JP2003227900A - 電子線照射装置及び光ファイバの製造方法 - Google Patents
電子線照射装置及び光ファイバの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 真空チャンバ内に大気圧下に不活性ガス
が流通する区画部を形成し、この区画部の外側に電子線
を発生する手段を設けて、この手段から発生した電子線
を、上記区画部内を走行する被処理物に照射する電子線
照射装置において、上記区画部の外側で電子線発生手段
の配設位置より内側に筒状の第2の区画部を形成し、第
1の区画部と第2の区画部との間を冷却ガス流通路と
し、第1の区画部に設けた第1の電子線透過用窓と対応
して第2の区画部に第2の電子線透過用窓を設けて、上
記被処理物に照射するようにした電子線照射装置。 【効果】 本発明によれば、光ファイバ線引き速度の高
速化が可能となり、かつ、生産コストの低減が可能とな
り、光ファイバの生産性が向上する。
が流通する区画部を形成し、この区画部の外側に電子線
を発生する手段を設けて、この手段から発生した電子線
を、上記区画部内を走行する被処理物に照射する電子線
照射装置において、上記区画部の外側で電子線発生手段
の配設位置より内側に筒状の第2の区画部を形成し、第
1の区画部と第2の区画部との間を冷却ガス流通路と
し、第1の区画部に設けた第1の電子線透過用窓と対応
して第2の区画部に第2の電子線透過用窓を設けて、上
記被処理物に照射するようにした電子線照射装置。 【効果】 本発明によれば、光ファイバ線引き速度の高
速化が可能となり、かつ、生産コストの低減が可能とな
り、光ファイバの生産性が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバなどの
製造に使用する電子線照射装置及び光ファイバの製造方
法に関する。
製造に使用する電子線照射装置及び光ファイバの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】通信用光ファイバには、石英ガラス系、
多成分ガラス系、プラスチック系等のものがある。なか
でも、石英ガラス系のものは、軽量、低損失、高耐久
性、大伝送容量という特徴から広範囲の分野で大量に使
用されている。この石英ガラス系の光ファイバは極めて
細いため、わずかな傷から切断し易く、また、外部応力
により伝送損失が増大し易い。そこで、石英ガラスの溶
融紡糸(線引き)の直後に、ダイコート等により液状の
紫外線硬化型樹脂等をコートし、紫外線等の照射により
硬化させて保護被覆が施される。通常、まず軟らかい被
覆材からなる一次被覆が施され、その上に硬い被覆材か
らなる二次被覆が施されている。このものは光ファイバ
心線と呼ばれている。更に、この心線を数本(通常は4
本又は8本)束ね、テープ化材で被覆することにより、
テープ心線が製造されている。
多成分ガラス系、プラスチック系等のものがある。なか
でも、石英ガラス系のものは、軽量、低損失、高耐久
性、大伝送容量という特徴から広範囲の分野で大量に使
用されている。この石英ガラス系の光ファイバは極めて
細いため、わずかな傷から切断し易く、また、外部応力
により伝送損失が増大し易い。そこで、石英ガラスの溶
融紡糸(線引き)の直後に、ダイコート等により液状の
紫外線硬化型樹脂等をコートし、紫外線等の照射により
硬化させて保護被覆が施される。通常、まず軟らかい被
覆材からなる一次被覆が施され、その上に硬い被覆材か
らなる二次被覆が施されている。このものは光ファイバ
心線と呼ばれている。更に、この心線を数本(通常は4
本又は8本)束ね、テープ化材で被覆することにより、
テープ心線が製造されている。
【0003】これらの被覆材としては、ウレタンアクリ
レート系の紫外線硬化型樹脂が提案されており、特公平
1−19694号公報、特許第2522663号公報、
特許第2547021号公報に記載されているように、
ウレタンアクリレートオリゴマと、反応性希釈剤と、光
重合開始剤からなる液状紫外線硬化型樹脂が知られてい
る。
レート系の紫外線硬化型樹脂が提案されており、特公平
1−19694号公報、特許第2522663号公報、
特許第2547021号公報に記載されているように、
ウレタンアクリレートオリゴマと、反応性希釈剤と、光
重合開始剤からなる液状紫外線硬化型樹脂が知られてい
る。
【0004】更に、特許第2541997号公報には、
活性エネルギー線照射として電子線照射が記載されてい
る。
活性エネルギー線照射として電子線照射が記載されてい
る。
【0005】また、高電圧で加速された電子線を光ファ
イバに照射すると、光ファイバコア中のドーパントを変
質させ、伝送損失が増大することが知られている。
イバに照射すると、光ファイバコア中のドーパントを変
質させ、伝送損失が増大することが知られている。
【0006】従来、電子線硬化型樹脂の硬化に使われる
電子線照射装置は、通常、真空中でタングステンフィラ
メントを加熱して発生させた熱電子を百〜数百kVの電
圧で加速し、真空と大気圧を仕切るとともに、電子を透
過する窓を透過させ、大気圧中で樹脂に照射するように
なっている。
電子線照射装置は、通常、真空中でタングステンフィラ
メントを加熱して発生させた熱電子を百〜数百kVの電
圧で加速し、真空と大気圧を仕切るとともに、電子を透
過する窓を透過させ、大気圧中で樹脂に照射するように
なっている。
【0007】窓は、電子線が透過し易いように、密度が
低い材質からなり、十分薄いものが使われているが、電
子線のエネルギの一部は窓に吸収されるため、窓は発熱
する。窓が高温になると、窓の劣化が進む恐れがあるた
め、通常は窓の大気圧側から冷却用のガスを吹き付けて
除熱するようになっている(当然真空側ではガス冷却は
できない)。また、窓は薄い方が吸収するエネルギが少
ないため発熱が少なくなるが、一方で強度的に真空と大
気圧の差圧に耐える厚さは最低限必要であり、更に、窓
の大気圧側は雰囲気ガスに接しているので、雰囲気ガス
中の不純物により徐々に化学的に侵食を受け、あるいは
光ファイバとの接触等による物理的な損傷を受ける恐れ
があるため、その分の厚さを上乗せする必要がある。
低い材質からなり、十分薄いものが使われているが、電
子線のエネルギの一部は窓に吸収されるため、窓は発熱
する。窓が高温になると、窓の劣化が進む恐れがあるた
め、通常は窓の大気圧側から冷却用のガスを吹き付けて
除熱するようになっている(当然真空側ではガス冷却は
できない)。また、窓は薄い方が吸収するエネルギが少
ないため発熱が少なくなるが、一方で強度的に真空と大
気圧の差圧に耐える厚さは最低限必要であり、更に、窓
の大気圧側は雰囲気ガスに接しているので、雰囲気ガス
中の不純物により徐々に化学的に侵食を受け、あるいは
光ファイバとの接触等による物理的な損傷を受ける恐れ
があるため、その分の厚さを上乗せする必要がある。
【0008】このようなことから、電子透過率、強度、
耐食性を考慮して、120kV以下の加速電圧では、通
常、窓には厚さ10μmのTi箔が使われている。ま
た、電子線硬化型樹脂の場合、雰囲気中に酸素が存在す
ると硬化が阻害されるため、通常は窒素ガス等の不活性
ガスを光ファイバの周囲に流して、酸素濃度が数百pp
m以下になるように雰囲気制御している。一方、電子線
は窓を透過する際に散乱されるので、光ファイバへの照
射効率を高めるため、光ファイバは窓の近傍を通過する
ようになっている。そのため、通常は冷却と雰囲気制御
を兼ねて、窒素ガスを窓と光ファイバの周囲に流すよう
になっている。
耐食性を考慮して、120kV以下の加速電圧では、通
常、窓には厚さ10μmのTi箔が使われている。ま
た、電子線硬化型樹脂の場合、雰囲気中に酸素が存在す
ると硬化が阻害されるため、通常は窒素ガス等の不活性
ガスを光ファイバの周囲に流して、酸素濃度が数百pp
m以下になるように雰囲気制御している。一方、電子線
は窓を透過する際に散乱されるので、光ファイバへの照
射効率を高めるため、光ファイバは窓の近傍を通過する
ようになっている。そのため、通常は冷却と雰囲気制御
を兼ねて、窒素ガスを窓と光ファイバの周囲に流すよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、光ファイバの需
要の急増に伴い、光ファイバの生産性の向上、特に線引
き速度の高速化が求められるようになってきた。線引き
速度の高速化要求に応じるためには、電子線の電流を増
大させる必要があるが、それに伴い、窓の発熱も増大す
るので、冷却ガスの流速を上げる必要が生じる。しか
し、単に冷却ガスの流速を増やすのでは、流れの乱れが
大きくなり、光ファイバにコートした未硬化の電子線硬
化型樹脂の表面に凹凸を生じる恐れがある。光ファイバ
コート表面に凹凸が生じると光ファイバの伝送損失が増
大するという問題があった。
要の急増に伴い、光ファイバの生産性の向上、特に線引
き速度の高速化が求められるようになってきた。線引き
速度の高速化要求に応じるためには、電子線の電流を増
大させる必要があるが、それに伴い、窓の発熱も増大す
るので、冷却ガスの流速を上げる必要が生じる。しか
し、単に冷却ガスの流速を増やすのでは、流れの乱れが
大きくなり、光ファイバにコートした未硬化の電子線硬
化型樹脂の表面に凹凸を生じる恐れがある。光ファイバ
コート表面に凹凸が生じると光ファイバの伝送損失が増
大するという問題があった。
【0010】また、光ファイバとの不慮の接触や、汚
染、腐食の進行等により、電子線照射装置の窓が劣化又
は破損した場合、窓の交換には、一旦装置内を真空から
大気圧へ戻し、再度真空排気を行う必要があり、長時間
にわたり装置が使えなくなるという問題もあった。
染、腐食の進行等により、電子線照射装置の窓が劣化又
は破損した場合、窓の交換には、一旦装置内を真空から
大気圧へ戻し、再度真空排気を行う必要があり、長時間
にわたり装置が使えなくなるという問題もあった。
【0011】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、光ファイバ等の線引き速度の高速度化を可
能とし、生産コストの低減を可能として、光ファイバ等
の生産性を向上させることができる電子線照射装置及び
光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
れたもので、光ファイバ等の線引き速度の高速度化を可
能とし、生産コストの低減を可能として、光ファイバ等
の生産性を向上させることができる電子線照射装置及び
光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行い、窓を分割して内部から
冷却すること、より具体的には、真空中で電界により加
速した電子を、電子線硬化型樹脂をコートした光ファイ
バ等の被処理物に大気圧下、不活性ガス雰囲気中で照射
する電子線照射装置において、真空と大気圧不活性ガス
雰囲気の間に、電子が透過する窓を二重に設けるととも
に、窓の間に冷却ガスを流すことにより、上記目的が達
成されることを知見し、本発明をなすに至った。
を解決するため鋭意検討を行い、窓を分割して内部から
冷却すること、より具体的には、真空中で電界により加
速した電子を、電子線硬化型樹脂をコートした光ファイ
バ等の被処理物に大気圧下、不活性ガス雰囲気中で照射
する電子線照射装置において、真空と大気圧不活性ガス
雰囲気の間に、電子が透過する窓を二重に設けるととも
に、窓の間に冷却ガスを流すことにより、上記目的が達
成されることを知見し、本発明をなすに至った。
【0013】即ち、本発明は、真空チャンバ内に、内部
が被処理物走行路とされ、大気圧下に不活性ガスが流通
する区画部を形成すると共に、この区画部の外側に電子
線を発生する手段を設けて、この手段から発生した電子
線を上記区画部に設けた電子線透過用窓を通して上記区
画部内の被処理物走行路を走行する被処理物に照射して
この被処理物に塗布された電子線硬化性コーティング材
を電子線硬化するようにした電子線照射装置において、
上記区画部の外側で電子線発生手段の配設位置より内側
に筒状の第2の区画部を形成し、上記第1の区画部と第
2の区画部との間を冷却ガス流通路とすると共に、上記
第1の区画部に設けた第1の電子線透過用窓と対応して
第2の区画部に第2の電子線透過用窓を設けて、上記フ
ィラメントから発生した電子線を上記第2の窓を通し、
更に第1区画部に設けた第1の窓を通して上記被処理物
に照射するように構成したことを特徴とする電子線照射
装置を提供する。
が被処理物走行路とされ、大気圧下に不活性ガスが流通
する区画部を形成すると共に、この区画部の外側に電子
線を発生する手段を設けて、この手段から発生した電子
線を上記区画部に設けた電子線透過用窓を通して上記区
画部内の被処理物走行路を走行する被処理物に照射して
この被処理物に塗布された電子線硬化性コーティング材
を電子線硬化するようにした電子線照射装置において、
上記区画部の外側で電子線発生手段の配設位置より内側
に筒状の第2の区画部を形成し、上記第1の区画部と第
2の区画部との間を冷却ガス流通路とすると共に、上記
第1の区画部に設けた第1の電子線透過用窓と対応して
第2の区画部に第2の電子線透過用窓を設けて、上記フ
ィラメントから発生した電子線を上記第2の窓を通し、
更に第1区画部に設けた第1の窓を通して上記被処理物
に照射するように構成したことを特徴とする電子線照射
装置を提供する。
【0014】この場合、冷却ガスはヘリウムであること
が好ましい。また、第1及び第2の窓の厚さはそれぞれ
2μm以上であり、かつ第1及び第2の窓の厚さの和は
10μm以下であることが好ましい。
が好ましい。また、第1及び第2の窓の厚さはそれぞれ
2μm以上であり、かつ第1及び第2の窓の厚さの和は
10μm以下であることが好ましい。
【0015】本発明は、上記電子線照射装置を用いて、
光ファイバにコートした電子線硬化性コーティング材を
硬化する光ファイバの製造方法をも提供する。
光ファイバにコートした電子線硬化性コーティング材を
硬化する光ファイバの製造方法をも提供する。
【0016】本発明によれば、電子線透過用の窓を二重
にすることにより、窓の機能を真空保持用とその保護用
に分化し、かつ冷却用ガスと雰囲気制御用ガスを確実に
分離することが可能となる。このようにすると冷却用ガ
スは光ファイバには接していないので、流速を十分大き
くしても光ファイバのコート表面に凹凸をつくることは
ない。また、窓を二重に分割すると窓の冷却面積は3倍
になる。更に、冷却ガスは汚染されないため循環使用が
可能であり、冷却効率が高いが高価であるヘリウムを使
用することができる。これらのことから電子線の電流密
度を上げることができる。
にすることにより、窓の機能を真空保持用とその保護用
に分化し、かつ冷却用ガスと雰囲気制御用ガスを確実に
分離することが可能となる。このようにすると冷却用ガ
スは光ファイバには接していないので、流速を十分大き
くしても光ファイバのコート表面に凹凸をつくることは
ない。また、窓を二重に分割すると窓の冷却面積は3倍
になる。更に、冷却ガスは汚染されないため循環使用が
可能であり、冷却効率が高いが高価であるヘリウムを使
用することができる。これらのことから電子線の電流密
度を上げることができる。
【0017】第1の窓(被処理物走行路に接する窓)は
気密が不要なため、Oリングを使うことなく直径の小さ
い筒状に作製することが容易であり、照射距離を短くす
ることができ、照射効率が向上する。更に、冷却ガスに
ヘリウムを使用することで、窒素に比べ電子線の吸収が
減少し、照射効率が向上する。
気密が不要なため、Oリングを使うことなく直径の小さ
い筒状に作製することが容易であり、照射距離を短くす
ることができ、照射効率が向上する。更に、冷却ガスに
ヘリウムを使用することで、窒素に比べ電子線の吸収が
減少し、照射効率が向上する。
【0018】第2の窓(電子線発生用フィラメント側の
真空に接している窓)は常にきれいな冷却ガスに接して
いるので、腐食の心配が少なく、寿命が長くなる。
真空に接している窓)は常にきれいな冷却ガスに接して
いるので、腐食の心配が少なく、寿命が長くなる。
【0019】第1の窓は光ファイバの接触や樹脂の付着
などでピンホールがあく恐れがあるが、気密は必要ない
ので、多少のピンホールがあっても使い続けることが可
能である。また、ある程度大きな穴があいた時も、大気
圧中なので交換は容易であり、短時間でできる。なお、
この発明は光ファイバにコーティングされた電子線硬化
性コーティング材の硬化に有効に採用されるが、光ファ
イバ以外の細線や平面状の被照射物にも応用できる。ま
た、樹脂硬化以外、例えば樹脂架橋、表面改質、殺菌、
除害等にも応用できる。
などでピンホールがあく恐れがあるが、気密は必要ない
ので、多少のピンホールがあっても使い続けることが可
能である。また、ある程度大きな穴があいた時も、大気
圧中なので交換は容易であり、短時間でできる。なお、
この発明は光ファイバにコーティングされた電子線硬化
性コーティング材の硬化に有効に採用されるが、光ファ
イバ以外の細線や平面状の被照射物にも応用できる。ま
た、樹脂硬化以外、例えば樹脂架橋、表面改質、殺菌、
除害等にも応用できる。
【0020】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、本発明の電子線
照射装置の一実施例について図1を参照して説明する。
照射装置の一実施例について図1を参照して説明する。
【0021】図1は、特に光ファイバにコーティングさ
れた電子線硬化性コーティング材に対する電子線照射用
として好適なもので、図中1は、真空チャンバであり、
この真空チャンバ1内の中央部に円筒状の第1区画部2
が設けられていると共に、この第1区画部2と離間して
これと同心状に円筒状の第2区画部3が設けられてい
る。この場合、これら第1及び第2区画部2、3の上下
端は、真空チャンバ1の上下壁を気密に貫通し、区画部
2、3内は大気圧下に置かれるようになっている。
れた電子線硬化性コーティング材に対する電子線照射用
として好適なもので、図中1は、真空チャンバであり、
この真空チャンバ1内の中央部に円筒状の第1区画部2
が設けられていると共に、この第1区画部2と離間して
これと同心状に円筒状の第2区画部3が設けられてい
る。この場合、これら第1及び第2区画部2、3の上下
端は、真空チャンバ1の上下壁を気密に貫通し、区画部
2、3内は大気圧下に置かれるようになっている。
【0022】上記第1区画部2内は、光ファイバ(被処
理物)走行路2aとされ、この走行路2a内に光ファイ
バ(被処理物)4を走行させるようになっている。この
場合、この第1区画部2内(走行路2a内)は、大気圧
下で、かつ不活性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガス
が流通するようになっている。
理物)走行路2aとされ、この走行路2a内に光ファイ
バ(被処理物)4を走行させるようになっている。この
場合、この第1区画部2内(走行路2a内)は、大気圧
下で、かつ不活性ガス、例えば窒素ガス、ヘリウムガス
が流通するようになっている。
【0023】また、上記第2区画部3内も大気圧下にお
かれるが、必要によっては減圧下又は加圧下においても
よい。この第2区画部3内には、冷却ガスが流通するよ
うになっている。
かれるが、必要によっては減圧下又は加圧下においても
よい。この第2区画部3内には、冷却ガスが流通するよ
うになっている。
【0024】上記第2区画部3の外側には、真空チャン
バ1内に存して、電子線を発生するフィラメント5が配
設されている。このフィラメント5は、タングステン等
により形成され、これに電流を流して白熱させ、熱電子
を発生させる。図においては、フィラメント5は互いに
周方向に沿って等間隔隔てて3個配設され、三方向から
同時に電子線を照射するようになっているが、これは一
例に過ぎず、フィラメント5の数及び方向は、光ファイ
バの吸収線量が周方向で均一になるように配置すればよ
い。
バ1内に存して、電子線を発生するフィラメント5が配
設されている。このフィラメント5は、タングステン等
により形成され、これに電流を流して白熱させ、熱電子
を発生させる。図においては、フィラメント5は互いに
周方向に沿って等間隔隔てて3個配設され、三方向から
同時に電子線を照射するようになっているが、これは一
例に過ぎず、フィラメント5の数及び方向は、光ファイ
バの吸収線量が周方向で均一になるように配置すればよ
い。
【0025】上記のように、フィラメント5より発生し
た熱電子は、図示していないが、直流電源によって発生
する直流電界により真空中で加速され、電子線Eとな
る。この場合、加速電圧は、約80〜120kVである
ことが好ましい。加速電圧が80kVより低いと、光フ
ァイバ4にコーティングされた電子線硬化性コーティン
グ材が未硬化になる場合があり、120kVより高いと
光ファイバの伝送損失が増大する恐れがある。
た熱電子は、図示していないが、直流電源によって発生
する直流電界により真空中で加速され、電子線Eとな
る。この場合、加速電圧は、約80〜120kVである
ことが好ましい。加速電圧が80kVより低いと、光フ
ァイバ4にコーティングされた電子線硬化性コーティン
グ材が未硬化になる場合があり、120kVより高いと
光ファイバの伝送損失が増大する恐れがある。
【0026】電子線は、第2区画部3に上記フィラメン
ト5と対向して設けられた電子線透過用の窓6を透過
し、大気圧下で冷却ガスが流通する第2区画部3内を通
り、更に第1区画部2に上記フィラメント5及び上記窓
6に対向して設けられた窓7を透過して、第1区画部2
内の光ファイバ走行路2a内を大気圧、不活性ガス雰囲
気下において走行する光ファイバ4に照射されるように
なっている。ここで、第1区画部2に形成された窓7を
第1の窓、第2区画部3に形成された窓6を第2の窓と
いう。
ト5と対向して設けられた電子線透過用の窓6を透過
し、大気圧下で冷却ガスが流通する第2区画部3内を通
り、更に第1区画部2に上記フィラメント5及び上記窓
6に対向して設けられた窓7を透過して、第1区画部2
内の光ファイバ走行路2a内を大気圧、不活性ガス雰囲
気下において走行する光ファイバ4に照射されるように
なっている。ここで、第1区画部2に形成された窓7を
第1の窓、第2区画部3に形成された窓6を第2の窓と
いう。
【0027】第2の窓6は厚さが約3〜7μmのTi箔
で形成することが好ましい。3μmより薄いと差圧に耐
えられずに破損する恐れがあり、7μmより厚いと発熱
が大きくなる場合がある。なお、第2の窓6は、Oリン
グ8で真空と大気圧の気密を保つようになっている。第
2の窓6と光ファイバ4との距離は約10〜20mmで
ある。20mmより長いと照射効率が著しく低下する恐
れがある。
で形成することが好ましい。3μmより薄いと差圧に耐
えられずに破損する恐れがあり、7μmより厚いと発熱
が大きくなる場合がある。なお、第2の窓6は、Oリン
グ8で真空と大気圧の気密を保つようになっている。第
2の窓6と光ファイバ4との距離は約10〜20mmで
ある。20mmより長いと照射効率が著しく低下する恐
れがある。
【0028】一方、第1の窓7は、厚さが約2〜5μm
のTi箔で形成することが好ましく、これは第1区画部
2に支持されている。第1の窓7は、両側が大気圧なの
で、第2の窓6より薄いもので良いが、2μmより薄い
と外的衝撃に対する強度が不足する恐れがある。また、
深度線量分布から第2の窓6より薄くするのが好ましい
が、5μmより厚いと発熱が大きくなる。気密は必要な
いので、第1区画部2に接着又は溶接などで固定するこ
とができる。なお、第1の窓7と光ファイバ4との距離
は約3〜10mmである。3mmより短いと光ファイバ
4と接触する恐れがある。
のTi箔で形成することが好ましく、これは第1区画部
2に支持されている。第1の窓7は、両側が大気圧なの
で、第2の窓6より薄いもので良いが、2μmより薄い
と外的衝撃に対する強度が不足する恐れがある。また、
深度線量分布から第2の窓6より薄くするのが好ましい
が、5μmより厚いと発熱が大きくなる。気密は必要な
いので、第1区画部2に接着又は溶接などで固定するこ
とができる。なお、第1の窓7と光ファイバ4との距離
は約3〜10mmである。3mmより短いと光ファイバ
4と接触する恐れがある。
【0029】第1の窓7と第2の窓6の厚さの和は10
μm以下であることが好ましい。10μmより大きいと
照射効率が低下する恐れがある。第1区画部2と第2区
画部3の間には、上述したように窒素やヘリウムなどの
冷却ガスを流して、窓6及び7を冷却するようになって
いる。冷却ガスは冷却効率の点でヘリウムが好ましい。
冷却ガスの流速は概ね10〜100m/sである。
μm以下であることが好ましい。10μmより大きいと
照射効率が低下する恐れがある。第1区画部2と第2区
画部3の間には、上述したように窒素やヘリウムなどの
冷却ガスを流して、窓6及び7を冷却するようになって
いる。冷却ガスは冷却効率の点でヘリウムが好ましい。
冷却ガスの流速は概ね10〜100m/sである。
【0030】上記光ファイバ走行路2a内には、不活性
ガスを、光ファイバ周辺雰囲気中の酸素濃度が十分低く
なるように流すが、電子線硬化性コーティング材表面に
影響がない程度の流速(概ね線引き速度以下)に抑え
る。不活性ガスはコスト面から窒素ガスが望ましい。
ガスを、光ファイバ周辺雰囲気中の酸素濃度が十分低く
なるように流すが、電子線硬化性コーティング材表面に
影響がない程度の流速(概ね線引き速度以下)に抑え
る。不活性ガスはコスト面から窒素ガスが望ましい。
【0031】不活性ガスは、コーティング材の樹脂から
の揮発物で汚れるので、使い捨てにするが、冷却ガスは
光ファイバ周辺雰囲気には接していないため、きれいな
状態に保たれるので、コスト面から循環して使うのが望
ましい。なお、第2の窓6の材質としては、耐蝕性はあ
まり重要ではないので、Tiより透過率の高いカーボン
やアルミなどの材質も使用可能である。一方、第1の窓
7はコンタミネーションのある雰囲気に接しているの
で、耐蝕性のあるTiが好ましい。また、第1の窓7に
ある程度大きな穴が開いたときには、第1区画部2と一
体で交換できるようになっている。
の揮発物で汚れるので、使い捨てにするが、冷却ガスは
光ファイバ周辺雰囲気には接していないため、きれいな
状態に保たれるので、コスト面から循環して使うのが望
ましい。なお、第2の窓6の材質としては、耐蝕性はあ
まり重要ではないので、Tiより透過率の高いカーボン
やアルミなどの材質も使用可能である。一方、第1の窓
7はコンタミネーションのある雰囲気に接しているの
で、耐蝕性のあるTiが好ましい。また、第1の窓7に
ある程度大きな穴が開いたときには、第1区画部2と一
体で交換できるようになっている。
【0032】本発明において、電子線硬化性コーティン
グ材としては、公知のものを使用することができ、例え
ば、電子線硬化性樹脂の液状組成物として、ポリエーテ
ルウレタンアクリレートを主成分とするものが使用で
き、粘度を調整する目的で反応性希釈剤が併用できる。
ポリエーテルウレタンアクリレートはポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルに2,4−トルレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを反応させ、更にヒドロキシエチルアクリレート
などの水酸基を有するアクリレートを反応させることで
得ることが出来る。硬化皮膜の特性から望ましい数平均
分子量は800〜10000である。反応性希釈剤はエ
チレン性不飽和基を有する化合物が望ましく、ラウリル
アクリレート、イソボロニルアクリレート、N−ビニル
カプロラクタム、エチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパンアクリレートなどが例示され
る。
グ材としては、公知のものを使用することができ、例え
ば、電子線硬化性樹脂の液状組成物として、ポリエーテ
ルウレタンアクリレートを主成分とするものが使用で
き、粘度を調整する目的で反応性希釈剤が併用できる。
ポリエーテルウレタンアクリレートはポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルに2,4−トルレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシア
ネートを反応させ、更にヒドロキシエチルアクリレート
などの水酸基を有するアクリレートを反応させることで
得ることが出来る。硬化皮膜の特性から望ましい数平均
分子量は800〜10000である。反応性希釈剤はエ
チレン性不飽和基を有する化合物が望ましく、ラウリル
アクリレート、イソボロニルアクリレート、N−ビニル
カプロラクタム、エチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパンアクリレートなどが例示され
る。
【0033】なお、これら成分の配合量は適宜選定され
るが、ポリエーテルウレタンアクリレート100重量部
に対し、反応性希釈剤は20〜200重量部であること
が好ましい。
るが、ポリエーテルウレタンアクリレート100重量部
に対し、反応性希釈剤は20〜200重量部であること
が好ましい。
【0034】
【実施例】実施例として、電子飛跡のモンテカルロシミ
ュレーション計算を実施した。計算結果を表1に示す。
なお、計算は「電子・イオンビームハンドブック第3
版」(日刊工業新聞社)51頁記載の方法による。
ュレーション計算を実施した。計算結果を表1に示す。
なお、計算は「電子・イオンビームハンドブック第3
版」(日刊工業新聞社)51頁記載の方法による。
【0035】[実施例1]
第1の窓:厚さ5μm、光ファイバからの距離8mm、
材質Ti 第2の窓:厚さ5μm、光ファイバからの距離15m
m、材質Ti 冷却ガス:ヘリウム、流速30m/s 雰囲気制御ガス:窒素、流速10m/s 電子線:加速電圧100kV、幅10mm、3本のフィ
ラメントから発生した電子線を光ファイバに対して12
0°間隔で照射 光ファイバ:石英ガラス直径125μm、一次被覆厚さ
37.5μm、二次被覆なし。
材質Ti 第2の窓:厚さ5μm、光ファイバからの距離15m
m、材質Ti 冷却ガス:ヘリウム、流速30m/s 雰囲気制御ガス:窒素、流速10m/s 電子線:加速電圧100kV、幅10mm、3本のフィ
ラメントから発生した電子線を光ファイバに対して12
0°間隔で照射 光ファイバ:石英ガラス直径125μm、一次被覆厚さ
37.5μm、二次被覆なし。
【0036】[実施例2]
第1の窓:厚さ3μm、第2の窓:厚さ7μm、他の条
件は実施例1と同じ。
件は実施例1と同じ。
【0037】[実施例3]
第1の窓:厚さ3μm、第2の窓:厚さ5μm、他の条
件は実施例1と同じ。
件は実施例1と同じ。
【0038】[実施例4]
第1の窓:厚さ2μm、第2の窓:厚さ3μm、他の条
件は実施例1と同じ。
件は実施例1と同じ。
【0039】[比較例]
第1の窓:なし
第2の窓:厚さ10μm、光ファイバからの距離15m
m 冷却ガス(雰囲気制御ガスを兼ねる):窒素、流速10
m/s 他の条件は実施例1と同じ。
m 冷却ガス(雰囲気制御ガスを兼ねる):窒素、流速10
m/s 他の条件は実施例1と同じ。
【0040】
【表1】
(実施例の数値は比較例を1とした場合の相対値)
【0041】なお、本発明は、上記実施例に制限される
ものではない。
ものではない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバ線引き速度
の高速化が可能となり、かつ、生産コストの低減が可能
となり、光ファイバの生産性が向上するという優れた効
果がある。
の高速化が可能となり、かつ、生産コストの低減が可能
となり、光ファイバの生産性が向上するという優れた効
果がある。
【図1】本発明装置の一実施例を示す横断面図である。
1 真空チャンバ
2 第1区画部
2a 光ファイバ(被処理物)走行路
3 第2区画部
4 光ファイバ(被処理物)
5 フィラメント
6 窓(第2の窓)
7 窓(第1の窓)
8 Oリング
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G21K 5/10 G21K 5/10 L
// C08L 101:00 C08L 101:00
Claims (4)
- 【請求項1】 真空チャンバ内に、内部が被処理物走行
路とされ、大気圧下に不活性ガスが流通する区画部を形
成すると共に、この区画部の外側に電子線を発生する手
段を設けて、この手段から発生した電子線を上記区画部
に設けた電子線透過用窓を通して上記区画部内の被処理
物走行路を走行する被処理物に照射してこの被処理物に
塗布された電子線硬化性コーティング材を電子線硬化す
るようにした電子線照射装置において、上記区画部の外
側で電子線発生手段の配設位置より内側に筒状の第2の
区画部を形成し、上記第1の区画部と第2の区画部との
間を冷却ガス流通路とすると共に、上記第1の区画部に
設けた第1の電子線透過用窓と対応して第2の区画部に
第2の電子線透過用窓を設けて、上記フィラメントから
発生した電子線を上記第2の窓を通し、更に第1区画部
に設けた第1の窓を通して上記被処理物に照射するよう
に構成したことを特徴とする電子線照射装置。 - 【請求項2】 冷却ガスがヘリウムであることを特徴と
する請求項1記載の電子線照射装置。 - 【請求項3】 第1及び第2の窓の厚さがそれぞれ2μ
m以上であり、かつ第1及び第2の窓の厚さの和が10
μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の
電子線照射装置。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電子線照射装
置を用いて、光ファイバにコートした電子線硬化性コー
ティング材を硬化することを特徴とする光ファイバの製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002026915A JP2003227900A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 電子線照射装置及び光ファイバの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002026915A JP2003227900A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 電子線照射装置及び光ファイバの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003227900A true JP2003227900A (ja) | 2003-08-15 |
Family
ID=27748599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002026915A Pending JP2003227900A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | 電子線照射装置及び光ファイバの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003227900A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP4232144A4 (en) * | 2020-10-24 | 2025-03-12 | Scintacor Limited | IRRADIATION DEVICE |
-
2002
- 2002-02-04 JP JP2002026915A patent/JP2003227900A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP4232144A4 (en) * | 2020-10-24 | 2025-03-12 | Scintacor Limited | IRRADIATION DEVICE |
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|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040121 |
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|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050831 |
|
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