JP2003208703A - 磁気記録ヘッド及びその製造方法並び炭素保護膜形成装置 - Google Patents
磁気記録ヘッド及びその製造方法並び炭素保護膜形成装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 保護膜のカバレッジを向上し5nm以下の薄
い保護膜としてもピンホールの発生の少ない耐食信頼性
の高い磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに炭素保護
膜形成装置を提供する。 【解決手段】 記録再生素子1〜3の媒体に相対する面
が炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜4で覆わ
れ、かつ、記録再生素子1〜3と保護膜4との界面の面
性状が最大深さRv2nm以上である磁気ディスク装置
の磁気記録ヘッドにおいて、保護膜4の合計膜厚が5n
m以下であり、かつ、保護膜4の表面の中心線平均面粗
さRaが0.5nm以下である。
い保護膜としてもピンホールの発生の少ない耐食信頼性
の高い磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに炭素保護
膜形成装置を提供する。 【解決手段】 記録再生素子1〜3の媒体に相対する面
が炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜4で覆わ
れ、かつ、記録再生素子1〜3と保護膜4との界面の面
性状が最大深さRv2nm以上である磁気ディスク装置
の磁気記録ヘッドにおいて、保護膜4の合計膜厚が5n
m以下であり、かつ、保護膜4の表面の中心線平均面粗
さRaが0.5nm以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録ヘッド及
びその製造方法並びに炭素保護膜形成装置であり、特に
磁気ディスク装置に用いられる磁気記録ヘッドの浮上面
の平滑化技術に関する。
びその製造方法並びに炭素保護膜形成装置であり、特に
磁気ディスク装置に用いられる磁気記録ヘッドの浮上面
の平滑化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】浮上面が炭素又は炭素と珪素とが積層し
た保護膜で覆われている磁気ディスク装置の磁気記録ヘ
ッドに関する技術として、従来、特開平4−27636
7号公報等が有る。従来の技術の具体的構成は、磁気記
録ヘッドの断面構造を図9に示すように、セラミック基
板1´、アルミナ膜2´及びパーマロイ膜3´からなる
素子について、バー切断後素子高さを制御する浮上面ラ
ップ加工を行い、その後、浮上面を炭素又は炭素4´と
珪素5´とが積層した保護膜で覆う工程により形成され
ていた。
た保護膜で覆われている磁気ディスク装置の磁気記録ヘ
ッドに関する技術として、従来、特開平4−27636
7号公報等が有る。従来の技術の具体的構成は、磁気記
録ヘッドの断面構造を図9に示すように、セラミック基
板1´、アルミナ膜2´及びパーマロイ膜3´からなる
素子について、バー切断後素子高さを制御する浮上面ラ
ップ加工を行い、その後、浮上面を炭素又は炭素4´と
珪素5´とが積層した保護膜で覆う工程により形成され
ていた。
【0003】また他の従来技術として、特開平8−12
0470号公報がある。この技術は、ガスクラスターイ
オンビームによる固体表面の研磨法を使用する。Ar等
のガスを真空中に高圧で吹き付け、断熱膨張作用で冷却
されたことにより生成するクラスターをイオン化し、さ
らに電界により加速して被処理基板表面に入射させる。
被処理基板ヘ照射されたガスクラスターイオンは被処理
基板との衝突で壊れ、その際クラスター構成原子又は分
子及び被加工物構成原子又は分子と多体衝突が生じ、被
処理基板表面に対して水平方向への運動が顕著になり、
その結果、被処理基板表面に対して横方向の切削が可能
となる。さらに被処理基板表面を横方向に粒子が運動す
ることにより、表面の凸部が主に削られ原子サイズでの
平坦な超精密研磨が得られることになる。
0470号公報がある。この技術は、ガスクラスターイ
オンビームによる固体表面の研磨法を使用する。Ar等
のガスを真空中に高圧で吹き付け、断熱膨張作用で冷却
されたことにより生成するクラスターをイオン化し、さ
らに電界により加速して被処理基板表面に入射させる。
被処理基板ヘ照射されたガスクラスターイオンは被処理
基板との衝突で壊れ、その際クラスター構成原子又は分
子及び被加工物構成原子又は分子と多体衝突が生じ、被
処理基板表面に対して水平方向への運動が顕著になり、
その結果、被処理基板表面に対して横方向の切削が可能
となる。さらに被処理基板表面を横方向に粒子が運動す
ることにより、表面の凸部が主に削られ原子サイズでの
平坦な超精密研磨が得られることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−276367号公報のような製造方法による
と、磁気記録ヘッドの素子部浮上面はラップ仕上げによ
る面粗さを持っており、平均面粗さRaが2nm程度で
ある。この粗さの面に対し10nm程度の保護膜を成膜
しようとすると面の凹部に対しても十分な厚さの膜厚を
形成することができ、保護膜としての機能を得ることが
できた。しかし、磁気ディスク媒体への記録密度の増加
と共に磁気記録素子表面と媒体との距離をより近づけな
ければならず、保護膜の厚さもより薄くすることが必要
なった。そのため、素子表面の平均面粗さに対し十分な
カバレッジを得ることができなくなり、その結果、保護
膜に多数のピンホールが発生し腐食による記録再生不良
が発生するという問題点を有していた。
開平4−276367号公報のような製造方法による
と、磁気記録ヘッドの素子部浮上面はラップ仕上げによ
る面粗さを持っており、平均面粗さRaが2nm程度で
ある。この粗さの面に対し10nm程度の保護膜を成膜
しようとすると面の凹部に対しても十分な厚さの膜厚を
形成することができ、保護膜としての機能を得ることが
できた。しかし、磁気ディスク媒体への記録密度の増加
と共に磁気記録素子表面と媒体との距離をより近づけな
ければならず、保護膜の厚さもより薄くすることが必要
なった。そのため、素子表面の平均面粗さに対し十分な
カバレッジを得ることができなくなり、その結果、保護
膜に多数のピンホールが発生し腐食による記録再生不良
が発生するという問題点を有していた。
【0005】また、上記特開平8−120470号公報
の開示するガスクラスターイオンビームを磁気記録ヘッ
ドの素子浮上面に照射し、その表面を平滑化しようと試
みた場合、該公報に記載された発明には磁気記録ヘッド
のような金属やセラミックで構成された複合材料に関し
ては考慮されていないため、個々の材料の物性に起因す
るスパッタイールドの違いにより、金属部分は多く削
れ、硬いセラミック部分の削れる量は少なく、結果とし
てそれぞれの材料毎の平坦性は向上するが、材料間で凸
凹の付いた状態になることが考えられる。このことは、
特に磁性体が浮上面から遠くなり、記録又は再生すべき
媒体との距離が広がり、記録再生素子として機能しなく
なる問題を有していた。
の開示するガスクラスターイオンビームを磁気記録ヘッ
ドの素子浮上面に照射し、その表面を平滑化しようと試
みた場合、該公報に記載された発明には磁気記録ヘッド
のような金属やセラミックで構成された複合材料に関し
ては考慮されていないため、個々の材料の物性に起因す
るスパッタイールドの違いにより、金属部分は多く削
れ、硬いセラミック部分の削れる量は少なく、結果とし
てそれぞれの材料毎の平坦性は向上するが、材料間で凸
凹の付いた状態になることが考えられる。このことは、
特に磁性体が浮上面から遠くなり、記録又は再生すべき
媒体との距離が広がり、記録再生素子として機能しなく
なる問題を有していた。
【0006】本発明は、従来の技術の問題を解決するも
のであり、保護膜のカバレッジを向上し5nm以下の薄
い保護膜としてもピンホールの発生の少ない耐食信頼性
の高い磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに炭素保護
膜形成装置を提供することを目的とする。
のであり、保護膜のカバレッジを向上し5nm以下の薄
い保護膜としてもピンホールの発生の少ない耐食信頼性
の高い磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに炭素保護
膜形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録再生素子
の媒体に相対する面(浮上面)が炭素又は炭素と珪素と
の積層からなる保護膜で覆われ、かつ、記録再生素子と
保護膜との界面の面性状が最大深さRv2nm以上であ
る磁気記録ヘッドであって、前記保護膜の合計膜厚が5
nm以下であり、かつ、保護膜の表面の中心線平均面粗
さRaが0.5nm以下である磁気記録ヘッドである。
の媒体に相対する面(浮上面)が炭素又は炭素と珪素と
の積層からなる保護膜で覆われ、かつ、記録再生素子と
保護膜との界面の面性状が最大深さRv2nm以上であ
る磁気記録ヘッドであって、前記保護膜の合計膜厚が5
nm以下であり、かつ、保護膜の表面の中心線平均面粗
さRaが0.5nm以下である磁気記録ヘッドである。
【0008】これにより、記録再生素子の表面に凹凸が
有ってRvが大きい界面の形状であっても、保護膜の最
表面は凹凸の少ない平坦な表面であり、保護膜にピンホ
ールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッ
ドとすることができる。
有ってRvが大きい界面の形状であっても、保護膜の最
表面は凹凸の少ない平坦な表面であり、保護膜にピンホ
ールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッ
ドとすることができる。
【0009】また、本発明は、記録再生素子の媒体に相
対する面が炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜
で覆われている磁気記録ヘッドであって、前記保護膜の
合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護膜のピンホー
ル発生密度が、低濃度の酸溶液に浸漬するピンホール試
験により、記録再生素子上に発生する腐食痕の密度が1
×105個/cm2以下である磁気記録ヘッドである。
対する面が炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜
で覆われている磁気記録ヘッドであって、前記保護膜の
合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護膜のピンホー
ル発生密度が、低濃度の酸溶液に浸漬するピンホール試
験により、記録再生素子上に発生する腐食痕の密度が1
×105個/cm2以下である磁気記録ヘッドである。
【0010】これにより、記録再生素子の表面に凹凸が
有ってRvが大きい界面の形状であっても、ピンホール
の発生が少ない保護膜で覆われており、信頼性の高い磁
気記録ヘッドとすることができる。
有ってRvが大きい界面の形状であっても、ピンホール
の発生が少ない保護膜で覆われており、信頼性の高い磁
気記録ヘッドとすることができる。
【0011】そして、本発明は、バー切断後再生素子高
さを制御する浮上面ラップ加工を行い、次に、記録再生
素子の媒体に相対する面に炭素又は炭素と珪素との積層
からなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造方法であっ
て、炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成すること
と、希ガスによるクラスターイオンビームを膜表面に照
射することとを交互に行う磁気記録ヘッドの製造方法で
ある。
さを制御する浮上面ラップ加工を行い、次に、記録再生
素子の媒体に相対する面に炭素又は炭素と珪素との積層
からなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造方法であっ
て、炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成すること
と、希ガスによるクラスターイオンビームを膜表面に照
射することとを交互に行う磁気記録ヘッドの製造方法で
ある。
【0012】成膜時に希ガスによるクラスターイオンビ
ームを成膜表面にアシスト照射して、保護膜形成とガス
クラスターイオンビームを交互に照射すると、記録再生
素子の表面の凸部は削られて平坦になり、また、凹部は
そのまま保護膜が積層し、結果としてRvが大きくRp
が非常に少ない界面の形状になるため、保護膜の最表面
はガスクラスターイオンビームの平坦化効果により凹凸
の少ない平坦な表面を形成することができ保護膜にピン
ホールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘ
ッドとすることができる。
ームを成膜表面にアシスト照射して、保護膜形成とガス
クラスターイオンビームを交互に照射すると、記録再生
素子の表面の凸部は削られて平坦になり、また、凹部は
そのまま保護膜が積層し、結果としてRvが大きくRp
が非常に少ない界面の形状になるため、保護膜の最表面
はガスクラスターイオンビームの平坦化効果により凹凸
の少ない平坦な表面を形成することができ保護膜にピン
ホールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘ
ッドとすることができる。
【0013】更に、本発明は、バー切断後再生素子高さ
を制御する浮上面ラップ加工を行い、次に、記録再生素
子の媒体に相対する面が炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造方法であっ
て、希ガスによるクラスターイオンビームを形成中の保
護膜表面に照射しながら炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜を浮上面に形成する磁気記録ヘッドの製造
方法である。
を制御する浮上面ラップ加工を行い、次に、記録再生素
子の媒体に相対する面が炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造方法であっ
て、希ガスによるクラスターイオンビームを形成中の保
護膜表面に照射しながら炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜を浮上面に形成する磁気記録ヘッドの製造
方法である。
【0014】成膜時に希ガスによるクラスターイオンビ
ームを成膜表面にアシスト照射して、保護膜形成とガス
クラスターイオンビームを同時に照射すると、記録再生
素子の表面の凸部は削られて平坦になり、また、凹部は
そのまま保護膜が積層し、結果としてRvが大きくRp
が非常に少ない界面の形状になるため、保護膜の最表面
はガスクラスターイオンビームの平坦化効果により凹凸
の少ない平坦な表面を形成することができ保護膜にピン
ホールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘ
ッドとすることができる。
ームを成膜表面にアシスト照射して、保護膜形成とガス
クラスターイオンビームを同時に照射すると、記録再生
素子の表面の凸部は削られて平坦になり、また、凹部は
そのまま保護膜が積層し、結果としてRvが大きくRp
が非常に少ない界面の形状になるため、保護膜の最表面
はガスクラスターイオンビームの平坦化効果により凹凸
の少ない平坦な表面を形成することができ保護膜にピン
ホールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘ
ッドとすることができる。
【0015】また、本発明は、アルゴンガスクラスター
イオンビームにおける個々のアルゴンガスクラスターイ
オンの加速電圧に、そのクラスターイオンの電荷価数を
かけ、更に個々のアルゴンクラスターイオンを構成する
原子数で割った値、つまりクラスターイオンの加速時に
クラスターを構成する原子1個当たりに与える運動エネ
ルギーを100eV以下とすることで、被加工物である
保護膜のごく表面のみに照射損傷を与え、膜内部及び下
地である磁気記録ヘッド素子部に欠陥を発生させないた
めに信頼性の高い磁気記録ヘッドを作ることができる。
イオンビームにおける個々のアルゴンガスクラスターイ
オンの加速電圧に、そのクラスターイオンの電荷価数を
かけ、更に個々のアルゴンクラスターイオンを構成する
原子数で割った値、つまりクラスターイオンの加速時に
クラスターを構成する原子1個当たりに与える運動エネ
ルギーを100eV以下とすることで、被加工物である
保護膜のごく表面のみに照射損傷を与え、膜内部及び下
地である磁気記録ヘッド素子部に欠陥を発生させないた
めに信頼性の高い磁気記録ヘッドを作ることができる。
【0016】更に、本発明は、炭素膜形成方法として炭
素ターゲットへのアーク放電によるカソーディックアー
ク法を使用し、その際、プロセス圧力が10−3Pa以
下である磁気記録ヘッドの製造方法である。
素ターゲットへのアーク放電によるカソーディックアー
ク法を使用し、その際、プロセス圧力が10−3Pa以
下である磁気記録ヘッドの製造方法である。
【0017】保護膜形成方法としてカソーディックアー
ク法を用いることで高真空下での膜形成が可能となり、
ガスクラスターイオンビームの照射を保護膜形成と同時
に行うことが可能となるため、成膜とクラスターイオン
照射の交互繰り返し処理に比べ格段と処理効率が良くな
りカバレッジの良いピンホールの少ない信頼性の高い磁
気記録ヘッドを高スループットで作ることができる。
ク法を用いることで高真空下での膜形成が可能となり、
ガスクラスターイオンビームの照射を保護膜形成と同時
に行うことが可能となるため、成膜とクラスターイオン
照射の交互繰り返し処理に比べ格段と処理効率が良くな
りカバレッジの良いピンホールの少ない信頼性の高い磁
気記録ヘッドを高スループットで作ることができる。
【0018】また、本発明は、記録再生素子の媒体に相
対する面に炭素又は炭素と珪素との積層からなる炭素保
護膜を形成する装置であって、炭素ターゲットへのアー
ク放電によるカソーディックアーク法による炭素膜形成
部と、クラスターイオンビーム法による炭素膜照射部と
を備える炭素保護膜形成装置である。
対する面に炭素又は炭素と珪素との積層からなる炭素保
護膜を形成する装置であって、炭素ターゲットへのアー
ク放電によるカソーディックアーク法による炭素膜形成
部と、クラスターイオンビーム法による炭素膜照射部と
を備える炭素保護膜形成装置である。
【0019】これにより、保護膜形成とクラスターイオ
ンビーム照射を交互に又は同時に行うことが可能とな
り、処理効率が良くなり、カバレッジの良いピンホール
の少ない信頼性の高い磁気記録ヘッドを作ることができ
る。
ンビーム照射を交互に又は同時に行うことが可能とな
り、処理効率が良くなり、カバレッジの良いピンホール
の少ない信頼性の高い磁気記録ヘッドを作ることができ
る。
【0020】更に、本発明は、バー切断後、再生素子高
さを制御する浮上面ラップ加工を行い、次に記録再生素
子の媒体に相対する面に炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造工程におい
て、炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成すること
と、その膜の表面に対し20度以内の浅い角度で入射す
るアルゴンイオンビームを照射することとを交互又は同
時に行う磁気記録ヘッドの製造方法である。
さを制御する浮上面ラップ加工を行い、次に記録再生素
子の媒体に相対する面に炭素又は炭素と珪素との積層か
らなる保護膜で覆う磁気記録ヘッドの製造工程におい
て、炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成すること
と、その膜の表面に対し20度以内の浅い角度で入射す
るアルゴンイオンビームを照射することとを交互又は同
時に行う磁気記録ヘッドの製造方法である。
【0021】保護膜成膜時に同時又は交互に浅い角度で
アルゴンイオンビームを照射させることにより、記録再
生素子の凸部は削られて平坦になり、また凹部はそのま
ま保護膜が積層し、結果としてRvが大きく、Rpが少
ない界面の形状になるため、保護膜の最表面は凹凸の少
ない平坦な表面を形成することができ、保護膜にピンホ
ールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッ
ドとすることができる。
アルゴンイオンビームを照射させることにより、記録再
生素子の凸部は削られて平坦になり、また凹部はそのま
ま保護膜が積層し、結果としてRvが大きく、Rpが少
ない界面の形状になるため、保護膜の最表面は凹凸の少
ない平坦な表面を形成することができ、保護膜にピンホ
ールを発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッ
ドとすることができる。
【0022】また本発明では、膜表面に入射する個々の
アルゴンイオンの運動エネルギーについて、入射する膜
表面に対する法線方向成分が100eV以下とすること
で、被加工物である保護膜のごく表面のみに照射損傷を
与え、膜内部及び下地である磁気記録ヘッド素子部に欠
陥を発生させないために信頼性の高い磁気記録ヘッドを
作ることができる。
アルゴンイオンの運動エネルギーについて、入射する膜
表面に対する法線方向成分が100eV以下とすること
で、被加工物である保護膜のごく表面のみに照射損傷を
与え、膜内部及び下地である磁気記録ヘッド素子部に欠
陥を発生させないために信頼性の高い磁気記録ヘッドを
作ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明の磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに製造装
置の概要及び実施例について、図1〜図8を用いて説明
する。図1は、実施例1の磁気記録ヘッドの素子部断面
構造説明図である。図2は、実施例1の磁気記録ヘッド
の浮上面研磨工程後の素子部断面構造説明図である。図
3は、実施例1の磁気記録ヘッドの最初の保護膜成膜後
の素子部断面構造説明図である。図4は、実施例1の磁
気記録ヘッドの最初のガスクラスターイオンビーム照射
後の素子部断面構造説明図である。図5は、実施例の磁
気記録ヘッドの2回目の保護膜成膜後の素子部断面構造
説明図である。図6は、実施例の磁気記録ヘッドの2回
目のガスクラスターイオンビーム照射後の素子部断面構
造説明図である。図7は、実施例の保護膜形成装置の一
例の説明図である。図8は、実施例の磁気記録ヘッドに
おける面粗さとピンホール密度の関係の説明図である。
本発明の磁気記録ヘッド及びその製造方法並びに製造装
置の概要及び実施例について、図1〜図8を用いて説明
する。図1は、実施例1の磁気記録ヘッドの素子部断面
構造説明図である。図2は、実施例1の磁気記録ヘッド
の浮上面研磨工程後の素子部断面構造説明図である。図
3は、実施例1の磁気記録ヘッドの最初の保護膜成膜後
の素子部断面構造説明図である。図4は、実施例1の磁
気記録ヘッドの最初のガスクラスターイオンビーム照射
後の素子部断面構造説明図である。図5は、実施例の磁
気記録ヘッドの2回目の保護膜成膜後の素子部断面構造
説明図である。図6は、実施例の磁気記録ヘッドの2回
目のガスクラスターイオンビーム照射後の素子部断面構
造説明図である。図7は、実施例の保護膜形成装置の一
例の説明図である。図8は、実施例の磁気記録ヘッドに
おける面粗さとピンホール密度の関係の説明図である。
【0024】以下、本発明の概要について、図1を用い
て説明する。本発明の磁気記録ヘッドは、記録再生素子
の媒体に相対する面が炭素又は炭素と珪素との積層から
なる保護膜で覆われ、かつ、記録再生素子と保護膜との
界面の面性状が最大深さRv2nm以上であって、保護
膜の合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護膜の表面
の中心線平均面粗さRaが0.5nm以下である。ま
た、保護膜のピンホール発生密度が、低濃度の酸溶液に
浸漬するピンホール試験により、記録再生素子上に発生
する腐食痕の密度が1×105個/cm2以下である。
磁気記録ヘッドの素子部断面を図1に示すように、セラ
ミック基板1上にアルミナ膜2にはさまれてパーマロイ
3が形成され、それらを切断し研磨して浮上面が形成さ
れる。研磨加工後の浮上面は、研磨加工によるスクラッ
チにより合計膜厚Rmax8〜15nmの粗さがある。
特に材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは集中
する。保護膜形成とガスクラスターイオンビームを交互
に照射すると記録再生素子の表面の凸部は削られて平坦
になる。凹部はそのまま保護膜4が積層するため結果と
して、最大深さRvが大きいが、最大高さRpが非常に
少ない界面の形状になる。最大高さRpを1nm以下と
することができる。保護膜4の最表面はガスクラスター
イオンビームの平坦化効果により凹凸の少ない平坦な表
面を形成することが可能となり、保護膜4にピンホール
を発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッドを
作ることができる。
て説明する。本発明の磁気記録ヘッドは、記録再生素子
の媒体に相対する面が炭素又は炭素と珪素との積層から
なる保護膜で覆われ、かつ、記録再生素子と保護膜との
界面の面性状が最大深さRv2nm以上であって、保護
膜の合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護膜の表面
の中心線平均面粗さRaが0.5nm以下である。ま
た、保護膜のピンホール発生密度が、低濃度の酸溶液に
浸漬するピンホール試験により、記録再生素子上に発生
する腐食痕の密度が1×105個/cm2以下である。
磁気記録ヘッドの素子部断面を図1に示すように、セラ
ミック基板1上にアルミナ膜2にはさまれてパーマロイ
3が形成され、それらを切断し研磨して浮上面が形成さ
れる。研磨加工後の浮上面は、研磨加工によるスクラッ
チにより合計膜厚Rmax8〜15nmの粗さがある。
特に材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは集中
する。保護膜形成とガスクラスターイオンビームを交互
に照射すると記録再生素子の表面の凸部は削られて平坦
になる。凹部はそのまま保護膜4が積層するため結果と
して、最大深さRvが大きいが、最大高さRpが非常に
少ない界面の形状になる。最大高さRpを1nm以下と
することができる。保護膜4の最表面はガスクラスター
イオンビームの平坦化効果により凹凸の少ない平坦な表
面を形成することが可能となり、保護膜4にピンホール
を発生させることのない信頼性の高い磁気記録ヘッドを
作ることができる。
【0025】本発明の磁気記録ヘッド及びその製造方法
と炭素保護膜形成装置について、実施例により具体的に
説明する。本実施例の磁気記録ヘッドの断面を図1に示
すように、セラミック基板1上にアルミナ膜2に挟まれ
てパーマロイ3が形成され、それらを切断し研磨して浮
上面が形成される。研磨加工後の浮上面は、研磨加工に
よるスクラッチによりRmax8〜15nmの粗さがあ
る。特に材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは
集中する。炭素保護膜形成とガスクラスターイオンビー
ムの照射を交互に行うと記録再生素子の表面の凸部は削
られて平坦になる。凹部はそのまま炭素保護膜4が積層
するため結果として、最大深さRvが大きく、最大高さ
Rpが非常に少ない界面の形状になる。炭素保護膜4の
最表面はガスクラスターイオンビームの平坦化効果によ
り凹凸の少ない平坦な表面を形成することができ、炭素
保護膜4にピンホールを発生させることのない信頼性の
高い磁気記録ヘッドを作ることができる。
と炭素保護膜形成装置について、実施例により具体的に
説明する。本実施例の磁気記録ヘッドの断面を図1に示
すように、セラミック基板1上にアルミナ膜2に挟まれ
てパーマロイ3が形成され、それらを切断し研磨して浮
上面が形成される。研磨加工後の浮上面は、研磨加工に
よるスクラッチによりRmax8〜15nmの粗さがあ
る。特に材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは
集中する。炭素保護膜形成とガスクラスターイオンビー
ムの照射を交互に行うと記録再生素子の表面の凸部は削
られて平坦になる。凹部はそのまま炭素保護膜4が積層
するため結果として、最大深さRvが大きく、最大高さ
Rpが非常に少ない界面の形状になる。炭素保護膜4の
最表面はガスクラスターイオンビームの平坦化効果によ
り凹凸の少ない平坦な表面を形成することができ、炭素
保護膜4にピンホールを発生させることのない信頼性の
高い磁気記録ヘッドを作ることができる。
【0026】炭素保護膜形成装置を図7に示す。本装置
は、炭素ターゲットへのアーク放電によるカソーディッ
クアーク法による炭素膜形成部と、クラスターイオンビ
ーム法による炭素膜照射部とを備えており、ガス導入部
11、クラスター生成室12、超音速ノズル13、スキ
ーマ14、イオン化加速電極15、TMP16、マスフ
ィルタ17、炭素イオン源18を有する。真空チェンバ
に載置された被処理基板21に対しガスクラスターイオ
ンビーム31とカーボンプラズマ32を同時もしくは交
互に照射することができる。カーボンプラズマ32は炭
素イオン源18でカーボンターゲットへのアーク放電に
より形成される。またガスクラスターイオンビーム31
はArガス導入部11より2×105〜106Paの高
圧で供給されたArガスが超音速ノズル13から1Pa
以下のクラスター生成室12に噴出する。Arガスは断
熱膨張により沸点以下に冷却さ凝集して数10〜数10
00個の原子からなるArクラスタービームを形成す
る。Arクラスターはビームの指向性付与とオリフィス
をかねたスキーマ14を通りイオン化加速電極15に導
かれる。ここでクラスターは電子照射によりイオン化さ
れさらに1〜20kVの範囲で加速される。加速された
クラスターイオンビームは、直交磁界で構成されたマス
フィルター17を通ることで、分子量4000以下の小
さいクラスター及びモノマーを排除し、より大きいクラ
スターのみを基板に照射する。
は、炭素ターゲットへのアーク放電によるカソーディッ
クアーク法による炭素膜形成部と、クラスターイオンビ
ーム法による炭素膜照射部とを備えており、ガス導入部
11、クラスター生成室12、超音速ノズル13、スキ
ーマ14、イオン化加速電極15、TMP16、マスフ
ィルタ17、炭素イオン源18を有する。真空チェンバ
に載置された被処理基板21に対しガスクラスターイオ
ンビーム31とカーボンプラズマ32を同時もしくは交
互に照射することができる。カーボンプラズマ32は炭
素イオン源18でカーボンターゲットへのアーク放電に
より形成される。またガスクラスターイオンビーム31
はArガス導入部11より2×105〜106Paの高
圧で供給されたArガスが超音速ノズル13から1Pa
以下のクラスター生成室12に噴出する。Arガスは断
熱膨張により沸点以下に冷却さ凝集して数10〜数10
00個の原子からなるArクラスタービームを形成す
る。Arクラスターはビームの指向性付与とオリフィス
をかねたスキーマ14を通りイオン化加速電極15に導
かれる。ここでクラスターは電子照射によりイオン化さ
れさらに1〜20kVの範囲で加速される。加速された
クラスターイオンビームは、直交磁界で構成されたマス
フィルター17を通ることで、分子量4000以下の小
さいクラスター及びモノマーを排除し、より大きいクラ
スターのみを基板に照射する。
【0027】実施例の磁気記録ヘッドにおける保護膜形
成プロセスについて、図2〜図6を用いて説明する。図
2では記録再生素子の浮上面を研磨加工した直後の状態
を示している。研磨加工後の浮上面は研磨加工によるス
クラッチによりRmax10nmの粗さがあった。特に
材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは集中す
る。
成プロセスについて、図2〜図6を用いて説明する。図
2では記録再生素子の浮上面を研磨加工した直後の状態
を示している。研磨加工後の浮上面は研磨加工によるス
クラッチによりRmax10nmの粗さがあった。特に
材質の柔らかいパーマロイ膜3にスクラッチは集中す
る。
【0028】図3は保護膜4aを浮上面上に10nm形
成した状態を示している。この面に保護膜4aを形成す
るとスクラッチの凸部はそのまま浮上面から突出し、最
悪の場合記録媒体と接触し故障に至る。またスクラッチ
凹部は保護膜4aの付き周りが悪くピンホールが発生し
やすく腐食による故障の原因になる。
成した状態を示している。この面に保護膜4aを形成す
るとスクラッチの凸部はそのまま浮上面から突出し、最
悪の場合記録媒体と接触し故障に至る。またスクラッチ
凹部は保護膜4aの付き周りが悪くピンホールが発生し
やすく腐食による故障の原因になる。
【0029】成膜した保護膜4aの表面にガスクラスタ
ーイオンビームを照射した後の状態を図4に示す。ガス
クラスターイオンビームの照射条件は、ガスとしてAr
を用い、平均クラスターサイズは560個、平均分子量
は22400である。加速電圧は5kvとし、照射量は
5×1015dose/cm2であった。この条件では
10nmあった保護膜4は2nmまでエッチングされ
る。ガスクラスターイオンビームによるエッチングは、
巨大なクラスターの衝突により、表面に沿った方向にそ
の構成分子が崩壊するため、特に凸部に対しエッチレー
トが高くなる性質を有している。そのためスクラッチ部
の上に堆積した保護膜は選択的にエッチングされ、大き
な突起部では下地の材料が露出する状態になる。この状
態の表面粗さは、Rmax4nm、中心線平均面粗さR
a0.4nmで、最大高さRp1nm、最大深さPvは
3nmであった。
ーイオンビームを照射した後の状態を図4に示す。ガス
クラスターイオンビームの照射条件は、ガスとしてAr
を用い、平均クラスターサイズは560個、平均分子量
は22400である。加速電圧は5kvとし、照射量は
5×1015dose/cm2であった。この条件では
10nmあった保護膜4は2nmまでエッチングされ
る。ガスクラスターイオンビームによるエッチングは、
巨大なクラスターの衝突により、表面に沿った方向にそ
の構成分子が崩壊するため、特に凸部に対しエッチレー
トが高くなる性質を有している。そのためスクラッチ部
の上に堆積した保護膜は選択的にエッチングされ、大き
な突起部では下地の材料が露出する状態になる。この状
態の表面粗さは、Rmax4nm、中心線平均面粗さR
a0.4nmで、最大高さRp1nm、最大深さPvは
3nmであった。
【0030】図4の状態の上に炭素膜4bを10nm形
成した状態を図5に示す。そして、図5の状態の表面に
ガスクラスターイオンビームを照射した後の状態を図6
に示す。ガスクラスターイオンビームの照射条件は、図
4の場合と同様にガスはArを用い、平均クラスターサ
イズは560個、平均分子量は22400である。加速
電圧は5kvとし、照射量は5×1015dose/c
m2であった。この条件では、10nmあった炭素膜4
bは2nmまでエッチングされる。この時点で保護膜の
合計厚は4nmである。また保護膜表面の粗さはRma
x3nm、中心線平均面粗さRa0.3nmであった。
成した状態を図5に示す。そして、図5の状態の表面に
ガスクラスターイオンビームを照射した後の状態を図6
に示す。ガスクラスターイオンビームの照射条件は、図
4の場合と同様にガスはArを用い、平均クラスターサ
イズは560個、平均分子量は22400である。加速
電圧は5kvとし、照射量は5×1015dose/c
m2であった。この条件では、10nmあった炭素膜4
bは2nmまでエッチングされる。この時点で保護膜の
合計厚は4nmである。また保護膜表面の粗さはRma
x3nm、中心線平均面粗さRa0.3nmであった。
【0031】ガスクラスターイオンビームの照射量を変
え保護膜の表面粗さに対する保護膜のピンホール発生密
度を測定した結果を図8に示す。保護膜厚は4nmであ
る。ピンホールの測定方法は、10%に希釈した塩酸溶
液中に保護膜を形成した素子を30分間浸漬し、パーマ
ロイ表面に発生した点蝕の数を光学顕微鏡観察によりカ
ウントすることにより行った。その結果、Rmax値の
増加に対しピンホール密度は対数的に増加することが判
った。素子面積に対し十分少ない105個/cm2以下
にするためには表面粗さをRmax5nm以下にする必
要があり、本実施例による平坦化手法により実用的なレ
ベルまでピンホールを減らすことが可能となることが判
った。
え保護膜の表面粗さに対する保護膜のピンホール発生密
度を測定した結果を図8に示す。保護膜厚は4nmであ
る。ピンホールの測定方法は、10%に希釈した塩酸溶
液中に保護膜を形成した素子を30分間浸漬し、パーマ
ロイ表面に発生した点蝕の数を光学顕微鏡観察によりカ
ウントすることにより行った。その結果、Rmax値の
増加に対しピンホール密度は対数的に増加することが判
った。素子面積に対し十分少ない105個/cm2以下
にするためには表面粗さをRmax5nm以下にする必
要があり、本実施例による平坦化手法により実用的なレ
ベルまでピンホールを減らすことが可能となることが判
った。
【0032】以上実施例で説明したように、本発明は、
平坦化すべき磁気記録素子表面に直接ガスクラスターイ
オンビームを照射するのではなく、保護膜成膜時にガス
クラスターイオンビームを同時又は成膜と交互に照射し
保護膜表面の平坦化を行うものである。ガスクラスター
イオンビームを直接磁気記録素子表面に照射しその表面
を平滑化しようと試みた場合、金属磁性体やセラミック
の複合体である磁気記録ヘッドの素子部は材料毎にガス
クラスターイオンの入射に対するエッチングレートが異
なり、柔らかい磁性体は多く削れ、硬いセラミック部分
は残る。同一材料の中では平滑化は可能であるが、材料
毎に凸凹のついた状態になり特に磁性体が浮上面から遠
くなるために記録又は再生すべき媒体との距離が広がり
記録再生素子として機能しなくなる。そこで本発明では
保護膜をいったん成膜する事で表面を同一材料にし、そ
の上からガスクラスターイオンビームを照射する事で表
面の平坦化を図る。しかし成膜後1回のガスクラスター
イオンビーム照射だけでは保護膜を所定の厚さまで削っ
た時点で下地の凸部が表面に近づき場合によっては露出
して保護膜にピンホールを発生させてしまう。そこでガ
スクラスターイオンビームの照射を成膜した保護膜が残
り1〜2nmになるところまで続け、その後保護膜を再
度成膜して所定の膜厚にする。またはさらに厚く成膜し
再度ガスクラスターイオンビームを照射し所定の膜厚ま
で削る。成膜とガスクラスターイオンビーム照射の繰り
返しが多いほど表面の平坦度は向上する。このようにし
て、保護膜のカバレッジを向上し5nm以下の薄い保護
膜によってもピンホールの発生の少ない耐食信頼性の高
い磁気記録ヘッドを生産することができる。
平坦化すべき磁気記録素子表面に直接ガスクラスターイ
オンビームを照射するのではなく、保護膜成膜時にガス
クラスターイオンビームを同時又は成膜と交互に照射し
保護膜表面の平坦化を行うものである。ガスクラスター
イオンビームを直接磁気記録素子表面に照射しその表面
を平滑化しようと試みた場合、金属磁性体やセラミック
の複合体である磁気記録ヘッドの素子部は材料毎にガス
クラスターイオンの入射に対するエッチングレートが異
なり、柔らかい磁性体は多く削れ、硬いセラミック部分
は残る。同一材料の中では平滑化は可能であるが、材料
毎に凸凹のついた状態になり特に磁性体が浮上面から遠
くなるために記録又は再生すべき媒体との距離が広がり
記録再生素子として機能しなくなる。そこで本発明では
保護膜をいったん成膜する事で表面を同一材料にし、そ
の上からガスクラスターイオンビームを照射する事で表
面の平坦化を図る。しかし成膜後1回のガスクラスター
イオンビーム照射だけでは保護膜を所定の厚さまで削っ
た時点で下地の凸部が表面に近づき場合によっては露出
して保護膜にピンホールを発生させてしまう。そこでガ
スクラスターイオンビームの照射を成膜した保護膜が残
り1〜2nmになるところまで続け、その後保護膜を再
度成膜して所定の膜厚にする。またはさらに厚く成膜し
再度ガスクラスターイオンビームを照射し所定の膜厚ま
で削る。成膜とガスクラスターイオンビーム照射の繰り
返しが多いほど表面の平坦度は向上する。このようにし
て、保護膜のカバレッジを向上し5nm以下の薄い保護
膜によってもピンホールの発生の少ない耐食信頼性の高
い磁気記録ヘッドを生産することができる。
【0033】以下に本発明の第2の実施例について説明
する。本実施例は先に述べた第1の実施例に対し、平坦
化の方法としてアルゴンガスクライスターイオンビーム
の照射に変えて、モノマーのアルゴンイオンビームを用
いる。加工対象とした磁気記録ヘッドは第1の実施例と
同じ構造で、同じ研磨工程により加工したものを用い
た。したがって、研磨加工後の浮上面は、研磨加工によ
るスクラッチによりRmax8nm〜15nmの粗さが
ある。この表面に保護膜を10nm成膜し、次にアルゴ
ンイオンビームを照射した。実験したアルゴンガスイオ
ンビームの照射条件は、アルゴンイオンの加速電圧を3
00Vとし、基板への入射角度を基板表面に対して15
度に設定した。垂直に入射する面でのイオン電流密度は
1.1A/m2であった。この条件で1分間照射を行い
保護膜を8nmエッチングした。斜め入射のイオンによ
るエッチングは特に凸部に対しエッチレートが高くなる
性質を有している。そのため凸部はエッチングされて除
去され、凹部は保護膜が堆積したままとなる。その後更
に保護膜を10nm成膜したのち、同じ条件で1分間ア
ルゴンイオンビームを照射する。この時点で保護膜の合
計膜厚は4nmである。このときの保護膜表面の粗さは
Rmax3.5nm、平均面粗さRa0.4nmであっ
た。このようにガスクラスターイオンビームだけでなく
モノマーのイオンビームを低い入射角で照射した場合で
も同様の平坦化効果を得られ、保護膜のカバレッジを向
上させることにより、5nm以下の薄い保護膜によって
もピンホールの発生の少ない耐食信頼性の高い磁気記録
ヘッドを生産することができる。
する。本実施例は先に述べた第1の実施例に対し、平坦
化の方法としてアルゴンガスクライスターイオンビーム
の照射に変えて、モノマーのアルゴンイオンビームを用
いる。加工対象とした磁気記録ヘッドは第1の実施例と
同じ構造で、同じ研磨工程により加工したものを用い
た。したがって、研磨加工後の浮上面は、研磨加工によ
るスクラッチによりRmax8nm〜15nmの粗さが
ある。この表面に保護膜を10nm成膜し、次にアルゴ
ンイオンビームを照射した。実験したアルゴンガスイオ
ンビームの照射条件は、アルゴンイオンの加速電圧を3
00Vとし、基板への入射角度を基板表面に対して15
度に設定した。垂直に入射する面でのイオン電流密度は
1.1A/m2であった。この条件で1分間照射を行い
保護膜を8nmエッチングした。斜め入射のイオンによ
るエッチングは特に凸部に対しエッチレートが高くなる
性質を有している。そのため凸部はエッチングされて除
去され、凹部は保護膜が堆積したままとなる。その後更
に保護膜を10nm成膜したのち、同じ条件で1分間ア
ルゴンイオンビームを照射する。この時点で保護膜の合
計膜厚は4nmである。このときの保護膜表面の粗さは
Rmax3.5nm、平均面粗さRa0.4nmであっ
た。このようにガスクラスターイオンビームだけでなく
モノマーのイオンビームを低い入射角で照射した場合で
も同様の平坦化効果を得られ、保護膜のカバレッジを向
上させることにより、5nm以下の薄い保護膜によって
もピンホールの発生の少ない耐食信頼性の高い磁気記録
ヘッドを生産することができる。
【0034】なお、実施例では、保護膜として炭素膜を
形成することで説明したが、炭素と珪素との積層膜を形
成することも可能であり、同様な作用効果を奏すること
ができる。
形成することで説明したが、炭素と珪素との積層膜を形
成することも可能であり、同様な作用効果を奏すること
ができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、保護膜のカバレッジを
向上し5nm以下の薄い保護膜としてもピンホールの発
生の少ない耐食信頼性の高い磁気記録ヘッド及びその製
造方法並びに炭素保護膜形成装置を得ることができる。
向上し5nm以下の薄い保護膜としてもピンホールの発
生の少ない耐食信頼性の高い磁気記録ヘッド及びその製
造方法並びに炭素保護膜形成装置を得ることができる。
【図1】実施例1の磁気記録ヘッドの素子部断面構造説
明図。
明図。
【図2】実施例1の磁気記録ヘッドの浮上面研磨工程後
の素子部断面構造説明図。
の素子部断面構造説明図。
【図3】実施例1の磁気記録ヘッドの最初の保護膜成膜
後の素子部断面構造説明図。
後の素子部断面構造説明図。
【図4】実施例1の磁気記録ヘッドの最初のガスクラス
ターイオンビーム照射後の素子部断面構造説明図。
ターイオンビーム照射後の素子部断面構造説明図。
【図5】実施例の磁気記録ヘッドの2回目の保護膜成膜
後の素子部断面構造説明図。
後の素子部断面構造説明図。
【図6】実施例の磁気記録ヘッドの2回目のガスクラス
ターイオンビーム照射後の素子部断面構造説明図。
ターイオンビーム照射後の素子部断面構造説明図。
【図7】実施例の保護膜形成装置の一例の説明図。
【図8】実施例の磁気記録ヘッドにおける面粗さとピン
ホール密度の関係の説明図。
ホール密度の関係の説明図。
【図9】従来技術に基づく磁気記録ヘッドの素子部断面
構造説明図。
構造説明図。
1 セラミック基板
2 アルミナ膜
3 パーマロイ膜
4、4a、4b 炭素膜
5 珪素膜
11 ガス導入部
12 クラスター生成室
13 超音速ノズル
14 スキーマ
15 イオン化加速電極
16 TMP
17 マスフィルタ
18 炭素イオン源
21 被処理基板
31 ガスクラスターイオンビーム
32 カーボンプラズマ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 古澤 賢司
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株
式会社日立製作所生産技術研究所内
Fターム(参考) 5D111 AA13 AA24 FF07 FF15 FF23
GG12 JJ03 KK20
Claims (10)
- 【請求項1】 記録再生素子の媒体に相対する面が炭素
又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で覆われ、か
つ、記録再生素子と保護膜との界面の面性状が最大深さ
Rv2nm以上である磁気記録ヘッドであって、 前記保護膜の合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護
膜の表面の中心線平均面粗さRaが0.5nm以下であ
ることを特徴とする磁気記録ヘッド。 - 【請求項2】 記録再生素子の媒体に相対する面が炭素
又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で覆われている
磁気記録ヘッドであって、 前記保護膜の合計膜厚が5nm以下であり、かつ、保護
膜のピンホール発生密度が、低濃度の酸溶液に浸漬する
ピンホール試験により、記録再生素子上に発生する腐食
痕の密度が1×105個/cm2以下であることを特徴
とする磁気記録ヘッド。 - 【請求項3】 バー切断後再生素子高さを制御する浮上
面ラップ加工を行い、次に、記録再生素子の媒体に相対
する面に炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で
覆う磁気記録ヘッドの製造方法であって、 炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成することと、希
ガスによるクラスターイオンビームを膜表面に照射する
こととを交互に行うことを特徴とする磁気記録ヘッドの
製造方法。 - 【請求項4】 バー切断後再生素子高さを制御する浮上
面ラップ加工を行い、次に、記録再生素子の媒体に相対
する面が炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で
覆う磁気記録ヘッドの製造方法であって、 希ガスによるクラスターイオンビームを形成中の保護膜
表面に照射しながら炭素又は炭素と珪素との積層からな
る保護膜を浮上面に形成することを特徴とする磁気記録
ヘッドの製造方法。 - 【請求項5】 請求項3又は4に記載の磁気記録ヘッド
の製造方法において、 個々のアルゴンガスクラスターイオンの加速電圧にその
クラスターイオンの電荷価数をかけ、更に個々のアルゴ
ンクラスターイオンを構成する原子数で割った値、つま
りクラスターを構成する原子1個当たりに与える運動エ
ネルギーが100eV以下であることを特徴とする磁気
記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 請求項3又は4に記載の磁気記録ヘッド
の製造方法において、 炭素膜形成方法として炭素ターゲットへのアーク放電に
よるカソーディックアーク法を使用し、その際、プロセ
ス圧力が10−3Pa以下であることを特徴とする磁気
記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項7】 記録再生素子の媒体に相対する面に炭素
又は炭素と珪素との積層からなる炭素保護膜を形成する
装置であって、 炭素ターゲットへのアーク放電によるカソーディックア
ーク法による炭素膜形成部と、クラスターイオンビーム
法による炭素膜照射部とを備えることを特徴とする炭素
保護膜形成装置。 - 【請求項8】 バー切断後、再生素子高さを制御する浮
上面ラップ加工を行い、次に記録再生素子の媒体に相対
する面に炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で
覆う磁気記録ヘッドの製造方法であって、 炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成することと、そ
の膜の表面に対し20度以内の浅い角度で入射するアル
ゴンイオンビームを照射することとを交互に行うことを
特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 バー切断後、再生素子高さを制御する浮
上面ラップ加工を行い、次に記録再生素子の媒体に相対
する面に炭素又は炭素と珪素との積層からなる保護膜で
覆う磁気記録ヘッドの製造方法であって、 炭素又は炭素と珪素との積層の膜を形成するのと同時
に、その膜の表面に対し20度以内の浅い角度で入射す
るアルゴンイオンビームを照射することを特徴とする磁
気記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 請求項8又は9に記載の磁気記録ヘッ
ドの製造方法において、 膜表面に入射する個々のアルゴンイオンの運動エネルギ
ーについて、入射する膜表面に対する法線方向成分が1
00eV以下であることを特徴とする磁気記録ヘッドの
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002004872A JP2003208703A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 磁気記録ヘッド及びその製造方法並び炭素保護膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002004872A JP2003208703A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 磁気記録ヘッド及びその製造方法並び炭素保護膜形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003208703A true JP2003208703A (ja) | 2003-07-25 |
Family
ID=27644078
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002004872A Pending JP2003208703A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 磁気記録ヘッド及びその製造方法並び炭素保護膜形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003208703A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007280560A (ja) * | 2006-04-11 | 2007-10-25 | Shinka Jitsugyo Kk | スライダおよびスライダの製造方法 |
| JP2009134839A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Shinka Jitsugyo Kk | 保護膜形成方法 |
| JP2010267360A (ja) * | 2009-05-15 | 2010-11-25 | Sae Magnetics (Hk) Ltd | 磁気ヘッドスライダの製造方法 |
| JP4765106B2 (ja) * | 2005-05-20 | 2011-09-07 | 日本航空電子工業株式会社 | 固体試料表面の平坦化加工方法 |
| US8310788B2 (en) | 2007-11-28 | 2012-11-13 | Sae Magnetics (H.K.) Ltd. | Protective film forming method |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004872A patent/JP2003208703A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4765106B2 (ja) * | 2005-05-20 | 2011-09-07 | 日本航空電子工業株式会社 | 固体試料表面の平坦化加工方法 |
| US8178857B2 (en) | 2005-05-20 | 2012-05-15 | Japan Aviation Electronics Industry, Limited | Method and apparatus for flattening solid surface |
| JP2007280560A (ja) * | 2006-04-11 | 2007-10-25 | Shinka Jitsugyo Kk | スライダおよびスライダの製造方法 |
| JP2009134839A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Shinka Jitsugyo Kk | 保護膜形成方法 |
| US8310788B2 (en) | 2007-11-28 | 2012-11-13 | Sae Magnetics (H.K.) Ltd. | Protective film forming method |
| JP2010267360A (ja) * | 2009-05-15 | 2010-11-25 | Sae Magnetics (Hk) Ltd | 磁気ヘッドスライダの製造方法 |
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