JP2003187777A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JP2003187777A
JP2003187777A JP2001384106A JP2001384106A JP2003187777A JP 2003187777 A JP2003187777 A JP 2003187777A JP 2001384106 A JP2001384106 A JP 2001384106A JP 2001384106 A JP2001384106 A JP 2001384106A JP 2003187777 A JP2003187777 A JP 2003187777A
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JP2001384106A
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Koichi Kawamura
浩一 川村
Yoshinori Takahashi
美紀 高橋
Takao Nakayama
隆雄 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液に対する保液性、及び耐久性に優れた
アルカリ電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 気液透過可能な多孔性基材上に、(A)
架橋剤と反応し得る幹ポリマーに親水性ポリマー側鎖を
導入してなる親水性グラフトポリマーと、(B)架橋剤
とを含有する親水性塗布液組成物を塗布し、乾燥、加熱
することにより、架橋構造を有する親水性層を形成して
なることを特徴とするアルカリ電池用セパレータであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電池用セ
パレータ(以下、単に「セパレータ」と称する場合があ
る)に関する。 【0002】 【従来の技術】アルカリ電池は、一般に、電流放電特
性、低温特性、等に優れることから種々の機器の電源と
して用いられている。また、アルカリ電池の中でもアル
カリ二次電池については、充放電特性、過充電過放電特
性等に優れ、長期間の繰返し使用が可能なことから、各
種エレクトロニクス機器等の電源としての需要が高まっ
ている。また、近年、携帯用電子機器の普及に伴い、電
池に対する更なる小型化、大容量化も要望されている。 【0003】これらアルカリ電池においては、正極(カ
ソード)と、負極(アノード)との間に、セパレータを
設ける構造が一般的である。前記セパレータに要求され
る機能としては、起電反応を円滑に行なうために電解液
に対する濡れ性及び保液性に優れること、電解液や減極
剤に対して耐久性を有すること、両電極の活性物質の接
触による短絡を防止すること、電気的絶縁性を有するこ
と、電池内部における占有容積が小さいこと、二次電池
の場合には正極より充電時に発生する酸素ガスに対する
透過性に優れること、等の多様な機能がある。 【0004】ところで、アルカリ電池の小型化・高容量
化を実現するための一つ方策として、より多くの活性物
質を電池内に包含させることが挙げられる。この場合、
電池内部に設けられるセパレータに対しては、電解液に
対する保液性を低下させること無くセパレータ自体を薄
くすることが要求される。また、セパレータの薄層化
は、アルカリ溶液である電解液に対する耐久性や、曲げ
等による物理的な応力に対する耐久性をも必要とする。
しかしながら、これらの要求を満足するセパレータは、
未だ存在していないのが現状である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、電解液に対する保液性、及び
耐久性に優れたアルカリ電池用セパレータを提供するこ
とを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、気液透過可能な多孔性
基材上に、特定の官能基を有する幹ポリマーに親水性の
グラフトマクロモノマーを導入してなる親水性グラフト
ポリマーを含む架橋構造を有する親水性層を形成するこ
とにより、上記目的を達成し得ることを見出し本発明を
完成するに至った。 【0007】即ち、本発明のアルカリ電池用セパレータ
は、気液透過可能な多孔性基材上に、(A)架橋剤と反
応し得る幹ポリマーに親水性ポリマー側鎖を導入してな
る親水性グラフトポリマーと、(B)架橋剤と、を含有
する親水性塗布液組成物を塗布し、乾燥、加熱すること
により、架橋構造を有する親水性層を形成してなること
を特徴とする。 【0008】本発明の作用は明確ではないが、親水性層
中に含まれるグラフトポリマーは、幹ポリマーに親水性
ポリマー側鎖を導入してなるものであるため、幹ポリマ
ーが架橋構造であっても、導入された親水性ポリマー側
鎖の自由度は保持され、非常に高い親水性を発現し得る
ものと考えられる。これにより、本発明のセパレータ
は、電解液に対する優れた濡れ性及び保液性を発揮し、
電池保存時に容量が環境による変動を受け難くなる。ま
た、電解液の保液性向上は、セパレータの薄層化、延い
ては電池自体の小型化をも達成し得る。 【0009】また、親水性塗布液組成物中に、親水性ポ
リマー側鎖幹ポリマーとして架橋剤と反応し得る官能基
を有する化合物を用いることで、塗布液組成物の加熱乾
燥時に組成物中の架橋剤と該官能基とが反応して架橋構
造が形成され、親水性層は基材上に強固に固着する。こ
れにより、本発明のセパレータは、高い保液性を維持
し、かつ、優れた耐久性を発揮することが可能になると
考えられる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルカリ電池用セパレータは、気液透過可能な
多孔性基材上に、(A)架橋剤と反応し得る幹ポリマー
に親水性ポリマー側鎖を導入してなるグラフトポリマー
と、(B)架橋剤と、を含有する親水性塗布液組成物を
塗布し、乾燥、加熱することにより、架橋構造を有する
親水性層を形成してなることを特徴とする。 【0011】<架橋構造を有する親水性層>以下、本発
明における架橋構造を有する親水性層について説明す
る。まず、前記架橋構造を有する親水性層の形成に用い
られる親水性塗布液組成物について説明する。前記親水
性塗布液組成物は、(A)架橋剤と反応し得る官能基を
有する幹ポリマーに親水性ポリマー側鎖を導入してなる
親水性グラフトポリマーと、(B)架橋剤と、を含有す
ることを要する。 【0012】〔(A)架橋剤と反応し得る官能基を有す
る幹ポリマーに親水性ポリマー側鎖を導入してなる親水
性グラフトポリマー〕本発明における親水性グラフトポ
リマーは、一般的にグラフト重合体の合成法として公知
の方法を用いて作成することができる。具体的には、一
般的なグラフト重合体の合成方法は、“グラフト重合と
その応用”井手文雄著、昭和52年発行、高分子刊行
会、及び“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高
分子学会編、共立出版(株)1995、に記載されてお
り、これらを適用することができる。 【0013】グラフト重合体の合成方法としては、基本
的に1.幹高分子から枝モノマーを重合させる、2.幹
高分子に枝高分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分
子を共重合させる(マクロマー法)という3つの方法に
分けられる。これらの3つの方法のうち、いずれを使用
しても本発明の親水性グラフトポリマーを作成すること
ができるが、特に、製造適性、膜構造の制御という観点
からは「3.マクロマー法」が優れている。 【0014】マクロモノマーを使用したグラフトポリマ
ーの合成は、前記の“新高分子実験学2、高分子の合成
・反応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載
されている。また、山下雄他著“マクロモノマーの化学
と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されて
いる。本発明に使用されるグラフトポリマーは、まず、
前記の方法により合成した親水性のマクロモノマー(親
水性ポリマー側鎖の前駆体に相当する)と、架橋剤と反
応し得る官能基を有するモノマーと、を共重合すること
により合成することができる。 【0015】(親水性マクロモノマー)本発明で使用さ
れる親水性マクロモノマーのうち特に有用なものは、ア
クリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有のモ
ノマーから誘導されるマクロモノマー、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスチレン
スルホン酸、及びその塩のモノマーから誘導されるスル
ホン酸系マクロモノマー、アクリルアミド、メタクリル
アミドなどのアミド系マクロモノマー、N−ビニルアセ
トアミド、N−ビニルホルムアミドなどのN−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロ
モノマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレー
トなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノ
マー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチ
レングリコールアクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレートなどのアルコキシ基若しくはエチレンオキ
シド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーであ
る。またポリエチレングリコール鎖若しくはポリプロピ
レングリコール鎖を有するモノマーも、本発明のマクロ
モノマーとして有用に使用することができる。 【0016】これらのマクロモノマーのうち有用な高分
子の重量平均分子量(以下、単に分子量と称する)は4
00〜10万の範囲であり、好ましい範囲は1000〜
5万、特に好ましい範囲は1500〜2万である。分子
量が400以下では有効な親水性を得がたく、また10
万以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が
低くなる傾向があり、いずれも好ましくない。 【0017】親水性マクロモノマーと共重合可能で、か
つ、架橋剤と反応し得る官能基(以下、適宜、「反応性
官能基」と称する)を有するモノマーの反応性官能基と
しては、カルボキシル基あるいはその塩、アミノ基、水
酸基、フェノール性水酸基、グリシジルなどのエポキシ
基、メチロール基、(ブロック)イソシアネート基、シ
ランカップリング剤等が挙げられる。 【0018】一般的なモノマーとしては、「架橋剤ハン
ドブック」山下晋三、金子東助著、大成社刊〔198
1〕、「紫外線硬化システム」加藤清視著、総合技術セ
ンター刊〔1989〕、「UV・EB硬化ハンドブック
(原料編)」加藤清視著、高分子刊行会〔1985〕、
「新・感光性樹脂の実際技術」赤松清著、シーエムシー
刊行(102−145頁)〔1987〕等に記載されて
いるモノマーが挙げられる。具体的には、(メタ)アク
リル酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、イタコン酸若
しくはそのアルカリ、アミン塩、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、下記式(1)で表される如きフェノール性
水酸基含有モノマー、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテル、N−メチロールメタクリルアミ
ド、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、
また、下記式(2)で例示されるようなブロックイソシ
アネートモノマー等のブロックイソシアネートモノマ
ー、ビニルアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。 【0019】 【化1】 【0020】これらのグラフトポリマーとしては、重量
平均分子量が100万以下のものが好ましく用いられ、
分子量1000〜100万、さらに好ましくは1万〜7
万の範囲のものである。分子量が100万を超えるもの
は、塗布液を調製する際に溶媒へ溶解性が悪化したり、
塗布液粘度が高くなり、均一な被膜を形成し難いなどハ
ンドリング性に問題がでる懸念があり、好ましくない。 【0021】〔(B)架橋剤〕本発明に適応可能な架橋
剤としては、熱により架橋を形成する公知の架橋剤を用
いることができる。一般的な熱架橋剤としては、「架橋
剤ハンドブック」山下晋三、金子東助著、大成社刊(1
981)に記載されているものが挙げられる。本発明に
用いられる架橋剤の官能基数としては、2個以上であ
り、且つ、グラフトポリマーと有効に架橋可能であれば
特に制限はない。具体的な熱架橋剤としては、1,2−
エタンジカルボン酸、アジピン酸といったα,ω−アル
カン若しくはアルケンジカルボン酸、1,2,3−プロ
パントリカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン
酸、1,2−エタンジアミン、ジエチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン等のポリアミン化合物、エチレン又
はプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレン又はポリプロピレングリコールグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル等のポリエポキシイ化合
物、 【0022】エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール
等のオリゴアルキレン又はポリアルキレングリコール、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール等のポリヒドロキシ化合物、グリ
オキザル、テレフタルアルデヒドなどのポリアルデヒド
化合物、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニル
イソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、シ
クロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン
−1,5−ジイソシアネート、イソプロピルベンゼン−
2,4−ジイソシアネート、ポリプロピレングリコール
/トリレンジイソシアネート付加反応物などのポリイソ
シアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合
物、テトラアルコキンシランなどのシランカップリング
剤、アルミニウム、銅、鉄(III)のアセチルアセトナ
ートなどの金属架橋剤、トリメチロールメラミン、ペン
タエリスリトールなどのポリメチロール化合物などが挙
げられる。 【0023】これらの熱架橋剤のなかでも、塗布溶液の
調液のしやすさ、形成される親水性層の親水性低下を防
止するという観点からは、水溶性の架橋剤であることが
好ましく、特に好ましい架橋剤の例として、具体的に
は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメ
チロールメラミンなどが挙げられる。 【0024】〔(A)親水性グラフトポリマー中の反応
性官能基と(B)架橋剤のと組合せ〕親水性グラフトポ
リマー中の反応性官能基と、架橋剤と、の好適な組合せ
としては、以下が考えられる。カルボキンル基あるいは
その塩を含有するグラフトポリマーは、上記ポリエポキ
シ化合物、ポリアミン化合物、ポリメチロール化合物、
ポリイソシアネート化合物或いはブロックポリイソシア
ネート化合物、金属架橋剤を用いて三次元架橋を形成す
ることができる。メチロール基、フェノール性水酸基、
グリシジル基を有するグラフトポリマーは、架橋剤とし
て、上記ポリカルボン酸化合物、ポリアミン化合物、ポ
リヒドロキシ化合物を用いて三次元架橋を形成し得る。
アミノ基を有するグラフトポリマーは、架橋剤として、
上記ポリイソシアネート化合物或いはブロックポリイソ
シアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ポリメチロー
ル化合物を用いて三次元架橋を形成し得る。水酸基を有
するグラフトポリマーは、架橋剤として、上記ポリイソ
シアネート化合物或いはブロックポリイソシアネート化
合物、ポリアルデヒド化合物を用いて三次元架橋を形成
し得る。アルコキシシリル基などのシランカップリング
基を有するグラフトポリマーは、テトラアルコキシシラ
ンなどと脱水縮合することにより三次元架橋を形成する
ことが可能である。 【0025】〔親水性塗布液組成物の調製〕親水性塗布
液組成物に配合する(A)幹ポリマーに反応性官能基を
有する親水性グラフトポリマーと(B)架橋剤の比率と
しては、重量比として98:2〜50:50が好まし
い。架橋剤比率が2重量%未満では十分な強度を持つ架
橋膜が得られない場合があり、また、親水性グラフトポ
リマーが50重量%未満では十分な親水性が得られない
場合がある。 【0026】前記(A)親水性グラフトポリマーと、
(B)架橋剤とを含有する親水性塗布液組成物を調製す
る溶媒としては、これらを均一に、溶解、分散し得るも
のであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、水、等が好ましい。
また、塗布液中の固形分含有量は、塗布液を適用する部
材や、所望の表面親水性の程度など、目的に応じて適宜
選択されるが、一般的には、1〜50重量%の範囲であ
る。 【0027】本発明における親水性塗布液組成物には、
本発明の効果を損なわない限りにおいて、種々の添加剤
を目的に応じて使用することができる。例えば、塗布液
の均一性を向上させるため界面活性剤を添加することが
できる。また、添加剤として、必要に応じて架橋反応を
促進するための触媒を添加してもよい。触媒としては、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸類、酢酸、
シュウ酸等の有機酸類、また、アンモニア、トリエチル
アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基、
ジブチル錫ラウレート等のウレタン化剤等が挙げられ
る。 【0028】本発明のアルカリ電池用セパレータは、前
記親水性塗布液組成物を、後述する気液透過可能な多孔
性基材上に塗布(浸漬を含む)した後、加熱、乾燥して
親水性層を形成することで得ることができる。即ち、親
水性塗布液を加熱、乾燥する工程において、塗布液中の
(A)親水性グラフトポリマーの幹ポリマーに存在する
架橋剤と反応し得る官能基と、(B)架橋剤とが反応し
て三次元架橋構造を形成することにより、親水性と、耐
久性と、を併有する親水性層を形成することができる。 【0029】〔架橋条件〕塗布液を加熱、乾燥して架橋
構造を形成するための架橋温度と架橋時間は、親水性グ
ラフトポリマー中の反応性官能基と架橋剤とが反応し架
橋を形成できる温度と時間であれば特に制限はないが、
製造適性などの点から加熱温度は200℃以下であるこ
とが好ましく、架橋時間は1時間以内が好ましい。特に
親水性グラフトポリマー中の親水性グラフト鎖の官能基
と幹ポリマーの官能性官能基とが同一である場合は、グ
ラフト鎖の官能基を保護しておくことが望ましく、架橋
後に脱保護することで、優れた親水性を有する本発明の
表面親水性部材が得られる。 【0030】架橋剤を介した架橋点間の好ましい距離は
50Å以下、より好ましくは20Å以下である。架橋剤
の添加量は、親水性グラフトポリマー中の反応性官能基
(架橋剤と反応し得る官能基)に対して2mol%以
上、好ましくは10mol%以上、より好ましくは20
mol%以上である。架橋剤添加量の上限は、グラフト
ポリマーと十分架橋できる範囲内であれば特にないが、
大過剰に添加した場合、架橋に関与しない架橋剤によ
り、形成された親水性層がべたつくなどの問題を生じる
可能性がある。 【0031】<気液透過可能な多孔性基材>次に、本発
明における気液透過可能な多孔性基材(以下、単に「基
材」と称する場合がある)について説明する。本発明に
おける「気液透過可能な多孔性基材」とは、アルカリ電
池中に含まれる電解液、及び、充電等により発生する酸
素等の気体が透過可能な連通した空隙を有する基材を意
味する。該連通した空隙としては、繊維等の交絡により
空隙が形成されたものであってもよいし、フィルム等の
膜状基材に連通孔を設けたものであってもよい。さら
に、基材全体に連通した空隙を有していてもよいし、一
部に有していてもよい。 【0032】本発明における基材としては、不織布、織
布、編布又はこれらの複合体、或いは、連通孔を有する
多孔質体(例えば、多孔性フィルム、連通気泡を有する
発泡体シート、無機多孔性シート、等)が好適に挙げら
れる。これらの中でも、アルカリ電解液の保液性の観点
からは、不織布が好ましい。 【0033】本発明に好適に用いられる不織布について
説明する。不織布を構成する繊維としては、前記親水性
層を繊維表面に形成可能なものであれば特に限定され
ず、例えば、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維、ポリ
エステル繊維、ビニロン繊維、塩化ビニル繊維、アクリ
ル繊維、ポリウレタン繊維、等の合成繊維が挙げられ
る。これらの繊維は、1種単独で用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。上記繊維の中でも、アル
カリ電解質に対する耐性の観点からは、ポリオレフィン
繊維が好ましい。ポリオレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、ブテン、メチルペンテン、等のホモポリマ
ー又はコポリマー等を用いることができる。 【0034】不織布を構成する繊維の平均径としては、
使用される繊維の形状によっても異なるが、10〜10
0μm程度が好ましい。 【0035】不織布を構成する繊維の形態としては、特
に限定されず、単一繊維であっても複合繊維であっても
よい。複合繊維の場合には、バイメタル型、芯鞘型、海
島型、等のものを適宜用いることができる。また、長繊
維(ステープル)であってもよいし、単繊維(フィラメ
ント)であってもよい。さらに、繊維の断面形状につい
ても、円形、楕円形、異形断面、等いかなる形状であっ
てもよい。 【0036】不織布の製造方法としては、公知の方法を
適宜用いることができる。例えば、湿式法(抄紙法)、
乾式法(エアレイ法、カード法等)、スパンボンド法、
メルトブローン法、スパンレース法、等のウェブ形成方
法によりウェブを形成し、ウェブ形成後にウェブの結合
が必要な場合には、各種結合方法により結合させ、不織
布が製造される。 【0037】以下、不織布以外の多孔性基材について説
明する。織布、編布としては、前記不織布において例示
した如き繊維からなるものを用いることができる。使用
する糸の太さ、撚り条件、編み、織り条件などは目的に
応じて適宜選択すればよい。 【0038】また、多孔性フィルム等の連通孔を有する
多孔質体を用いる場合、このような多孔質体としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、二酢酸
セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等のプラスチックフィルムから選択さ
れるアルカリ耐性の良好なものにプラズマ照射などの物
理的、化学的な処理を行なって連通孔を設けたものであ
ってもよく、また、ポリウレタンフォーム、ポリスチレ
ンフォーム等の合成樹脂発泡体や無機多孔質体であっ
て、少なくとも一部に連通気泡を有するもの等であって
もよい。 【0039】本発明においては、単位面積あたりに存在
する親水性マクロマーの数が多いほど親水性が向上する
ため、基材として表面積が大きいもの、例えば、繊維で
あれば異形断面繊維や多孔質繊維、不織布を構成する繊
維としては細いものが、多孔質体としては空隙率が大き
いもの、空孔断面の小さいものなどを選択することが好
ましいが、これに限定されるものではない。 【0040】本発明のセパレータの厚みとしては、使用
される電池によっても異なるが、50〜500μm程度
が好ましい。 【0041】本発明のセパレータが使用可能なアルカリ
電池としては、アルカリ二次電池(ニッケル−カドミウ
ム、ニッケル−水素、ニッケル−亜鉛、銀−亜鉛、銀−
カドミウム、ニッケル−鉄、等)、及び、アルカリ一次
電池(アルカリマンガン、等酸化銀電池、水銀電池、空
気電池、等)が、好適に挙げられる。 【0042】前記アルカリ電池に用いられるアルカリ電
解質としては、各電池により異なるが、水酸化カリウム
(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化ナ
トリウム(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)と
の混合液、水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化リチ
ウム(LiOH)との混合液、等が挙げられる。 【0043】本発明のセパレータは、公知の電池製造方
法により、アルカリ電池中に組み込むことができる。 【0044】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲はこれらによって限定されるもので
はない。 【0045】〔(A)架橋剤と反応し得る官能基を有す
る幹ポリマーのグラフト部に親水性マクロモノマーを導
入してなる親水性グラフトポリマーの合成例〕 (アミドマクロモノマーの合成)アクリルアミド30
g、3-メルカプトプロピオン酸3.8gをエタノール7
0gに溶解後、窒素雰囲気下60℃に昇温し、熱重合開
始剤2,2−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)30
0mgを加えて6時間反応した。反応後白色沈殿を濾過
しメタノールで十分洗浄して、末端カルボン酸プレポリ
マーを30.8g得た(酸価0.787meq/g、分
子量1.29×103)。 【0046】得られたプレポリマー20gをジメチルス
ルホキシド62gに溶解し、グリシジルメタクリレート
6.71g、N,N-ジメチルドデシルアミン(触媒)50
4mg、ハイドロキノン(重合禁止剤)62.4mgを
加え、窒素雰囲気下140℃で7時間反応した。反応溶
液をアセトンに加え、ポリマーを沈殿させ、よく洗浄し
て末端メタクリレートアクリルアミドマクロモノマーを
23.4g得た(重量平均分子量:1400)。H1−
NMR(D2O)6.12、5.70ppmメタクリロ
イル基オレフィンピークと、酸価(0.057meq/
g)の減少から、末端に重合性基が導入できたことを確
認した。 【0047】(アミドマクロモノマーを用いたグラフト
ポリマー(1)の合成)蒸留水5gの入ったフラスコ
に、上記マクロモノマー4g、メタクリル酸ナトリウム
6g、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン](VA061:商品名、和光純薬工
業(株)製)100mgを蒸留水17gに溶解した水溶
液を窒素雰囲気下65℃で2時間かけて滴下した。滴下
終了後引き続き6時間加熱を続けた。反応溶液をアセト
ンに加えポリマーを沈殿させよく洗浄して、親水性グラ
フトポリマー(1)6.95gを得た(分子量1.30
×105、収率92.7%)。 【0048】〔多孔性基材〕本実施例においては、多孔
性基材として以下に示す不織布を用いた。直径50μm
のポリプロピレン製不織布(目付40g/m2)の20
cm×15cm断片を40℃の湯を満たした300W超
音波洗浄器の中に浸漬し、5分間洗浄した。その後、大
量の湯で濯ぎ自然乾燥した。この断片から、10cm×
15cmの断片を切り取り、2つの金属ロールにてカレ
ンダー処理をして厚さ125μmとして使用した。 【0049】(実施例1) セパレータ(1) −親水性塗布液組成物Aの調製− 以下を均一に混合し、親水性塗布液組成物Aを得た。 ・(A)上記親水性グラフトポリマー(1) 2g (グラフトポリマー仕込比から求めた架橋基のモル数1.1mol) ・(B)架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル) 0.2g (0.23mol) ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.24g (界面活性剤:エマルゲン910、花王(株)製(10%水溶液) ・塩酸水溶液(1mol/l) 8.2g ・水 11.6g 【0050】−セパレータ(1)の作製− 10cm×15cmの前記不織布を、上記親水性塗布液
組成物A中に浸漬した後引き上げ、120℃で2時間加
熱乾燥させて繊維表面に親水性層を形成し、本発明のセ
パレータ(1)を作製した。 【0051】(比較例1) セパレータ(2) −親水性塗布液組成物Bの調製− アクリル酸15容量部に対して、ジビニルベンゼン1容
量部、イソプロピルアルコール20容量部、水65容量
部、を均一に混合し、親水性塗布液組成物Bを得た。 −セパレータ(2)の作製− 実施例1において親水性塗布液組成物Aに代えて上記親
水性塗布液組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様に
してアクリル酸モノマーが基材表面にグラフトされた比
較用のセパレータ(2)を作製した。 【0052】<評価>得られたセパレータ(1)及び
(2)に対して、電解液に対する保液性、耐久性につい
て評価した。評価方法・基準は、以下の通りである。 【0053】−保液性− 上記各セパレータから試験片(10cm×10cm)を
採取し水分平衡状態とした。このときの重量W0(m
g)を測定した。この試験片を比重1.30のKOH溶
液中に1時間に浸漬した後、液中から引き上げて10分
間放置した後の重量W1(mg)を測定した。これらの
測定結果(W0及びW1)から以下の式により電解液保液
率を求めた。 電解液保液率(%)=(W1−W0)/W0×100 【0054】−耐久性− 厚さ1cmで、弾性率2.1MPaのシリコンゴム製の
平板の上に、上記各セパレータから採取した試験片(1
0cm×10cm)の両端を固定した。その上に、長さ
20cmで重さ1kgの鏡面加工したステンレス棒(ロ
ール)を置き、10cm/秒の速度で試験片の表裏両面
に対して、それぞれ50往復ロールを回転させた。この
操作をしたものと、しないものについて前記の測定方法
により電解液保液率を測定し、その差を求めることによ
り耐久性を評価した。 【0055】表1に、セパレータ(1)及びセパレータ
(2)について、保液性と、耐久性とを評価した結果を
示す。 【0056】 【表1】 【0057】表1に示されるように、セパレータ(1)
はセパレータ(2)よりも電解液保液率が高く、保液性
に優れていることが確認された。また、セパレータ
(1)はセパレータ(2)よりもローラ処理の有無によ
る電解液保液率の差が小さいことから、表面に物理的な
応力を加えた後も保液性の低下は見られず耐久性に優れ
ていることが確認された。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば、電解液に対する保液
性、及び耐久性に優れたアルカリ電池用セパレータを提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 隆雄 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5H021 BB01 BB12 BB13 CC04 EE16 5H028 AA05 BB05 EE06

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 気液透過可能な多孔性基材上に、(A)
    架橋剤と反応し得る幹ポリマーに親水性ポリマー側鎖を
    導入してなる親水性グラフトポリマーと、(B)架橋剤
    と、を含有する親水性塗布液組成物を塗布し、乾燥、加
    熱することにより、架橋構造を有する親水性層を形成し
    てなることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
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