JP2003183097A - 炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 - Google Patents
炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、マイクロパイプ密度が極めて小さ
く、かつ、大口径の単結晶炭化珪素ウエハを取り出せ
る、炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 種結晶の結晶成長面上にマスクを施した
後、該マスク越しに炭化珪素単結晶を成長させつつ、該
単結晶成長途中に、前記種結晶上のマスク開口部の位置
を含むようにマスク部を配置した新たなマスクを設置し
て、単結晶成長を継続することを少なくとも1回は行う
ことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方
法。
く、かつ、大口径の単結晶炭化珪素ウエハを取り出せ
る、炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 種結晶の結晶成長面上にマスクを施した
後、該マスク越しに炭化珪素単結晶を成長させつつ、該
単結晶成長途中に、前記種結晶上のマスク開口部の位置
を含むようにマスク部を配置した新たなマスクを設置し
て、単結晶成長を継続することを少なくとも1回は行う
ことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素単結晶及
びその製造方法に係わり、特に、青色発光ダイオード
や、高耐圧・高周波動作を特徴とする電子デバイスなど
の基板ウエハとして使用される、マイクロパイプ欠陥等
々の極めて少ない大型の単結晶インゴット及びその製造
方法に関するものである。
びその製造方法に係わり、特に、青色発光ダイオード
や、高耐圧・高周波動作を特徴とする電子デバイスなど
の基板ウエハとして使用される、マイクロパイプ欠陥等
々の極めて少ない大型の単結晶インゴット及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素(SiC)は、耐熱性及び機械
的強度に優れ、また、代表的な汎用半導体材料であるシ
リコンを超える優れた半導体特性を有することから、青
色から紫外にかけての短波長光デバイス、高周波高耐圧
電子デバイス等の基板ウエハとして、その工業的安定生
産を目指す研究が近年活発化している。しかしながら、
本材料にはマイクロパイプと称される、特徴的な微小空
孔欠陥が発生しやすく、このような欠陥が発生すると、
素子を基板上に作製した際に欠陥を貫通する漏れ電流等
を引き起こす等、致命的な影響を与えてしまうことが知
られている(例えば、P. G. Neudeck et al., IEEE Ele
ctron Device Letters, Vol.15 (1994) pp.63-65)。し
たがって、工業的には、このような欠陥が皆無な、大口
径かつ高品質のSiC単結晶インゴットの製造が希求さ
れているが、それを可能にする結晶成長技術は、いまだ
十分には確立されておらず、本材料の実用化が阻まれて
いる現状にある。
的強度に優れ、また、代表的な汎用半導体材料であるシ
リコンを超える優れた半導体特性を有することから、青
色から紫外にかけての短波長光デバイス、高周波高耐圧
電子デバイス等の基板ウエハとして、その工業的安定生
産を目指す研究が近年活発化している。しかしながら、
本材料にはマイクロパイプと称される、特徴的な微小空
孔欠陥が発生しやすく、このような欠陥が発生すると、
素子を基板上に作製した際に欠陥を貫通する漏れ電流等
を引き起こす等、致命的な影響を与えてしまうことが知
られている(例えば、P. G. Neudeck et al., IEEE Ele
ctron Device Letters, Vol.15 (1994) pp.63-65)。し
たがって、工業的には、このような欠陥が皆無な、大口
径かつ高品質のSiC単結晶インゴットの製造が希求さ
れているが、それを可能にする結晶成長技術は、いまだ
十分には確立されておらず、本材料の実用化が阻まれて
いる現状にある。
【0003】一般的に、SiC単結晶インゴットは、改
良レーリー法と称される方法によって製造される(Yu.
M. Tairov and V.F. Tsvetkov, Journal of Crystal Gr
owth, Vol.52 (1981) pp.146-150)。本法では、SiC
単結晶ウェハを種結晶として使用し、主として黒鉛から
なる坩堝中に原料となるSiC結晶粉末を充填して、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気中(133Pa〜13.3
kPa)にて、2000〜2400℃に加熱される。こ
の際、原料粉末に比べ種結晶が低温側となる温度勾配が
形成されるように、種結晶及び原料粉末が配置され、こ
れにより原料は昇華後、種結晶方向へ拡散、輸送され、
しかる後に、種結晶上で再結晶化することにより単結晶
成長が実現される。
良レーリー法と称される方法によって製造される(Yu.
M. Tairov and V.F. Tsvetkov, Journal of Crystal Gr
owth, Vol.52 (1981) pp.146-150)。本法では、SiC
単結晶ウェハを種結晶として使用し、主として黒鉛から
なる坩堝中に原料となるSiC結晶粉末を充填して、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気中(133Pa〜13.3
kPa)にて、2000〜2400℃に加熱される。こ
の際、原料粉末に比べ種結晶が低温側となる温度勾配が
形成されるように、種結晶及び原料粉末が配置され、こ
れにより原料は昇華後、種結晶方向へ拡散、輸送され、
しかる後に、種結晶上で再結晶化することにより単結晶
成長が実現される。
【0004】一方、改良レーリー法によってSiC単結
晶インゴットを製造する際、種結晶中に存在するマイク
ロパイプ等々の欠陥群が、成長時に成長結晶部分へ引き
継がれる傾向があることが知られている。そもそも、こ
のマイクロパイプは、螺旋転位における転位バーガース
ベクトルがある臨界値を超えて大きくなったときに形成
されるものと考えられており、結晶成長が、基本的に螺
旋転位を中心とするスパイラル成長様式によって実現さ
れる炭化珪素においては、転位バーガースベクトルを前
記臨界値以下にする操作が結晶成長時に施されない限
り、マイクロパイプを消滅させることはできない。この
ような操作は、異種ポリタイプと称される本系特有の多
形結晶や、結晶方位が大きく乱れた結晶粒などの発生が
全く無い、いわゆる安定結晶成長を継続的に繰り返し、
その過程において巨大なバーガースベクトルを有する螺
旋転位が、臨界値以下のバーガースベクトルを有する螺
旋転位群に分解することを待つ以外に有効な方法は無
く、このため欠陥の少ない大口径高品質インゴットを製
造するためには、マイクロパイプ密度の極めて小さい種
結晶を使用するか、あるいは安定結晶成長を繰り返し
て、マイクロパイプが減少するのを待つことのいずれか
しか方策が無いのが現状である。他方で、マイクロパイ
プ密度が極めて小さい種結晶として、供試可能な結晶と
しては、レーリー法によって製造されるレーリー結晶と
称される結晶片の存在が知られているが、この結晶片は
その大きさが直径にして、せいぜい10〜15mm程度
にしか及ばず、工業的に希求されている2〜4インチ
(約50〜100mm)径にははるかに及ばない。この
ため、基本的に上記レーリー結晶から出発し、安定結晶
成長を繰り返して、マイクロパイプを新たに発生させな
いように慎重に口径拡大を重ね、所望の2〜4インチ
(約50〜100mm)径にすることが、大口径高品質
インゴットを製造する基本的な指針となっている。しか
しながら、この方法によって口径拡大に成功したとして
も、安定成長を繰り返している途上において、成長条件
の突発的変移等々の偶発的な要因によって起こる成長不
安定性等の原因により、成長インゴット中に新たにマイ
クロパイプが多数発生する確率が無視できず、このよう
な場合には、上記のように、マイクロパイプ密度が元の
レベルに低減するまで、再び安定結晶成長を多数回繰り
返す必要があり、効率的な工業生産が阻まれてしまう。
晶インゴットを製造する際、種結晶中に存在するマイク
ロパイプ等々の欠陥群が、成長時に成長結晶部分へ引き
継がれる傾向があることが知られている。そもそも、こ
のマイクロパイプは、螺旋転位における転位バーガース
ベクトルがある臨界値を超えて大きくなったときに形成
されるものと考えられており、結晶成長が、基本的に螺
旋転位を中心とするスパイラル成長様式によって実現さ
れる炭化珪素においては、転位バーガースベクトルを前
記臨界値以下にする操作が結晶成長時に施されない限
り、マイクロパイプを消滅させることはできない。この
ような操作は、異種ポリタイプと称される本系特有の多
形結晶や、結晶方位が大きく乱れた結晶粒などの発生が
全く無い、いわゆる安定結晶成長を継続的に繰り返し、
その過程において巨大なバーガースベクトルを有する螺
旋転位が、臨界値以下のバーガースベクトルを有する螺
旋転位群に分解することを待つ以外に有効な方法は無
く、このため欠陥の少ない大口径高品質インゴットを製
造するためには、マイクロパイプ密度の極めて小さい種
結晶を使用するか、あるいは安定結晶成長を繰り返し
て、マイクロパイプが減少するのを待つことのいずれか
しか方策が無いのが現状である。他方で、マイクロパイ
プ密度が極めて小さい種結晶として、供試可能な結晶と
しては、レーリー法によって製造されるレーリー結晶と
称される結晶片の存在が知られているが、この結晶片は
その大きさが直径にして、せいぜい10〜15mm程度
にしか及ばず、工業的に希求されている2〜4インチ
(約50〜100mm)径にははるかに及ばない。この
ため、基本的に上記レーリー結晶から出発し、安定結晶
成長を繰り返して、マイクロパイプを新たに発生させな
いように慎重に口径拡大を重ね、所望の2〜4インチ
(約50〜100mm)径にすることが、大口径高品質
インゴットを製造する基本的な指針となっている。しか
しながら、この方法によって口径拡大に成功したとして
も、安定成長を繰り返している途上において、成長条件
の突発的変移等々の偶発的な要因によって起こる成長不
安定性等の原因により、成長インゴット中に新たにマイ
クロパイプが多数発生する確率が無視できず、このよう
な場合には、上記のように、マイクロパイプ密度が元の
レベルに低減するまで、再び安定結晶成長を多数回繰り
返す必要があり、効率的な工業生産が阻まれてしまう。
【0005】このような理由から、大口径かつ高品質な
炭化珪素単結晶インゴットの製造方法において、種結晶
の品質、特にマイクロパイプ密度に依存せず、かつ、従
来のような繰り返し安定成長を必要とせずに、マイクロ
パイプ密度が極めて少ない高品質な大口径インゴットを
実現可能にする新たな方法が強く望まれていた。
炭化珪素単結晶インゴットの製造方法において、種結晶
の品質、特にマイクロパイプ密度に依存せず、かつ、従
来のような繰り返し安定成長を必要とせずに、マイクロ
パイプ密度が極めて少ない高品質な大口径インゴットを
実現可能にする新たな方法が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、結晶成
長時において、安定成長が実現されている場合、SiC
単結晶に存在するマイクロパイプ欠陥の多くは、種結晶
に存在していたものが、成長結晶に引き継がれたもので
ある(Takahashi et al., Journal of Crystal Growth,
Vol.167 (1996) pp.596-606)。従って、マイクロパイ
プ密度が極めて小さい大口径インゴットを実現するため
には、マイクロパイプ密度が極めて小さく、理想的には
皆無な大口径種結晶を作製する必要がある。しかしなが
ら、現状では、そのような種結晶を作成する簡便な方法
は無い。
長時において、安定成長が実現されている場合、SiC
単結晶に存在するマイクロパイプ欠陥の多くは、種結晶
に存在していたものが、成長結晶に引き継がれたもので
ある(Takahashi et al., Journal of Crystal Growth,
Vol.167 (1996) pp.596-606)。従って、マイクロパイ
プ密度が極めて小さい大口径インゴットを実現するため
には、マイクロパイプ密度が極めて小さく、理想的には
皆無な大口径種結晶を作製する必要がある。しかしなが
ら、現状では、そのような種結晶を作成する簡便な方法
は無い。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、種結晶中にマ
イクロパイプが多数存在しても、マイクロパイプ密度が
極めて小さい大口径炭化珪素単結晶インゴット及びその
製造方法を提供するものである。
イクロパイプが多数存在しても、マイクロパイプ密度が
極めて小さい大口径炭化珪素単結晶インゴット及びその
製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のSiC単結晶の
製造方法は、SiCからなる原材料を加熱昇華させ、S
iC単結晶からなる種結晶上に供給し、この種結晶上に
SiC単結晶を成長する方法であって、(1)昇華再結
晶法により種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程
を包含する炭化珪素単結晶インゴットの製造方法であっ
て、種結晶の結晶成長面上に、マスク部と開口部とから
なるマスク層を形成した後、該マスク層越しに炭化珪素
単結晶を成長させつつ、その成長の途中に、該マスク層
の開口部を含むように配置されたマスク部を含む新たな
マスク層を形成して、さらに単結晶成長を継続すること
を少なくとも1回は行うことを特徴とする炭化珪素単結
晶インゴットの製造方法、(2)複数のマスク層に含ま
れる前記マスク部を種結晶上に投影したときに得られる
投影像が種結晶の結晶成長面を完全に遮蔽する、(1)
に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、(3)
複数の前記マスク層は、それぞれ独立して、黒鉛、タン
グステン、モリブデンおよびタンタルからなる群より選
択される1種以上を含む、(1)または(2)に記載の
炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、(4)複数の前
記マスク層の厚さが、それぞれ独立して、0.1〜3m
mである(1)〜(3)のいずれか一項に記載の炭化珪
素単結晶インゴットの製造方法、(5)複数の前記マス
ク部の幅が、それぞれ独立して、1〜5mmである
(1)〜(4)のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶
インゴットの製造方法、(6)複数の前記マスク層のマ
スク開口率(開口部面積/マスク部面積)が、それぞれ
独立して、0.2〜2である、(1)〜(5)のいずれ
か一項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、
(7)口径が50mm以上であることを特徴とする、
(1)〜(6)のいずれか一項に記載の製造方法により
得られた炭化珪素単結晶インゴット、である。
製造方法は、SiCからなる原材料を加熱昇華させ、S
iC単結晶からなる種結晶上に供給し、この種結晶上に
SiC単結晶を成長する方法であって、(1)昇華再結
晶法により種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程
を包含する炭化珪素単結晶インゴットの製造方法であっ
て、種結晶の結晶成長面上に、マスク部と開口部とから
なるマスク層を形成した後、該マスク層越しに炭化珪素
単結晶を成長させつつ、その成長の途中に、該マスク層
の開口部を含むように配置されたマスク部を含む新たな
マスク層を形成して、さらに単結晶成長を継続すること
を少なくとも1回は行うことを特徴とする炭化珪素単結
晶インゴットの製造方法、(2)複数のマスク層に含ま
れる前記マスク部を種結晶上に投影したときに得られる
投影像が種結晶の結晶成長面を完全に遮蔽する、(1)
に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、(3)
複数の前記マスク層は、それぞれ独立して、黒鉛、タン
グステン、モリブデンおよびタンタルからなる群より選
択される1種以上を含む、(1)または(2)に記載の
炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、(4)複数の前
記マスク層の厚さが、それぞれ独立して、0.1〜3m
mである(1)〜(3)のいずれか一項に記載の炭化珪
素単結晶インゴットの製造方法、(5)複数の前記マス
ク部の幅が、それぞれ独立して、1〜5mmである
(1)〜(4)のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶
インゴットの製造方法、(6)複数の前記マスク層のマ
スク開口率(開口部面積/マスク部面積)が、それぞれ
独立して、0.2〜2である、(1)〜(5)のいずれ
か一項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法、
(7)口径が50mm以上であることを特徴とする、
(1)〜(6)のいずれか一項に記載の製造方法により
得られた炭化珪素単結晶インゴット、である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、昇華再結晶法により種
結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程を包含する炭
化珪素単結晶インゴットの製造方法であって、種結晶の
結晶成長面上に、マスク部と開口部とからなるマスク層
を形成した後、該マスク層越しに炭化珪素単結晶を成長
させつつ、その成長の途中に、該マスク層の開口部を含
むように配置されたマスク部を含む新たなマスク層を形
成して、さらに単結晶成長を継続することを少なくとも
1回は行うことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴット
の製造方法であり、この方法によれば、マイクロパイプ
欠陥がほぼ皆無な、大口径のSiC単結晶インゴットを
得ることができる。さらに、各マスクのマスク部を種結
晶成長面上へ投影したときに、全ての投影像が種結晶成
長面を全て完全に覆いつくすことが好ましい。本発明に
おいてマスク部とは、種結晶の成長面上に形成されるも
のであって、単結晶成長中にマイクロパイプがgrow
n−in欠陥として引き継がれマイクロパイプが貫通す
ることを阻止する機能を有する。また開口部とは、図1
(a)において示されるようにマスク層の中でマスク部
以外の部分を指す。
結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程を包含する炭
化珪素単結晶インゴットの製造方法であって、種結晶の
結晶成長面上に、マスク部と開口部とからなるマスク層
を形成した後、該マスク層越しに炭化珪素単結晶を成長
させつつ、その成長の途中に、該マスク層の開口部を含
むように配置されたマスク部を含む新たなマスク層を形
成して、さらに単結晶成長を継続することを少なくとも
1回は行うことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴット
の製造方法であり、この方法によれば、マイクロパイプ
欠陥がほぼ皆無な、大口径のSiC単結晶インゴットを
得ることができる。さらに、各マスクのマスク部を種結
晶成長面上へ投影したときに、全ての投影像が種結晶成
長面を全て完全に覆いつくすことが好ましい。本発明に
おいてマスク部とは、種結晶の成長面上に形成されるも
のであって、単結晶成長中にマイクロパイプがgrow
n−in欠陥として引き継がれマイクロパイプが貫通す
ることを阻止する機能を有する。また開口部とは、図1
(a)において示されるようにマスク層の中でマスク部
以外の部分を指す。
【0010】図1の(a)〜(d)に本発明の製造方法
の概要を示す。本図では{0001}面上への結晶成長
において、2層のマスク層の設置によって、各マスク部
の投影像が種結晶成長面を完全に覆う場合が示されてい
る。まず、初段処理として種結晶上にマスク層を設置し
(a)、そのマスク層越しにSiC単結晶を成長させる
(b)。成長の初期段階では、開口部において、c軸に
ほぼ平行方向に結晶成長が起こるが、その後結晶成長が
進展するにつれ、マスク部直上の空間部分では、この空
間部分を占めるようにc軸に垂直方向の結晶成長が開口
部より進展する(b)。この際、開口部直上の成長結晶
部分では、種結晶に存在していたマイクロパイプがgr
own−in欠陥として引き継がれるためにマイクロパ
イプが貫通してしまう。一方、特開平5−262599
号公報に開示されているように、マスク部上の空間部分
では、c軸に垂直方向の結晶成長が誘起されることによ
り、マイクロパイプ欠陥が殆ど皆無な、極めて高品質な
結晶成長が実現する。このようにして作製された単結晶
表面上に、更に新たにマスク層を形成するが、その際、
その新たに形成するマスク層のマスク部を、前回形成し
たマスク層の開口部を完全に覆うように設置する。これ
によりこれら2層のマスク層のマスク部を種結晶表面上
に投影すると、その投影像は種結晶成長面を完全に覆う
ようになる(c)。引き続いて、新たに形成されたマス
ク層越しに単結晶成長を施行すると、マイクロパイプが
皆無な部分より結晶成長が継続されるため、新たに形成
されたマスク層の開口部においても既にマイクロパイプ
は皆無となり、結果的に、成長結晶のほぼ全部分に亘っ
て、マイクロパイプがほぼ皆無な大口径インゴットが実
現される(d)。なお、例示はしていないが、2層のマ
スク層によって種結晶表面が実質的に覆い尽くすことが
できないような場合には、更に第3層のマスク層を形成
させ、そのマスク層上より結晶成長を実施し、最終的に
前記のように、各マスク層のマスク部の種結晶表面上へ
の投影が少なくとも種結晶表面すべてを覆い尽くすまで
本操作を繰り返すことにより、上記と同様な、成長結晶
のほぼ全部分に亘って、マイクロパイプがほぼ皆無な大
口径インゴットが製造可能になる。
の概要を示す。本図では{0001}面上への結晶成長
において、2層のマスク層の設置によって、各マスク部
の投影像が種結晶成長面を完全に覆う場合が示されてい
る。まず、初段処理として種結晶上にマスク層を設置し
(a)、そのマスク層越しにSiC単結晶を成長させる
(b)。成長の初期段階では、開口部において、c軸に
ほぼ平行方向に結晶成長が起こるが、その後結晶成長が
進展するにつれ、マスク部直上の空間部分では、この空
間部分を占めるようにc軸に垂直方向の結晶成長が開口
部より進展する(b)。この際、開口部直上の成長結晶
部分では、種結晶に存在していたマイクロパイプがgr
own−in欠陥として引き継がれるためにマイクロパ
イプが貫通してしまう。一方、特開平5−262599
号公報に開示されているように、マスク部上の空間部分
では、c軸に垂直方向の結晶成長が誘起されることによ
り、マイクロパイプ欠陥が殆ど皆無な、極めて高品質な
結晶成長が実現する。このようにして作製された単結晶
表面上に、更に新たにマスク層を形成するが、その際、
その新たに形成するマスク層のマスク部を、前回形成し
たマスク層の開口部を完全に覆うように設置する。これ
によりこれら2層のマスク層のマスク部を種結晶表面上
に投影すると、その投影像は種結晶成長面を完全に覆う
ようになる(c)。引き続いて、新たに形成されたマス
ク層越しに単結晶成長を施行すると、マイクロパイプが
皆無な部分より結晶成長が継続されるため、新たに形成
されたマスク層の開口部においても既にマイクロパイプ
は皆無となり、結果的に、成長結晶のほぼ全部分に亘っ
て、マイクロパイプがほぼ皆無な大口径インゴットが実
現される(d)。なお、例示はしていないが、2層のマ
スク層によって種結晶表面が実質的に覆い尽くすことが
できないような場合には、更に第3層のマスク層を形成
させ、そのマスク層上より結晶成長を実施し、最終的に
前記のように、各マスク層のマスク部の種結晶表面上へ
の投影が少なくとも種結晶表面すべてを覆い尽くすまで
本操作を繰り返すことにより、上記と同様な、成長結晶
のほぼ全部分に亘って、マイクロパイプがほぼ皆無な大
口径インゴットが製造可能になる。
【0011】なお、マイクロパイプ欠陥の発生が抑制さ
れた領域(マスク部直上の領域)には、Takahashi et a
l., Journal of Crystal Growth, Vol.181 (1997) pp.2
29-240に示されているように、(0001)面積層欠陥
が存在するが、成長を継続し十分に厚いインゴットを製
造することにより、マスク直上以外の大部分の領域にお
いては、ほぼc軸と平行な結晶成長が進行するため、前
記のような面欠陥は発生しない。
れた領域(マスク部直上の領域)には、Takahashi et a
l., Journal of Crystal Growth, Vol.181 (1997) pp.2
29-240に示されているように、(0001)面積層欠陥
が存在するが、成長を継続し十分に厚いインゴットを製
造することにより、マスク直上以外の大部分の領域にお
いては、ほぼc軸と平行な結晶成長が進行するため、前
記のような面欠陥は発生しない。
【0012】マスク層のマスクパターン形状としては、
メッシュ状あるいは格子状が、マスク加工の容易性の観
点から好ましいが、上記のような成長様式が実現できれ
ば、他の形状でも構わない。また、マスク層の材質とし
ては、成長温度で溶解あるいは分解せず、また成長結晶
への不純物汚染が問題にならないものであればいずれも
適用可能であるが、黒鉛、タングステン、モリブデンお
よびタンタルからなる群より選択される1種以上を含む
ことが好ましい。また、本発明においてマスク層は複数
形成されるが、上記した物質から選択されるのであれ
ば、それぞれ同一でも異なる材質でもよい。
メッシュ状あるいは格子状が、マスク加工の容易性の観
点から好ましいが、上記のような成長様式が実現できれ
ば、他の形状でも構わない。また、マスク層の材質とし
ては、成長温度で溶解あるいは分解せず、また成長結晶
への不純物汚染が問題にならないものであればいずれも
適用可能であるが、黒鉛、タングステン、モリブデンお
よびタンタルからなる群より選択される1種以上を含む
ことが好ましい。また、本発明においてマスク層は複数
形成されるが、上記した物質から選択されるのであれ
ば、それぞれ同一でも異なる材質でもよい。
【0013】マスク層の厚さは、0.1〜3.0mmで
あることが好ましい。ここでマスクの厚さが、0.1m
m未満となった場合には、マスクが成長準備工程あるい
は成長実験中に変形、破損する恐れがあり好ましくな
い。また、3.0mm超の場合には、大面積ウエハが取
り出せる成長結晶の部位を不必要に短くすることにな
り、やはり好ましくない。
あることが好ましい。ここでマスクの厚さが、0.1m
m未満となった場合には、マスクが成長準備工程あるい
は成長実験中に変形、破損する恐れがあり好ましくな
い。また、3.0mm超の場合には、大面積ウエハが取
り出せる成長結晶の部位を不必要に短くすることにな
り、やはり好ましくない。
【0014】マスク部の形状は特に限定されないが、例
えばマスクパターンが帯状である場合、マスク部の帯幅
は、1.0〜5.0mmであることが好ましい。ここでマ
スク部の幅が1.0mm未満では、c軸に垂直な方向へ
の成長が、充分な長さ行われず(従って、マイクロパイ
プ欠陥が完全に抑制できない)、本発明の効果を得るこ
とが難しくなる。また、マスク部の幅が5.0mm超に
なると、今度は、逆にc軸に垂直な方向への成長により
マスク全域を覆うことが困難となり、特にマスク部の中
央直上にボイド等の欠陥が発生する等々、新たな欠陥発
生を併発するため好ましくない。
えばマスクパターンが帯状である場合、マスク部の帯幅
は、1.0〜5.0mmであることが好ましい。ここでマ
スク部の幅が1.0mm未満では、c軸に垂直な方向へ
の成長が、充分な長さ行われず(従って、マイクロパイ
プ欠陥が完全に抑制できない)、本発明の効果を得るこ
とが難しくなる。また、マスク部の幅が5.0mm超に
なると、今度は、逆にc軸に垂直な方向への成長により
マスク全域を覆うことが困難となり、特にマスク部の中
央直上にボイド等の欠陥が発生する等々、新たな欠陥発
生を併発するため好ましくない。
【0015】上記帯状マスク以外のマスクパターンの場
合、開口部とマスク部との境界線からマスク部方向へ
1.0mm未満の領域には隣接する開口部が無く、ま
た、前記境界線からマスク部方向へ2.5mm以下の領
域が全マスク部を覆っていることが好ましい。この状態
を図3を参照しながら詳細に説明する。例えば正方格子
状のマスクパターンの場合、図3(a)に示すように、
開口部Aとマスク部との境界線からマスク部方向へ1.
0mm未満の領域に隣接する開口部がない、すなわち隣
接する開口部BおよびCが前記1.0mm未満の領域に
入り込んでいない状態が好ましく、一方で、図3(b)
に示すように、前記境界線からマスク部方向へ2.5m
m以下の領域が全マスク部を覆っている、すなわち開口
部A〜Dそれぞれにおける前記2.5mm以下の領域に
よって隙間なくマスク部が覆われている状態が好まし
い。ここで、図3(c)に示すように、開口部Aの前記
1.0mm未満の領域に開口部BおよびCが存在する
と、開口部間の幅が1.0mm未満と狭く、上述したと
おりc軸に垂直な方向への成長が、充分な長さ行われな
い恐れがある。一方、図3(d)に示すように、開口部
A〜Dの前記2.5mm以下の領域が全マスク部を被覆
できずに隙間が生じている場合、マスク部の幅が5.0
mmを超過するため、上述したとおりc軸に垂直な方向
への成長によりマスク全域を覆うことが困難となる恐れ
がある。
合、開口部とマスク部との境界線からマスク部方向へ
1.0mm未満の領域には隣接する開口部が無く、ま
た、前記境界線からマスク部方向へ2.5mm以下の領
域が全マスク部を覆っていることが好ましい。この状態
を図3を参照しながら詳細に説明する。例えば正方格子
状のマスクパターンの場合、図3(a)に示すように、
開口部Aとマスク部との境界線からマスク部方向へ1.
0mm未満の領域に隣接する開口部がない、すなわち隣
接する開口部BおよびCが前記1.0mm未満の領域に
入り込んでいない状態が好ましく、一方で、図3(b)
に示すように、前記境界線からマスク部方向へ2.5m
m以下の領域が全マスク部を覆っている、すなわち開口
部A〜Dそれぞれにおける前記2.5mm以下の領域に
よって隙間なくマスク部が覆われている状態が好まし
い。ここで、図3(c)に示すように、開口部Aの前記
1.0mm未満の領域に開口部BおよびCが存在する
と、開口部間の幅が1.0mm未満と狭く、上述したと
おりc軸に垂直な方向への成長が、充分な長さ行われな
い恐れがある。一方、図3(d)に示すように、開口部
A〜Dの前記2.5mm以下の領域が全マスク部を被覆
できずに隙間が生じている場合、マスク部の幅が5.0
mmを超過するため、上述したとおりc軸に垂直な方向
への成長によりマスク全域を覆うことが困難となる恐れ
がある。
【0016】マスク層のマスク開口率(開口部面積/マ
スク部面積)は、0.2〜2.0であることが好まし
い。ここで開口率が0.2未満になると、種結晶からの
成長方位の引き継ぎが困難となり多結晶等が発生し易く
なる。また、逆に2.0を超えると、マスク部により被
覆する部分が小さくなり、マスクによるマイクロパイプ
欠陥の遮蔽効果が小さくなり、好ましくない。
スク部面積)は、0.2〜2.0であることが好まし
い。ここで開口率が0.2未満になると、種結晶からの
成長方位の引き継ぎが困難となり多結晶等が発生し易く
なる。また、逆に2.0を超えると、マスク部により被
覆する部分が小さくなり、マスクによるマイクロパイプ
欠陥の遮蔽効果が小さくなり、好ましくない。
【0017】最後に、本発明は、基本的には種結晶の口
径に依存せず、あらゆる口径の種結晶について有効であ
るが、特に、口径が50mm以上の大型単結晶インゴッ
トについて、極めて大きな効果が得られる。かような大
型単結晶インゴットの場合、従来法では、前述のよう
に、マイクロパイプ密度の小さい、高品質小径種結晶を
慎重に口径50mmまで口径拡大するか、あるいは高マ
イクロパイプ密度を有する口径50mmの種結晶を使用
して、マイクロパイプ密度が所定の値まで低下するまで
安定成長を繰り返すことの、いずれかの方法でしか作製
できない。本発明の、例えば図1に示す方法によれば、
僅か2回の単結晶成長を実施することのみで、マイクロ
パイプ密度が極めて小さい高品質インゴット大型単結晶
インゴットが得られる。
径に依存せず、あらゆる口径の種結晶について有効であ
るが、特に、口径が50mm以上の大型単結晶インゴッ
トについて、極めて大きな効果が得られる。かような大
型単結晶インゴットの場合、従来法では、前述のよう
に、マイクロパイプ密度の小さい、高品質小径種結晶を
慎重に口径50mmまで口径拡大するか、あるいは高マ
イクロパイプ密度を有する口径50mmの種結晶を使用
して、マイクロパイプ密度が所定の値まで低下するまで
安定成長を繰り返すことの、いずれかの方法でしか作製
できない。本発明の、例えば図1に示す方法によれば、
僅か2回の単結晶成長を実施することのみで、マイクロ
パイプ密度が極めて小さい高品質インゴット大型単結晶
インゴットが得られる。
【0018】本発明の製造方法により、種結晶のマイク
ロパイプ密度に関わらず、マイクロパイプ欠陥がほぼ皆
無な高品質大口径SiC単結晶インゴットを簡便に製造
することが可能になる。
ロパイプ密度に関わらず、マイクロパイプ欠陥がほぼ皆
無な高品質大口径SiC単結晶インゴットを簡便に製造
することが可能になる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べる。図2に成長
装置の概要を示す。口径約76mm(=3インチ)の
(0001)面を有した六方晶系SiC単結晶ウエハを
種結晶として使用した。このウェハのマイクロパイプ密
度を溶融KOHエッチングによって調べたところ、約1
00個/cm2であった。次に、この種結晶ウェハを黒
鉛製蓋(21)の内面に取り付け、さらにその上に種結
晶を覆うように黒鉛製のメッシュ状マスク層を形成し、
マスク層付き種結晶(22)とした。図2(b)にこの
マスク層の上面図を示す。マスク層の厚さは0.5mm
で、黒鉛製のマスク部の幅(30)とスリット状の開口
部の幅(31)は、共に1mmとした(マスク開口率
1.0、マスク部幅1.0mm)。黒鉛製坩堝(21)
に、原料用高純度SiC粉末(23)を充填した後、前
述のマスク層付き種結晶(22)を装着した蓋(21)
で密閉し、断熱用黒鉛製フェルト(25)で被覆して断
熱処理を施した後、水冷式二重石英管(24)内部に設
置した。石英管の内部を真空排気した後、真空排気装置
Arガス配管(26)を介してArガスを流入させて雰
囲気置換し、石英管内圧力を約80kPaに保ちなが
ら、ワークコイル(27)に電流を流し原料用高純度S
iC粉末(23)の温度を2000℃まで上げた。その
後、成長圧力である1.3kPaには約30分かけて減
圧しながら、原料温度を目標温度である2400℃まで
上昇させ、その温度で約1時間成長を保持して、成長を
実施した。この際の坩堝内の温度勾配は5℃/cmであ
る。得られた結晶の口径は76mmで、インゴット厚さ
が平均約1.5mm程度増加していた。
装置の概要を示す。口径約76mm(=3インチ)の
(0001)面を有した六方晶系SiC単結晶ウエハを
種結晶として使用した。このウェハのマイクロパイプ密
度を溶融KOHエッチングによって調べたところ、約1
00個/cm2であった。次に、この種結晶ウェハを黒
鉛製蓋(21)の内面に取り付け、さらにその上に種結
晶を覆うように黒鉛製のメッシュ状マスク層を形成し、
マスク層付き種結晶(22)とした。図2(b)にこの
マスク層の上面図を示す。マスク層の厚さは0.5mm
で、黒鉛製のマスク部の幅(30)とスリット状の開口
部の幅(31)は、共に1mmとした(マスク開口率
1.0、マスク部幅1.0mm)。黒鉛製坩堝(21)
に、原料用高純度SiC粉末(23)を充填した後、前
述のマスク層付き種結晶(22)を装着した蓋(21)
で密閉し、断熱用黒鉛製フェルト(25)で被覆して断
熱処理を施した後、水冷式二重石英管(24)内部に設
置した。石英管の内部を真空排気した後、真空排気装置
Arガス配管(26)を介してArガスを流入させて雰
囲気置換し、石英管内圧力を約80kPaに保ちなが
ら、ワークコイル(27)に電流を流し原料用高純度S
iC粉末(23)の温度を2000℃まで上げた。その
後、成長圧力である1.3kPaには約30分かけて減
圧しながら、原料温度を目標温度である2400℃まで
上昇させ、その温度で約1時間成長を保持して、成長を
実施した。この際の坩堝内の温度勾配は5℃/cmであ
る。得られた結晶の口径は76mmで、インゴット厚さ
が平均約1.5mm程度増加していた。
【0020】次に、このインゴット表面に機械的研削処
理を施して平坦面を形成し、さらにダイヤモンド砥粒を
含む研磨液を使用する機械研磨によって鏡面処理した。
さらに、このインゴットを種結晶として新たな黒鉛製蓋
に取り付け、さらにその上に種結晶を覆うように黒鉛製
のメッシュ状マスク層を取り付けた。この時、新たに形
成されるメッシュ状マスク部は、開口部を対角線方向に
平行移動させ、初回成長時に形成されたマスク層の開口
部を完全に覆うように配置した。以下、初回成長時とほ
ぼ同様な条件で単結晶成長を実施した。ただし、成長処
理時間を20時間とし、成長速度は約1mm/時であっ
た。成長処理完了後、インゴットを坩堝より取り出した
ところ、得られた結晶の口径は77mmで、インゴット
厚さは約13mmであった。
理を施して平坦面を形成し、さらにダイヤモンド砥粒を
含む研磨液を使用する機械研磨によって鏡面処理した。
さらに、このインゴットを種結晶として新たな黒鉛製蓋
に取り付け、さらにその上に種結晶を覆うように黒鉛製
のメッシュ状マスク層を取り付けた。この時、新たに形
成されるメッシュ状マスク部は、開口部を対角線方向に
平行移動させ、初回成長時に形成されたマスク層の開口
部を完全に覆うように配置した。以下、初回成長時とほ
ぼ同様な条件で単結晶成長を実施した。ただし、成長処
理時間を20時間とし、成長速度は約1mm/時であっ
た。成長処理完了後、インゴットを坩堝より取り出した
ところ、得られた結晶の口径は77mmで、インゴット
厚さは約13mmであった。
【0021】得られたインゴットは、X線回折及びラマ
ン散乱による分析によれば、種結晶と同構造の六方晶系
炭化珪素単結晶であることがわかった。インゴットより
厚さ約1mmの{0001}面ウエハを切り出し、研磨
後に溶融KOHでウエハ表面をエッチング後、顕微鏡観
察したところ、マイクロパイプ欠陥に対応する大型の六
角形エッチピットの数は、ほぼ全面に亘って1.1個/
cm2以下であった。
ン散乱による分析によれば、種結晶と同構造の六方晶系
炭化珪素単結晶であることがわかった。インゴットより
厚さ約1mmの{0001}面ウエハを切り出し、研磨
後に溶融KOHでウエハ表面をエッチング後、顕微鏡観
察したところ、マイクロパイプ欠陥に対応する大型の六
角形エッチピットの数は、ほぼ全面に亘って1.1個/
cm2以下であった。
【0022】また、比較例として上記種結晶ウェハとほ
ぼ同等のマイクロパイプ密度(約100個/cm2)を
有する種結晶を用いて、マスク層を設置しない従来法の
昇華再結晶法による単結晶成長を実施した後、本インゴ
ットから{0001}面ウェハを切り出し、さらにこの
単結晶成長および{0001}面ウェハ切り出しを、そ
の後約19回、総計20回繰り返した。しかる後に前記
と同様に、厚さ約1mmの{0001}面ウェハを切り
出し、研磨後に溶融KOHでウェハ表面をエッチング
後、顕微鏡観察したところ、マイクロパイプ欠陥に対応
する大型の六角形エッチピットの数は、ほぼ全面に亘っ
て60個/cm2程度であった。すなわち、従来法では
総計20回に及ぶ単結晶成長及び種結晶ウエハ切り出し
工程の繰り返しを行っても実現し得ない高品質単結晶イ
ンゴットが、本発明では、僅か2層のマスク形成とそれ
に伴う2回の単結晶成長によって実現できた。
ぼ同等のマイクロパイプ密度(約100個/cm2)を
有する種結晶を用いて、マスク層を設置しない従来法の
昇華再結晶法による単結晶成長を実施した後、本インゴ
ットから{0001}面ウェハを切り出し、さらにこの
単結晶成長および{0001}面ウェハ切り出しを、そ
の後約19回、総計20回繰り返した。しかる後に前記
と同様に、厚さ約1mmの{0001}面ウェハを切り
出し、研磨後に溶融KOHでウェハ表面をエッチング
後、顕微鏡観察したところ、マイクロパイプ欠陥に対応
する大型の六角形エッチピットの数は、ほぼ全面に亘っ
て60個/cm2程度であった。すなわち、従来法では
総計20回に及ぶ単結晶成長及び種結晶ウエハ切り出し
工程の繰り返しを行っても実現し得ない高品質単結晶イ
ンゴットが、本発明では、僅か2層のマスク形成とそれ
に伴う2回の単結晶成長によって実現できた。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、種結晶
を用いた改良型レーリー法により、マイクロパイプ欠陥
が極めて少ない良質の大型炭化珪素単結晶の安定製造が
可能になる。このような炭化珪素単結晶ウエハを用いれ
ば、光学的特性の優れた青色発光素子、電気的特性の優
れた高耐圧・耐環境性電子デバイスを製作することがで
きる。
を用いた改良型レーリー法により、マイクロパイプ欠陥
が極めて少ない良質の大型炭化珪素単結晶の安定製造が
可能になる。このような炭化珪素単結晶ウエハを用いれ
ば、光学的特性の優れた青色発光素子、電気的特性の優
れた高耐圧・耐環境性電子デバイスを製作することがで
きる。
【図1】 本発明の炭化珪素インゴットの製造方法の概
略を説明する図である。
略を説明する図である。
【図2】 (a)は炭化珪素インゴット製造装置の概略
を説明する図であり、(b)は種結晶上に設置されるマ
スクのパターンの一例を示す図である。
を説明する図であり、(b)は種結晶上に設置されるマ
スクのパターンの一例を示す図である。
【図3】 本発明において種結晶上に設置されるマスク
のパターンの一例を説明するための図である。
のパターンの一例を説明するための図である。
11 黒鉛マスク
12 SiC種結晶
13 マイクロパイプ欠陥
21 黒鉛製蓋および坩堝
22 マスク層付き種結晶
23 原料用高純度SiC粉末
24 水冷式二重石英管
25 断熱用黒鉛製フェルト
26 真空排気装置Arガス配管
27 ワークコイル
28 マスク部
29 開口部
30 マスク部の幅
31 開口部の幅
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 勝野 正和
千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式
会社技術開発本部内
(72)発明者 矢代 弘克
千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式
会社技術開発本部内
Fターム(参考) 4G077 AA02 BE08 DA02 DA19 EA02
EA03 ED01 HA02 HA06 SA04
Claims (7)
- 【請求項1】 昇華再結晶法により種結晶上に炭化珪素
単結晶を成長させる工程を包含する炭化珪素単結晶イン
ゴットの製造方法であって、種結晶の結晶成長面上に、
マスク部と開口部とからなるマスク層を形成した後、該
マスク層越しに炭化珪素単結晶を成長させつつ、その成
長の途中に、該マスク層の開口部を含むように配置され
たマスク部を含む新たなマスク層を形成して、さらに単
結晶成長を継続することを少なくとも1回は行うことを
特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。 - 【請求項2】 複数のマスク層に含まれる前記マスク部
を種結晶上に投影したときに得られる投影像が種結晶の
結晶成長面を完全に遮蔽する、請求項1に記載の炭化珪
素単結晶インゴットの製造方法。 - 【請求項3】 複数の前記マスク層は、それぞれ独立し
て、黒鉛、タングステン、モリブデンおよびタンタルか
らなる群より選択される1種以上を含む、請求項1また
は2に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。 - 【請求項4】 複数の前記マスク層の厚さが、それぞれ
独立して、0.1〜3mmである請求項1〜3のいずれ
か一項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。 - 【請求項5】 複数の前記マスク部の幅が、それぞれ独
立して、1.0〜5.0mmである請求項1〜4のいず
れか一項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方
法。 - 【請求項6】 複数の前記マスク層のマスク開口率(開
口部面積/マスク部面積)が、それぞれ独立して、0.
2〜2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭
化珪素単結晶インゴットの製造方法。 - 【請求項7】 口径が50mm以上であることを特徴と
する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法に
より得られた炭化珪素単結晶インゴット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001383499A JP2003183097A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | 炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001383499A JP2003183097A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | 炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003183097A true JP2003183097A (ja) | 2003-07-03 |
Family
ID=27593528
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001383499A Pending JP2003183097A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | 炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003183097A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2852974A1 (fr) * | 2003-03-31 | 2004-10-01 | Soitec Silicon On Insulator | Procede de fabrication de cristaux monocristallins |
| JP2008515748A (ja) * | 2004-10-04 | 2008-05-15 | クリー インコーポレイテッド | 低1cらせん転位の3インチ炭化珪素ウェハ |
| JP2009012998A (ja) * | 2007-07-03 | 2009-01-22 | Fuji Electric Device Technology Co Ltd | 単結晶炭化珪素基板の製造方法 |
| JP2009292723A (ja) * | 2009-09-08 | 2009-12-17 | Nippon Steel Corp | 種結晶付き炭化珪素単結晶インゴット、炭化珪素単結晶基板、炭化珪素エピタキシャルウェハ、及び薄膜エピタキシャルウェハ |
| JP2010275190A (ja) * | 2010-09-15 | 2010-12-09 | Nippon Steel Corp | 炭化珪素単結晶の製造方法 |
| JP2016092399A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | セイコーエプソン株式会社 | 炭化ケイ素膜付き基板、炭化ケイ素膜付き基板の製造方法、及び、半導体装置 |
-
2001
- 2001-12-17 JP JP2001383499A patent/JP2003183097A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US8785946B2 (en) | 2004-10-04 | 2014-07-22 | Cree, Inc. | Low 1C screw dislocation 3 inch silicon carbide wafer |
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| JP2010275190A (ja) * | 2010-09-15 | 2010-12-09 | Nippon Steel Corp | 炭化珪素単結晶の製造方法 |
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