JP2003222171A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JP2003222171A
JP2003222171A JP2002024127A JP2002024127A JP2003222171A JP 2003222171 A JP2003222171 A JP 2003222171A JP 2002024127 A JP2002024127 A JP 2002024127A JP 2002024127 A JP2002024127 A JP 2002024127A JP 2003222171 A JP2003222171 A JP 2003222171A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッドスプリングの延出部の付勢力に起因し
て生じるパッドの引きずりを防止することができるディ
スクブレーキの提供。 【解決手段】 パッドスプリング14に、キャリアへの
係止部13からディスク半径方向内方に延出しパッド1
5のディスク半径方向内側に接触部51において接触し
てこれを少なくともディスク半径方向外方に付勢する延
出部41が設けられており、この延出部41のディスク
軸線方向においてディスクから離間する方向のバネ定数
がディスクに近接する方向のバネ定数より大きく設定さ
れている。空転時にディスクのパッド対向位置が軸線方
向外側に振れることによってパッド15がディスクで押
されてディスクから離間する方向に移動すると、延出部
41はこの方向のバネ定数が大きく変形しにくいことか
らパッド15を延出部41に対し容易に摺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いて好適
なディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキには、車両の非回転部
に取り付けられるキャリアと、キャリアに係止部におい
て係止されるパッドスプリングと、ディスクの軸線方向
における両側に配置された状態でキャリアにパッドスプ
リングの係止部を介して摺動可能に支持される一対のパ
ッドと、一対のパッドをディスクに押し付けて制動力を
発生させるキャリパとを有するものがある。
【0003】そして、上記パッドスプリング100の従
来のものは図9に示す形状となっており、キャリアへの
係止部101と、この係止部101からディスク半径方
向内方(図9における下方向)に延出しパッド102の
ディスク半径方向内側に接触部103において接触して
これを少なくともディスク半径方向外方に付勢する延出
部104が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したデ
ィスクブレーキは、ディスクに面振れを生じていた場
合、ディスクの空転時(非制動回転時)に、ディスクの
パッド対向位置が軸線方向外側に振れることによってパ
ッド102がディスクに押されてディスクから離間する
方向に移動することになるが、パッド102に接触する
パッドスプリング100の延出部104が弾性変形して
これに追従してしまうことがある。その結果、ディスク
のパッド対向位置のディスク軸線方向外側への振れが小
さくなると、パッドスプリング100の延出部104の
付勢力(復元力)でパッド102がディスクに近接する
方向に戻されてしまう。このため、ディスクの外側への
振れ位置が再びパッド対向位置にくると、またパッド1
02がディスクに接触しこれで押されるという動作を繰
り返すことになる。
【0005】上記により、非制動状態においてもディス
クにパッドが接触する、いわゆるパッドの引きずりが生
じ、このような引きずりによるトルクが車輪の回転抵抗
となって、燃費に影響を及ぼすことになる。また、パッ
ドが断続的にしかも繰り返しディスクに接触するためデ
ィスクが不均一に摩耗することになり、その結果、制動
時にジャダーを生じやすくなる可能性があった。
【0006】本発明は、パッドスプリングの延出部の付
勢力に起因して生じるパッドの引きずりを防止すること
ができるディスクブレーキの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、車両
の非回転部に取り付けられるキャリアと、該キャリアに
係止部において係止されるパッドスプリングと、ディス
クの軸線方向における両側に配置された状態で前記キャ
リアに前記パッドスプリングの前記係止部を介して摺動
可能に支持される一対のパッドと、該一対のパッドをデ
ィスクに押し付けて制動力を発生させるキャリパとを有
し、前記パッドスプリングには前記係止部からディスク
半径方向内方に延出し前記パッドのディスク半径方向内
側に接触部において接触してこれを少なくともディスク
半径方向外方に付勢する延出部が設けられたものであっ
て、前記延出部は、ディスク軸線方向においてディスク
から離間する方向のバネ定数がディスクに近接する方向
のバネ定数より大きく設定されていることを特徴として
いる。
【0008】このように、パッドスプリングの係止部か
らディスク半径方向内方に延出しパッドのディスク半径
方向内側に接触部において接触してこれを少なくともデ
ィスク半径方向外方に付勢するように設けられた延出部
について、ディスク軸線方向においてディスクから離間
する方向のバネ定数がディスクに近接する方向のバネ定
数より大きく設定されているため、ディスクに面振れを
生じていてディスクの空転時(非制動回転時)にディス
クのパッド対向位置が軸線方向外側に振れることによっ
てパッドがディスクで押されてディスクから離間する方
向に移動すると、延出部はこの方向のバネ定数が大きく
変形しにくいことから、パッドが延出部に対し摺動して
ディスクから離間する方向に移動する。よって、ディス
クのパッド対向位置のディスク軸線方向外側への振れが
小さくなっても、パッドスプリングの延出部の付勢力
(復元力)でパッドがディスクに近接する方向に戻され
てしまうことがなくなり、ディスクの外側への振れ位置
が再びパッド対向位置にきても、パッドがディスクに接
触しこれで押されるという状態が再び起こることはなく
なる。
【0009】本発明の請求項2記載のディスクブレーキ
は、請求項1記載のものに関して、前記延出部には、デ
ィスク軸線方向においてディスクから離間する方向に変
形する際に前記キャリアに当接して付勢力を発生させる
当接部が設けられていることを特徴としている。
【0010】このように、延出部には、ディスク軸線方
向においてディスクから離間する方向に変形する際にキ
ャリアに当接して付勢力を発生させる当接部が設けられ
ているため、ディスクに面振れを生じていてディスクの
空転時(非制動回転時)にディスクのパッド対向位置が
軸線方向外側に振れることによってパッドがディスクで
押されてディスクから離間する方向に移動すると、延出
部は当接部がキャリアに当接することにより変形しにく
くなることから、パッドが延出部に対し摺動してディス
クから離間する方向に移動する。よって、ディスクのパ
ッド対向位置のディスク軸線方向外側への振れが小さく
なっても、パッドスプリングの延出部の付勢力(復元
力)でパッドがディスクに近接する方向に戻されてしま
うことがなくなり、ディスクの外側への振れ位置が再び
パッド対向位置にきても、パッドがディスクに接触しこ
れで押されるという状態が再び起こることはなくなる。
【0011】本発明の請求項3記載のディスクブレーキ
は、請求項2記載のものに関して、前記当接部は前記キ
ャリアのディスク対向面に当接することを特徴としてい
る。
【0012】このように、延出部に設けられた当接部が
キャリアのディスク対向面に当接するため、延出部がデ
ィスク軸線方向においてディスクから離間する方向に変
形する際に当接部よって確実に付勢力を発生させること
ができる。
【0013】本発明の請求項4記載のディスクブレーキ
は、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものに関し
て、前記延出部には前記係止部と前記接触部との間に1
ケ所以上の折曲部が形成されていることを特徴としてい
る。
【0014】このように、延出部には係止部と接触部と
の間に1ケ所以上の折曲部が形成されており、ディスク
に面振れを生じていてディスクの空転時(非制動回転
時)にディスクのパッド対向位置が軸線方向外側に振れ
ることによってパッドがディスクで押されてディスクか
ら離間する方向に移動した場合に、延出部がディスク軸
線方向に特に変形しやすいため、ディスク軸線方向にお
いてディスクから離間する方向のバネ定数をディスクに
近接する方向のバネ定数より大きくすることによる効果
が高まる。
【0015】本発明の請求項5記載のディスクブレーキ
は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関し、
前記キャリアおよび前記パッドのいずれか一方にディス
ク円周方向に凹む支持凹部が形成されており、前記キャ
リアおよび前記パッドのいずれか他方にディスク円周方
向に突出する凸部が形成されていて、前記支持凹部に前
記凸部が係合することにより、前記パッドが前記キャリ
アに支持されていることを特徴としている。
【0016】このように、キャリアおよびパッドのいず
れか一方にディスク円周方向に凹んで形成された支持凹
部に、キャリアおよびパッドのいずれか他方にディスク
円周方向に突出して形成された凸部が係合することによ
り、パッドがキャリアに支持されているため、パッドの
ディスク半径方向をパッドスプリングだけで支える必要
がなく、パッドスプリングの荷重を低くできる。その結
果、パッドとパッドスプリングの延出部との間の摩擦力
を小さくできるため、ディスクに面振れを生じていてデ
ィスクの空転時(非制動回転時)にディスクのパッド対
向位置が軸線方向外側に振れることによってパッドがデ
ィスクで押されてディスクから離間する方向に移動する
と、パッドが延出部に対しより容易に摺動してディスク
から離間する方向に容易に移動する。
【0017】本発明の請求項6記載のディスクブレーキ
は、請求項1乃至5のいずれか一項記載のものに関し
て、前記パッドスプリングは、前記パッドをディスクに
対し反対方向に付勢する戻し付勢部を有しており、前記
係止部における前記パッドとの接触位置と、前記接触部
との間の中間位置に前記戻し付勢部が設けられているこ
とを特徴としている。
【0018】このように、パッドスプリングは、パッド
をディスクに対し反対方向に付勢する戻し付勢部を有し
ており、パッド戻し時に係止部における摩擦力が生じる
パッドとの接触位置と、延出部における摩擦力が生じる
接触部との間の中間位置に戻し付勢部が設けられている
ため、戻し付勢部でパッドをディスクに対し傾けずにデ
ィスク半径方向内外で均等に戻すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態のディスク
ブレーキを図1〜図4を参照して以下に説明する。な
お、以下においては、車両を制動可能な正規位置に配置
された状態をもって説明する。
【0020】第1実施形態のディスクブレーキ10は、
図1に示すように、ディスク11の半径方向外側を跨ぐ
ように配置された状態でディスク11の軸線方向(図1
における紙面直交方向)、円周方向(図1における左右
方向)および半径方向(図1における上下方向)のいず
れの方向においても位置固定となるよう車両の非回転部
に取り付けられるキャリア12と、互いにディスク円周
方向に間隔をあけた状態でキャリア12に係止部13に
おいて係止される一対のパッドスプリング14と、ディ
スク11の軸線方向における両側にディスク11を挾む
よう配置された状態で一対のパッドスプリング14の係
止部13を介してキャリア12に摺動可能に支持される
一対のパッド15と、キャリア12の二カ所の摺動案内
部16に図示せぬスライドピンを介してディスク軸線方
向に摺動自在となるよう支持されてパッド15を両外側
からディスク11に押し付けて制動力を発生させるキャ
リパ17とで主に構成された、いわゆるピンスライド型
のものである。
【0021】一対のパッド15は、共に、ディスク11
に接触して摩擦力を発生させるライニング19と、ライ
ニング19を固着状態で保持する裏金20とを有してお
り、ライニング19同士を対向させた状態でディスク1
1に対し軸線方向における両側に配置される。
【0022】裏金20は、ディスク円周方向における両
側に突出する凸部23を有する鏡面対象形状をなしてい
る。凸部23は、図2に示すように、ディスク軸線方向
(図2における紙面直交方向)に沿いかつディスク円周
方向(図2における左右方向)に沿うとともにディスク
半径方向(図2における上下方向)における外側(図2
における上側)に配置される面部24と、ディスク軸線
方向に沿いかつディスク円周方向に沿うとともにディス
ク半径方向における内側(図2における下側)に配置さ
れる面部25と、ディスク軸線方向に沿うとともにディ
スク円周方向における端部に配置される端面部26とを
有している。この端面部26は、互いに平行をなす面部
24および面部25に対し直交している。また、各凸部
23には、裏金20からライニング19に対し反対方向
に一旦突出した後、湾曲して裏金の方向に戻るループ状
の戻り係止部材27がそれぞれ固定されている。
【0023】図1に示すように、キャリア12は、それ
ぞれがディスク11の半径方向における外周を跨ぐよう
に配置されしかもディスク円周方向において互いに離間
配置される上記した二カ所の摺動案内部16と、これら
摺動案内部16のそれぞれの端部から、ディスク軸線方
向におけるディスク11の各側においてそれぞれディス
ク半径方向内方に一旦延出するトルク受部29と、これ
らトルク受部29のうちディスク軸線方向における同側
のもの同士を延出先端側において連結させる連結部30
とを有している。
【0024】そして、トルク受部29のディスク円周方
向における内側位置には、それぞれ、ディスク円周方向
に一段凹む支持凹部33がディスク軸線方向に延在する
ように形成されており、これら支持凹部33は、互いに
対向しディスク円周方向に離間して配設されている。
【0025】支持凹部33は、図2に示すように、ディ
スク軸線方向に沿いかつディスク円周方向に沿うととも
にディスク半径方向における外側に配置される面部34
と、ディスク軸線方向に沿いかつディスク円周方向に沿
うとともにディスク半径方向における内側に配置される
面部35と、これら面部34,35の間にディスク軸線
方向に沿って配置される底面部36とを有している。こ
の底面部36は、互いに平行をなす面部34,35に対
し直交している。
【0026】パッドスプリング14は、パッド15のデ
ィスク軸線方向の摺動を案内するもので、図3に示すよ
うに、鏡面対称形状をなしている。パッドスプリング1
4は、ディスク軸線方向(図3におけるX方向)に沿っ
て長い形状をなす連結板部38と、連結板部38のディ
スク軸線方向における両側からそれぞれディスク軸線方
向に沿いかつディスク半径方向(図3におけるY方向)
に沿ってディスク半径方向内方に突出する外側突出板部
39と、連結板部38の外側突出板部39間のディスク
半径方向内側からディスク円周方向(図3におけるZ方
向)の一側に傾斜しつつ突出する係止板部40と、各外
側突出板部39のディスク半径方向内側にそれぞれ設け
られた上記係止部13と、各係止部13のディスク半径
方向内側の端部から全体としてディスク半径方向内方に
延出する延出部41と、各延出部41のディスクに対し
反対側の端部からディスク円周方向外側に突出しディス
ク半径方向内方に一旦延出した後にディスク半径方向外
側に折り返す形状の戻し付勢部42とを有している。
【0027】係止部13は、そのディスク半径方向外側
においてディスク円周方向における係止板部39と同側
に一段凹む形状に折り曲げられている。つまり、係止部
13は、外側突出板部39からこれに垂直をなしディス
ク軸線方向かつディスク円周方向に沿って係止板部40
と同側(すなわちパッド15に対し反対側)に延出する
板部47と、板部47よりもディスク半径方向内側から
この板部47と平行に延在する板部48と、これら板部
47,48の間にディスク軸線方向に沿って設けられる
底板部49とを有している。この底板部49は、板部4
7および板部48に対し直交している。
【0028】延出部41は、係止部13のディスク半径
方向内側の端部からディスク軸線方向に沿いかつディス
ク半径方向に沿ってディスク半径方向内方に延出する内
側突出板部45と、内側突出板部45のディスク半径方
向内側からディスク円周方向における係止板部39と逆
側に傾斜しつつディスク半径方向内方に延出する付勢板
部46とを有している。
【0029】内側突出板部45は、パッド15のディス
ク円周方向における側面に当接してパッド15のディス
ク軸線方向における摺動を案内するもので、パッド15
は主に内側突出板部45を介してトルク受部29に制動
トルクを導入する。
【0030】付勢板部46は、キャリア12から離間し
た状態で延出するとともに延出先端側の接触部51でパ
ッド15のディスク半径方向内側に接触してこれをディ
スク半径方向外方に付勢する。なお、延出部41には、
付勢板部46を形成するために、接触部51と係止部1
3との間に複数の折曲部52が形成されている。
【0031】このようなパッドスプリング14は、その
係止部13においてキャリア12の支持凹部33に嵌合
されることでキャリア12に対しディスク半径方向の移
動が規制され、その内側突出板部45においてキャリア
12およびパッド15に当接することでキャリア12に
対しディスク円周方向の移動が規制され、さらに、係止
板部40がキャリア12のディスク軸線方向に離間した
トルク受部29同士の間に係止されることでディスク軸
線方向の移動が規制された状態で、キャリア12に取り
付けられることになる。なお、キャリア12のディスク
円周方向における両側にそれぞれパッドスプリング14
が対向状態で取り付けられる。
【0032】そして、このようにキャリア12のディス
ク円周方向両側に取り付けられた一対のパッドスプリン
グ14の屈曲凹状の係止部13に両側の凸部23を挿入
させてパッド15がこれらパッドスプリング14に支持
されることになる。このとき、パッド15は、パッドス
プリング14の延出部41の付勢板部46によってディ
スク半径方向外方に付勢される。この付勢により、パッ
ド15はその凸部23のディスク半径方向外側の面部2
4がパッドスプリング14の係止部13の板部47に接
触することになる。その結果、パッド15は、ディスク
半径方向においては、パッドスプリング14の板部(接
触位置)47と延出部41の接触部51とに接触するこ
とになる。
【0033】また、パッド15の凸部23に取り付けら
れた戻り係止部材27内に戻し付勢部42の先端側が挿
入される。これにより、戻し付勢部42の付勢力でパッ
ド15をディスク11に対し反対方向に付勢可能となっ
ている。
【0034】なお、パッド15は、一対のものがディス
ク11の軸線方向における両側に配置されるようにして
それぞれディスク円周方向における両側のパッドスプリ
ング14に支持される。
【0035】第1実施形態においては、パッドスプリン
グ14の両延出部41の付勢板部46の延出方向におけ
る中間位置に、ディスク11側の端部からディスク半径
方向内方に向けてディスク11とほぼ平行に延出する当
接部55が形成されている。
【0036】パッドスプリング14がキャリア12に取
り付けられた状態において、この当接部55は、図4に
示すように、そのディスク11に対し反対側にあるキャ
リア12の連結部30のディスク11と平行なディスク
対向面56に対向配置されて当接している。なお、当接
部55とディスク対向面56との間には、ディスクの面
振れによるパッドの移動量よりも小さければ、若干の隙
間があってもよい。
【0037】このように、パッドスプリング14がキャ
リア12に取り付けられた状態において、当接部55
は、これが設けられた延出部41がディスク軸線方向に
おいて弾性変形していない状態からディスク11に対し
離間する方向に変形するとそのディスク11に対し反対
側にあるキャリア12のディスク対向面56に当接して
付勢力を発生させる。
【0038】一方、延出部41は、キャリア12のディ
スク対向面56と反対側の面には当接しない形状となっ
ている。
【0039】以上のように当接部55が形成されている
ことで、延出部41は、ディスク軸線方向においてディ
スク11から離間する方向のバネ定数がディスク11に
近接する方向のバネ定数より大きく設定されている。
【0040】また、ディスク半径方向において、パッド
15に接触するパッドスプリング14の係止部13の板
部47と延出部51の接触部51との間の中間位置に戻
し付勢部42のパッド15との接触位置が設けられてい
る。
【0041】キャリパ17は、図示せぬ一方のパッドの
ディスク11に対し反対側に対向配置される図示せぬシ
リンダ部と、このシリンダ部の一側からディスク11の
外周部を跨いで延出するディスクパス部60と、このデ
ィスクパス部60のシリンダ部に対し反対側から他方の
パッド15のディスク11に対し反対側に対向配置され
る爪部61とを有している。
【0042】そして、シリンダ部には、ディスク11側
に開口するよう断面円形状をなす図示せぬボアが設けら
れており、このボアには、図示せぬピストンが摺動自在
に嵌合されている。このピストンは、図示せぬ一方のパ
ッドを押圧することになり、爪部61は、このピストン
の押圧による反力で他方のパッド15を押圧し、その結
果、キャリパ17は、両パッド15を両外側からディス
ク11の方向に押圧する。
【0043】以上に述べた第1実施形態のディスクブレ
ーキ10によれば、パッドスプリング14の係止部13
からディスク半径方向内方に延出しパッド15のディス
ク半径方向内側に接触部51において接触してこれを少
なくともディスク半径方向外方に付勢するように設けら
れた延出部41について、当接部55が設けられること
でディスク軸線方向においてディスク11から離間する
方向のバネ定数がディスク11に近接する方向のバネ定
数より大きく設定されているため、ディスク11に面振
れを生じていてディスク11の空転時(非制動回転時)
にディスク11のパッド対向位置が軸線方向外側に振れ
ることによってパッド15がディスク11で押されてデ
ィスク11から離間する方向に移動すると、延出部41
はこの方向のバネ定数が大きく変形しにくいことから、
パッド15が延出部41に対し摺動してディスク11か
ら離間する方向に移動する。よって、ディスク11のパ
ッド対向位置のディスク軸線方向外側への振れが小さく
なっても、パッドスプリング14の延出部41の付勢力
(復元力)でパッド15がディスク11に近接する方向
に戻されてしまうことがなくなり、ディスク11の外側
への振れ位置が再びパッド対向位置にきても、パッド1
5がディスク11に接触しこれで押されるという状態が
再び起こることはなくなる。
【0044】したがって、パッドスプリング14の延出
部41の付勢力に起因して生じるパッド15の引きずり
を防止することができる。
【0045】しかも、キャリア12に当接して付勢力を
発生させる当接部55を延出部41に設ければよいた
め、簡素な構成で、パッドスプリング14の延出部41
の付勢力に起因して生じるパッド15の引きずりを防止
することができる。
【0046】さらに、延出部41に設けられた当接部5
5がキャリア12のディスク11と平行なディスク対向
面56に当接するため、延出部41がディスク軸線方向
においてディスク11から離間する方向に変形する際に
当接部55よって確実に付勢力を発生させることができ
る。
【0047】加えて、延出部41は、キャリア12のデ
ィスク11に対し反対側には当接しないため、ディスク
軸線方向においてディスク11から離間する方向のバネ
定数をディスク11に近接する方向のバネ定数より大き
く設定することが容易にできる。
【0048】さらに、延出部41には係止部13と接触
部51との間に1ケ所以上の折曲部52が形成されてお
り、ディスク11に面振れを生じていてディスク11の
空転時(非制動回転時)にディスク11のパッド対向位
置が軸線方向外側に振れることによってパッド15がデ
ィスク11で押されてディスク11から離間する方向に
移動した場合に、延出部41がディスク軸線方向に特に
変形しやすいため、ディスク軸線方向においてディスク
11から離間する方向のバネ定数をディスク11に近接
する方向のバネ定数より大きくすることによる効果が高
まる。
【0049】さらに、キャリア12にディスク円周方向
に凹んで支持凹部33を形成し、パッド15にディスク
円周方向に突出して凸部23を形成し、これら支持凹部
33と凸部23とが係合することにより、パッド15が
キャリア12に支持されているため、パッド15のディ
スク半径方向の荷重をパッドスプリング14だけで支え
る必要がなく、パッドスプリング14の荷重を低くでき
る。その結果、パッド15とパッドスプリング14の延
出部41との間の摩擦力を小さくできるため、ディスク
11に面振れを生じていてディスク11の空転時(非制
動回転時)にディスク11のパッド対向位置が軸線方向
外側に振れることによってパッド15がディスク11で
押されてディスク11から離間する方向に移動すると、
パッド15が延出部41に対しより容易に摺動してディ
スク11から離間する方向に容易に移動する。
【0050】したがって、パッドスプリング14の延出
部41の付勢力に起因して生じるパッド15の引きずり
を確実に防止することができる。
【0051】加えて、パッドスプリング14は、パッド
15をディスク11に対し反対方向に付勢する戻し付勢
部42を有しており、パッド戻し時に係止部13におけ
る摩擦力が生じるパッド15との接触位置である板部4
7と、延出部41における摩擦力が生じる接触部51と
の間の中間位置に戻し付勢部42のパッド15への接触
部が設けられているため、戻し付勢部42でパッド15
をディスク11に対し傾けずにディスク半径方向内外で
均等に戻すことができる。
【0052】なお、以上では、キャリア12にディスク
円周方向に凹んで支持凹部33を形成し、パッド15に
ディスク円周方向に突出して凸部23を形成し、これら
を係合させることによりパッド15をキャリア12に支
持する場合を例にとり説明したが、パッド15にディス
ク円周方向に凹んで支持凹部を形成し、キャリア12に
ディスク円周方向に突出して凸部を形成し、これらを係
合させることによりパッド15をキャリア12に支持す
る場合にも勿論適用可能である。
【0053】次に、本発明のディスクブレーキの第2実
施形態を図5および図6を参照して以下に第1実施形態
との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と
同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0054】第2実施形態のディスクブレーキは、パッ
ドスプリング14の両延出部41の付勢板部46の延出
方向における中間位置に、ディスク軸線方向における中
間所定範囲がディスク11に対し反対側ほどディスク半
径方向内方となるように傾斜状態に切り起こされること
により形成された当接部65を有している。一方、キャ
リア12の連結部30のディスク半径方向外側のディス
ク11側には、当接部65を配置するための一段凹む段
部66が形成されている。
【0055】そして、パッドスプリング14がキャリア
12に取り付けられた状態において、この当接部65
は、そのディスク11に対し反対側にあるキャリア12
の連結部30の段部66のディスク11と平行なディス
ク対向面67にその先端部が対向配置される。
【0056】このように、パッドスプリング14がキャ
リア12に取り付けられた状態において、当接部65
は、これが設けられた延出部41がディスク軸線方向に
おいて弾性変形していない状態からディスク11に対し
離間する方向に変形するとそのディスク11に対し反対
側にあるキャリア12の連結部30のディスク11と平
行なディスク対向面67に当接して付勢力を発生させ
る。
【0057】一方、延出部41は、キャリア12のディ
スク11に対し反対側には当接しない形状となってい
る。
【0058】以上のように当接部65が形成されている
ことで、延出部41は、第1実施形態と同様、ディスク
軸線方向においてディスク11から離間する方向のバネ
定数がディスク11に近接する方向のバネ定数より大き
く設定されている。
【0059】その結果、第2実施形態のディスクブレー
キは、第1実施形態と同様の効果を発揮することにな
る。
【0060】次に、本発明のディスクブレーキの第3実
施形態を図7および図8を参照して以下に第1実施形態
との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と
同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0061】第3実施形態のディスクブレーキは、パッ
ドスプリング14の両延出部41の内側突出板部45の
延出方向における中間位置に、ディスク11側の端部か
らディスク円周方向外方に向けて、ディスク11とほぼ
平行に延出する当接部70が形成されている。
【0062】パッドスプリング14がキャリア12に取
り付けられた状態において、この当接部70は、そのデ
ィスク11に対し反対側にあるキャリア12のトルク受
部29のディスク11と平行なディスク対向面71に対
向配置される。
【0063】このように、パッドスプリング14がキャ
リア12に取り付けられた状態において、当接部70
は、これが設けられた延出部41がディスク軸線方向に
おいて弾性変形していない状態からディスク11に対し
離間する方向に変形するとそのディスク11に対し反対
側にあるキャリア12のトルク受部29のディスク11
と平行なディスク対向面71に当接して付勢力を発生さ
せる。
【0064】一方、延出部41は、キャリア12のディ
スク11に対し反対側には当接しない形状となってい
る。
【0065】以上のように当接部70が形成されている
ことで、延出部41は、ディスク軸線方向においてディ
スク11から離間する方向のバネ定数がディスク11に
近接する方向のバネ定数より大きく設定されている。
【0066】その結果、第3実施形態のディスクブレー
キは、第1実施形態と同様の効果を発揮することにな
る。
【0067】なお、第3実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングは、係止部13に、ディスク軸線方向
における中間部からディスク円周方向における外側に若
干切り起こされることによりディスク半径方向における
外側に突出する突出片部72を有しており、その結果、
この突出片部72により係止部13は支持凹部33に対
しディスク半径方向内方に押し付けられる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載のディスクブレーキによれば、パッドスプリングの
係止部からディスク半径方向内方に延出しパッドのディ
スク半径方向内側に接触部において接触してこれを少な
くともディスク半径方向外方に付勢するように設けられ
た延出部について、ディスク軸線方向においてディスク
から離間する方向のバネ定数がディスクに近接する方向
のバネ定数より大きく設定されているため、ディスクに
面振れを生じていてディスクの空転時(非制動回転時)
にディスクのパッド対向位置が軸線方向外側に振れるこ
とによってパッドがディスクで押されてディスクから離
間する方向に移動すると、延出部はこの方向のバネ定数
が大きく変形しにくいことから、パッドが延出部に対し
摺動してディスクから離間する方向に移動する。よっ
て、ディスクのパッド対向位置のディスク軸線方向外側
への振れが小さくなっても、パッドスプリングの延出部
の付勢力(復元力)でパッドがディスクに近接する方向
に戻されてしまうことがなくなり、ディスクの外側への
振れ位置が再びパッド対向位置にきても、パッドがディ
スクに接触しこれで押されるという状態が再び起こるこ
とはなくなる。
【0069】したがって、パッドスプリングの延出部の
付勢力に起因して生じるパッドの引きずりを防止するこ
とができる。
【0070】本発明の請求項2記載のディスクブレーキ
によれば、延出部には、ディスク軸線方向においてディ
スクから離間する方向に変形する際にキャリアに当接し
て付勢力を発生させる当接部が設けられているため、デ
ィスクに面振れを生じていてディスクの空転時(非制動
回転時)にディスクのパッド対向位置が軸線方向外側に
振れることによってパッドがディスクで押されてディス
クから離間する方向に移動すると、延出部は当接部がキ
ャリアに当接することにより変形しにくくなることか
ら、パッドが延出部に対し摺動してディスクから離間す
る方向に移動する。よって、ディスクのパッド対向位置
のディスク軸線方向外側への振れが小さくなっても、パ
ッドスプリングの延出部の付勢力(復元力)でパッドが
ディスクに近接する方向に戻されてしまうことがなくな
り、ディスクの外側への振れ位置が再びパッド対向位置
にきても、パッドがディスクに接触しこれで押されると
いう状態が再び起こることはなくなる。
【0071】したがって、キャリアに当接して付勢力を
発生させる当接部を延出部に設ければよいため、簡素な
構成で、パッドスプリングの延出部の付勢力に起因して
生じるパッドの引きずりを防止することができる。
【0072】本発明の請求項3記載のディスクブレーキ
によれば、延出部に設けられた当接部がキャリアのディ
スク対向面に当接するため、延出部がディスク軸線方向
においてディスクから離間する方向に変形する際に当接
部よって確実に付勢力を発生させることができる。
【0073】本発明の請求項4記載のディスクブレーキ
によれば、延出部には係止部と接触部との間に1ケ所以
上の折曲部が形成されており、ディスクに面振れを生じ
ていてディスクの空転時(非制動回転時)にディスクの
パッド対向位置が軸線方向外側に振れることによってパ
ッドがディスクで押されてディスクから離間する方向に
移動した場合に、延出部がディスク軸線方向に特に変形
しやすいため、ディスク軸線方向においてディスクから
離間する方向のバネ定数をディスクに近接する方向のバ
ネ定数より大きくすることによる効果が高まる。
【0074】本発明の請求項5記載のディスクブレーキ
によれば、キャリアおよびパッドのいずれか一方にディ
スク円周方向に凹んで形成された支持凹部に、キャリア
およびパッドのいずれか他方にディスク円周方向に突出
して形成された凸部が係合することにより、パッドがキ
ャリアに支持されているため、パッドのディスク半径方
向をパッドスプリングだけで支える必要がなく、パッド
スプリングの荷重を低くできる。その結果、パッドとパ
ッドスプリングの延出部との間の摩擦力を小さくできる
ため、ディスクに面振れを生じていてディスクの空転時
(非制動回転時)にディスクのパッド対向位置が軸線方
向外側に振れることによってパッドがディスクで押され
てディスクから離間する方向に移動すると、パッドが延
出部に対しより容易に摺動してディスクから離間する方
向に容易に移動する。
【0075】したがって、パッドスプリングの延出部の
付勢力に起因して生じるパッドの引きずりを確実に防止
することができる。
【0076】本発明の請求項6記載のディスクブレーキ
によれば、パッドスプリングは、パッドをディスクに対
し反対方向に付勢する戻し付勢部を有しており、パッド
戻し時に係止部における摩擦力が生じるパッドとの接触
位置と、延出部における摩擦力が生じる接触部との間の
中間位置に戻し付勢部が設けられているため、戻し付勢
部でパッドをディスクに対し傾けずにディスク半径方向
内外で均等に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを
示す正面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキの
要部を示す部分拡大正面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングを示す斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングおよびキャリアを示す部分側断面図で
ある。
【図5】 本発明の第2実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングを示す斜視図である。
【図6】 本発明の第2実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングのおよびキャリアを示す部分側断面図
である。
【図7】 本発明の第3実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングを示す斜視図である。
【図8】 本発明の第2実施形態のディスクブレーキの
パッドスプリングおよびキャリアを示す部分正断面図で
ある。
【図9】 従来のディスクブレーキのパッドスプリング
を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ディスクブレーキ 11 ディスク 12 キャリア 13 係止部 14 パッドスプリング 15 パッド 17 キャリパ 23 凸部 33 支持凹部 41 延出部 42 戻し付勢部 51 接触部 52 折曲部 55 当接部 56,67 ディスク対向面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部に取り付けられるキャリ
    アと、 該キャリアに係止部において係止されるパッドスプリン
    グと、 ディスクの軸線方向における両側に配置された状態で前
    記キャリアに前記パッドスプリングの前記係止部を介し
    て摺動可能に支持される一対のパッドと、 該一対のパッドをディスクに押し付けて制動力を発生さ
    せるキャリパとを有し、 前記パッドスプリングには前記係止部からディスク半径
    方向内方に延出し前記パッドのディスク半径方向内側に
    接触部において接触してこれを少なくともディスク半径
    方向外方に付勢する延出部が設けられたディスクブレー
    キにおいて、 前記延出部は、ディスク軸線方向においてディスクから
    離間する方向のバネ定数がディスクに近接する方向のバ
    ネ定数より大きく設定されていることを特徴とするディ
    スクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記延出部には、ディスク軸線方向にお
    いてディスクから離間する方向に変形する際に前記キャ
    リアに当接して付勢力を発生させる当接部が設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載のディスクブレー
    キ。
  3. 【請求項3】 前記当接部は前記キャリアのディスク対
    向面に当接することを特徴とする請求項2記載のディス
    クブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記延出部には前記係止部と前記接触部
    との間に1ケ所以上の折曲部が形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のディスク
    ブレーキ。
  5. 【請求項5】 前記キャリアおよび前記パッドのいずれ
    か一方にディスク円周方向に凹む支持凹部が形成されて
    おり、前記キャリアおよび前記パッドのいずれか他方に
    ディスク円周方向に突出する凸部が形成されていて、前
    記支持凹部に前記凸部が係合することにより、前記パッ
    ドが前記キャリアに支持されていることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれか一項記載のディスクブレーキ。
  6. 【請求項6】 前記パッドスプリングは、前記パッドを
    ディスクに対し反対方向に付勢する戻し付勢部を有して
    おり、前記係止部における前記パッドとの接触位置と、
    前記接触部との間の中間位置に前記戻し付勢部が設けら
    れていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一
    項記載のディスクブレーキ。
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