JP2003197942A - 光起電力装置及びその製造方法 - Google Patents

光起電力装置及びその製造方法

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JP2003197942A
JP2003197942A JP2002259245A JP2002259245A JP2003197942A JP 2003197942 A JP2003197942 A JP 2003197942A JP 2002259245 A JP2002259245 A JP 2002259245A JP 2002259245 A JP2002259245 A JP 2002259245A JP 2003197942 A JP2003197942 A JP 2003197942A
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mixture
oxide layer
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Gabriele Nelles
ネレス、ガブリエーレ
Akio Yasuda
章夫 安田
Stephane Gaering
ゲーリング、ステファン
Hans-Werner Schmidt
シュミット、ハンス=ヴェルナー
Mukundan Thelakkat
テラカート、ムクンダン
K R Haridas
ハリダス、ケー.アール.
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のデバイスと比較して安定性が向上し、
相分離及び変質を防止した、固体共役半導体を有するデ
バイスを提供する。 【解決手段】 本発明の太陽電池において、基板1、F
TO層2,遮蔽TiO2層3、フッ素化物層を備え増感
されたTiO2層4、ホール輸送材料(HTM)5、及
びAu層6とから構成されている。酸化されていないホ
ール輸送材料から構成される固体共役半導体を有し、上
記ホール輸送材料は、ドーパントとしての酸化されたホ
ール輸送材料と混合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体共役半導体、
ドープされたホール輸送材料、それらを含む光起電力装
置、太陽電池並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Chapinらによって、結晶シリコンp/n
接合太陽電池について効率6%という報告がなされた19
54年のデモンストレーション以来、電流における改良、
電圧の著しい増加および異なるバンドギャップの太陽電
池間で日光を分割した結果、このようなセルの効率は劇
的に増加した。高い電圧は、日光を吸収することによっ
て生成される少数キャリア密度を増加させることに、直
接起因される。
【0003】2つのバンドギャップを有するAlGaA
s/GaAsのような単結晶実験用セルについて、少数
キャリアの再結合速度を減少させる、活性層中で光をト
ラップすること、および、集積光学系により光強度を増
加させることにより、25〜30%という高い効率が報
告されている。
【0004】水素化アモルファスシリコンまたは多結晶
合金を用いる薄膜の多重接合、多重マルチバンドギャッ
プセルは、15%に至る実験室での効率を示した。商業
用の分野におけるパワーシステムの効率は、3〜12%
の範囲にとどまっている。
【0005】代替として、WO91/16719に開示
されているように、ヨウ素−ヨウ化物電解質の表面に吸
着されたルテニウム錯体を有する二酸化チタンのナノ粒
子からなる色素増感半導体-電解質太陽電池が、Gratzel
らによって開発された。
【0006】ルテニウム錯体は、光を吸収して二酸化チ
タンに電子を注入する増感剤として機能する。その後、
ヨウ素−ヨウ化物レドックス対からの電子の移動によっ
て、染料は再生成される。
【0007】このような太陽電池の利点は、12%に至
る、光から電気エネルギーへの転換効率が得られてい
る、という事実に基づいて、結晶半導体を使用する必要
がないことである(o'Reagan, B. et al; Nature (199
1), 353, page 737)。
【0008】しかしながら、実際の適用においては、液
体電解質に替わって、固体電荷輸送物質がより重要であ
ると考えられるようになった。
【0009】TiOのナノポーラスフィルム上の固体
色素増感太陽電池は、化学者、物理学者および物質研究
者にとって研究の重要な分野である。太陽電池の増感染
料についての研究は、これらの低コスト、組み立ての容
易さにより、非常に重要になっている。
【0010】色素増感固体太陽電池の分野において、
0.74%という総合転換効率を得るために、色素増感
太陽電池の有機ホール輸送材料(HTM)を用いた新し
いタイプの固体色素増感太陽電池の概念を、Hagenらが
始めて報告し(Synethic Metals89, 1997, 215)、Bach
らによってさらに改良された(Nature 398, 1998, 58
3)。
【0011】電池の基本的な構造は、密なTiO層で
覆われた導電性ガラス基板上に形成されたナノポーラス
TiO層からなる。色素はナノポーラス層により吸収
され、ドーパントと塩を含む前記HTMは前記色素上に
コート(被覆)される。塩及び添加剤、ドーパント(ト
リス(4−ブロモフェニル)アンモニウムイル−ヘキサ
クロロアンチモネート)(N(PhBr)SbC
)は、効率を向上させる。
【0012】さらに、大きなπ共役系を有する有機分子
は、固体相中において半導体としてはたらくことが以前
から知られている。
【0013】共役半導体は、その構造および配置の選択
に応じて、1eVから数eVまでのエネルギーバンドギ
ャップを示すことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなバンドギャップは、非常に低い固有の導電性に結び
つく。
【0015】ほとんどの半導体の有用な特性は、アプリ
ケーションに依存して、それらが小さなp−又はn−型
分子によりドープされた場合にのみ生ずる。
【0016】ドーピングによる特性の向上は、しばし
ば、デバイスの低いシリーズ抵抗に起因する高い導電
性、吸収端部又はワークファンクションのシフト、増加
した内部量子効率に関係する。
【0017】ドーピングは、伝統的に作られてきた、シ
リコンのような無機半導体、ダイオード、トランジスタ
及び太陽電池を含む、いかなるデバイスの設計を可能に
する。固体相太陽電池では、小さな分子のドーピングの
みが知られている。
【0018】要約すれば、有機薄膜フィルムの電導率
は、有機半導体が電子デバイスに用いるのに適切かどう
かを決定する最も重要な特性の一つである。
【0019】共役半導体は、それらの構造及び配置の選
択に応じて、1eVから数eVまでのエネルギーバンド
ギャップを示すことができる。このようなバンドギャッ
プは、非常に低い固有の導電性に結びつく。
【0020】導電性を向上させるために、有機半導体
は、電子受容体(p型)または電子供与体(n型)のい
ずれかを加えることでドープされる。
【0021】しかしながら、従来公知の多くのドープさ
れたシステムの欠点の一つは、その不安定性である。
【0022】例えば、ヨウ素は、層の外に拡散する傾向
があり、電極材料にダメージを与える。さらに、相分離
及び変質は、公知のドープされた半導体において問題で
あり、従来知られているドーパントの添加は、層界面に
おける電子構造を複雑にし、太陽電池の理解を困難にす
る。
【0023】本発明は、従来技術の欠点を克服すること
を目的とする。特に、従来公知のデバイスと比較して安
定性が向上し、相分離及び変質を防止した、固体共役半
導体を有するデバイスを提供することを目的とする。
【0024】さらに、本発明は、ドープされたホール輸
送材料として用いることのできる混合物を提供すること
を目的とする。
【0025】本発明は、さらに、固体共役半導体を有
し、特に上述したような好ましい特性を有するデバイス
の製造方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のデバイスは、酸
化されていないホール輸送材料から構成される固体共役
半導体を有し、上記ホール輸送材料には、酸化されたホ
ール輸送材料がドーパントとして混合されていることを
特徴とする。
【0027】上述したような本発明に係るデバイスで
は、酸化されていないホール輸送材料に、当該ホール輸
送材料と同様な構造及び物理的性質を有する酸化された
ホール輸送材料がドーパントとして混合されているの
で、相分離や変質がおこらず、安定性が向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第1の目的は、酸化され
ていない(unmodified)ホール輸送材料から構成される
固体共役半導体を有するデバイスによって達成される。
酸化されていないホール輸送材料は、ドーパント、好ま
しくは唯一のドーパントとしての酸化されたホール輸送
材料と混合されている。
【0029】酸化されていない(unmodified)ホール輸
送材料は、化学式(1)、化学式(2)又は化学式
(3)で表されることが好ましい。
【0030】
【化4】
【0031】式(1)中、各置換基におけるRは、ヘキ
シルおよびエチルヘキシルから、ヘキシル:エチルヘキ
シルの比が重量%で約40:60の割合で従属的に選ば
れる。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】さらに、この光起電力装置では、酸化され
たホール輸送材料は、酸化されていないホール輸送材料
と混合されていることが好ましく、その混合比は、約
0.01重量%〜10重量%の範囲、好ましくは約0.
08重量%〜1.2重量%の範囲である。
【0035】本発明のデバイスは、染料で増感された半
導体酸化物層をさらに有することが好ましい。具体的に
は、染料は、ルテニウム錯体である。
【0036】本発明のデバイスの別の具体例では、半導
体酸化物層は、多孔質である。好ましい具体例では、半
導体酸化物層は、ナノ粒子を含有する。TiOナノ粒
子が好ましい。
【0037】本発明のさらなる目的は、酸化されていな
いホール輸送材料と、酸化されたホール輸送材料との混
合物によって達成される。
【0038】さらなる側面において、上述した課題は、
本発明の混合物を、いかなる本発明のデバイスにおい
て、特にドープされたホール輸送材料として用いること
によって解決される。
【0039】さらなる側面において、上述した課題は、
本発明の混合物を、いかなる本発明のデバイスの製造に
おいて、特にドープされたホール輸送材料として用いる
ことによって解決される。
【0040】上述した課題は、固体共役半導体を有する
デバイスの製造方法によって解決される。本発明のいか
なるデバイスの製造方法も以下の工程を含むことが好ま
しい。
【0041】(i)ホール輸送材料を酸化する工程と、
(ii)酸化されたホール輸送材料と、酸化されていない
ホール輸送材料とを混合する工程と、(iii)上記混合
物を半導体酸化物層上に供給する工程工程(i)におい
て、ホール輸送材料は、化学的に酸化されることが好ま
しい。未反応物および還元された酸化剤は、混合工程
(ii)に先立って除去することが好ましい。
【0042】さらに、酸化は、ヘキサフルオロアンチモ
ネート銀(silver hexafluoroantimonate)(AgSb
)又はニトロソニウムテトラフルオボラート(nitro
sonium tetrafluoroborate) (NOBF)を用いて行う
ことが好ましい。
【0043】さらに好ましくは、酸化によって、ホール
輸送材料のラジカルカチオンが得られることが好まし
い。
【0044】本発明の方法の更なる具体化では、以下の
工程の少なくとも1つを有することが好ましい。
【0045】−半導体酸化物層を形成する工程 −上記混合物を上記半導体酸化物層に供給する工程 −上記半導体酸化物層と上記混合物に電極を接続する工
程 他の課題は、本発明のデバイスを有する太陽電池によっ
て解決される。太陽電池は、固体太陽電池であることが
好ましい。
【0046】驚くべきことに、本発明による固体共役半
導体を有するデバイスにおいて、ホール輸送材料とドー
パントとが基本的に同様の構造を有するので、ホール輸
送材料とドーパントとの相分離および変質がおこらない
ことがわかった。
【0047】さらに、従来公知のデバイスと比較して安
定性が飛躍的に向上した。これによりエネルギー転換効
率が増加する。
【0048】従来技術とは対照的に、本発明では、共役
半導体にドーパントとして小さな分子を添加していな
い。これは、ホール輸送材料層中に、追加のカチオンが
存在しないことを意味する。
【0049】本発明のコンセプトによれば、それぞれの
ホール輸送材料に対して個々のドーパントを用意するこ
とが可能である。本発明におけるこのドーピングは、
「もとの位置における(in situ)」ドーピングと呼
ぶ。
【0050】本発明のドーピングの方法は、ダイオード
(LED)、トランジスタ、光起電力セルなどを含む、
共役有機及びポリマー半導体を有するいかなるデバイス
の製造方法にも適用することができる。
【0051】アプリケーションですでに開示されたホー
ル輸送材料に加えて、分岐構造または星型構造と同様に
線形構造でもよい他の化合物、および、側鎖として又は
主鎖中において長いアルコキシ基を持つポリマーも、同
様に適切である。
【0052】このようなホール輸送材料は、大体におい
て、EP0901175A2に開示されており、その開
示内容は、本明細書中に参照として組み込まれる。
【0053】他に用いることのできるホール輸送材料と
しては、例えばWO98/48433、DE19704
031.4、およびDE19735270.7に記載さ
れている。後の2つの参照は、有機LEDに適用される
TDABについて開示している。公知のTDABは、さ
らに、アルコキシ、アルキル、シリルのような置換基に
よって、エンドスタンディング(end-standing)フェニ
ル環のp-、m-、及びo−位置において、1、2又は3
置換された誘導体にも派生されることに注意すべきであ
る。
【0054】すでに上のガイドラインで指摘したよう
に、単一の有機ホール輸送材料だけでなく、それらの混
合物にも適用されることが、この中で開示されている。
【0055】半導体酸化物層を増感するために使用する
ことができる染料は、EP0887817A2などによ
って技術上知られている。この開示内容は、本明細書中
に参照として取り込まれる。さらに、Ru(II)染料も
用いることができる。半導体酸化物層を増感する染料
は、化学吸着、吸着あるいは他の適切な方法によって、
半導体酸化物層に付着している。
【0056】本発明のデバイス中で用いられる半導体酸
化物層は、ナノ粒子層であることが好ましい。材料は金
属酸化物であり、遷移金属、又は周期律表第3メイン
族、第4族、第5サブ族、第6族から選ばれる元素の酸
化物であることが好ましい。
【0057】これらの材料および当業者に知られている
他の適切な材料、例えばEP033364A1で開示さ
れているような材料も用いることができる。この開示内
容は、本明細書中に参照として取り込まれる。
【0058】半導体酸化物層の材料は、多孔質構造であ
ってもよい。多孔質であれば、表面積が増加し、半導体
酸化物層上に固定される増感染料の量が多くなる。そし
て、これによりデバイスのパフォーマンスが向上する。
加えて、表面が粗くなれば、光を表面で反射させ、近く
の表面へと次々に導くことで、光のトラップを可能に
し、光の捕獲量を増加することができる。
【0059】本発明の光起電力装置の製造方法は、以下
のように要約される。 I.TCO(透明な導電性酸化物層)基板を形成する。 II.TCO基板を洗浄する。
【0060】a.約70℃の界面活性剤水溶液中で、1
5分間の超音波洗浄を行なう。
【0061】b.超純水で徹底的にすすいで、空気中で
乾燥する。
【0062】c.約70℃の超純水中で、15分間の超
音波すすぎを行なう。
【0063】d.約70℃の純粋イソプロパノール中
で、15分間の超音波洗浄を行なう。
【0064】e.窒素を吹き付けて乾燥。 III.遮蔽層の形成 a.チタニウムアセチルアセトネート溶液をスプレー熱
分解することによって、多結晶TiOを形成する。
【0065】b. 500℃で薄膜を形成する。 IV. ナノ多孔質なTiO半導体酸化物層の形成 a.スクリーン印刷:所望の形状(厚さはスクリーンメ
ッシュに依存する)で形成されたスクリーンと、TiO
ペーストを用いる。;得られる標準の厚さは約3μm
である。;ドクターブレード法は、多孔質TiO層を
形成する代替技術である。
【0066】b.フィルムの焼結 1.基板を85℃まで加熱して、30分間フィルムを乾
燥する。
【0067】2.理想的には酸素気流下、そうでなけれ
ば空気中で、450℃で1/2時間焼結する。
【0068】3.クラックを防ぐためにサンプルをゆっ
くり冷却する。 V.ナノ結晶TiOフィルムを染色する。
【0069】a.染料のエタノール溶液を調製する。濃
度は約5×10−4M。
【0070】b.約80℃に温めた基板を溶液中に投入
する。
【0071】c.室温下、暗闇で8時間あるいは一晩、
溶液中に放置する。
【0072】d.染料溶液から基板を取り出し、エタノ
ールですすいだ後、数時間又は一晩、暗闇中で乾燥させ
る。 VI. ホール輸送材料(HTM)の析出 a.HTM溶液の調製。ここでの「標準条件」は、 溶媒:クロロベンゼン(添加剤溶液から約10%のアセ
トニトリルの添加) HTM:濃縮(5〜60mg/基板) 添加剤:酸化HTM(約0.2mol%のホール輸送濃
度、アセトニトリル溶液から加えられる) 塩:Li((CFSON)(約9mol%) b.溶液をフィルム上にスピンコートする。
【0073】c.サンプルを少なくとも数時間、好まし
くは一晩、空気中で乾燥する。VII.対向電極の析出 a.一番上に対向電極(ここではAu)を蒸着させる。
【0074】本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変
更は可能である。本発明の更なる具体例、特徴及び利点
は、図面と共にさらに詳しく記述される。
【0075】
【実施例】ラジカルカチオン塩(RCS)の調製 実験 原料(材料):3種類の異なるホール輸送材料を使用し
た。2,2‘7,7−テトラキス(ジフェニルアミノ)
−9,9’−スピロフルオレン(2,2',7,7'-tetrakis-
(diphenylamino)-9,9'-spirofluorene)(spiro-MeO
-TAD)および、m−トリメチル−ジフェニルアミノ
−トリアミン(m-trimethyl-diphenylamino-triamine)
(mTDATA)は、それぞれコヴロン(Covlon)及び
シンテック(SynTec)によって商業的に入手可能であ
る。
【0076】第3のホール輸送材料、TDABは、トリ
ス(メトキシフェニル-ヘキシロキシ-フェニルアミノ)
ベンゼン(tris(methoxyphenyl hexyloxy phenylamin
o)benzene)(MH−TDAB)と、トリス(メトキシ
フェニル-エチルヘキシロキシ-フェニルアミノ)ベンゼ
ン(tris(methoxyphenyl ethylhexyloxy phenylamin
o)benzene)(MEH−TDAB)との混合物であり、
文献記載の方法により調製される。
【0077】使用される溶剤は、アルゴン雰囲気下で新
たに蒸留され乾燥される。
【0078】ヘキサフルオロアンチモネート銀(silver
hexafluoroantirnonate)及びニトロソニウムテトラフ
ルオロボラート(nitrosonium tetrafluoroborate)
(アルドリッチ:Aldrich)が、一般的に用いられる。
【0079】ラジカルカチオン塩(RCS)は、2つの
異なるアニオン、すなわち、SbF アニオン及びB
アニオンとから調製される。
【0080】実験例1:RCS spiro-SbF の調
製 0.49g(0.0004mol)のSpiro-MeO-T
ADを、アルゴン雰囲気下、70mlのトルエンに溶解
させた。これに、0.5g(0.0016mol)のヘ
キサフルオロアンチモネート銀(silver hexafluoroant
irnonate)を40mlのトルエンに溶解させたものを、
アルゴン雰囲気下で加えた。
【0081】この混合物を室温で30分間攪拌し、濃緑
色の固体をろ別した。トルエンで洗浄して未反応物を取
り除き、減圧乾燥した。
【0082】そして、得られたものをクロロホルムに溶
解させ、ろ過して銀を除去した。生成物はエーテル中か
ら再沈殿される。これを3回繰り返した。生成物は減圧
乾燥されて、0.380gのRCS spiro-SbF
が得られた。
【0083】実験例2:RCS spiro-BF の調製 0.49g(0.0004mol)のspiro MeO−
TAD、及び、0.1869g(0.0016mol)
のニトロソニウムテトラフルオロボラート(nitrosoniu
m tetrafluoroborate)を用いて、上述した実験例1と
同様の方法により、0.420gのRCS spiro-BF
を得た。
【0084】実験例3:RCS TDAB BF
調製 0.4076g(0.0004mol)のTDABを3
0mlのトルエンに溶解させたもの、及び、0.140
2g(0.0012mol)のニトロソニウムテトラフ
ルオロボラートを40mlのトルエンに溶解させたもの
を用いたこと以外は、上述した実験例1と同様の方法に
より、0.120gのRCS TDABBF を得
た。
【0085】実験例4:RCS mTDATA SbF
の調製 0.789g(0.001mol)のmTDATAを3
0mlのトルエンに溶解させたもの、及び、1.374
5g(0.004mol)のヘキサフルオロアンチモネ
ート銀を40mlのトルエンに溶解させたものを用いた
こと以外は、上述した実験例1と同様の方法により、
1.12gのRCS mTDATA SbF を得
た。
【0086】本発明の混成太陽電池の基本的な構成例を
図5に示す。本発明の太陽電池は、基板1、FTO層
2、遮蔽TiO層3、TiO層4、ホール輸送材料
(HTM)層5、及びAu層6とから構成される。
【0087】図6は、0.1重量%の酸化spiro-MeO
-TADを用いて作製された、第1のタイプの太陽電池
についてのI/V曲線である(光源は、白色光100m
W/cmの硫黄ランプを用い、530nmにおいて電
力計を用いて測定)。また、対応するパラメータを表1
に示す。
【0088】
【表1】
【0089】ラジカルカチオン塩(RCS)は、クロロ
ホルム、クロロベンゼン、アセトンおよびアルコールの
ような溶媒に可溶であり、その溶液は濃青色または緑が
かった青色である。クロロホルム溶液は、1週間以上の
安定性を有する。
【0090】本発明のドープされたホール輸送システム
と、従来公知のシステムとの安定性を比較するために、
種々のドーパントがドープされたホール輸送材料につい
て、日立(株)製U−3000分光測定器を用いて、U
Vスペクトルを測定した。
【0091】図1は、純粋なspiro-MeO-TAD及
び、ドーパントであるN(PhBr) SbClを濃
度10−5Mでクロロホルムに溶解させた溶液について
のUVスペクトルである。意味のある吸収が、ドーパン
トでは309nmに、spiro-MeO-TADでは297
nmと377nmに見られる。
【0092】図2は、ドーパントN(PhBr)Sb
Clが重量比10%でドープされたspiro-MeO-T
ADの、濃度10−5Mのクロロホルム溶液について、
ゼロ時間及び4時間後におけるUV−Visスペクトル
である。
【0093】図に示されるように、スピロ(spiro)化
合物がドーパントと混合されても、吸収に大きなシフト
は見られない。しかし、上述した297nm及び377
nmに見られる強い吸収に加えて、518nmに新しい
吸収が見られる。これは、ホール輸送材料とドーパント
との間での電荷移動錯体の構成によるものであり、陽性
の中心(positive centers)が作りだされることによ
り、ホール輸送材料の高い導電性に帰着する。陽性の中
心は、ドーパントを添加した太陽電池の効率が増加する
要因となる。新しい種は、ラジカルカチオンであっても
よい。
【0094】時間経過とともに溶液の色が薄くなり、数
時間後には無色になることが観察された。他の2つのホ
ール輸送材料についても同じことが観察された。これ
は、ホール輸送材料にドーパントを添加することにより
得られた新しい種が不安定であることを示している。
【0095】図2は、ドーパントN(PhBr)Sb
Clがドープされたスピロ化合物について、混合直後
(0時間)及び4時間後のUV−Visスペクトルであ
る。比較すると明らかなように、518nmにおける吸
収が、4時間後には消失している。それだけではなく、
377nmにおける吸収強度も低くなっている。これ
は、新しく形成された種が非常に不安定で、その寿命が
4時間未満であることを示している。
【0096】このシステムを安定化するために、当該ホ
ール輸送材料と同様な構造及び物理的性質を有する安定
な材料を用いることが必要である。
【0097】そのために、本発明では、ホール輸送材料
を化学的に酸化してラジカルカチオン塩とし、それをド
ーパントとして、酸化されていないホール輸送材料と混
合している。
【0098】図3は、始めのスピロ化合物、重量比10
%でドーパントN(PhBr)SbClがドープさ
れたスピロ化合物、AsSbFで酸化された酸化スピ
ロ化合物について、濃度10−5Mのクロロホルム溶液
のUV−Visスペクトルである。
【0099】RCS spiro−SbF と従来公知のs
piro化合物との519nmにおける吸収の類似は、化学
酸化によって形成された種が、性質において類似してい
ることを示している。加えて、酸化スピロ化合物では、
677nmと887nmに2つの新しい吸収が見つかっ
た。
【0100】酸化スピロ化合物の安定性を示すために、
異なるインターバルでUV−Visスペクトルを測定し
た。
【0101】図4は、酸化されていない純粋なものと、
酸化スピロ化合物が5重量%でドープされたスピロ化合
物とについて、ゼロ時間、1日後、1週間後に測定した
UV−Visスペクトルである。
【0102】ドーパントN(PhBr)SbCl
ドープされたスピロ化合物と異なり、1日後に吸収強度
がわずかに変化していることが見受けられるだけであ
る。酸化スピロ化合物は、1週後においても溶液中でま
だ安定である。
【0103】これは、化学的酸化によって得られたスピ
ロ化合物のラジカルカチオンが、ドープされた共役半導
体を導くことを明らかに示している。また、従来公知の
ドープされた共役半導体に比べて、特性が向上している
ことを示している。
【0104】従って本発明のデバイスは、安定性が向上
し、さらに相分離や変質(degradation)のない、優れ
たデバイスとなる。
【0105】図7及び図8では、セルの安定性を示して
いる。図7は、本発明の固体太陽電池の、6ヶ月以上に
渡る長期安定性を示す図であり、作製直後におけるI/
V曲線である(光源は、白色光100mW/cmのOr
iel75Wキセノンアークランプを用い、550nmに
おいて電力計を用いて測定)。 図8は、本発明の固体
太陽電池の、6ヶ月以上に渡る長期安定性を示す図であ
り、6か月後におけるI/V曲線である(光源は、AM
1.5grobalのOriel150Wキセノンアークランプを
用い、80mW/cmのSiフォトダイオードを用い
て校正)。
【0106】空気中、6ヶ月後では、太陽電池のエネル
ギー転換効率は0.7%〜0.5%だけ減少したにすぎ
ない。従来公知の太陽電池では、同じ期間の後は、ほと
んどVccやJscを示さない。
【0107】請求項及び/又は明細書中で開示された本
発明の特徴は、本発明の目的を達成するために、それぞ
れを別個に適用してもよいし、いくつかを任意に組み合
わせて適用しても構わない。
【0108】
【発明の効果】本発明では、酸化されていないホール輸
送材料に、ドーパントとして、当該ホール輸送材料と同
様な構造及び物理的性質を有する酸化されたホール輸送
材料をドープすることで、安定性が向上し、相分離や変
質のない優れたデバイスを実現することができる。
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】ドーパントN(PhBr)SbClとspir
o-MeO-TADについてのUV−Visスペクトルを
示す図である。
【図2】ドーパントN(PhBr)SbClがドー
プされたspiro-MeO-TADについて、ゼロ時間及び
4時間後におけるUV−Visスペクトルを示す図であ
る。
【図3】酸化されていないspiro-MeO-TAD、ドー
パントN(PhBr)SbClがドープされたspir
o-MeO-TAD、酸化スピロ化合物についてのUV−
Visスペクトルを示す図である。
【図4】酸化されていないspiro-MeO-TAD、酸化
スピロ化合物がドープされたスピロ化合物について、1
日後及び1週間後におけるUV−Visスペクトルを示
す図である。
【図5】本発明の太陽電池の基本的な一構成例を示す断
面図である。
【図6】 酸化spiro-MeO-TADを用いた本発明の
太陽電池についてのI/V曲線を示す図である。
【図7】本発明の太陽電池についての、作製直後におけ
るI/V曲線を示す図である。
【図8】本発明の太陽電池についての、6か月後におけ
るI/V曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 基板、 2 FTO層、 3 遮蔽TiO層、
4 フッ素化物を備え染料で増感されたTiO層、
5 ホール輸送材料(HTM)、 6 Au層
フロントページの続き (72)発明者 ネレス、ガブリエーレ ドイツ連邦共和国 70327 シュトゥット ゥガルト ハインリッヒ ヘルツ シュト ラーセ 1 ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミッ ト ベシュレンクテル ハフツング アド ヴァンスド テクノロジー センター シ ュトゥットゥガルト内 (72)発明者 安田 章夫 ドイツ連邦共和国 70327 シュトゥット ゥガルト ハインリッヒ ヘルツ シュト ラーセ 1 ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミッ ト ベシュレンクテル ハフツング アド ヴァンスド テクノロジー センター シ ュトゥットゥガルト内 (72)発明者 ゲーリング、ステファン フランス国、F−68530 ブール ルー デ レコール 9 (72)発明者 シュミット、ハンス=ヴェルナー ドイツ連邦共和国、95440 バイロイト ウニヴェルジテート バイロイト内 (72)発明者 テラカート、ムクンダン ドイツ連邦共和国、95440 バイロイト ウニヴェルジテート バイロイト内 (72)発明者 ハリダス、ケー.アール. ドイツ連邦共和国、95440 バイロイト ウニヴェルジテート バイロイト内 Fターム(参考) 5F051 AA14 BA17 5H032 AA06 AS06 AS16 AS19 BB04 BB07 EE02 EE04 EE16 EE17 EE20 HH01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化されていないホール輸送材料から構
    成される固体共役半導体を有し、 上記ホール輸送材料には、酸化されたホール輸送材料が
    ドーパントとして混合されていることを特徴とする光起
    電力装置。
  2. 【請求項2】 上記ホール輸送材料は、化学式(1)、
    化学式(2)または化学式(3)で表されることを特徴
    とする請求項1記載の光起電力装置。 【化1】 式(1)中、各置換基におけるRは、ヘキシルおよびエ
    チルヘキシルから、ヘキシル:エチルヘキシルの比が重
    量%で約40:60の割合で従属的に選ばれる。 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】 酸化されたホール輸送材料は、ホール輸
    送材料との混合物中に、0.01重量%〜10重量%の
    範囲で含有されていることを特徴とする請求項1又は2
    記載の光起電力装置。
  4. 【請求項4】 酸化されたホール輸送材料は、ホール輸
    送材料との混合物中に、0.08重量%〜1.2重量%
    の範囲で含有されていることを特徴とする請求項3記載
    の光起電力装置。
  5. 【請求項5】 染料で増感化された半導体酸化物層をさ
    らに有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の光起電力装置。
  6. 【請求項6】 上記染料は、ルテニウム錯体染料である
    ことを特徴とする請求項5記載の光起電力装置。
  7. 【請求項7】 半導体酸化物層が、多孔質であることを
    特徴とする請求項1ないし6記載の光起電力装置。
  8. 【請求項8】 半導体酸化物層が、ナノ粒子から構成さ
    れることを特徴とする請求項7記載の光起電力装置。
  9. 【請求項9】 半導体酸化物層が、TiOのナノ粒子
    から構成されることを特徴とする請求項8記載の光起電
    力装置。
  10. 【請求項10】 ホール輸送材料と酸化されたホール輸
    送材料とを含有することを特徴とする混合物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の混合物を、請求項1
    ないし請求項9記載の光起電力装置に、ドープされたホ
    ール輸送材料として用いることを特徴とする混合物の使
    用方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の混合物を、請求項1
    ないし請求項9記載の光起電力装置の製造に、ドープさ
    れたホール輸送材料として用いることを特徴とする混合
    物の使用方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし9記載の、固体共役半
    導体を有する光起電力装置の製造方法であって、 (i)ホール輸送材料を酸化する工程と、 (ii)酸化されたホール輸送材料と、酸化されていない
    ホール輸送材料とを混合する工程と、 (iii)上記混合物を半導体酸化物層上に供給する工程
    とを有することを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記工程(i)において、ホール輸送
    材料は、化学的に酸化されることを特徴とする請求項1
    3記載の光起電力装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 未反応物および還元された酸化剤を、
    上記混合工程(ii)に先立って除去することを特徴とす
    る請求項14記載の光起電力装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 酸化を、ヘキサフルオロアンチモネー
    ト銀(AgSbF)又はニトロソニウムテトラフルオ
    ボラート(NOBF)を用いて行うことを特徴とする請
    求項15記載の光起電力装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 酸化によって、ホール輸送材料のラジ
    カルカチオンが得られることを特徴とする請求項13な
    いし16のいずれかに記載の光起電力装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 以下の工程の少なくとも1つを有する
    ことを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記
    載の光起電力装置の製造方法。 半導体酸化物層を形成する工程 上記混合物を上記半導体酸化物層に供給する工程 上記半導体酸化物層と上記混合物に電極を接続する工程
  19. 【請求項19】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    光起電力装置を有することを特徴とする太陽電池。
  20. 【請求項20】 固体太陽電池であることを特徴とする
    請求項19記載の太陽電池。
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