JP2003184868A - モータ用動圧軸受及び動圧軸受用スラストフランジの成形方法 - Google Patents
モータ用動圧軸受及び動圧軸受用スラストフランジの成形方法Info
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Abstract
トを低減する。 【解決手段】 少なくとも片面にヘリンボーンを備えて
おり、シャフト(12)に設けられてスラスト方向の応
力を支えるスラストフランジ(13)を、合成樹脂、例
えば液晶ポリマーの成形によって形成した。従って、製
作コストが安いという樹脂成形の特長を発揮してスラス
トフランジを大幅にコスト低減でき、その結果、動圧軸
受及びこれを用いた小型モータのコストを低減すること
が可能となる。
Description
型モータに用いられる動圧軸受と、この動圧軸受用のス
ラストフランジの成形方法に関するものである。
回転にも耐えられるという特長があるため、例えばハー
ドディスクドライブ(HDD)用のモータの軸受として
使用されるなど、近年その用途が拡大しつつある。この
ような軸受の場合には、シャフトの端部などに設けられ
てスラスト方向の応力を支えるスラストフランジが必要
である。従来、このスラストフランジは機械加工によっ
て製作されているが、ハードディスクドライブのモータ
ではその構造上スラストフランジは直径が数mmと非常に
小さい。従って、動圧を発生するためのヘリンボーンを
摺動面に備えている小さなスラストフランジを1個ずつ
機械加工で製作することは多大の工数を必要とし、動圧
軸受がコスト高となる大きな要因となっている。
着目し、スラストフランジの製作コストを大幅に低減す
ることにより、ハードディスクドライブ等に使用される
小型モータの動圧軸受のコストを低減し、安価な小型モ
ータを提供できるようにすることを課題としてなされた
ものである。
めに、この発明のモータ用動圧軸受は、少なくとも片面
にヘリンボーンを備えており、シャフトに設けられてス
ラスト方向の応力を支えるスラストフランジを、合成樹
脂の成形によって形成するようにしている。このような
構成により、製作コストが安いという樹脂成形の特長が
発揮されてスラストフランジの大幅なコスト低減が可能
となり、その結果、動圧軸受、更にはこれを用いた小型
モータのコスト低減が実現されるのである。
以上において半径方向の線膨張係数が軸受を構成する他
の部材に用いられている金属と同等程度もしくはそれ以
下の値、あるいはゼロもしくはマイナスである合成樹脂
を用いて形成される。一般に合成樹脂はその線膨張係数
が金属の数倍以上であるため、単にスラストフランジを
樹脂化しただけでは、温度上昇に伴って軸受を構成する
他の部材、すなわちシャフトやこれを支持するスリーブ
等の金属部品との間のギャップがなくなり、正常な回転
ができなくなるという問題が生ずる。これに対して、線
膨張係数が金属と同等程度かそれ以下、あるいはゼロも
しくはマイナスであれば温度上昇時でもスリーブ等の金
属部品との間のギャップがなくなることがなく、正常な
運転を継続できるのである。
ば、この発明のスラストフランジの材料として使用可能
であるが、具体的な例としては液晶ポリマーを挙げるこ
とができる。全芳香族系ポリエステルの一種である液晶
ポリマーは、その充填材によって性状が種々に変化する
ことが知られている。そして充填材によってはある基準
温度以上における流動方向の線膨張係数が金属と同等程
度の小さな値のものが得られ、また、無充填のものとフ
ッ素系充填材入りのある種のグレードのものでは流動方
向の線膨張係数がゼロもしくはマイナスとなり、特に後
者の線膨張係数はかなり大きなマイナス値を示す。従っ
て、このような液晶ポリマーを使用すれば、上述のよう
な温度上昇に伴う問題を生ずることがない。
と一体に形成してもよい。これにより、フランジをシャ
フトに固定するための構造やそのための工数が不要とな
る。
として液体及び気体のいずれでも使用可能であり、例え
ば液体の場合には潤滑油が、気体の場合には空気がそれ
ぞれ使用される。流体が気体であると始動時に摩擦音が
発生すると共に、動圧が発生するまでの摩擦によって発
熱するが、合成樹脂製のスラストフランジの場合には摩
擦音の発生が少なく、液晶ポリマーのような耐熱性樹脂
であればこの時の発熱にも耐えることができる。
キャビティの中心部から外周に向けて半径方向に樹脂材
料を供給する形状の金型を用い、中心部のゲートから樹
脂材料、例えば液晶ポリマーを供給する。これによっ
て、材料が半径方向に流動してその方向に配向された状
態で成形が行われることになり、半径方向の線膨張係数
を所望の値とすることができる。
明する。図1はこの発明に係る動圧軸受を使用したHD
D用の小型モータの断面図であり、1は動圧軸受、2は
ステータフレーム、3はロータフレーム、4はモータを
示している。ステータフレーム2は固定鉄心2aなどが
設けられてモータ4のステータを構成し、またロータフ
レーム3は、固定鉄心2aに対応する位置に磁石3aが
設けられてモータ4のロータを構成すると共に、動圧軸
受1を介してステータフレーム2に支持されており、こ
れらによってモータ4が構成されている。この構成はモ
ータとして一般的なものであるので、これ以上の説明は
省略する。
2、スラストフランジ13、スラストプレート14等で
構成されている。スリーブ11はロータフレーム3に固
定されており、下端をステータフレーム2に固定された
シャフト12がスリーブ11に下から挿入され、シャフ
ト12の上端にはスラストフランジ13がねじ15によ
るねじ止めによって固定され、更にその上面はロータフ
レーム3に固定されたスラストプレート14で覆われて
いる。
のシャフト12が回転せず、スリーブ11がロータと共
に回転する形式で使用されている。しかしこの発明は、
これとは逆にロータ側に取り付けられたシャフトがステ
ータ側のスリーブに上から挿入されてロータと共に回転
するものなど、図示とは異なる形式のモータにおいても
適用できることはもちろんである。
周面には、両部材が摺動する部分をほぼ4等分した下か
ら2番目の部分と4番目の部分に、半径方向の動圧を発
生するためのヘリンボーンがそれぞれ形成されている。
またスラストフランジ13の上下両面と、これが接する
スリーブ11の上面及びスラストプレート14の下面に
は、スラスト方向の動圧を発生するためのヘリンボーン
がそれぞれ形成されている。図2はこのヘリンボーンの
形成位置を示す図であり、摺動面の破線で囲んだ部分1
6aは半径方向の動圧を発生するヘリンボーンの形成部
分、16bはスラスト方向の動圧を発生するヘリンボー
ンの形成部分をそれぞれ示している。なお、図示の例で
はスラストフランジ13の上下両面にヘリンボーンを設
けてあるが、軸受の構造によっては片面にのみヘリンボ
ーンが設けられることもあり、またシャフト12の外周
面にはヘリンボーンが形成されない場合もある。
面には潤滑油が封入され、外部からは完全に遮蔽されて
いる。ヘリンボーンは周知のようにV字状の微細な溝を
所定のピッチで連続的に形成したものであり、回転時に
は潤滑油がV字の中央部に送り込まれて動圧が発生し、
この動圧により摺動面間が非接触の状態に維持されると
共に潤滑が行われる。またスリーブ11の内周面の中間
部分と下部には、ヘリンボーンが形成されていない部分
に浅い溝を設けて潤滑油溜め11aを形成してある。
上述のような性質、すなわちある基準温度以上において
半径方向の線膨張係数が軸受を構成している他の部材に
用いられている金属と同等程度もしくはそれ以下、ある
いはゼロもしくはマイナスであるという性質を持つ合成
樹脂であれば使用可能であるが、この例におけるスラス
トフランジ13は、液晶ポリマーの射出成形によって製
作される。材料として用いられる液晶ポリマーとして
は、例えばポリプラスチックス株式会社製のベクトラ
(登録商標)が使用可能である。すなわち、この材料は
その充填材によって性状が種々に変化し、例えばマイナ
ス30℃の基準温度以上における試験データによれば、
流動方向の線膨張係数が金属と同等程度に小さいもの
や、マイナスのものが得られる。従って、これらの中か
ら所望の線膨張係数を示すグレードのもの(例えば、線
膨張係数がマイナスであるA430)を使用すれば、上
述のような温度上昇に伴う問題を生ずることがなく、軸
受としての性能を支障なく発揮することができるのであ
る。また、射出成形によって製作できるので、機械加工
と比較して大幅にコストを低減することができる。
け、中心部から外周に向けて半径方向に樹脂材料を供給
する形状の金型を用いて行われる。図3はこのような金
型のゲート部分の断面図を示したものであり、21a及
び21bは一対の金型、22は金型21a、21bによ
って構成されるキャビティ、23は中心部に形成されて
いるフィルムゲート、24はランナである。フィルムゲ
ート23は、例えば厚さ0.3mmの円板状に形成された
空洞でその全周をキャビティ22に開口させ、またラン
ナ24は、直径0.3mmの供給口24aをフィルムゲー
ト23の中心部に開口させたものである。なお、これら
の形状や寸法は一例であって、キャビティの形状や大き
さ、成形条件などに応じて適宜選定される。
よれば、ゲートから供給された材料の溶融液晶ポリマー
は中心部から半径方向に流動しながらキャビティ22の
全体に広がり、半径方向に配向された成形品が得られ
る。従って、金型の形状や成形条件等を適切に選定する
ことによって、半径方向の線膨張係数を所望の値とする
ことができるのである。なお、スリーブ11、シャフト
12及びスラストプレート14は、例えばステンレスや
黄銅等の金属で構成されている。
度が上昇すると、スリーブ11、シャフト12及びスラ
ストプレート14は使用されている金属の線膨張係数に
応じて膨張する。一方、スラストフランジ13も半径方
向の線膨張係数に応じて膨張または収縮し、線膨張係数
が金属と同等程度かそれ以下の場合には、スラストフラ
ンジ13の外周部におけるスリーブ11との間のギャッ
プはほぼそのまま保たれるかやや広がり、線膨張係数が
ゼロあるいはマイナスの場合には上記のギャップは更に
広がる。従って、スラストフランジ13の外周部におけ
るスリーブ11との間のギャップがなくなって正常な回
転が妨げられるということはなく、ギャップが小さくな
ることに備えて潤滑油溜め11aの容積を大きめにして
おく必要がない。特に線膨張係数がマイナスの場合には
潤滑油溜めの総容積を小さくできるので、加工に要する
工数が低減される。
されたスラストフランジ13は、その厚み方向の線膨張
係数はマイナスにならず、通常は金属のそれよりも大き
いプラスの数値を示すものとなる。しかし、その厚み自
体が直径と比較して約一桁小さい寸法であるから、スラ
ストフランジ13が厚み方向に膨張してもその影響は小
さく、スラストフランジ13の上下両面における動圧の
発生や潤滑作用に悪影響を与えることはない。また、シ
ャフト12も樹脂化してスラストフランジ13をシャフ
ト12と一体に成形することも可能である。
上述のような特長以外にも、軽量であり、機械的強度が
大きく、耐油性と耐熱性に優れ、流動性がよいため成型
寸法精度が高く、複雑な形状の成型が可能、等々、多く
の特長を備えており、これらの特長も動圧軸受の低コス
ト化と品質や信頼性の向上に大きく寄与することができ
る。
流体として潤滑油を用いたものであるが、この発明は流
体として空気などの気体を用いた動圧軸受にも適用でき
ることはもちろんである。流体が気体の場合には、油膜
がないため静止時には摩擦面が直接接触しており、始動
時に摩擦音が発生しやすく、しかも動圧が発生するまで
に摩擦による発熱が生ずる。しかし、この発明ではスラ
ストフランジが合成樹脂製であるから音の発生が少な
く、また耐熱性の樹脂を用いることにより始動時の発熱
にも十分耐えられるのであり、特に液晶ポリマーは上述
したような特性を備えているので最適の材料の一つとい
うことができる。
明のモータ用動圧軸受は、シャフトに設けられてスラス
ト方向の応力を支えるスラストフランジを、合成樹脂の
成形品で構成したものである。従って、製作コストが安
いという樹脂成形の特長が発揮されてスラストフランジ
の大幅なコスト低減が可能となり、その結果、動圧軸受
及びこれを用いた小型モータのコストを低減することが
できる。
径方向の線膨張係数が金属と同等程度もしくはそれ以下
の値である合成樹脂、あるいは半径方向の線膨張係数が
ゼロもしくはマイナスである合成樹脂を用いて形成した
ものである。従って、モータの運転に伴って温度上昇し
ても、軸受を構成しているスリーブ等の金属部品との間
のギャップを確保することができ、動圧の発生と潤滑作
用が支障なく行われるので正常な運転を継続できるので
ある。
として液晶ポリマーを使用したものでは、線膨張係数を
金属と同等程度かそれ以下あるいはゼロもしくはマイナ
スとすることができ、温度上昇に伴ってスラストフラン
ジと他の金属部品との間のギャップがなくなることによ
る問題を容易に解決することができる。
に形成したものでは、フランジをシャフトに固定するた
めの構造やそのための工数が不要となる。
ンジの成形方法は、キャビティの中心にゲートを備えた
金型を用い、中心のゲートから樹脂材料、例えば液晶ポ
リマーを供給することにより、半径方向に配向された状
態で形成されたスラストフランジを得るようにしたもの
である。このような構成により、材料が中心部から半径
方向に流動してその方向に配向されたものとなり、半径
方向の線膨張係数を所望の値とすることが可能となる。
型モータの断面図である。
面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも片面にヘリンボーンを備えて
おり、シャフトに設けられてスラスト方向の応力を支え
るスラストフランジが、合成樹脂の成形によって形成さ
れていることを特徴とするモータ用動圧軸受。 - 【請求項2】 上記スラストフランジが、ある基準温度
以上において半径方向の線膨張係数が軸受を構成する他
の部材に用いられている金属と同等程度もしくはそれ以
下の値である合成樹脂を用いて形成されている請求項1
記載のモータ用動圧軸受。 - 【請求項3】 上記スラストフランジが、ある基準温度
以上において半径方向の線膨張係数がゼロもしくはマイ
ナスである合成樹脂を用いて形成されている請求項1記
載のモータ用動圧軸受。 - 【請求項4】 上記合成樹脂が液晶ポリマーである請求
項2または3に記載のモータ用動圧軸受。 - 【請求項5】 上記スラストフランジがシャフトと一体
に形成されている請求項2乃至4のいずれかに記載のモ
ータ用動圧軸受。 - 【請求項6】 動圧を発生する流体が潤滑油である請求
項1乃至5のいずれかに記載のモータ用動圧軸受。 - 【請求項7】 動圧を発生する流体が空気である請求項
1乃至5のいずれかに記載のモータ用動圧軸受。 - 【請求項8】 キャビティの中心部から外周に向けて半
径方向に樹脂材料を供給する形状の金型を用い、中心部
のゲートから樹脂材料を供給することによって、材料が
半径方向に配向された状態で成形されたスラストフラン
ジを得ることを特徴とする動圧軸受用スラストフランジ
の成形方法。 - 【請求項9】 上記樹脂材料が液晶ポリマーである請求
項8記載の動圧軸受用スラストフランジの成形方法。
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|---|---|---|---|
| JP2001384393A JP2003184868A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | モータ用動圧軸受及び動圧軸受用スラストフランジの成形方法 |
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Publications (1)
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|---|---|
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Country Status (1)
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005036001A1 (ja) * | 2003-10-14 | 2005-04-21 | Ntn Corporation | 動圧軸受装置 |
| CN100392264C (zh) * | 2003-09-22 | 2008-06-04 | Ntn株式会社 | 动压轴承装置 |
| US8506167B2 (en) | 2004-03-30 | 2013-08-13 | Ntn Corporation | Dynamic bearing device having a thrust bearing portion |
| CN108006065A (zh) * | 2017-12-12 | 2018-05-08 | 苏州艾柏特精密机械有限公司 | 水润滑轴承和具有水润滑轴承的压缩机 |
-
2001
- 2001-12-18 JP JP2001384393A patent/JP2003184868A/ja active Pending
Cited By (8)
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| CN108006065B (zh) * | 2017-12-12 | 2024-05-10 | 苏州艾柏特精密机械有限公司 | 水润滑轴承和具有水润滑轴承的压缩机 |
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