、デンカスチロール(電気化学工業)、カネウッド
(鐘淵化学工業)、エスチレン(新日鐵化学)、エスプ
ライト、エバープライト(以上、昭和電工)、スミブラ
イト(住友化学工業)、ダイヤレックス、及びパーマト
ン(以上、三菱化学)のようなポリスチレン(PS)樹
脂;ポリプロピレン(PP)樹脂;及びポリエチレン
(PE)樹脂が含まれるが、これらに限定されることは
ない。
【0053】本発明の樹脂組成物中におけるリン酸化ポ
リオルガノシロキサンの含有割合としては、樹脂組成物
全量を基準として、通常0.01〜20質量%とされ、
好ましくは0.1〜10質量%とされる。
【0054】本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサン
を樹脂に配合するに際して、ポリオルガノシロキサン成
分及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が相
互侵入網目構造を有している複合ゴム(例えば、三菱レ
イヨンのS−2001)やアクリレートゴム(例えば、
呉羽化学工業のEXL2311)を添加することができ
る。また、樹脂組成物の製造時及び/又は成形時に慣用
の添加剤を添加することができ、例えば、顔料、染料、
充填剤(タルク、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン
ブラック、シリカ、酸化チタン等)、耐熱剤、酸化劣化
防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤等
を挙げることができる。タルクの具体例としては、商品
名「ミクロエースP−3」(日本タルク)を挙げること
ができ、遠心沈降法による平均粒子径が1.8μmのも
のがある。また、ガラス繊維の具体例としては、:日東
紡グラスファイバー、日東紡チョップドストランド3P
E−455、Eグラスファイバー(旭ファイバーグラ
ス)、石英硝子繊維(旭硝子)を挙げることができる。
【0055】本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサン
を樹脂に配合するに際して、特開平10−147701
号公報の〔0028〕に記載されているような他の難燃
成分、例えば、水酸化アルミニウム等の無機物、リン酸
エステル類、芳香族系スルホン酸塩のような成分を含め
てもよい。
【0056】本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサン
を樹脂に配合するに際して、更に、ポリフッ化炭化水
素、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
のような滴下防止剤を配合してもよい。具体的には、三
井・デュポンフロロケミカルのテフロン6J又はテフロ
ン30J、及びダイキン化学工業のポリフロンF201
Lが含まれる。ポリテトラフルオロエチレンを配合する
場合、その配合量は、樹脂組成物の全量を基準として、
0.01〜2質量%、好ましくは0.02〜1質量%で
ある。以下、本発明の実施例を示すが、本発明が、これ
らにより限定されるものではない。
【0057】
【実施例】<実施例1>下記化学式(3A)で表される
特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン350gを
1Lの四つ口フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下におい
て、下記化学式(3B)で示される特定のリン酸誘導体
(上記Uporらの方法に従って製造したジエチルフォ
スフェート)をゆっくり滴下し、この系を80〜120
℃の温度域で3時間反応(リン酸化反応)させることに
より、495gの生成物を得た。このようにして得られ
た生成物について、GPC、IR吸収スペクトル、及び
1 H−NMRマススペクトルにより構造を調べたとこ
ろ、当該生成物は、下記化学式(3C)で表されるリン
酸化ポリオルガノシロキサンであることが確認された。
【0058】
【化14】
【0059】<実施例2>下記化学式(4A)で表され
る特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン329g
を1Lの四つ口フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下にお
いて、下記化学式(4B)で示される特定のリン酸誘導
体(上記Uporらの方法に従って製造したジブチルフ
ォスフェート)をゆっくり滴下し、この系を80〜12
0℃の温度域で3時間反応(リン酸化反応)させること
により、492gの生成物を得た。このようにして得ら
れた生成物について、GPC、IR吸収スペクトル、及
1 H−NMRマススペクトルにより構造を調べたとこ
ろ、当該生成物は、下記化学式(4C)で表されるリン
酸化環状ポリオルガノシロキサンであることが確認され
た。
【0060】
【化15】
【0061】<実施例3>下記化学式(5A)で表され
る特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン278g
を1Lの四つ口フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下にお
いて、下記化学式(5B)で示される特定のリン酸誘導
体(上記Uporらの方法に従って製造したジエチルジ
グリコールフォスフェート)をゆっくり滴下し、この系
を80〜120℃の温度域で3時間反応(リン酸化反
応)させることにより、498gの生成物を得た。この
ようにして得られた生成物について、GPC、IR吸収
スペクトル、及び 1 H−NMRマススペクトルにより構
造を調べたところ、当該生成物は、下記化学式(5C)
で表されるリン酸化ポリオルガノシロキサンであること
が確認された。
【0062】
【化16】
【0063】<実施例4>下記化学式(6A)で表され
る特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサン347g
を1Lの四つ口フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下にお
いて、下記化学式(6B)で示される特定のリン酸誘導
体(上記Uporらの方法に従って製造したジブチルフ
ォスフェート)をゆっくり滴下し、この系を80〜12
0℃の温度域で3時間反応(リン酸化反応)させること
により、495gの生成物を得た。このようにして得ら
れた生成物について、GPC、IR吸収スペクトル、及
1 H−NMRマススペクトルにより構造を調べたとこ
ろ、当該生成物は、下記化学式(6C)で表されるリン
酸化ポリオルガノシロキサンであることが確認された。
【0064】
【化17】
【0065】<比較例1>特開2001−247582
号公報の実施例1に記載の方法に従って、下記化学式
(7)で表される比較用のリン酸化ポリオルガノシロキ
サン(P−O−Si結合を介してリン酸か行われたリン
酸化ポリオルガノシロキサン)を得た。
【0066】
【化18】
【0067】<比較例2>特開2001−247582
号公報の実施例2に記載の方法に従って、下記化学式
(8)で表される比較用のリン酸化ポリオルガノシロキ
サン(P−O−Si結合を介してリン酸か行われたリン
酸化ポリオルガノシロキサン)を得た。
【0068】
【化19】
【0069】<実施例5A〜実施例36A>下記表1〜
表3に示す処方に従って、例示化合物(1)〜(43)
の中から選択した特定のリン酸誘導体と、上記一般式
〔2〕または上記一般式〔4〕で表される特定のエポキ
シ変性ポリオルガノシロキサンとを、前者の有するP−
OH基と後者の有するエポキシ基のモル数が等しくなる
ように使用したこと以外は、実施例1〜4の何れかに記
載の方法に準じて反応させることに生成物を得た。この
ようにして得られた生成物の各々について、GPC、I
R吸収スペクトル、及び1 H−NMRマススペクトルに
より構造を調べたところ、当該生成物は、特定のリン酸
誘導体と特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンと
の反応生成物である本発明のリン酸化ポリオルガノシロ
キサンであることが確認された。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】上記表1〜表3において、『Z1 』は、上
記化学式(1)で表されるエポキシ基含有基を示す。
【0074】<実施例5B〜実施例36B>下記表4〜
表6に示す処方に従って、例示化合物(1)〜(43)
の中から選択した特定のリン酸誘導体と、上記一般式
〔2〕または上記一般式〔4〕で表される特定のエポキ
シ変性ポリオルガノシロキサンとを、前者の有するP−
OH基と後者の有するエポキシ基のモル数が等しくなる
ように使用したこと以外は、実施例1〜4の何れかに記
載の方法に準じて反応させることに生成物を得た。この
ようにして得られた生成物の各々について、GPC、I
R吸収スペクトル、及び1 H−NMRマススペクトルに
より構造を調べたところ、当該生成物は、特定のリン酸
誘導体と特定のエポキシ変性ポリオルガノシロキサンと
の反応生成物である本発明のリン酸化ポリオルガノシロ
キサンであることが確認された。
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】上記表4〜表6において、『Z2 』は、上
記化学式(2)で表されるエポキシ基含有基を示す。
【0079】<試験例1〜62(樹脂組成物の製造及び
評価)>下記表7〜表13に示す処方に従って、樹脂、
実施例若しくは比較例で得られたリン酸化ポリオルガノ
シロキサン(試験例59〜60を除く)及び任意成分を
混合し、直径40mmの単軸押出機(いすゞ加工機
(株)製)を使用して、シリンダ温度250℃の条件で
押し出すことによりペレット化した。得られたペレット
の各々を120℃で6時間乾燥した後、射出成形機(日
本製鋼所(株)製、商品名J−50EP)を用いて、シ
リンダ温度270℃及び金型温度80℃の条件で成形体
(評価乃至測定用の試験片)を作製し、当該成形体につ
いての難燃性能(初期/保存後)及び外観状態を評価す
ると共に、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度及び熱変形
温度を測定した。以上の結果を下記表7〜表13に併せ
て示す。ここに、成形体(樹脂組成物)の評価乃至測定
方法は下記の通りである。
【0080】〔難燃性能(初期)〕UL94規格に準拠
して作製した厚み=1/16インチの試験片(樹脂組成
物1種あたり5個)を用いて試験を行い、下記の基準に
基いて難燃性能を評価した。
【0081】(V−0):添加炎を取り除いた後の有炎
燃焼時間が10秒以内であり、試料片5個への10回の
接炎の合計有炎燃焼時間が50秒以内であり、かつ全試
料ともに脱脂綿に着火する微粒炎を落下しない。 (V−1):添加炎を取り除いた後の有炎燃焼時間が3
0秒以内であり、試料片5個への10回の接炎の合計有
炎燃焼時間が250秒以内であり、かつ全試料ともに脱
脂綿に着火する微粒炎を落下しない。 (V−2):添加炎を取り除いた後の有炎燃焼時間が3
0秒以内であり、試料片5個への10回の接炎の合計有
炎燃焼時間が250秒以内であり、かつこれらの試料が
脱脂綿に着火する微粒炎を落下する。
【0082】〔難燃性能(保存後)〕UL94規格に準
拠して作製した厚み=1/16インチの試験片(樹脂組
成物1種あたり5個)を、温度26℃、相対湿度65%
の恒温恒湿槽内に6ヶ月間放置した後、上記の同様の試
験を行って難燃性能を評価した。
【0083】〔外観〕成形体を目視により観察し、非常
に良好である場合を「◎」、良好である場合を「○」、
不良である場合を「×」とした。
【0084】〔曲げ弾性率〕ASTM規格D−790に
準拠して作製した試験片の曲げ弾性率を測定した。
【0085】〔アイゾット衝撃強度〕ASTM規格D−
256に準拠して、厚み1/8インチのノッチ付き衝撃
試験片を作製し、ASTM規格D−256に準拠して、
アイゾット衝撃強度(23℃)を測定した。
【0086】〔熱変形温度〕ASTM規格D−648に
準拠して作製した試験片を用い、1820kPaの荷重
による荷重たわみ温度を測定した。
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
【表13】
【0094】表7〜表13に示す樹脂又は各成分の商品
名は下記のとおりである。 ・『PC樹脂』:カリバー300(住友ダウ) ・『ABS樹脂』:サンタックUT−61(三井東圧化
学)、セビアンV―680(ダイセル化学工業) ・『PBT樹脂』:タフペットPBT(東洋紡績) ・『ASA樹脂』:ダイヤラックA(三菱レイヨン) ・『SAN樹脂』:デンカAS(電気化学工業) ・『PET樹脂』:ダイヤナイト(三菱レイヨン) ・『PS樹脂』 :出光ポリスチレン(出光石油化学) ・『滴下防止剤』:ポリフロンF201L(ダイキン化
学工業) ・『シリコーンパウダー』:DC4−7051
【0095】
【発明の効果】本発明のリン酸化ポリオルガノシロキサ
ンは、種々の樹脂の難燃剤として非常に優れた特性を有
し、従来公知のリン系難燃剤を同質量使用した場合と比
較して、5〜20倍の難燃性能を発揮させることができ
る。従って、樹脂への添加量を大幅に低減できるので、
難燃剤の添加に起因する樹脂組成物(成形体)の機械的
強度の低下や熱変形のような問題を実質的に防止するこ
とができる。しかも、本発明のリン酸化ポリオルガノシ
ロキサンにおいては、ケイ素原子とリン原子とを結合す
る基(−YO−)が加水分解性を有するものではないの
で、これが配合されてなる樹脂組成物(本発明の樹脂組
成物)は、長期間保存(放置)された後であっても、保
存前と同様の優れた難燃性能を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/08 C08L 83/08 83/14 83/14 101/00 101/00 C09K 21/12 C09K 21/12 21/14 21/14 Fターム(参考) 4H028 AA35 AA49 BA06 4H050 AA01 AA02 AA03 AB80 AC40 4J002 AA011 BB031 BB121 BC031 BC061 BG041 BN151 CF001 CF061 CF071 CG001 CP032 CP112 EX036 FD13 4J035 BA01 CA01 CA032 CA111 CA271 FB01 HA00 HA06 HB05 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕で表されるリン酸誘導
    体により、下記一般式〔2〕で表されるエポキシ変性ポ
    リオルガノシロキサンをリン酸化して得られるリン酸化
    ポリオルガノシロキサンであって、 前記リン酸化が、前記エポキシ変性ポリオルガノシロキ
    サンの有するエポキシ基と、前記リン酸誘導体の有する
    P−OH基との反応によって形成される結合を介して行
    われることを特徴とするリン酸化ポリオルガノシロキサ
    ン。 【化1】 [式中、R1 及びR3 は、それぞれ独立して、ハロゲン
    原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜24の
    アリール基、炭素数7〜25のアリールアルキル基、炭
    素数7〜25のアルキルアリール基、又は炭素数1〜2
    0のアシル基を示し、R2 は炭素数2〜5のアルキレン
    基を示し、a及びbは、それぞれ、0、1又は2であっ
    て、かつa+bが1又は2の整数であり、mは0〜20
    0の整数である。] 【化2】 [式中、R41及びR42は、それぞれ独立して、エポキシ
    基含有基(エポキシ基を1つ含有する基をいう。以下同
    じ。)、置換若しくは非置換の炭素数1〜24のアルキ
    ル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜24のアリール
    基、置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアリールア
    ルキル基、置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアル
    キルアリール基、トリ(C1-20アルキル)シリルC2-10
    アルキレン基、式−O(R43 2 SiO) c SiR
    43 3 (式中、R43は、それぞれ独立して、置換若しくは
    非置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換若しくは非
    置換の炭素数6〜24のアリール基、置換若しくは非置
    換の炭素数7〜25のアリールアルキル基、又は置換若
    しくは非置換の炭素数7〜25のアルキルアリール基で
    あり、cは0〜300の整数である)の基、又は−C
    2-10アルキレン−Si(C1-20アルキル)d (C1-20
    ルコキシ)3-d 基(式中、dは0〜2の整数である)で
    あり、R5 及びR6 は、それぞれ独立して、エポキシ基
    含有基、置換若しくは非置換の炭素数1〜24のアルキ
    ル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜24のアリール
    基、置換若しくは非置換の炭素数7〜25のアリールア
    ルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数7〜25の
    アルキルアリール基であるか、又はR5 とR6 は互いに
    結合して−O−を形成してもよく、nは0〜500の整
    数である。但し、R41、R42、R5 又はR6 で示される
    基のうち、少なくとも1つの基はエポキシ基含有基であ
    る。]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリン酸化ポリオルガノ
    シロキサンであって、上記一般式〔2〕で示されるエポ
    キシ変性ポリオルガノシロキサンを構成するエポキシ基
    含有基が、下記化学式(1)又は化学式(2)で示され
    ることを特徴とするリン酸化ポリオルガノシロキサン。 【化3】
  3. 【請求項3】 下記一般式〔3〕で表されることを特徴
    とするリン酸化ポリオルガノシロキサン。 【化4】
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    リン酸化ポリオルガノシロキサンからなることを特徴と
    する樹脂用の難燃剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    リン酸化ポリオルガノシロキサンと、熱可塑性樹脂とを
    含有することを特徴とする樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の一般式〔1〕で表され
    るリン酸誘導体と、請求項1に記載の一般式〔2〕で表
    されるエポキシ変性ポリオルガノシロキサンと反応させ
    る工程を含むことを特徴とするリン酸化ポリオルガノシ
    ロキサンの製造方法。
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