JP2003174696A - コンデンサマイクロフォン - Google Patents

コンデンサマイクロフォン

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JP2003174696A
JP2003174696A JP2001372133A JP2001372133A JP2003174696A JP 2003174696 A JP2003174696 A JP 2003174696A JP 2001372133 A JP2001372133 A JP 2001372133A JP 2001372133 A JP2001372133 A JP 2001372133A JP 2003174696 A JP2003174696 A JP 2003174696A
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Yasuo Maekawa
泰夫 前川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレクトレットコンデンサの両極(背電極、
振動板)間吸着現象を解消することができるコンデンサ
ーマイクロフォンを提供する。 【解決手段】 振動板(13)と背電極(14)により
形成されたエレクトレットコンデンサを備え、背電極
は、振動板に臨んで湾曲凹状部(14A)を有し、前記
湾曲凹状部の最大深さ部分を振動板の最大振幅位置近傍
とする。前記振動板の最大振幅位置近傍を最大深さ部分
とするように背電極を湾曲凹状に形成するから、振動板
の振幅が大きな部分ほど背電極と振動板のギャップが大
きくされ、背電極、振動板間の吸着現象を解消し易くな
る。振動板の振幅が小さな部分ほど背電極と振動板のギ
ャップが小さくされるから、蓄積電荷量が増え、コンデ
ンサマイクロフォンの高感度化に寄与する。前記湾曲凹
状部の最大深さ部分は10μm〜100μmとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動板と背電極によ
り形成されたエレクトレットコンデンサを有するコンデ
ンサマイクロフォンに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトレットコンデンサを形成する振
動板と背電極の間にギャップ成形するのに、従来は、例
えば図4に例示されるように平らな背電極1と振動板2
の間に薄いリング状のスペーサ3を介在させ、或は、図
5に例示されるように背電極1に凸状の突起物4を1個
から複数個設ける等の構成が採用されていた。図示は省
略するが、前記突起物を背電極に1個から複数個設ける
構成も採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようのな従来構造では以下のような問題のあることを本
発明者は見出した。 (1)狭いギャップが必要な場合、平らな背電極を使用
すると振動板が吸引され振動板吸着不良を生じ易かっ
た。 (2)スペーサを用いてギャップを形成する方法では、
スペーサ自体にコストがかかる他、組立て工数も増えて
しまう。 (3)背電極や振動板に凸状の突起物を設ける構造は、
振動板にテンションをかけることになり、共振周波数が
上がってしまい、尚かつ振動板の有効面積を減らすこと
になりマイクロフォン感度を上げるのが困難になる。
【0004】本発明の目的は、電極に与えられる電荷の
吸引力によるエレクトレットコンデンサの両極(背電
極、振動板)間吸着現象を解消することができるコンデ
ンサマイクロフォンを提供することにある。
【0005】本発明の別の目的は、振動板と背電極の間
にギャップ成形するのための部品を削減することができ
るコンデンサーマイクロフォンを提供することにある。
【0006】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコンデンサ
マイクロフォンは、振動板と背電極により形成されたエ
レクトレットコンデンサを備え、前記背電極は、前記振
動板に臨んで湾曲凹状部を有し、前記湾曲凹状部の最大
深さ部分が前記振動板の最大振幅位置近傍とされる。前
記湾曲凹状部の湾曲面は例えば縦断面形状がサインカー
ブ、コサインカーブ又は円弧などであってよい。
【0008】上記より、前記振動板の最大振幅位置近傍
を最大深さ部分とするように前記背電極を湾曲凹状に形
成することにより、エレクトレットコンデンサ両極間
(背電極、振動板)の吸引力を中心部分(振動板の最大
振幅部分近傍)に集中させないようにすることができ
る。要するに、振動板の振幅が大きな部分ほど背電極と
振動板のギャップが大きくされ、背電極、振動板間の吸
着現象を解消し易くなる。換言すれば、振動板が最大限
に吸引される中心部でも振動板吸着不良が発生し難くな
る。更に、振動板の振幅が小さな部分ほど背電極と振動
板のギャップが小さくされるから、蓄積電荷量が増え、
コンデンサマイクロフォンの高感度化に寄与する。
【0009】前記湾曲凹状部の最大深さ部分は10μm
〜100μmとされる。この最大深さ部分の寸法範囲1
0μm〜100μmは、成極電圧や感度等の通常要求さ
れる仕様や湿度や温度等の実使用上の変動要因などを考
慮して検討した結果から得られたものである。
【0010】即ち、コンデンサーマイクロフォンの振動
板と背電極に挟まれた空隙が図3に例示され、横軸は振
動板に想定される変位、縦軸はその変位状態で振動板に
作用してくる力の大きさ示している。そしてカーブC1
は背電極によって作用される静電的吸引力、カーブC2
は振動板のバネ定数による復元力を示す。このC1,C
2の両曲線は常に2つの交点A,Bで交わる。これらの
交点では吸引力と復元力が相等しいので、振動板はこの
点で平衡が保たれる。
【0011】平衡点Aでは、振動板を平衡点Aから原位
置側(左側)に移動させると復元力より吸引力の方が大
きくなり平衡点Aに引き戻そうとする力がかかる。逆に
振動板を背電極側(右側)に移動してみると復元力の方
が大きくなるので、ここでも平衡点Aに引き戻そうとす
る力がかかることになる。
【0012】それに対し平衡点Bでは、振動板を原位置
側に移動させると復元力の方が大きくなり振動板はさら
に原位置側に動こうとして平衡点Bには戻ろうとはしな
い。逆に背電極側に移動させると吸引力の方が大きくな
り背電極に吸引され平衡点Bに戻らなくなる。これが振
動板吸着不良である。
【0013】上記の事柄を数式化すると動作空隙長d
を、次のようにして求めることができる。
【0014】ここに、両極間にかけられた偏極用直流電
圧(成極電圧)Vによって振動板のところに発生され
る静電場の強さをE、電束をD、また空隙(ギャップ)
の誘電率をε、背電極面積をSとすれば、振動板に作
用してくる静電的吸引力Fは式(1)のように書かれ
る。
【0015】
【数1】
【0016】そして、この振動板が原位置から背電極に
向かってΔxだけ変位した状態で、ギャップ間距離をd
とすると、この電場の強さEは式(2)のように与え
られる。
【0017】
【数2】
【0018】従って、この位置で振動板が受ける吸引力
は式(1)から、式(3)のようになる。
【0019】
【数3】
【0020】一方この状態で振動板に働く復元力は振動
板のスチフネスをsとして、sxのように表せるか
ら、平衡点Aは上記式(3)とsxを等しいとして式
(4)のように計算される。尚Δx/d≪1の関係が
満たされているものとする。
【0021】
【数4】
【0022】安定平衡点Aまでの距離Δxが式(4)の
ように知られたので、このコンデンサマイクロフォンの
動作空隙長dは式(5)のように決定されることにな
る。
【0023】
【数5】
【0024】例として既存のエレクトレットコンデンサ
マイクロフォン(φ5.8×2mm)の動作空隙距離d
を求める。式(4)の各々の値を、 ε=8.855×10−12(F/m)、S=13.2×
10−6(m)、V=−200(V)、d=25×1
−6(m)、s=939.74(N/m) とすると、平衡点Aまでの距離Δxは、 Δx=5.84×10−6 となり、5.84×10−6(m)と求められる。これ
により、式(5)から動作空隙距離dは19.16×
10−6(m)となる。
【0025】動作空隙距離dは成極電圧Vやギャッ
プ間距離d等に応じて変わる。マイクロフォンの感度
を上げる為に成極電圧Vを増加させ若しくはギャップ
間距離dを更に狭め、或は温湿度が変化したりする
と、安定平衡点Aが不安定平衡点Bに近づき、前記のよ
うな振動板吸着現象の生じる可能性が高くなる。この
為、背電極から安定平衡点Aまでの距離を確実に保てる
ように考慮することが必要であり、本発明では、エレク
トレットコンデンサマイクロフォンの実用的な大きさな
どを考慮し、例えば、背電極の直径が1mm〜40mm
のような範囲において、前記最大深さ部分の寸法を10
μm〜100μmの範囲の中から選べば良いという結論
を見出した。
【0026】本発明の望ましい形態の一つとして、前記
背電極に、前記湾曲凹状部の周縁部分に前記振動板との
ギャップを形成する段差部を形成するとよい。この段差
部は背電極と振動板の間のリング状スペーサの代わりに
なるから、コンデンサマイクロフォンの部品点数削減、
組立て行程の簡素化に資することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1には本発明に係るコンデンサ
マイクロフォン一例が断面にて示される。同図に示され
るコンデンサマイクロフォン10は、特に制限されない
が、横断面円形のボタン型のマイクロフォン用ケーシン
グ11を有し、その筒内には、音波通過開口(一端開口
部)12に面してコンデンサの一極を成す振動板13
と、間隙をもって前記振動板13の対極(コンデンサの
他極)を成す背電極14と、マイクロフォン用回路基板
16とが設けられている。前記振動板13は、ポリエス
テルフィルムなどの誘電体膜の一面に金属膜が蒸着さ
れ、その金属膜が振動板リング18に固定され、その誘
電体面が背電極14に面している。
【0028】前記背電極14は、前記振動板13に臨ん
で湾曲凹状部14Aを有し、前記湾曲凹状部14Aの最
大深さ部分は前記振動板の最大振幅位置近傍とされる。
この例では振動板13は円形であり、図2例示されるよ
うにその中心部が最大振幅位置とされる。前記湾曲凹状
部14Aの最大深さ部分は10μm〜100μmの範囲
から選ばれた値が設定される。最大深さ部分の寸法決定
に際しては、ギャップ間距離dに対して動作空隙長d
が例えば70%以上というように比較的大きくなるよ
うにされる。当然最大深さ部分の寸法を決定するときは
湿度や温度によって振動板のテンションが低下する場合
を想定することが望ましく、数10%程度の余裕を持つ
ことが望ましい。例えば前記φ5.8×2mmの外形寸法
を有する具体例に係るコンデンサマイクロフォンの場合
には、湾曲凹状部14Aの深さ寸法を25μmとし、そ
の湾曲形状を縦断面で円弧形状とする。
【0029】前記背電極14は前記湾曲凹状部14Aの
周縁部分に前記振動板とのギャップを形成する段差部1
4Bを有する。この段差部14Bは背電極14と振動板
13の間のリング状スペーサの代わりになり、振動板1
3の周縁部分においても背電極14との間に最低限のギ
ャップが形成され、その部分も有効なコンデンサとして
機能することができる。したがって、単体部品としての
リング状スペーサは不要になる。
【0030】前記背電極14は、絶縁性リング19の内
側段差部分に概略同心状態に嵌合固定される。絶縁性リ
ング19の内側には導電性接続リング20が挿入され、
導電性接続リング20はマイクロフォン用回路基板16
及び背電極14に接する。前記ケーシング11の他端開
口部21は内側に折り曲げられ、折り曲げられた周縁部
が前記マイクロフォン用回路基板16を導電性接続リン
グ20に向けて押圧固定している。要するに、前記マイ
クロフォン用回路基板16のか締め付けにより導電性接
続リング20が背電極14に押圧される。
【0031】前記振動板13と背電極14はエレクトレ
ットコンデンサを構成して、電気音響変換を行なう。前
記マイクロフォン用回路基板16は、そのエレクトレッ
トコンデンサに臨む一面に、出力インピーダンス変換に
利用される電界効果トランジスタなどの回路素子22が
搭載される。前記マイクロフォン用回路基板16の他面
にはインピーダンス変換された電気音響信号を出力する
外部接続電極(図示せず)が形成されている。
【0032】前記背電極14とマイクロフォン用回路基
板16上の所定の導電パターンとの接続は前記導電性接
続リング20を介して行われる。前記振動板13の金属
膜とマイクロフォン用回路基板16上の所定の導電パタ
ーンとの接続は前記振動板リング18からケーシング1
1の周面を通ってその周端縁部のか締め付け部分に至る
経路で行われる。前記マイクロフォン用回路基板16の
表裏面に形成された導電パターンは、前記背電極14及
び振動板13に前記回路素子22を接続し、前記回路素
子25を前記外部接続電極に接続する。
【0033】上記コンデンサマイクロフォン10によれ
ば、前記振動板の最大振幅位置近傍を最大深さ部分とす
るように前記背電極14を湾曲凹状に形成するから、振
動板13の振幅が大きな部分ほど背電極14と振動板1
3のギャップが大きくされ、背電極14・振動板13間
の吸着現象を解消し易くなる。換言すれば、振動板13
が最大限に吸引される中心部でも振動板吸着不良が発生
し難くなる。更に、振動板13の振幅が小さな部分ほど
背電極14と振動板13のギャップが小さくされるか
ら、蓄積電荷量が増え、コンデンサマイクロフォン10
は高感度化される。更に、前記背電極14は前記湾曲凹
状部14Aの周縁部分に前記振動板13とのギャップを
形成する段差部14Bを有するから、背電極14と振動
板13の間に単体部品としてのリング状スペーサを設け
なくても良く、コンデンサマイクロフォン10の部品点
数削減、組立て行程の簡素化を実現することができる。
【0034】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更可能であることは言うまでもない。
【0035】例えば、コンデンサマイクロフォンの具体
的な構造は図2の断面構造に限定されず適宜変更可能で
ある。尚、図1において前期湾曲凹上部14Aの深さは
実際の寸法に比べて強調して図示してあり、実際の寸法
は明細書記載の通りである。
【0036】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0037】すなわち、振動板の最大振幅する部分に合
わせ背電極に湾曲凹状部分を形成したから振動板吸着不
良を解消することが容易になる。背電極の湾曲凹状部分
の外周縁に段差部を設けることにより単体部品としての
スペーサの部品数を減らすことができ組立て工程も簡略
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンデンサーマイクロフォンの縦
断面図である。
【図2】振動板最大振幅位置の説明図である。
【図3】コンデンサーマイクロフォンの振動板と背電極
に挟まれた空隙における振動板の想定変位とその変位状
態にいて振動板に作用する力の関係を示す説明図であ
る。
【図4】振動板と背電極とのギャップを単体部品として
のリング状スペーサで形成する従来構造を例示する断面
図である。
【図5】振動板と背電極とのギャップを凸状の突起物に
より形成する従来構造を例示する断面図である。
【符号の説明】
10 コンデンサマイクロフォン 11 マイクロフォン用ケーシング 13 振動板 14 背電極 14A 湾曲凹状部 14B 段差部 16 マイクロフォン用回路基板 19 絶縁性リング 20 導電性接続リング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と背電極により形成されたエレク
    トレットコンデンサを有するコンデンサマイクロフォン
    において、前記背電極は、前記振動板に臨んで湾曲凹状
    部を有し、前記湾曲凹状部の最大深さ部分を前記振動板
    の最大振幅位置近傍としたとことを特徴とするコンデン
    サマイクロフォン。
  2. 【請求項2】 前記湾曲凹状部の最大深さ部分を10μ
    m〜100μmとしたことを特徴とする請求項1記載の
    コンデンサマイクロフォン。
  3. 【請求項3】 前記背電極は前記湾曲凹状部の周縁部分
    に前記振動板とのギャップを形成する段差部を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載のコンデンサーマイクロフ
    ォン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100675508B1 (ko) 2005-03-10 2007-01-30 주식회사 비에스이 개선된 콘덴서 마이크로폰
JP2007194913A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Yamaha Corp コンデンサマイクロホン及びその製造方法
JP2008227832A (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Yamaha Corp 静電型スピーカ

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