JP2003193231A - スパッタ源、スパッタ成膜装置、スパッタ成膜方法、光学多層膜、光学部材及び投影露光装置 - Google Patents
スパッタ源、スパッタ成膜装置、スパッタ成膜方法、光学多層膜、光学部材及び投影露光装置Info
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- JP2003193231A JP2003193231A JP2001395619A JP2001395619A JP2003193231A JP 2003193231 A JP2003193231 A JP 2003193231A JP 2001395619 A JP2001395619 A JP 2001395619A JP 2001395619 A JP2001395619 A JP 2001395619A JP 2003193231 A JP2003193231 A JP 2003193231A
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 化学量論組成でフッ素欠損のないフッ化物薄
膜をマグネトロンスパッタリング法により得ることであ
る。 【解決手段】 このマグネトロンスパッタ成膜装置は、
スパッタガスが導入され、この導入されたスパッタガス
がプラズマ化される成膜チャンバ10と、前記成膜チャ
ンバ内に配置された基板18と、前記成膜チャンバ内に
おいて、前記基板に対向して配置されたスパッタターゲ
ット22を有する陰極と前記スパッタターゲット上方の
空間を覆い発生したプラズマを閉じ込めるプラズマシー
ルド24から構成される陽極とを備えるスパッタ源とを
有する。
膜をマグネトロンスパッタリング法により得ることであ
る。 【解決手段】 このマグネトロンスパッタ成膜装置は、
スパッタガスが導入され、この導入されたスパッタガス
がプラズマ化される成膜チャンバ10と、前記成膜チャ
ンバ内に配置された基板18と、前記成膜チャンバ内に
おいて、前記基板に対向して配置されたスパッタターゲ
ット22を有する陰極と前記スパッタターゲット上方の
空間を覆い発生したプラズマを閉じ込めるプラズマシー
ルド24から構成される陽極とを備えるスパッタ源とを
有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタターゲッ
トが取り付けられた陰極を有するスパッタ源、このスパ
ッタ源を用いるスパッタ成膜装置及びスパッタ成膜方
法、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜方法により
製造された光学多層膜、この光学多層膜を有する光学部
材及びこの光学部材を有する投影露光装置に関するもの
である。
トが取り付けられた陰極を有するスパッタ源、このスパ
ッタ源を用いるスパッタ成膜装置及びスパッタ成膜方
法、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜方法により
製造された光学多層膜、この光学多層膜を有する光学部
材及びこの光学部材を有する投影露光装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】フッ化物材料は、赤外〜真空紫外領域ま
での広い光波長範囲にわたって透明であるという優れた
光学特性を有している。特に波長180nm以下では、ほと
んどの酸化物材料が不透明であるのに対して、多くのフ
ッ化物材料は透明である。それ故、フッ化物は特に真空紫
外領域用の光学素子材料、光学薄膜として必要不可欠で
ある。
での広い光波長範囲にわたって透明であるという優れた
光学特性を有している。特に波長180nm以下では、ほと
んどの酸化物材料が不透明であるのに対して、多くのフ
ッ化物材料は透明である。それ故、フッ化物は特に真空紫
外領域用の光学素子材料、光学薄膜として必要不可欠で
ある。
【0003】近年、半導体集積回路の高集積化、高密度
化が進んできている。回路の線幅を更に細くし、パター
ンを更に精細にするために、半導体回路製造用縮小投影
露光装置のフォトリソグラフィ解像度の益々の向上が求
められている。解像度を上げるために露光光源波長は、
これまでにg線, i線(365nm), KrFエキシマレーザ(波
長248nm)と短波長化してきており、今後は、 ArFレーザ
(波長193nm), F2レーザ(157nm)へと更なる短波長化
が進んでいくことは必至である。短波長化が進んだ露光
装置に用いられるレンズやプリズムなどの光学素子、そ
れら光学素子表面にコートされた反射防止膜や偏向膜な
どの光学薄膜には、上記理由からフッ化物が用いられて
いる。
化が進んできている。回路の線幅を更に細くし、パター
ンを更に精細にするために、半導体回路製造用縮小投影
露光装置のフォトリソグラフィ解像度の益々の向上が求
められている。解像度を上げるために露光光源波長は、
これまでにg線, i線(365nm), KrFエキシマレーザ(波
長248nm)と短波長化してきており、今後は、 ArFレーザ
(波長193nm), F2レーザ(157nm)へと更なる短波長化
が進んでいくことは必至である。短波長化が進んだ露光
装置に用いられるレンズやプリズムなどの光学素子、そ
れら光学素子表面にコートされた反射防止膜や偏向膜な
どの光学薄膜には、上記理由からフッ化物が用いられて
いる。
【0004】縮小投影露光装置では、レーザ光源から半
導体回路が露光されるウエハまでの間に、数十枚にもお
よぶ様々な用途の光学素子が配置されており、これら光
学素子表面にはそれぞれ目的に応じたフッ化物薄膜がコ
ートされている。光学素子材料そのもの、及び、フッ化
物薄膜には当然ながら光吸収があるので、最終的にウエ
ハ面上へ到達する光量はかなり小さくなる。露光性能、
生産性向上のためには、この光量減少をできる限り小さ
くしなければならない。即ち、各々の光学素子及び薄膜
の光吸収を小さくすればするほど、露光装置の性能を向
上させることができる。
導体回路が露光されるウエハまでの間に、数十枚にもお
よぶ様々な用途の光学素子が配置されており、これら光
学素子表面にはそれぞれ目的に応じたフッ化物薄膜がコ
ートされている。光学素子材料そのもの、及び、フッ化
物薄膜には当然ながら光吸収があるので、最終的にウエ
ハ面上へ到達する光量はかなり小さくなる。露光性能、
生産性向上のためには、この光量減少をできる限り小さ
くしなければならない。即ち、各々の光学素子及び薄膜
の光吸収を小さくすればするほど、露光装置の性能を向
上させることができる。
【0005】光学素子材料そのものは長年にわたり鋭意
研究開発されてきた結果、光吸収の原因となる欠陥や不
純物の含有量は極力抑えられ、また、研磨技術の発達に
より素子表面での散乱も極力低下している。一方、真空紫
外光及び紫外光用光学薄膜は、主に抵抗加熱型真空蒸着
法及びマグネトロンスパッタリング法、イオンビームス
パッタリング法などの各種PVD法により成膜されてきた。
研究開発されてきた結果、光吸収の原因となる欠陥や不
純物の含有量は極力抑えられ、また、研磨技術の発達に
より素子表面での散乱も極力低下している。一方、真空紫
外光及び紫外光用光学薄膜は、主に抵抗加熱型真空蒸着
法及びマグネトロンスパッタリング法、イオンビームス
パッタリング法などの各種PVD法により成膜されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】抵抗加熱型真空蒸着法
により作製した酸化物光学薄膜並びにフッ化物薄膜は、
化学量論組成であるものの、ポーラスで比表面積が大き
な構造となるために、水分や有機系物質が際限なく物理
的並びに化学的に吸着して、透過率の経時低下を引き起
こすという問題点がある。また、これら吸着物質に起因
して,露光光源であるレーザ光に対する薄膜の耐性も低
下するという問題点がある。一方、マグネトロンスパッ
タリング法やイオンビームスパッタリング法は、抵抗加
熱型蒸着法に比べて、緻密かつ平坦で比表面積の小さな
薄膜を得やすいという利点がある。比表面積が小さいの
で,水分や有機物質の吸着による薄膜の変質、透過率の
経時低下もほとんどなく、レーザ耐性も高くなる。それ
ゆえ、光学薄膜を抵抗加熱型蒸着法に代えてマグネトロ
ンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法に
より得ようとする研究がこれまでに数多くなされてき
た。
により作製した酸化物光学薄膜並びにフッ化物薄膜は、
化学量論組成であるものの、ポーラスで比表面積が大き
な構造となるために、水分や有機系物質が際限なく物理
的並びに化学的に吸着して、透過率の経時低下を引き起
こすという問題点がある。また、これら吸着物質に起因
して,露光光源であるレーザ光に対する薄膜の耐性も低
下するという問題点がある。一方、マグネトロンスパッ
タリング法やイオンビームスパッタリング法は、抵抗加
熱型蒸着法に比べて、緻密かつ平坦で比表面積の小さな
薄膜を得やすいという利点がある。比表面積が小さいの
で,水分や有機物質の吸着による薄膜の変質、透過率の
経時低下もほとんどなく、レーザ耐性も高くなる。それ
ゆえ、光学薄膜を抵抗加熱型蒸着法に代えてマグネトロ
ンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法に
より得ようとする研究がこれまでに数多くなされてき
た。
【0007】その結果、酸化物薄膜については、アルゴ
ンなど希ガスのスパッタガスと共に各種酸化剤を添加す
ることで比較的容易に化学量論組成であり、かつ緻密平
坦な薄膜を得ることができた。金属をスパッタターゲッ
トとした場合には、Ar+など希ガスイオンがターゲッ
トに加速衝突することで、ターゲット表面からスパッタ
された金属粒子を酸化させて基板上に酸化物として形成
するために、当然酸化剤が必要である。また、酸化物焼
結体をスパッタターゲットとした場合にも、やはり酸化
剤が必要である。なぜならば、ほとんどの酸化物ターゲ
ットをAr+など希ガスイオンのイオン衝撃によりスパ
ッタする際に,選択スパッタリング現象が生じて,酸素
原子だけが先に抜けて、酸化物ターゲット表面が酸素欠
損を生じて金属リッチになってしまうからである。酸素
欠損のある金属リッチなターゲットからスパッタされた
粒子だけで膜を形成すれば、当然、化学量論組成に比べ
て酸素欠損のある吸収の大きな膜しか得られないことか
ら、酸化剤を導入して足りない酸素を補うことで初めて
化学量論組成の膜が得られた。
ンなど希ガスのスパッタガスと共に各種酸化剤を添加す
ることで比較的容易に化学量論組成であり、かつ緻密平
坦な薄膜を得ることができた。金属をスパッタターゲッ
トとした場合には、Ar+など希ガスイオンがターゲッ
トに加速衝突することで、ターゲット表面からスパッタ
された金属粒子を酸化させて基板上に酸化物として形成
するために、当然酸化剤が必要である。また、酸化物焼
結体をスパッタターゲットとした場合にも、やはり酸化
剤が必要である。なぜならば、ほとんどの酸化物ターゲ
ットをAr+など希ガスイオンのイオン衝撃によりスパ
ッタする際に,選択スパッタリング現象が生じて,酸素
原子だけが先に抜けて、酸化物ターゲット表面が酸素欠
損を生じて金属リッチになってしまうからである。酸素
欠損のある金属リッチなターゲットからスパッタされた
粒子だけで膜を形成すれば、当然、化学量論組成に比べ
て酸素欠損のある吸収の大きな膜しか得られないことか
ら、酸化剤を導入して足りない酸素を補うことで初めて
化学量論組成の膜が得られた。
【0008】上述のように、酸化物薄膜については、マ
グネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリ
ング法によって、比較的容易に抵抗加熱型蒸着法よりも
優れた膜を得ることができた。フッ化物薄膜についても
同様にして研究されてきたが、酸化物薄膜の場合とは異
なり、化学量論組成の薄膜を得ることができず、フッ素
が大幅に欠損した吸収の大きな薄膜しか得られていな
い。即ち、正しく化学量論組成になっているフッ化物薄
膜を得ることができるようなマグネトロンスパッタリン
グ法やイオンビームスパッタリング法は確立できていな
いのが現状である。
グネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリ
ング法によって、比較的容易に抵抗加熱型蒸着法よりも
優れた膜を得ることができた。フッ化物薄膜についても
同様にして研究されてきたが、酸化物薄膜の場合とは異
なり、化学量論組成の薄膜を得ることができず、フッ素
が大幅に欠損した吸収の大きな薄膜しか得られていな
い。即ち、正しく化学量論組成になっているフッ化物薄
膜を得ることができるようなマグネトロンスパッタリン
グ法やイオンビームスパッタリング法は確立できていな
いのが現状である。
【0009】図4に、従来のマグネトロンスパッタリン
グ法に用いられるマグネトロンスパッタ成膜装置の概念
図を示す。このマグネトロンスパッタ成膜装置は、真空
チャンバ50を有し、真空チャンバ50内に陰極上部に
取付けられたターゲット52、及び陽極上に設置された
基板54が設けられている。このマグネトロンスパッタ
成膜装置においては、陰極に高周波を印加してセルフバ
イアス効果により負バイアスし、又は陰極に直流負電圧
を印加して(金属ターゲットの場合のみ)負バイアスす
ることで、陰極上部に取り付けられたターゲット52の
表面上に広がる空間にプラズマ56を形成させる。
グ法に用いられるマグネトロンスパッタ成膜装置の概念
図を示す。このマグネトロンスパッタ成膜装置は、真空
チャンバ50を有し、真空チャンバ50内に陰極上部に
取付けられたターゲット52、及び陽極上に設置された
基板54が設けられている。このマグネトロンスパッタ
成膜装置においては、陰極に高周波を印加してセルフバ
イアス効果により負バイアスし、又は陰極に直流負電圧
を印加して(金属ターゲットの場合のみ)負バイアスす
ることで、陰極上部に取り付けられたターゲット52の
表面上に広がる空間にプラズマ56を形成させる。
【0010】また、磁力線がターゲット52の表面近傍
の空間に集中するように、陰極内部にはマグネット(図
示せず)が配置されている。電子はこの磁力線に束縛さ
れてローレンツ力により螺旋運動をしながら、ガス分子
と衝突を繰り返しガス分子の電離を促進する。よって、
ターゲット52の表面の極近傍の磁力線密度が高い空間
ではプラズマ密度が高くなり、ターゲットから離れるに
したがってプラズマ密度は急激に低下する。このよう
に、ターゲット52の表面の極近傍の空間を高密度プラ
ズマ化することで、プラスイオンを効率よく生成し、タ
ーゲット表面に向けて加速衝突させ、ターゲット構成元
素のスパッタ率を上げている。また、プラズマをターゲ
ット52の近傍に集中させることで、対向する陽極上に
設置された基板54へのプラズマによるダメージを小さ
くしている。
の空間に集中するように、陰極内部にはマグネット(図
示せず)が配置されている。電子はこの磁力線に束縛さ
れてローレンツ力により螺旋運動をしながら、ガス分子
と衝突を繰り返しガス分子の電離を促進する。よって、
ターゲット52の表面の極近傍の磁力線密度が高い空間
ではプラズマ密度が高くなり、ターゲットから離れるに
したがってプラズマ密度は急激に低下する。このよう
に、ターゲット52の表面の極近傍の空間を高密度プラ
ズマ化することで、プラスイオンを効率よく生成し、タ
ーゲット表面に向けて加速衝突させ、ターゲット構成元
素のスパッタ率を上げている。また、プラズマをターゲ
ット52の近傍に集中させることで、対向する陽極上に
設置された基板54へのプラズマによるダメージを小さ
くしている。
【0011】マグネトロンスパッタ成膜装置において、
酸化物薄膜を得る際には、Arと酸素系ガスの混合プラ
ズマを使用する。プラズマ内で電離過程の結果生じる荷
電粒子は、プラスイオンと電子であってマイナスイオン
はほとんど生じない。プラスイオンは陰極であるターゲ
ットへ向かって加速し衝突してターゲット構成元素をス
パッタする。即ち、陽極である基板に向かって加速して
いくイオンはほとんど存在しない。
酸化物薄膜を得る際には、Arと酸素系ガスの混合プラ
ズマを使用する。プラズマ内で電離過程の結果生じる荷
電粒子は、プラスイオンと電子であってマイナスイオン
はほとんど生じない。プラスイオンは陰極であるターゲ
ットへ向かって加速し衝突してターゲット構成元素をス
パッタする。即ち、陽極である基板に向かって加速して
いくイオンはほとんど存在しない。
【0012】一方、我々は、これまでに鋭意研究してき
た結果、これまでのマグネトロンスパッタリング成膜法
によって、化学量論組成からフッ素が大幅に欠損した吸
収の大きなフッ化物膜しか得ることができなかった理由
がプラズマ中で大量に生成されるマイナスイオンが、陽
極である基板に向かって加速し堆積膜を選択スパッタす
るためであることを突き止めた。
た結果、これまでのマグネトロンスパッタリング成膜法
によって、化学量論組成からフッ素が大幅に欠損した吸
収の大きなフッ化物膜しか得ることができなかった理由
がプラズマ中で大量に生成されるマイナスイオンが、陽
極である基板に向かって加速し堆積膜を選択スパッタす
るためであることを突き止めた。
【0013】即ち、マグネトロンスパッタリング法によ
りフッ化物薄膜を得る際には、Arとフッ素系ガスの混
合プラズマを使用する。プラズマ内で電離過程の結果生
じる荷電粒子は、プラスイオンと電子だけではなくマイ
ナスイオンも生成される。F原子は全ての元素の中で最
も電気陰性度が大きい元素であるため、F原子やF原子
を含む分子種は、プラズマ中に存在する電子と結合して
マイナスイオンとなる。マイナスイオンにとっては陰極
ではなく陽極こそが加速対象であるため、陰極に印加し
た負電圧分のエネルギーを得て、プラスイオンが加速さ
れて陰極に入射衝突するのと同様にマイナスイオンも加
速されて陽極に入射衝突する。陽極である基板上にはフ
ッ化物膜が堆積している。この堆積膜にマイナスイオン
が加速衝突して、堆積膜材料を選択スパッタする現象が
生じ、軽元素であるFが選択的にスパッタされるため
に、堆積膜はフッ素が欠損し吸収の大きな膜となる。
りフッ化物薄膜を得る際には、Arとフッ素系ガスの混
合プラズマを使用する。プラズマ内で電離過程の結果生
じる荷電粒子は、プラスイオンと電子だけではなくマイ
ナスイオンも生成される。F原子は全ての元素の中で最
も電気陰性度が大きい元素であるため、F原子やF原子
を含む分子種は、プラズマ中に存在する電子と結合して
マイナスイオンとなる。マイナスイオンにとっては陰極
ではなく陽極こそが加速対象であるため、陰極に印加し
た負電圧分のエネルギーを得て、プラスイオンが加速さ
れて陰極に入射衝突するのと同様にマイナスイオンも加
速されて陽極に入射衝突する。陽極である基板上にはフ
ッ化物膜が堆積している。この堆積膜にマイナスイオン
が加速衝突して、堆積膜材料を選択スパッタする現象が
生じ、軽元素であるFが選択的にスパッタされるため
に、堆積膜はフッ素が欠損し吸収の大きな膜となる。
【0014】本発明の課題は、化学量論組成でフッ素欠
損のないフッ化物薄膜をマグネトロンスパッタリング法
により得るためのスパッタ源、このスパッタ源を用いる
スパッタ成膜装置及びスパッタ成膜方法を提供すること
である。また、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜
方法により製造された光学多層膜、この光学多層膜を有
する光学部材及びこの光学部材を有する投影露光装置を
提供することである。
損のないフッ化物薄膜をマグネトロンスパッタリング法
により得るためのスパッタ源、このスパッタ源を用いる
スパッタ成膜装置及びスパッタ成膜方法を提供すること
である。また、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜
方法により製造された光学多層膜、この光学多層膜を有
する光学部材及びこの光学部材を有する投影露光装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】従来のマグネトロンスパ
ッタ成膜装置においては、ターゲットを取り付けた陰極
を、高周波電源や直流電源を用いて、陽極に対してマイ
ナスにバイアスして、Ar+イオンなどのプラスイオンを
ターゲットへ加速入射させて、そのイオン衝撃によりタ
ーゲット構成元素をスパッタしている。ターゲットに対
向する位置に配置された基板及び成膜チャンバが陽極で
ある。成膜チャンバは接地電位である。基板電位は、接
地電位(接地電位よりもプラスやマイナスにバイアスす
ることもある)とする。ただし、ターゲットに対しては
常に陽極となるような電位をとる。
ッタ成膜装置においては、ターゲットを取り付けた陰極
を、高周波電源や直流電源を用いて、陽極に対してマイ
ナスにバイアスして、Ar+イオンなどのプラスイオンを
ターゲットへ加速入射させて、そのイオン衝撃によりタ
ーゲット構成元素をスパッタしている。ターゲットに対
向する位置に配置された基板及び成膜チャンバが陽極で
ある。成膜チャンバは接地電位である。基板電位は、接
地電位(接地電位よりもプラスやマイナスにバイアスす
ることもある)とする。ただし、ターゲットに対しては
常に陽極となるような電位をとる。
【0016】基板電極の電位(Vs)、ターゲット電極
の電位(Vt)とすると、必ず、Vs>> Vt である。な
ぜならば、Vt電位の方が低いからこそ、ターゲット電極
近傍の空間にプラスイオンシース(陰極降下部)が形成
されて、プラスイオンがターゲットに加速入射する。仮
に、Vs << Vt であれば、基板電極近傍の空間に
プラスイオンシース(陰極降下部)が形成されて、プラ
スイオンが基板に加速入射する。つまり、基板こそがタ
ーゲットになる。
の電位(Vt)とすると、必ず、Vs>> Vt である。な
ぜならば、Vt電位の方が低いからこそ、ターゲット電極
近傍の空間にプラスイオンシース(陰極降下部)が形成
されて、プラスイオンがターゲットに加速入射する。仮
に、Vs << Vt であれば、基板電極近傍の空間に
プラスイオンシース(陰極降下部)が形成されて、プラ
スイオンが基板に加速入射する。つまり、基板こそがタ
ーゲットになる。
【0017】これまでのマグネトロンスパッタリング法
で用いられてきたガスは、希ガスの他は、窒化物膜を形
成する場合には窒素系ガス、酸化物膜を形成する場合に
は酸素系ガスであった。これらいずれのガスのプラズマ
もプラスイオンと電子からなり、全体としては電気的中
性を保っていた。従って、イオン衝撃とは、プラスイオ
ン衝撃のことであり、電位関係が Vs=0V(アース)>
> Vt の時には、基板をプラズマに近づけてプラスイ
オンに触れさせても、基板は加速対象ではないので、ダ
メージは小さかった。また、基板を遠ざけることによ
り、基板をプラズマから隔離していた。
で用いられてきたガスは、希ガスの他は、窒化物膜を形
成する場合には窒素系ガス、酸化物膜を形成する場合に
は酸素系ガスであった。これらいずれのガスのプラズマ
もプラスイオンと電子からなり、全体としては電気的中
性を保っていた。従って、イオン衝撃とは、プラスイオ
ン衝撃のことであり、電位関係が Vs=0V(アース)>
> Vt の時には、基板をプラズマに近づけてプラスイ
オンに触れさせても、基板は加速対象ではないので、ダ
メージは小さかった。また、基板を遠ざけることによ
り、基板をプラズマから隔離していた。
【0018】また、電位関係が Vs<0V(アース)>>
Vt であり、かつVs >> Vt の時、即ち窒化
物など硬質な膜を得たい時等には、基板を接地電位に対
してマイナスにバイアスしてプラスイオンを加速入射さ
せてイオン衝撃を高めて緻密で圧縮応力を高くした。
Vt であり、かつVs >> Vt の時、即ち窒化
物など硬質な膜を得たい時等には、基板を接地電位に対
してマイナスにバイアスしてプラスイオンを加速入射さ
せてイオン衝撃を高めて緻密で圧縮応力を高くした。
【0019】一方、フッ化物光学薄膜は、前述の硬質膜
とは全く異なり、過度のイオン衝撃をさけて成膜した方
がよい。なぜならば、堆積膜が選択スパッタリングして
組成ずれを起こす場合には、不対電子が発生して吸収の
原因となる。また、イオン衝撃を受けながらの成長で
は、結晶子が小さくなり構造不整が増加し、膜の比表面
積も増加する。表面積が増加すれば、有機物質や水蒸気
も吸着し易くなり、湿度に弱い材料では酸化、水酸化反
応も激しくなり、吸収損失が多くなる。
とは全く異なり、過度のイオン衝撃をさけて成膜した方
がよい。なぜならば、堆積膜が選択スパッタリングして
組成ずれを起こす場合には、不対電子が発生して吸収の
原因となる。また、イオン衝撃を受けながらの成長で
は、結晶子が小さくなり構造不整が増加し、膜の比表面
積も増加する。表面積が増加すれば、有機物質や水蒸気
も吸着し易くなり、湿度に弱い材料では酸化、水酸化反
応も激しくなり、吸収損失が多くなる。
【0020】マグネトロンスパッタリング法によりフッ
化物膜を形成するために、フッ化物ターゲットを用いた
り、フッ素系ガスを入れたりして、フッ素混合プラズマ
を利用する。Fという元素はプラズマ中で積極的に負イ
オンになる唯一の元素である。F-やCFx-やSFx-といっ
た種々のマイナスイオンが形成される。この場合には、
電位関係が Vs=0V(アース)>> Vt Vs<0V(アース)>> Vt ただし、Vs >> Vt Vs>0V(アース)>> Vt の何れであろうが、基板電極(陽極)がマイナスイオン
の加速対象になる。
化物膜を形成するために、フッ化物ターゲットを用いた
り、フッ素系ガスを入れたりして、フッ素混合プラズマ
を利用する。Fという元素はプラズマ中で積極的に負イ
オンになる唯一の元素である。F-やCFx-やSFx-といっ
た種々のマイナスイオンが形成される。この場合には、
電位関係が Vs=0V(アース)>> Vt Vs<0V(アース)>> Vt ただし、Vs >> Vt Vs>0V(アース)>> Vt の何れであろうが、基板電極(陽極)がマイナスイオン
の加速対象になる。
【0021】プラスイオンが、陰極と陽極の電位差分だ
けのエネルギーを受け取って,陰極であるターゲットに
加速入射してターゲット材料をスパッタ(当然選択スパ
ッタ現象を生じながら)するのと全く同じように、マイ
ナスイオンは、陰極と陽極の電位差分だけのエネルギー
を受け取って、逆に陽極である基板へ加速入射して基板
上の成長膜をスパッタ(当然選択スパッタ現象を生じな
がら)してしまう。
けのエネルギーを受け取って,陰極であるターゲットに
加速入射してターゲット材料をスパッタ(当然選択スパ
ッタ現象を生じながら)するのと全く同じように、マイ
ナスイオンは、陰極と陽極の電位差分だけのエネルギー
を受け取って、逆に陽極である基板へ加速入射して基板
上の成長膜をスパッタ(当然選択スパッタ現象を生じな
がら)してしまう。
【0022】基板電極近傍にマイナスイオンシースが形
成されているため、基板をプラズマからはなしても無駄
である。マイナスイオン衝撃を受けた成長膜は、選択ス
パッタリングにより必ずフッ素欠損が生じて、紫外域お
よび真空紫外域の吸収損失が増加してしまう。
成されているため、基板をプラズマからはなしても無駄
である。マイナスイオン衝撃を受けた成長膜は、選択ス
パッタリングにより必ずフッ素欠損が生じて、紫外域お
よび真空紫外域の吸収損失が増加してしまう。
【0023】そこで、以下の請求項1〜請求項11に示
す、化学量論組成でフッ素欠損のないフッ化物薄膜をマ
グネトロンスパッタリング法により得るためのスパッタ
源、このスパッタ源を用いるスパッタ成膜装置及びスパ
ッタ成膜方法、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜
方法により製造された光学多層膜、この光学多層膜を有
する光学部材及びこの光学部材を有する投影露光装置を
発明した。即ち、請求項1記載のスパッタ源は、スパッ
タターゲットを有する陰極と、前記スパッタターゲット
上方の空間を覆い発生したプラズマを閉じ込めるプラズ
マシールドから構成される陽極とを備えることを特徴と
する。
す、化学量論組成でフッ素欠損のないフッ化物薄膜をマ
グネトロンスパッタリング法により得るためのスパッタ
源、このスパッタ源を用いるスパッタ成膜装置及びスパ
ッタ成膜方法、このスパッタ成膜装置又はスパッタ成膜
方法により製造された光学多層膜、この光学多層膜を有
する光学部材及びこの光学部材を有する投影露光装置を
発明した。即ち、請求項1記載のスパッタ源は、スパッ
タターゲットを有する陰極と、前記スパッタターゲット
上方の空間を覆い発生したプラズマを閉じ込めるプラズ
マシールドから構成される陽極とを備えることを特徴と
する。
【0024】また、請求項2記載のスパッタ源は、前記
プラズマシールドが上部に開口部を有することを特徴と
する。
プラズマシールドが上部に開口部を有することを特徴と
する。
【0025】また、請求項3記載のスパッタ源は、前記
プラズマシールド上部の前記開口部に該開口部を被う耐
フッ素性の金属メッシュを備え、該金属メッシュと前記
プラズマシールドとを同電位とすることを特徴とする。
プラズマシールド上部の前記開口部に該開口部を被う耐
フッ素性の金属メッシュを備え、該金属メッシュと前記
プラズマシールドとを同電位とすることを特徴とする。
【0026】また請求項4記載のスパッタ源は、前記プ
ラズマシールドの電位が成膜チャンバと同電位であり、
かつ接地電位であることを特徴とする。
ラズマシールドの電位が成膜チャンバと同電位であり、
かつ接地電位であることを特徴とする。
【0027】この請求項1〜請求項4記載のスパッタ源
によれば、陰極であるスパッタターゲットと陽極である
プラズマシールドで囲まれた空間内にプラズマが閉じ込
められて、該空間の外側にてプラズマが発生しないの
で、該空間の外側に設置された基板がプラズマ及び負イ
オンの衝撃にさらされることがない。また、該空間にお
いて、ターゲットからたたき出されたスパッタ粒子とプ
ラズマあるいは励起状態にあるフッ素系反応性ガス種と
を反応促進させることができる。
によれば、陰極であるスパッタターゲットと陽極である
プラズマシールドで囲まれた空間内にプラズマが閉じ込
められて、該空間の外側にてプラズマが発生しないの
で、該空間の外側に設置された基板がプラズマ及び負イ
オンの衝撃にさらされることがない。また、該空間にお
いて、ターゲットからたたき出されたスパッタ粒子とプ
ラズマあるいは励起状態にあるフッ素系反応性ガス種と
を反応促進させることができる。
【0028】また、請求項5記載のスパッタ成膜装置
は、スパッタガスが導入され、この導入されたスパッタ
ガスがプラズマ化される成膜チャンバと、前記成膜チャ
ンバ内に配置された基板と、前記成膜チャンバ内におい
て前記基板に対向して配置された請求項1〜請求項4の
何れか一項に記載のスパッタ源とを備えることを特徴と
する。
は、スパッタガスが導入され、この導入されたスパッタ
ガスがプラズマ化される成膜チャンバと、前記成膜チャ
ンバ内に配置された基板と、前記成膜チャンバ内におい
て前記基板に対向して配置された請求項1〜請求項4の
何れか一項に記載のスパッタ源とを備えることを特徴と
する。
【0029】この請求項5記載のスパッタ成膜装置によ
れば、スパッタ源において、陰極であるスパッタターゲ
ットと陽極であるプラズマシールドで囲まれた空間内に
プラズマが閉じ込められて、該空間の外側にてプラズマ
が発生しないので、該空間の外側に設置された基板がプ
ラズマおよび負イオン衝撃にさらされることがない。ま
た、該空間において、ターゲットからたたき出されたス
パッタ粒子とプラズマあるいは励起状態にあるフッ素系
反応性ガス種とを反応促進させることで、フッ素欠損が
なく、紫外域及び真空紫外域にて光吸収の少ないフッ化
物光学薄膜を得ることができる。更に、接地電位にある
プラズマシールドによりターゲット前方の空間内にプラ
ズマを完全に閉じ込めることによって、該空間の外に配
置された基板がプラズマに全くさらされないようにする
ことができ、基板がマイナスイオン衝撃を被ることな
く、化学量論組成膜を基板上に堆積させることができ
る。
れば、スパッタ源において、陰極であるスパッタターゲ
ットと陽極であるプラズマシールドで囲まれた空間内に
プラズマが閉じ込められて、該空間の外側にてプラズマ
が発生しないので、該空間の外側に設置された基板がプ
ラズマおよび負イオン衝撃にさらされることがない。ま
た、該空間において、ターゲットからたたき出されたス
パッタ粒子とプラズマあるいは励起状態にあるフッ素系
反応性ガス種とを反応促進させることで、フッ素欠損が
なく、紫外域及び真空紫外域にて光吸収の少ないフッ化
物光学薄膜を得ることができる。更に、接地電位にある
プラズマシールドによりターゲット前方の空間内にプラ
ズマを完全に閉じ込めることによって、該空間の外に配
置された基板がプラズマに全くさらされないようにする
ことができ、基板がマイナスイオン衝撃を被ることな
く、化学量論組成膜を基板上に堆積させることができ
る。
【0030】また、請求項6記載のスパッタ成膜方法
は、基板又はレンズを成膜チャンバ内の基板ホルダに取
付ける工程と、前記成膜チャンバ内を真空排気する工程
と、前記成膜チャンバ内にスパッタガスを導入する工程
と、高周波電源からの電源出力を陰極であるスパッタタ
ーゲットへ印加して、前記スパッタターゲットと陽極で
あるプラズマシールドで囲まれた空間内にプラズマを発
生させ閉じ込める工程と、所定時間スパッタ成膜を行う
工程とを備えることを特徴とする。
は、基板又はレンズを成膜チャンバ内の基板ホルダに取
付ける工程と、前記成膜チャンバ内を真空排気する工程
と、前記成膜チャンバ内にスパッタガスを導入する工程
と、高周波電源からの電源出力を陰極であるスパッタタ
ーゲットへ印加して、前記スパッタターゲットと陽極で
あるプラズマシールドで囲まれた空間内にプラズマを発
生させ閉じ込める工程と、所定時間スパッタ成膜を行う
工程とを備えることを特徴とする。
【0031】この請求項6記載のスパッタ成膜方法によ
れば、スパッタ源において、スパッタターゲットとプラ
ズマシールドで囲まれた空間内にプラズマが閉じ込めら
れて、該空間の外側にてプラズマが発生しないので、該
空間の外側に設置された基板がプラズマおよび負イオン
衝撃にさらされることがない。また、該空間において、
ターゲットからたたき出されたスパッタ粒子とプラズマ
あるいは励起状態にあるフッ素系反応性ガス種とを反応
促進させることで、フッ素欠損がなく、紫外域および真
空紫外域にて光吸収の少ないフッ化物光学薄膜を得るこ
とができる。
れば、スパッタ源において、スパッタターゲットとプラ
ズマシールドで囲まれた空間内にプラズマが閉じ込めら
れて、該空間の外側にてプラズマが発生しないので、該
空間の外側に設置された基板がプラズマおよび負イオン
衝撃にさらされることがない。また、該空間において、
ターゲットからたたき出されたスパッタ粒子とプラズマ
あるいは励起状態にあるフッ素系反応性ガス種とを反応
促進させることで、フッ素欠損がなく、紫外域および真
空紫外域にて光吸収の少ないフッ化物光学薄膜を得るこ
とができる。
【0032】また、請求項7記載の光学多層膜は、請求
項5記載のスパッタ成膜装置により製造したフッ化物薄
膜を、少なくとも一層含むことを特徴とする。また、請
求項8記載の光学多層膜は、請求項6記載のスパッタ成
膜方法により製造したフッ化物薄膜を、少なくとも一層
含むことを特徴とする。
項5記載のスパッタ成膜装置により製造したフッ化物薄
膜を、少なくとも一層含むことを特徴とする。また、請
求項8記載の光学多層膜は、請求項6記載のスパッタ成
膜方法により製造したフッ化物薄膜を、少なくとも一層
含むことを特徴とする。
【0033】この請求項7、請求項8記載の光学多層膜
は、請求項5記載のスパッタ成膜装置又は請求項6記載
のスパッタ成膜方法により製造したフッ化物薄膜を、少
なくとも一層含むため、紫外域及び真空紫外域における
光吸収を少なくすることができる。
は、請求項5記載のスパッタ成膜装置又は請求項6記載
のスパッタ成膜方法により製造したフッ化物薄膜を、少
なくとも一層含むため、紫外域及び真空紫外域における
光吸収を少なくすることができる。
【0034】また、請求項9記載の光学部材は、請求項
7又は請求項8に記載の光学多層膜を基板又はレンズ上に
有することを特徴とする。この請求項9記載の光学部材
は、請求項7又は請求項8に記載の光学多層膜を基板又は
レンズ上に有するため、紫外域及び真空紫外域における
光吸収を少なくすることができる。
7又は請求項8に記載の光学多層膜を基板又はレンズ上に
有することを特徴とする。この請求項9記載の光学部材
は、請求項7又は請求項8に記載の光学多層膜を基板又は
レンズ上に有するため、紫外域及び真空紫外域における
光吸収を少なくすることができる。
【0035】また、請求項10記載の投影露光装置は、
投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影
露光する投影露光装置であって、真空紫外線あるいは紫
外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、請
求項9に記載の光学部材を含み、前記マスクのパターン
像を前記基板上に形成する投影光学系とを備えたことを
特徴とする。
投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影
露光する投影露光装置であって、真空紫外線あるいは紫
外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、請
求項9に記載の光学部材を含み、前記マスクのパターン
像を前記基板上に形成する投影光学系とを備えたことを
特徴とする。
【0036】また、請求項11記載の投影露光装置は、
投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影
露光する投影露光装置であって、請求項9に記載の光学
部材を含み、真空紫外線あるいは紫外線を露光光として
マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン
像を前記基板上に形成する投影光学系とを備えたことを
特徴とするこの請求項10、請求項11記載の投影露光
装置によれば、照明光学系又は投影光学系に紫外域及び
真空紫外域における光吸収の少ない光学部材を含むた
め、露光光の照明光学系又は投影光学系における光損失
を少なくすることができ、露光光を効率よく基板上に導
くことができる。
投影光学系を用いてマスクのパターン像を基板上に投影
露光する投影露光装置であって、請求項9に記載の光学
部材を含み、真空紫外線あるいは紫外線を露光光として
マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターン
像を前記基板上に形成する投影光学系とを備えたことを
特徴とするこの請求項10、請求項11記載の投影露光
装置によれば、照明光学系又は投影光学系に紫外域及び
真空紫外域における光吸収の少ない光学部材を含むた
め、露光光の照明光学系又は投影光学系における光損失
を少なくすることができ、露光光を効率よく基板上に導
くことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態にかかるプラズマシールド型マグネトロン
スパッタ成膜装置について説明する。図1は、実施の形
態にかかるプラズマシールド型マグネトロンスパッタ成
膜装置の概略構成図である。このプラズマシールド型マ
グネトロンスパッタ成膜装置は、真空チャンバ(成膜チ
ャンバ)10を有し、この真空チャンバ10の側壁に
は、フッ素系ガス等のスパッタガスを導入するためのス
パッタガス導入口12が設けられていると共に、真空チ
ャンバ10内の排気を行うための排気装置(図示せず)に
接続されている排気口14が設けられている。
の実施の形態にかかるプラズマシールド型マグネトロン
スパッタ成膜装置について説明する。図1は、実施の形
態にかかるプラズマシールド型マグネトロンスパッタ成
膜装置の概略構成図である。このプラズマシールド型マ
グネトロンスパッタ成膜装置は、真空チャンバ(成膜チ
ャンバ)10を有し、この真空チャンバ10の側壁に
は、フッ素系ガス等のスパッタガスを導入するためのス
パッタガス導入口12が設けられていると共に、真空チ
ャンバ10内の排気を行うための排気装置(図示せず)に
接続されている排気口14が設けられている。
【0038】真空チャンバ10内の上部には、基板ホル
ダ16に取付けられた基板18が配置されている。ま
た、真空チャンバ10内の底部には、水冷された銅支持
台20上に取付けられたフッ化物ターゲット等のスパッ
タターゲット22と、銅支持台20とスパッタターゲッ
ト22とを内部に収容した円筒形状を有するプラズマシ
ールド24とにより構成されるスパッタ源が配設されて
いる。ここで銅支持台20及びスパッタターゲット22
は陰極を構成し、プラズマシールド24は陽極を構成す
る。このプラズマシールド24によりスパッタターゲッ
ト22の上方の空間を覆う。また、プラズマシールド2
4の電位は、真空チャンバ10と同電位であり、かつ接
地電位とする。ここでプラズマシールド24の材質は導
体であればよいが、耐フッ素性の観点から純ニッケル製
や純アルミニウム製であること好ましい。
ダ16に取付けられた基板18が配置されている。ま
た、真空チャンバ10内の底部には、水冷された銅支持
台20上に取付けられたフッ化物ターゲット等のスパッ
タターゲット22と、銅支持台20とスパッタターゲッ
ト22とを内部に収容した円筒形状を有するプラズマシ
ールド24とにより構成されるスパッタ源が配設されて
いる。ここで銅支持台20及びスパッタターゲット22
は陰極を構成し、プラズマシールド24は陽極を構成す
る。このプラズマシールド24によりスパッタターゲッ
ト22の上方の空間を覆う。また、プラズマシールド2
4の電位は、真空チャンバ10と同電位であり、かつ接
地電位とする。ここでプラズマシールド24の材質は導
体であればよいが、耐フッ素性の観点から純ニッケル製
や純アルミニウム製であること好ましい。
【0039】このプラズマシールド24は、上部に円筒
直径の5〜85%の直径である開口部24aを有してお
り、この開口部24aに耐フッ素性の金属である純ニッ
ケル製又は純アルミ製の金属メッシュ26が取付けられ
ている。この金属メッシュ26の電位は、プラズマシー
ルド24の電位と同電位とする。
直径の5〜85%の直径である開口部24aを有してお
り、この開口部24aに耐フッ素性の金属である純ニッ
ケル製又は純アルミ製の金属メッシュ26が取付けられ
ている。この金属メッシュ26の電位は、プラズマシー
ルド24の電位と同電位とする。
【0040】スパッタターゲット22が取付けられてい
る銅支持台20と真空チャンバ10との間には碍子28
が配置され、銅支持台20と真空チャンバ10とを電気
的に分離している。銅支持台20には、高周波電源30
からの高周波出力がマッチングボックス32を介して印
加される。
る銅支持台20と真空チャンバ10との間には碍子28
が配置され、銅支持台20と真空チャンバ10とを電気
的に分離している。銅支持台20には、高周波電源30
からの高周波出力がマッチングボックス32を介して印
加される。
【0041】次に、このプラズマシールド型マグネトロ
ンスパッタ成膜装置を用いたマグネトロンスパッタリン
グ成膜法について説明する。
ンスパッタ成膜装置を用いたマグネトロンスパッタリン
グ成膜法について説明する。
【0042】まず、洗浄済みの基板18(又はレンズ)
を真空チャンバ10内の基板ホルダ16に取付ける。次
に、真空チャンバ10内を真空排気する。即ち、排気口
14に接続されている排気装置を用いて真空チャンバ1
0内の真空排気を行う。次に、所定量の、Arガス、F
2ガスをスパッタガス導入口12より真空チャンバ10
内に導入して、Ar/F2ガス混合比、及び真空チャン
バ10内の圧力を所望の値にする。
を真空チャンバ10内の基板ホルダ16に取付ける。次
に、真空チャンバ10内を真空排気する。即ち、排気口
14に接続されている排気装置を用いて真空チャンバ1
0内の真空排気を行う。次に、所定量の、Arガス、F
2ガスをスパッタガス導入口12より真空チャンバ10
内に導入して、Ar/F2ガス混合比、及び真空チャン
バ10内の圧力を所望の値にする。
【0043】次に、周波数13.56MHzの高周波電
源30からの電源出力を、マッチングボックス32を通
じてインピーダンス整合をとって、陰極であるスパッタ
ターゲット22へ印加し、スパッタターゲット22と陽
極であるプラズマシールド24で囲まれた空間内にプラ
ズマ34を発生させ閉じ込める。そして、所定時間スパ
ッタ成膜を行う。
源30からの電源出力を、マッチングボックス32を通
じてインピーダンス整合をとって、陰極であるスパッタ
ターゲット22へ印加し、スパッタターゲット22と陽
極であるプラズマシールド24で囲まれた空間内にプラ
ズマ34を発生させ閉じ込める。そして、所定時間スパ
ッタ成膜を行う。
【0044】このプラズマシールド型マグネトロンスパ
ッタ成膜装置を用いた成膜方法により基板(又はレンズ)
上に複数層の光学薄膜を形成することにより光学多層膜
を有する光学部材を製造することができる。
ッタ成膜装置を用いた成膜方法により基板(又はレンズ)
上に複数層の光学薄膜を形成することにより光学多層膜
を有する光学部材を製造することができる。
【0045】このプラズマシールド型マグネトロンスパ
ッタ成膜装置においては、陰極に高周波電源30からの
電源出力を印加してセルフバイアス効果により負バイア
スすることで、陰極上部に取り付けられたターゲット2
2の表面上に広がるプラズマシールド24内の空間にプ
ラズマ34を形成させる。また、磁力線がターゲット2
2の表面近傍の空間に集中するように、陰極内部にはマ
グネット(図示せず)が配置されている。電子はこの磁力
線に束縛されてローレンツ力により螺旋運動をしなが
ら、ガス分子と衝突を繰り返しガス分子の電離を促進す
る。従って、プラズマシールド24内のターゲット22
の表面の極近傍の磁力線密度が高い空間ではプラズマ密
度が高くなり、ターゲット22から離れるにしたがって
プラズマ密度は急激に低下する。このように、ターゲッ
ト22の表面の極近傍の空間を高密度プラズマ化するこ
とで、プラスイオンを効率よく生成し、ターゲット表面
に向けて加速衝突させ、ターゲット構成元素のスパッタ
率を上げている。また、プラズマをプラズマシールド2
4内に閉じ込めることにより、プラズマ34を完全隔離
し、対向する陽極上に設置された基板18へのプラズマ
34によるダメージをなくしている。
ッタ成膜装置においては、陰極に高周波電源30からの
電源出力を印加してセルフバイアス効果により負バイア
スすることで、陰極上部に取り付けられたターゲット2
2の表面上に広がるプラズマシールド24内の空間にプ
ラズマ34を形成させる。また、磁力線がターゲット2
2の表面近傍の空間に集中するように、陰極内部にはマ
グネット(図示せず)が配置されている。電子はこの磁力
線に束縛されてローレンツ力により螺旋運動をしなが
ら、ガス分子と衝突を繰り返しガス分子の電離を促進す
る。従って、プラズマシールド24内のターゲット22
の表面の極近傍の磁力線密度が高い空間ではプラズマ密
度が高くなり、ターゲット22から離れるにしたがって
プラズマ密度は急激に低下する。このように、ターゲッ
ト22の表面の極近傍の空間を高密度プラズマ化するこ
とで、プラスイオンを効率よく生成し、ターゲット表面
に向けて加速衝突させ、ターゲット構成元素のスパッタ
率を上げている。また、プラズマをプラズマシールド2
4内に閉じ込めることにより、プラズマ34を完全隔離
し、対向する陽極上に設置された基板18へのプラズマ
34によるダメージをなくしている。
【0046】この実施の形態にかかるプラズマシールド
型マグネトロンスパッタ成膜装置においては、プラズマ
34は、ターゲット22とプラズマシールド24で覆わ
れた空間内でのみ発生される。なぜならば、ターゲット
22が陰極で、プラズマシールド24が陽極となり、プ
ラズマ34がキャパシタンスで、回路が閉じるからであ
る。該空間の外側にてプラズマが発生しないので、該空
間の外側に設置された基板18がプラズマ34及びマイ
ナスイオン衝撃にさらされることがない。更に、該空間
において、ターゲット22からたたき出されたスパッタ
粒子とプラズマ34あるいは励起状態にあるフッ素系反
応性ガス種とを反応促進させることにもなり好都合であ
る。
型マグネトロンスパッタ成膜装置においては、プラズマ
34は、ターゲット22とプラズマシールド24で覆わ
れた空間内でのみ発生される。なぜならば、ターゲット
22が陰極で、プラズマシールド24が陽極となり、プ
ラズマ34がキャパシタンスで、回路が閉じるからであ
る。該空間の外側にてプラズマが発生しないので、該空
間の外側に設置された基板18がプラズマ34及びマイ
ナスイオン衝撃にさらされることがない。更に、該空間
において、ターゲット22からたたき出されたスパッタ
粒子とプラズマ34あるいは励起状態にあるフッ素系反
応性ガス種とを反応促進させることにもなり好都合であ
る。
【0047】プラズマシールド24上部中心付近には金
属メッシュ26を取り付けた開口部24aがあり、この
開口部24aから飛び出してくる粒子は電荷をもたない
中性高速粒子である。従って、飛び出してくる粒子の運
動エネルギーは、抵抗加熱型蒸着の蒸着粒子に比べて断
然大きくなっている。
属メッシュ26を取り付けた開口部24aがあり、この
開口部24aから飛び出してくる粒子は電荷をもたない
中性高速粒子である。従って、飛び出してくる粒子の運
動エネルギーは、抵抗加熱型蒸着の蒸着粒子に比べて断
然大きくなっている。
【0048】中性化された高速粒子が基板18に堆積す
ることで、形成されるフッ化物薄膜は緻密である。もち
ろん、マイナスイオン衝撃を全く受けないので、選択ス
パッタや構造不整が生じない。従って、紫外域及び真空
紫外域の吸収損失の低減されたフッ化物膜を得ることが
できる。
ることで、形成されるフッ化物薄膜は緻密である。もち
ろん、マイナスイオン衝撃を全く受けないので、選択ス
パッタや構造不整が生じない。従って、紫外域及び真空
紫外域の吸収損失の低減されたフッ化物膜を得ることが
できる。
【0049】次に、この発明の実施の形態にかかる露光
装置の一例を説明する。図2は、上述のフッ化物光学薄
膜(光学多層膜)を有する光学部材、即ち、図1に示すプ
ラズマシールド型マグネトロンスパッタ成膜装置により
製造された光学部材を用いた露光装置の基本構造であ
り、フォトレジストでコートされたウエハ上にレチクル
のパターンのイメージを投影するための、ステッパと呼
ばれるような投影露光装置に特に応用される。
装置の一例を説明する。図2は、上述のフッ化物光学薄
膜(光学多層膜)を有する光学部材、即ち、図1に示すプ
ラズマシールド型マグネトロンスパッタ成膜装置により
製造された光学部材を用いた露光装置の基本構造であ
り、フォトレジストでコートされたウエハ上にレチクル
のパターンのイメージを投影するための、ステッパと呼
ばれるような投影露光装置に特に応用される。
【0050】図2に示すように、この露光装置は少なく
とも、感光剤を塗布した基板Wを表面301aに置くこ
とのできるウェハーステージ301,露光光として用意
された波長の真空紫外光を照射し、用意されたマスクの
パターン(レチクルR)を基板W上に転写するための照
明光学系101,照明光学系101に露光光を供給する
ための光源100,基板W上にマスクRのパターンのイ
メージを投影するためのマスクRが配された最初の表面
P1(物体面)と基板Wの表面と一致させた二番目の表
面(像面)との間に置かれた投影光学系500を含む。
とも、感光剤を塗布した基板Wを表面301aに置くこ
とのできるウェハーステージ301,露光光として用意
された波長の真空紫外光を照射し、用意されたマスクの
パターン(レチクルR)を基板W上に転写するための照
明光学系101,照明光学系101に露光光を供給する
ための光源100,基板W上にマスクRのパターンのイ
メージを投影するためのマスクRが配された最初の表面
P1(物体面)と基板Wの表面と一致させた二番目の表
面(像面)との間に置かれた投影光学系500を含む。
【0051】照明光学系101は、マスクRとウエハW
との間の相対位置を調節するための、アライメント光学
系110も含んでおり、マスクRはウエハステージ30
1の表面に対して平行に動くことのできるレチクルステ
ージ201に配置される。レチクル交換系200は、レ
チクルステージ201にセットされたレチクル(マスク
R)を交換し運搬する。レチクル交換系200はウエハ
ステージ301の表面301aに対してレチクルステー
ジ201を平行に動かすためのステージドライバを含ん
でいる。投影光学系500は、スキャンタイプの露光装
置に応用されるアライメント光学系を持っている。な
お、光源100、レチクル交換系200、ステージ制御
系300は、主制御部400により制御されている。
との間の相対位置を調節するための、アライメント光学
系110も含んでおり、マスクRはウエハステージ30
1の表面に対して平行に動くことのできるレチクルステ
ージ201に配置される。レチクル交換系200は、レ
チクルステージ201にセットされたレチクル(マスク
R)を交換し運搬する。レチクル交換系200はウエハ
ステージ301の表面301aに対してレチクルステー
ジ201を平行に動かすためのステージドライバを含ん
でいる。投影光学系500は、スキャンタイプの露光装
置に応用されるアライメント光学系を持っている。な
お、光源100、レチクル交換系200、ステージ制御
系300は、主制御部400により制御されている。
【0052】そして、この露光装置は、上述のフッ化物
光学薄膜を有する光学部材を使用したものである。具体
的には、図2に示す露光装置は、照明光学系101の光
学レンズ90及び/又は投影光学系500の光学レンズ
92として本発明にかかる光学部材(光学レンズ)を備
えることが可能である。
光学薄膜を有する光学部材を使用したものである。具体
的には、図2に示す露光装置は、照明光学系101の光
学レンズ90及び/又は投影光学系500の光学レンズ
92として本発明にかかる光学部材(光学レンズ)を備
えることが可能である。
【0053】この露光装置においては、フッ化物光学薄
膜を有する光学部材を投影光学系500及び/又は照明
光学系101に含んでいるため、光源100からの露光
光としての真空紫外線を効率よく基板上に導くことがで
きる。
膜を有する光学部材を投影光学系500及び/又は照明
光学系101に含んでいるため、光源100からの露光
光としての真空紫外線を効率よく基板上に導くことがで
きる。
【0054】
【実施例】ここで、図4に示す従来型マグネトロンスパ
ッタ成膜装置、及び、本発明の図1に示すプラズマシー
ルド型マグネトロンスパッタ成膜装置の両方で、フッ化
ランタン膜を作製して比較した結果を説明する。フッ化
ランタン(組成式はLaF3)を選択して説明する理由
は、この化合物が重元素のLaと軽元素のFからなるた
めに、更に、La−Fの結合エネルギーが他のフッ化物
よりも比較的小さいために、選択スパッタリング現象が
より顕著に生じ、F原子がLa原子よりも断然高効率で
抜け出してしまい、Laリッチな(Fの欠損した)膜と
なりやすいからである。
ッタ成膜装置、及び、本発明の図1に示すプラズマシー
ルド型マグネトロンスパッタ成膜装置の両方で、フッ化
ランタン膜を作製して比較した結果を説明する。フッ化
ランタン(組成式はLaF3)を選択して説明する理由
は、この化合物が重元素のLaと軽元素のFからなるた
めに、更に、La−Fの結合エネルギーが他のフッ化物
よりも比較的小さいために、選択スパッタリング現象が
より顕著に生じ、F原子がLa原子よりも断然高効率で
抜け出してしまい、Laリッチな(Fの欠損した)膜と
なりやすいからである。
【0055】図3に、本発明のプラズマシールド型マグ
ネトロンスパッタ成膜装置により成膜したフッ化ランタ
ン膜の透過率スペクトル(実線で示す)と、従来型装置
により成膜したフッ化ランタン膜の透過率スペクトル
(破線で示す)を示す。両膜の透過率の差は歴然としてい
る。波長が短くなるほど、両者の透過率差は大きくなっ
ていく。続いて両膜の組成を電子線プローブマイクロ分
析法(EPMA)により分析したところ、プラズマシー
ルド型マグネトロンスパッタ装置で作製した膜の組成が
La:F=1.0:3.0で、化学量論組成のLaF3
膜になっているのに対して、従来型装置で作製した膜の
組成はLa:F=1.0:2.1で、フッ素が大きく欠
損した膜であった。このように、フッ素が欠損している
か否かによって、膜による光吸収量が異なるので、紫外
域、特に真空紫外域の透過率に大きな差が出てくる。
ネトロンスパッタ成膜装置により成膜したフッ化ランタ
ン膜の透過率スペクトル(実線で示す)と、従来型装置
により成膜したフッ化ランタン膜の透過率スペクトル
(破線で示す)を示す。両膜の透過率の差は歴然としてい
る。波長が短くなるほど、両者の透過率差は大きくなっ
ていく。続いて両膜の組成を電子線プローブマイクロ分
析法(EPMA)により分析したところ、プラズマシー
ルド型マグネトロンスパッタ装置で作製した膜の組成が
La:F=1.0:3.0で、化学量論組成のLaF3
膜になっているのに対して、従来型装置で作製した膜の
組成はLa:F=1.0:2.1で、フッ素が大きく欠
損した膜であった。このように、フッ素が欠損している
か否かによって、膜による光吸収量が異なるので、紫外
域、特に真空紫外域の透過率に大きな差が出てくる。
【0056】本発明のプラズマシールド型マグネトロン
スパッタ装置で作製したLaF3膜は、化学量論組成を
呈するので吸収が小さいことが証明されたが、更に、ス
パッタ法により成膜されたがゆえに、緻密で表面積が小
さく強固に結合した膜であるという長所も併せ持ってい
る。
スパッタ装置で作製したLaF3膜は、化学量論組成を
呈するので吸収が小さいことが証明されたが、更に、ス
パッタ法により成膜されたがゆえに、緻密で表面積が小
さく強固に結合した膜であるという長所も併せ持ってい
る。
【0057】そこで、特願平9−34706号に詳細に
記載されているレーザ耐久性評価方法を用いて、本発明
のプラズマシールド型スパッタ成膜装置で作製したLa
F3膜と、従来の抵抗加熱型真空蒸着法で作製したフッ
素欠損はないが表面積が大きなLaF3膜を比べたとこ
ろ、飛躍的にレーザ耐性が向上したことが確認できた。
記載されているレーザ耐久性評価方法を用いて、本発明
のプラズマシールド型スパッタ成膜装置で作製したLa
F3膜と、従来の抵抗加熱型真空蒸着法で作製したフッ
素欠損はないが表面積が大きなLaF3膜を比べたとこ
ろ、飛躍的にレーザ耐性が向上したことが確認できた。
【0058】基板を負イオン衝撃から開放することで、
選択スパッタリングや構造不整を生じることなく基板上
へ膜が成長していく。こうして得られたフッ化物膜は、
VUV域での損失が小さくなる。ある程度のエネルギーを
もった中性スパッタ粒子のみが基板上へ飛来して薄膜が
形成されることになるので、酸化物、窒化物のスパッタ
成膜の時のような緻密な膜が得られる。
選択スパッタリングや構造不整を生じることなく基板上
へ膜が成長していく。こうして得られたフッ化物膜は、
VUV域での損失が小さくなる。ある程度のエネルギーを
もった中性スパッタ粒子のみが基板上へ飛来して薄膜が
形成されることになるので、酸化物、窒化物のスパッタ
成膜の時のような緻密な膜が得られる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、マグネトロンスパッタ
リング法により、この方法が本来持つ緻密で強固な膜を
比較的低温で得ることができるという長所を生かしなが
ら、化学量論組成でフッ素欠損がないフッ化物光学薄膜
を容易に作製することができる。本発明で得られたフッ
化物光学薄膜は、紫外域及び真空紫外域の光吸収が極め
て少ないので、真空紫外用露光装置において、レーザ光
源から数十におよぶ光学素子を通り抜けてウエハ面に到
達した時点での光量が、従来の装置に比べて増加する。
従って、露光時間が短縮されて生産性の指標であるスル
ープットが上昇する。
リング法により、この方法が本来持つ緻密で強固な膜を
比較的低温で得ることができるという長所を生かしなが
ら、化学量論組成でフッ素欠損がないフッ化物光学薄膜
を容易に作製することができる。本発明で得られたフッ
化物光学薄膜は、紫外域及び真空紫外域の光吸収が極め
て少ないので、真空紫外用露光装置において、レーザ光
源から数十におよぶ光学素子を通り抜けてウエハ面に到
達した時点での光量が、従来の装置に比べて増加する。
従って、露光時間が短縮されて生産性の指標であるスル
ープットが上昇する。
【0060】更には、レーザ耐性においては、従来の抵
抗加熱型蒸着法で作製した膜よりも優れているので、本
発明の装置で作製したフッ化物膜を真空紫外用露光装置
に適用すれば、レーザ損傷による光学素子部品交換など
のメンテナンス頻度が減少するので、露光装置の生産性
が向上する。
抗加熱型蒸着法で作製した膜よりも優れているので、本
発明の装置で作製したフッ化物膜を真空紫外用露光装置
に適用すれば、レーザ損傷による光学素子部品交換など
のメンテナンス頻度が減少するので、露光装置の生産性
が向上する。
【図1】本発明の実施の形態にかかるプラズマシールド
型マグネトロンスパッタ成膜装置の概略構成図である。
型マグネトロンスパッタ成膜装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる投影露光装置の概
略構成図である。
略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるプラズマシールド
型マグネトロンスパッタ成膜装置及び従来型マグネトロ
ンスパッタ成膜装置により作製したフッ化ランタン膜の
透過率スペクトルである。
型マグネトロンスパッタ成膜装置及び従来型マグネトロ
ンスパッタ成膜装置により作製したフッ化ランタン膜の
透過率スペクトルである。
【図4】従来型マグネトロンスパッタ成膜装置の概念図
である。
である。
10…真空チャンバ、12…スパッタガス導入口、14
…排気口、16…基板ホルダ、18…基板、20…銅支
持台、22…スパッタターゲット、24…プラズマシー
ルド、24a…開口部、26…金属メッシュ、28…碍
子、30…高周波電源、32…マッチングボックス、3
4…プラズマ。
…排気口、16…基板ホルダ、18…基板、20…銅支
持台、22…スパッタターゲット、24…プラズマシー
ルド、24a…開口部、26…金属メッシュ、28…碍
子、30…高周波電源、32…マッチングボックス、3
4…プラズマ。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G03F 7/20 521 G02B 1/10 Z
H01L 21/027 H01L 21/30 515D
Fターム(参考) 2H097 CA15 LA10
2K009 BB02 CC06 DD04 DD09
4G075 AA24 AA42 BC02 BC04 BD14
CA25 CA33 CA47 CA65 DA02
EA05 EB01 EB34 EB41 EC21
ED13 FB02 FC11 FC15
4K029 BA42 BB02 BC07 BD00 CA05
DC20 DC39
5F046 BA03 CB01 CB25
Claims (11)
- 【請求項1】 スパッタターゲットを有する陰極と、 前記スパッタターゲット上方の空間を覆い発生したプラ
ズマを閉じ込めるプラズマシールドから構成される陽極
とを備えることを特徴とするスパッタ源。 - 【請求項2】 前記プラズマシールドは、上部に開口部
を有することを特徴とする請求項1記載のスパッタ源。 - 【請求項3】 前記プラズマシールド上部の前記開口部
に該開口部を被う耐フッ素性の金属メッシュを備え、該
金属メッシュと前記プラズマシールドとを同電位とする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスパッタ
源。 - 【請求項4】 前記プラズマシールドの電位は、成膜チ
ャンバと同電位であり、かつ接地電位であることを特徴
とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のスパッ
タ源。 - 【請求項5】 スパッタガスが導入され、この導入され
たスパッタガスがプラズマ化される成膜チャンバと、 前記成膜チャンバ内に配置された基板と、 前記成膜チャンバ内において、前記基板に対向して配置
された請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のスパッ
タ源と、を備えることを特徴とするスパッタ成膜装置。 - 【請求項6】 基板又はレンズを成膜チャンバ内の基板
ホルダに取付ける工程と、 前記成膜チャンバ内を真空排気する工程と、 前記成膜チャンバ内にスパッタガスを導入する工程と、 高周波電源からの電源出力を陰極であるスパッタターゲ
ットへ印加して、前記スパッタターゲットと陽極である
プラズマシールドで囲まれた空間内にプラズマを発生さ
せ閉じ込める工程と、 所定時間スパッタ成膜を行う工程と、を備えることを特
徴とするスパッタ成膜方法。 - 【請求項7】 請求項5記載のスパッタ成膜装置により
製造したフッ化物薄膜を、少なくとも一層含むことを特
徴とする光学多層膜。 - 【請求項8】 請求項6記載のスパッタ成膜方法により
製造したフッ化物薄膜を、少なくとも一層含むことを特
徴とする光学多層膜。 - 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の光学多層
膜を基板又はレンズ上に有することを特徴とする光学部
材。 - 【請求項10】 投影光学系を用いてマスクのパターン
像を基板上に投影露光する投影露光装置であって、 真空紫外線あるいは紫外線を露光光としてマスクを照明
する照明光学系と、 請求項9に記載の光学部材を含み、前記マスクのパター
ン像を前記基板上に形成する投影光学系と、を備えるこ
とを特徴とする投影露光装置。 - 【請求項11】 投影光学系を用いてマスクのパターン
像を基板上に投影露光する投影露光装置であって、 請求項9に記載の光学部材を含み、真空紫外線あるいは
紫外線を露光光としてマスクを照明する照明光学系と、 前記マスクのパターン像を前記基板上に形成する投影光
学系と、を備えることを特徴とする投影露光装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001395619A JP2003193231A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | スパッタ源、スパッタ成膜装置、スパッタ成膜方法、光学多層膜、光学部材及び投影露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001395619A JP2003193231A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | スパッタ源、スパッタ成膜装置、スパッタ成膜方法、光学多層膜、光学部材及び投影露光装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003193231A true JP2003193231A (ja) | 2003-07-09 |
Family
ID=27601943
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001395619A Pending JP2003193231A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | スパッタ源、スパッタ成膜装置、スパッタ成膜方法、光学多層膜、光学部材及び投影露光装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003193231A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016098425A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 株式会社Screenホールディングス | スパッタリング装置 |
| DE102018221189A1 (de) | 2018-12-07 | 2020-06-10 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum Bilden von Nanostrukturen an einer Oberfläche und optisches Element |
| WO2020143964A1 (de) | 2019-01-10 | 2020-07-16 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum in situ dynamischen schutz einer oberfläche und optische anordnung |
| US10889888B2 (en) | 2011-06-08 | 2021-01-12 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Sputtering target, method for manufacturing sputtering target, and method for forming thin film |
| DE102021200747A1 (de) | 2021-01-28 | 2022-07-28 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum Bilden einer Schicht, optisches Element und optisches System |
| DE102021203505A1 (de) | 2021-04-09 | 2022-10-13 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zum Abscheiden mindestens einer Schicht, optisches Element und optische Anordnung |
| DE102022210514A1 (de) | 2022-10-05 | 2024-04-11 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung einer fluoridischen Schutzbeschichtung für ein reflektives optisches Element |
| DE102022210513A1 (de) | 2022-10-05 | 2024-04-11 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum Bilden einer Fluorid- oder Oxyfluoridschicht |
| DE102022210512A1 (de) | 2022-10-05 | 2024-04-11 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Nachbehandlung einer Fluoridschicht für ein optisches Element für den VUV-Wellenlängenbereich |
| JP7575192B2 (ja) | 2020-01-21 | 2024-10-29 | デクセリアルズ株式会社 | 偏光板、光学機器及び偏光板の製造方法 |
| CN119040815A (zh) * | 2024-07-24 | 2024-11-29 | 江苏科技大学 | 一种用于制造高性能太阳能电池的低损伤溅射镀膜设备 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001395619A patent/JP2003193231A/ja active Pending
Cited By (23)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US11066739B2 (en) | 2011-06-08 | 2021-07-20 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Sputtering target, method for manufacturing sputtering target, and method for forming thin film |
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| US11982788B2 (en) | 2018-12-07 | 2024-05-14 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Method for forming nanostructures on a surface and optical element |
| DE102019200208A1 (de) | 2019-01-10 | 2020-07-16 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum in situ dynamischen Schutz einer Oberfläche und optische Anordnung |
| US11681236B2 (en) | 2019-01-10 | 2023-06-20 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Method for in-situ dynamic protection of a surface and optical assembly |
| WO2020143964A1 (de) | 2019-01-10 | 2020-07-16 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum in situ dynamischen schutz einer oberfläche und optische anordnung |
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| WO2022161740A1 (de) | 2021-01-28 | 2022-08-04 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum bilden einer schicht, optisches element und optisches system |
| DE102021200747A1 (de) | 2021-01-28 | 2022-07-28 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren zum Bilden einer Schicht, optisches Element und optisches System |
| WO2022214376A1 (de) | 2021-04-09 | 2022-10-13 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Verfahren und vorrichtung zum abscheiden mindestens einer schicht, optisches element und optische anordnung |
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