JP2003183104A - 被覆生物活性物質 - Google Patents

被覆生物活性物質

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JP2003183104A JP2001388247A JP2001388247A JP2003183104A JP 2003183104 A JP2003183104 A JP 2003183104A JP 2001388247 A JP2001388247 A JP 2001388247A JP 2001388247 A JP2001388247 A JP 2001388247A JP 2003183104 A JP2003183104 A JP 2003183104A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出速度や溶出パターンの制御が容易であ
り、時限溶出型の溶出パターンにおいても、初期溶出期
間中の溶出を効果的に抑制された被覆生物活性物質の提
供。 【解決手段】被覆生物活性物質の溶出期間を長期化する
機能を有するポリオールと、被覆生物活性物質の水分保
持能力を増加させる機能を有するポリオールとの混合物
とイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタ
ンで生物活性物質の表面を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆生物活性物
質、生物活性物質組成物、および作物の栽培方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】米国特許第3,264,089号公報、
特公昭54−39298号公報、特開平9−20835
5号公報、および特開平10−324587号公報など
において、ポリウレタンを被膜とする被覆肥料が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリウ
レタンを被膜とする被覆肥料は、溶出速度や溶出パター
ンの制御が困難であった。その中でも施用後一定期間肥
料成分を溶出しない期間(初期溶出抑制期間)と、一定
期間経過後溶出する期間(溶出期間)とを有する時限溶
出型の溶出パターンにおいては、初期溶出期間中の溶出
を抑制することが特に困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の従来
技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、ポリ
ウレタンで生物活性物質の表面が被覆された被覆生物活
性物質において、該ポリウレタンが、被覆生物活性物質
の溶出期間を長期化する機能を有するポリオールと、被
覆生物活性物質の水分保持能力を増加させる機能を有す
るポリオールとの混合物とイソシアネートとの反応によ
って得られるポリウレタンであれば、溶出速度や溶出パ
ターンの制御が容易であり、時限溶出型の溶出パターン
においても、初期溶出期間中の溶出を効果的に抑制され
た被覆生物活性物質を得ることができることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0005】本発明は以下の(1)〜(7)の構成を有
する。 (1)水酸基当量が120以下であるポリオールと水酸
基当量が150以上であるポリオールとの混合物とイソ
シアネートとの反応によって得られるポリウレタンによ
り、生物活性物質粒子の表面が被覆されてなる被覆生物
活性物質。
【0006】(2)該混合物の水酸基当量が120〜2
00の範囲である前記第1項記載の被覆生物活性物質。
【0007】(3)水酸基当量120以下のポリオール
の含有割合が、該混合物に対して5〜90重量%の範囲
である前記第1項記載の被覆生物活性物質。
【0008】(4)生物活性物質が農薬である前記第1
項記載の被覆生物活性物質。
【0009】(5)生物活性物質が肥料である前記第1
項記載の被覆生物活性物質。
【0010】(6)前記第1項〜第5項の何れか1項記
載の被覆生物活性物質と、被覆されていない生物活性物
質とを含有する生物活性物質組成物。
【0011】(7)前記第1項〜第5項の何れか1項記
載の被覆生物活性物質、または第6項記載の生物活性物
質組成物を用いることを特徴とする作物の栽培方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に使用する生物活性物質と
は、農業、林業、園芸などに関連する生物に対して活性
を有する物質のことを意味するが、具体的には農作物や
有用植物などの植物体の育成、保護の目的で用いられる
ものであり、増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫
防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育
促進、生育抑制、矮化などの効果をもたらすものであっ
て、具体的には農薬、肥料、微生物等を挙げることがで
きる。
【0013】農薬としては病害防除剤、害虫防除剤、有
害動物防除剤、雑草防除剤、植物生長調節剤などを挙げ
ることができ、これらであればその種類に制限なく使用
することができる。病害防除剤とは、病原微生物の有害
作用から農作物等を保護するために用いられる薬剤であ
り、主として殺菌剤が挙げられる。害虫防除剤とは、農
作物等を加害する害虫を防除する薬剤であり、主として
殺虫剤が挙げられる。
【0014】有害動物防除剤とは、農作物等を加害する
植物寄生性ダニ、植物寄生性線虫、野鼠、鳥、その他の
有害動物を防除するために用いる薬剤である。雑草防除
剤とは農作物や樹木等に有害となる草木植物の防除に用
いられる薬剤であり、除草剤とも呼ばれる。植物生長調
節剤とは、植物の生理機能の増進あるいは抑制を目的に
用いられる薬剤である。その中でも、殺虫作用および殺
菌作用の両方または片方の作用を有する農薬は本発明に
好ましく、その種類に制限なく使用することができる。
【0015】本発明において使用する農薬は、常温で固
体の粉状であることが望ましいが常温で液体であっても
良い。また、本発明においては、農薬が水溶性であって
も、水難溶性であっても、水不溶性のものであっても用
いることができ特に限定されるものではない。その中で
も本発明においては、接触等により保護すべき植物体内
に移行し薬効を示す浸透移行性の農薬が好ましい。本発
明に利用できる農薬の具体例を下記に挙げるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。また、農薬は1種
であっても、2種以上の複合成分からなるものであって
も良い。
【0016】具体的には、(E)−N1−〔(6−クロ
ロ−3−ピリジル)メチル〕−N2−シアノ−N1−メチ
ルアセトアミジン(一般名:アセタミプリド)、1−
(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミ
ダゾリジン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロ
プリド)、o,o−ジエチル−S−2−(エチルチオ)エ
チルホスホロジチオエート(一般名:エチルチオメト
ン)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベン
ゾ〔b〕フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチ
ルカルバマート(一般名:カルボスルファン)、(E)
−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチ
ル−N´−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(一
般名:ニテンピラム)、(±)−5−アミノ−(2,6
−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トルイ
ル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール
−3−カルボニトリル(一般名:フィプロニル)、ブチ
ル=2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン
−7−イル=N,N´−ジメチル− N,N´−チオジ
カルバマート(一般名:フラチオカルブ)、エチル=N
−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン
−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−
N−イソプロピル−β−アラニナート(一般名:ベンフ
ラカルブ)、
【0017】1−ナフチル−N−メチルカーバメート
(一般名:NAC)、(1RS,3SR)−2,2−ジ
クロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−
1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミド
(一般名:カルプロパミド)、(RS)−2−シアノ−N−
[(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−
3,3−ジメチルブチラミド(一般名:ジクロシメッ
ト)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔3,4−
b〕ベンゾチアゾール(一般名:トリシクラゾール)、
1,2,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,2,1−i
j〕キノリン−4−オン(一般名:ピロキロン)、(R
S)−5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロ−1,1,
3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−1,3
−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:
フラメトピル)、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイ
ソチアゾール−1,1−ジオキシド(一般名:プロベナ
ゾール)、
【0018】2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソ
プロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:アトラジ
ン)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジ
ン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イル尿素(一般名:イマゾスルフロ
ン)、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチ
ル)チオカルバマート(一般名:エスプロカルブ)、エ
チル=(RS)−2−[4−(6−クロロキノキサリン
−2−イルオキシ)フェノキシ]プロピオナート(一般
名:キザロホップブチル)、ブチル=(R)−2−[4
−(4−シアノ−2−フルオノフェノキシ)フェノキ
シ]プロピオナート(一般名:シハロホップブチル)、
2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジ
メチルプロピルアミノ)−s−トリアジン(一般名:ジ
メタメトリン)、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチ
ルアミノ)−s−トリアジン(一般名:シメトリン)、
【0019】1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−
(パラトリル)尿素(一般名:ダイムロン)、2−クロ
ロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´−
ジメチルアセトアニリド(一般名:テニルクロール)、
α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(一般名:
ナプロアニリド)、メチル=3−クロロ−5−(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルフ
ァモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラ
ート(一般名:ハロスルフロンメチル)、エチル=5−
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイ
ルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カル
ボキシラート(一般名:ピラゾスルフロンエチル)、S
−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカー
バメート(一般名:ベンチオカーブ)、メチル=α−
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイ
ルスルファモイル)−o−トルアート(一般名:ベンス
ルフロンメチル)、2−ベンゾチアゾール−2−イルオ
キシ−N−メチルアセトアニリド(一般名:メフェナセ
ット)等を挙げることができる。
【0020】更に、本発明における農薬としては、植物
が接触した後に植物によって合成され、植物体内に蓄積
する低分子の抗菌性物質であるファイトアレキシンを誘
導する物質を挙げることができる。
【0021】肥料としては、窒素質肥料、燐酸質肥料、
加里質肥料のほか、植物必須要素のカルシウム、マグネ
シウム、硫黄、鉄、微量要素やケイ素等を含有する肥料
を挙げることができる。具体的には、窒素質肥料として
硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニアのほか、イソブ
チルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素等
が挙げられ、燐酸質肥料としては過燐酸石灰、熔成リン
肥、焼成リン肥等が挙げられ、加里質肥料としては硫酸
加里、塩化加里、けい酸加里肥料等が挙げられ、その形
態としては特に限定はない。肥料の三要素の合計成分量
が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、有機質肥料、
さらに、硝酸化成抑制材や農薬を添加した肥料も本発明
に使用することができる。その中でも、生物活性物質粒
子が尿素であると、その使用目的に対して比較的高い効
果が得られる。
【0022】本発明に使用する生物活性物質粒子の形状
は特に限定されるものではないが、本発明においては球
状であることが好ましい。特に本発明に用いる生物活性
物質粒子は、粒子の円形度合いを知るための尺度であ
り、下記式により求められる円形度係数が、0.85以
上のものであることが好ましく、より好ましくは0.9
以上のものであり、更に好ましくは0.93以上のもの
である。円形度係数の最大値は1であり、1に近づくほ
ど粒子は真円に近づき、粒子形状が真円から崩れるに従
って円形度係数は小さくなる。 式:(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長
さ)
【0023】該生物活性物質粒子の粒径は特に限定され
るものではないが、例えば、肥料の場合においては1.
0〜10.0mmであり、農薬の場合においては0.3
〜3.0mmであることが好ましい。これらは篩いを用
いることにより、前記範囲内で任意の粒径を選択するこ
とができる。
【0024】本発明で用いる生物活性物質粒子自体の組
成は、1種以上の生物活性物質を含有していれば、特に
限定されるものではなく、生物活性物質単独で造粒され
たものであってもよく、クレー、カオリン、タルク、ベ
ントナイト、炭酸カルシウムなどの担体や、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
澱粉類などの結合剤を用いて造粒したものであっても構
わない。また、必要に応じ、例えばポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル等の界面活性剤や廃糖蜜、動物
油、植物油、水素添加油、脂肪酸、脂肪酸金属塩、パラ
フィン、ワックス、グリセリンなどを含有したものであ
っても構わない。
【0025】該生物活性物質粒子の製造方法は特に限定
されるものではないが、押出造粒法、流動層式造粒法、
転動造粒法、圧縮造粒法、被覆造粒法、吸着造粒法等を
用いることができる。本発明においては、これらの造粒
法のいずれを使用しても良いが、押し出し造粒法が最も
簡易である。
【0026】本発明において使用する被覆生物活性物質
の溶出期間を長期化する機能を有するポリオールは、水
酸基当量が120以下のポリオールであり、被覆生物活
性物質の水分保持能力を増加させる機能を有するポリオ
ールは、水酸基当量が150以上のポリオールである。
【0027】本発明において用いるポリオールは、上記
水酸基当量を有するものであれば、何れのポリオールで
あっても使用することができる。具体的には、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ジオー
ル類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールなどの低分子多価アルコール類、多価アル
コ−ル、アミノアルコ−ル、アミンを開始剤として用い
てエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重付加
して得られるポリエ−テルポリオ−ル、
【0028】テトラヒドロフランを重合して得られるポ
リテトラメチレンエ−テルグルコ−ルなどのポリエ−テ
ル型ポリオ−ル、多価アルコ−ルとポリエ−テルポリオ
−ルとカルボン酸化合物を反応させる等の方法により得
られるポリエステル型ポリオ−ルなどを挙げることがで
きる。また、生分解性を考慮してOH基含有の天然物、
またはその変性物なども本発明に使用することができ
る。
【0029】さらに、本発明に使用するポリオールは特
に限定されるものではないが、混合時に相溶性があるも
の同士であることが好ましい。
【0030】水酸基当量が120以下であるポリオール
と水酸基当量が150以上であるポリオールとの混合物
の水酸基当量は特に限定されるものではないが、本発明
においては120〜200の範囲であることが好まし
い。この範囲であれば、それぞれの機能を持ったポリオ
ールが被膜中に分散して存在し、それぞれの機能がそれ
ぞれの存在位置において発揮されることから、時限溶出
型の溶出パターンを有する被覆生物活性物質を容易に得
ることができる。
【0031】なお、該混合物は水酸基当量が120以下
であるポリオールの1種以上と水酸基当量が150以上
であるポリオールの1種以上との混合物であるが、本発
明の効果を損なわない範囲であれば、水酸基当量が12
0より高く150より低いポリオールを併用することが
できる。
【0032】さらに本発明において用いる該混合物は、
水酸基当量が30〜120の範囲であるポリオールの1
種以上と、水酸基当量が150〜300の範囲であるポ
リオールの1種以上との混合物であることが特に好まし
い。このポリオール混合物であれば、被膜の透湿速度と
伸びを制御し易く溶出抑制期間と溶出期間のコントロー
ルが容易である。
【0033】なお、時限溶出型の溶出パターンとは、前
述のように、施用後一定期間生物活性物質を溶出しない
期間(初期溶出抑制期間)と、一定期間経過後溶出する
期間(溶出期間)とを有する溶出パターンであり、より
具体的には、施用後から生物活性物質を10重量%溶出
するまでの期間(D1)と、それ以降生物活性物質を8
0重量%溶出するまでの期間(D2)とを有し、且つD
1/D2の比が0.2以上である溶出パターンのことで
ある。本発明の被覆生物活性物質であれば、D1/D2
の比が2以上である溶出パターンであっても容易に達成
することができる。
【0034】さらに本発明においては、該ポリオール混
合物における水酸基当量が120以下であるポリオール
の含有割合は、該ポリオール混合物に対して2〜95重
量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜
80重量%の範囲である。該ポリオール混合物における
水酸基当量が150以上であるポリオールの含有割合
は、該ポリオール混合物に対して5〜95重量%の範囲
であることが好ましく、より好ましくは10〜90重量
%の範囲である。この範囲であれば、特にD1における
溶出抑制効果が高くなる。
【0035】本発明に使用するイソシアネートは特に限
定されるものではないが、具体的には、トルエンジイソ
シアネ−ト(TDIと言うことがある)、ジフェニルメ
タンジイソシアネ−ト(MDIと言うことがある)、ナ
フタレンジイソシアネ−ト、トリジンイソシアネ−ト、
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシ
アネ−ト、およびキシリレンジイソシアネ−トなどを例
示することことができ、必要に応じてこれらの混合物を
用いることができる。なかでも、MDIやTDIあるい
はこれらから誘導されるオリゴマ−体は本発明に好適に
用いられる。
【0036】さらに本発明においては、上記樹脂成分に
加えて触媒を処方することができる。該触媒としては、
公知慣用のものを用いることができ、具体的には、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジ
アミン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルモ
ルフォリン、ジアザビシクロウンデセン、2,4,6,
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル等のアミ
ン触媒、テトラブチルスズ、ジブチルスズジラウレー
ト、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛等の金属塩触媒など
を挙げることができる。
【0037】さらに、必要に応じて、着色のために顔料
や染料、あるいは充填剤としてタルク、マイカ、シリ
カ、カ−ボンブラック、樹脂粉末等の無機/有機粉粒体
を該ポリウレタン被膜に添加しても良い。また、必要に
応じて界面活性剤を添加することもできる。
【0038】該ポリウレタンで、該生物活性物質の表面
を被覆する方法には、公知慣用の方法を用いることがで
きる。例えば、流動装置や噴流動装置により、該生物活
性物質を流動状態にしたり、回転パン、回転ドラムなど
により該生物活性物質を転動状態にせしめ、ポリウレタ
ン材料を滴下、噴霧等の方法で該生物活性物質に添加
し、該生物活性物質の表面を被覆し、ポリウレタンを形
成させることにより被覆生物活性物質を製造することが
できる。
【0039】該ポリウレタンの被覆割合は、該被覆生物
活性物質に対し1〜20重量%の範囲であることが好ま
しく、より好ましくは2〜15重量%の範囲である。
【0040】本発明の生物活性物質組成物は、本発明の
被覆生物活性物質と被覆されていない生物活性物質とを
含有するものである。被覆されていない生物活性物質に
は、本発明の被覆生物活性物質に使用した生物活性物質
を用いることができる。その形状は粉状、粒状、および
顆粒状の何れであっても良いが、本発明においては粒状
であることが好ましく、特に該生物活性物質の平均粒子
径A1と該被覆生物活性物質の平均粒子径A2との比A
1/A2は0.67〜1.5の範囲であることが好まし
い。その形状が粒子状であり、さらにA1/A2が0.
8〜1.25の範囲であるばあいには、該生物活性物質
組成物が分級し難いことから好ましい。
【0041】該生物活性物質組成物の組成は特に限定さ
れるものではないが、偏りすぎると少量施用時の効果発
現が危ういことから、最も少ない生物活性物質含有粒状
物に対する最も多い生物活性物質含有粒状物の混合割合
を重量比で50倍以下とすることがよく、好ましくは2
0倍以下、さらには15倍以下とするのが好ましい。
【0042】本発明の作物の栽培方法は、本発明の被覆
生物活性物質または本発明の生物活性物質組成物を用い
たものであればよく、特に限定されるものではない。栽
培方法の具体例としては、栽培期間中に散布・施用する
生物活性物質の全量若しくはその内の大部分を、育苗開
始時、本圃への播種時、または本圃への苗の移植時に施
用する方法が挙げられる。使用する本発明の被覆生物活
性物質は1種類でも良く、放出機能(放出パターンや放
出抑制期間の長さ)や種類の異なる被覆生物活性物質を
2種以上混合したものであっても構わない。また、施用
する時期も限定されるものではなく、育苗開始時に育苗
箱や育苗ポットなどの育苗容器に施用してもよく、本圃
へ播種若しくは移植すると同時に施用してもよい。
【0043】該栽培方法においては、対象とする作物が
限定されるものではないが、食用作物、飼料作物、工芸
作物等の圃場作物、果樹、蔬菜、花卉等の園芸作物に用
いることができる。食用作物としてはイネ、麦類、トウ
モロコシ、イモ類、マメ類を挙げることができ、飼料作
物としてはイネ科、マメ科、飼料用根菜を挙げることが
でき、工芸作物としては嗜好料作物(茶等)、香辛料作
物(コショウ等)、油料作物(ゴマ等)、糖料作物(甜
菜等)、繊維作物(綿花等)を挙げることができ、果樹
としては仁果類(リンゴ等)、核果類(モモ等)、柑橘
類、熱帯果樹(パイナップル等)を挙げることができ、
蔬菜としては葉菜類、根菜類、果菜類を挙げることがで
き、花卉としては1年草、2年草、宿根草、花木等を挙
げることができる。
【0044】
【実施例】以下、実験例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。 (粒子Aの製造)粒径500μm以下の粒度に粉砕され
た硫酸加里(和光純薬工業株式会社製:特級)90重量
部と硫酸マグネシウム七水和物(和光純薬工業株式会社
製:特級)10重量部とを原料として、廃糖蜜の2倍希
釈液(水希釈)を散布しながら、該原料を少量ずつ円盤
回転式造粒機に供給し造粒を行った。得られた粒子は大
型送風定温乾燥機(アドバンテック東洋株式会社製:FV
−1500)中で乾燥した後に取り出し、篩で2.0〜4.
0mmのものを篩い分けし、粒子Aを製造した。円盤回
転式造粒機:皿径400mm;回転数15rpm、乾燥
温度105℃、12時間
【0045】(粒子Bの製造)殺虫作用を有する農薬成
分として1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N
−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(以下、
CPNIAと略称する。)(純度70重量)3重量部、
ベントナイト65重量部、クレー31重量部、リグニン
スルホン酸ナトリウム1重量部を均一に混合し、ニーダ
ーで加水し混練した。この混合物をスクリュー押し出し
式造粒機(ダイスの穴径0.8mm)で押し出し造粒し
た後、該造粒物を、回転円盤式整粒機(不二パウダル
製、マルメライザーQJ400)を用いて下記の運転条
件で整粒し造粒物を得た。次に、該造粒物を熱風循環乾
燥機を用いて100℃で乾燥後、篩分けによって1.0
〜1.4mm(篩目開き)の粒子Bを得た。 整粒機の運転条件運転方式 :回分式運転時間 :1mi
n目皿ピッチ:1mm回転数 :788r/min仕込
量 :1.5kg(1回当たり)
【0046】実験例1 粒状尿素(平均粒径3 .4mm )920gを、熱風発
生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機
(パン径450mm )に仕込み、20〜45RPMで
回転させ該粒状尿素を転動状態にした。該装置を加熱し
て該粒状尿素の温度を65〜75℃に維持し、転動状態
を維持した。プロピレングリコール(分子量:76、水
酸基当量:38)を6.8g、ポリプロピレングリコー
ル(分子量:700、水酸基当量:350)を35.3
g、及びアミン触媒としてジメチルエタノールアミンを
0.8gの混合液、およびポリメリックMDI(粘度:
120mPa・s/25℃ )38gを、送液ポンプを
用いて加温されかつ転動状態にある該粒状尿素にそれぞ
れ40分間で添加した。その後、10分間65〜75℃
の範囲に保持することにより被覆生物活性物質を得た。
【0047】実験例2〜9 被膜材料として表1に示した材料に変更した以外は実験
例1に準じて被覆生物活性粒状物を製造した。被膜組成
を表1に示した。
【0048】
【表1】 PG :プロピレングリコール(水酸基当量:38) GC :グリセリン(水酸基当量:31) TPG :トリプロピレングリコール(水酸基当量:
96) PPG−1:ポリプロピレングリコールジオール(分子
量:400,水酸基当量:200) PPG−2:ポリプロピレングリコールジオール(分子
量:700、水酸基当量:350) PPG−3:ポリプロピレングリコールトリオール(分
子量:300、水酸基当量:100) PPG−4:ポリプロピレングリコールトリオール(分
子量:308、水酸基当量:103) PPG−5:ポリプロピレングリコールトリオール(分
子量:700、水酸基当量:233) PPG−6:ポリプロピレングリコールトリオール(分
子量:444、水酸基当量:148) pMDI :ポリメリックMDI(粘度:130mPa
/25℃)
【0049】実験例10 粒状尿素を粒子Aに変更した以外は実験例1に準じて被
覆生物活性粒状物を製造した。被膜組成を表1に示し
た。
【0050】実験例11 粒状尿素を粒子Bに、被覆率を12%に変更した以外は
実験例4に準じて被覆生物活性粒状物を製造した。被膜
組成を表1に示した。
【0051】〔評価1〕尿素溶出日数の測定 温度が25℃に保持された200mlの水に、被覆生物活
性物質をそれぞれ10gずつ浸漬して静置した。所定期
間後、該被覆生物活性物質と水とに分け、水中に溶出し
た尿素を定量分析により求めた。該被覆生物活性物質を
再び25℃に保持された200mlの水に浸漬して静置
し、所定期間後、同様の分析を行った。この様な操作を
反復し、水中に溶出した尿素の溶出累計と日数の関係を
グラフ化して溶出速度曲線を作成し、80%溶出率に至
る日数を求めた。結果を表2に示す。
【0052】〔評価2〕加里溶出日数の測定 温度が25℃に保持された200mlの水に、被覆生物活
性物質をそれぞれ10gずつ浸漬して静置した。所定期
間後、該被覆生物活性物質と水とに分け、水中に溶出し
たカリウムを炎光分析により求めた。該被覆生物活性物
質を再び25℃に保持された200mlの水に浸漬して静
置し、所定期間後、同様の分析を行った。この様な操作
を反復し、水中に溶出した尿素の溶出累計と日数の関係
をグラフ化して溶出速度曲線を作成し、80%溶出率に
至る日数を求めた。結果を表2に示す。
【0053】〔評価3〕農薬放出日数の測定 被覆生物活性物質をキャップ付試験管(12mm×72
mm)に水を1.5ml入れ、試験管1本当たり1粒投
入後キャップをした。これを100管(粒)ずつ水温2
5℃の各温度で静置した。試験開始から毎日観察を行
い、それぞれ該被覆生物活性物質の被膜崩壊の個数をカ
ウントし、累積崩壊数を累積放出率とした。結果を表2
に示す。
【0054】
【表2】
【0055】実験例1〜6、10、および11では、D
1/DTが0.4以上となり、良好な時限溶出型の溶出
パターンを示した。しかし、単一ポリオールを用いた実
験例7ではD1が短く時限溶出型とはならなかった。さ
らに実験例8および9のように、ブレンドしたポリオー
ルでも水酸基当量が大きかったり小さかったりした場合
も時限溶出型の溶出パターンとはならなかった。
【0056】本発明の被覆生物活性物質を用いて栽培試
験を行った。 実験例12 育苗用の床土としてくみあい黒粒培土((株)くみあい
協友社製)3000gを内寸が縦58cm、横28c
m、深さ3cmの水稲用育苗箱に入れ、その表面を平ら
にし、催芽種籾(品種:森のくまさん)150gを均一
かつ層状に播種した後に、肥料として実験例1の被覆生
物活性物質を500g施用した。この上に、床土と同じ
培土1000gを用いて覆土して、十分に潅水した。該
育苗箱を気温18〜28℃で20日間育苗した。育苗管
理は表層が乾燥しないように適宜潅水したほかは慣行法
に準じた。
【0057】実験例13 被覆生物活性物質を実験例7のものに代えた以外は実験
例12に準じて栽培試験を行った。
【0058】実験例14 被覆生物活性物質を加えない以外は実験例12に準じて
栽培試験を行った。
【0059】実験例12および13で育苗の様子を観察
した結果、実験例12は実験例14と同様に揃った苗を
育成することができたのに対し、実験例13では苗が揃
わず、また一部では肥焼けの兆候が見られた。育苗終了
後は熊本県水俣市のミニチュア水田において栽培を行
い、実験例12の苗は慣行栽培並に生育することを確認
した。
【0060】
【発明の効果】本発明の被覆生物活性物質は、溶出速度
や溶出パターンの制御が容易であり、時限溶出型の溶出
パターンにおいても、初期溶出期間中の溶出を効果的に
抑制することができる。本発明の栽培方法は、栽培初期
の生育障害を起こすことなく生物活性物質含有粒状物の
施用作業を著しく軽減することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基当量が120以下であるポリオー
    ルと水酸基当量が150以上であるポリオールとの混合
    物とイソシアネートとの反応によって得られるポリウレ
    タンにより、生物活性物質粒子の表面が被覆されてなる
    被覆生物活性物質。
  2. 【請求項2】 該混合物の水酸基当量が120〜200
    の範囲である請求項1記載の被覆生物活性物質。
  3. 【請求項3】 水酸基当量120以下のポリオールの含
    有割合が、該混合物に対して5〜90重量%の範囲であ
    る請求項1記載の被覆生物活性物質。
  4. 【請求項4】 生物活性物質が農薬である請求項1記載
    の被覆生物活性物質。
  5. 【請求項5】 生物活性物質が肥料である請求項1記載
    の被覆生物活性物質。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項記載の被覆生
    物活性物質と、被覆されていない生物活性物質とを含有
    する生物活性物質組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れか1項記載の被覆生
    物活性物質、または請求項6記載の生物活性物質組成物
    を用いることを特徴とする作物の栽培方法。
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