JP2003192948A - カラーフィルター用インクジェットインキ組成物、カラーフィルターおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルター用インクジェットインキ組成物、カラーフィルターおよびその製造方法

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JP2003192948A
JP2003192948A JP2001393864A JP2001393864A JP2003192948A JP 2003192948 A JP2003192948 A JP 2003192948A JP 2001393864 A JP2001393864 A JP 2001393864A JP 2001393864 A JP2001393864 A JP 2001393864A JP 2003192948 A JP2003192948 A JP 2003192948A
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Japan
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color filter
ink composition
inkjet ink
color
amino resin
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JP2001393864A
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English (en)
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Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Shingo Araki
慎悟 荒木
Masaaki Kishimoto
昌明 岸本
Yoshiro Yamaguchi
芳郎 山口
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット法によってカラーフィルター
の画素を形成するためのインキ組成物、および該インキ
組成物の、色純度、色濃度および透明性が高く、耐熱
性、耐溶剤性または耐薬品性、耐光性に優れた着色硬化
皮膜を有するカラーフィルターとその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 従来使用されてきたハロゲン化銅フタロ
シアニンに替えて、銅以外の特定の金属を有するハロゲ
ン化金属フタロシアニン、およびカルボキシル基または
フェノール性水酸基を有するアミノ樹脂を含有するカラ
ーフィルター用インクジェットインキ組成物を提供し、
さらには該インクジェット用インキ組成物の硬化皮膜層
を有するカラーフィルターとその製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー液晶ディスプ
レー、カラースキャナー、固体撮像素子等に用いられる
カラーフィルターに関し、さらに詳しくはインクジェッ
ト法によるパターン形成工程を経た後の耐久性を要求さ
れる用途に好適な耐久性に優れたカラーフィルター用イ
ンクジェットインキ組成物、カラーフィルターおよびカ
ラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、ブラックマトリッ
クスを設けた透明基板上に、それぞれ赤、緑、青の光の
3原色を選択的に透過するように、または、シアン、マ
ジェンタ、イエローの色の3原色を選択的に反射するよ
うに、色材を各画素部に配置することにより形成されて
いる。これらの利用分野として、カラー液晶ディスプレ
ー、カラースキャナー、固体撮像素子等がある。
【0003】カラーフィルターの形成方法として、フォ
トリソグラフィー法、電着法、印刷法およびインクジェ
ット法などが公知であり、現在、フォトリソグラフィー
法が主流となっているが、これは、光硬化性着色組成物
を基板に塗布し、パターン露光、次いで未露光部分を溶
解洗浄する工程を赤、青、緑またはシアン、マジェン
タ、イエローに関して三工程を繰り返してカラーフィル
ターを形成する工程数の多い方法である。これに対し、
画素である赤、青、緑またはシアン、マジェンタ、イエ
ローを一工程で形成できるインクジェット法は工程数が
少なく低コストであることから、注目を集めている。
【0004】インクジェット法によるカラーフィルター
形成法については、特開昭59−75205号公報、特
開昭61−245106号公報、特開昭63−2945
03号公報などに、染料インクを使用してインクジェッ
ト法で作製されたカラーフィルターが開示されている
が、着色剤が染料であるため、これらの方法で得られる
カラーフィルターは耐熱性や耐溶剤性に劣る。これに対
して、より高い耐熱性や耐溶剤性を有する着色層を得る
方法として樹脂と顔料を用いる方法が種々提案されてい
る。たとえば、特開平5−224007号公報には、メ
ラミン樹脂と着色剤とからなるインクジェットインキに
よるカラーフィルターが、特開平8−171010号公
報には、アクリルアミド系重合体を含む熱または光硬化
性インクジェットインキを用いたカラーフィルターが、
特開平10−17813号公報には、メラミン樹脂、ポ
リカルボン酸誘導体およびアミン系安定剤を主成分とす
るインクジェットインキを用いたカラーフィルターがそ
れぞれ開示されており、特開平7−188596号公報
には、熱硬化性樹脂と、分散剤として特定のアミンを用
いた熱硬化性インクジェット記録用インキが開示されて
いる。
【0005】最近、LCDの大型化に伴い、カラーフィ
ルター用材料に要求される特性としては、カラー液晶デ
ィスプレー製造工程に関わるものが多く、たとえば、I
TOなどの透明電極の蒸着またはスパッタリング工程、
あるいは焼成工程等で要求される耐熱性、洗浄工程や配
向膜塗布工程等で要求される耐溶剤性、さらに画像表示
時にはカラーフィルターを透過した光が画像情報となる
ため耐光性も要求される。
【0006】アクリル系樹脂を含有するインクジェット
インキを用いた場合、200℃を超えると樹脂が分解し
やすいといった欠点があった。これに対し、特開平5−
224007号公報には、耐熱性向上を目的としてメラ
ミン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いるインクジェットイ
ンキが開示されているが、この方法では、インキ中に、
硬化促進剤として有機酸や無機酸、あるいはこれらのア
ミン塩やアンモニウム塩などが添加されており、これら
が不純物として硬化塗膜中に残存し、ITO透明電極形
成時にスパッタリング装置を汚染したり、あるいはイン
クジェットインキの保存安定性を損なうなどの欠点を有
する。
【0007】一方、インクジェット法を用いたカラーフ
ィルターの製造において、従来の有機溶剤を使用したイ
ンクジェットインキが環境を汚染することから、水性イ
ンキを用いる手法が開示されている。特開平8−319
444号公報には、水性顔料インキを含有するブラック
マトリックス用塗料組成物が開示されている。さらに、
特開平10−96810号公報には、ポリシラン感光層
を紫外線露光して親水性潜像を形成した後、親水性イン
キで現像することによりカラーフィルターを形成する手
法が開示されている。しかしながら、これらの方法で得
られるインキ皮膜は、透明電極の蒸着時、スパッタリン
グ時、あるいは焼成時の高温加熱に対する耐久性に劣っ
ている。
【0008】カラーフィルターに使用される着色剤とし
ては、従来多用されてきた染料に代わって、耐光性に優
れる顔料が主に使用されるようになった。カラーフィル
ターの緑色画素を形成するために使用される着色剤とし
ては、一般に、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料が広く
使用されている。銅フタロシアニンは、銅原子のまわり
に4個のイソインドール構造を有する多環芳香環化合物
であり、該芳香環が、ハロゲン原子等で置換可能な合計
16個の水素原子を有している。ハロゲン化銅フタロシ
アニンは、銅フタロシアニンが有する上記16個の水素
原子の一部または全てを、塩素または臭素原子で置換し
たものであり、塩素原子または臭素原子が様々な比率で
導入されたハロゲン化銅フタロシアニンの混合物からな
る。
【0009】この従来型ハロゲン化銅フタロシアニン顔
料は、ハロゲンとして臭素を使用し、臭素化率が高いほ
ど黄味の強い緑色が得られることが知られているが、時
として赤味が強くなってしまうなど色味が不安定である
上に、透明度が低下いなどの問題点があった。
【0010】最近、カラーフィルターの最大の用途であ
るカラー液晶ディスプレーが、カラーモニターやカラー
テレビに用いられるようになり、カラー液晶ディスプレ
ーにも従来の要求特性に加えて色再現性が強く求められ
ている。そのため、カラーフィルターに使用する着色剤
にも、色純度および色濃度が高く、透明性の高いものが
要求されている。しかし、発色が不安定な従来型ハロゲ
ン化銅フタロシアニン顔料を用いた場合、着色画素の耐
熱性を改良するのに有効な架橋構造の導入だけでは、こ
れらの要求を満足することは困難であった。
【0011】このような背景のもと、色純度、色濃度、
および透明性が高く、さらに、高い耐熱性や耐溶剤性を
兼ね備えた着色硬化皮膜層を形成できるカラーフィルタ
ー用インクジェットインキ組成物、およびそれを使用し
た、色純度、色濃度および透明性が高く、耐熱性、耐溶
剤性または耐薬品性、耐光性に優れ、実用性の高いカラ
ーフィルターが望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、インクジェット法によって形成される画素
を有するカラーフィルターであって、該画素部に、色純
度、色濃度、および透明性が高く、さらに、高い耐熱性
や耐溶剤性を兼ね備えた着色硬化皮膜層を形成できるカ
ラーフィルター用インクジェットインキ組成物、および
それを使用した、色純度、色濃度および透明性が高く、
耐熱性、耐溶剤性または耐薬品性、耐光性に優れた画素
部を有する実用性の高いカラーフィルター、および該カ
ラーフィルターの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(a)下記一般式(1)で表されるハロゲ
ン化フタロシアニンおよび(b)カルボキシル基または
フェノール性水酸基を有するアミノ樹脂とを含有するカ
ラーフィルター用インクジェットインキ組成物を提供す
る。
【0014】また、本発明は上記課題を解決するため
に、透明基板上に、(a)下記一般式(1)で表される
ハロゲン化フタロシアニンおよび(b)カルボキシル基
またはフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂とを含有
するカラーフィルター用インクジェットインキ組成物の
着色硬化皮膜層を有するカラーフィルターを提供する。
さらに本発明は、透明基板上に、下記一般式(1)で表
されるハロゲン化フタロシアニンと(b)カルボキシル
基またはフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂とを含
有するカラーフィルター用インクジェットインキ組成物
を用いてインクジェット記録法により該カラーフィルタ
ー用インクジェットインキ組成物の着色皮膜層を形成し
た後、該着色皮膜層を硬化させるカラーフィルターの製
造方法を提供する。
【0015】
【化2】 (1) (式中、MはAl、Si、Sc、Ti、V、Fe、C
o、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、
Sn、Pbから選ばれる1種の金属または2個の水素原
子を表す。X〜X16は水素、フッ素、塩素、臭素、
またはヨウ素から選ばれる原子を表し、ハロゲン原子の
総和は8〜16の整数である。Yはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素、酸素、または水酸基を表し、mは0〜2の
整数を表す。)
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。以下、特に断らない限り、「本発明のカラ
ーフィルター用インクジェットインキ組成物」を、単に
「インキ組成物(a)」と略記し、「一般式(1)で表
されるハロゲン化フタロシアニン」を、単に「フタロシ
アニン(a)」と略記する
【0017】インキ組成物(a)に使用するフタロシア
ニン(a)は、一般式(1)のMとして、Al、Si、
Sc、Ti、V、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、G
e、Y、Zr、Nb、In、Sn、Pbからなる群から
選ばれる1種の中心金属を有するハロゲン化金属フタロ
シアニン、または2個の水素原子を有するハロゲン化無
金属フタロシアニンである。中でも、特にZn、Niま
たはAlを中心金属として有するハロゲン化金属フタロ
シアニンが、色純度、色濃度、および透明性が高く好ま
しい。
【0018】一般式(1)において、Mが2個の水素原
子であるハロゲン化無金属フタロシアニン、およびMが
2価の金属であるハロゲン化フタロシアニンの場合、m
は0であり、配位子Yは無い。Mが原子価3価以上の金
属フタロシアニンの場合は、Mに配位子Yが配位する。
すなわち、Mの原子価が3価の場合は、原子価が1価の
Y1個が、Mの原子価が4価の場合は、原子価が1価の
Y2個、または原子価が2価のY1個が配位する。
【0019】Yとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素、酸素、または水酸基が例示できる。Yが水酸基の場
合、脱水反応を起こして2量体や多量体を形成すること
もある。本発明で用いるフタロシアニン(a)をXnP
cMYmと簡略化して記載したとき、Mの原子価が3価
の場合、下記一般式(2)の反応が進行して、XnPc
MOMPcXnで表される2量体を形成することもあ
る。ここで、Pcはフタロシアニンを意味し、Xnはn
個の置換ハロゲン原子を表し、M、Y、mはいずれも一
般式(1)におけるM、Y、mを表す。
【0020】
【化3】 2XnPcMOH → XnPcMOMPcXn + HO (2)
【0021】また、Mが4価以上の金属の場合、下記一
般式(3)の反応が進行して、HOXnPcMO(Xn
PcMO)Z−2XnPcMOHで表される多量体を形
成することもある。
【0022】
【化4】 zXnPcM(OH) → HOXnPcMO(XnPcMO)Z−2XnP cMOH + (z−2)/2・HO (3 )
【0023】さらに、Mが4価以上の金属であり、配位
子Yが水酸基の場合、下記一般式(4)の脱水反応を起
こしてμ−オキソ体を形成する場合が多い。
【0024】
【化5】 XnPcM(OH) → XnPcM=O + HO (4)
【0025】本発明で用いるフタロシアニン(a)にお
いて、Mが3価以上の金属である場合には、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素、または酸素を配位子とするハロゲン
化金属フタロシアニンが製造しやすく、入手が容易であ
る。
【0026】本発明において、緑色のインキ組成物
(a)硬化被膜層の膜厚を一定にした場合、CIE発色
系色度(Y、x、y値)のy値が大きいものを「色純度
が高い」という。また、x、y値が一定の値となるよう
に顔料分散レジスト硬化塗膜の膜厚を決めた場合、膜厚
が薄いものを「色濃度が高い」といい、Y値が大きいも
のを「透明性が高い」という。
【0027】フタロシアニン(a)は、芳香環に置換さ
れたハロゲン原子として、8〜16個のフッ素、塩素、
臭素、またはヨウ素原子を有する。置換されたハロゲン
原子は全て同一でもよく、異なっていてもよいが、臭素
原子を8個以上、かつ塩素を1個以上有することが好ま
しい。中でも臭素原子を12個以上、かつ塩素原子を2
個以上有するものは、透明性の高い緑色を有し、カラー
フィルター用の緑色着色剤に適している。
【0028】フタロシアニン(a)は、従来型ハロゲン
化銅フタロシアニンよりも分光透過スペクトルの半値幅
が狭く、かつその最大透過率の値も大きい。このこと
は、フタロシアニン(a)が、従来型ハロゲン化銅フタ
ロシアニンよりも、色純度および色濃度が高く、透明性
の高い緑色を呈することを示している。具体的には、着
色剤としてフタロシアニン(a)を使用することによ
り、従来型ハロゲン化銅フタロシアニンでは達成できな
かった、380〜780nmにおける分光透過スペクト
ルの透過率が最大となる波長(Tmax)が520〜5
90nmであり、Tmaxにおける透過率が70%以
上、かつ、波長650〜700nmにおける分光透過ス
ペクトルの透過率が20%以下である緑色画素を有する
カラーフィルターを、簡便に、かつ安価に得ることがで
きる。
【0029】フタロシアニン(a)は、ハロゲン化金属
フタロシアニンの公知の製造方法、たとえば、クロルス
ルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法などによって
製造することができる。本発明のインキ組成物(a)に
おいては、着色剤としてフタロシアニン(a)以外に、
黄色顔料を混合して使用することができる。フタロシア
ニン(a)と黄色顔料の混合比率を、用途に応じて変え
ることによって、所望の色相に調色することができる。
【0030】本発明に使用できる黄色顔料としては、
C.I.ピグメントイエロー 83、C.I.ピグメン
トイエロー128、C.I.ピグメントイエロー13
8、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグ
メントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー1
80、C.I.ピグメントイエロー185等の黄色有機
顔料が挙げられる。
【0031】これらの黄色顔料は、単独で用いることも
でき、2種以上を混合して用いることもできる。上記顔
料の中でもC.I.ピグメントイエロー138、C.
I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイ
エロー150が色純度と透明性に優れており、特に好ま
しい。
【0032】黄色顔料の配合率は、用途に応じて適宜選
択することができるが、一般にカラーフィルターに使用
する場合は、フタロシアニン(a)と黄色顔料の合計質
量に対して10〜70%の範囲内とするのが好ましく、
より好ましくは30〜60%の範囲である。
【0033】一般に、カラーフィルター用インクジェッ
トインキ組成物に使用する顔料は、分散状態におけるそ
の粒子径が小さいほど、これを使用して得られるカラー
フィルター画素部の透明性が高くなる。したがって、フ
タロシアニン(a)の一次粒子径は、10〜100nm
の範囲が好ましく、30〜50nmの範囲が特に好まし
い。カラーフィルター用インクジェットインキ組成物中
に分散させた顔料の一次粒子径が100nmを超えてい
る場合は、これを使用して形成したカラーフィルター画
素部の透明性が低下し、10nmよりも小さい場合は、
顔料分散組成物の粘度が経時的に上昇したり、チキソト
ロピーが強く現れたりするほか、顔料が凝集しやすくな
るため、分散状態において、かえって粒子径の大きい二
次粒子を形成することがあり、この場合もまた、カラー
フィルター画素部の透明性が低下する原因となる。
【0034】このような粒径にするためには、ボールミ
ル、サンドミル、ピーズミル、3本ロール、ペイントシ
エーカー、アトライター、分散攪拌機、超音波等を使用
した分散処理が有効である。
【0035】本発明においては、フタロシアニン(a)
に、(b)カルボキシル基またはフェノール性水酸基を
有するアミノ樹脂、溶剤、および必要に応じてその他の
顔料や各種添加剤を混合して顔料分散組成物を調製す
る。本発明で使用する(b)カルボキシル基またはフェ
ノール性水酸基を有するアミノ樹脂(以下、アミノ樹脂
(b)と略記する)は、たとえば、(1)カルボキシル
基またはフェノール性水酸基を有するアミノ化合物と、
アルデヒド化合物とを縮合させる方法、または(2)カ
ルボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアルデ
ヒド化合物と、アミノ化合物とを縮合させる方法によっ
て製造することができる。
【0036】カルボキシル基を有するアミノ化合物とし
ては、たとえば、2−、3−、または4−(4,6−ジ
アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香
酸、5−メチル−2−(4,6−ジアミノ−1,3,5
−トリアジン−2−イル)安息香酸、4−メトキシ−2
−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−
イル)安息香酸、2−メチル−4−(4,6−ジアミノ
−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸、2−
クロロ−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)安息香酸などが挙げられる。フェノー
ル性水酸基を有するアミノ化合物としては、たとえば、
2−、3−、または4−(4,6−ジアミノ−1,3,
5−トリアジン−2−イル)フェノール、4−メチル−
2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2
−イル)フェノール、2−メトキシ−4−(4,6−ジ
アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェノー
ル、3−クロロ−4−(4,6−ジアミノ−1,3,5
−トリアジン−2−イル)フェノールなどが挙げられ
る。
【0037】カルボキシル基を有するアルデヒド化合物
としては、たとえば、グリオキシル酸およびその水和
物、スクシンセミアルデヒドなどが挙げられる。フェノ
ール性水酸基を有するアルデヒド化合物としては、たと
えば、2−、3−、または4−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、3,4−、3,5−、2,5−、または2,4−
ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,6−トリヒド
ロキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0038】アルデヒド化合物としては、上記したカル
ボキシル基またはフェノール性水酸基を有するアルデヒ
ド化合物のほか、たとえば、ホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール、;トリオキ
サン、パラホルムアルデヒドのようなホルムアルデヒド
縮合体;ホルムアルデヒド水溶液のような水溶液;メチ
ルヘミホルマール、n−ブチルヘミホルマールまたはイ
ソブチルヘミホルマールなどが挙げられる。
【0039】アミノ化合物としては、上記したカルボキ
シル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ化合物
のほか、たとえば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミ
ン、フタログアナミン、ステログアナミン、スピログア
ナミンなどが挙げられる。
【0040】アミノ樹脂(b)を前記(1)または
(2)の方法により製造する際、複数種のアミノ化合物
または複数種のアルデヒド化合物を用いることができ
る。たとえば、ベンゾグアナミンと4−(4,6−ジア
ミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸を
所望の比率で併用し、あるいはホルムアルデヒドとグリ
オキシル酸を所望の比率で併用できる。このように、原
料のアミノ化合物またはアルデヒド化合物を複数使用す
ることにより、得られるアミノ樹脂の酸価を調整し、ア
ミノ樹脂(b)の溶剤に対する溶解性を制御することが
できる。
【0041】上記の方法により得られるアミノ樹脂
(b)は、縮合反応によって生成するメチロール基を、
アルコールを用いてエーテル化することにより、安定化
させることができる。本発明で使用するアミノ樹脂
(b)は、公知慣用の製造方法に従い、アミノ化合物
1.0モルとアルデヒド化合物1.5〜8モルと、エー
テル化用アルコール3〜20モルとを反応させる方法に
より製造することができる。反応に際しては、必要に応
じて公知慣用の溶剤を使用してもよい。
【0042】アミノ化合物またはアルデヒド化合物を2
種以上併用する場合、その割合に特に制限はないが、得
られるアミノ樹脂(b)の酸価が低すぎると、水可溶性
溶剤への溶解性が劣り、また、熱硬化時のカルボキシル
基またはフェノール性水酸基による硬化促進作用が低下
する傾向にあり、一方、得られるアミノ樹脂(b)の酸
価が高すぎると、着色硬化皮膜層が耐水性に劣る傾向に
ある。従って、アミノ樹脂(b)の酸価が20〜250
mgKOH/gの範囲となるように、組成を調整するこ
とが好ましい。
【0043】メチロール基をエーテル化したアミノ樹脂
(b)は、公知慣用の方法により製造することができ
る。たとえば、(1)エーテル化用アルコールにアルデ
ヒド化合物を加えた溶液に、アミノ化合物を加え、必要
に応じて酸性触媒の存在下、50〜140℃で20分間
〜7時間反応させ、縮合反応ならびにエーテル化反応を
同時に行う方法、
【0044】(2)アルデヒド化合物とアミノ化合物と
を、pH8〜10の範囲内で反応させてアミノ化合物を
メチロール化し、次にエーテル化用アルコールの存在下
で、pH2〜6の範囲内でアルキルエーテル化する方
法、
【0045】(3)エーテル化用アルコールにアルデヒ
ド化合物を加えた溶液に、尿素、メラミン、ベンゾグア
ナミン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグア
ナミン、フタログアナミン、ステログアナミンおよびス
ピログアナミンよりなる群から選ばれる、少なくとも1
種のアミノ化合物を加え、縮合反応およびエーテル化反
応の途中で、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)安息香酸および/または(4,6−ジ
アミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノ
ールを加える方法、
【0046】(4)エーテル化用アルコールに、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオ
キザール、グリオキシル酸、スクシンセミアルデヒドお
よび2−、3−または4−ヒドロキシベンズアルデヒド
よりなる群から選ばれる、少なくとも1種のアルデヒド
化合物を加え、次いで尿素、メラミン、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミ
ン、フタログアナミン、ステログアナミン、スピログア
ナミン、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)安息香酸、および(4,6−ジアミノ−
1,3,5−トリアジン−2−イル)−フェノールより
なる群から選ばれる、少なくとも1種のアミノ化合物を
加え、縮合反応およびエーテル化反応を行う方法、等が
挙げられる。
【0047】アミノ樹脂(b)が有するカルボキシル基
またはフェノール性水酸基を、アンモニアまたは有機ア
ミン等のような種々の揮発性塩基で、完全中和または部
分中和して、水、または水と水可溶性溶媒との混合物に
溶解または分散化することも可能である。
【0048】アミノ樹脂(b)が有するカルボキシル基
またはフェノール性水酸基を中和するために用いる有機
アミンには特に制限はないが、たとえば、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミンまたはトリエチルアミン等の、アルキルアミン類;
N−メチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノ
エタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、2−
アミノ−2−メチルプロパノール、ジエタノールアミン
またはトリエタノールアミン等の、ヒドロキシルアミン
類;エチレンジアミンまたはジエチレントリアミン等
の、多価アミン類等が挙げられる。これらは、単独使用
でも2種以上を併用して用いることもできる。
【0049】インキ組成物(a)に使用する溶剤として
は、たとえば、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン
などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢
酸エステル系溶剤;エトキシエチルプロピオネートなど
のプロピオネート系溶剤;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、エチレングリコールなどのアルコール系溶
剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系
溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;ヘキサンなどの
脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリド
ン、アニリン、ピリジンなどの窒素化合物系溶剤;γ−
ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;カルバミン酸メ
チルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のよう
なカルバミン酸エステル;水、あるいは水と水可溶性有
機溶剤との混合物などが挙げられる。これらの溶剤の中
でも、沸点が80℃〜200℃の範囲にあるものが好ま
しく、また、これらの溶剤を単独で用いることも、2種
以上を混合して用いることもできる。
【0050】本発明においては、フタロシアニン(a)
を分散させたインキ組成物(a)を調製する際に、分散
剤を併用することもできる。そのような分散剤には、特
に限定がなく、公知慣用の分散剤を用いることができ
る。そのような分散剤としては、たとえば、界面活性
剤、顔料の中間体、染料の中間体、ポリエステル系化合
物、ポリアミド系化合物、ポリウレタン系化合物、アク
リル系化合物およびポリエチレン系化合物のような樹脂
型分散剤などが挙げられる。
【0051】樹脂型分散剤の市販品としては、たとえ
ば、ビックケミー社製の「ディスパービック130」、
「ディスパービック161」、「ディスパービック16
2」、「ディスパービック163」、「ディスパービッ
ク170」、「ディスパービック2000」、「ディス
パービック2001」、エフカーケミカルズ社製の「エ
フカ46」、「エフカ47」、ゼネカ社製の「ソルスパ
ース32550」、「ソルスパース24000」、味の
素社製の「アジスパーPB811」、「アジスパーPB
814」等が挙げられる。
【0052】インキ組成物(a)中のフタロシアニン
(a)の配合量は、インキ組成物(a)中の不揮発分に
対して10〜70質量%の範囲とするのが好ましい。分
散剤を併用する場合の分散剤の割合は、全顔料に対し
て、5〜50質量%の範囲が好ましい。
【0053】本発明のカラーフィルターは、透明基板上
に、インキ組成物(a)を用いてインクジェット記録法
により画素部を形成した後、該画素部を熱硬化させる方
法によりカラーフィルターを製造することができる。そ
の際、アミノ樹脂(b)自身が熱硬化する。本発明で使
用するアミノ樹脂(b)は、カルボキシル基またはフェ
ノール性水酸基を有するので、硬化促進剤を併用する必
要がなく、着色硬化被膜中に硬化促進剤が不純物として
残存することがないという長所を有する。
【0054】インキ組成物(a)には、光重合性官能基
を有する化合物(c)を添加するしてもよい。この場合
には、透明基板上にインクジェット記録法により画素部
を形成した後、該画素部のインキ組成物(a)の着色皮
膜層を光硬化させた後、さらに熱硬化させる方法によっ
てもカラーフィルターを製造することができる。その場
合、インキ組成物(a)中に光重合開始剤を併用するこ
とが望ましい。光重合させる際のエネルギー線は、波長
200〜500nmの光線が好ましい。
【0055】画素部に形成されたインキ組成物(a)の
被膜を、熱硬化させる前に光硬化させると、ポストベー
ク時の加熱による顔料の結晶成長を抑制することがで
き、その結果、最終的に得られる着色硬化皮膜層の透明
性や色純度の低下を防ぐことができるという効果が得ら
れる。
【0056】光重合性官能基を有する化合物(c)と
は、紫外線や可視光線等の照射により重合、または架橋
反応して光硬化可能な官能基を有する化合物であり、中
でも代表的なものにラジカル重合性化合物、カチオン重
合性化合物が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリ
ル化合物、マレイミド化合物、等が挙げられる。光重合
性官能基を有する化合物(c)を例示すれば、たとえ
ば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アク
リロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル類;フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ール・ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の
反応物;エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ビスフェノールAのポリエトキシジオール、
ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、
ポリカーボネートポリオール等のポリオール類と有機ポ
リイソシアネート類(たとえば、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)と水
酸基含有(メタ)アクリレート類(たとえば、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
モノ(メタ)アクリレート等)の反応物等が挙げられ
る。
【0057】光重合性官能基を有する化合物(c)とし
て使用するマレイミド化合物としては、脂肪族基によっ
てマレイミド基が結合された化合物が好ましく、具体的
には、N−へキシルマレイミドやN,N’−4,9−ジ
オキサ−1,12−ビスマレイミドドデカンのようなア
ルキル、または炭素連鎖中にエーテル結合を有する脂肪
族マレイミド化合物、エチレングリコールビス(マレイ
ミドアセテート)、ポリ(テトラメチレングリコール)
ビス(マレイミドアセテート)、テトラ(エチレングリ
コール変性)ペンタエリスリトールテトラ(マレイミド
アセテート)等のマレイミドカルボン酸(ポリ)アルキ
レングリコールエステル、ビス(2−マレイミドエチ
ル)カーボネート等のカーボネートマレイミド、イソホ
ロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)等のウ
レタンマレイミド等が挙げられる。これらの中でも、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、N,
N’−4,9−ジオキサ−1,12−ビスマレイミドド
デカン、エチレングリコールビス(マレイミドアセテー
ト)、ポリ(テトラメチレングリコール)ビス(マレイ
ミドアセテート)、(エチレングリコール変性)ペンタ
エリスリトールテトラ(マレイミドアセテート)、ビス
(2−マレイミドエチル)カーボネート、イソホロンビ
スウレタンビス(N−エチルマレイミド)等の、多官能
(メタ)アクリレート類や多官能マレイミド類が、紫外
線や可視光線に対する感度が高く、高い架橋密度が得ら
れるという点で特に好ましい。
【0058】光重合性官能基を有する化合物(c)は、
1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、そ
の使用割合は、特に限定されるものではないが、インキ
組成物(a)に使用するアミノ樹脂(b)を含むバイン
ダー樹脂の全量に対して、25〜150質量%の範囲が
好ましい。150質量%を越えると、本発明の目的とす
る耐熱性が低下し、一方、25質量%よりも少ない場合
には、所望する光重合によるインキ組成物(a)の着色
光硬化皮膜物性を向上させる効果が得られにくい。
【0059】インキ組成物(a)に光重合性化合物を添
加した場合は、必要に応じて、光重合開始剤を併用する
こともできる。光重合開始剤は、光により解離してラジ
カルを発生するような光重合開始剤が使用でき、このよ
うな光重合開始剤としては公知慣用のものが用いられ
る。具体的には、たとえば、ベンゾフェノン、4,4’
−ビスメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン
などのベンゾフェノ類;キサントン、チオキサントンな
どのキサントン類、p−ジメチルアミノアセトフェノ
ン、ベンジル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−
ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニ
ル−S−トリアジン、2−アミルアントラキノン、β−
クロルアントラキノン、ビイミダゾールなどが挙げられ
る。
【0060】市販の光重合開始剤としては、たとえば、
「イルガキュア−184」、「イルガキュア−36
9」、「ダロキュア−1173」、「ルシリン−TP
O」、「カヤキュアーDETX」、「カヤキュアーO
A」、「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、
「トリゴナールPI」、「サンドレー1000」、「デ
ープ」、「ビイミダゾール」などが例示できる。
【0061】また、上記光重合開始剤に公知慣用の光増
感剤を併用することもできる。光増感剤としては、たと
えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、
含塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素
化合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上
を組み合わせて用いることもできる。その使用割合は特
に限定されるものではないが、インキ組成物(a)中の
光重合性官能基を有する化合物(c)に対して0.1〜
30質量%の範囲が好ましく、中でも1〜20質量%の
範囲が特に好ましい。0.1質量%未満では感度が低下
する傾向にあり、30質量%を越えると結晶の析出、着
色硬化皮膜物性の劣化等を引き起こす傾向にあるため好
ましくない。
【0062】インキ組成物(a)の粘度は、50mPa
・s以下に調整した場合に、インクジェットヘッドから
の良好な吐出性が得られる。特に10mPa・s以下と
するのが好ましい。このためには、溶剤量を、インキ組
成物(a)中の不揮発分1質量部あたり、1〜19質量
部の範囲とするのが好ましい。
【0063】このようにして得られるインキ組成物
(a)は、一液型であるために、保存安定性に優れ、さ
らにカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する
アミノ樹脂を使用しているので、溶剤として非水系有機
溶剤ばかりでなく、水、水系溶剤、あるいはこれらの混
合溶剤を使用することもできる。また、インキ組成物
(a)を使用してカラーフィルターを製造した場合に
は、画素形成後の焼成工程において、アミノ樹脂(b)
が架橋して熱硬化するので、得られるカラーフィルター
は、優れた耐熱性および耐溶剤性を有する。
【0064】インキ組成物(a)には、さらに必要に応
じて、本発明の効果を損なわない範囲で、公知慣用の添
加剤を添加することもできる。このような添加剤として
は、たとえば、カップリング剤、酸化防止剤、安定剤、
充填剤、シリコン系、フッ素系、アクリル系等の各種レ
ベリング剤、多価カルボン酸およびその無水物、エポキ
シ化合物、等が挙げられる。このようにして、カラーフ
ィルター用のインクジェットインキとして好適に使用す
ることが出来る。
【0065】カップリング剤は、無機材料と有機材料を
化学的に結び付けたり、両者の親和性を高める作用を示
す。代表的なカップリング剤としては、シラン系化合
物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物が挙げられ
る。これらの中でも、種々の透明基板に対して特に優れ
た平滑性、接着性、耐水性および耐溶剤性を与える点
で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング
剤が好ましい。これらのカップリング剤は、1種または
2種以上を混合して使用してもよい。
【0066】カップリング剤の使用量は、アミノ樹脂
(b)100質量部当たり0.1〜30質量部の範囲で
あり、好ましくは0.5〜20質量部である。カップリ
ング剤の使用量が0.1質量部以下では、カラーフィル
ター用透明基板上に形成されるインキ組成物(a)の着
色皮膜層の平滑性、耐水性、耐溶剤性、ならびに透明基
板との接着性が不十分であり、また、30質量部を越え
ると接着性の向上は望めなく、さらに形成されるインキ
組成物(a)の着色皮膜層の光硬化性が低下する。
【0067】多価カルボン酸およびその無水物は、水系
溶媒へのアミノ樹脂(b)の溶解性を調整する目的で用
い、エポキシ化合物は、光硬化後のアミノ樹脂(b)が
有するカルボキシル基と熱反応させることによって、イ
ンキ組成物(a)の着色硬化皮膜層の耐水性を向上させ
る目的で用いる。
【0068】エポキシ化合物としては、たとえば、フェ
ノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A・ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂や
各種グリコール、アルキレンオキシド変性エポキシ樹
脂、グリシジル基含有アクリル樹脂、脂環式エポキシ基
含有アクリル樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独
でも2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0069】フタロシアニン(a)は緑色の着色剤であ
るので、本発明のインキ組成物(a)は、カラーフィル
ターの緑色画素部用インクジェットインキ組成物である
が、インキ組成物(a)に使用するフタロシアニン
(a)を、赤色あるいは青色の公知の顔料に置き換えれ
ば、インキ組成物(a)と同様にして、耐熱性、耐薬品
性などに優れた赤色あるいは青色のカラーフィルター用
インクジェットインキ組成物を得ることができる。
【0070】透明基板上に、上記のようにして調製した
インキ組成物(a)を使用して、インクジェット法によ
ってカラーフィルターの緑色画素部に、着色皮膜層のパ
ターンを形成した後、熱硬化させ、あるいは光硬化させ
た後に、さらに熱硬化させ、次いで同様の工程を経て、
赤色画素部および青色画素部にそれぞれ各色に対応する
公知のカラーフィルター用インクジェットインキ組成物
の着色硬化皮膜層を形成することにより本発明のカラー
フィルターを製造することができる。本発明で使用する
透明基板は、カラーフィルターに用いる透明基板であっ
て、熱硬化に耐えうる耐熱性を有するものであれば使用
でき、その代表的なものはガラス基板である。
【0071】本発明で使用するインクジェット方式とし
ては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた
バブルジェット(登録商標)方式、または圧電素子を用
いたピエゾジェット方式等が挙げられる。
【0072】画素パターンを形成するには、まず、ブラ
ックマトリックスを設けた透明基板にインクジェット法
によりインキ組成物(a)を、吐出ヘッドから所定の画
素部に吐出させればよい。ブラックマトリックスは公知
の形成方法、すなわち、スパッタリングもしくは蒸着法
により金属薄膜パターンを形成する方法、黒色樹脂組成
物を用いてフォトリソグラフィー法によりパターニング
する方法、インクジェット法などにより透明基板上に設
けることができる。このとき、インクジェットインキ組
成物の性状により、ブラックマトリックスに親水化処
理、疎水化処理あるいは撥油化処理を施すこともでき
る。さらに、必要に応じて、前述のカップリング剤など
の接着助剤を用いて基板を表面処理することは、基板と
画素パターンとの間の接着力向上手段として有効であ
る。また、基板には、インクジェットインキ受理層を設
けることもできる。
【0073】本発明のカラーフィルターは、以下の方法
によって、製造することができる。すなわち、ブラック
マトリックスを設けた透明基板上の緑色画素部に、イン
クジェット法により、インキ組成物(a)を吐出ヘッド
から吐出させてインキ組成物(a)の着色皮膜層を形成
させた後、該皮膜層を熱硬化させ、あるいは光硬化させ
た後に熱硬化させる。同様にして、赤色および青色画素
部に、各色に対応する公知のカラーフィルター用インク
ジェットインキ組成物を使用して着色硬化皮膜層を形成
し、次いで、必要に応じて、画素部の上に保護層を形成
し、さらに必要に応じて、ポストベースを行った後、I
TOなどの透明導電性電極を形成する方法が挙げられ
る。
【0074】熱硬化に用いる熱源としては、たとえば、
ホットプレート、電気オーブン、赤外線加熱炉、などの
公知慣用の熱源が挙げられる。加熱温度は、150〜3
00℃の範囲が好ましい。150℃未満では熱硬化が不
充分なため、着色硬化皮膜層の強度、耐溶剤性、および
耐アルカリ性に劣る傾向にあり、300℃を越える温度
では、着色硬化皮膜層が過度に体積収縮し、基板に対す
る密着性や精度に問題が生じやすい。
【0075】着色皮膜層を、熱硬化させる前に光硬化さ
せる場合、使用する光は、紫外光または可視光が好まし
く、中でも、波長200〜500nmの光が好ましい。
これらの光源として、たとえば、低圧水銀ランプ、高圧
水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キ
セノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、
ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、
Nd−YAGレーザーを用いたTHGやFHG光レーザ
ーなど、公知慣用の光源を使用することができる。光硬
化条件は、用いる光源の種類、光重合開始剤の種類や量
の影響を受け、一概に決められないが、一般的には10
0〜3000J/m2の範囲が好ましい。光硬化と熱硬
化を併用する場合、上記光硬化処理の後に、前記の熱硬
化処理を行う。上記工程を経て得られる本発明のカラー
フィルターの緑色画素部は、透明性、色純度、色濃度に
優れ、耐熱性、耐薬品性、耐光性にも優れている。
【0076】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。なお、以下において、部および%は特に断りの
ない限り、すべて質量基準であるものとする。
【0077】<カルボキシル基を有するアミノ樹脂の調
製> (製造例1)温度計、環流冷却管、および撹拌機を備え
た反応容器に、12.3部の水を含有する2−(4,6
−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)安息
香酸131.7部、37%ホルムアルデヒド水溶液20
2.8部、n−ブタノール222.3部を仕込み、攪拌
しながら、2時間還流した後、5.33×104Paの
減圧下で3時間を要して大部分の水とともに過剰のホル
ムアルデヒドを留去した。
【0078】次いで、残存する水とn−ブタノールを留
去した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート(以後PGMAcと略記する)を加えて冷却
し、さらにPGMAcを加えて不揮発分が40%となる
よう調整した。樹脂固形分の酸価(試料1g中に存在す
る酸性基を中和するのに要した水酸化カリウムのミリグ
ラム数、以下同じ)が94.6mgKOH/gの、カル
ボキシル基を有するアミノ樹脂(b−1)を得た。ポリ
スチレン換算の数平均分子量;Mnが2150、分散
度;Mw/Mnが5.12であった。
【0079】(製造例2)温度計、環流冷却管、および
撹拌機を備えた反応容器にベンゾグアナミン37.4
部、50%グリオキシル酸水溶液118.4部、n−ブ
タノール88.8部を仕込み、攪拌しながら、1時間還
流した後、5.33×104Paの減圧下で4時間を要
して大部分の水を留去した。次いで、残存する水とn−
ブタノールを留去した後、PGMAcを加えて冷却し、
さらにPGMAcを加えて不揮発分が40%となるよう
に調整した。樹脂固形分の酸価が136mgKOH/g
の、カルボキシル基を有するアミノ樹脂(b−2)を得
た。ポリスチレン換算の数平均分子量;Mnが162
4、分散度;Mw/Mnが1.28であった。
【0080】<フェノール性水酸基を有するアミノ樹脂
の調製> (製造例3)温度計、環流冷却管、および撹拌機を備え
た反応容器にベンゾグアナミン18.7部、p−ヒドロ
キシベンズアルデヒド48.8部、n−ブタノール8
8.8部を仕込み、125℃で24時間撹拌した。その
後、5.33×104Paの減圧下でn−ブタノールを
留去した後、得られた固体をn−ヘキサン/酢酸エチル
(2/1)の混合溶液で洗浄して、過剰のp−ヒドロキ
シベンズアルデヒドを除去した。PGMAcを加えて冷
却し、さらにPGMAcを加えて不揮発分が40%とな
るように調整した。樹脂固形分の酸価が85.2mgK
OH/gの、フェノール性水酸基を有するアミノ樹脂
(b−3)を得た。ポリスチレン換算の数平均分子量;
Mnが4000、分散度;Mw/Mnが3.26であっ
た。
【0081】(実施例1)直径0.5mmのジルコニア
ビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TS
C−6H」に、一次粒子径が35〜45nmで、下記平
均組成のフタロシアニン(a)(ハロゲン化亜鉛フタロ
シアニン)15部、ビックケミー社製アクリル系分散剤
「BYK−2001」4.5部、PGMAc80.5部
を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、緑色顔
料分散組成物(G−1)を得た。
【0082】<ハロゲン化亜鉛フタロシアニンの平均組
成>一般式(1)における、
【0083】次いで、フタロシアニン(a)15部の代
わりに一次粒子径が35〜45nmの「C.I.ピグメ
ントイエロー150」15部を使用した以外は、上記フ
タロシアニン(a)分散組成物(G−1)の調製と同様
にして、黄色顔料分散組成物(Y−1)を得た。
【0084】緑色顔料分散組成物(G−1)53部と黄
色顔料組成物(Y−1)47部を混合して、カラーフィ
ルター用顔料分散組成物(1)を得た。該カラーフィル
ター用顔料分散組成物100部、アミノ樹脂(b−1)
31.3部及びおよびPGMAc17.1部を混合した
後、孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過し、本発
明の熱硬化性カラーフィルター用インクジェットインキ
組成物(a−1)を得た。
【0085】(実施例2)実施例1で得たカラーフィル
ター用顔料分散組成物(1)100部、アミノ樹脂(b
−1)31.3部、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(以下、DPHAと略記する。)12.5部、
およびチバスペシャルティーケミカルズ社製光重合開始
剤「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc1
7.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを
用いてろ過し、カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物(a−2)を得た。
【0086】(実施例3)実施例1におけるフタロシア
ニン(a)(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン)15部の
代わりに、下記平均組成のフタロシアニン(a)(ハロ
ゲン化ニッケルフタロシアニン)15部を使用した以外
は、実施例1と同様にして緑色顔料分散組成物(G−
2)を得た。
【0087】<ハロゲン化ニッケルフタロシアニンの平
均組成>一般式(1)における、
【0088】緑色顔料組成物(G−2)45部と黄色顔
料組成物(Y−1)55部を混合して、カラーフィルタ
ー用顔料分散組成物(3)を得た。次いで、カラーフィ
ルター用顔料分散組成物(3)100部、アミノ樹脂
(b−2)31.3部、DPHA12.5部、および
「イルガキュアー#369」0.3部、PGMAc1
7.1部を混合した後、孔径1.0μmのフィルターを
用いてろ過し、カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物(a−3)を得た。
【0089】(実施例4)実施例3におけるアミノ樹脂
(b−2)31.3部の代わりに、アミノ樹脂(b−
3)31.3部を使用した以外は実施例3と同様にし
て、カラーフィルター用インクジェットインキ組成物
(a−4)を得た。
【0090】(比較例1)実施例1における、フタロシ
アニン(a)(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン)15部
の代わりに、下記平均組成のハロゲン化銅フタロシアニ
ン15部を使用した以外は実施例1と同様にして緑色顔
料分散組成物(GH−1)を得た。
【0091】 <ハロゲン化銅フタロシアニンの平均組成> 中心金属:Cu 配位子:なし 置換基:臭素原子数 13 塩素原子数 2 水素原子数 1
【0092】次いで、緑色顔料分散組成物(GH−1)
60部、黄色顔料分散組成物(Y−1)40部、大日本
インキ化学工業社製アクリル系アルカリ可溶性バインダ
ー樹脂「エクセディックLC−295」(PGMAc溶
液、不揮発分:40%、溶液の酸価:33mgKOH/
g)31.3部、DPHA12.5部、およびイルガキ
ュアー#369、0.3部、PGMAc17.1部を混
合した後、孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過
し、カラーフィルター用インクジェットインキ組成物
(h−1)を得た。
【0093】(比較例2)比較例1で得た緑色顔料分散
組成物(GH−1)60部、実施例1で得た黄色顔料分
散組成物(Y−1)40部、バインダー樹脂として大日
本インキ化学工業社製メラミン樹脂「スーパーベッカミ
ンJ−820−60」(n−ブタノール/キシレン溶
液)31.3部、およびPGMAc17.1部を混合し
た後、孔径1.0μmのフィルターを用いてろ過し、カ
ラーフィルター用インクジェットインキ組成物(h−
2)を得た。
【0094】上記の実施例1〜4、および比較例1、2
で得たカラーフィルター用インクジェットインキ組成物
について下記の試験を行った。結果と評価を表1および
図1に示した。ただし、比較例2で得られたカラーフィ
ルター用インクジェットインキ組成物(h−2)は、緑
色顔料の分散性が悪く、インクジェットヘッドを用いて
ガラス基板上に吐出させる際に、ヘッドの目詰まりが生
じたため、性能試験の項目に従った以下の評価は行わな
かった。
【0095】<カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物硬化皮膜層の色濃度試験>透明ガラス基板上
に、ピエゾジェット方式のザール社製インクジェットヘ
ッドを使用して、ポストベーク後のカラーフィルター用
インクジェットインキ組成物硬化皮膜層のCIE発色系
色度におけるxおよびy値が、x=0.260、y=
0.630となるように、実施例および比較例で得たカ
ラーフィルター用インクジェットインキ組成物をベタ印
刷した後、60℃で5分間プリベークして、カラーフィ
ルター用インクジェットインキ組成物皮膜層を形成し
た。次いで、DPHAを配合した実施例2〜4、および
比較例1のカラーフィルター用インクジェットインキ組
成物皮膜層については、高圧水銀灯を用いて0.1J/
cmの光を照射してDPHAを光重合させて光硬化さ
せた後、250℃で30分間ポストベークして該皮膜中
に含有されるアミノ樹脂を熱硬化させ、色濃度試験用試
料を作製した。
【0096】DPHAを配合しない実施例1および比較
例2については、透明ガラス基板上に、ピエゾジェット
方式のザール社製インクジェットヘッドを使用してカラ
ーフィルター用インクジェットインキ組成物をベタ印刷
した後、110℃で10分間予備乾燥してカラーフィル
ター用インクジェットインキ組成物皮膜層を形成した。
次いで該皮膜層を、オーブン中、200℃で30分間、
さらに250℃で30分間ポストベークして該皮膜中に
含有されるアミノ樹脂を熱硬化させ、色濃度試験用試料
を作製した。
【0097】なお、インクジェットインキ組成物硬化皮
膜層のCIE発色系色度は、オリンパス社製顕微分光測
光装置「OSP−SP−200」を使用して測定した。
ポストベーク後のインクジェットインキ組成物硬化皮膜
層の膜厚は、日本真空技術社製表面形状測定装置「DE
KTAK3」を使用して測定した。x=0.260、y
=0.630となる膜厚が薄いほど、色濃度が高いと評
価した。結果を表1に示した。
【0098】<カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物硬化皮膜層の透明性試験>上記色濃度試験用試
料の、カラーフィルター用インクジェットインキ組成物
硬化皮膜層について、顕微分光測光装置「OSP−SP
−200」を用いて、CIE発色系色度におけるY値を
測定した。Y値が大きいほど、透明性が高いと評価し
た。結果を表1に示した。
【0099】<カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物硬化皮膜層の色純度試験>実施例および比較例
で得た各カラーフィルター用インクジェットインキ組成
物を用いて、ピエゾジェット方式のザール社製インクジ
ェットヘッドにより、ガラス基板上に緑色画素パターン
を形成した。以後の工程は、色濃度試験用試料の作製方
法と同様にして、ポストベーク後のインクジェットイン
キ組成物硬化皮膜層の膜厚が、それぞれ2.0、2.
5、3.0μmの色純度試験用試料を作製した。色純度
試験用試料の、インクジェットインキ組成物硬化皮膜層
について、顕微分光測光装置「OSP−SP−200」
を用いてCIE発色系におけるy値を測定した。y値が
高いほど、色純度が高いと評価した。結果を図1に示し
た。
【0100】<カラーフィルター用インクジェットイン
キ組成物硬化皮膜層の耐熱性試験>上記色濃度試験用試
料の、カラーフィルター用インクジェットインキ組成物
硬化皮膜層について、顕微分光測光装置「OSP−SP
−200」を用いて、CIE発色系色度におけるY値を
測定し、その値をY1とした。次いで上記硬化皮膜層
を、さらに280℃で30分間加熱した後に、上記の装
置を用いて硬化皮膜層のY値を測定し、その値をY2と
した。Y1とY2との差ΔYが小さいものほど、硬化皮
膜層の耐熱性が高いと評価し、0.5未満のものを○、
0.5以上のものを×で表した。結果を表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】表1に示した結果から、本発明で用いるフ
タロシアニン(a)、アミノ樹脂(b)を含有するカラ
ーフィルター用インクジェットインキ組成物硬化皮膜層
を有するカラーフィルターの緑色画素部は、従来型ハロ
ゲン化銅フタロシアニンと黄色顔料を使用した場合と比
べて、透明性と色濃度に優れていることが明らかであ
る。
【0103】また、図1に示した結果から、本発明で用
いるフタロシアニン(a)、アミノ樹脂(b)を含有す
るカラーフィルター用インクジェットインキ組成物硬化
皮膜層を有するカラーフィルターの緑色画素部は、従来
型ハロゲン化銅フタロシアニンと黄色顔料を使用した場
合と比べて、色純度においても優れていることが明らか
である。
【0104】さらに、表1に示した結果から、本発明で
用いるフタロシアニン(a)、アミノ樹脂(b)を含有
するカラーフィルター用インクジェットインキ組成物硬
化皮膜層を有するカラーフィルターの緑色画素部は、ア
ミノ樹脂(b)の代わりにアクリル系樹脂を使用した場
合と比べて、耐熱性に優れていることが明らかである。
【0105】
【発明の効果】本発明のカラーフィルター用インクジェ
ットインキ組成物は、a)一般式(1)で表されるハロ
ゲン化フタロシアニンおよび(b)カルボキシル基また
はフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂とを含有して
いるので、これを使用して、基板上にインクジェット方
式で形成したインクジェットインキ組成物硬化皮膜層を
有するカラーフィルターの緑色画素部は、色濃度、透明
性、色純度および耐熱性試験に優れている。また、本発
明のカラーフィルター用インクジェットインキ組成物中
に光重合性官能基を有する化合物を含有させることによ
り、光硬化と熱硬化を併用した、実用性の高いカラーフ
ィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルター用インクジェットインキ組成
物の着色硬化皮膜層の膜厚とCIE発色系におけるy値
との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 505 B41J 3/04 101Z (72)発明者 山口 芳郎 大阪府吹田市岸部南3−34−2 (72)発明者 勝部 浩史 東京都北区中里3−14−17 Fターム(参考) 2C056 FB01 2H048 BA02 BA11 BA64 BB02 BB12 BB42 BB46 2H086 BA05 BA55 BA59 2H091 FA02 FB02 FB06 FC01 FC22 FC23 LA03 LA04 LA12 LA16 LA30 4J039 AE03 BC60 BC72 BC73 BE27 EA21 EA33 EA35 EA37 EA39 EA40 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記一般式(1)で表されるハロ
    ゲン化フタロシアニンと、(b)カルボキシル基または
    フェノール性水酸基を有するアミノ樹脂とを含有するこ
    とを特徴とするカラーフィルター用インクジェットイン
    キ組成物。 【化1】 (1)(式中、MはAl、Si、Sc、Ti、V、F
    e、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、
    In、Sn、Pbから選ばれる1種の金属または2個の
    水素原子を表す。X〜X16は水素、フッ素、塩素、
    臭素、またはヨウ素から選ばれる原子を表し、ハロゲン
    原子の総和は8〜16の整数である。Yはフッ素、塩
    素、臭素、ヨウ素、酸素、または水酸基を表し、mは0
    〜2の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 (b)カルボキシル基またはフェノール
    性水酸基を有するアミノ樹脂が、(4,6−ジアミノ−
    1,3,5−トリアジン−2−イル)安息香酸と、ホル
    ムアルデヒド、グリオキシル酸、スクシンセミアルデヒ
    ド、ヒドロキシベンズアルデヒドからなる群から選ばれ
    る少なくとも一つのアルデヒド化合物とを縮合させて得
    られるアミノ樹脂である請求項1に記載のカラーフィル
    ター用インクジェットインキ組成物。
  3. 【請求項3】 (b)カルボキシル基またはフェノール
    性水酸基を有するアミノ樹脂が、メラミン、ベンゾグア
    ナミン、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
    −2−イル)安息香酸からなる群から選ばれる少なくと
    も一つのトリアジン系化合物と、グリオキシル酸、スク
    シンセミアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドから
    なる群から選ばれる少なくとも一つのアルデヒド化合物
    とを縮合させて得られるアミノ樹脂である請求項1に記
    載のカラーフィルター用インクジェットインキ組成物。
  4. 【請求項4】(c)光重合性官能基を有する化合物を含
    有する請求項1に記載のカラーフィルター用インクジェ
    ットインキ組成物。
  5. 【請求項5】 透明基板上に、請求項1に記載のカラー
    フィルター用インクジェットインキ組成物の着色硬化皮
    膜層を有することを特徴とするカラーフィルター。
  6. 【請求項6】 透明基板上に、請求項4に記載のカラー
    フィルター用インクジェットインキ組成物の着色硬化皮
    膜層を有することを特徴とするカラーフィルター。
  7. 【請求項7】 透明基板上に、(a)上記一般式(1)
    で表されるハロゲン化フタロシアニンと(b)カルボキ
    シル基またはフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂と
    を含有するカラーフィルター用インクジェットインキ組
    成物を用いてインクジェット記録法により該カラーフィ
    ルター用インクジェットインキ組成物の着色皮膜層を形
    成した後、該着色皮膜層を硬化させることを特徴とする
    カラーフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 カラーフィルター用インクジェットイン
    キ組成物が、(c)光重合性官能基を有する化合物を含
    有する組成物である請求項7に記載のカラーフィルター
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 カラーフィルター用インクジェットイン
    キ組成物の着色皮膜層を光硬化させた後、さらに熱硬化
    させる請求項8に記載のカラーフィルターの製造方法。
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