JP2003185873A - 二次元光学部材アレイ及び二次元導波路装置並びにそれらの製造方法 - Google Patents

二次元光学部材アレイ及び二次元導波路装置並びにそれらの製造方法

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JP2003185873A JP2001388925A JP2001388925A JP2003185873A JP 2003185873 A JP2003185873 A JP 2003185873A JP 2001388925 A JP2001388925 A JP 2001388925A JP 2001388925 A JP2001388925 A JP 2001388925A JP 2003185873 A JP2003185873 A JP 2003185873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上における光学部材の光を入出射する側
の端面における反射特性に優れるとともにその反射特性
を長期間保持することが可能であり、かつ光量の損失及
び他機器への悪影響を防止することが可能で、安価な二
次元光学部材アレイ及び高密度で容量が大であるととも
にパッケージングや接続における工数の削減を図ること
が可能な二次元導波路装置並びにそれらの効率的な製造
方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバ1と、一方の表面上に光ファ
イバ1の外形に対応した一以上の溝を有し、この溝の上
に一以上の光ファイバ1を整列させて固定する基板2と
の複数を、二次元的形状になるように、一体的に形成し
た又は階層的に積層した構造を有する二次元光学部材ア
レイ10であって、複数の光学部材アレイ単位5におけ
る基板2及び光ファイバ1の、光を出射する側の端面S
のそれぞれが、光ファイバの中心軸Lに垂直な面Vに対
して所定角度(θ)を形成する傾斜を備えてなることを
特徴とする二次元光学部材アレイ10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、二次元光学部材
アレイ及び二次元導波路装置並びにそれらの製造方法に
関する。さらに詳しくは、基板上における光学部材(例
えば、光ファイバ、レンズ等)の光を入出射する側の端
面における反射特性に優れるとともにその反射特性を長
期間保持することが可能であり、かつ光量の損失及び他
機器への悪影響を防止することが可能で、安価な二次元
光学部材アレイ及び高密度で容量が大であるとともにパ
ッケージングや接続における工数の削減を図ることが可
能な二次元導波路装置並びにそれらの効率的な製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、通信データ容量の増大に伴い、
通信データ容量の処理能力に優れた光クロスコネクトス
イッチ技術に対する需要が高まりつつある。このような
技術の一つとして、マイクロマシニング等に用いられて
いる技術で、微細な加工をシリコンエッチング等半導体
プロセスにて行うMEMS(マイクロ−エレクトロ−メ
カニカル−システム)を用いた光スイッチが用いられる
ようになっている。また、上述の容量の処理能力に加え
て、信頼性の確保に対する要求が増大したことに伴い、
高精細で安定した通信を可能とする面発光レーザも一般
的に用いられるようになっている。
【0003】 このような光スイッチや面発光レーザに
用いられる光学部材アレイ(例えば、光ファイバアレ
イ、レンズアレイ、導波路アレイ(PLC)、半導体レ
ーザ(LD)アレイ、フォトダイオード(PD)アレイ
等、以下、「光学部材アレイ」として「光ファイバアレ
イ」を例にとって説明する)は、処理能力の増大や省ス
ペース化に対する要請から、整列した光ファイバの中心
軸に対して垂直な断面で切断した断面形状が二次元的
(階層的)構造を有する、いわゆる二次元光ファイバア
レイ(以下、「2DFA」ということがある)の構成を
有するものが用いられている。
【0004】 図14に示すように、このような従来の
二次元光ファイバアレイ100としては、例えば、V溝
基板102の厚さを高精度に管理し、V溝基板102相
互の間及び最上部はV溝基板102と固定部材103と
の間に光ファイバ101を配列して、V溝基板102の
表面と、対向する隣接V溝基板102の裏面とを接触さ
せた状態で積層することによって、厚さ方向のピッチを
決定するものが提案されている(例えば、特開昭56−
113114号公報)。
【0005】 このような二次元光ファイバアレイを用
いた光通信網には、様々な接続点が存在し、各接続点を
通過する光がそこで反射され、反射光が元のファイバに
再入力して戻っていくと、レーザ等に悪影響(ノイズが
発生する等)を及ぼしてしまうという不都合があった。
【0006】 特に、MEMSスイッチ等が主な用途で
ある2DFAの場合、レンズ結合される場合が多く、2
DFAの直後は空間なので反射が大きくなることから、
反射光の再入力の影響は甚大であった。
【0007】 このような不都合を解消するため、従来
は、基板及び光学部材の、光を出射する側の端面にAR
コート(一般に、SiO2膜とTiO2膜を1/4λの厚
さで積層し、総厚で波長(λ)程度の厚さに形成したも
の)を施し、端面における反射特性を向上させることに
よって、端面における反射を抑えていた。
【0008】 一方、図15に示すように、その表面近
傍に一本以上の導波路201がパターニングされた導波
路基板(単位)205が、例えば、スプリッター、AW
G、導波路型変調器等に用いられている。図15(a)
は、入力側が1チャンネルで出力側が8チャンネルのス
プリッターを模式的に示す平面図であり、図15(b)
は、図15(a)のX−X線における断面図である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来
の二次元光ファイバアレイの場合、ARコートによって
形成されたコーティング膜は、温度、湿度、その他の環
境による影響によって劣化し易く、反射特性に悪影響を
及ぼすという問題があった。特に、近年では、波長多重
(WDM)通信が発達したことにより、1本のファイバ
で伝送する光量が増大したことに伴い、増大した光(強
い光)そのものの影響や発熱等によって、局所的な特性
変化や劣化の発生の機会が増大している。さらに、ファ
イバアレイ端面へのARコートは、ファイバを設置した
状態で施すので、ARコートを蒸着させる時に真空処理
をすることが困難で、一度に多数をまとめて処理するこ
とができず、コストを上昇させるという問題もあった。
【0010】 また、前述の導波路基板の場合、導波路
基板と光ファイバアレイとを接続する場合、一つの導波
路基板に一つの光ファイバアレイを光学的に調心(位置
合わせ)を行う必要があるが、この調心作業は、サブミ
クロンレベルの位置合わせを導波路基板及び光ファイバ
アレイの基板同士で行うので、極めて高度でかつ工数の
掛かる作業とならざるを得ないという問題があった。
【0011】 本発明は、上述の問題に鑑みてなされた
もので、基板上における光学部材の光を入出射する側の
端面における反射特性に優れるとともにその反射特性を
長期間保持することが可能であり、かつ光量の損失及び
他の機器への悪影響を防止することが可能で、安価な二
次元光学部材アレイ及び高密度で容量が大であるととも
にパッケージングや接続における工数の削減を図ること
が可能な二次元導波路装置並びにそれらの効率的な製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上述の課
題を解決するべく鋭意研究した結果、基板及び光学部材
の、光を入出射する側の端面のそれぞれに、光学部材の
中心軸に垂直な面に対して所定角度(θ)を形成する傾
斜を設けることによって(平面的にパターニングされた
導波路の場合も同様である)、上記目的を達成すること
ができることを見出し、本発明を完成させた。
【0013】 すなわち、本発明は、以下の二次元光学
部材アレイ及び二次元導波路基板装置並びにそれらの製
造方法を提供するものである。
【0014】[1] 光学部材と、一方の表面上に前記
光学部材の外形に対応した一以上の溝を有し、この溝の
上に一以上の前記光学部材を整列させて固定する基板と
の複数を、二次元的形状になるように、一体的に形成し
た又は階層的に積層した構造を有する二次元光学部材ア
レイであって、複数の前記光学部材の、光を出射する側
の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面に対して所定
角度(θ)を形成する傾斜を備えてなることを特徴とす
る二次元光学部材アレイ。
【0015】[2] 前記光学部材の、光を出射する側
の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ前記光学部材の中心軸に垂直な面上に配設
されてなる前記[1]に記載の二次元光学部材アレイ。
【0016】[3] 前記光学部材の、光を出射する側
の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ前記光学部材の中心軸に垂直な面に対して
所定角度(θ)を形成する面上に配設されてなる前記
[1]に記載の二次元光学部材アレイ。
【0017】[4] 前記光学部材の、光を出射する側
の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ出射光及び入射光又はそれらのいずれかの
光軸に垂直な面上に配設されてなる前記[1]に記載の
二次元光学部材アレイ。
【0018】[5] 前記光学部材が、光ファイバ又は
レンズである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の二
次元光学部材アレイ。
【0019】[6] 一組の前記光学部材と前記基板と
を備えた光学部材アレイ単位を階層的に積層してなるも
のである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の二次元
光学部材アレイ。
【0020】[7] 前記光学部材アレイ単位を構成す
る基板上に配列した光学部材の頂点と、それに対向する
前記光学部材アレイ単位を構成する基板の表面とが接触
し、前記光学部材アレイ単位を構成する基板のそれぞれ
対向する表面同士が直接接触することのない状態で、か
つ、力学的影響を互いに直接及ぼし合うことのない状態
で、前記光学部材アレイ単位の複数を階層的に積層して
なる前記[6]に記載の二次元光学部材アレイ。
【0021】[8] 前記光学部材アレイ単位を構成す
る基板上に配列した光学部材の頂点と、それに対向する
前記光学部材アレイ単位を構成する基板の表面との相互
間に、接着剤層を介在させるとともに、前記光学部材の
頂点と前記基板の表面とを、それぞれ前記接着剤層に接
触させ、前記光学部材アレイ単位を構成する基板のそれ
ぞれ対向する表面同士が直接接触することのない状態
で、かつ、力学的影響を互いに直接及ぼし合うことのな
い状態で、前記光学部材アレイ単位の複数を階層的に積
層してなる前記[6]に記載の二次元光学部材アレイ。
【0022】[9] 最上層の前記光学部材アレイ単位
を構成する前記基板の一方の表面上に、及び互いに隣接
する前記光学部材アレイ単位を構成する前記基板の間
に、前記光学部材を前記基板の前記溝を有する一方の表
面側に押圧又は載置して、整列、固定する固定部材をさ
らに備えてなる前記[6]に記載の二次元光学部材アレ
イ。
【0023】[10] 前記固定部材の表面と前記溝を
構成する側壁とに前記光学部材を当接させた状態で、前
記光学部材を前記基板上に押圧又は載置して、整列、固
定させてなる前記[9]に記載の二次元光学部材アレ
イ。
【0024】[11] 前記固定部材の表面と、この固
定部材の表面に対向する前記光学部材アレイ単位を構成
する前記基板の表面のうちの他方の表面(裏面)との間
に、接着剤層をさらに備えてなる前記[9]又は[1
0]記載の二次元光学部材アレイ。
【0025】[12] 前記接着剤層の厚さが、2〜1
00μmである前記[11]に記載の二次元光学部材ア
レイ。
【0026】[13] 前記基板の前記溝を有する一方
の表面上の所定箇所に、位置決め用ガイドが形成されて
なる前記[1]〜[12]のいずれかに記載の二次元光
学部材アレイ。
【0027】[14] 前記溝が、V字溝である前記
[1]〜[13]のいずれかに記載の二次元光学部材ア
レイ。
【0028】[15] 一方の表面上に前記光学部材の
外形に対応した一以上の溝を有する基板の上に、一以上
の前記光学部材を整列させて固定するとともに、複数の
前記基板及び前記光学部材を、二次元的形状になるよう
に、一体的に又は階層的に積層する二次元光学部材アレ
イの製造方法であって、前記光学部材の、光を出射する
側の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれ
かに、それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面に対して所
定角度(θ)を形成する傾斜を設けることを特徴とする
二次元光学部材アレイの製造方法。
【0029】[16] 前記光学部材の、光を出射する
側の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれ
かを、それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面上に配設す
る前記[15]に記載の二次元光学部材アレイの製造方
法。
【0030】[17] 前記光学部材の、光を出射する
側の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれ
かを、それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面に対して所
定角度(θ)を形成する面上に配設する前記[15]に
記載の二次元光学部材アレイの製造方法。
【0031】[18] 前記光学部材の、光を出射する
側の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれ
かを、それぞれ出射光及び入射光又はそれらのいずれか
の光軸に垂直な面上に配設する前記[15]に記載の二
次元光学部材アレイの製造方法。
【0032】[19] 平面的にパターニングされた一
以上の導波路を備えた導波路基板単位の複数を、二次元
的形状になるように、一体的に形成した又は階層的に積
層した構造を有する二次元導波路装置であって、前記導
波路基板単位を構成する前記導波路の、光を出射する側
の端面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ導波路の中心軸に垂直な面に対して所定角
度(θ)を形成する傾斜を備えてなることを特徴とする
二次元導波路装置。
【0033】[20] 前記導波路基板単位を構成する
前記導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する
側の端面又はそれらのいずれかが、それぞれ導波路の中
心軸に垂直な面上に配設されてなる前記[19]に記載
の二次元導波路装置。
【0034】[21] 前記導波路基板単位を構成する
前記導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する
側の端面又はそれらのいずれかが、それぞれ導波路の中
心軸に垂直な面に対して所定角度(θ)を形成する面上
に配設されてなる前記[19]に記載の二次元導波路装
置。
【0035】[22] 前記導波路基板単位を構成する
前記導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する
側の端面又はそれらのいずれかが、それぞれ出射光及び
入射光又はそれらのいずれかの光軸に垂直な面上に配設
されてなる前記[19]に記載の二次元導波路装置。
【0036】[23] 複数の前記導波路基板単位のう
ち互いに隣接する前記導波路基板単位のそれぞれ対向す
る表面相互間に接着剤層を備えてなる前記[19]〜
[22]のいずれかに記載の二次元導波路装置。
【0037】[24] 前記接着剤層の厚さが、2〜1
00μmである前記[23]に記載の二次元導波路装
置。
【0038】[25] 前記導波路基板単位の表面上の
所定箇所に、位置決め用ガイドが形成されてなる前記
[19]〜[24]のいずれかに記載の二次元導波路装
置。
【0039】[26] 平面的にパターニングされた一
以上の導波路を備えた導波路基板単位の複数を、二次元
的形状になるように、一体的に又は階層的に積層する二
次元導波路装置の製造方法であって、前記の導波路の、
光を出射する側の端面及び光を入射する側の端面又はそ
れらのいずれかに、それぞれ導波路の中心軸に垂直な面
に対して所定角度(θ)を形成する傾斜を設けることを
特徴とする二次元導波路装置の製造方法。
【0040】[27] 前記導波路基板単位を構成する
導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の
端面又はそれらのいずれかを、それぞれ導波路の中心軸
に垂直な面上に配設する前記[26]に記載の二次元導
波路装置の製造方法。
【0041】[28] 前記導波路基板単位を構成する
導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の
端面又はそれらのいずれかを、それぞれ導波路の中心軸
に垂直な面に対して所定角度(θ)を形成する面上に配
設する前記[26]に記載の二次元導波路装置の製造方
法。
【0042】[29] 前記導波路基板単位を構成する
導波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の
端面又はそれらのいずれかを、それぞれ出射光及び入射
光又はそれらのいずれかの光軸に垂直な面上に配設する
前記[26]に記載の二次元導波路装置の製造方法。
【0043】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の二次元光学部材
アレイ及びその製造方法の実施の形態を、「光学部材」
として「光ファイバ」を用いた場合を例にとって、図面
を参照しつつ具体的に説明する。
【0044】 図1は、本発明の二次元光学部材アレイ
の第1の実施の形態である二次元光ファイバアレイを模
式的に示す断面図であり、図2は、本発明の二次元光フ
ァイバアレイの第2の実施の形態を模式的に示す断面図
である。
【0045】 図1に示すように、第1の実施の形態の
二次元光ファイバアレイ10は、光ファイバ1と、一方
の表面上に光ファイバ1の外形に対応した一以上の溝
(図示せず)を有し、この溝の上に一以上の光ファイバ
1を整列させて固定する基板2との複数を、二次元的形
状になるように、一体的に形成した又は階層的に積層し
た構造を有する二次元光学部材アレイ10であって、複
数の光学部材アレイ単位5における基板2及び光ファイ
バ1の、光を出射する側の端面Sのそれぞれが、光ファ
イバの中心軸Lに垂直な面Vに対して所定角度(θ)を
形成する傾斜を備えてなることを特徴とする。なお、図
1においては、光ファイバ1と基板2との複数を、二次
元的形状になるように、階層的に積層した場合を示す
が、これらを一体的に形成したものであってもよい。ま
た、光を出射する側の端面Sのみが傾斜を備えた場合を
示すが、光を入射する側の端面が傾斜を備えたものであ
ってもよく、また、光を出射する側の端面S及び光を入
射する側の端面のいずれもが傾斜を備えたものであって
もよい。
【0046】 このように構成することによって、基板
上における光学部材(光ファイバ)の光を入出射する側
の端面における反射特性に向上させるとともにその反射
特性を長期間保持することを可能にし、かつ光量の損失
及び他機器への悪影響を防止することができる。すなわ
ち、反射光は光ファイバのコアの外側に反射するため、
再入力して元のファイバに戻ることがなく、優れた反射
特性を得ることができる。また、反射特性を向上させる
ための手段が、光ファイバを直接加工して、光ファイバ
の、光を出射する側の端面に傾斜を付与することである
ので、ARコーティング膜のように、剥離や劣化等が発
生することがない。また、強い光に対しても光ファイバ
そのものの耐久性の問題に帰着するだけで、傾斜を設け
たこと自体がマイナス要因になることはない。さらに、
端面に傾斜を形成するためには、端面を斜めに研磨する
だけで実現することができるので、コスト的にも優れて
いる。
【0047】 この場合、図1に示す第1の実施の形態
の場合のように、光ファイバ1の、光を出射する側の端
面S及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ光ファイバ1の中心軸Lに垂直な面V上に
配設されてなるものであってもよく、図2に示す第2の
実施の形態の場合ように、光ファイバ1の、光を出射す
る側の端面S及び光を入射する側の端面又はそれらのい
ずれかが、それぞれ光ファイバ1の中心軸Lに垂直な面
Vに対して所定角度(θ)を形成する面U上に配設され
てなるものであってもよい。なお、図2に示す第2の実
施の形態の場合においても、光を出射する側の端面Sの
みが傾斜を備えたものだけではなく、光を入射する側の
端面が傾斜を備えたものであってもよく、また、光を出
射する側の端面S及び光を入射する側の端面のいずれも
が傾斜を備えたものであってもよい。さらに、図1及び
図2においては、列方向(厚さ方向)に所定角度を施し
た傾斜を形成しているが、行方向(幅方向)に角度を設
けて傾斜を形成してもよい。
【0048】 前述のように、2DFAはレンズ結合す
る場合が多く、この場合光学系を吟味する必要が生じ
る。例えば、レンズに対し斜めに光が入射される場合、
レンズの特性にもよるが概ね角度ズレ(光ファイバから
の出射光(平板マイクロレンズに対する入射光)の光軸
と平板マイクロレンズの光軸のズレ)(Δθ)は15°
程度が許容の限界となる(直角に入射した場合がΔθ=
0°)。角度ズレ(Δθ)が15°を超えると結合のト
レランスが厳しくなり、実際には損失が発生することに
なる。従って、光学系としての扱い易さの観点からは、
角度ズレ(Δθ)が10°以下であるとが好ましい。
【0049】 図3に示すように、図1に示す第1の実
施の形態の場合、光ファイバ1の端面Sの傾斜の角度θ
が8°の場合で、一般的な石英製SMファイバ(屈折率
=1.45)及び平板マイクロレンズ7を用いて、空間
系によりレンズ結合を行うと、光ファイバ1の光を出射
する側の端面Sは光ファイバの中心軸Lに垂直な面V上
に配設されているので、平板マイクロレンズ7は傾けず
に焦点距離を等しくすることができる。この場合、従来
と同条件の場合、角度ズレ(Δθ)は、3.6°と小さ
く、この角度であれば高効率に結合することが容易とな
る。
【0050】 ここで、角度ズレ(Δθ)は、下記式
(1)によって算出することができる。
【0051】
【数1】 Δθ=−sin-1(1.45×sinθ)+θ …(1)
【0052】 θが8°の場合、光ファイバ1からの出
射光の光軸Pと平板マイクロレンズの光軸Qとの角度ズ
レ(Δθ)は、前記式(1)から、3.6°と算出され
る。
【0053】 また、図4に示すように、図2に示す第
2の実施の形態の場合、同様に、θ=8°の場合で、一
般的な石英製SMファイバ(屈折率=1.45)を用い
て、空間系によりレンズ結合を行うと、光ファイバ1か
らの出射光の光軸Pと平板マイクロレンズの光軸Qとの
角度ズレ(Δθ)は、同様の計算から11.6°と算出
される。なお、この場合は、焦点距離を等しくするため
に、平板マイクロレンズ7を光ファイバ1の端面Sと平
行、すなわち、8°傾けて結合した場合を示している。
【0054】 2DFAにおける光ファイバ1の端面S
で反射戻り(再入力)がない状態にするためには、一般
的な石英ファイバの場合、その端面における傾斜の角度
θは8°以上であればよい。また、角度ズレ(Δθ)を
15°以下にするには一般的な石英ファイバを用いた場
合、図1に示す第1の実施の形態の場合でファイバの端
面の傾斜角度θを28°以下とすればよく、図2に示す
第2の実施の形態の場合で15°以下とすればよい。さ
らに、角度ズレ(Δθ)を10°以下にするには、第1
の実施の形態の場合で、傾斜角度θを20°以下とすれ
ばよい。
【0055】 図5は、本発明の二次元光学部材アレイ
の第3の実施の形態である二次元光ファイバアレイを模
式的に示す断面図である。図5に示すように、光ファイ
バ1の、光を出射する側の端面S及び光を入射する側の
端面又はそれらのいずれかがそれぞれ入出射光の光軸P
に垂直な面W上に配設されてなるものであってもよい。
なお、図5は、光を出射する側の端面Sが出射光の光軸
Pに垂直な面W上に配設された場合を示している。
【0056】 上述のいずれの実施の形態の場合におい
ても、平板マイクロレンズ7におけるレンズアレイは、
通常等ピッチで並んでおり、角度方向及び角度は各層が
不統一であると出射光は等ピッチとならないので、角度
方向及び角度は各層統一されていることが好ましい。
【0057】 一方、近年のクロスコネクトスイッチは
非常に高速なものが求められており、スイッチング光路
長に不揃いがあるとスイッチング時間に差が出るため問
題となる。このようにスイッチング光路長を揃えること
は重要で、従来の構成であるとこのスイッチング光路長
に不揃いが生じてしまうが、本発明では揃えることが可
能である。図3に示す場合のように、光路長(光学パス
長)を同一長さに揃える必要のある用途においてより有
利であるということができる。
【0058】 図6に、シンプルなインライン型スイッ
チの構成を模式的に示す。なお、スイッチング素子は構
成、方式に依存するので、ここでは素子内光路長は無視
している。図6に示す構成における光路長は、入力側フ
ァイバアレイ24からインライン型光スイッチ26まで
をL1、インライン型光スイッチ26から出力側ファイ
バアレイ25までをL2及びL3とすると、スイッチン
グがの場合、L1+L2、スイッチングがの場合、
L1+L3となる。図6(a)及び(b)に示す構成の
場合、L2とL3とは異なっているので、スイッチング
(又は)によって、その素子内光路長が不揃いとな
ってしまう。一方、図6(c)示す構成の場合、L2と
L3は同一であるので、スイッチングによって、その素
子内光路長が不揃いとなってしまうことがないため、光
路長を同一長さに揃える必要のある用途においてより有
利であるということができる。
【0059】 例えば、MEMSスイッチは低損失化・
低クロストーク化のため、素子間ピッチが大きく、3m
m程度の場合が一般的である。2DFAが10×10の
規模で光ファイバの端面の傾斜角度が8°とすると、1
層目と10層目間のピッチは3×9=27mmなので、
|L−l|=27×tan8=3.8mmとなり、この
光路長(パス長)の差は無視できないレベルである。光
路長(パス長)の差は、光ファイバの端面の傾斜角度や
ファイバピッチ等に依存するので一義的には決定するこ
とはできないが、光路長(パス長)の差(|L−l|)
で1mm以上になるような形態では本発明の形態がより
好ましいということができる。
【0060】 本実施の形態においては、光学部材とし
て、光ファイバ又はレンズを用いた場合を説明したが、
他に、導波路(PLC)アレイ、半導体レーザ(LD)
アレイ、フォトダイオード(PD)アレイ等であっても
よい。
【0061】 上述の実施の形態は、一組の光ファイバ
と基板とを備えた光ファイバアレイ単位を階層的に積層
して構成されている。
【0062】 また、独立した一組の光ファイバアレイ
単位を構成する光ファイバの、光を出射する側の端面に
光ファイバの中心軸に対し所定角度θの傾斜を形成し、
それらを積層して構成されている。一般に、光学部品
は、損失、反射の要求から光学研磨を施す必要があり、
通常、端面の研磨はラップ・ポリッシュ機で行うが、一
体的に構成された2DFAの場合、特殊な砥石研削が必
要になる。この場合には、高い品質を得るのが困難でか
つコストを上昇させることになる。上述の実施の形態の
場合、光学部材アレイ単位の一組ずつに、通常の研磨を
施すことにより、光ファイバの端面に簡易に傾斜を形成
することができ、それを積層することで光学研磨を施し
たことにもなるので、品質及びコストの面で好ましい。
【0063】 図7は、本発明の二次元光学部材アレイ
の第4の実施の形態である二次元光ファイバアレイを模
式的に示す断面図である。図7に示すように、第4の実
施の形態である二次元光ファイバアレイ10は、最上層
の光ファイバアレイ単位5を構成する基板2の一方の表
面上に、及び互いに隣接する光ファイバアレイ単位5を
構成する基板2の間に、光ファイバ1を基板2の溝21
を有する一方の表面側に押圧又は載置して、整列、固定
する固定部材3をさらに備えてなるように構成されてい
る。
【0064】 この場合、基板や固定部材の材料として
は特に制限はないが、例えば、光透過性である硼珪酸ガ
ラス等を好適例として挙げることができる。
【0065】 このように構成することによって、複数
の光ファイバアレイ単位のうち互いに隣接する光ファイ
バアレイ単位を構成する基板のそれぞれ対向する表面同
士が直接接触することのない状態で、かつ、力学的影響
を互いに直接及ぼし合うことのない状態を実現すること
ができ、基板の厚さ精度によって積層精度が決定される
ことがなく、極めて困難であった基板の厚さ精度の管理
から免れることによって、煩雑さを伴うことなく簡易に
光ファイバの基板上における整列精度を高めることがで
きる。
【0066】 また、図7に示す第4の実施の形態の場
合、固定部材3の表面と21溝を構成する側壁とに光フ
ァイバ1を当接させた状態で、光ファイバ1を基板2上
に押圧又は載置して、整列、固定させている。
【0067】 また、固定部材3の表面と、この固定部
材3の表面に対向する光ファイバアレイ単位5を構成す
る基板2の表面のうちの他方の表面(裏面)との間に、
接着剤層4がさらに設けられている。
【0068】 本発明に用いられる接着剤層4としては
特に制限はないが、基板2や固定部材3として、光透過
性である硼珪酸ガラス等から構成する場合には、例え
ば、紫外線硬化型接着剤を好適例として挙げることがで
きる。
【0069】 接着剤層4の厚さとしては、用いる接着
剤の種類にもよるが、2〜100μmが好ましく、3〜
20μmがさらに好ましい。2μm未満であると、接着
特性が不十分になることや基板精度が悪いと部分的に各
ファイバアレイ単位同士が接してしまい精度が悪化する
ことがあり、100μmを超えると、熱膨張の大きさや
硬化収縮による影響を無視できないことがある。
【0070】 このように構成することによって、ファ
イバアレイ(FA)間に適切な厚さの接着剤層が存在す
ることになるので、接着剤の接着特性を十分に引き出す
ことが可能となり、良好な長期的信頼性を確保すること
ができる。
【0071】 また、図7に示す第4の実施の形態の場
合、基板2の溝21を有する一方の表面上の所定箇所
に、位置決め用ガイド6が形成されている。このように
構成することによって、光ファイバの整列精度を向上さ
せることができる。
【0072】 上述の第1〜第4の実施の形態の二次元
光ファイバアレイにそれぞれ用いられる溝の形状として
は、前述のように、光ファイバ1の外形に対応して光フ
ァイバ1を円滑に整列させ、かつ確実に固定することが
できるものであれば特に制限はないが、光ファイバ1を
三点で確実に支持することができるV字溝であることが
好ましい。
【0073】 上述の二次元光ファイバアレイを作製す
る場合、まず、溝の上に一以上のファイバを整列させて
固定した基板の一組みである光ファイバアレイ単位を作
製することが好ましい。これは通常の、基板の一つの表
面上への光ファイバの整列、固定であるので、光ファイ
バの断線等の危険性は少ない。また、光ファイバアレイ
単位の積層も、光ファイバアレイ化されたものを積層す
るので断線の危険はほとんどなく、また、積層作業は積
層作業として独立しているので位置決め作業簡易なもの
となる。さらに、前述のように、光ファイバの端部にお
ける傾斜の形成を容易化するとともに光学研磨の要請に
も同時に応えることができる。現在、二次元光ファイバ
アレイ(2DFA)は、1000心規模(例えば、32
×32)というものも要求されており、心数が多ければ
多いほど、この断線を発生することなく組み立てが可能
であることの有用性が顕著なものとなる。
【0074】 以下、図1を参照しつつ、本発明の二次
元光学部材アレイの製造方法の一の実施の形態である二
次元光ファイバアレイの製造方法について説明する。
【0075】 本実施の形態である二次元光ファイバア
レイの製造方法は、一方の表面上にその外形に対応した
一以上の溝21を有する基板2の上に、一以上の光ファ
イバ1を整列させて固定するとともに、複数の基板2及
び光ファイバ1を、二次元的形状になるように、一体的
に又は階層的に積層する二次元光学部材アレイの製造方
法であって、光ファイバ1の、光を出射する側の端面S
及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかに、そ
れぞれ光ファイバ1の中心軸Lに垂直な面Vに対して所
定角度(θ)を形成する傾斜を設けることを特徴とす
る。
【0076】 このように構成することによって、基板
上における光学部材の光を入出射する側の端面における
反射特性に優れるとともにその反射特性を長期間保持す
ることが可能であり、かつ光量の損失及び他の機器への
悪影響を防止することが可能な二次元光学部材アレイを
効率的にかつ低コストで製造することができる。
【0077】 光ファイバの光を出射する側の端面Sへ
の傾斜の形成としては、例えば、以下のようにすること
を挙げることができる。すなわち、各ファイバアレイ単
位において、ファイバを組み立て、接着固定後、通常の
一次元のファイバアレイと同様、端面Sにラップ研摩機
等を用いて研摩を施す。この場合、ラップ研摩機の定盤
に対し所望の角度になるように傾けて端面Sを研磨す
る。このようにして、端面Sに所望の角度を形成するこ
とができる。
【0078】 この場合、一組の光ファイバと基板とを
備えた光ファイバアレイ単位をまず形成し、この光ファ
イバアレイ単位の複数を階層的に積層することが好まし
い。
【0079】 また、図8に示すような固定部材3(図
1参照)を備えない態様の二次元光ファイバアレイ10
の製造方法としては、例えば、光ファイバアレイ単位5
(5a、5b)を構成する基板2上に配列した光ファイ
バ1の頂点と、それに対向する光ファイバアレイ単位5
を構成する基板2(2a、2b)の表面との相互間に、
接着剤層4(4a、4b)を介在させるとともに、光フ
ァイバ1の頂点と基板2(2a、2b)の表面とを、そ
れぞれ接着剤層(4a、4b)に接触させ、光ファイバ
アレイ単位5(5a、5b)を構成する基板2(2a、
2b)のそれぞれ対向する表面同士が直接接触すること
のない状態で、かつ、力学的影響を互いに直接及ぼし合
うことのない状態で、光ファイバアレイ単位5の複数を
階層的に積層する方法を挙げることができる。なお、接
着剤層4aは、光ファイバアレイ単位5の相互間を接
続、固定し、接着剤層4bは、基板2と光ファイバアレ
イ1相互間を接続、固定している。また、基板2(2
a、2b)のそれぞれ対向する表面同士が直接接触する
ことのない状態で、かつ、力学的影響を互いに直接及ぼ
し合うことのない状態を実現することができる限りにお
いては、接着剤層4を介在させなくてもよい。
【0080】 なお、図8に示すような固定部材3(図
1参照)を備えない態様の光ファイバアレイ10を製造
する場合、具体的には、光ファイバアレイ単位を構成す
る基板上に配列した光ファイバの頂点と、それに対向す
る光ファイバアレイ単位を構成する基板の表面とを接触
させ、光ファイバアレイ単位を構成する基板のそれぞれ
対向する表面同士が直接接触することのない状態で、か
つ、力学的影響を互いに直接及ぼし合うことのない状態
で、光ファイバアレイ単位の複数を階層的に積層しても
よく、また、光ファイバアレイ単位を構成する基板上に
配列した光ファイバの頂点と、それに対向する光ファイ
バアレイ単位を構成する基板の表面との相互間に、接着
剤層を介在させるとともに、光ファイバの頂点と基板の
表面とを、それぞれ接着剤層に接触させ、光ファイバア
レイ単位を構成する基板のそれぞれ対向する表面同士が
直接接触することのない状態で、かつ、力学的影響を互
いに直接及ぼし合うことのない状態で、光ファイバアレ
イ単位の複数を階層的に積層してもよい。
【0081】 この場合、光ファイバアレイ単位のそれ
ぞれを作製する段階で、一旦、仮の固定部材(図示せ
ず)を用いて光ファイバをV溝に当接させて光ファイバ
アレイ単位を組立後、この固定部材を取り外し、光ファ
イバアレイ単位を階層的に積層することで対応すること
ができる。この場合、固定部材として、その材質をポリ
テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂にしたり、基板
上に離型剤を塗布すること等により、固定部材の取り外
しを容易化することができる。
【0082】 このように固定部材を備えない構成にす
ることによって、光ファイバアレイ全体の厚さを容易に
薄くすることができる。すなわち、通常、厚さ方向(積
層方向)のピッチは各光ファイバアレイ単位の厚さに依
存し、それ以下にすることはできない。狭いピッチを実
現するためには各ファイバアレイ単位自体を薄くする必
要があるが強度等の面で限界がある。各光ファイバアレ
イ単位が基板と固定部材とで構成される場合の厚さ限界
は、基板の限界と固定部材の限界との総和になる。しか
し、固定部材を省略することによって、各ファイバアレ
イ単位の厚さ限界は基板の限界となり、厚さ方向(積層
方向)のピッチを狭めることができる。具体的には、基
板の限界は0.5mm程度で、固定部材の限界は0.4
mm程度なので、各ファイバアレイ単位が基板と固定部
材で構成される場合の厚さ限界は0.9mm程度なのに
対し、固定部材を省略することによって、0.5mm程
度とすることができる。
【0083】 固定部材を省略する(各ファイバアレイ
単位が基板と光ファイバとで構成される)場合の他の利
点としては、接着剤層の熱膨張係数(α)の大きさによ
る悪影響を回避することができることを挙げることがで
きる。すなわち、固定部材を用いる場合は、基板と固定
部材との間も接着剤層で固定する必要があり、経験的に
この接着剤層厚さは30μm程度が好ましく、各ファイ
バアレイ単位間の接着剤層の厚さは10μm程度である
から、1層当たり合計で40μm程度と厚くなり、接着
剤層の熱膨張係数(α)の影響を無視できないことにな
る。具体的には、本発明で用いられる接着剤層の接着剤
層の熱膨張係数(α)は、10×10-6程度であり、基
板として硼珪酸塩ガラス(コーニング社製、商品名:パ
イレックス)を用い、ピッチが1.5mmの場合(後述
する実施例1の場合)、基板と固定部材との間の接着剤
層を加味した積層後の二次元ファイバアレイ全体の熱膨
張係数(α)は、幅方向が33×10-7であるのに対
し、厚さ方向が58×10-7と大きくなり、差を生じて
しまうことになる。MEMS光スイッチ等はケイ素(S
i)等の面に形成されることから、本来、熱膨張の方向
依存性はあるべきものではないため、上述の熱膨張の方
向依存性が問題となる場合がある。
【0084】 この問題をの解決するためには、接着剤
層を薄くすればよいが、固定部材を省略することによっ
て、殊更、特別の策を講ずる必要なしに、接着剤層を薄
くすることができる。また、各ファイバアレイ単位間の
接着剤層を10μm程度とする一つの理由は、基板及び
固定部材の厚さのバラツキが、一般的な製造方法を用い
た場合、±3μm程度は発生するので、各ファイバアレ
イ単位でみると±6μm程度考慮する必要があるからで
ある。すなわち、各ファイバアレイ単位間の接着剤層が
10μm程度であるとは、10±6μm程度であること
を意味し、最も薄い場合、4μm程度となることを意味
する。固定部材を省略する場合、基板の±3μm程度の
バラツキだけを考慮すればよいため、最も薄い場合で4
μmを確保するためには、7±3μm程度とすればよ
く、接着剤層の厚さは7μm程度とすればよいことにな
る。すなわち、この場合の1層当たりの接着剤層の厚さ
は7μm程度になる。この場合、厚さ方向の熱膨張係数
(α)は、37×10-7となり、熱膨張の方向依存性は
無視することができるレベルのものとなる。
【0085】 以下、本発明の二次元光ファイバアレイ
の製造方法における、二次元光ファイバアレイ単位作製
後の、二次元光ファイバアレイ化(2DFA化)につい
てさらに具体的に説明する。
【0086】 第1の二次元光ファイバアレイ化とし
て、光ファイバアレイ単位をアクティブに調整しつつ、
積層して互いに固定することを挙げることができる。例
えば、二次元光ファイバアレイ単位の入出射する側の端
面とは逆側の出入射する側の端面から白色光を入射し、
出射光をCCDカメラにて観察しながら光ファイバアレ
イ単位の光ファイバの位置を把握し、各層の光ファイバ
アレイ単位の相対的な位置を調整し、光ファイバアレイ
単位を互いに接着剤等で積層、固定することを挙げるこ
とができる。複数の光ファイバアレイ単位の積層、固定
を同時に行うには装置が大がかりになるため、一層ずつ
順次行うことが好ましい。
【0087】 また、接着剤が硬化する際、硬化、収縮
により、決めた位置がズレることを防止するために、確
実に光ファイバアレイ単位を把持することができる装置
を用いることが好ましい。
【0088】 例えば、図9に示すガイドピン治具を用
いた方法を好適例として挙げることができる。図9に示
すように、先ず、最下層の光ファイバアレイ単位5a
を、ガイドピン治具11の2辺の縦梁治具にそれぞれ備
わる第1ガイドピン6aと第2ガイドピン6bとの間に
挿入する。次に、ガイドピンとFAのV溝基板に備わる
ガイド溝との接触を確保するために、最下層の光ファイ
バアレイ単位5aを下方向から引張るようにして荷重G
1をかける。次に、下から2層目の光ファイバアレイ単
位5bを、第2ガイドピン6bと第3ガイドピン6cと
の間に挿入し、ガイドピンとFAのV溝基板に備わるガ
イド溝との接触を確保するために、上方向から光ファイ
バアレイ単位5bを押しあてるように荷重G2をかけ
る。この状態で、光ファイバアレイ単位5aと光ファイ
バアレイ単位5bとの間の隙間に、紫外線硬化性接着剤
を流し込み、紫外線を照射して硬化させる。このとき、
ガイド溝部分に接着剤が流入するとガイドピンが固定さ
れてしまうので、光ファイバアレイ単位5aのV溝基板
と光ファイバアレイ単位5bの上蓋基板との間のみに接
着剤が流入するようにする。下から3層目の光ファイバ
アレイ単位5以降は、光ファイバアレイ単位5bと同様
に、ガイドピンとガイドピンとの間に光ファイバアレイ
単位5を挿入し上方向から荷重G2をかけた状態で接着
固定を行うことを繰り返し、例えば、8層目まで同様の
方法にて積層を行う。
【0089】 また、位置調整は、光軸をZ軸、積層方
向をY軸、Z軸及びY軸に対してそれぞれ垂直な光ファ
イバの隣接配列方向をX軸とすると、X軸、Y軸方向は
画像認識でビームの中心を把握し調整を行うことが好ま
しく、各層の光軸平行度θyは、オートフォーカス機能
又はビームウェストをサーチする方式でZ軸方向の距離
を把握し調整することが好ましい。また、光軸平行度θ
xについては、側面から光ファイバアレイ単位を観察
し、上下の光ファイバアレイ単位のV溝基板底面が平行
かつ所望の間隔になるように調整することが好ましい。
V溝基板底面とV溝は平行なので、この方式でθx、θ
zも調整することが可能である。この方法は、装置は複
雑になるものの、二次元光ファイバアレイ化(2DFA
化)を確実に実現することができる。
【0090】 第2の二次元光ファイバアレイ化とし
て、図7に示すように、光ファイバアレイ単位5にガイ
ド溝(位置決め用ガイド)6を設け、これに合う位置合
わせ用ガイドピンにより位置決めを行う方法を挙げるこ
とができる。この場合は、大掛りな位置決め装置は不要
で、高精度なガイドピン治具さえあればよい。また、一
つのV溝基板2表面上に、ファイバ用V溝21とガイド
用V溝6とを形成することができるので、ファイバ用V
溝21とガイド用V溝6とは位置のみでなく平行度も非
常に高い精度を確保することができる。つまり、この方
法であれば、X、Y位置とθx、θy、θzの調整が同
時にでき、極めて作業性が高い。ここで、位置決めに用
いるガイド溝は、積層後の研磨基準として用いてもよ
く、二次元光ファイバアレイ(2DFA)としての相手
側の光学部品との結合に用いてもよい。例えば、他の既
設の光学部品の使用者は他の既設の光学部品と新たな2
DFAとを結合するに際し、光軸と平行な基準としてこ
の2DFAのガイド溝を利用することができる。また、
使用の必要がなければ小型化のため等からガイド溝は切
り落としてもよい。
【0091】 図10及び図11は、本発明の二次元導
波路装置の一の実施の形態を模式的に示し、図10
(a)は平面図で、図10(b)は、図10(a)のY
−Y線における断面図であり、図11(a)は、図10
(a)のZ−Z線における断面図の一の態様であり、図
11(b)は、図10(a)のZ−Z線における断面図
の他の態様である。図10及び図11に示すように、本
発明の二次元導波路装置200は、平面的にパターニン
グされた一以上の導波路201を備えた導波路基板単位
205の複数を、二次元的形状になるように、一体的に
形成した又は階層的に積層した構造を有する二次元導波
路装置200であって、導波路基板単位205を構成す
る導波路201の、光を出射する側の端面S’及び光を
入射する側の端面又はそれらのいずれかが、導波路の中
心軸L’に垂直な面V’に対して所定角度(θ)を形成
する傾斜を備えてなることを特徴とする。
【0092】 このように構成することによって、高密
度で容量が大であるとともにパッケージングや接続にお
ける工数の削減を図ることが可能となる。
【0093】 この場合、図11(a)に示すように、
導波路基板単位205を構成する導波路201の、光を
出射する側の端面S’及び光を入射する側の端面又はそ
れらのいずれかが、導波路の中心軸L’に垂直な面V’
上に配設されてなるものであってもよく、図11(b)
に示すように、導波路基板単位205を構成する導波路
201の、光を出射する側の端面S’及び光を入射する
側の端面又はそれらのいずれかが、導波路の中心軸L’
に垂直な面V’に対して所定角度(θ)を形成する面
U’上に配設されてなるものであってもよい。さらに、
図5に示す二次元光ファイバアレイの場合と同様に、導
波路基板単位を構成する導波路の、光を出射する側の端
面S’及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれか
が、それぞれ出射光及び入射光又はそれらのいずれかの
光軸に垂直な面上に配設されてなるものであってもよ
い。
【0094】 本発明の二次元導波路装置は、前述の2
DFAにおける場合と同様に、導波路201の端面S’
で反射戻り(再入力)がない状態にするためには、一般
的な石英導波路の場合、その端面S’における傾斜の角
度θは8°以上であればよい。また、前述の角度ズレ
(Δθ)を15°以下にするには一般的な石英導波路を
用いた場合、図11(a)に示す場合で、導波路の光を
出射する側の端面S’の傾斜角度θを28°以下とすれ
ばよく、図11(b)に示す場合で、15°以下とすれ
ばよい。さらに、角度ズレ(Δθ)を10°以下にする
には、図11(a)に示す場合で、傾斜角度θを20°
以下とすればよい。
【0095】 また、図11(a)、(b)に示すよう
に、複数の導波路基板単位205のうち互いに隣接する
導波路基板単位205のそれぞれ対向する表面相互間に
接着剤層204を備えてなるものであってもよい。接着
剤層204としては、上述の二次元光ファイバアレイで
用いたものと同様のものを用いることができる。
【0096】 接着剤層204の厚さは、上述の二次元
光ファイバアレイの場合と同様な理由から、2〜100
μmであることが好ましい。
【0097】 また、図11に示すように、本発明の二
次元導波路装置の製造方法の一の実施の形態は、平面的
にパターニングされた一以上の導波路201を備えた導
波路基板単位205の複数を、二次元的形状になるよう
に、一体的に又は階層的に積層する二次元導波路装置の
製造方法であって、導波路201の、光を出射する側の
端面S’及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれ
かが、導波路の中心軸L’に垂直な面V’に対して所定
角度(θ)を形成する傾斜を設けることを特徴とする。
【0098】 この場合、導波路基板単位205を構成
する導波路201の、光を出射する側の端面S’及び光
を入射する側の端面又はそれらのいずれかを、導波路の
中心軸L’に垂直な面V’上に配設してもよく、また、
導波路基板単位205を構成する導波路201の、光を
出射する側の端面S’及び光を入射する側の端面又はそ
れらのいずれかを、導波路の中心軸L’に垂直な面に対
して所定角度(θ)を形成する面U’上に配設してもよ
い。さらに、図5に示す二次元光ファイバアレイの場合
と同様に、導波路基板単位を構成する導波路の、光を出
射する側の端面S’及び光を入射する側の端面又はそれ
らのいずれかを、それぞれ出射光及び入射光又はそれら
のいずれかの光軸に垂直な面上に配設してもよい。
【0099】 また、複数の導波路基板単位205のう
ち互いに隣接する導波路基板単位205のそれぞれ対向
する表面相互間に接着剤層204を形成してもよい。こ
の場合、接着剤層の厚さを、2〜100μmに形成する
ことが好ましい。
【0100】 また、導波路基板単位205を積層して
二次元化する方法としては、上述の二次元光ファイバア
レイの場合と同様の方法を用いることができる。この場
合、例えば、導波路基板単位の表面上の所定箇所に、位
置決め用ガイドを形成したものを用いてもよい。
【0101】 図12は、4チップ分の導波路201
を、中心位置を揃えた状態で一枚のウエハ上に形成し、
これらの導波路201の両横に位置決め用ガイド206
を形成した場合を示す。このような導波路201の形成
は、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて行うこと
ができる。このようにして形成した一枚のウエハから積
層する導波路基板を切り取って確保する。このような方
法を用いることによって、導波路201に対する位置決
め用ガイド206の横方向及び深さ方向の位置は、絶対
的に確保されていなくても、積層する導波路基板同士で
は相対的に一致するので、積層精度を確保することがで
きる。
【0102】 図13は、二次元導波路装置200を介
して二次元光ファイバアレイ10と一次元光ファイバア
レイ110とを接続した状態を模式的に示し、(a)は
平面図、(b)はその側面図である。図13において
は、90°回転させた4チャンネルの一次元光ファイバ
アレイ110を、二次元導波路装置200を介して、8
チャンネルの二次元光ファイバアレイ10に接続した場
合であって、二次元導波路装置200は4枚の導波路基
板単位201及び固定部材3を積層して構成し、また二
次元光ファイバアレイ10は、4枚の光ファイバアレイ
単位5及び固定部材3を積層して構成した場合を示して
いる。
【0103】 前述のように、導波路基板と光ファイバ
アレイとを接続する場合、一つの導波路基板に一つの光
ファイバアレイを光学的に調心(位置合わせ)を行う必
要があるが、この調心作業は、サブミクロンレベルの位
置合わせを導波路基板及び光ファイバアレイの基板同士
で行うので、極めて高度でかつ工数の掛かる作業となら
ざるを得ないという問題があったが、このように構成す
ることによって、一回の調心で4枚の基板分の調心が実
現することとなり、調心・接続工数を大幅に削減するこ
とができる。
【0104】
【実施例】 以下、本発明を実施例によってさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら
制限を受けるものではない。
【0105】 実施例1 光ファイバとして、光を出射する側の端面のそれぞれ
が、光軸に垂直な面に対して所定角度(θ=8°)を形
成する傾斜を備えるように研摩したものを用いた光ファ
イバアレイ単位を多層に積層して、反射減衰流の小さ
い、1.5mmピッチで8×10チャンネルの仕様の二
次元光ファイバアレイを作製した。本実施例において
は、光ファイバアレイ単位の作製、光ファイバアレイ単
位の積層、作製した二次元光ファイバアレイの評価の順
に行った。
【0106】 光ファイバアレイ単位の作製 基板材料として、硼珪酸塩ガラス(熱膨張係数:32×
10-7)を用い、これを、50mm×55mm×1.4
95mm(厚さ)の寸法に加工し、ウエハとした。これ
に研削加工を施すことによって、光ファイバを整列させ
て固定するV字溝及び位置決め用ガイド(ガイド用V
溝)を形成した。V字溝は、1.5mmピッチで8本形
成し、位置決め用ガイド(ガイド用V溝)は1本目のV
字溝と8本目のV字溝との外側2mmの位置に1本ずつ
形成した。
【0107】 次いで、ウエハから所定寸法で切り出し
を行い、光ファイバアレイ単位に用いる基板チップとし
た。作製する二次元光ファイバアレイが8×10チャン
ネルであるために、基板チップ(光ファイバアレイ単
位)は10個作製した。
【0108】 次いで、光ファイバアレイ単位の組み立
てを行った。組み立ては、まず、基板のV字溝に光ファ
イバを載置し、次に、仮固定用の固定部材(SUS材で
厚さが1mmのものにポリテトラフルオロエチレン等の
フッ素樹脂を塗布してあるため仮固定用の固定部材自体
は接着することはない)によって光ファイバを押圧し
て、固定用接着剤(エポキシ樹脂)を塗布し、紫外線光
を照射して、固定を行った。固定用接着剤を硬化させた
後、仮固定用の固定部材を基板から剥離し、光ファイバ
アレイ単位とした。
【0109】 次いで、光ファイバの被覆部分がフリー
となって断線の原因となることを防止するため、光ファ
イバアレイ単位の後端部で被覆固定用接着剤(ウレタン
アクリレート樹脂)を用いて光ファイバの被覆部分を固
定する構造とした。
【0110】 次いで、光ファイバアレイ単位の端面に
傾斜を形成するための研摩加工を行った。光ファイバア
レイ単位の端面にθ=8°の角度を持たせるため、専用
の治具を作製した。この場合、光軸方向を0°とした場
合、光ファイバアレイ単位の端面における傾斜角度は8
2°となる。この角度付き専用治具を用いて、光ファイ
バアレイ単位の端面に、粗ラッピング、精ラッピング、
ポリッシュの順に研摩を施した。これにより、角度精度
は82°に対して±0.3°となった。
【0111】 光ファイバアレイ単位の積層 光ファイバアレイ単位の積層方法は、前述のように種々
あるが、本実施例においては、ガイドピン立て治具を用
いた。ここで、ガイドピン立て治具とは、光ファイバア
レイ単位の、積層方向の位置決めを行うためにガイドピ
ンが高精度に立てられた治具を意味する。ガイドピン及
び治具基板の材料として、両者ともジルコニア材料を用
いた。ガイドピンを立てる梁には、1.5mmピッチで
V字溝が形成されており、このV字溝へガイドピン(直
径:0.7mm)を挿入して、固定部材で押圧すること
でガイドピンを倒立させた。また、ガイドピンを立てた
2本の梁の互いの相対位置は、高精度に規定される必要
がある。このように、相対位置を高精度に決定するため
に、互いのピン立て梁を横方向梁及び斜め方向梁を用い
て相対位置を正確に規定した。
【0112】 上述のガイドピン立て治具に立てられて
いるガイドピンに対して、光ファイバアレイ単位を順次
挿入した。この場合、ガイドピンと、光ファイバアレイ
単位に形成した位置決め用ガイド(ガイド用V溝)とが
正確に接触している必要がある。そこで、光ファイバア
レイ単位に対し、荷重をかけることで両者の確実な接触
を可能とした。この場合、光ファイバアレイ単位にかけ
る荷重は約30gとした。光ファイバアレイ単位の光軸
方向の相対位置についても高精度に揃えられることが必
要となる。本実施例においては、ガイドピン治具の基板
に、各光ファイバアレイ単位の端部を当接させることで
相対位置を合わせるようにした。このようにして、各光
ファイバアレイ単位の端面の整列バラツキは約10μm
となった。このように、光ファイバアレイ単位をガイド
ピン治具に固定し、さらに、次の段の光ファイバアレイ
単位についても同様にガイドピン治具に固定した。
【0113】 次いで、各光ファイバアレイ単位間に接
着剤(紫外線硬化型のエポキシ樹脂)を塗布して固定し
た。各光ファイバアレイ単位間に形成された接着剤層の
厚さは約10μmとした。この作業を繰り返すことで、
10段の二次元光ファイバアレイを作製した。
【0114】 二次元光ファイバアレイの評価 まず、本実施例で作製した二次元光ファイバアレイの精
度評価を行った。下段から光ファイバアレイ単位を行1
〜10とし、左側の列から列A〜Hとし、行1〜10の
それぞれのコア位置(それぞれ8チャンネル)を測定し
ておき、列AとHのコア位置(それぞれ10チャンネ
ル)を測定した。さらに、対角線距離(1、A)−(1
0、H)及び(1、H)−(10、A)を測定した。こ
のようにして、行1に対応する最下段の光ファイバアレ
イ単位と行10に対応する最上段の光ファイバアレイ単
位の相互位置を把握し、列Aと列Hのコア位置から二次
元光ファイバアレイとしての全体のコア位置を測定し
た。このコア位置マトリクスと、理想的なコア位置マト
リクスとの間のズレ量を算出した。
【0115】 この結果、本実施例で作製した二次元光
ファイバアレイのコア位置は、すべてのチャンネルにお
いて、理想的なマトリクスからそれぞれ±2μmの範囲
にあることが確認された。
【0116】 次いで、本実施例で作製した二次元光フ
ァイバアレイの端面における反射減衰量の評価を行っ
た。反射減衰量の測定には、干渉系反射測定器(OCD
R)を用いた。なお、二次元光ファイバアレイのコネク
タからアレイ端面までの光ファイバの長さは約1.8m
とした。
【0117】 この結果、本実施例で作製した二次元光
ファイバアレイの端面における反射減衰量は、すべての
チャンネルにおいて、60dB以上であることが確認さ
れた。
【0118】 次いで、本実施例で作製した二次元光フ
ァイバアレイの信頼性評価を行った。二次元光ファイバ
アレイをヒートサイクル試験(−40〜85℃×70サ
イクル)、高温、高湿試験(85℃、85%×2週間)
に曝した。
【0119】 この結果、本実施例で作製した二次元光
ファイバアレイには、試験前後において、そのコア位置
精度、反射減衰量について変化がないことが確認され
た。そのコア位置の変動量は0.3μm以下と十分小さ
く、かつ反射減衰量については変化が無く、良好な結果
を得た。
【0120】 実施例2 1×8チャンネルのスプリッターを4段積層した二次元
導波路装置を二次元光ファイバアレイと接続した。1m
m厚のSiウエハ上にSiウエハの底面から1.03m
mの位置に導波路コアが導波路ピッチ(8チャンネル
側)250μmで位置し、その上にクラッドを0.02
5mm形成し、総厚1.055mmのスプリッター単位
を形成した。図12に示すように一枚のウエハに4チッ
プのスプリッターを形成し、このウエハに位置決め用ガ
イド(溝)を5mmのピッチで研削加工により形成し
た。積層精度確保のため、ガイド溝に積層用ガイドピン
を乗せた時の中心位置と導波路に対する相対的な深さと
ピッチとは同一となるように、以下のようにして加工を
施した。ウエハを、特開平5−273442号公報にお
ける図3に示されているような加工治具の上に、治具の
被加工物側基準面(側面側と底面側の両者)に対し平行
になるように貼り付け、加工機側基準面(側面側と底面
側の両者)に平行になるように位置決め用ガイド加工を
施すことで相対位置を正確に同一とした。この場合、加
工治具の被加工物側基準面と加工機側基準面との間の平
行関係や直角関係等の必要な相対関係は確保されてい
る。ウエハを切断加工してスプリッターのチップとし、
図11(b)に示す積層方法にて積層方向のコアピッチ
が1.06mmとなるように積層、固定した。つまり、
スプリッター単位間の接着層の厚さは5μmとした。こ
の二次元化されたスプリッターの端面を図11(b)に
示す形状となるように8°研磨を施した。次に、図1に
示す形状の8心×4段の二次元光ファイバアレイを実施
例1と同様の方法で作製した。この場合、端面への8°
研磨加工は積層後に施した。このときの光ファイバアレ
イ単位の厚さ(V溝基板底面からファイバの頂部までの
距離)はスプリッター単位と合わせ1.055mmと
し、積層ピッチは1.06mmとした。つまり、光ファ
イバアレイ単位間の接着層の厚さは5μmとした。さら
に、1段(一次元)の光ファイバピッチ1.06mmの
4心光ファイバアレイを作製した。端面は前記二次元化
スプリッターと接続時に端面が平行になる方向に8°
(一次元光ファイバアレイのファイバピッチの方向に8
°)研磨を施した。三者を通常の導波路型スプリッター
モジュールと同様、調心を行い、接続、固定し、二次元
スプリッターモジュールを作製した。
【0121】 この結果、本実施例で作製した二次元ス
プリッターモジュールは、接続による損失が0.5d
B、反射が60dBと若干一次元的なスプリッターモジ
ュールと比べ損失が大きかったが、十分に使用できる特
性の二次元スプリッターモジュールであった。
【0122】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によっ
て、基板上における光学部材の光を入出射する側の端面
における反射特性に優れるとともにその反射特性を長期
間保持することが可能であり、かつ光量の損失及び他の
機器への悪影響を防止することが可能で、安価な二次元
光学部材アレイ及び高密度で容量が大であるとともにパ
ッケージングや接続における工数の削減を図ることが可
能な二次元導波路装置並びにそれらの効率的な製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二次元光学部材アレイの第1の実施
の形態である二次元光ファイバアレイを模式的に示す断
面図である。
【図2】 本発明の二次元光学部材アレイの第2の実施
の形態である二次元光ファイバアレイを模式的に示す断
面図である。
【図3】 第1の実施の形態における反射特性と角度ズ
レ(Δθ)との関係を模式的に示す断面図である。
【図4】 第2の実施の形態における反射特性と角度ズ
レ(Δθ)との関係を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明の二次元光学部材アレイの第3の実施
の形態である二次元光ファイバアレイを模式的に示す断
面図である。
【図6】 シンプルなインライン型スイッチの構成を模
式的に示す説明図である。
【図7】 本発明の二次元光学部材アレイの第4の実施
の形態である二次元光ファイバアレイを模式的に示す断
面図である。
【図8】 本発明の二次元光学部材アレイの第5の実施
の形態である二次元光ファイバアレイを模式的に示す断
面図である。
【図9】 本発明の二次元光学部材アレイの実施の形態
である二次元光ファイバアレイを二次元化する際に用い
られるガイドピン治具を模式的に示す断面図である。
【図10】 本発明の二次元導波路装置の一の実施の形
態を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は(a)の
Y−Y線における断面図である。
【図11】 図10(a)のZ−Z線における断面図
(二態様)である。
【図12】 本発明の二次元導波路装置の一の実施の形
態において、導波路基板単位を積層して二次元化する方
法を模式的に示す平面図である。
【図13】 二次元導波路装置を介して二次元光ファイ
バアレイと一次元光ファイバアレイとを接続した状態を
模式的に示し、(a)は平面図、(b)はその側面図で
ある。
【図14】 従来の二次元光学部材アレイ(光ファイバ
アレイ)の一例を模式的に示す断面図である。
【図15】 従来の導波路装置の一例を模式的に示し、
(a)は平面図、(b)はそのX−X線における断面図
である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…基板、3…固定部材、4…接着剤
層、5…光ファイバアレイ単位、6…位置決め用ガイド
(ガイド用V溝)、6a〜6d…ガイドピン、7…平板
マイクロレンズ、10…二次元光ファイバアレイ、21
…溝(V字溝)、24…入力側ファイバアレイ、25…
出力側ファイバアレイ、26…インライン型光スイッ
チ、100…従来の二次元光ファイバアレイ、101…
光ファイバ、102…V溝基板、103…固定部材、1
10…一次元光ファイバアレイ、200…二次元導波路
装置、201…導波路、202…基板、204…接着剤
層、205…導波路基板単位、206…位置決め用ガイ
ド、θ…傾斜の角度、G1、G2…荷重、S…光ファイ
バの光を入出射する側の端面、S’…導波路の光を入出
射する側の端面、L…光ファイバの中心軸、L’…導波
路の中心軸、P…光ファイバからの入出射光の光軸、Q
…平板マイクロレンズの光軸、V…光ファイバの中心軸
に垂直な面、V’…導波路の中心軸に垂直な面、U…光
ファイバの中心軸に垂直な面に対して所定角度(θ)を
形成する面、U’…導波路の中心軸に垂直な面に対して
所定角度(θ)を形成する面、W…入出射光の光軸Pに
垂直な面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井出 晃啓 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2H036 JA04 LA03 LA07 LA08 2H037 BA24 DA12 DA17 2H047 KA03 KB08 TA05 TA47

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部材と、一方の表面上に前記光学部
    材の外形に対応した一以上の溝を有し、この溝の上に一
    以上の前記光学部材を整列させて固定する基板との複数
    を、二次元的形状になるように、一体的に形成した又は
    階層的に積層した構造を有する二次元光学部材アレイで
    あって、 複数の前記光学部材の、光を出射する側の端面及び光を
    入射する側の端面又はそれらのいずれかが、それぞれ光
    学部材の中心軸に垂直な面に対して所定角度(θ)を形
    成する傾斜を備えてなることを特徴とする二次元光学部
    材アレイ。
  2. 【請求項2】 前記光学部材の、光を出射する側の端面
    及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかが、そ
    れぞれ前記光学部材の中心軸に垂直な面上に配設されて
    なる請求項1に記載の二次元光学部材アレイ。
  3. 【請求項3】 前記光学部材の、光を出射する側の端面
    及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかが、そ
    れぞれ前記光学部材の中心軸に垂直な面に対して所定角
    度(θ)を形成する面上に配設されてなる請求項1に記
    載の二次元光学部材アレイ。
  4. 【請求項4】 前記光学部材の、光を出射する側の端面
    及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかが、そ
    れぞれ出射光及び入射光又はそれらのいずれかの光軸に
    垂直な面上に配設されてなる請求項1に記載の二次元光
    学部材アレイ。
  5. 【請求項5】 前記光学部材が、光ファイバ又はレンズ
    である請求項1〜4のいずれかに記載の二次元光学部材
    アレイ。
  6. 【請求項6】 一組の前記光学部材と前記基板とを備え
    た光学部材アレイ単位を階層的に積層してなるものであ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の二次元光学部材アレ
    イ。
  7. 【請求項7】 前記光学部材アレイ単位を構成する基板
    上に配列した光学部材の頂点と、それに対向する前記光
    学部材アレイ単位を構成する基板の表面とが接触し、前
    記光学部材アレイ単位を構成する基板のそれぞれ対向す
    る表面同士が直接接触することのない状態で、かつ、力
    学的影響を互いに直接及ぼし合うことのない状態で、前
    記光学部材アレイ単位の複数を階層的に積層してなる請
    求項6に記載の二次元光学部材アレイ。
  8. 【請求項8】 前記光学部材アレイ単位を構成する基板
    上に配列した光学部材の頂点と、それに対向する前記光
    学部材アレイ単位を構成する基板の表面との相互間に、
    接着剤層を介在させるとともに、前記光学部材の頂点と
    前記基板の表面とを、それぞれ前記接着剤層に接触さ
    せ、前記光学部材アレイ単位を構成する基板のそれぞれ
    対向する表面同士が直接接触することのない状態で、か
    つ、力学的影響を互いに直接及ぼし合うことのない状態
    で、前記光学部材アレイ単位の複数を階層的に積層して
    なる請求項6に記載の二次元光学部材アレイ。
  9. 【請求項9】 最上層の前記光学部材アレイ単位を構成
    する前記基板の一方の表面上に、及び互いに隣接する前
    記光学部材アレイ単位を構成する前記基板の間に、前記
    光学部材を前記基板の前記溝を有する一方の表面側に押
    圧又は載置して、整列、固定する固定部材をさらに備え
    てなる請求項6に記載の二次元光学部材アレイ。
  10. 【請求項10】 前記固定部材の表面と前記溝を構成す
    る側壁とに前記光学部材を当接させた状態で、前記光学
    部材を前記基板上に押圧又は載置して、整列、固定させ
    てなる請求項9に記載の二次元光学部材アレイ。
  11. 【請求項11】 前記固定部材の表面と、この固定部材
    の表面に対向する前記光学部材アレイ単位を構成する前
    記基板の表面のうちの他方の表面(裏面)との間に、接
    着剤層をさらに備えてなる請求項9又は10に記載の二
    次元光学部材アレイ。
  12. 【請求項12】 前記接着剤層の厚さが、2〜100μ
    mである請求項11に記載の二次元光学部材アレイ。
  13. 【請求項13】 前記基板の前記溝を有する一方の表面
    上の所定箇所に、位置決め用ガイドが形成されてなる請
    求項1〜12のいずれかに記載の二次元光学部材アレ
    イ。
  14. 【請求項14】 前記溝が、V字溝である請求項1〜1
    3のいずれかに記載の二次元光学部材アレイ。
  15. 【請求項15】 一方の表面上に前記光学部材の外形に
    対応した一以上の溝を有する基板の上に、一以上の前記
    光学部材を整列させて固定するとともに、複数の前記基
    板及び前記光学部材を、二次元的形状になるように、一
    体的に又は階層的に積層する二次元光学部材アレイの製
    造方法であって、前記光学部材の、光を出射する側の端
    面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかに、
    それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面に対して所定角度
    (θ)を形成する傾斜を設けることを特徴とする二次元
    光学部材アレイの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記光学部材の、光を出射する側の端
    面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかを、
    それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面上に配設する請求
    項15に記載の二次元光学部材アレイの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記光学部材の、光を出射する側の端
    面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかを、
    それぞれ光学部材の中心軸に垂直な面に対して所定角度
    (θ)を形成する面上に配設する請求項15に記載の二
    次元光学部材アレイの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記光学部材の、光を出射する側の端
    面及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかを、
    それぞれ出射光及び入射光又はそれらのいずれかの光軸
    に垂直な面上に配設する請求項15に記載の二次元光学
    部材アレイの製造方法。
  19. 【請求項19】 平面的にパターニングされた一以上の
    導波路を備えた導波路基板単位の複数を、二次元的形状
    になるように、一体的に形成した又は階層的に積層した
    構造を有する二次元導波路装置であって、前記導波路基
    板単位を構成する前記導波路の、光を出射する側の端面
    及び光を入射する側の端面又はそれらのいずれかが、そ
    れぞれ導波路の中心軸に垂直な面に対して所定角度
    (θ)を形成する傾斜を備えてなることを特徴とする二
    次元導波路装置。
  20. 【請求項20】 前記導波路基板単位を構成する前記導
    波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端
    面又はそれらのいずれかが、それぞれ導波路の中心軸に
    垂直な面上に配設されてなる請求項19に記載の二次元
    導波路装置。
  21. 【請求項21】 前記導波路基板単位を構成する前記導
    波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端
    面又はそれらのいずれかが、それぞれ導波路の中心軸に
    垂直な面に対して所定角度(θ)を形成する面上に配設
    されてなる請求項19に記載の二次元導波路装置。
  22. 【請求項22】 前記導波路基板単位を構成する前記導
    波路の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端
    面又はそれらのいずれかが、それぞれ出射光及び入射光
    又はそれらのいずれかの光軸に垂直な面上に配設されて
    なる請求項19に記載の二次元導波路装置。
  23. 【請求項23】 複数の前記導波路基板単位のうち互い
    に隣接する前記導波路基板単位のそれぞれ対向する表面
    相互間に接着剤層を備えてなる請求項19〜22のいず
    れかに記載の二次元導波路装置。
  24. 【請求項24】 前記接着剤層の厚さが、2〜100μ
    mである請求項23に記載の二次元導波路装置。
  25. 【請求項25】 前記導波路基板単位の表面上の所定箇
    所に、位置決め用ガイドが形成されてなる請求項19〜
    24のいずれかに記載の二次元導波路装置。
  26. 【請求項26】 平面的にパターニングされた一以上の
    導波路を備えた導波路基板単位の複数を、二次元的形状
    になるように、一体的に又は階層的に積層する二次元導
    波路装置の製造方法であって、前記の導波路の、光を出
    射する側の端面及び光を入射する側の端面又はそれらの
    いずれかに、それぞれ導波路の中心軸に垂直な面に対し
    て所定角度(θ)を形成する傾斜を設けることを特徴と
    する二次元導波路装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記導波路基板単位を構成する導波路
    の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端面又
    はそれらのいずれかを、それぞれ導波路の中心軸に垂直
    な面上に配設する請求項26に記載の二次元導波路装置
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記導波路基板単位を構成する導波路
    の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端面又
    はそれらのいずれかを、それぞれ導波路の中心軸に垂直
    な面に対して所定角度(θ)を形成する面上に配設する
    請求項26に記載の二次元導波路装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記導波路基板単位を構成する導波路
    の、光を出射する側の端面及び光を入射する側の端面又
    はそれらのいずれかを、それぞれ出射光及び入射光又は
    それらのいずれかの光軸に垂直な面上に配設する請求項
    26に記載の二次元導波路装置の製造方法。
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