JP2003201544A - 快削性低熱膨張材料 - Google Patents
快削性低熱膨張材料Info
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Abstract
めっき性の優れた低熱膨張材料を提供する 【解決手段】 Fe-Ni系材料またはFe-Ni-Co系材料であ
ってsol.Al量を0.01〜0.1質量%に調整することで快削
性を付与した快削性低熱膨張材料。具体的には、質量%
でNi:25〜55%、Al:0.01〜0.1%、残部は実質的にFeの
組成からなり、sol.Al:0.01〜0.1%、(Al-sol.Al)≦
0.01である快削性低熱膨張材料である。または、質量%
でNi:25〜55%、Co:20%以下、Al:0.01〜0.1%、残部は
実質的にFeの組成からなり、sol.Al:0.01〜0.1%、(Al
-sol.Al)≦0.01である快削性低熱膨張材料である。
Description
熱膨張材料に関するものである。
に変化し、Niを質量%で36%含有させたインバー合金の
組成で熱膨張係数は最小となる。このような低熱膨張材
料としては、インバー合金のNiの一部をCoで置換して一
層の低熱膨張化を図ったスーパーインバー合金や、ガラ
スやセラミックスの熱膨張係数にほぼ一致させたFe-29N
i-18Co合金等の封着合金が知られている。近年、エレク
トロニクスや半導体関連、またレーザー加工機や超精密
加工機器の部品材料として、熱的に安定なインバー合金
や、スーパーインバー合金が使用されるようになってき
ており、その需要量は日増しに増加している。また、セ
ラミックスと金属の接着、複合化も盛んに行われてい
て、封着合金に対する需要も高い。
ンバー合金などのFe-Ni系材料またはFe-Ni-Co系材料
(以下Fe-Ni-(Co)系材料)は軟質であることから、切削
加工やドリル加工を施した時に、被削面の表面がむしれ
た状態になり易く、バリの発生も大きい。さらに工具磨
耗も大きく、工具寿命が短いため、Fe-Ni-(Co)系材料の
被削性改善が望まれていた。この合金の被削性を改善す
る手法として、Pb,S,Ti,W等各種微量元素を添加する方
法が提案されている。
i-Co系材料にPb:0.05〜0.50%添加することにより、被
削性を改善した封着合金の提案がなされている。特開平
4-246155号公報では快削元素としてSを0.01〜0.50%添
加している。ただ単にSを添加するだけでは低融点のニ
ッケルサルファイドを形成し熱間加工性を阻害すると考
えられており、Sと結合力の強いTiを0.05〜2.5%添加し
Ti-Sを形成させることによって低融点のニッケルサルフ
ァイドの形成を抑制する。この場合、Ti/S比:0.7〜5.0
の範囲にする必要がある。特開平11-279707号公報では
快削元素として、W:0.5〜7%添加を提案している。さら
にS及び、又はSeとMn、Caとを一定の範囲で添加するこ
とにより、サルファイド及びセレナイドを形成し被削性
を改善させている。
67号公報に開示されるPb添加合金は、被削性改善には効
果があるものの、毒性が強いために、これらの元素を添
加するには特別な設備を必要とし、また熱間加工性が著
しく阻害される。Sは快削元素としてよく利用される元
素であり、Mnと結びつきMnSとして被削性を改善する。
ただし、Sは結晶粒界に偏析しやすく熱間加工性を阻害
する。特開平4-246155号公報はS添加合金の熱間加工性
を改善するためにTiを添加しているが、Sが介在物とし
て存在するために、粗大化すると仕上げ表面の欠陥とな
り、めっき性を阻害する。微量元素を添加し介在物を形
成して被削性を改善する方法は、製造方法により介在物
が粗大化しやすく、めっき性を阻害するため、実用化す
る上で大きな問題となる。また特開平11-279707号公報
のようにWを快削元素として添加する場合は、添加量が
多いため熱膨張係数が大きくなり、所望の低熱膨張特性
が得られなくなる。本発明の目的は、Fe-Ni-(Co)系材料
の被削性を解決し、さらにめっき性の優れた低熱膨張材
料を提供することである。
系材料の被削性の問題を検討し、従来の介在物を利用す
る方法に頼らないで、被削性を改善できる方法を見出し
本発明に至った。本発明では合金中に固溶状態で存在す
るAlであって、酸に可溶な、所謂sol.Al(soluble A
l)を増量することにより、工具磨耗が大きく低減され
ることを確認した。加えて、本発明では介在物に依存し
ないので、めっき性を損うこともない。
Ni-Co系材料であってsol.Al量を0.01〜0.1質量%に調整
することで快削性を付与した快削性低熱膨張材料であ
る。
1%、残部は実質的にFeの組成からなり、sol.Al:0.01〜
0.1%、(Al-sol.Al)≦0.01である快削性低熱膨張材料
である。また、質量%でNi:25〜55%、Co:20%以下、A
l:0.01〜0.1%、残部は実質的にFeの組成からなり、so
l.Al:0.01〜0.1%、(Al-sol.Al)≦0.01である快削性低
熱膨張材料である。
る。より好ましくは、Siを質量%で0.1〜0.5%含有す
る。また本発明では、めっき性を阻害しない範囲で介在
物の効果を併用することもできる。例えば、質量%でS:
0.02%以下、Mn:1%以下、Ti:0.01〜0.05%の添加も可
能である。
状態でFe-Ni-(Co)系材料中に存在させた場合、すなわち
sol.Alとして存在させた場合には、被削性が改善する。
Fe-Ni-(Co)系材料におけるsol.Alによる被削性改善のメ
カニズムは未だ明らかでないが、sol.Alが被削面の工具
との界面で反応し、Al系の反応物を工具表面に形成し、
潤滑、保護膜作用を付与すると考えられる。
0.01%以上に調整する必要がある。一方sol.Alを0.1%
を越えて調整すると、熱膨張係数が大きくなり所望の熱
膨張係数が得られなくなるため、上限を0.1%とした。
より好ましいsol.Alの含有量は0.05〜0.01%である。so
l.Alの調整は不純物酸素量の低減や、Alより酸素との親
和力の高い元素の添加、介在物の固溶を目的とした高温
拡散処理などにより行うことが出来る。また、めっき性
に悪影響を及ぼす要因は材料表面に顕在化している介在
物であるが、固溶状態で存在しているAlは、めっき性に
は影響を及ぼさない。よって、本発明によれば、Fe−Ni
系材料のめっき性を低減することなく被削性を改善する
ことが出来る。
ある、質量%でNi:25〜55%、Al:0.01〜0.1%、残部は
実質的にFeの組成からなり、sol.Al:0.01〜0.1%、(Al
-sol.Al)≦0.01である快削性低熱膨張材料について説明
する。NiはFeとの合金化により熱膨張係数を低減する基
本的な構成元素であるがNi:25〜55質量%含有すること
で熱膨張係数を所望の値に低減することができる。Alは
sol.Alを形成するために必要な元素であり0.01%以上添
加する。一方、多量に添加するとsol.Alの形成量に対す
るアルミナの形成量が増大し、材料の被削性を低下す
る。よってAlの添加量は0.1%以下とする sol.Alの規定理由、好ましい範囲は前記の本発明と同じ
であるが、AlはFe-Ni-(Co)系材料中で、主にsol.Alまた
はアルミナとして存在し、アルミナは2000HV以上の硬質
な介在物であるため、工具を機械的に磨耗させる。また
アルミナが存在すると被削性も低下させる。よってsol.
Al以外のAlの量は0.01%以下、すなわち(Al-sol.Al)≦
0.01とする。なお(Al-sol.Al)≦0.005に制御すること
が好ましい。
Ni:25〜55%、Al:0.01〜0.1%、残部は実質的にFeの組
成からなるFe-Ni-Co系材料においても、sol.Al:0.01〜
0.1%、(Al-sol.Al)≦0.01とすることで上記のFe-Ni合
金と同様の効果が得られる。NiとCoの置換の割合は必要
とする熱膨張係数に応じて、上記の範囲内で適宜定めれ
ばよい。
有量は、JIS G1257付属書15に記載の方法により測定す
ることができる。
元素とその添加量、及び不純物量について以下に述べ
る。 O:0.005%以下 Oは不可避的に含有する不純物でありAlと結合するとア
ルミナを生成する。アルミナを生成すると、それ自身が
硬質であるため工具の磨耗を促進するばかりではなく、
被削性改善に有効なsol.Alを低減するので、被削性を阻
害する。Oは0.005%以下に低減することが好ましい。よ
り好ましくは0.003%以下である。
ることが出来る。Siは切屑表面にSi含有量の高い酸化物
を形成する。高速切削加工では、切屑表面温度が1000〜
1200℃位にまで加熱されるが、切屑表面に形成したSi含
有量の高い酸化物の融点はこの温度より低いため、溶融
して工具表面に潤滑作用を付与して工具磨耗を抑える。
被削性改善のためSiを0.1%以上含有することが望まし
い。0.5%を越えると熱膨張係数が悪くなるために、上
限を0.5%とすることが好ましい。
下 Sは快削元素として用いられる元素であり微量の添加でM
nと化合物を形成し被削性を向上することが出来る。MnS
の形成はめっき性を低減するが、固溶Alとの効果を併用
することで、被削性を一層改善することができる。しか
し多量に入れ過ぎると、粗大なMnSが増えてめっき性が
大幅に阻害されるため、Sを0.02%以下、Mnを1%以下で
含有することが好ましい。また単にS、Mnを添加すると
粗大なMnSが形成され易いので、Tiを0.05%以下含有する
ことが好ましい。上限を0.05%とするのは0.05%を越え
ると熱膨張係数を悪くするからである。なお、Tiは0.01
%以上含有することで効果が特に明確となり好ましい。
で10kgの鋼塊にした後、熱間加工で5mm×150mmの板に仕
上げた。その後850℃のプレス焼鈍を行い、表面の黒皮
をフライス加工により除去した。切削試験はTiAlN被膜
超硬合金製2枚刃φ8エンドミルを用いて、深さ2.5mm
の溝切削を行った。切削速度は50m/min、100m/minの2
条件にて行い、いずれも水溶性エマルジョンをクーラン
トに用い、送り速度0.015mm/刃で切削試験を行い、エン
ドミルの磨耗量を評価した。5m切削試験後の境界磨耗量
を表2に示す。なお、本実施例においてsol.Al量、およ
び全Al量の測定は、JIS G1257付属書14、15に準拠
して行った。
ストライクめっきを施し、その上に厚さ3μmのAgめっき
を施した後、450℃で5分間、大気中で加熱し、めっき膨
れの無いものを○、膨れの生じたものを×で評価する。
合金でありエンドミルの磨耗量は大きい。No.2〜No.6は
本発明の合金の範囲内でsol.Al量を増量したものであ
る。sol.Al量の増量と伴に磨耗量が少なくなり、被削性
が改善されている。No.7は酸素量が高く、アルミナ系の
介在物がやや多くなっている。またsol.Al量が少なくな
っており、本発明の中では比較的被削性改善の効果が小
さい。No.8はAlに加えて、さらにSiを増量したものであ
る。高速切削でさらにエンドミルの磨耗量が抑制されて
おり、被削性改善に効果がある。No.9はS量を増量しMnS
により被削性の改善を図ったものであるが、Tiと複合添
加によりMnSは微細分散している。エンドミル磨耗量は
少なくなり、被削性の改善に効果が大きい。また介在物
も微細分散しているため、めっき性も阻害されない。
ものである。低速切削側では磨耗量の低減に効果がある
が、高速では被削性改善の効果は小さい。また粗大なMn
Sの介在物量が多く、この介在物が原因となりめっき膨
れが発生する。図1にsol.Alにより被削性を改善した本
発明のNo.3と、S添加によるNo.10の試料の表面を10%ナ
イタールで腐食した後のミクロ組織を示す。No.10では
最大で25μm程度の介在物が析出しているが、本発明のN
o.3ではそのような介在物の析出は見られない。No.11〜
No.13はそれぞれ、インバー合金、スーパーインバー合
金、42%Ni合金にAlを添加したもので、エンドミル磨耗
量が少なく、Al添加はこれらの低熱膨張材料にも被削性
改善に効果がある。
材料のめっき性を損わずに被削性を飛躍的に改善するこ
とができ、各種精密部品の実用化にとって欠くことので
きない技術となる。
顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 Fe-Ni系材料またはFe-Ni-Co系材料であ
ってsol.Al量を0.01〜0.1質量%に調整することで快削
性を付与したことを特徴とする快削性低熱膨張材料。 - 【請求項2】 質量%でNi:25〜55%、Al:0.01〜0.1
%、残部は実質的にFeの組成からなり、sol.Al:0.01〜
0.1%、(Al-sol.Al)≦0.01であることを特徴とする快
削性低熱膨張材料。 - 【請求項3】 質量%でNi:25〜55%、Co:20%以下、A
l:0.01〜0.1%、残部は実質的にFeの組成からなり、so
l.Al:0.01〜0.1%、(Al-sol.Al)≦0.01であることを特
徴とする快削性低熱膨張材料。 - 【請求項4】 質量%でO:0.005%以下とすることを特徴
とする請求項2または3に記載の快削性低熱膨張材料。 - 【請求項5】 質量%でSi:0.1〜0.5%添加することを
特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の快削性低熱
膨張材料。 - 【請求項6】 質量%でS:0.02%以下、Mn:1%以下、T
i:0.05%以下添加することを特徴とする請求項2乃至5
の何れかに記載の快削性低熱膨張材料。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002001237A JP4123467B2 (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 快削性低熱膨張材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|
| JP2002001237A Expired - Fee Related JP4123467B2 (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 快削性低熱膨張材料 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2009057731A1 (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Nippon Steel Corporation | マルテンサイト型熱間鍛造用非調質鋼及び熱間鍛造非調質鋼部品 |
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-
2002
- 2002-01-08 JP JP2002001237A patent/JP4123467B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP4123467B2 (ja) | 2008-07-23 |
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