JP2003206535A - ロープ交差部用締結金具 - Google Patents

ロープ交差部用締結金具

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JP2003206535A JP2002200426A JP2002200426A JP2003206535A JP 2003206535 A JP2003206535 A JP 2003206535A JP 2002200426 A JP2002200426 A JP 2002200426A JP 2002200426 A JP2002200426 A JP 2002200426A JP 2003206535 A JP2003206535 A JP 2003206535A
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tightening
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型な構造でしかも小さい締付け力によりロー
プの交差部をすべりのないように確実に締結することが
できるロープ交差部用締結金具を提供する 【解決手段】相対して配置され内面にそれぞれ交差状の
ロープ嵌め溝10,11を形成した受け金具6と押し金
具7と、それら受け金具6と押し金具7を締付けるべく
ロープ嵌め溝10,11の両側外方位置に配された第1
と第2の締付け具8,9とを備えており、前記ロープ嵌
め溝10,11のうち一方のロープ嵌め溝11が全長に
わたり略一様の深さを有し、他方のロープ嵌め溝10
が、交差ロープ部分30,30の軸方向と直角方向への
屈曲を許容する凹入部100を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交差して張設された
ロープの交差部の締結に好適な金具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】道路沿いの法面などには、落石の防止や
地すべりの防止のために、ロープを地盤の表面に沿って
ネット状に敷設する工法が一般に行なわれている。この
工法の実施に当っては、旧来、法面の上下および左右方
向に多数本のロープを張設し、その各交差部をUボルト
で締着するようにしている。ところが、ロープの交差部
を単なるUボルトで締着しただけでは、ロープ相互がず
れ動いたり、ロープの交差部の全体がUボルトと一体に
動きやすく、このためネットが変形されてしまう難点が
あつた。
【0003】この対策として、図21(a)のように、
板材をプレス加工して断面が半円形状の溝aを形成した
受け金具Aと同じくプレス加工により前記溝aと交差状
の溝bを形成した押し金具Bとで二つ割クランプとした
構造、図21(b)のように、前記溝aを含めて鋳造し
た受け金具A’と押し金具B’とで二つ割クランプとし
た構造が知られている。
【0004】このようなクランプ方式の場合、使用する
金具の必要締結力は、ロープの破断荷重の1/3以上で
あることが要求されている。しかしながら、前記先行技
術は、対向する受け金具A,A’と押し金具B,B’の
それぞれの溝(下半分、上半分)a、bが全長にわたっ
て一様の深さとなっており、縦ロープRと横ロープR’
は断面のほぼ半分程度嵌まった状態で交差ロープ部分R
Cが上下で重なりあい、ボルトとナットの螺合による締
め付けを受けて前記交差ロープ部分が相互に接して押圧
されるだけであった。
【0005】このため、ロープ同士およびロープと金具
の摩擦力が確保できず、ロープの交差部に滑りの生じな
い十分な締結力が得られず、荷重によりロープが長手方
向にずれ、それにより縦ロープと横ロープで構成される
格子状形状が崩れたりし、やはり落石防止や地滑り防止
の効果が十分に達成されなくなる恐れがあった。
【0006】図21(b)のものにおいては、改善対策
として、溝にロープの撚りの谷に対応するピッチで凹凸
を配したり、ガラス粉末などの摩擦係数増加材を介在さ
せることも行われているが、ロープと鋳鋼との硬度差が
著しいため有効とはいえなかった。
【0007】本発明は前記のような問題点を解消するた
めになされたもので、その第1の目的は、小型な構造で
しかも小さい締付け力によりロープの交差部をすべりの
ないように確実に締結することができるロープ交差部用
締結金具を提供することにある。本発明の第2の目的
は、第1の目的に加え、太径ロープを使用した場合にも
法面などの現場で十分な締結力を容易に得ることができ
るロープ交差部用締結金具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め本発明のロープ交差部用締結金具は、相対して配置さ
れ内面にそれぞれ交差状のロープ嵌め溝を形成した受け
金具と押し金具と、それら受け金具と押し金具を締付け
るべくロープ嵌め溝の両側外方位置に配された第1と第
2の締付け具とを備え、前記ロープ嵌め溝のうち一方の
ロープ嵌め溝が全長にわたり略一様の深さを有し、他方
のロープ嵌め溝が、交差ロープ部分の軸方向と直角方向
への屈曲を許容する凹入部を有していることを特徴とし
ている。
【0009】第2の目的を達成するため、本発明のロー
プ交差部用締結金具は、前記構成に加えて、第1の締付
け具と第2の締付け具が、ロープ嵌め溝の交差部から異
なる距離の位置にあることを特徴としている。
【0010】いずれの発明においても、好適には、ロー
プ嵌め溝の凹入部はロープ交差個所を含めて両側に延
び、各ロープ嵌め溝は、ロープ断面積の1/2以下の深
さを有し、凹入部はロープ交差箇所に対応する部位がも
っとも深く外側に向かって漸次浅くなるように形成さ
れ、最も深い部位がロープ嵌め溝の深さの約2倍になっ
ている。前記受け金具と押し金具は、異なる構成である
場合のほか、同じ構成の共通金具である場合を含んでい
る。
【0011】
【発明の実施の態様】以下本発明の実施例について図面
を参照して説明する。図1は本発明を適用したロープネ
ットを示しており、1は法面で、この法面1にそれぞれ
定着したアンカー2、2を介して上下方向および左右方
向に複数本のロープ3、3’が張設されている。そして
各ロープ3、3’の各交差部が本発明の交差部用締結金
具(以下締結金具という)4により締結されている。
【0012】前記ロープ3、3’間には、上下方向およ
び左右方向に複数本の中間ロープ5が配され、それぞれ
の交差部が本発明の交差部用締結金具4かまたは他の任
意の締結金具により締着されている。
【0013】図2ないし図9は本発明による締結金具の
第1態様の第1実施例を示している。この実施例は、後
述する第2実施例とともにロープ直径が中程度以下たと
えば直径12mm以下の場合に好適な締結金具を示して
いる。締結金具4は、受け金具6と押し金具7とを備
え、対向状に配されるとともにロープ3、3’が直交状
に挟まれ、これを避けた位置で第1の締付け具8と第2
の締付け具9により締付けられることにより、ロープの
交差部が締結されるようになっている。第1の締付け具
8は、この例ではボルトであり、第2の締付け具9は、
この例ではアンカーボルト9aとナット9bである。
【0014】図8は受け金具6を示しており、この例で
は、平面略楕円状ないし小判状をなした鋳物製の盤体か
らなり、内面にX状に交差したロープ嵌め溝10,11
が端縁に達するように形成されている。前記ロープ嵌め
溝10,11はそれぞれ使用するロープ3,3’と略同
等の幅と、ロープ断面の1/2以下の深さで弧状断面を
なしているが、ロープ嵌め溝10,11のうち一方のロ
ープ嵌め溝10は、中間領域の底に、ロープ交差箇所を
含めて両側に適度に延びる凹入部100を有している。
他方のロープ嵌め溝11は凹入部100を有しておら
ず、全長にわたって同じ深さとなっており、中間領域が
凹入部100により分断される形で凹入部100に通じ
ている。
【0015】前記凹入部100は、前記第1の締付け具
8と第2の締付け具9による締付け時に、交差ロープ部
分の軸方向と直角方向への屈曲を許容しかつ該屈曲部分
を封じ込めるためのもので、幅はロープ嵌め溝10と同
じであるが、深さは、交差部分がもっとも深く両側に向
かって漸次浅くなるように円弧状をなし、最も深い部位
の深さがロープ嵌め溝10の深さの約2倍となってい
る。
【0016】前記ロープ嵌め溝10,11の外方近傍両
側には、第2の締付け具9としてのアンカーボルトを挿
通する通孔14と、第1の締付け具8としてのボルトを
螺合する雌ねじ孔13がそれぞれ設けられている。この
例では、軽量化のために、通孔14はロープ嵌め溝10
の外側に形成した肉薄部60に設けられているが、雌ね
じ孔側と同じように厚肉としてもよい。
【0017】図9は押し金具7を示しており、この例で
は、平面略楕円状ないし小判状をなした鋳物製の盤体か
らなり、内面にX状に交差したロープ嵌め溝10,11
が端縁に達するように形成されている。ロープ嵌め溝1
0は、押し金具7を反転して受け金具6と内面同士を当
接させたときに、受け金具6のロープ嵌め溝11と組を
なして断面が略楕円状の通路を構成する。また、ロープ
嵌め溝11は、押し金具7を反転して受け金具6と当接
させたときに、受け金具6のロープ嵌め溝10と組をな
して断面が略楕円状の通路を構成する。
【0018】前記ロープ嵌め溝10,11は、それぞれ
使用するロープ3,3’と略同等の幅と、ロープ断面の
1/2より適度に浅い深さの弧状をなしているが、ロー
プ嵌め溝10は、交差部分を含めて両側に適度に延びる
凹入部100を有している。他方のロープ嵌め溝1は凹
入部100を有しておらず、内端が凹入部100により
分断される形で凹入部100に通じている。
【0019】前記凹入部100は、前記第1の締付け具
8と第2の締付け具9による締付け時に交差ロープ部分
30,30が軸方向と直角方向に屈曲するのを許容し、
該屈曲部分を封じ込めるためのもので、幅はロープ嵌め
溝10と同じであるが、深さは、交差箇所がもっとも深
く、両側に向かって漸次浅くなるように円弧状をなし、
最大深さがロープ嵌め溝10の深さの約2倍となってい
る。なお、押し金具7は図8の(c)(d)と同じ断面
形状をなしているので、これらについては援用すること
にする。
【0020】前記ロープ嵌め溝10,11の外方近傍両
側には、第1の締付け具8としてのボルト首下を挿通す
る通孔12と、第2の締付け具9としてのアンカーボル
トを挿通する通孔14がそれぞれ設けられている。この
例では、通孔12、14はロープ嵌め溝10、11の外
側に形成した肉薄部60、60に設けられているが、こ
れを形成せず、厚肉のままとしてもよいことはもちろん
である。
【0021】図10と図11は第1態様の第2実施例を
示している。この実施例においては、第1実施例の押し
金具7に相当する共通金具7’、7’が1組用いられて
いる。すなわち各金具は、図11に示すように、ロープ
嵌め溝10,11の外方近傍両側に、第1の締付け具8
としてのボルトを挿通する通孔12と第2の締付け具9
としてのアンカーボルトを挿通する通孔14を設けた構
造となっている。そして、第1の締付け具8としてのボ
ルトを締付けるため、ナット8bが使用されている。他
の構成は第1実施例と同様であるから、同じ部分に同じ
符号を付し、説明は省略する。
【0022】図12は本発明を中間ロープ5、5’の交
差部の締結に適用した実施例を示しており、第2の締付
け具9’としてアンカーボルトでなく、第1の締付け具
と同じ構成の通常のボルトが用いられ、ナット9bと組
合わせられている。(a)は第1実施例における受け金
具6と押し金具7を使用したものであり、(b)は第2
実施例における共通金具7’、7’を使用したものであ
る。
【0023】前記第1実施例と第2実施例では、使用す
るロープ3,3’の径が中程度(通常12mm程度ま
で)であるため、これに呼応して第2の締付け具9、
9’は第1の締付け具8と同程度である16mm程度の
直径のものが適用される。したがって締付けトルクは、
120N・m程度となるので、図8で代表的に示すよう
に、第1の締付け具8の軸線8CL(孔13または12
の中心)からロープ嵌め溝10,11の交差点CLまで
の距離L2は、第2の締付け具9の軸線9CL(孔14
の中心)からロープ嵌め溝10,11の交差点CLまで
の距離L1と略同等の距離であってよい。
【0024】図13ないし図18は本発明による締結金
具の第2態様の第1実施例、すなわち、使用するロープ
3,3’の直径が太径たとえば14mm以上で、これに
呼応して第2の締付け具9、9’の径が太径たとえば2
4mm程度以上が適用される場合に好適な実施例を示し
ている。
【0025】この実施例においても、受け金具6と押し
金具7が対向状に配されるとともにロープ3、3’が直
交状に挟まれ、これを避けた位置で第1の締付け具8
(この例ではボルト)と第2の締付け具9(この例では
アンカーボルトとナット)により締付けられることによ
り、ロープの交差部が締結されるようになっている。
【0026】そして、受け金具6と押し金具7の内面に
は、X状に交差したロープ嵌め溝10,11が端縁に達
するように形成され、それらロープ嵌め溝10,11は
それぞれ使用するロープ3,3’と略同等の幅と、ロー
プ断面の1/2以下の深さで弧状断面をなしているが、
ロープ嵌め溝10,11のうち一方のロープ嵌め溝10
は、中間領域の底に、ロープ交差箇所を含めて両側に適
度に延びる凹入部100を有している。他方のロープ嵌
め溝11は凹入部100を有しておらず、全長にわたっ
て同じ深さとなっており、中間領域が凹入部100によ
り分断される形で凹入部100に通じている。これも第
1態様の第1実施例と同様である。
【0027】しかし、この第2態様の第1実施例では、
太径のロープ3,3’との接触面積を増加させてロープ
同士の摩擦を増加させるために、第1態様の第1実施例
の場合よりも受け金具6と押し金具7の長さを大きくし
ている。たとえば、第1態様の第1実施例において、長
さ×幅が95×50mm程度であるとすると、135×
50mmとしている。また、太径のロープ3,3’に対
応して第2の締付け具9として太いボルト9aを用いる
ことになるため、締付けに耐えうるように受け金具6と
押し金具7の厚みを増し、たとえば第1態様の第1実施
例が12mmである場合に、18mmとしている。
【0028】さらに、この第2態様の第1実施例の特徴
は、第1の締付け具としてのボルト8aに比べて第2の
締付け具9として相対的に太いボルト9aを用いること
に関係して、第2の締付け具9(14)の軸線9CL
(孔14の中心)からロープ嵌め溝10,11の交差点
CLまでの距離L1と、第1の締付け具8の軸線8CL
(孔13または12の中心)からロープ嵌め溝10,1
1の交差点CLまでの距離L2を同等とせず、距離L1
を距離L2よりも大きくしている。すなわち、軸線8C
Lをロープ嵌め溝10,11の交差点CLに近く形成
し、軸線9CLをロープ嵌め溝10,11の交差点CL
から遠い位置に変位させて形成している。
【0029】距離L1は、第1、第2の締付け具の太さ
d1、d2(ねじの呼び径)の関係と第2の締付け具に
対しレンチなどの工具を使用して与え得る締付けトルク
Tに応じて適宜設定するが、通常、距離L1/距離L2
を1.5〜2程度にする。L1/L2が1.5未満で
は、第2の締付け具に対して大きな締付けトルクをかけ
ても、第1、第2の締付け具8,9による締結力がアン
バランスになって第2の締付け具9側が上方に開くよう
に押し金具7が傾いてしまい、ロープの破断荷重の1/
3以上を満足する締結力が得られなくなる。L1/L2
が2以上では、受け金具6と押し金具7が大きくなり、
コスト的に不利であるとともに、運搬や現場での取り扱
いが不便になる。
【0030】具体例をあげると、たとえば第1の締付け
具の太さが16mm、第2の締付け具9の太さが24m
m、第2の締付け具9の締付けトルクTが160N・m
である場合、距離L2を31.5mm、距離L1を6
1.5mmとするとバランスが良くなる。他の構成は第
1態様の第1実施例と同様であるから、説明は援用する
こととし、同じ部分に同じ符号を付すにとどめる。
【0031】図19と図20は第2態様の第2実施例を
示している。この実施例においては、第1実施例の押し
金具7に相当する共通金具7’、7’が1組用いられて
いる。すなわち各金具は、図19に示すように、ロープ
嵌め溝10,11の外方近傍両側に、第1の締付け具8
としてのボルトを挿通する通孔12と第2の締付け具9
としてのアンカーボルトを挿通する通孔14を設けた構
造となっている。そして、図20のように第1の締付け
具8としてのボルトを締付けるため、ナット8bが使用
されている。他の構成は第1態様の第1実施例と同様で
あるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は省略す
る。なお、図示しないが、第2態様も第1態様と同じよ
うに中間ロープ5、5’の交差部の締結に適用される。
【0032】図示するものは本発明のいくつかの例であ
り、これに限定されるものではない。 1)受け金具6、押し金具7、共通金具7’、7’は、
鋳鋼などの鋳造体でなく、切削加工品であってもよい
し、場合によっては、板金加工されたものでもよい。 2)受け金具6の通孔14を雌ねじ孔とし、上記実施例
におけるナットを省略してもよい。また受け金具6に締
付け具9としてのアンカーボルトを溶接等により固着し
て上記実施例におけるナットを省略してもよい。
【0033】また、受け金具6にボルトのねじ軸を溶接
等により固着するとともに、これを押し金具7に貫通さ
せ、その先端にナットを螺合して締付具を構成するよう
にしてもよい。 3)ロープ嵌め溝10,11は数種類の太さのロープに
対応できるような幅としてもよく、その場合、溝底にロ
ープの撚りに対応する突条を刻設しておくと好都合であ
る。
【0034】
【実施例の作用】次に実施例の使用法と作用を説明す
る。第1態様の第1実施例においては、図1のように縦
横に張られたロープ3、3’の交差部の下に受け金具6
を配し、上から押し金具7を被せる。こうすれば、ロー
プ3、3’は、受け金具6と押し金具7のそれぞれが十
字状をなし合わさったときに楕円状となるロープ嵌め溝
10,11に断面のほぼ70〜80%が嵌められる。
【0035】そして、第1の締付け具8としてのボルト
8aを押し金具7の通孔12を通して受け金具6の雌ね
じ孔13に螺合し、また第2の締付け具9としてのアン
カーボルトを押し金具7の通孔14および受け金具6の
通孔14を通して下部(アンカー部)を打ち込み等によ
り地中に埋め込む。これで、ロープ3、3’を含むロー
プ交差部用締結金具4は法面1の定位置に固定される。
なお、前記アンカーボルト9の途中には、あらかじめ受
け金具6の外面側および押し金具7の外面側に当接可能
なナット9b、9bが螺合されている。
【0036】以上の状態で、ボルト8aを締付けるとと
もに一方のナット9bを締付ければ、受け金具6と押し
金具7が互いに接近する。ロープ嵌め溝10,11はそ
れぞれ使用するロープ3,3’の断面の1/2ないしは
適度に浅い深さであるため、ロープ3、3’の上下に重
なっている交差部位30,30は相互に噛合うように強
力に押圧しあう。
【0037】この部位には、交差部分でもっとも深く両
側に向かって漸次浅くなる弧状の凹入部100、100
が受け金具6と押し金具7で交差状に存し、それら凹入
部100、100は最大深さがロープ嵌め溝10の深さ
の約2倍となっているので、前記交差部分30,30は
前記押圧により凹入部100、100の形状に即して軸
方向と直角方向に屈曲変形され、図4と図5のように、
上と下の凹入部100、100に強制的に押し込まれ、
図2と図7のように締結される。ロープ3、3’の交差
部が単に上下から押圧されるだけでなく、外方に突状に
屈曲されて凹入部100、100に封じ込められるの
で、節作用によりロープ3,3’はその相互のすべりが
完全に防止される。また同時にロープ3、3’の交差部
の噛みあわせが良くなるので、接触面がより増しロープ
同士の摩擦が増加される。そして、交差部全体が確実に
法面1に係止される。
【0038】また、ロープ3、3’の交差部30,3
0’から先の部分も上下のロープ嵌め溝10、11に密
接し、断面積の約70〜80%が囲まれるので、この部
分でも摩擦により締結力が得られるとともに、しっかり
と直角状の交差形態が形成され、左右のずれが完全に防
止される。また、従来の締結金具では、図21のよう
に、ロープの交差部が直線のまま重なり合っているた
め、縦と横のロープのレベルが異なって敷設され、した
がってロープの交差部領域で地表から浮きが生じやすい
が、本発明では、ロープ3、3’の交差部30,30が
外方に突状に屈曲されて凹入部100、100に封じ込
められるので、図2のように、縦と横のロープ3,3’
が同じレベルで敷設されることになる。このため、ロー
プの交差部領域も地表に接近し、地すべりや浮石の押さ
え効果を確実なものとすることができる。
【0039】第1態様の第2実施例においても同じ作用
が得られるが、ボルト8aの締付け時に受け側の金具
7’の下にナット8bを配して螺合させる点が異なって
いる。この第2実施例の利点は、第1実施例のように受
け金具6と押し金具7の2種類の金具を製作する必要が
なく、押し金具7と同じ構成の金具を1種類製作してお
けばよいため、金具のコストを安価なものにすることが
できる。
【0040】本発明のロープ交差部用締結金具を実地に
試験した結果を示すと、第2実施例に示す構造のものを
使用し、鋳鋼(FCD450)製、長さ95mm、幅5
0mm、厚さ16mm、ロープ嵌め溝10,11の深さ
5mm、R7mmとし、凹入部100の最大深さを11
mm、R33mmの仕様とした。
【0041】このロープ交差部用締結金具に2×2、直
径12mmのロープ2本を交差させて、締付けトルク1
20N・mで締結した。この試験ではアンカーボルトで
なく、図12(b)に示す2本のボルト(ねじの呼び径
M16)とナットを使用して締付けを行い、ロープ交差
部用締結金具が移動しないように固定した状態でロープ
に引っ張り荷重を与え、締結力(縦ロープと横ロープの
交差部に滑りの生じない抵抗力)kNを測定した。
【0042】比較のため、鋳鋼(FCD450)製、長
さ95mm、幅50mm、厚さ12mm、深さ5mmの
ロープ嵌め溝を受け金具と押し金具に斜めに形成して対
向したときに直角の交差部が得られるようにした従来品
を使用して同じ実験を行った。その結果、本発明品の締
結力は、27.8kN、従来品は8kNで、同一のボル
ト締付け力で3倍以上の高い締結力の得られることが確
認された。これは、ロープの交差部が屈曲されそれが凹
入部100、100により封入され、節となってすべり
に対する抵抗を発揮したことによるものである。
【0043】次に、直径が14mm以上の太径のロープ
3,3’を使用し、これに呼応して高いアンカー力を得
るべく第2の締付け具9として第1の締付け具8よりも
太径の仕様のものを用いた場合、金具の締結力P(N)
は、式k・T/d(k:トルク係数、T:締付けトルク
N・m、d:ねじの呼び径mm)であることから、ねじ
の呼び径dに反比例する。したがって、第2の締付け具
9に強い締付けトルクを導入する必要が生じ、ロープ嵌
め溝10,11の交差点から第2の締付け具9と第1の
締付け具8の距離が同等の場合には、レンチを使用した
人力操作では必要トルクを導入することが困難になり、
受け金具6と押し金具7が平衡に近接されず、第2の締
付け具側が開いたアンバランスな状態になりやすい。
【0044】しかるに、第2態様においては、第2の締
付け具9(14)の軸線9CL(孔14の中心)からロ
ープ嵌め溝10,11の交差点CLまでの距離L1を、
第1の締付け具8の軸線8CL(孔13または12の中
心)からロープ嵌め溝10,11の交差点CLまでの距
離L2よりも大きくしている。このため、てこの作用に
より第2の締付け具9の締結力がモーメントとして増加
され、締結力の不足分が補われる。したがって、レンチ
を使用した人力操作で十分な締付けトルクを導入するこ
とができ、受け金具6と押し金具7が平衡に近接された
バランスの良い形で必要締結力を得ることができる。
【0045】受け金具6と押し金具7として、135×
50mm×18mmの大きさとし、ロープ嵌め溝10,
11の交差点から第2の締付け具9としてのアンカーボ
ルトの中心までの距離L1を61.5mm、ロープ嵌め
溝10,11の交差点から第1の締付け具8としての締
付けボルトの中心までの距離L2を31.5mmにおの
おの設定し、第2の締付け具9としてM24を、第1の
締付け具8としてM16を使用し、直径が14mmの2
本のワイヤーロープをロープ嵌め溝10,11に嵌めて
長さ0.5mのレンチで締結した。その結果、160N
・mで締結力35kN以上を得ることができた。
【0046】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、小型でしかも小さい締付け力により、ロープの
交差部をすべりのないように確実に締結することができ
るというすぐれた効果が得られる。
【0047】請求項2によれば、通常の径のロープを使
用した場合にその交差部を小さい締付け力で強固に締結
できるというすぐれた効果が得られる。請求項3によれ
ば、締結力をモーメントとして増加させ締結力不足を補
うことができるので、太径のロープを使用した場合にそ
の交差部を小さい締付け力で強固に締結できるというす
ぐれた効果が得られる。請求項4、5によれば、ロープ
の交差部を無理なく確実に屈曲して封じ込めることがで
きるというすぐれた効果が得られる。請求項6によれ
ば、1種類の金具を製作すればよいので、金具製造コス
トを低減でき、また取り扱いを容易にすることができる
というすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロープ交差部用締結金具を適用し
た落石防止、地すべり防止ネットの敷設例を示す平面図
である。
【図2】本発明の第1態様の第1実施例を使用状態で示
す側面図である。
【図3】第1態様の第1実施例の平面図である。
【図4】図3のA−B線に沿う断面図である。
【図5】図3のC−D線に沿う断面図である。
【図6】図3のG−H線に沿う断面図である
【図7】ロープの交差部の状態を透視して示す斜視図で
ある。
【図8】(a)は第一実施例の受け金具の平面図、
(b)は(a)のL−M線に沿う断面図、(c)は
(a)のJ−K線に沿う断面図、(d)は(a)のA−
B線に沿う断面図である。
【図9】(a)は第一実施例の押し金具の平面図、
(b)は中央線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第1態様の第2実施例を使用状態で
示す側面図である。
【図11】第2実施例の金具を分解した状態で示す平面
図である。
【図12】(a)は本発明を中間ロープの交差部締結に
使用した第一例を示す側面図、(b)は同じく第二例を
示す側面図である。
【図13】本発明の第2態様の第1実施例を使用状態で
示す側面図である。
【図14】第2態様の第1実施例の平面図である。
【図15】第2態様の第1実施例の受け金具の平面図で
ある。
【図16】(a)は図15のL’−M’線に沿う断面
図、(b)は図15のJ’−K’線に沿う断面図、
(c)は図15のA’−B’線に沿う断面図である。
【図17】第2態様の第1実施例の押し金具の平面図で
ある。
【図18】図17の中央線に沿う断面図である。
【図19】第2態様の第2実施例の金具を分解した状態
で示す平面図である。
【図20】第2態様の第2実施例を使用状態で示す側面
図である。
【図21】(a)(b)は従来のロープの交差部締結金
具を使用状態で示す側面図である。
【符号の説明】
1 法面 3、3’ロープ 4 交差部締結金具 6 受け金具 7 押し金具 7’共通金具 8 第1の締付け具 9 第2の締付け具 10,11ロープ嵌め溝 30 交差ロープ部分 100 凹入部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対して配置され内面にそれぞれ交差状の
    ロープ嵌め溝10,11を形成した受け金具6と押し金
    具7と、それら受け金具6と押し金具7を締付けるべく
    ロープ嵌め溝10,11の両側外方位置に配された第1
    と第2の締付け具8,9とを備え、前記ロープ嵌め溝1
    0,11のうち一方のロープ嵌め溝11が全長にわたり
    略一様の深さを有し、他方のロープ嵌め溝10が、交差
    ロープ部分30,30の軸方向と直角方向への屈曲を許
    容する凹入部100を有していることを特徴とするロー
    プ交差部用締結金具。
  2. 【請求項2】第1と第2の締付け具8,9が、ロープ嵌
    め溝10,11の交差部から略同等の距離の位置にある
    請求項1に記載のロープ交差部用締結金具。
  3. 【請求項3】第1の締付け具8と第2の締付け具9が、
    ロープ嵌め溝10,11の交差部から異なる距離の位置
    にある請求項1に記載のロープ交差部用締結金具。
  4. 【請求項4】ロープ嵌め溝10、10の凹入部100,
    100が、ロープ交差個所を含めて両側に延びている請
    求項1ないし3のいずれかに記載のロープ交差部用締結
    金具。
  5. 【請求項5】各ロープ嵌め溝10、11がロープ断面積
    の1/2以下の深さを有し、凹入部100はロープ交差
    箇所に対応する部位がもっとも深く外側に向かって漸次
    浅くなるように形成され、最も深い部位がロープ嵌め溝
    10の深さの約2倍となっている請求項1ないし4のい
    ずれかに記載のロープ交差部用締結金具。
  6. 【請求項6】受け金具と押し金具が同じ構成の共通金具
    7’、7’である場合を含む請求項1ないし5のいずれ
    かに記載のロープ交差部用締結金具。
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