JP2003201419A - 顔料の表面処理方法及びこれにより得られた水分散性顔料 - Google Patents
顔料の表面処理方法及びこれにより得られた水分散性顔料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 分散剤等の高分子化合物を用いることなく、
直接親水性官能基を顔料表面に導入することにより、水
中での分散安定性に優れる顔料を簡便な手段により効率
的に製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 フタロシアニンを含有した過酸化水素水
を反応容器4に入れ、この溶液中にアルゴンガスボンベ
8からアルゴンガスをバブリングにより通気させる。こ
の反応容器4を所定の水を入れた水槽3の中に浸漬させ
て、超音波発振装置1により超音波振動子2から200
kHzの超音波を照射する。
直接親水性官能基を顔料表面に導入することにより、水
中での分散安定性に優れる顔料を簡便な手段により効率
的に製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 フタロシアニンを含有した過酸化水素水
を反応容器4に入れ、この溶液中にアルゴンガスボンベ
8からアルゴンガスをバブリングにより通気させる。こ
の反応容器4を所定の水を入れた水槽3の中に浸漬させ
て、超音波発振装置1により超音波振動子2から200
kHzの超音波を照射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顔料を表面処理する
ことにより、親水化されて水中における分散安定性に優
れる顔料の表面処理方法に関し、更に詳しくは、フタロ
シアニン等の有機顔料の表面処理方法及びカーボンブラ
ックの表面処理方法に関する。
ことにより、親水化されて水中における分散安定性に優
れる顔料の表面処理方法に関し、更に詳しくは、フタロ
シアニン等の有機顔料の表面処理方法及びカーボンブラ
ックの表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にインクジェットインクなどに供さ
れる水性顔料インクには、銅フタロシアニンなどの有機
顔料や黒色着色剤の代表であるカーボンブラックが用い
られている。有機顔料のようにベンゼン環などの芳香族
環を含む化合物は一般に不溶性で、表面の疎水性が高い
ため、そのままでは水中における分散安定性が低い。
れる水性顔料インクには、銅フタロシアニンなどの有機
顔料や黒色着色剤の代表であるカーボンブラックが用い
られている。有機顔料のようにベンゼン環などの芳香族
環を含む化合物は一般に不溶性で、表面の疎水性が高い
ため、そのままでは水中における分散安定性が低い。
【0003】そのため、例えば銅フタロシアニンなどの
顔料微粒子の表面を親水化処理し、水中における分散安
定性を高めることによって製造されている。顔料微粒子
の親水化処理方法としては、水中にて分散剤として作用
するスチレンアクリル樹脂等の高分子化合物を顔料微粒
子の表面に付着させるマイクロカプセル化法や、顔料微
粒子の表面に直接、水酸基やスルホン基などの親水性の
高い官能基を導入する方法が知られている。
顔料微粒子の表面を親水化処理し、水中における分散安
定性を高めることによって製造されている。顔料微粒子
の親水化処理方法としては、水中にて分散剤として作用
するスチレンアクリル樹脂等の高分子化合物を顔料微粒
子の表面に付着させるマイクロカプセル化法や、顔料微
粒子の表面に直接、水酸基やスルホン基などの親水性の
高い官能基を導入する方法が知られている。
【0004】このうちマイクロカプセル化法は、顔料粒
子を両親媒性を有する高分子化合物とともにビーズ分散
機などで微分散しつつ、顔料粒子に高分子化合物を付着
させる方法であるが、顔料以外に分散剤として高分子化
合物が必要であり、顔料に高分子化合物を付着させる工
程に多大の労力を要するなど、製造コストの面で問題と
なる場合もある。
子を両親媒性を有する高分子化合物とともにビーズ分散
機などで微分散しつつ、顔料粒子に高分子化合物を付着
させる方法であるが、顔料以外に分散剤として高分子化
合物が必要であり、顔料に高分子化合物を付着させる工
程に多大の労力を要するなど、製造コストの面で問題と
なる場合もある。
【0005】また、この方法で製造した顔料粒子の水分
散液に保湿剤や表面張力調節剤として水溶性有機溶剤を
添加したとき、マイクロカプセル化した顔料粒子の安定
性が低下することがあり、品質上問題となる場合もあ
る。
散液に保湿剤や表面張力調節剤として水溶性有機溶剤を
添加したとき、マイクロカプセル化した顔料粒子の安定
性が低下することがあり、品質上問題となる場合もあ
る。
【0006】一方、顔料粒子の表面に直接親水性官能基
を導入する方法としては、顔料粒子表面を酸化して水酸
基などを導入したり、例えば特開平08−283596
号公報に開示されているように反応試薬を作用させて水
酸基、カルボキシル基、スルホン基などの親水性官能基
を導入する方法などが挙げられる。
を導入する方法としては、顔料粒子表面を酸化して水酸
基などを導入したり、例えば特開平08−283596
号公報に開示されているように反応試薬を作用させて水
酸基、カルボキシル基、スルホン基などの親水性官能基
を導入する方法などが挙げられる。
【0007】これらの方法によれば、顔料粒子の表面に
直接親水性官能基を導入するため、分散剤などの顔料微
粒子以外の成分を含まないので、原料コストの低減を図
る上で有効である場合もある。
直接親水性官能基を導入するため、分散剤などの顔料微
粒子以外の成分を含まないので、原料コストの低減を図
る上で有効である場合もある。
【0008】その他の水分散性顔料の製造法として、水
蒸気の存在下、顔料をプラズマ処理して水蒸気を分解
し、ヒドロキシラジカルなどの反応活性種を生じさせて
顔料表面を酸化し、水酸基を導入する表面酸化法が知ら
れている。この方法は特殊な反応試薬や反応溶媒を必要
としないためシンプルかつ経済的な製造法であるが、極
めて大きな表面積と複雑な形状を有する顔料粒子の表面
全体を効率的にプラズマ処理することは困難な場合が多
く、装置規模も大きくなり、処理する顔料の量が増大す
るにつれて、プラズマ処理により水蒸気から生じたラジ
カル種と顔料粒子との接触効率が減少するので、工業的
規模での実施が困難になるといった問題が生じることも
ある。
蒸気の存在下、顔料をプラズマ処理して水蒸気を分解
し、ヒドロキシラジカルなどの反応活性種を生じさせて
顔料表面を酸化し、水酸基を導入する表面酸化法が知ら
れている。この方法は特殊な反応試薬や反応溶媒を必要
としないためシンプルかつ経済的な製造法であるが、極
めて大きな表面積と複雑な形状を有する顔料粒子の表面
全体を効率的にプラズマ処理することは困難な場合が多
く、装置規模も大きくなり、処理する顔料の量が増大す
るにつれて、プラズマ処理により水蒸気から生じたラジ
カル種と顔料粒子との接触効率が減少するので、工業的
規模での実施が困難になるといった問題が生じることも
ある。
【0009】有機顔料の一種であるフタロシアニンも上
記の表面処理法などで親水化ができるものの、製造コス
トや品質面の問題から、上述したような表面処理法は必
ずしも効率的な方法ではなかった。
記の表面処理法などで親水化ができるものの、製造コス
トや品質面の問題から、上述したような表面処理法は必
ずしも効率的な方法ではなかった。
【0010】また、顔料がカーボンブラックの場合につ
いても、種々分散性を向上させる検討がなされている。
例えば特開平08−319444号公報に開示されてい
るように、カーボンブラックを次亜塩素酸ナトリウムな
どの強酸化剤を含む水溶液中で酸化して、水酸基やカル
ボキシル基などの親水性の高い官能基をその表面に導入
する方法などが知られているが、溶媒を除去する工程が
必要となったり、廃水処理により製造コストが高くなる
という問題があった。
いても、種々分散性を向上させる検討がなされている。
例えば特開平08−319444号公報に開示されてい
るように、カーボンブラックを次亜塩素酸ナトリウムな
どの強酸化剤を含む水溶液中で酸化して、水酸基やカル
ボキシル基などの親水性の高い官能基をその表面に導入
する方法などが知られているが、溶媒を除去する工程が
必要となったり、廃水処理により製造コストが高くなる
という問題があった。
【0011】また特開平10−212426号公報に開
示されているように、酸化剤としてオゾンを使用してカ
ーボンブラックを水中にて酸化処理する方法も知られて
いるが、インクジェットインク向けなどの水性顔料イン
クに供することができる程度にまで親水化するには不十
分であったり、特開2001−164148号公報に開
示されているように、オゾン酸化処理後のカーボンブラ
ックをミルなどの分散機で微細化する方法では、カーボ
ンブラックの一部に酸化されていない部分が生じる場合
もあるため、これを酸化処理後に微細化しても一部のカ
ーボンブラックが沈降するなどして、水性顔料インクと
して使用できない場合もあった。
示されているように、酸化剤としてオゾンを使用してカ
ーボンブラックを水中にて酸化処理する方法も知られて
いるが、インクジェットインク向けなどの水性顔料イン
クに供することができる程度にまで親水化するには不十
分であったり、特開2001−164148号公報に開
示されているように、オゾン酸化処理後のカーボンブラ
ックをミルなどの分散機で微細化する方法では、カーボ
ンブラックの一部に酸化されていない部分が生じる場合
もあるため、これを酸化処理後に微細化しても一部のカ
ーボンブラックが沈降するなどして、水性顔料インクと
して使用できない場合もあった。
【0012】ところで、有機物質が溶解した水に超音波
を照射すると有機物質が酸化分解されることが知られて
いる。この水への超音波照射による有機物質の分解機構
として、一般に周波数が20kHz以上の超音波を照射
することにより生じた高温高圧状態にあるキャビテーシ
ョン気泡内に、揮発した一部の水が分解して強力な酸化
剤として作用するヒドロキシラジカルを生じ、この活性
酸素種の酸化作用で有機物質が酸化分解されると考えら
れている。
を照射すると有機物質が酸化分解されることが知られて
いる。この水への超音波照射による有機物質の分解機構
として、一般に周波数が20kHz以上の超音波を照射
することにより生じた高温高圧状態にあるキャビテーシ
ョン気泡内に、揮発した一部の水が分解して強力な酸化
剤として作用するヒドロキシラジカルを生じ、この活性
酸素種の酸化作用で有機物質が酸化分解されると考えら
れている。
【0013】このキャビテーション気泡内もしくはその
近傍において水が分解して水素原子とヒドロキシラジカ
ルが生じる生成速度が、200kHzで最大となるとの
報告もある(「環境保全化学プロセスにおける超音波利
用技術」、超音波TECNO1997.7.)。
近傍において水が分解して水素原子とヒドロキシラジカ
ルが生じる生成速度が、200kHzで最大となるとの
報告もある(「環境保全化学プロセスにおける超音波利
用技術」、超音波TECNO1997.7.)。
【0014】上述のヒドロキシラジカルの生成機構はキ
ャビテーション気泡の生成を前提にしているが、近年シ
リコンウエハや液晶ディスプレー用ガラス基板の精密洗
浄に利用されている周波数が500kHzから5MHz
程度で、かつ、キャビテーションが生じない程度の強度
で水中に超音波を照射するメガソニック洗浄槽内におい
てもヒドロキシラジカルが生成するとの報告もある
(「メガソニック洗浄の今後」、超音波TECNO 2
000.9.)。
ャビテーション気泡の生成を前提にしているが、近年シ
リコンウエハや液晶ディスプレー用ガラス基板の精密洗
浄に利用されている周波数が500kHzから5MHz
程度で、かつ、キャビテーションが生じない程度の強度
で水中に超音波を照射するメガソニック洗浄槽内におい
てもヒドロキシラジカルが生成するとの報告もある
(「メガソニック洗浄の今後」、超音波TECNO 2
000.9.)。
【0015】また、スチレンやブロモベンゼン、ナフタ
レン等のベンゼン環を含む有機化合物を含有する水に2
00kHzの超音波を照射することにより、上記有機化
合物が分解するとの報告もある(「超音波を利用した有
機汚染物質の分解法」、ECO INDUSTRY V
ol.4 No.12 1999)。
レン等のベンゼン環を含む有機化合物を含有する水に2
00kHzの超音波を照射することにより、上記有機化
合物が分解するとの報告もある(「超音波を利用した有
機汚染物質の分解法」、ECO INDUSTRY V
ol.4 No.12 1999)。
【0016】さらに超音波を照射しながら水中にオゾン
を供給すると、ヒドロキシルラジカルの生成量が増大す
るとの報告もある(例えば特開2000−288495
号公報)。
を供給すると、ヒドロキシルラジカルの生成量が増大す
るとの報告もある(例えば特開2000−288495
号公報)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、水中での分散安定性に優れる顔料を簡便な
手段により効率的に製造する製造方法を提供することに
ある。
する課題は、水中での分散安定性に優れる顔料を簡便な
手段により効率的に製造する製造方法を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、過酸化水
素水中もしくはオゾン水中、またはオゾンと過酸化水素
が溶解した水中にて超音波を発振することにより、ヒド
ロキシラジカルを効率的に発生させることができ、か
つ、水に不溶性の顔料であっても上述したと同様に、超
音波照射により顔料分子中の炭素鎖が分解できれば、こ
の位置に活性酸素が結合して直接親水性官能基を導入す
ることができ、さらに超音波照射によるキャビテーショ
ンで顔料の微細化もできるのではないかとの考えにより
鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
素水中もしくはオゾン水中、またはオゾンと過酸化水素
が溶解した水中にて超音波を発振することにより、ヒド
ロキシラジカルを効率的に発生させることができ、か
つ、水に不溶性の顔料であっても上述したと同様に、超
音波照射により顔料分子中の炭素鎖が分解できれば、こ
の位置に活性酸素が結合して直接親水性官能基を導入す
ることができ、さらに超音波照射によるキャビテーショ
ンで顔料の微細化もできるのではないかとの考えにより
鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0019】すなわち本発明は、過酸化水素水中もしく
はオゾン水中、または過酸化水素とオゾンとが溶解した
水中にて、顔料に超音波を照射することを特徴とする顔
料の表面処理方法を提供するものである。
はオゾン水中、または過酸化水素とオゾンとが溶解した
水中にて、顔料に超音波を照射することを特徴とする顔
料の表面処理方法を提供するものである。
【0020】本発明の処理方法で親水化できる顔料とし
ては有機顔料あるいはカーボンブラックが好ましく、有
機顔料としては特に限定はないが、例えばフタロシアニ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、アンスラキノン系顔料などが挙げられ
る。
ては有機顔料あるいはカーボンブラックが好ましく、有
機顔料としては特に限定はないが、例えばフタロシアニ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、アンスラキノン系顔料などが挙げられ
る。
【0021】例えばフタロシアニンとしては、その分子
構造中の4つのベンゼン環に置換基を有しないフタロシ
アニンか、もしくはベンゼン環の一部がハロゲン化やア
ルキル化するなどして、実質的に親水性を有しない置換
基が導入されたフタロシアニンであって、その分子構造
の中心に銅、鉄、ニッケルなどの金属原子を含む金属フ
タロシアニンでも、無金属フタロシアニンでも良い。
構造中の4つのベンゼン環に置換基を有しないフタロシ
アニンか、もしくはベンゼン環の一部がハロゲン化やア
ルキル化するなどして、実質的に親水性を有しない置換
基が導入されたフタロシアニンであって、その分子構造
の中心に銅、鉄、ニッケルなどの金属原子を含む金属フ
タロシアニンでも、無金属フタロシアニンでも良い。
【0022】また、分子構造中の4つのベンゼン環の一
部にスルホン基などの親水性を有する官能基が導入され
ているものの、フタロシアニンの水分散安定性に対する
寄与が低く、実質的には疎水性である金属フタロシアニ
ン、もしくは無金属フタロシアニンであっても良い。
部にスルホン基などの親水性を有する官能基が導入され
ているものの、フタロシアニンの水分散安定性に対する
寄与が低く、実質的には疎水性である金属フタロシアニ
ン、もしくは無金属フタロシアニンであっても良い。
【0023】上記フタロシアニンに、過酸化水素水中も
しくはオゾン水中、または過酸化水素とオゾンとが溶解
した水中で超音波を照射することによって、本来疎水性
であるフタロシアニンの表面に直接水酸基などの親水性
官能基を導入することができ、分散安定性に優れるフタ
ロシアニンを得ることができる。
しくはオゾン水中、または過酸化水素とオゾンとが溶解
した水中で超音波を照射することによって、本来疎水性
であるフタロシアニンの表面に直接水酸基などの親水性
官能基を導入することができ、分散安定性に優れるフタ
ロシアニンを得ることができる。
【0024】超音波を照射することにより、水中に生じ
たヒドロキシラジカルや活性酸素のような活性酸素種が
顔料の表面に作用して、例えば酸素原子のみで構成され
るキノン基やヒドロキシラジカル由来の水酸基、あるい
は活性酸素種の作用によって顔料分子中の炭素鎖が切断
されることにより生じるカルボキシル基などの酸素を含
有する官能基が生成されるものと考えられるが、後述す
るように、処理後の顔料の分散安定性からは親水性を有
する水酸基、カルボキシル基が顔料の表面に直接導入さ
れたものと推察される。
たヒドロキシラジカルや活性酸素のような活性酸素種が
顔料の表面に作用して、例えば酸素原子のみで構成され
るキノン基やヒドロキシラジカル由来の水酸基、あるい
は活性酸素種の作用によって顔料分子中の炭素鎖が切断
されることにより生じるカルボキシル基などの酸素を含
有する官能基が生成されるものと考えられるが、後述す
るように、処理後の顔料の分散安定性からは親水性を有
する水酸基、カルボキシル基が顔料の表面に直接導入さ
れたものと推察される。
【0025】また、本発明には造粒乾燥工程前の有機顔
料の水スラリーを用いることもできる。この水スラリー
は、反応工程が終了した後、顔料をソルベントミリング
法など顔料化工程にて目的とする結晶形に転移させ、か
つ、粒子径を30から300nm程度にまで微細化した
後に水に分散させ、顔料濃度が1%から5%程度に調整
された顔料の水分散液として得ることができる。
料の水スラリーを用いることもできる。この水スラリー
は、反応工程が終了した後、顔料をソルベントミリング
法など顔料化工程にて目的とする結晶形に転移させ、か
つ、粒子径を30から300nm程度にまで微細化した
後に水に分散させ、顔料濃度が1%から5%程度に調整
された顔料の水分散液として得ることができる。
【0026】本発明の表面処理に有機顔料の水スラリー
を用いる利点として、有機顔料が水中にてほぼ一次粒子
に近い状態で存在しており、造粒乾燥後の顔料のよう
に、強固に凝集していない点を挙げることができる。ま
た乾燥して粉末化した有機顔料の表面は極めて親水性が
低いので、これを水に分散させるには表面処理工程に先
立って微分散工程が必要な場合もあり、製造コストの増
大につながることもあるので、水スラリーの使用は製造
コストの面でも有利となる。
を用いる利点として、有機顔料が水中にてほぼ一次粒子
に近い状態で存在しており、造粒乾燥後の顔料のよう
に、強固に凝集していない点を挙げることができる。ま
た乾燥して粉末化した有機顔料の表面は極めて親水性が
低いので、これを水に分散させるには表面処理工程に先
立って微分散工程が必要な場合もあり、製造コストの増
大につながることもあるので、水スラリーの使用は製造
コストの面でも有利となる。
【0027】また、本発明で使用できるカーボンブラッ
クにも特に限定はなく、オイルファーネスブラック、ガ
スファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラックなど市販されている各種のカーボンブラック
を用いることができる。
クにも特に限定はなく、オイルファーネスブラック、ガ
スファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラックなど市販されている各種のカーボンブラック
を用いることができる。
【0028】これらのカーボンブラックにはその表面の
一部にカルボキシル基や水酸基などの親水性官能基を有
しているものもあり、これらのカーボンブラックは比較
的水への分散性が高いので、本発明の水中での超音波照
射による表面処理に適している。これらの水への分散性
が比較的高いカーボンブラックの一例として、三菱化学
株式会社製の「MA8」、「MA100」などが挙げら
れる。なお、ここで挙げたカーボンブラックは比較的水
中での分散安定性が高いものの、水性顔料インクに供す
る程度にまではその表面は親水化されておらず、本発明
の方法などを用いてさらに親水化処理しない限り、水性
顔料インクとして好適に使用することはできない。
一部にカルボキシル基や水酸基などの親水性官能基を有
しているものもあり、これらのカーボンブラックは比較
的水への分散性が高いので、本発明の水中での超音波照
射による表面処理に適している。これらの水への分散性
が比較的高いカーボンブラックの一例として、三菱化学
株式会社製の「MA8」、「MA100」などが挙げら
れる。なお、ここで挙げたカーボンブラックは比較的水
中での分散安定性が高いものの、水性顔料インクに供す
る程度にまではその表面は親水化されておらず、本発明
の方法などを用いてさらに親水化処理しない限り、水性
顔料インクとして好適に使用することはできない。
【0029】さらに、表面に親水性官能基を多く含まな
いカーボンブラック、例えば三菱化学株式会社製の「#
45」、「#960」などに対しても、本発明の表面処
理方法が適用できる。
いカーボンブラック、例えば三菱化学株式会社製の「#
45」、「#960」などに対しても、本発明の表面処
理方法が適用できる。
【0030】一般に、蒸留水に超音波を照射した場合で
もわずかではあるがヒドロキシラジカルの発生が確認さ
れるが、過酸化水素水中もしくはオゾン水中、または過
酸化水素とオゾンとが溶解した水中で超音波を照射する
ことが、顔料の表面に酸素を含有する官能基をより効率
的に導入することができるものと考えられる。なお、単
に過酸化水素水中等に顔料を含有させておくだけでは、
その表面に酸素を含有する官能基が導入されることがな
いことは確認されている。
もわずかではあるがヒドロキシラジカルの発生が確認さ
れるが、過酸化水素水中もしくはオゾン水中、または過
酸化水素とオゾンとが溶解した水中で超音波を照射する
ことが、顔料の表面に酸素を含有する官能基をより効率
的に導入することができるものと考えられる。なお、単
に過酸化水素水中等に顔料を含有させておくだけでは、
その表面に酸素を含有する官能基が導入されることがな
いことは確認されている。
【0031】過酸化水素水の濃度としては0.01%か
ら50%であればよく、0.1%から40%の範囲であ
れば問題なく本発明を実施することができる。一般に市
販されている過酸化水素水は濃度が30%であるので、
この過酸化水素水を適宜調製して、5%〜30%の範囲
とすれば好適に使用できる。
ら50%であればよく、0.1%から40%の範囲であ
れば問題なく本発明を実施することができる。一般に市
販されている過酸化水素水は濃度が30%であるので、
この過酸化水素水を適宜調製して、5%〜30%の範囲
とすれば好適に使用できる。
【0032】また、オゾン発生装置でオゾンを発生さ
せ、これを水中に溶解させるなどして最大で15ppm
程度のオゾン水を製造することもできるので、このよう
なオゾン水を利用することもできる。
せ、これを水中に溶解させるなどして最大で15ppm
程度のオゾン水を製造することもできるので、このよう
なオゾン水を利用することもできる。
【0033】なお、過酸化水素とオゾンとを併用して、
これらを溶解させた水を使用することもでき、この場合
は、上記したようなそれぞれの溶解度に応じて適宜な濃
度とすればよい。
これらを溶解させた水を使用することもでき、この場合
は、上記したようなそれぞれの溶解度に応じて適宜な濃
度とすればよい。
【0034】上述のごとくキャビテーションの有無に関
わらず水中にヒドロキシラジカルなどの活性酸素種が生
成することを考慮すると、超音波の周波数範囲としては
特に制限されるものではなく、実用的には20kHzか
ら5MHzであればよく、活性酸素種の生成効率を考え
た場合には100kHzから1MHzの範囲が好まし
く、特に200kHzが好ましい。
わらず水中にヒドロキシラジカルなどの活性酸素種が生
成することを考慮すると、超音波の周波数範囲としては
特に制限されるものではなく、実用的には20kHzか
ら5MHzであればよく、活性酸素種の生成効率を考え
た場合には100kHzから1MHzの範囲が好まし
く、特に200kHzが好ましい。
【0035】また、カーボンブラックについては上記し
たのと同様に20kHzから5MHzであればよく、2
0kHzから40kHzの範囲でも分散安定性と微粒子
化に対して十分に効果を発現できる。
たのと同様に20kHzから5MHzであればよく、2
0kHzから40kHzの範囲でも分散安定性と微粒子
化に対して十分に効果を発現できる。
【0036】なお、アルゴンやヘリウムなどの単原子分
子である希ガスを過酸化水素水中等にバブリングするこ
とにより、希ガスがキャビテーション気泡内に拡散する
とともに超音波の作用でこの気泡が断熱圧縮されるた
め、キャビテーション気泡内部が、希ガスがない場合に
比べてさらに高温になって周りの水分子などの分解をよ
り促進し、活性酸素種を生成する効率が高まると考えら
れる。
子である希ガスを過酸化水素水中等にバブリングするこ
とにより、希ガスがキャビテーション気泡内に拡散する
とともに超音波の作用でこの気泡が断熱圧縮されるた
め、キャビテーション気泡内部が、希ガスがない場合に
比べてさらに高温になって周りの水分子などの分解をよ
り促進し、活性酸素種を生成する効率が高まると考えら
れる。
【0037】したがって、例えば周波数が200kHz
の超音波を過酸化水素水に照射する場合、アルゴンやヘ
リウムなどの希ガスを予め溶解させておくか、あるいは
超音波を照射している間、連続的に希ガスを通気するこ
とも好ましい。
の超音波を過酸化水素水に照射する場合、アルゴンやヘ
リウムなどの希ガスを予め溶解させておくか、あるいは
超音波を照射している間、連続的に希ガスを通気するこ
とも好ましい。
【0038】本発明による顔料の表面処理方法を行う際
の、一実施形態である処理装置の模式図を図1に示し、
他の実施形態である処理装置の模式図を図2に示す。図
1は回分式の超音波発振装置であり、図2は循環流通式
の超音波発振装置である。1は超音波発信装置、2は超
音波振動子、3は水槽、4は顔料の水分散液を入れる容
器、5は液温を測定するための温度計、6は酸素または
圧縮空気のボンベ、7はオゾン発生装置であり、6の酸
素もしくは圧縮空気ボンベから導入された酸素からオゾ
ンを生成させることができる。8は希ガスのボンベ、9
は循環ポンプである。
の、一実施形態である処理装置の模式図を図1に示し、
他の実施形態である処理装置の模式図を図2に示す。図
1は回分式の超音波発振装置であり、図2は循環流通式
の超音波発振装置である。1は超音波発信装置、2は超
音波振動子、3は水槽、4は顔料の水分散液を入れる容
器、5は液温を測定するための温度計、6は酸素または
圧縮空気のボンベ、7はオゾン発生装置であり、6の酸
素もしくは圧縮空気ボンベから導入された酸素からオゾ
ンを生成させることができる。8は希ガスのボンベ、9
は循環ポンプである。
【0039】このように上記希ガス以外に空気や酸素な
どをバブリングすることも可能であり、特に酸素を放電
式オゾン発生装置に供給してオゾンと酸素の混合気体を
水に通気しつつ超音波を照射すれば、顔料表面へ酸素を
含有する官能基を効率的に導入することが期待できる。
どをバブリングすることも可能であり、特に酸素を放電
式オゾン発生装置に供給してオゾンと酸素の混合気体を
水に通気しつつ超音波を照射すれば、顔料表面へ酸素を
含有する官能基を効率的に導入することが期待できる。
【0040】過酸化水素水中やオゾン水中などで超音波
を照射することにより有機顔料やカーボンブラックの表
面に導入される官能基としては水酸基やキノン基が考え
られるが、その他、例えば有機顔料分子中のベンゼン環
が開裂するなどしてカルボキシル基が生じることも考え
られ、どの官能基がどのような濃度で生じたかは不明で
あるものの、少なくとも一部は水酸基やカルボキシル基
などの親水性の高い酸素含有官能基が顔料表面に導入さ
れると考えられる。
を照射することにより有機顔料やカーボンブラックの表
面に導入される官能基としては水酸基やキノン基が考え
られるが、その他、例えば有機顔料分子中のベンゼン環
が開裂するなどしてカルボキシル基が生じることも考え
られ、どの官能基がどのような濃度で生じたかは不明で
あるものの、少なくとも一部は水酸基やカルボキシル基
などの親水性の高い酸素含有官能基が顔料表面に導入さ
れると考えられる。
【0041】その根拠として、例えば、フタロシアニン
を強制的に水に分散させても、やがては凝集、沈降する
現象が見られるが、超音波照射後のフタロシアニンは水
中で凝集や沈降の現象が見られず、長期にわたって安定
的に分散していることが目視で確認できるからである。
を強制的に水に分散させても、やがては凝集、沈降する
現象が見られるが、超音波照射後のフタロシアニンは水
中で凝集や沈降の現象が見られず、長期にわたって安定
的に分散していることが目視で確認できるからである。
【0042】また、水中での粒子の分散安定性を評価す
る方法としてゼータ電位の測定が有効であるが、本発明
の方法で処理したフタロシアニンのゼータ電位を測定し
たところ、未処理のフタロシアニンに比べて明らかにゼ
ータ電位が低下することからも、水中での分散安定性が
増大していることが確認される。
る方法としてゼータ電位の測定が有効であるが、本発明
の方法で処理したフタロシアニンのゼータ電位を測定し
たところ、未処理のフタロシアニンに比べて明らかにゼ
ータ電位が低下することからも、水中での分散安定性が
増大していることが確認される。
【0043】なお、本発明者らはpHが6.50の蒸留
水に濃度が30%の過酸化水素水を添加し、濃度が10
%の過酸化水素水を調製してpH4.51の過酸化水素
水を作製して、超音波を照射することによるpHの変化
を調べた。この過酸化水素水49.5gに0.5gの銅
フタロシアニン(大日本インキ化学工業株式会社製 F
astogen Blue 5380E)を分散させ
て、W−200−HF MK−II(本多電子株式会社
製)を用いて周波数200kHz、出力200Wの超音
波を1時間照射した後、この分散液のpHを測定したと
ころ3.56にまで低下しており、明らかに酸性成分が
生成されていることを確認した。
水に濃度が30%の過酸化水素水を添加し、濃度が10
%の過酸化水素水を調製してpH4.51の過酸化水素
水を作製して、超音波を照射することによるpHの変化
を調べた。この過酸化水素水49.5gに0.5gの銅
フタロシアニン(大日本インキ化学工業株式会社製 F
astogen Blue 5380E)を分散させ
て、W−200−HF MK−II(本多電子株式会社
製)を用いて周波数200kHz、出力200Wの超音
波を1時間照射した後、この分散液のpHを測定したと
ころ3.56にまで低下しており、明らかに酸性成分が
生成されていることを確認した。
【0044】この分散液を孔径5μmのメンブレンフィ
ルターで濾過しつつ、濾残のウェットケーキ状の銅フタ
ロシアニンを十分に水洗して、再びpHが6.50の蒸
留水に分散したところ、そのpHは5.05であった。
ルターで濾過しつつ、濾残のウェットケーキ状の銅フタ
ロシアニンを十分に水洗して、再びpHが6.50の蒸
留水に分散したところ、そのpHは5.05であった。
【0045】このことから、少なくとも一部の酸性成分
は超音波照射後の銅フタロシアニンに由来しており、そ
の表面に導入された酸素を含有する官能基のうちの、水
酸基もしくはカルボキシル基の作用によるものではない
かと考えられる。
は超音波照射後の銅フタロシアニンに由来しており、そ
の表面に導入された酸素を含有する官能基のうちの、水
酸基もしくはカルボキシル基の作用によるものではない
かと考えられる。
【0046】なお、同様の方法で調製したpH4.51
の過酸化水素水49.5gのみに上記超音波を照射して
もpHはほとんど変化しないことを事前に確認してい
る。
の過酸化水素水49.5gのみに上記超音波を照射して
もpHはほとんど変化しないことを事前に確認してい
る。
【0047】さらに、ESCA−850(株式会社 島
津製作所製)を用いて超音波照射による処理後の銅フタ
ロシアニンの表面元素分析を行った結果、表面に存在す
る元素は銅フタロシアニンの構成元素である炭素、窒
素、銅および酸素を含有する官能基に由来すると考えら
れる酸素原子のみで、その他の元素は観測されないこと
も確認している。
津製作所製)を用いて超音波照射による処理後の銅フタ
ロシアニンの表面元素分析を行った結果、表面に存在す
る元素は銅フタロシアニンの構成元素である炭素、窒
素、銅および酸素を含有する官能基に由来すると考えら
れる酸素原子のみで、その他の元素は観測されないこと
も確認している。
【0048】顔料の表面に導入される親水性を有する酸
素含有官能基量が多いほど水中における分散安定性は高
くなるものと考えられるが、超音波を照射することによ
り顔料を微細化して粒子径を小さくすることも可能であ
るため、超音波照射による微細化効果と顔料表面へ親水
性を有する酸素含有官能基が導入される効果が相乗的に
作用して、水中での分散安定性に優れる顔料を製造する
ことができる。
素含有官能基量が多いほど水中における分散安定性は高
くなるものと考えられるが、超音波を照射することによ
り顔料を微細化して粒子径を小さくすることも可能であ
るため、超音波照射による微細化効果と顔料表面へ親水
性を有する酸素含有官能基が導入される効果が相乗的に
作用して、水中での分散安定性に優れる顔料を製造する
ことができる。
【0049】また、本発明の処理方法で顔料の表面に導
入される酸素含有官能基には親水性の低いキノン基も含
まれることが考えられる。このキノンは還元剤を作用さ
せることにより、水酸基に変換することができるので、
本発明の方法で処理した顔料分散液に水酸化ホウ素ナト
リウムなどの還元剤を作用させることにより、顔料表面
のキノン基を水酸基に変換し、分散安定性をより高める
こともできる。なお、還元処理後、未反応の還元剤や副
生成物は限外濾過膜等を用いて分散液から分離除去すれ
ばよい。
入される酸素含有官能基には親水性の低いキノン基も含
まれることが考えられる。このキノンは還元剤を作用さ
せることにより、水酸基に変換することができるので、
本発明の方法で処理した顔料分散液に水酸化ホウ素ナト
リウムなどの還元剤を作用させることにより、顔料表面
のキノン基を水酸基に変換し、分散安定性をより高める
こともできる。なお、還元処理後、未反応の還元剤や副
生成物は限外濾過膜等を用いて分散液から分離除去すれ
ばよい。
【0050】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。 (表面元素組成分析)表面元素分析には、(株)島津製
作所製ESCA−850を使用した。 (ゼータ電位測定)ゼータ電位測定には、ゼータ電位測
定装置(PEN KEM、INC製 LAZER ZE
E METER MODEL 501)を使用した。 (粒度分布測定)粒子径、粒度分布測定には日機装株式
会社製MICROTRAC UPA150を使用した。
らに具体的に説明する。 (表面元素組成分析)表面元素分析には、(株)島津製
作所製ESCA−850を使用した。 (ゼータ電位測定)ゼータ電位測定には、ゼータ電位測
定装置(PEN KEM、INC製 LAZER ZE
E METER MODEL 501)を使用した。 (粒度分布測定)粒子径、粒度分布測定には日機装株式
会社製MICROTRAC UPA150を使用した。
【0051】(実施例1)濃度が30%の過酸化水素水
(和光純薬工業株式会社製)16.7mlに蒸留水を加
えて、100mlの濃度5%の過酸化水素水を調製し、
200ml容積の撹拌機付き四つ口フラスコに投入し
た。このフラスコを底部に超音波振動子を取り付けた水
槽に浸漬した。この水槽にはあらかじめ所定の水位まで
水道水を満たし、水温が25℃になるように調節した。
フラスコ内の過酸化水素水にノズルを用いてアルゴンガ
スを約10分間、毎分200mlの流量でバブリングし
た。続いてこのフラスコに銅フタロシアニン(Fast
ogen Blue 5380E)0.5g投入して撹
拌を開始した。水温を25℃に保ちながらアルゴンガス
通気下、超音波発振装置W−200−HF MK−II
(本多電子株式会社製)を使用して200kHz、20
0Wの超音波を1時間照射した後、撹拌とアルゴンガス
の通気を停止し、フラスコ内の分散液を回収した。
(和光純薬工業株式会社製)16.7mlに蒸留水を加
えて、100mlの濃度5%の過酸化水素水を調製し、
200ml容積の撹拌機付き四つ口フラスコに投入し
た。このフラスコを底部に超音波振動子を取り付けた水
槽に浸漬した。この水槽にはあらかじめ所定の水位まで
水道水を満たし、水温が25℃になるように調節した。
フラスコ内の過酸化水素水にノズルを用いてアルゴンガ
スを約10分間、毎分200mlの流量でバブリングし
た。続いてこのフラスコに銅フタロシアニン(Fast
ogen Blue 5380E)0.5g投入して撹
拌を開始した。水温を25℃に保ちながらアルゴンガス
通気下、超音波発振装置W−200−HF MK−II
(本多電子株式会社製)を使用して200kHz、20
0Wの超音波を1時間照射した後、撹拌とアルゴンガス
の通気を停止し、フラスコ内の分散液を回収した。
【0052】回収液から約20mlを分別し、孔径5μ
mのメンブレンフィルターを用いて減圧濾過するととも
に、蒸留水を用いて水洗した。水洗後、さらにメタノー
ル(和光純薬工業株式会社製)で洗浄し、水分を完全に
除去した。続いてメンブレンフィルター上の濾残を80
℃で2時間乾燥し、表面元素分析用の試料1を得た。
mのメンブレンフィルターを用いて減圧濾過するととも
に、蒸留水を用いて水洗した。水洗後、さらにメタノー
ル(和光純薬工業株式会社製)で洗浄し、水分を完全に
除去した。続いてメンブレンフィルター上の濾残を80
℃で2時間乾燥し、表面元素分析用の試料1を得た。
【0053】また、残りの回収液80mlを同様にメン
ブレンフィルターを用いて減圧濾過しつつ、蒸留水を用
いて水洗した。水洗後のウェットケーキ状の濾残を蒸留
水に再分散し、銅フタロシアニンの水分散液を得て、こ
の分散液から約1mlをさらに蒸留水で希釈し、ゼータ
電位測定用の試験液1を得た。
ブレンフィルターを用いて減圧濾過しつつ、蒸留水を用
いて水洗した。水洗後のウェットケーキ状の濾残を蒸留
水に再分散し、銅フタロシアニンの水分散液を得て、こ
の分散液から約1mlをさらに蒸留水で希釈し、ゼータ
電位測定用の試験液1を得た。
【0054】(実施例2)濃度が30%の過酸化水素水
(和光純薬工業株式会社製)100mlをとり、200
ml容積の撹拌機付き四つ口フラスコに投入した以外
は、実施例1と同様にして、フラスコ内の分散液を回収
した。
(和光純薬工業株式会社製)100mlをとり、200
ml容積の撹拌機付き四つ口フラスコに投入した以外
は、実施例1と同様にして、フラスコ内の分散液を回収
した。
【0055】以下、実施例1と同様の手順で表面元素分
析用の試料2とゼータ電位測定用の試験液2を得た。
析用の試料2とゼータ電位測定用の試験液2を得た。
【0056】(実施例3)容量100mlのポリプロピ
レン製容器に直径約1.5mmのジルコニアビーズを容
量の半分程度まで投入し、ついで実施例1と同じ銅フタ
ロシアニン2.0gと蒸留水20gを投入し、ペイント
シェイカーを用いて30分間、微分散した。分散液をジ
ルコニアビーズから分離回収し、30%過酸化水素水を
33.3ml加え、さらに46.7mlの蒸留水を加え
て100mlの銅フタロシアニン含有の10%過酸化水
素水分散液を調製した。この分散液を容量250mlの
ポリプロピレン製容器に投入し、分散液にアルゴンガス
を約10分間バブリングした。その後このポリプロピレ
ン製容器に蓋をして密閉し、底部に超音波振動子を取り
付けた水槽に浸漬した後、水温を25℃に保ちながら超
音波発振装置W−200−HF MK−II(本多電子
株式会社製)を使用して200kHz、200Wの超音
波を2時間照射し、その後、ポリプロピレン製容器の蓋
をはずして、分散液を回収した。
レン製容器に直径約1.5mmのジルコニアビーズを容
量の半分程度まで投入し、ついで実施例1と同じ銅フタ
ロシアニン2.0gと蒸留水20gを投入し、ペイント
シェイカーを用いて30分間、微分散した。分散液をジ
ルコニアビーズから分離回収し、30%過酸化水素水を
33.3ml加え、さらに46.7mlの蒸留水を加え
て100mlの銅フタロシアニン含有の10%過酸化水
素水分散液を調製した。この分散液を容量250mlの
ポリプロピレン製容器に投入し、分散液にアルゴンガス
を約10分間バブリングした。その後このポリプロピレ
ン製容器に蓋をして密閉し、底部に超音波振動子を取り
付けた水槽に浸漬した後、水温を25℃に保ちながら超
音波発振装置W−200−HF MK−II(本多電子
株式会社製)を使用して200kHz、200Wの超音
波を2時間照射し、その後、ポリプロピレン製容器の蓋
をはずして、分散液を回収した。
【0057】以下、実施例1と同様の手順で表面元素分
析用の試料3とゼータ電位測定用の試験液3を得た。
析用の試料3とゼータ電位測定用の試験液3を得た。
【0058】(実施例4)実施例3と同様の手順で銅フ
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散液を調製し
た。超音波洗浄機(株式会社 エスエヌデイ製 US−
3)を使用して38kHz、150Wの超音波を1時間
照射した以外は実施例3と同様にして、分散液を回収し
た。
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散液を調製し
た。超音波洗浄機(株式会社 エスエヌデイ製 US−
3)を使用して38kHz、150Wの超音波を1時間
照射した以外は実施例3と同様にして、分散液を回収し
た。
【0059】以下、実施例1と同様の手順で表面元素分
析用の試料4とゼータ電位測定用の試験液4を得た。
析用の試料4とゼータ電位測定用の試験液4を得た。
【0060】(実施例5)実施例3と同様の手順で銅フ
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散液を調製し
た。高周波超音波洗浄機(株式会社 本多電子製 W−
357)を使用して周波数が1MHz、600Wの超音
波を1時間照射した以外は実施例3と同様にして、分散
液を回収した。
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散液を調製し
た。高周波超音波洗浄機(株式会社 本多電子製 W−
357)を使用して周波数が1MHz、600Wの超音
波を1時間照射した以外は実施例3と同様にして、分散
液を回収した。
【0061】以下、実施例1と同様の手順で表面元素分
析用の試料5とゼータ電位測定用の試験液5を得た。
析用の試料5とゼータ電位測定用の試験液5を得た。
【0062】(比較例1)実施例3と同様の手順で銅フ
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散を調製し
た。その後、過酸化水素の酸化反応の影響を実施例1〜
5と同様にするために1時間放置し、それ以外は実施例
3と同様にして、分散液を回収した。
タロシアニン含有の10%過酸化水素水分散を調製し
た。その後、過酸化水素の酸化反応の影響を実施例1〜
5と同様にするために1時間放置し、それ以外は実施例
3と同様にして、分散液を回収した。
【0063】以下、実施例1と同様の手順で表面元素分
析用の比較試料1とゼータ電位測定用の比較試験液1を
得た。
析用の比較試料1とゼータ電位測定用の比較試験液1を
得た。
【0064】これらの試料1〜5、比較試料1、試験液
1〜5、比較試験液1の各測定結果を表1に示す。
1〜5、比較試験液1の各測定結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1の結果から、実施例1から5までの試
料では表面に存在する元素は銅フタロシアニンの構成元
素である炭素、窒素、銅の他に、酸素を含有する官能基
に由来すると考えられる酸素原子が観測されるが、比較
例1の試料では酸素原子が観測されないことが分かる。
また、実施例1から5までの試験液では、超音波を照射
していない比較例1の比較試験液と比べて、明らかにゼ
ータ電位が低下しており、水中での分散安定性が増大し
ていることが分かる。
料では表面に存在する元素は銅フタロシアニンの構成元
素である炭素、窒素、銅の他に、酸素を含有する官能基
に由来すると考えられる酸素原子が観測されるが、比較
例1の試料では酸素原子が観測されないことが分かる。
また、実施例1から5までの試験液では、超音波を照射
していない比較例1の比較試験液と比べて、明らかにゼ
ータ電位が低下しており、水中での分散安定性が増大し
ていることが分かる。
【0067】(実施例6)ソルトミリング法により顔料
化した銅フタロシアニンを3.3%含有する水スラリー
100gを容量が250mlのポリプロピレン製容器に
投入し、図1に示した超音波振動子付きの水槽に浸漬し
た。超音波照射装置には周波数が38kHz、150W
の株式会社エスエヌデイ製超音波洗浄機US−3を使用
し、水槽中の水温は25℃に保った。この水スラリーに
オゾンを含む酸素を毎分0.5lで通気しつつ、超音波
を5時間照射した。ここでオゾンは日本酸素株式会社製
の酸素(純度99.9%)を原料として、株式会社安永
製オゾン発生装置AOC−C−052ATEFを用いて
製造した。
化した銅フタロシアニンを3.3%含有する水スラリー
100gを容量が250mlのポリプロピレン製容器に
投入し、図1に示した超音波振動子付きの水槽に浸漬し
た。超音波照射装置には周波数が38kHz、150W
の株式会社エスエヌデイ製超音波洗浄機US−3を使用
し、水槽中の水温は25℃に保った。この水スラリーに
オゾンを含む酸素を毎分0.5lで通気しつつ、超音波
を5時間照射した。ここでオゾンは日本酸素株式会社製
の酸素(純度99.9%)を原料として、株式会社安永
製オゾン発生装置AOC−C−052ATEFを用いて
製造した。
【0068】超音波照射後の分散液を回収し、その一部
を孔径0.025μmのメンブレンフィルターを用いて
減圧濾過するとともに、蒸留水を用いて水洗した。水洗
後、さらにメタノール(和光純薬工業株式会社製)で洗
浄し、水分を完全に除去した。続いてメンブレンフィル
ター上の濾残を80℃で2時間乾燥し、表面元素組成分
析用の試料6を得た。
を孔径0.025μmのメンブレンフィルターを用いて
減圧濾過するとともに、蒸留水を用いて水洗した。水洗
後、さらにメタノール(和光純薬工業株式会社製)で洗
浄し、水分を完全に除去した。続いてメンブレンフィル
ター上の濾残を80℃で2時間乾燥し、表面元素組成分
析用の試料6を得た。
【0069】超音波照射後の分散液を20g分取し、攪
拌しながら水素化ホウ素ナトリウム0.1g添加した。
2時間後、再び孔径0.025μmのメンブレンフィル
ターを用いて減圧濾過するとともに、蒸留水を用いて水
洗した。
拌しながら水素化ホウ素ナトリウム0.1g添加した。
2時間後、再び孔径0.025μmのメンブレンフィル
ターを用いて減圧濾過するとともに、蒸留水を用いて水
洗した。
【0070】水洗後のウェットケーキを回収して蒸留水
に再分散してゼータ電位を測定したところ、−50.7
mVであった。また体積平均粒子径は125nmであっ
た。この分散液に1Nの水酸化ナトリウムを滴下して、
pHを約8に調節した。この分散液は極めて安定で、1
ヶ月以上にわたって、観察したが銅フタロシアニン粒子
の沈降は全く見られなかった。
に再分散してゼータ電位を測定したところ、−50.7
mVであった。また体積平均粒子径は125nmであっ
た。この分散液に1Nの水酸化ナトリウムを滴下して、
pHを約8に調節した。この分散液は極めて安定で、1
ヶ月以上にわたって、観察したが銅フタロシアニン粒子
の沈降は全く見られなかった。
【0071】(実施例7)顔料化工程後のキナクリドン
マゼンタを3.6%含む水スラリー100gに、実施例
6と同様に、オゾンの存在下、周波数38kHzの超音
波を2時間照射した。続いて図2の処置装置を用いて、
周波数が1.7MHzの超音波を、超音波工業株式会社
製USV−48Z1700Sを用いて3時間照射した。
マゼンタを3.6%含む水スラリー100gに、実施例
6と同様に、オゾンの存在下、周波数38kHzの超音
波を2時間照射した。続いて図2の処置装置を用いて、
周波数が1.7MHzの超音波を、超音波工業株式会社
製USV−48Z1700Sを用いて3時間照射した。
【0072】さらに実施例6と同様にして、表面分析用
の試料7を調製するとともに、超音波照射後の分散液に
水素化ホウ素ナトリウムを添加した。2時間後経過した
後、濾過、水洗して得られた分散液のゼータ電位、体積
平均粒子径を測定したところ、それぞれ、−48.3m
V、183nmであった。また実施例6と同様にしてp
Hを約8に調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上
にわたって粒子の沈降は全く見られなかった。
の試料7を調製するとともに、超音波照射後の分散液に
水素化ホウ素ナトリウムを添加した。2時間後経過した
後、濾過、水洗して得られた分散液のゼータ電位、体積
平均粒子径を測定したところ、それぞれ、−48.3m
V、183nmであった。また実施例6と同様にしてp
Hを約8に調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上
にわたって粒子の沈降は全く見られなかった。
【0073】(実施例8)ペリレンマルーンを1.0%
含む水スラリー100gに、実施例6と同様にして、オ
ゾンの存在下、周波数38kHzの超音波を5時間照射
した。超音波照射後の分散液を回収し、実施例6と同様
にして表面分析用の試料8を調製した。
含む水スラリー100gに、実施例6と同様にして、オ
ゾンの存在下、周波数38kHzの超音波を5時間照射
した。超音波照射後の分散液を回収し、実施例6と同様
にして表面分析用の試料8を調製した。
【0074】(実施例9)三菱化学株式会社製カーボン
ブラック「MA8」3.0gと蒸留水97.0gを容量
が250mLのポリプロピレン製容器に投入し、以下実
施例6と同様にしてオゾンを通気しつつ、周波数が38
kHzの超音波を5時間照射した。
ブラック「MA8」3.0gと蒸留水97.0gを容量
が250mLのポリプロピレン製容器に投入し、以下実
施例6と同様にしてオゾンを通気しつつ、周波数が38
kHzの超音波を5時間照射した。
【0075】超音波照射後の分散液を回収し、実施例6
と同様にして表面分析用の試料9を調製した。さらに分
散液の一部を濾過、水洗してゼータ電位、体積平均粒子
径を測定したところ、それぞれ、−66.2mV、72
nmであった。また実施例6と同様にしてpHを約8に
調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上にわたって
粒子の沈降は全く見られなかった。
と同様にして表面分析用の試料9を調製した。さらに分
散液の一部を濾過、水洗してゼータ電位、体積平均粒子
径を測定したところ、それぞれ、−66.2mV、72
nmであった。また実施例6と同様にしてpHを約8に
調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上にわたって
粒子の沈降は全く見られなかった。
【0076】(実施例10)照射する超音波の周波数が
200kHz、オゾンを製造する原料を酸素に変えて圧
縮空気を用いる以外は、実施例9と同様にして、カーボ
ンブラック「MA8」の水分散液を得た。ここで超音波
照射には本多電子株式会社製W−200−HF MK−
IIを使用した。
200kHz、オゾンを製造する原料を酸素に変えて圧
縮空気を用いる以外は、実施例9と同様にして、カーボ
ンブラック「MA8」の水分散液を得た。ここで超音波
照射には本多電子株式会社製W−200−HF MK−
IIを使用した。
【0077】以下、実施例6と同様の手順で表面元素組
成分析用の試料10を調製するとともに、水素化ホウ素
ナトリウムを用いて還元処理し、ゼータ電位と体積平均
粒子径を測定したところ、それぞれ−70.2mV、8
1nmであり、さらにpHを約8に調節した分散液は極
めて安定で、1ヶ月以上にわたって粒子の沈降は全く見
られなかった。
成分析用の試料10を調製するとともに、水素化ホウ素
ナトリウムを用いて還元処理し、ゼータ電位と体積平均
粒子径を測定したところ、それぞれ−70.2mV、8
1nmであり、さらにpHを約8に調節した分散液は極
めて安定で、1ヶ月以上にわたって粒子の沈降は全く見
られなかった。
【0078】(実施例11)三菱化学株式会社製カーボ
ンブラック「#45」1.0gと蒸留水99.0gを容
量が250mLのポリプロピレン製容器に投入し、以下
実施例7と同様にしてオゾンの存在下、周波数が38k
Hzの超音波を2時間、周波数が1.7MHzの超音波
を3時間照射した。
ンブラック「#45」1.0gと蒸留水99.0gを容
量が250mLのポリプロピレン製容器に投入し、以下
実施例7と同様にしてオゾンの存在下、周波数が38k
Hzの超音波を2時間、周波数が1.7MHzの超音波
を3時間照射した。
【0079】超音波照射後の分散液を回収し、実施例6
と同様にして表面分析用の試料11を調製した。さらに
分散液の一部を濾過、水洗してゼータ電位、体積平均粒
子径を測定したところ、それぞれ、−67.4mV、1
53nmであった。また実施例6と同様にしてpHを約
8に調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上にわた
って粒子の沈降は全く見られなかった。
と同様にして表面分析用の試料11を調製した。さらに
分散液の一部を濾過、水洗してゼータ電位、体積平均粒
子径を測定したところ、それぞれ、−67.4mV、1
53nmであった。また実施例6と同様にしてpHを約
8に調節した分散液は極めて安定で、1ヶ月以上にわた
って粒子の沈降は全く見られなかった。
【0080】(表面元素分析結果)実施例6〜11で得
られた試料6〜11をそれぞれ処理前の表面元素組成と
比較するために、銅フタロシアニンの水スラリー、ジメ
チルキナクリドン(マゼンタ)の水スラリー、ペリレ
ン、MA8、#45を実施例1と同様の手順で試料を作
製して表面元素組成を調べた。
られた試料6〜11をそれぞれ処理前の表面元素組成と
比較するために、銅フタロシアニンの水スラリー、ジメ
チルキナクリドン(マゼンタ)の水スラリー、ペリレ
ン、MA8、#45を実施例1と同様の手順で試料を作
製して表面元素組成を調べた。
【0081】以下に実施例6〜11の各顔料とそれそれ
の顔料の処理前の表面元素組成分析結果を表2〜6に示
す。
の顔料の処理前の表面元素組成分析結果を表2〜6に示
す。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】表2〜6の結果から、実施例6から11ま
でのすべての試料で本発明の処理方法で酸素を含有する
官能基に由来すると考えられる酸素原子の量が増大して
いることが分かる。
でのすべての試料で本発明の処理方法で酸素を含有する
官能基に由来すると考えられる酸素原子の量が増大して
いることが分かる。
【0088】(実施例12)三菱化学株式会社製カーボ
ンブラック「MA8」3.0gを含有する水分散液10
0gを用意し、毎分0.5lの流量でオゾンを含有する
酸素を通気しつつ、周波数が38kHzの超音波を5時
間照射した。照射後の水分散液の粒度分布を図3に示
す。得られた分散液中のカーボンブラックの分散安定性
は良好で、図3の粒度分布からも分かるように、処理後
のカーボンブラックは微細で、かつ、この分散液中に凝
集物は確認されなかった。
ンブラック「MA8」3.0gを含有する水分散液10
0gを用意し、毎分0.5lの流量でオゾンを含有する
酸素を通気しつつ、周波数が38kHzの超音波を5時
間照射した。照射後の水分散液の粒度分布を図3に示
す。得られた分散液中のカーボンブラックの分散安定性
は良好で、図3の粒度分布からも分かるように、処理後
のカーボンブラックは微細で、かつ、この分散液中に凝
集物は確認されなかった。
【0089】(比較例2)オゾンを含有する酸素を通気
せずに、38kHzの超音波を5時間照射した以外は、
実施例12と同様にして水分散液を得た。照射後の水分
散液の粒度分布を図4に示す。得られた分散液は、しば
らくすると凝集物の沈殿が確認された。
せずに、38kHzの超音波を5時間照射した以外は、
実施例12と同様にして水分散液を得た。照射後の水分
散液の粒度分布を図4に示す。得られた分散液は、しば
らくすると凝集物の沈殿が確認された。
【0090】(比較例3)オゾンを含有する酸素を通気
せずに、1MHzの超音波を5時間照射した以外は、実
施例12と同様にして水分散液を得た。照射後の水分散
液の粒度分布は、図5に示すように比較例2に比べて微
細化は促進されるものの、しばらくすると凝集物の沈殿
が確認され、分散安定性は悪かった。
せずに、1MHzの超音波を5時間照射した以外は、実
施例12と同様にして水分散液を得た。照射後の水分散
液の粒度分布は、図5に示すように比較例2に比べて微
細化は促進されるものの、しばらくすると凝集物の沈殿
が確認され、分散安定性は悪かった。
【0091】(比較例4)オゾンを含有する酸素を通気
しつつ、超音波を照射しないで撹拌を行った以外は、実
施例12と同様にして水分散液を得た。得られた水分散
液中には、目視で確認できる大きさの凝集物があり、し
ばらく放置した後には、カーボンブラックの沈殿も確認
された。
しつつ、超音波を照射しないで撹拌を行った以外は、実
施例12と同様にして水分散液を得た。得られた水分散
液中には、目視で確認できる大きさの凝集物があり、し
ばらく放置した後には、カーボンブラックの沈殿も確認
された。
【0092】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よる顔料の表面処理方法によれば、顔料の表面に酸素含
有官能基を直接導入することにより親水化させることが
可能となり、かつ、微細な水性顔料インクなどに好適に
用いることができる分散性に優れる顔料を提供できる。
また、顔料表面に導入した酸素含有官能基により、グラ
フト化による高分子化合物との複合化やシランカップリ
ング剤を付加して新たにアミノ基やビニル基などを導入
し、各種の溶媒中での分散性や高分子化合物との相溶性
を高めたりすることも期待できる。
よる顔料の表面処理方法によれば、顔料の表面に酸素含
有官能基を直接導入することにより親水化させることが
可能となり、かつ、微細な水性顔料インクなどに好適に
用いることができる分散性に優れる顔料を提供できる。
また、顔料表面に導入した酸素含有官能基により、グラ
フト化による高分子化合物との複合化やシランカップリ
ング剤を付加して新たにアミノ基やビニル基などを導入
し、各種の溶媒中での分散性や高分子化合物との相溶性
を高めたりすることも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による顔料の表面処理方法を行う際の、
一実施形態である回分式の処理装置の模式図。
一実施形態である回分式の処理装置の模式図。
【図2】本発明による顔料の表面処理方法を行う際の、
他の実施形態である循環流通式の処理装置の模式図。
他の実施形態である循環流通式の処理装置の模式図。
【図3】カーボンブラックの水分散液にオゾンを通気し
ながら周波数38kHzの超音波を照射した後の粒度分
布図。
ながら周波数38kHzの超音波を照射した後の粒度分
布図。
【図4】カーボンブラックの水分散液に周波数38kH
zの超音波を照射した後の粒度分布図。
zの超音波を照射した後の粒度分布図。
【図5】カーボンブラックの水分散液に周波数1MHz
の超音波を照射した後の粒度分布図。
の超音波を照射した後の粒度分布図。
1 超音波発信装置
2 超音波振動子
3 水槽
4 反応容器
5 温度計
6 酸素または圧縮空気のボンベ
7 オゾン発生装置
8 希ガスボンベ
9 循環ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09C 3/06 C09C 3/06
C09D 17/00 C09D 17/00
Claims (6)
- 【請求項1】 過酸化水素水中もしくはオゾン水中、ま
たは過酸化水素とオゾンとが溶解した水中にて、顔料に
超音波を照射することを特徴とする顔料の表面処理方
法。 - 【請求項2】 該超音波の発振周波数が20kHzから
5MHzの範囲であり、該顔料が有機顔料である請求項
1に記載の顔料の表面処理方法。 - 【請求項3】 該超音波の発振周波数が200kHzで
ある請求項2に記載の顔料の表面処理方法。 - 【請求項4】 該超音波の発振周波数が20kHzから
40kHzの範囲であり、該顔料がカーボンブラックで
ある請求項1に記載の顔料の表面処理方法。 - 【請求項5】 該過酸化水素水中もしくは該オゾン水
中、または該過酸化水素とオゾンとが溶解した水中に希
ガスを導入して超音波を照射する請求項1から4のいず
れかに記載の顔料の表面処理方法。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の顔料
の表面処理方法により得られたことを特徴とする水分散
性顔料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002035302A JP2003201419A (ja) | 2001-10-22 | 2002-02-13 | 顔料の表面処理方法及びこれにより得られた水分散性顔料 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001-323390 | 2001-10-22 | ||
| JP2001323390 | 2001-10-22 | ||
| JP2002035302A JP2003201419A (ja) | 2001-10-22 | 2002-02-13 | 顔料の表面処理方法及びこれにより得られた水分散性顔料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003201419A true JP2003201419A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27666332
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002035302A Pending JP2003201419A (ja) | 2001-10-22 | 2002-02-13 | 顔料の表面処理方法及びこれにより得られた水分散性顔料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003201419A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012083743A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-04-26 | Nitto Denko Corp | 光拡散素子および光拡散素子付偏光板の製造方法、ならびに、これらの方法で得られた光拡散素子および光拡散素子付偏光板 |
| JP2012117020A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Canon Inc | 酸化型自己分散顔料の製造方法及びインクジェット用インクの製造方法 |
| US8283395B2 (en) | 2005-05-09 | 2012-10-09 | Fujifilm Corporation | Method of producing organic-particles-dispersion liquid |
| US8679341B2 (en) | 2005-05-06 | 2014-03-25 | Fujifilm Corporation | Method of concentrating nanoparticles and method of deaggregating aggregated nanoparticles |
| JP2019173037A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-10-10 | Dic株式会社 | ジオキサジン顔料の製造方法 |
| JP2020029483A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社アイティー技研 | 液体炭化水素の製造方法及び装置 |
| WO2022176337A1 (ja) | 2021-02-18 | 2022-08-25 | Dic株式会社 | アゾ顔料、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料 |
| WO2022176363A1 (ja) | 2021-02-18 | 2022-08-25 | Dic株式会社 | カーボンブラック、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料 |
| JP7272513B1 (ja) * | 2021-12-07 | 2023-05-12 | Dic株式会社 | キナクリドン顔料、顔料分散体、及び水性インクジェットインク |
| WO2023105844A1 (ja) | 2021-12-07 | 2023-06-15 | Dic株式会社 | キナクリドン顔料、顔料分散体、及び水性インクジェットインク |
-
2002
- 2002-02-13 JP JP2002035302A patent/JP2003201419A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8679341B2 (en) | 2005-05-06 | 2014-03-25 | Fujifilm Corporation | Method of concentrating nanoparticles and method of deaggregating aggregated nanoparticles |
| US8283395B2 (en) | 2005-05-09 | 2012-10-09 | Fujifilm Corporation | Method of producing organic-particles-dispersion liquid |
| JP2012083743A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-04-26 | Nitto Denko Corp | 光拡散素子および光拡散素子付偏光板の製造方法、ならびに、これらの方法で得られた光拡散素子および光拡散素子付偏光板 |
| JP2012117020A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Canon Inc | 酸化型自己分散顔料の製造方法及びインクジェット用インクの製造方法 |
| JP2019173037A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-10-10 | Dic株式会社 | ジオキサジン顔料の製造方法 |
| JP2020029483A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社アイティー技研 | 液体炭化水素の製造方法及び装置 |
| WO2022176337A1 (ja) | 2021-02-18 | 2022-08-25 | Dic株式会社 | アゾ顔料、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料 |
| WO2022176363A1 (ja) | 2021-02-18 | 2022-08-25 | Dic株式会社 | カーボンブラック、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料 |
| JP7272513B1 (ja) * | 2021-12-07 | 2023-05-12 | Dic株式会社 | キナクリドン顔料、顔料分散体、及び水性インクジェットインク |
| WO2023105844A1 (ja) | 2021-12-07 | 2023-06-15 | Dic株式会社 | キナクリドン顔料、顔料分散体、及び水性インクジェットインク |
| CN118019809A (zh) * | 2021-12-07 | 2024-05-10 | Dic株式会社 | 喹吖啶酮颜料、颜料分散体和水性喷墨油墨 |
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