JP2003201540A - 鋼線材および鋼線 - Google Patents
鋼線材および鋼線Info
- Publication number
- JP2003201540A JP2003201540A JP2002000660A JP2002000660A JP2003201540A JP 2003201540 A JP2003201540 A JP 2003201540A JP 2002000660 A JP2002000660 A JP 2002000660A JP 2002000660 A JP2002000660 A JP 2002000660A JP 2003201540 A JP2003201540 A JP 2003201540A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel wire
- wire
- steel
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Metal Extraction Processes (AREA)
Abstract
られるスチールコードに好適な、強度のばらつきの小さ
い鋼線材とこの鋼線材を素材とする鋼線とを、高い生産
性の下に歩留り良く廉価に提供する。 【解決手段】 C:0.7 〜1.1 %、Si:0.1 〜1%、M
n:0.1 〜1%、Mo:0.01〜0.2 %を含有し、残部Feお
よび不純物からなり、この不純物の中のAl:0.002 %以
下、Ti:0.002 %以下、P:0.012 %以下、S:0.010
%以下、N:0.005 %以下およびO:0.002 %以下であ
るとともに、下記(1) 式および(2) 式を満足することを
特徴とする鋼線材である。 6<6×Si(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) <11 ・・・・・・・(1) N(%)-(14/48)×Ti(%)-(14/11) ×B(%)≧0 ・・・・・・・(2)
Description
に関する。より詳しくは、本発明は、例えば、自動車の
ラジアルタイヤや各種産業用ベルト、さらには各種ホー
スの補強材として用いられるスチールコード、さらには
ソーイングワイヤ等の用途に好適な鋼線材および鋼線に
関する。
産業用ベルト、さらには各種ホースの補強材として用い
られるスチールコードの製造工程の一例を示す説明図で
ある。同図に示すように、スチールコード用鋼線は、一
般に、素材である丸棒に熱間圧延を行った後に調整冷却
して得られた線径(直径)が5〜6mmの鋼線材に、1次
伸線加工を行って直径を3〜4mmにし、次いで、パテン
ティング処理を行い、さらに2次伸線加工を行って1〜
2mmの直径とする。この後、最終パテンティング処理を
行い、次いで、ブラスメッキを施し、さらに最終湿式伸
線加工を行って0.15〜0.4mm の直径とする。さらに、こ
のようにして得られた極細鋼線を複数本撚り合わせる撚
り加工を行って撚り鋼線とすることにより、スチールコ
ードが製造される。
は、特開2000−309849号公報に開示されるように、C:
0.75〜0.92% (以下、本明細書においては特にことわり
がない限り「%」は「質量%」を意味するものとする)
、Si:0.1 〜1.0 %、Mn:0.1 〜1.0 %、Cr:1.0 %
以下、Cu:0.5 %以下、Ni:1.0 %以下、Co:2.0 %以
下、Mo:0.5 %以下、W:0.5 %以下、V:0.2 %以
下、Nb:0.1 %以下、 REM:0.03%以下、Ca:0.003 %
以下、Mg:0.003 %以下、B:0.005 %以下を含有し、
不純物として、Al:0.0020%以下、Ti:0.0020%以下、
N:0.005 %以下、P:0.012 %以下、S:0.01%以
下、O:0.0020%を含有し、Ti×N≦6×10-6%、N−
1.3 B−0.3Ti ≦0.0035%である鋼線材が知られてい
る。
最終パテンティング処理後の強度を高めることが有効で
ある。このため、一般的に最終パテンティング処理後の
組織は、ラメラ間隔が小さなパーライト組織とされてい
る。
に加熱した後に550 〜600 ℃の温度域まで急冷し、その
温度域で変態させる必要がある。そのため、以前は鉛浴
を使ったパテンティング処理が広く行われていたが、作
業環境の向上のために、近年は、酸化アルミニウム、酸
化ジルコニウムや炭素粉等の粉体を収容した槽内へ底部
に設けられた通気板の下方から送風し、粉体を浮遊状態
とすることにより形成される流動層を利用した流動床炉
を用いることが多くなっている。
動層は鉛浴に比較すると熱伝達係数が低いため、以下に
列記する課題(1) 〜(4) がある。 (1) 処理品の冷却速度が低くなるため、冷却の途中で変
態が開始し、強度が低下することがある。 (2) 冷却速度を高めるために、流動層を2ゾーンに分
け、一方のゾーンの温度を他方のゾーンの温度よりも低
く設定することが多いが、量産時には加熱炉を含めて不
可避的に温度制御にばらつきが存在するため、過冷によ
ってパーライト組織にベイナイト組織が混在する場合が
あり、強度が安定しない。 (3) パーライト変態が急激に進行すると変態発熱が生じ
るため、流動層では抜熱が少なく流動層内でのパテンテ
ィング処理中に鋼線の温度が上昇してパーライト変態温
度が高くなるため、強度が低下する。 (4) 最終熱処理後の強度のばらつきは、最終湿式伸線加
工によってさらに増大するため、製品の強度がばらつく
要因となる。また、ベイナイト組織が混在すると、伸線
による加工硬化量が小さくなり、最終製品の強度が低下
する。
熱処理後の強度のばらつきを小さくし、かつベイナイト
組織の混在を防止することはできなかった。本発明は、
従来の技術が有するかかる課題に鑑みてなされたもので
あり、例えば、自動車のラジアルタイヤや各種産業用ベ
ルト、さらには各種ホースの補強材として用いられるス
チールコード、さらにはソーイングワイヤ等の用途に好
適な、強度のばらつきの小さい鋼線材とこの鋼線材を素
材とする鋼線とを、高い生産性の下に歩留り良く廉価に
提供することである。
1 %、Si:0.1 〜1%、Mn:0.1 〜1%、Mo:0.01〜0.
2 %を含有し、残部Feおよび不純物からなり、この不純
物の中のAl:0.002 %以下、Ti:0.002 %以下、P:0.
012 %以下、S:0.01%以下、N:0.005 %以下および
O:0.002 %以下であるとともに、下記(1) 式および
(2) 式を満足することを特徴とする鋼線材である。 6<6×Si(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) <11 ・・・・・・・(1) N(%)-(14/48)×Ti(%)-(14/11) ×B(%)≧0 ・・・・・・・(2) この本発明にかかる鋼線材においては、さらに、Nb:0.
003 〜0.016 %、および/または、B:0.0003〜0.0035
%を含有することが、伸線加工性を充分に確保するため
には望ましい。
いては、さらに、Cr:0.1 〜1%、および/または、C
o:0.2 〜2%を含有することが、強度を高めるために
は望ましい。
いては、さらに、Ca:0.0001〜0.003 %、および/また
は、Mg:0.0001〜0.003 %を含有することが、熱間加工
性を高めるためには望ましい。
を有し、最終湿式伸線加工後の引張強さに関して下記
(3) 式により求められる標準偏差が30MPa 以下であるこ
とを特徴とする鋼線である。
m 間隔で測定した20ヶ所の引張強さの平均値を示し、TS
i は20ヶ所のうちのi番目の測定個所における引張強さ
の測定値を示す。
したままの材料を意味する。また、「鋼線」とは、線材
を冷間圧延や伸線したものを意味する。このように、本
発明は、略述すれば、前述した特開2000−309849号公報
に開示された発明にはない発明特定事項である(1) 式に
より、鋼線材の強度のばらつき(標準偏差) を、問題な
い程度に著しく小さく抑制するものである。
び鋼線の実施の形態を詳細に説明する。本発明者らは、
線材の組成が最終熱処理後における鋼線の引張強さのば
らつきに与える影響について調査および研究した結果、
以下に列記する知見(a) 〜(g)を得た。
イヤ等の用途に用いられる線材の多くは、焼入れ性に大
きく影響する元素であるSiおよびMnを含有し、それらの
含有量はSi:0.1 〜0.3 %、Mn:0.3 〜0.5 %である
が、これでは、焼入れ性が低いために流動層を用いたパ
テンティング処理では強度のばらつきが大きくなる。
ライト変態が急激に進行しており、そのため変態発熱を
生じ、変態時の温度が上昇して強度が不安定となる。 (c)Moは微量の含有量であってもパーライト変態の進行
を確実に遅らせることができるため、Moを含有させれ
ば、流動層を用いてパテンティング処理を行っても強度
のばらつきが顕著に抑制される。ただし、Mo含有量が多
過ぎるとパーライト変態が終了するまでの時間が長く成
り過ぎ、流動層内でパーライト変態が終了せずに、その
後の冷却過程でマルテンサイト組織となってしまい、伸
線性が極めて悪化する。
があるCrには、Moに比較すると効果は小さいものの、パ
ーライト変態を遅らせる効果がある。 (e)高強度化を目的として含有させることがあるCo、ま
た伸線性向上を目的として含有させることがあるNbに
は、いずれもパーライト変態を早める効果がある。
せて鋼線材の組成を最適化すれば、最終熱処理後の強度
のばらつきが小さく、かつ生産性を低下させずに、流動
層内で変態を終了させることができる。
く、鋼中のフリーNを低減して伸線性を高める効果があ
るが、Bが単体で鋼中に存在すると焼入れ性が大きく成
り過ぎ、マルテンサイト組織が生成するので好ましくな
い。しかし、B単体で存在する量を制御することは難し
いため、強度のばらつきを低減するためには、鋼中に存
在するBは化合物にしておくことが有効である。そこ
で、BよりNと結合し易いTiを含めて、B、Ti、Nの含
有量を制御すれば、鋼中に単体で存在するB量をほぼ無
くすことができ、焼入れ性への影響を無くすことができ
る。
いてなされたもので、鋼線材の組成を最適化することに
より、流動層を用いてパテンティング処理を行った場合
にも、最終熱処理後の強度のばらつきを抑制するもので
あり、以下、最適な鋼線材の組成について説明する。
し、C含有量が0.7 %未満の場合には、例えば引張強度
で3000MPa といった高強度を安定して最終製品に与える
ことが困難となる。一方、C含有量が1.1 %を超えると
鋼材が硬質化して伸線加工性の低下を招く。特に、C含
有量が1.1 %を超えると、初析セメンタイト、つまり旧
オーステナイト粒界に沿うセメンタイトの生成を防止す
ることが困難となり、伸線加工中に断線が頻発する。そ
こで、本発明では、C含有量は0.7 %以上1.1 %以下と
限定する。同様の観点から、下限は0.8 %であることが
望ましい。
入れ性を向上する元素である。さらに、脱酸剤としても
必要な元素である。しかし、Si含有量が0.1 %未満であ
るとかかる効果が認められず、一方、Si含有量が1%を
超えると伸線加工での限界加工度が低下する。そこで、
本発明では、Si含有量は0.1 %以上1%以下と限定す
る。同様の観点から、Si含有量の上限は0.5 %であるこ
とが望ましく、下限は0.2 %であることが望ましい。
入れ性を向上させる元素である。さらに、鋼中のSをMn
Sとして固定して熱間脆性を防止する作用も奏する。し
かし、Mn含有量が0.1 %未満ではかかる効果が得難く、
一方、Mnは偏析し易い元素であり、1%を超えると特に
線材の中心部に偏析し、熱間圧延後の線材の中心部にマ
ルテンサイト組織やベイナイト組織が生成し易くなり、
一次伸線加工中の断線頻度が増加する。そこで、本発明
では、Mn含有量は0.1 %以上1%以下と限定する。同様
の観点から、Mn含有量の上限は0.5 %であることが望ま
しく、下限は0.2 %であることが望ましい。
より、強度のばらつきを低減する効果がある。かかる効
果を確実に得るには、Moは0.01%以上含有することが好
ましい。一方、Mo含有量が0.2 %を超えると焼入れ性が
高くなり過ぎ、流動層を用いたパテンティング処理後の
組織中にマルテンサイト組織が生成し易くなり伸線加工
性が劣化する。そこで、本発明では、Mo含有量は0.01%
以上0.2%以下と限定する。同様の観点から、Mn含有量
の上限は0.1 %であることが望ましく、下限は0.02%で
あることが望ましい。
および不純物である。ここで、不純物としては、Al:0.
002 %以下、Ti:0.002 %以下、P:0.012 %以下、
S:0.01%以下、N:0.005 %以下およびO:0.002 %
以下が例示される。そこで、不純物元素であるAl、Ti、
P、S、NおよびOそれぞれの含有量の限定理由を説明
する。
線加工性を低下させてしまう。特にAl含有量が0.002 %
を超えると、酸化物系介在物が粗大化して、伸線加工中
に断線が多発し、伸線加工性の低下が著しくなる。そこ
で、本発明では、Al含有量は0.002 %以下と限定する。
加工中の断線の起点となるので伸線加工性が低下してし
まう。特にその含有量が0.002 %を超えると、TiNが粗
大化して伸線加工中に断線が多発し、伸線加工性の低下
が著しくなる。そこで、本発明では、Ti含有量は0.002
%以下と限定する。
P含有量が0.012 %を超えると伸線加工性の低下が著し
くなる。そこで、本発明では、P含有量は0.012 %以下
と限定する。
を超えると伸線加工性の低下が著しくなる。そこで、本
発明ではS含有量は0.01%以下と限定する。
を上昇させる反面、伸線加工性を低下させる。特に、N
含有量が0.005 %を超えると伸線加工性の低下が著しく
なる。そこで、本発明では、N含有量は0.005 %以下と
限定する。
る。特に、O含有量が0.002 %を超えると、酸化物系介
在物が粗大化するため伸線加工性の低下が著しくなっ
て、伸線加工中に断線が多発する。そこで、本発明で
は、O含有量は0.002 %以下と限定する。
工性を充分に確保するためにNb:0.003 〜0.016 %、お
よび/または、B:0.0003〜0.0035%を含有すること、
強度を高めるためにCr:0.1 〜1%、および/または、
Co:0.2 〜2%を含有すること、さらには、熱間加工性
を高めるためにCa:0.0001〜0.003 %、および/また
は、Mg:0.0001〜0.003 %を含有することが、それぞれ
望ましい。そこで、以下、これらの任意添加元素につい
ても説明する。
を高める作用を奏する。また、焼入れ性を低下させる元
素である。しかし、Nb含有量が0.016 %を超えると、粗
大なNbCが生成し、伸線加工中の断線の起点となるため
に伸線加工性が低下する。そこで、Nbを添加する場合に
は、その含有量は0.016 %以下と限定することが望まし
いが、Nbは凝固偏析し易い元素であるため、粗大なNbC
の生成を確実に防止するには、Nb含有量は0.010 %未満
とすることがさらに望ましい。一方、Nb含有量が0.003
%未満であると上述した効果が得られ難くなるため、Nb
を含有させる場合の下限は0.003 %とした。
Nを低減して、伸線加工性を向上させる効果がある。か
かる効果を確実に得るには、不純物元素としてのN、Ti
の含有量にもよるが、0.0003%以上含有させるのが望ま
しい。しかし、Bを0.0035%を超えて含有させると、後
述する(2) 式を満たさなくなる場合が多くなり、焼入れ
性が向上して、最終パテンティング処理後の鋼線中にマ
ルテンサイト組織が混在して、強度のばらつきが大きく
なるとともに、伸線加工中の断線頻度が増加する。そこ
で、Bを添加する場合には、その含有量は0.0035%以下
と限定することが望ましい。
パテンティング処理後の強度を高める作用を奏する。ま
た、伸線加工を初めとする冷間加工時の加工硬化率を高
める働きがある。さらに、焼入れ性を向上させる元素で
ある。かかる効果を確実に得るには、Cr含有量は0.1 %
以上の含有量とするのがよい。しかし、Cr含有量が1%
を超えると、熱間圧延後の線材の中心部にマルテンサイ
ト組織やベイナイト組織が生成するため、一次伸線加工
中の断線頻度が増加する。そこで、Crを添加する場合に
は、その含有量は0.1 %以上1%以下と限定することが
望ましい。
イト組織のラメラ間隔を微細化して強度を高める作用を
有する。かかる効果を確実に得るには、Co含有量は0.2
%以上とするのがよい。しかし、Co含有量が2%を超え
ると、かかる効果は飽和し、コストが嵩むばかりであ
る。そこで、Coを添加する場合には、その含有量は2%
以下と限定することが望ましい。
確実に得るには、Ca含有量は0.0001%以上とするのがよ
い。しかし、Caを0.003 %を超えて含有させてもかかる
効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。そこで、Ca
を添加する場合には、その含有量は0.0001%以上0.003
%以下と限定することが望ましい。
確実に得るには、Mgは、0.0001%以上含有させるのがよ
い。しかし、Mgを0.003 %を超えて含有させてもかかる
効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。そこで、Mg
を添加する場合には、その含有量は0.0001%以上0.003
%以下と限定することが望ましい。
式:6<6×Si(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×Mo(%)-20
0 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) <11、および、(2) 式:N(%)-
(14/48)×Ti(%)-(14/11) ×B(%)≧0 をともに満足す
る。そこで、以下、これらについても説明する。
の冷間伸線材から直径3mm、長さ10mmの熱膨張測定用の
試験片を採取し、985 ℃まで平均加熱速度50℃/秒で昇
温した後、985 ℃で10秒間保持した後、平均冷却速度70
℃/秒で575 ℃まで冷却した後、その温度で保持して、
熱膨張曲線を測定した。
了時間を求め、その結果を表2中に示した。
間に与える影響はそれぞれ独立であると仮定すると、表
1および表2に示す結果から、パーライト変態終了時間
を求める式は、「6×Si(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×
Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) 」として与えられる。
からなる直径1.5mm の冷間伸線材について、図2に模式
的に示した装置を用いて、流動層を用いたパテンティン
グ処理を行った。
線材の温度が980 〜1000℃に10〜20秒間保持されるよう
に設定した。また、接続部は窒素雰囲気とし、580 ℃に
設定し、流動層の1ゾーンは540 ℃、2ゾーンは580 ℃
に設定した。
ティング処理を行い、20m毎に引張試験片を採取して、
各鋼について調査数20で引張試験を行った。その結果か
ら求めた引張強さの標準偏差を表2中に示す。
り、この引張強さの標準偏差が10MPa以下であればばら
つきが小さいと評価した。引張強さの標準偏差が10MPa
以下となったのは、先に求めた「6×Si(%)+7×Mn(%)+
9×Cr(%)+60×Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) 」の値
が6より大きく、11未満のときであった。
(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5
×Co(%) <11」と規定した。(2) 式 Ti、Bは、ともに極めてNと結合しやすいために、Nが
モル含有量で (Ti+B) を上回っていれば、鋼中に存在
するいわゆるフリーBを実質上0にすることができる。
TiとNとはTiNを形成し、BとNはBNを形成し、且つ
それぞれの原子量がTi:48、B:11、N:14であるた
め、「N(%)−(14/48)Ti (%)−(14/11)B(%)
≧0」と規定した。
線材に、熱間圧延、調整冷却、1次伸線、パテンティン
グおよび2次伸線を行った後に、最終熱処理、メッキ処
理および湿式伸線を行って、鋼線を製造した。そして、
このようにして得られた鋼線について、最終パテンティ
ング処理後における引張強さの標準偏差を求めた。
て、引張試験で使用しなかった長さ100mについて、各ダ
イスの減面率が平均で15%となるパススケジュールで、
直径1.5 mmから直径0.20mmまで湿式伸線加工を行った。
この直径0.20mmの鋼線について、長さ20m毎に各20回、
引張試験を行った。
10MPa であれば、伸線後の引張強さの標準偏差が30MPa
となり、スチールコードの製品として十分にばらつきが
小さいことが確認された。
線の引張強さの標準偏差を30MPa 以下と規定した。この
ように本実施の形態では、スチールコード用やソーイン
グワイヤ用の極細鋼線は、上記に記した化学組成を有す
る鋼線材に通常の冷間加工を行った後、通常の方法によ
り、最終熱処理(パテンティング処理)、さらにはブラ
スメッキ、CuメッキまたはNiメッキ等の、次の湿式伸線
の過程における引き抜き抵抗の低減や、ゴムとの密着性
の向上などを目的とするメッキ処理を施し、更に湿式伸
線を行うことで極細鋼線が製造される。
の最終製品へと加工される。例えば、極細鋼線を素材と
してさらに撚り加工により複数本撚り合わせて撚り鋼線
とすることにより、スチールコードが製造される。
線材および鋼線は、強度のばらつきが小さく、高い生産
性の下で歩留り良く廉価に提供されるため、例えば、自
動車のラジアルタイヤや各種産業用ベルト、さらには各
種ホースの補強材として用いられるスチールコード、さ
らにはソーイングワイヤ等の用途に好適である。
る。前述した表1に示す化学組成を有する鋼A〜Yを、
180kg 真空炉を用いて溶製した。表1における鋼C〜
H、K、L、N、O、QおよびSが、本発明の範囲内に
ある本発明例である。一方、表1における鋼A、B、
I、J、M、P、RおよびT〜Yが、本発明の範囲から
外れた比較例である。
造して直径80mmの丸棒に成形し、次いで、この直径80mm
の丸棒を1180℃に加熱した後、圧延仕上げ温度880 ℃で
直径5.5 mmに熱間圧延し、通常の方法で冷却した。
加工、一次パテンティング処理および二次伸線加工を順
次施し、直径1.5mm の鋼線とした。さらに、この直径1.
5 mmの鋼線について、図1に示した装置を用いて、流動
層を用いたパテンティング処理を行った。なお、流動層
の熱媒体には酸化ジルコニウムを用いた。この流動層を
用いたパテンティング処理における線速は10m/分と
し、加熱炉は鋼線の温度が980 〜1000℃に10〜20秒間保
持されるように設定した。また、接続部は窒素雰囲気と
し、580 ℃に設定し、流動層の1ゾーンは540℃、2ゾ
ーンは580 ℃に設定した。
グ処理を行い、20m毎に引張試験片を採取して、各鋼に
ついて試験数20の引張試験を行い、平均引張強さおよび
引張強さそれぞれの標準偏差を求めた。
引張試験で使用しなかった長さ100mの流動層を用いた
パテンティング処理材について、各ダイスの減面率が平
均で15%となるパススケジュールにより、直径0.20mmま
で湿式伸線加工を行った。この直径0.20mmの鋼線につい
て、長さ20m 毎に各20回、引張試験を行った。これにつ
いても平均引張強さおよび引張強さそれぞれの標準偏差
を求めた。
なお、表2に示した直径1.5mm から0.20mmまで伸線した
ときに1回でも断線すれば伸線加工性が悪いと判断し
た。表2から、本発明における(1) 式の値が6を下回る
試験番号1、2、13は、いずれも、直径0.20mmの伸線材
の引張強さの標準偏差が目標値の30MPa を超えており、
且つ直径1.5mm の流動層を用いたパテンティング材の引
張強さの標準偏差が10MPa を超えていた。このうち、試
験番号13はNb含有量が0.016 %を上回るため、伸線加工
性が劣化した。
9、18は、直径0.20mmの伸線材の引張強さの標準偏差が
目標値の30MPa を超えており、且つ直径1.5mm の流動層
を用いたパテンティング材の引張強さの標準偏差が10MP
a を超えており、また伸線加工性も劣化した。
10、20は、伸線加工性が極めて悪いため、直径0.20mmの
伸線材を得られず、且つ直径1.5mm の流動層を用いたパ
テンティング材の引張強さの標準偏差が10MPa を超えて
いた。
号16は、直径0.20mmの伸線材の引張強さの標準偏差が目
標値の30MPa を超えており、且つ直径1.5mm の流動層を
用いたパテンティング材の引張強さの標準偏差が10MPa
を超えており、また伸線加工性も劣化した。
上回る試験番号21、N含有量が0.0050%を上回る試験番
号22、Ti含有量が0.002 %を上回る試験番号23、P含有
量が0.012 %、S含有量が0.01%を上回る試験番号24、
O含有量が0.002 %を上回る試験番号25は、いずれも、
伸線加工性が悪かった。
た試験番号の場合、つまり試験番号3〜8、11、12、1
4、15、17および19の場合には、直径0.20mmの伸線材の
引張強さの標準偏差が目標値の30MPa を下回り、且つ直
径1.5mm の流動層を用いたパテンティング材の引張強さ
の標準偏差が10MPa を下回り、且つ伸線加工性が優れて
いた。
り、例えば、自動車のラジアルタイヤや各種産業用ベル
ト、さらには各種ホースの補強材として用いられるスチ
ールコード、さらにはソーイングワイヤ等の用途に好適
な、強度のばらつきの小さい鋼線材とこの鋼線材を素材
とする鋼線とを、高い生産性の下に歩留り良く廉価に提
供することができた。
さのばらつきが少なく、且つ伸線加工性に優れているの
で、この線材を素材としてスチールコードやソーイング
ワイヤなどを高い生産性の下に歩留まりよく提供するこ
とができる。
さらには各種ホースの補強材として用いられるスチール
コードの製造工程の一例を示す説明図である。
の装置を模式的に示す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.7 〜1.1 %、Si:0.1
〜1%、Mn:0.1 〜1%、Mo:0.01〜0.2 %を含有し、
残部Feおよび不純物からなり、該不純物の中のAl:0.00
2 %以下、Ti:0.002 %以下、P:0.012 %以下、S:
0.01%以下、N:0.005 %以下およびO:0.002 %以下
であるとともに、下記(1) 式および(2) 式を満足するこ
とを特徴とする鋼線材。 6<6×Si(%)+7×Mn(%)+9×Cr(%)+60×Mo(%)-200 ×Nb(%)-1.5 ×Co(%) <11 ・・・・・・・(1) N(%)-(14/48)×Ti(%)-(14/11) ×B(%)≧0 ・・・・・・・(2) - 【請求項2】 さらに、質量%で、Nb:0.003 〜0.016
%、および/または、B:0.0003〜0.0035%を含有する
請求項1に記載された鋼線材。 - 【請求項3】 さらに、質量%で、Cr:0.1 〜1%、お
よび/または、Co:0.2 〜2%を含有する請求項1また
は請求項2に記載された鋼線材。 - 【請求項4】 さらに、質量%で、Ca:0.0001〜0.003
%、および/または、Mg:0.0001〜0.003 %を含有する
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された
鋼線材。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
項に記載された鋼組成を有し、最終湿式伸線加工後の引
張強さに関して下記(3) 式により求められる標準偏差が
30MPa 以下であることを特徴とする鋼線。 【数1】 ただし、(3) 式において、TSm は鋼線の20m 間隔で測定
した20ヶ所の引張強さの平均値を示し、TSi は20ヶ所の
うちのi番目の測定個所における引張強さの測定値を示
す。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002000660A JP3922026B2 (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | 鋼線材および鋼線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002000660A JP3922026B2 (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | 鋼線材および鋼線 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003201540A true JP2003201540A (ja) | 2003-07-18 |
| JP3922026B2 JP3922026B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=27640983
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002000660A Expired - Fee Related JP3922026B2 (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | 鋼線材および鋼線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3922026B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005342559A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Hitachi Metals Ltd | 定量切断チップの製造方法及びこれを用いた金属球の製造方法 |
| EP2617848A4 (en) * | 2010-09-15 | 2015-07-01 | Kobe Steel Ltd | STEEL WITH BEARINGS |
| CN114892101A (zh) * | 2022-06-06 | 2022-08-12 | 武汉钢铁有限公司 | 一种70级钢帘线用热轧盘条及其制备方法、汽车轮胎 |
| CN116748327A (zh) * | 2023-07-21 | 2023-09-15 | 西安思维智能材料有限公司 | 一种ta18钛合金超细丝材的制备方法 |
| CN119121053A (zh) * | 2024-08-27 | 2024-12-13 | 鞍钢股份有限公司 | 一种高品质胶管钢丝用盘条及其制备方法 |
-
2002
- 2002-01-07 JP JP2002000660A patent/JP3922026B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005342559A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Hitachi Metals Ltd | 定量切断チップの製造方法及びこれを用いた金属球の製造方法 |
| EP2617848A4 (en) * | 2010-09-15 | 2015-07-01 | Kobe Steel Ltd | STEEL WITH BEARINGS |
| CN114892101A (zh) * | 2022-06-06 | 2022-08-12 | 武汉钢铁有限公司 | 一种70级钢帘线用热轧盘条及其制备方法、汽车轮胎 |
| CN116748327A (zh) * | 2023-07-21 | 2023-09-15 | 西安思维智能材料有限公司 | 一种ta18钛合金超细丝材的制备方法 |
| CN119121053A (zh) * | 2024-08-27 | 2024-12-13 | 鞍钢股份有限公司 | 一种高品质胶管钢丝用盘条及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3922026B2 (ja) | 2007-05-30 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US9689053B2 (en) | Steel rod and high strength steel wire having superior ductility and methods of production of same | |
| US8168011B2 (en) | High-strength steel wire excellent in ductility and method of manufacturing the same | |
| CN101331243B (zh) | 拉丝特性优良的高强度线材及其制造方法 | |
| US10329646B2 (en) | Steel wire for drawing | |
| JP3997867B2 (ja) | 鋼線材とその製造法及び当該鋼線材を用いる鋼線の製造法 | |
| CN110621799B (zh) | 线材、钢线以及钢线的制造方法 | |
| US10597748B2 (en) | Steel wire rod for wire drawing | |
| JP2005206853A (ja) | 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材およびその製造方法 | |
| JP2018197375A (ja) | 伸線加工用熱間圧延線材 | |
| JP3572993B2 (ja) | 鋼線材、鋼線及びその製造方法 | |
| JP2007131945A (ja) | 延性に優れた高強度鋼線およびその製造方法 | |
| JP4016894B2 (ja) | 鋼線材及び鋼線の製造方法 | |
| JP2004359992A (ja) | 高強度鋼線用線材、高強度鋼線およびこれらの製造方法 | |
| JP2001131697A (ja) | 鋼線材、鋼線及びそれらの製造方法 | |
| JP2004011002A (ja) | 伸線加工用の素線及び線 | |
| JP3922026B2 (ja) | 鋼線材および鋼線 | |
| JPH0625745A (ja) | 耐遅れ破壊特性の優れた機械構造用鋼の製造方法 | |
| JPH08283867A (ja) | 伸線用過共析鋼線材の製造方法 | |
| JP2001294936A (ja) | 鋼材の強化方法 | |
| JP2000345294A (ja) | 鋼線材、極細鋼線及び撚鋼線 | |
| JP3528676B2 (ja) | 鋼線材、鋼線及びその製造方法 | |
| JP2984885B2 (ja) | 伸線加工用ベイナイト線材または鋼線およびその製造方法 | |
| JP2984887B2 (ja) | 伸線加工用ベイナイト線材または鋼線およびその製造方法 | |
| JPH10183242A (ja) | 高強度鋼線の製造方法 | |
| KR100431848B1 (ko) | 저온조직이 없는 고실리콘 첨가 고탄소 선재의 제조방법 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040817 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040914 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041111 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070130 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070212 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3922026 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302 Year of fee payment: 6 |
|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302 Year of fee payment: 6 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140302 Year of fee payment: 7 |
|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |