JP2003181481A - 好気処理槽処理液を返送する汚水浄化槽 - Google Patents

好気処理槽処理液を返送する汚水浄化槽

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淳 日比野
Hiroshi Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ショートパス(短絡流)を防止し、濾過槽に流
入するSS負荷量を低減させ、一層安定した処理性能を
発揮する汚水浄化槽を提供する。 【解決手段】上流から順に、嫌気処理槽(第一固液分離
槽2及び第二固液分離槽3)、充填材が充填された好気
処理槽4、及び充填材が充填された濾過槽5を備える汚
水浄化槽において、好気処理槽4と濾過槽5とは並置さ
せ、好気処理槽4と濾過槽5との間には好気処理槽4に
通じる連通口9を有する小室5を設け、その小室5に流
入液の一部を嫌気処理槽へ戻す液返送装置6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、し尿やその他生活
排水の合併汚水(単に、汚水ともいう)を生物化学的、
物理的に処理するための汚水浄化槽に関する。更に詳し
くは、好気処理を経た処理液を上流側の嫌気処理槽へ戻
す液返送装置を備える汚水浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】好気濾床槽を備える汚水浄化槽は、従来
から種々知られている。これらのうちの一つを図3に示
す。上流側から順に第一嫌気処理槽50、第二嫌気処理
槽51、好気処理槽52、沈殿槽53及び消毒槽54を
配置させた汚水浄化槽である。好気処理槽52には充填
材(生物担体又は濾材)55が充填され、通常運転時に
おいては、上に流動床が形成され、下に固定床が形成す
る程度に散気管56から空気を吐出させている。また、
流動床に発生するSS(浮遊懸濁物質)はエアリフトポ
ンプ57を稼動させ槽内液とともに第一嫌気処理槽50
へ返送している。
【0003】図3の(b)は、上記固定床の逆洗時の状
態を示す。逆洗時には固定床の充填材も流動するよう
に、通常運転時よりも多量の空気を散気管56から吐出
させ、これによって固定床に捕捉されたSSを剥離す
る。剥離したSSは槽内で回遊するとともに一部が槽底
部に沈降するため、エアリフトポンプ58を稼動させて
沈降した汚泥を引き抜き、第一嫌気処理槽50へ返送す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、第二嫌気処
理槽51から好気処理槽52へ流入した液の一部がショ
ートパスして第一嫌気処理槽50へ返送されることがあ
る。本発明は、好気処理槽の流動床部と固定床部とを別
室として並置させ、流動床部で発生したSSを返送する
際に生じやすいショートパス(短絡流)を防止し、固定
床部に流入するSS負荷量を低減させ、一層安定した処
理性能を発揮する汚水浄化槽を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明では次の構成をとった。すなわち、本発明
は、上流から順に、嫌気処理槽(又は、第一固液分離槽
2及び第二固液分離槽3)と、充填材が充填された好気
処理槽(又は生物反応槽)4と、充填材が充填された濾
過槽5とを備える汚水浄化槽であって、前記好気処理槽
4と前記濾過槽5とは並置され、前記好気処理槽4と前
記濾過槽5との間には、好気処理槽4に通じる連通口9
を有する小室5を設け、その小室5には、流入液の一部
を嫌気処理槽へ戻す液返送装置6が備えられている汚水
浄化槽である。
【0006】ここで、前記液返送装置6として、好まし
いものはエアリフトポンプである。
【0007】また、前記液返送装置6として、水位差を
利用したサイフォンパイプ19とすることもできる。
【0008】
【作用】小室5は、下部の連通口9で通じてはいるもの
の、好気処理槽4とは仕切で隔離されており、その小室
5の中に液返送装置6の吸込口が設けられている。その
ため、第二嫌気処理槽51から好気処理槽52へ流入し
た液のショートパスを確実に防止することができる。ま
た、好気処理槽4で処理後の液を返送するので、濾過槽
7に負荷するSS量及び移流液量を低減でき、安定した
好気処理を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る汚水浄化槽につい
て、図面を参照して更に詳細に説明する。図1は、本発
明の一例の汚水浄化槽である。汚水浄化槽1内には、上
流から順に、第一固液分離槽(第一嫌気処理槽)2、第
二固液分離槽(第二嫌気処理槽)3、好気処理槽(生物
反応槽)4、液返送装置がある小室5、濾過槽7、及び
消毒槽8が配置されている。
【0010】好気処理槽4には、充填材(生物付着材又
は生物担体)が充填され、この充填材は散気管17から
吐出される空気泡によって流動若しくは揺動し、流動床
を形成する。流動床では、充填材への付着とは別に、汚
濁物質である有機物の負荷量(または負荷率)によっ
て、微生物は液中で増殖して凝集塊(これもSSと略
す)を形成する。この凝集塊は、有機物分解に寄与する
ものの、移流液に混じって濾過槽7へ流出し、濾過槽7
では濾過能力に対する過剰負荷の要因になりうる。な
お、流動床の代りに接触ばっ気法(充填材どうしが比較
的大きな隙間を有して且つ固定している状態で処理)を
用いることもできるが、好ましくは上記した流動床形成
である。有機物分解に直接関与する微生物を多量に保持
できるためである。
【0011】上記した濾過槽7への過剰負荷を回避する
ために、好気処理槽4内の液を直接引き抜いて第一固液
分離槽2へ返送させることも考えられるが、この場合に
は、第二固液分離槽3から流入した液が充分に処理され
ないうちにショートパスして引き抜かれる恐れがあり好
ましくない。
【0012】そこで、本発明では、好気処理槽4で有機
物の分解が充分に行われるように、好気処理槽4からの
移流液は隔室として設けた小室5へ至るようにしてい
る。小室5は、好気処理槽4と濾過槽7とを形成する仕
切板の一部を使用して、好気処理槽4側に配置され、好
気処理槽4と小室5とは下部の連通口9で連通してい
る。連通口9には好気処理槽4の充填材が流出しないよ
うに、メッシュ等の充填材流出防止手段を講じる。ま
た、小室5の上部水位面には、連通口9から流入した液
を濾過槽7へ流出させる流出口10が設けられている。
ここで、小室5は、好気処理槽4内の掃除口を兼ねるこ
ともできる。
【0013】小室5内には、好気処理槽4で処理された
液を上流の第一固液分離槽2に戻す液返送装置6が備え
られている。図1の例では、液返送装置6はブロワ11
から送られる空気を用いたエアリフトポンプを用いてい
る。このエアリフトポンプの上部には、揚水された液を
第一固液分離槽2に戻す移送管12が配置されている。
移送管12は、濾過槽7の逆洗排水の移送管も兼用して
いるが、別々に配置させてもよい。なお、液返送装置6
は、小室5から液を好気処理槽4よりも上流の処理槽
(嫌気処理槽)へ返送できるものであればよい。エアリ
フトポンプに代えて、電動ポンプやサイフォン方式でも
よい。
【0014】液返送装置6による液の返送は、連続であ
っても間欠であってもよいが、濾過槽7への水量変動を
出来る限り少なくするため、好ましくは連続である。ま
た、液返送装置6による処理液の返送液量は、汚水浄化
槽への1日当りの汚水量を1時間当たりに平均化した汚
水量(Qとする)に対して、好ましくは1Q〜5Q、更
に好ましくは2Q〜3Qである。なお、加えて、濾過槽
7からの流出液(濾過液)を第一固液分離槽2に返送す
ることもできる。但し、結果的には2Q〜6Q分が濾過
槽7に流入してくるため、濾過槽7はこの水量に適合し
た設計をする必要があり、また、槽容量も大きくなる。
【0015】前記した処理液の返送を小室5から行うこ
とで、好気処理槽4は安定した処理性能が保てると同時
に、第一固液分離槽2及び第二固液分離槽3と好気処理
槽4との間で嫌気処理と好気処理とが繰り返し行われ、
高度に安定して汚水浄化処理を行うことができる。
【0016】充填材(濾材)を充填した濾過槽7は、好
気処理槽4の後流に並置する。ここで、充填材は、SS
捕捉機能、即ち濾過機能をも持つ固定床(濾過層)を形
成させるためであり、その固定床の下方又は下部には散
気管13を配置させる。濾過槽7では、濾過機能の他に
好気処理槽4から持ち越される溶存酸素によって引き続
き好気処理も行われる。この際、溶存酸素が少ない場合
には通性嫌気状態の処理となる。
【0017】固定床は、SS捕捉によって濾過抵抗が上
昇してくるため、時々洗浄する。固定床の洗浄は、次の
ようにして行う。先ず、散気管13から空気を吐出させ
固定床を空気泡と共に流動させる。この際、洗浄排水引
抜きポンプ14を稼動させて充填材(濾材)から剥離し
たSSを含む懸濁液、即ち、洗浄排水を槽底部から引き
抜く。洗浄排水は、洗浄排水引抜きポンプ14と上部で
連結している移送管12を介して第一固液分離槽2に返
送する。洗浄排水の引き抜きは、濾過槽7がほぼ空にな
る程度まで行うことが好ましい。図1では、洗浄排水引
抜きポンプ14にエアリフトポンプを用いた例を示して
いるが、電動ポンプを用いることもできる。
【0018】汚水浄化槽1での汚水の処理方法を説明す
る。流入汚水は、実線矢印で示すとおり、汚水流入口1
5から第一固液分離槽2に入り、固液分離及び嫌気的生
物処理が行われる。ここを通過した移流液は、第二固液
分離槽3に入り、さらに固液分離及び嫌気的生物処理が
行われる。前記した第一固液分離槽2及び第二固液分離
槽3には、流入汚水の流量変動を緩和して好気処理槽4
へ定量移送するための流量調整部(低水位L.W.L〜
高水位H.W.L)を設けている。この際、好気処理槽
4へ定量移送するポンプにはエアリフトポンプ16を用
いているが、電動ポンプであってもよい。前記した第一
固液分離槽2及び第二固液分離槽3は、濾床を形成させ
た嫌気処理槽であってもよく、また1槽のみであっても
よい。また、流量調整機能を外すこともできる。
【0019】好気処理槽4に移流した液は、散気管17
から吐出される空気で充填材(生物担体)が流動しなが
ら、好気的生物分解が行われる。この好気的生物処理に
よって、分解された有機物の一部は微生物に転換され、
転換された微生物の一部は充填材に付着し、また一部は
液中に浮遊しSSとして存在する。次に連通口9から小
室5に流入した移流液は、一部が液返送装置6によっ
て、連続又は間欠的に第一固液分離槽2に返送され、そ
の第一固液分離槽2あるいは第二固液分離槽3でSSが
分離される。また残り分の移流液は小室5の流出口10
から濾過槽7に入る。濾過槽7に入った移流液は、充填
材によってSSが捕捉除去されるとともに、さらに生物
的処理も行われる。有機物及びSSが除去された液は、
消毒槽8を経て放流口18から処理水として放流され
る。
【0020】図2は、液返送装置6にサイフォンパイプ
19を用いた例である。サイフォンパイプ19は、好気
処理槽4の処理液を水位差によって小室5から第一固液
分離槽2へ返送させるものである。第一固液分離槽2の
水位は、小室5の水位に対して同等以下としているの
で、小室5内の液は第一固液分離槽2に返送させること
ができる。サイフォンパイプ19の両端についてみる
と、小室5側の開口端は小室における水位よりも下方の
位置に配置させ、第一固液分離槽2側の開口端は低水位
(L.W.L)よりも下方の位置に配置させることが必
要である。返送液量は、サイフォンパイプ19の管径、
水位差及びサイフォンパイプ19の長さで決定すること
ができる。サイフォンパイプ以外の構成は図1と同様で
ある。なお、図2では、第一固液分離槽2側の開口端を
汚水流入口15内に配置させているが、汚水流入口15
外に配置させてもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明の汚水浄化槽では、好気処理槽を
出て濾過槽へ流入する過程の好気処理液の一部を取り出
して上流の嫌気処理槽へ返送させるので、ショートパス
を防止し、濾過槽(固定床)に流入するSS負荷量を低
減させ、安定した処理性能を発揮する。また、好気処理
槽と濾過槽との間に小室を設け、この中に液返送装置を
設けているので、好気処理槽中の充填材(生物担体)の
流動も円滑に行える。液返送装置にエアリフトポンプや
サイフォンパイプを用いれば、節電・省エネルギーとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の汚水浄化槽で、(a)は概略平
面図、(b)は(a)のA―A面における概略断面図。
【図2】本発明の別の例の汚水浄化槽で、(a)は汚水
浄化槽の概略平面図、(b)は(a)のB−B面におけ
る概略断面図。
【図3】従来例の汚水浄化槽で、(a)は汚水浄化槽の
概略断面図、(b)は、その好気処理槽の逆洗状態を説
明する図。
【符号の説明】
1:汚水浄化槽 2:第一固液分離槽(第一嫌気処理
槽) 3:第二固液分離槽(第二嫌気処理槽) 4:好気処
理槽(生物反応槽) 5:小室 6:液返送装置(エアリフトポンプを含
む) 7:濾過槽 8:消毒槽 9:連通口 10:流出口 11:ブロワ 12:移送管 13:散気管 14:洗浄排水引抜きポンプ 15:汚水流入口 16:エアリフトポンプ 17:散気管 18:放流口 19:サイフォンパイプ 50:第一嫌気処理槽 51:第二嫌気処理槽 52:好気処理槽 53:沈殿槽 54:消毒槽 55:担体(生物担体又は濾材) 56:散気管 57:エアリフトポンプ 58:エアリフトポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月16日(2002.1.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明では次の構成をとった。すなわち、本発明
は、上流から順に、嫌気処理槽(又は、第一固液分離槽
2及び第二固液分離槽3)と、充填材が充填された好気
処理槽(又は生物反応槽)4と、充填材が充填された濾
過槽5とを備える汚水浄化槽であって、前記好気処理槽
4と前記濾過槽とは並置され、前記好気処理槽4と前
記濾過槽との間には、好気処理槽4に通じる連通口9
を有する小室5を設け、その小室5には、流入液の一部
を嫌気処理槽へ戻す液返送装置6が備えられている汚水
浄化槽である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 裕二 茨城県下館市大字下江連1250番地 株式会 社日立ハウステック結城工場内 Fターム(参考) 3H079 AA09 AA26 BB04 CC03 DD12 DD22 4D027 AB07 AB12 AB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上流から順に、嫌気処理槽と、好気処理槽
    と、濾過槽とを備える汚水浄化槽であって、 前記好気処理槽と前記濾過槽とは並置され、 前記好気処理槽と前記濾過槽との間には、好気処理槽に
    通じる連通口を有する小室を設け、 その小室には、流入液の一部を嫌気処理槽へ戻す液返送
    装置を備えている汚水浄化槽。
  2. 【請求項2】液返送装置はエアリフトポンプである、請
    求項1の汚水浄化槽。
  3. 【請求項3】液返送装置は水位差を利用するサイフォン
    パイプである、請求項1の汚水浄化槽。
JP2001387870A 2001-12-20 2001-12-20 好気処理槽処理液を返送する汚水浄化槽 Pending JP2003181481A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008012465A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Hitachi Housetec Co Ltd 水処理装置
JP2014144407A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Osaka Gas Co Ltd 排水処理装置およびその運転方法
JP2015001227A (ja) * 2014-03-05 2015-01-05 株式会社神鋼環境ソリューション 発電装置及び発電方法

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