JP2003191403A - 積層樹脂フィルム及び積層体 - Google Patents

積層樹脂フィルム及び積層体

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JP2003191403A
JP2003191403A JP2002299439A JP2002299439A JP2003191403A JP 2003191403 A JP2003191403 A JP 2003191403A JP 2002299439 A JP2002299439 A JP 2002299439A JP 2002299439 A JP2002299439 A JP 2002299439A JP 2003191403 A JP2003191403 A JP 2003191403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着剤または粘着剤を介して任意の対象物に装
飾効果を与えると共に、屋外での耐候性を向上させた積
層樹脂フィルム及び積層体を提供する。 【解決手段】表面層(1)と、その下方に位置する1層以
上の下層(2)とを含み、表面層(1)と下層(2)とは積層さ
れて一枚のフィルムに形成されており、下層(2)の下側
には粘着剤層(3)又は接着剤層が形成され、さらにその
下に剥離紙(4)が貼り合わされている積層樹脂フィルム
であって、表面層(1)は全光線透過率が70%以上でかつ溶
剤と当該溶剤に可溶な反応性官能基を有するフルオロオ
レフィン系共重合体と、前記反応性官能基と反応する硬
化剤又は硬化触媒と、紫外線吸収剤又は酸化防止剤とを
含有する樹脂溶液から形成されたフッ素系樹脂で形成さ
れ、下層(1)を形成する層のうち少なくとも1層はウレ
タン系樹脂層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、任意の対象物の表
面に貼り付けるための積層樹脂フィルム及び積層体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外用のフィルムとして、塩化ビ
ニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂等の各
種合成樹脂を主成分とするフィルムが使用されてきた。
しかし塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を主成
分とするフィルムでは、比較的短期間の暴露により光沢
低下、クラックの発生や、汚染され易い、といった欠点
があり、長期耐久性は期待できなかった。又、フッ素系
樹脂フィルムに関しては、その樹脂フィルム自体の耐候
性は問題なく長期使用が可能であったが、その製法上高
温加熱が必要とされ、樹脂に添加された紫外線吸収剤は
ほとんど昇華し、製造されたフィルム内部には存在しな
いという事態が生じる欠点があった。このためフッ素系
フィルムが問題なく長期耐候性を保持しているにも関わ
らず、このフッ素系フィルムの下層例えば、粘着剤、印
刷インキ、粘着対象物の表面樹脂等の紫外線による劣化
を防ぐことができず、市場で大きな問題となっていた。
又、それらのフッ素系フィルムは、アクリル系樹脂フィ
ルム等と比較して透明性が劣り、又顔料分散性に劣るた
め透明性に優れた着色フィルムを製造することも困難で
あった。その上フッ素系樹脂は、その特性上外部との相
互作用が極めて小さな表面が形成されるため非粘着性を
示す。それ故、任意の対象物に貼着するために粘着剤、
接着剤等をフッ素フィルムに被着させるには、このフッ
素フィルムの表面にコロナ放電等の物理的処理を施す必
要があった。コロナ放電処理は電極とロールの間にフィ
ルムを通し、高電圧を印加してコロナ放電を発生する方
法であるが、適性な装置の選定に加えて電極近傍の雰囲
気の安定性に充分留意しなければ、安定した強固な接着
を得ることが難しい等の問題点があった。
【0003】これらの欠点を解決するため、フッ素系樹
脂と低温で溶融可能な樹脂と共押し出しして積層フィル
ムにした製品も市販されている。これは、この低温溶融
可能な樹脂層に紫外線吸収剤を添加して、被着体表面を
紫外線から保護し、またこの低温溶融可能な樹脂そのも
のにホットメルト接着剤の機能を付与して上記の欠点を
解決しようとしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
るため、フッ素系樹脂と低温で溶融可能な樹脂と共押し
出しして積層フィルムにした製品も市販されている。こ
れは、この低温溶融可能な樹脂層に紫外線吸収剤を添加
して、被着体表面を紫外線から保護し、またこの低温溶
融可能な樹脂そのものにホットメルト接着剤の機能を付
与して上記の問題を解決するものである。しかし、紫外
線が表面側のフッ素樹脂層を透過してしまうため、この
低温溶融可能な樹脂層が、紫外線により劣化し、積層フ
ィルムとしての耐久性を充分に発揮することができなか
った。結局、このような従来の技術では、表面層の耐久
性と、その下層の耐久性とを両立させることは困難であ
ると諦められていた。
【0005】本発明は、上記従来の問題を解決するた
め、接着剤または粘着剤を介して任意の対象物に装飾効
果を与えると共に、屋外での耐候性を向上させた積層樹
脂フィルム及び積層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の積層樹脂フィルムは、表面層と、前記表面
層より下方に位置する1層以上の下層とを含み、前記表
面層と前記下層とは積層されて一枚のフィルムに形成さ
れており、前記下層の下側には粘着剤層又は接着剤層が
形成され、さらに前記粘着剤層又は接着剤層に剥離紙が
貼り合わされている積層樹脂フィルムであって、前記表
面層は、全光線透過率が70%以上で、かつ、溶剤と当
該溶剤に可溶な反応性官能基を有するフルオロオレフィ
ン系共重合体と、前記反応性官能基と反応する硬化剤及
び/又は硬化触媒と、紫外線吸収剤及び/又は酸化防止
剤とを含有する樹脂溶液から形成されたフッ素系樹脂フ
ィルムで形成され、前記下層を形成する層のうち、少な
くとも1層はウレタン系樹脂層であることを特徴とす
る。
【0007】次に本発明の積層体は、前記の積層樹脂フ
ィルムの前記剥離紙を剥離した後、対象物の表面上に貼
り付けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明はフッ素系樹脂フィルムと
ポリウレタン系樹脂フィルムからなる屋外用の超高耐候
性を有し且つ透明性に優れた積層樹脂フィルムを提供す
るものであり、このような積層樹脂シートは接着剤また
は粘着剤を介して任意の対象物に装飾効果を与えると共
にこの対象物の屋外での耐候性を飛躍的に向上させるこ
とができる。即ち、本発明に係る積層樹脂フィルムは、
表面層と、少なくとも1つ以上の層を持った下層とを有
してなり、表面層と下層とは積層されることにより一枚
のフィルムを形成するものであり、前記下層に重ねて粘
着剤層又は接着剤層を形成し、さらに前記粘着剤層又は
接着剤層に剥離紙を貼り合わせてなる積層樹脂フィルム
であって、前記表面層は、全光線透過率が70%以上
で、かつ、溶剤と当該溶剤に可溶な反応性官能基を有す
るフルオロオレフィン系共重合体、前記反応性官能基と
反応する硬化剤及び/又は硬化触媒、紫外線吸収剤及び
/又は酸化防止剤を含有する樹脂溶液から形成されたフ
ッ素系樹脂フィルムにて形成され、前記下層をなす層の
うち少なくとも1つは、ウレタン系樹脂層であることを
特徴とするものである。
【0009】本発明においては、前記フッ素系樹脂フィ
ルムは、反応性官能基を有する溶剤に可溶なフルオロオ
レフィン系共重合体と、この反応性官能基と同一の反応
性官能基を有するアクリル系重合体と、この反応性官能
基と反応する硬化剤及び/又は硬化触媒との反応により
形成されていることが好ましい。
【0010】前記反応性官能基は、水酸基、エポキシ
基、カルボキシル基、シリルオキシカルボニル基のう
ち、少なくとも1つを有すること、かつ、前記硬化剤
は、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート、ア
ミノ樹脂、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物、ポ
リカルボキシ化合物、ポリシリルオキシカルボニル化合
物のうち、少なくとも1つを有するものであることが好
ましい。
【0011】前記反応性官能基は、水酸基であることが
好ましい。
【0012】前記ウレタン系樹脂層は、平均分子量約6
00〜約5000の高分子量ジオールとポリイソシアネ
ートとを重合させることによって得られるポリウレタン
樹脂からなることが好ましい。
【0013】前記ウレタン系樹脂層は、無黄変型ウレタ
ン樹脂であることが好ましい。
【0014】前記ウレタン系樹脂フィルムは、100%
伸長時引張り強度が、約30kg/cm 2〜約600kg/cm2
の範囲内にあることが好ましい。
【0015】本発明の前記積層体においては、前記対象
物が、再帰反射シートであることが好ましい。
【0016】本発明は、鋭意研究を重ねた結果、表面層
としてフッ素系樹脂フィルムを、下層にウレタン系樹脂
フィルムを使用することにより極めて耐久性に優れかつ
透明性、着色性にも優れその上、表面フッ素系樹脂層で
確実に紫外線を遮断できる積層樹脂フィルムが得られる
ことが見いだされ、完成するに至った。即ち本発明は、
上記の通り、フッ素系樹脂フィルムからなる表面層に、
ウレタン系樹脂層を積層することにより積層樹脂フィル
ムを形成するものである。
【0017】上記表面層をなすフッ素系樹脂フィルム
は、厚さ約0.5〜300μmで全光線透過率が約50
%以上であり、上記下層をなすウレタン系樹脂層は、厚
さ約1〜500μmで100%伸長時の引張り強度が約
30kg/cm2〜600kg/cm2の範囲にある。従って、こ
のような数値特性を得るべく、本発明に係る積層樹脂フ
ィルムは、表面層が、フッ素系樹脂フィルムにて形成さ
れ、その厚さは約0.5〜300μmに調整され、特に
好ましくは約2〜200μmに、最も好ましくは約3〜
100μmに調整されるのが好適である。上記厚さが約
0.5μm未満の場合は、下層の保護の為の紫外線遮断
効果が乏しく又、長期使用の為のフィルム強度も乏しく
好ましくない。又上記厚さが約300μmを越える場合
は、均一でフラットなフィルムを形成するのが困難にな
る。その上剛直性が増し、作業性が悪くなり、コストも
高くなるため、好ましくない。又、表面層は、全光線透
過率が約50%以上、好ましくは約60%以上、更に好
ましくは70%以上になるように調整される。全光線透
過率が50%未満の場合は、下地の鮮映性が損なわれ、
透明着色性を損なうので好ましくない。下層をなすウレ
タン系樹脂層は、その厚さが約1〜500μmに調整さ
れ、好ましくは約2〜400μmに、特に好ましくは約
3〜300μmに調整されるのが好適である。上記厚さ
が約1μm未満の場合には、着色層として使用するに際
し、顔料の含有率が高くなり過ぎ、ウレタンの特長であ
る強伸性が低下して好ましくなく、又、500μmを越
える場合は、均一でフラットなフィルムを形成するのが
困難になる。その上、コストも高くなるため、好ましく
ない。又、下層は、100%伸長時の引張り強度が約3
0kg/cm2〜600kg/cm2、好ましくは約40kg/cm2
〜500kg/cm2、特に好ましくは約50kg/cm2 〜4
00kg/cm2に調整されるのが好適である。100%伸
長時の引張り強度が約30kg/cm2未満の場合は、フィ
ルムの腰がなくなる上に、フィルムのブロッキング等が
生じて好ましくない。約600kg/cm2を越える場合
は、フィルムの剛直性が増し、曲面等の3次元貼り適性
が低下して好ましくない。
【0018】表面層として使用されるフィルムは、汎用
溶剤に対する溶解性が良くフィルムを製造する上での作
業上の点からすれば、フルオロオレフィン類の共重合体
あるいはフルオロオレフィン類とフルオロオレフィン以
外の単量体との共重合体(以下、これらをフルオロオレ
フィン系共重合体とも称する)を主成分とするものが挙
げられる。
【0019】このような、フルオロオレフィン系共重合
体を調整するに際して使用されるフルオロオレフィンの
具体的なものとしては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ンおよびC1〜C18なる(パー)フルオロアルキルトリ
フルオロビニルエーテル等が挙げられる。これらのフル
オロオレフィンを2種以上共重合することによりフルオ
ロオレフィン類のみを単量体成分とする共重合体が得ら
れる。又、前記フルオロオレィン類とこれらと共重合可
能な単量体類との共重合により溶剤に可溶なフルオロオ
レフィン系共重合体を調整することができる。このフル
オロオレフィン類と共重合可能なビニル系単量体の具体
的なものとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル等の
アルキル若しくはシクロアルキルビニルエーテル類、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、パーサイフク酸ビニル、安息香酸ビニル、p
−t−ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン
酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のカルボン酸ビニルエ
ステル類、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−
ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエー
テル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
水酸基を有する単量体類、アクリル酸、メタアクリル酸
の如きカルボキシル基を含有する単量体類、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチルビニルエーテルの如きアミノ基を有
する単量体類、グリシジルビニルエーテル、グリシジル
(メタ)アクリレートの如きエポキシ基を有する単量体
類、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシ
ラン、2−トリメトキシエチルビニルエーテル、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランの如き加水分
解性シリル基を有する単量体類、2−トリメチルシリル
オキシエチルビニルエーテル、4−トリメチルシリルオ
キシブチルビニルエーテルの如きシリルオキシ基を有す
るビニル系単量体類、トリメチルシリル(メタ)アクリ
レート、ビニル−5−トリメチルシリルオキシカルボニ
ルペンタノエートの如きシリルオキシカルボニル基を有
する単量体類、更にエチレン、プロピレン、塩化ビニ
ル、各種アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。このような単量体のうち、共重合性、塗膜性能等の
点から、官能基を有しないビニルエステルやビニルエー
テル類を必須成分として使用することが特に好ましく、
更に、必要に応じて前記した如き反応性官能基を有する
単量体を共重合すれば良い。
【0020】本発明を実施するに当たって用いられるフ
ルオロオレフィンとフルオロオレフィン以外の単量体と
の共重合体として好適なものとしては、フルオロオレフ
ィン約15〜70重量%、反応性官能基を含有するビニ
ル系単量体約0〜30重量%及び、これらと共重合可能
な他の単量体類約5〜85重量%を共重合して成るもの
である。フルオロオレフィンの使用量が約15重量%未
満では耐久性と防汚効果が不充分であるし、約70重量
%を越えると汎用溶剤への溶解性が低下して作業性を悪
くするので好ましくない。又使用される共重合体の重量
平均分子量としては、作業性とフィルムの耐久性の点か
ら、約5000〜400000、更には、約7000〜
300000の範囲内にあることが好ましい。
【0021】このようなフルオロオレフィン系共重合体
の具体的なものあるいは調整方法の具体例は、特開昭5
3−96088号公報、特開昭57−34107号公
報、特開昭59−102962号公報、特開昭61−1
13607号公報、特開昭61−57609号公報、特
開昭61−141713号公報、特開昭62−8413
7号公報、特開昭62−185740号公報、特開昭6
4−29450号公報等に記載されている通りである。
又、本発明で使用されるフルオロオレフィン系共重合体
の調整方法として、予め調整したフルオロオレフィンと
カルボン酸ビニルエステルを必須成分とする共重合体を
加水分解して水酸基を有する重合体に変換したり、水酸
基を有するフルオロオレフィン系重合体に2塩基酸無水
物を付加することによりカルボキシ基を有する重合体に
変換したりする方法も採用できる。
【0022】前述のフルオロオレフィン系重合体のうち
反応性官能基として水酸基を含有する共重合体の市販品
の代表的なものには、大日本インキ化学工業株式会社製
“フルオネート”(商品名)K−700、K−701、
K−702、K−703、K−704、旭硝子株式会社
製“ルミフロン”(商品名)LF−100、LF−20
0、LF−300、LF−400、LF−500、LF
−600、セントラル硝子株式会社製“セフラルコー
ト”(商品名)A−101B、A−201TB、A−1
00TMBなどがある。
【0023】本発明の積層樹脂フィルムの表面層である
フッ素系樹脂フィルムは、前述の通りフルオロオレフィ
ン系共重合体とアクリル系重合体から調整することもで
きる。ここにいうアクリル系重合体とは、アクリル酸エ
ステル若しくはメタアクリル酸エステルを必須成分とす
る単独重合体または共重合体であり、前記した如き反応
性官能基を有するもの及び有しないもののいずれもが使
用可能である。このアクリル系重合体としては公知慣用
の各種のものが使用できるが、耐久性及び作業性の点か
ら、重量平均分子量として約5000〜400000、
さらには約7000〜300000を有するものが特に
好ましい。表面層用の樹脂として前記した通りフルオロ
オレフィン系共重合体とアクリル系重合体を併用する場
合には、前者と後者の比率は重量比で、約30:70〜
約98:2、更に好ましくは約40:60〜約95:5
の範囲内にあることが望まれる。アクリル系重合体の使
用量が約2%未満では付与したいアクリル系重合体の特
性が発揮されないし、約70重量%を越えると耐久性と
防汚効果が不充分となるので好ましくない。
【0024】本発明の積層樹脂フィルムを形成するに際
して、フルオロオレフィン系共重合体及びアクリル系重
合体は有機溶剤に溶解した形で使用される。フルオロオ
レフィン系共重合体もしくはブレンドされるアクリル系
重合体が前記した如き反応性官能基を有する場合には、
硬化剤として当該反応性官能基と反応する官能基を有す
るものを配合することもできる。反応性官能基として加
水分解性シリル基を有する場合には、酸類、塩基あるい
は各種有機錫化合物の硬化触媒を配合できる。又、既述
の通り、硬化剤を配合させる場合にも、硬化反応を促進
するに適した触媒を添加することもできる。フルオロオ
レフィン系共重合体の反応性官能基が水酸基若しくはシ
リルオキシ基の場合には、ポリイソシアネート、ブロッ
クポリイソシアネート、アミノ樹脂、金属アルコキシド
若しくは金属キレート化合物等を、又反応性官能基がエ
ポキシ基の場合には、ポリカルボキシ化合物、ポリシリ
ルオキシカルボニル化合物、ポリアミン化合物等を、更
に反応性官能基がカルボキシル基若しくはシリルオキシ
カルボニル基の場合には、ポリエポキシ化合物、エポキ
シシラン化合物、金属キレート化合物等を、又更に反応
性官能基がアミノ基の場合には、ポリエポキシ化合物も
しくはエポキシシラン化合物を、硬化剤として配合でき
る。フルオロオレフィン系共重合体或いはフルオロオレ
フィン系共重合体とアクリル系共重合体のブレンド物に
硬化剤としてアミノ樹脂を配合する場合には、前記ベー
ス樹脂成分約100重量部に対してアミノ樹脂を約5〜
100重量部好ましくは約10〜60部配合すれば良
い。
【0025】又、アミノ樹脂以外の硬化剤を配合する場
合には、フルオロオレフィン系共重合体あるいはフルオ
ロオレフィン共重合体とアクリル系重合体ブレンド物中
の反応性官能基1当量に対して硬化剤中の官能基が約
0.2〜2.5当量、更に好ましくは約0.5〜1.5
当量の範囲内となる様に硬化剤を配合すれば良い。
【0026】前述した表面層を形成するために使用され
る組成物には、紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤の双方を
添加して表面層に、これらを含有せしめることにより長
期耐久性をいっそう向上させることができた。このよう
な紫外線吸収剤としては公知慣用のものを使用でき、代
表的なものとしてはヒドロキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル
系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、不飽和ニトリル
系化合物等が挙げられる。酸化防止剤の代表的なものと
しては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノ
ール系化合物、ホスファイト系化合物等があり、これら
の使用が好適である。
【0027】又、有機溶剤としては従来の周知のものが
使用可能であり、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、エチルセロソルブアセテート等のエステル系、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
系、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、
エチルシクロヘキサン等の脂肪族もしくは脂環族系炭化
水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤類等が挙げられ
る。これらのうち、硬化剤にポリイソシアネート化合物
を使用する場合には、アルコール系溶剤の使用は避けな
ければならない。
【0028】図1に示すように、表面層1と下層2とを
有する本発明の実施例の積層樹脂フィルムにおいて、下
層2を構成する樹脂フィルムは、ポリウレタン系樹脂で
形成される。ポリウレタン系樹脂としてはポリオールと
ポリイソシアネートとを反応せしめることにより得られ
るポリウレタン樹脂からなる樹脂組成物であれば良い。
更に、イソシアネート基と反応する基を2個以上有する
低分子の化合物を鎖伸長剤として、使用すればより好適
である。本発明に使用されるポリオールとしては、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオールの単独或
いはこれらの混合物が好適である。又特に好適なポリオ
ールとしては、高分子量ジオールが掲げられる。高分子
量ジオールとして用いられるものとしては、ポリエステ
ル系ジオール、ポリエーテル系ジオールの単独あるいは
これらの混合物が使用できる。
【0029】使用に適したポリエステル系ジオールとし
ては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、3,3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレング
リコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール等の1種又は2種以上
のジオールと、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グ
ルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘ
キサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸の1種又は2
種との縮合物などである。
【0030】前記ジオールを開始剤とするγ−ブチロラ
クトン、ε−カプロラクトン等の開環重合物も挙げられ
る。更にまたポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオ
ール等のポリ炭酸エステルジオールも挙げられる。ポリ
エーテル系ジオールとしては、ポリエステル系ジオール
の項で前記したジオールを開始剤とするエチレンオキサ
イドの単独あるいは2種以上の開環重合物などである。
又テトラヒドロフランの開環重合物も、使用可能なもの
として挙げられる。特に上記したジオールのうち数平均
分子量が約600〜5000の高分子量ジオールが好適
である。一方において、数平均分子量が約600未満で
あると塗膜が硬くなりすぎ、又ウレタン樹脂を重合する
上で必要とするジオールのモル数が増加し、それにとも
なってイソシアネート量も増加するので、結晶性が上が
り塗膜が失透すると共に溶剤への溶解性も低下し、フィ
ルム加工上の作業性も悪くなる。又、数平均分子量が約
5000を越えると塗膜の強度が極端に低下し、積層フ
ィルムの加工適性が悪くなる。さらに上記した数平均分
子量約600〜5000の高分子量ジオールの中で耐光
性、耐加水分解性が優れる点でポリ(アルキレンカーボ
ネート)ジオールを用いれば好適である。
【0031】イソシアネート基と反応する基を2個以上
有する低分子の化合物としてはポリオールやポリアミン
の1種又は2種以上の混合物が使用できる。とりわけ鎖
伸長剤において、好適な低分子量の化合物としては、ジ
オールやジアミン類が挙げられる。このジオールとして
好適なものは、例えば、エチレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール等である。又このジアミ
ン類として好適なものは、エチレンジアミン、1,2−
プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,
N'−ジアミノピペラジン、2−メチルピペラジン、
4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロ
ンジアミン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を
併用できる。更にはモノイソシアネート、3官能以上の
イソシアネートを用いてもよい。上述の鎖伸長剤のなか
でも、とりわけ数平均分子量が約200以下の低分子量
ジアミンが好適である。数平均分子量が約200を越え
るとウレタン樹脂の凝集力が低下し、ウレタン樹脂の特
長である強伸度が出なくなり好ましくない。
【0032】ポリイソシアネートとしては例えば、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシリレンイソシアネー
ト等の脂肪族或いは脂環族ジイソシアネートやトリフェ
ニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチ
レンポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリ
イソシアネート、アルファネート基を含むポリイソシア
ネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネート
などが適切である。更に上述のポリイソシアネートの中
でも、耐候性等がすぐれる点で脂肪族或いは脂環族ジイ
ソシアネートがより好適である。上記したポリウレタン
系樹脂は、有機溶剤中で溶液重合することにより得られ
る。
【0033】有機溶剤としては、ジメチルフォルムアミ
ド、セロソルブアセテート、酢酸エチル、メチルエチル
ケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、イソプロパノ
ール、シクロヘキサノン等の有機溶剤を使用することが
できる。溶液反応は、通常有機溶剤中で、必要に応じて
触媒の存在下、約50〜120℃の反応温度で、5〜1
0時間行われる。上記反応において高分子量ジオールと
イソシアネートと鎖伸長剤の反応順序も特に制限されな
いが、通常高分子量ジオールとジイソシアネートとをイ
ソシアネート基の過剰条件で反応せしめて、末端イソシ
アネート基のウレタンプレポリマーを得、これと鎖伸長
剤を反応させる方法が採用されることが多い。ジオール
とジイソシアネート、必要に応じて用いられる鎖伸長剤
の反応割合は特に制限されないが、通常ジオールと鎖伸
長剤の合計活性水素原子量を1.00当量としたとき、
約0.95〜1.10当量となる重量割合である。
【0034】ポリウレタン樹脂を製造するに際し、必要
ならば触媒及び安定剤を使用することができる。触媒と
しては例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミ
ン、モルホリン等の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステ
アリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩、ジブチル錫ジ
ラウレートの如き有機金属化合物が挙げられる。安定剤
としては、置換ベンゾトリアゾール類などの紫外線に対
する安定剤、フェノール誘導体などの熱酸化に対する安
定剤などを加えることができる。これらの触媒や安定剤
は、ポリウレタン樹脂を製造する際に任意の段階で加え
ることができる。本発明に、使用可能なポリウレタン系
樹脂には、紫外線吸収剤又は酸化防止剤或いはこの双方
を添加して長期耐久性をいっそう向上させることができ
る。このような紫外線吸収剤としては、従来周知のもの
が使用でき、代表的なものとしてはヒドロキシベンゾフ
ェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチ
ル酸エステル系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、不
飽和ニトリル系化合物等が挙げられる。酸化防止剤の代
表的なものとしてはヒンダードアミン系化合物、ヒンダ
ードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物等があ
る。更に本発明に使用可能なポリウレタン系樹脂には、
必要に応じて加水分解防止剤、顔料、染料、増粘剤、消
泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、難燃剤、消臭剤、分散
剤、粘着付与剤樹脂、充填剤、架橋剤等を添加すること
ができる。尚、本発明では上記ポリウレタン樹脂と共
に、必要ならば通常用いられているその他の樹脂、例え
ばポリウレタン樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合
体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル系共重合体、ポリ
ビニルブチラール系樹脂、繊維素系樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂等を併用することもでき
る。又、上記ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、通常
約5000〜100000、中でも約2000〜500
00であることが好ましい。
【0035】図1に示される積層樹脂フィルムの製造
は、第1工程にて、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムや工程紙の如き支持フィルム上に乾燥膜厚が約0.5
〜300μm、好ましくは約2〜200μm、更に好ま
しくは約3〜100μmになるように、前記表面層1用
の塗料を塗布し、未乾燥の状態で、あるいは常温もしく
は加熱により乾燥する。次に第2工程において、前記下
層フィルム用の塗料を乾燥膜厚約1〜500μm好まし
くは約2〜400μmになるように塗布し、常温もしく
は加熱により乾燥する。この第1及び第2工程によっ
て、積層樹脂フィルムの製造がなされる。又、上記第1
及び第2工程における塗料塗布後の乾燥条件は、塗料原
料として使用されるベース樹脂の種類、ベース樹脂中の
反応性官能基の種類、硬化剤の種類、および溶剤の種類
に応じて適宜決定される。上記各工程における塗料の塗
布は、スプレー塗装によっても良いし、ナイフコータ
ー、コンマコーター、ロールコーター、リバースロール
コーター、フローコーター等の通常用いられる塗装装置
を使用して行うこともできる。また本発明の積層樹脂フ
ィルムの各層を形成するために使用される塗料として顔
料を含まないクリヤー塗料を使用することにより着色の
ない積層樹脂フィルムが得られるが、図1の表面層1及
び下層2を形成する塗料として顔料含む着色塗料を使用
することにより着色した積層樹脂フィルムを得ることも
できる。このような着色塗料を得る際に使用される顔料
としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーン、キナクリドンレッドもしくはハンザイエローのよ
うな有機系顔料や酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、チタ
ンホワイト、コバルトブルーの如き無機系顔料等公知の
ものが適している。
【0036】上記工程を経て得られる本発明に係る積層
樹脂フィルムは、前述の通り下層のウレタン系樹脂フィ
ルムが形成された後、このウレタン系樹脂フィルムに重
ねて粘着剤層3又は接着剤層を形成し、更に、この粘着
剤層3又は接着剤層に剥離紙4を貼合わせて、最終製品
とする(図1)。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例について、具体的に説
明するが、記載の数値は特に断りのない限り基準的なも
のであり、このような数値に限定するものではない。
【0038】
【実施例1】図1に示す表面層1用の樹脂組成物を調整
するに当り、フッ素樹脂として“フルオネートK−70
3”(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、重量平
均分子量40000、固形分水酸基価72、不揮発分約
60%)、硬化剤としてアミノ樹脂“スーパーベッカミ
ンJ−820−60”(大日本インキ化学工業株式会社
製商品名、不揮発分約60%)、硬化触媒として“ネイ
キュアー3525”(楠本化成株式会社製商品名)、紫
外線吸収剤として“チヌビン900”(チバガイギー社
製商品名)、酸化防止剤として“チヌビン292”(チ
バガイギー社製商品名)を使用した。この実施例1にお
ける表面層1用樹脂組成物の配合例(数値は重量部)を
掲げると、フルオネートK−703が約100部、スー
パーベッカミンJ−820−60が約30部、ネイキュ
アー3525が約2部、チヌビン900が約1部、チヌ
ビン292が約1部である。そして、前記組成物を支持
フィルムに乾燥膜厚が約20μmになる様に塗布し、約
140℃で約10分間加熱乾燥を行い、表面層1用のフ
ィルムを得た。続いて上記表面層1フィルム側にポリカ
ーボネート系無黄変型ウレタン樹脂“NY−331”
(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、不揮発分約
25%、溶剤DMF、100%モジュラス約55kg/cm
2)を用い、乾燥膜厚が約20μmになるように塗布
し、約140℃で約10分間加熱乾燥を行った。こうし
て得られた積層樹脂フィルムの表面に、図1に示す通
り、アクリル系粘着剤“ファインタックSPS−101
6”(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)約10
0重量部と架橋剤“ファインタックTA−101−K”
(商品名)約2重量部の混合溶液を塗布し、乾燥して厚
さ約35μmの粘着剤層3を形成し、さらに、この粘着
剤層に塗布面をシリコンコートした剥離紙4を貼り合わ
せて最終製品とした。
【0039】
【実施例2】この実施例2において、積層樹脂フィルム
は、表面層1の樹脂組成物の配合液を下記のように変更
する以外は、構造、寸法、及び製造方法等は、前記実施
例1の場合と同様である。詳述すると、この実施例での
表面層1用樹脂組成物の配合例(数値は重量部)は、
“フルオネートK−700”(大日本インキ化学工業株
式会社製商品名、重量平均分子量約70000、固形分
水酸基価48、不揮発分約50%)が約100部、“ス
ミマールM−100C”(住友化学工業株式会社製商品
名、不揮発分約100%)が約15部、“ネイキュアー
3525”(商品名)が約1.3部、“チヌビン90
0”(商品名)が約1部、“チヌビン292”(商品
名)が約1部である。
【0040】
【実施例3】本実施例3の積層樹脂フィルムは、表面層
1の樹脂組成物の配合液を下記のように変更する以外
は、構造、寸法、及び製造方法等は、実施例1の場合と
同様である。詳述すると、この実施例での表面層1用樹
脂組成物の配合例(数値は重量部)は、重量平均分子量
約45000なるヘキサフルオロプロピレン/エチルビ
ニルエーテル/ベオバー9/アジピン酸モノビニル=5
0/15/20/15(重量比)共重合体の溶液(“ベ
オバー9”:オランダ国シェル社製商品名の分岐脂肪酸
のビニルエステル、溶剤は、トルエン/n−ブタノール
=70/30重量比の混合溶剤、不揮発分約50%)が
約100部、エポキシ当量170なるソルビトールポリ
グリシジルエーテルが約7.4部、ジアザビシクロオク
タンが約0.6部、チヌビン900が約1部、チヌビン
292が約1部である。
【0041】
【実施例4】この実施例4の積層樹脂フィルムも、表面
層1用の樹脂組成物の混合液を下記のように変更する以
外は、構造、寸法、及び製造方法等は、実施例1の場合
と同様である。詳述すると、表面層1用樹脂組成物の配
合例(数値は重量部)は、重量平均分子量約30000
なるテトラフルオロエチレン/ピバリン酸ビニル/エチ
ルビニルエーテル/トリメトキシシリルエチルビニルエ
ーテル=40/25/15/20(重量比)共重合体の
溶液(溶剤:トルエン/n−ブタノール=70/30重
量比の混合溶剤、不揮発分:約50%)が約100部、
そして、ジブチル錫ジアセテートが約0.5部、“シー
ソーブ102”(白石カルシウム株式会社製商品名)が
約1部である。
【0042】
【実施例5】この実施例5の積層樹脂フィルムも、表面
層1用の樹脂組成物の混合液を下記のように変更する以
外は、構造、寸法、及び製造方法等は、実施例1の場合
と同様である。詳述すると、表面層1用樹脂組成物の配
合例(数値は重量部)は、フルオネート K−700が
約100部、重量平均分子量20,000のイソブチル
メタアクリレート/n−ブチルアクリレート/β−ヒド
ロキシエチルメタアクリレート=65/20/15(重
量比)共重合体の溶液(溶剤はトルエン/酢酸ブチル=
70/30重量比の混合溶剤、不揮発分約50%)が約
30部、“バーノックDN−980”(大日本インキ化
学工業株式会社製商品名、ポリイソシアネート樹脂、不
揮発分約75%、イソシアネート含有率約15.0%)
が約26. 4部、チヌビン900が約1部、チヌビン2
92が約1部である。
【0043】
【比較例1】次に比較例について説明する。先ずこの比
較例において、片面にコロナ放電処理が施された市販の
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体フィルムの
コロナ放電処理面に、シリコーンコートした剥離紙に乾
燥膜厚が約35μmになるように塗布されたアクリル系
粘着剤を、貼り合わせてサンプルとした。このとき使用
したアクリル系粘着剤と架橋剤は、配合及び乾燥につい
て上述の各実施例と同様である。
【0044】下記表1に各実施例及び比較例の初期値
(貼り付け基板はABS)を示し(全光線透過率(%)
はフィルム単体の透過率を測定した。)、表2にサンシ
ャイン促進耐候性テスト(1000時間テスト後)の結
果を示す。又表3にQUV促進耐候性テスト(1000
時間テスト後)の結果を示す。表4は貼り付け基板をア
ルミニウムとした場合の初期値を示している。更に、表
5にサンシャイン促進耐候性テスト(12000時間テ
スト後)を示す。各表において、サンプル1は実施例1
の結果、サンプル2は実施例2の結果、サンプル3は実
施例3の結果、サンプル4は実施例4の結果、サンプル
5は実施例5の結果、サンプル0は比較例の結果、サン
プルAはABS板の結果を示している。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】尚、実施例及び比較例で行った試験の方法
は、下記の通りである。全光線透過率については、分光
光度計(島津製作所製)を用い、JISK−6718に
準拠して測定した。光沢度については、デジタル変角光
沢計(スガ試験機株式会社製)を用い、JISZ874
1(鏡面光沢度測定方法)に規定する方法2(60度鏡
面光沢)によって測定した。但し、アルミニウム基板に
貼付したテストピースに関しては75度鏡面光沢によっ
て測定した。色相について、SMカラーコンピューター
(スガ試験機株式会社製)を用い、JISZ8722の
4.3.1の条件aの測定に準拠して色の測定を行っ
た。色差については、CIE1976(L ***)色
空間において、次の数1によって計算した。
【0051】
【数1】
【0052】第1促進耐候性試験(QUVウェザォメー
ター)については、積層樹脂フィルムを市販のABS板
(新神戸電気株式会社製)に貼り付け、十分室温で放置
した後、QUV(TheQ−Panel Compan
y:ザキューパネル社製)で促進試験を行った。このと
きの暴露条件は、ブラックパネル温度約60℃にてUV
光照射4時間及びブラックパネル温度約50℃にて結露
約4時間を1サイクルとした。約1000時間経過時に
測定し、外観検査として、変色、ふくれ、ひび割れ、ス
ケールの発生、端のはがれ、腐食、汚染などを調べた。
第2促進耐候性試験(サンシャインウェザォメーター)
については、積層樹脂フィルムを市販のABS板(新神
戸電気株式会社製)に貼り付け、十分室温で放置した
後、デューサイクル・サンシャインースーパーロングラ
イフウェザォメーター(スガ試験機株式会社製)を用
い、JISZ−9117の7.5の(2)に示す方法で暴
露し測定した。約1000時間経過時に測定し、外観検
査として、変色、ふくれ、ひび割れ、スケールの発生、
端のはがれ、汚染などを調べた。表4の試験について
は、貼り付け基板をアルミニウムに変更し、促進時間を
約12000時間とした以外は、上記第2促進耐候性試
験の場合と、ほぼ同様である。
【0053】以下、試験及びその結果について総括す
る。キャスティングによる製法のため、フィルム外観
は、均一にフラットであり、従来のフッ素系フィルム製
品に見られるダイ筋、ピンホールは発生しない。各実施
例のサンプルは、透明性(全光線率約93%)と優れた
着色性を有している。従来のフッ素系フィルム製品は、
フッ素含有率の関係で静電気が非常に発生しやすく、ゴ
ミ、チリ等が付着して作業性が悪いが、本発明に係るフ
ィルムは、通常のマーキングフィルムと同様の作業が可
能である。従来のフッ素系フィルム製品は、フィルム面
にコロナ放電処理を行わなければ粘着剤の接着力が発現
しない。従って、シート同志の継ぎ貼りのときに必要な
重ね貼りの作業ができない。これを解決するためにコロ
ナ放電処理を行ったとしても、その効果は経時に減少
し、又、コロナ放電処理効果が十分に発揮されている間
に使用されたとしても反対にフッ素フィルムの特徴で
ある非粘着性を失ってしまうという問題が発生する。一
方、本発明に係るフッ素系フィルムは、重ね貼りに何ら
問題がなく使用が可能である。本発明に係るフィルム
は、紫外線を確実にカットするので、下層の保護を十分
に果たすことが可能である。これに対して従来品は、既
述の通り、UVAを含有させることができないので、フ
ッ素系フィルム自体は、十分に耐久性を保持しているに
もかかわらず、下層が劣化するという問題が生じる。こ
の点を解決するために、粘着剤層にUVAを添加して紫
外線カットを試みているが、フッ素系フィルムと粘着剤
の界面で粘着剤の劣化が起こり、粘着剤分子の切断、架
橋反応が生じる。その結果粘着剤の性能が損なわれて、
フィルムの剥離、収縮、めくれ上がり等の問題が生じて
くる。このような問題点を本発明の実施により解決され
た。更に、本発明の実施にフッ素系インキ(紀和化学工
業株式会社製、FFシリーズ)を使用することにより、
スクリーン印刷が可能となり、さまざまなデザインを付
与することができる。これは、従来のフッ素系フィルム
製品がインキを密着させることができないのに比して、
著しく優れた効果を得るものである。更に、必要な着色
を施した本発明に係るフィルムを、従来から市販されて
いる再帰反射シート等に重ね貼りを行えば、印刷が不要
となる。従来は、再帰反射シート等の表面にスクリーン
印刷を行って各種デザイン物及び標識等の製作を行って
いたが、シートの耐候性に比較して印刷インキの耐候性
が悪く、どうしてもインキの変退色は避けられなかっ
た。そのために、印刷後にクリヤーコート加工すること
が欠かせなかった。従ってこれらに二次加工を施すのに
非常に手間がかかり、又少量のデザイン物のためにもそ
の都度、スクリーンを作製しなくてはならず、コストも
高くなった。このような点についても本発明に係るフィ
ルムは、コンピュータカットを施して、必要なデザイン
物を作製することが容易に行え、人件費及びスクリーン
の節約が可能となり、作業環境の向上をも実現し得るも
のである。
【0054】
【発明の効果】本発明の実施によって、屋外用の超高耐
候性を有し且つ透明性に優れた積層樹脂フィルムを提供
することが可能となった。このような積層樹脂シート
は、接着剤または粘着剤を介して任意の対象物に装飾効
果を与えると共に、屋外での耐候性を飛躍的に向上させ
ることができる。又、表面層及び下層の特に優れた積層
樹脂フィルムを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 表面層 2 下層 3 粘着剤層又は接着剤層 4 剥離紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/04 C08L 33/04 C09J 7/02 C09J 7/02 Z Fターム(参考) 4F100 AK17A AK17K AK25C AK51B AL06A BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 CA02A CA06A CA07A CA30A CC00A GB90 JA07B JB08A JD09 JK01B JL09 JL11C JL13C JN01A YY00A YY00B 4J002 BD05X BD13W BD14W BD15W BE04X BF02X BG01X BG02X CD20X CP14X EJ066 EJ067 EU077 EW067 FD056 FD077 FD12W FD16W GA01 GF00 4J004 AB01 CA03 CA04 CA06 CC02 CC03 CD01 CD06 FA01 FA08 4J034 DA01 DA05 DP03 DP15 DP18 HA01 HA06 HD00 RA05 4J036 AJ05 AK09 AK10 DB14 DC02 DC46 FB03 FB04 JA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面層と、前記表面層より下方に位置する
    1層以上の下層とを含み、前記表面層と前記下層とは積
    層されて一枚のフィルムに形成されており、 前記下層の下側には粘着剤層又は接着剤層が形成され、 さらに前記粘着剤層又は接着剤層に剥離紙が貼り合わさ
    れている積層樹脂フィルムであって、 前記表面層は、全光線透過率が70%以上で、かつ、溶
    剤と当該溶剤に可溶な反応性官能基を有するフルオロオ
    レフィン系共重合体と、 前記反応性官能基と反応する硬化剤及び/又は硬化触媒
    と、 紫外線吸収剤及び/又は酸化防止剤とを含有する樹脂溶
    液から形成されたフッ素系樹脂フィルムで形成され、 前記下層を形成する層のうち、少なくとも1層はウレタ
    ン系樹脂層であることを特徴とする積層樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】前記フッ素系樹脂フィルムは、反応性官能
    基を有する溶剤に可溶なフルオロオレフィン系共重合体
    と、前記反応性官能基と同一の反応性官能基を有するア
    クリル系重合体と、前記反応性官能基と反応する硬化剤
    及び/又は硬化触媒との反応により形成されたものであ
    る請求項1に記載の積層樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】前記反応性官能基は、水酸基、エポキシ
    基、カルボキシル基、及び、シリルオキシカルボニル基
    から選ばれる少なくとも一つであり、 前記硬化剤は、ポリイソシアネート、ブロックイソシア
    ネート、アミノ樹脂、ポリエポキシ化合物、ポリアミン
    化合物、ポリカルボキシ化合物、及び、ポリシリルオキ
    シカルボニル化合物から選ばれる少なくとも一つである
    請求項1又は2に記載の積層樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】前記反応性官能基が、水酸基である請求項
    1〜3のいずれかに記載の積層樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】上記ウレタン系樹脂層は、平均分子量60
    0〜5000の範囲の高分子量ジオールとポリイソシア
    ネートとを重合させることによって得られるポリウレタ
    ン樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の積層樹脂
    フィルム。
  6. 【請求項6】前記ウレタン系樹脂層は、無黄変型ウレタ
    ン樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の積層樹脂
    フィルム。
  7. 【請求項7】前記ウレタン系樹脂フィルムは、100%
    伸長時引張り強度が、30kg/cm2〜600kg/cm2の範
    囲内にある請求項1〜6のいずれかに記載の積層樹脂フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載の積層樹脂フィルムの
    前記剥離紙を剥離した後、対象物の表面上に貼り付けた
    ことを特徴とする積層体。
  9. 【請求項9】前記対象物が、再帰反射シートである請求
    項8に記載の積層体。
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