JP2003232829A - 巻線機器の部分放電検出装置 - Google Patents

巻線機器の部分放電検出装置

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JP2003232829A
JP2003232829A JP2002030544A JP2002030544A JP2003232829A JP 2003232829 A JP2003232829 A JP 2003232829A JP 2002030544 A JP2002030544 A JP 2002030544A JP 2002030544 A JP2002030544 A JP 2002030544A JP 2003232829 A JP2003232829 A JP 2003232829A
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Shigeto Fujita
重人 藤田
Giichi Shibuya
義一 渋谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な部分放電の位置評定が可能となる巻線
機器の部分放電検出装置を提供する。 【解決手段】 巻線機器4に設置されて巻線機器内の部
分放電に起因して発生する電磁波を検出する電磁波検出
器1と、前記部分放電に起因して発生する巻線ターン導
体を伝播する電流を検出する電流検出器2と、前記電磁
波検出器で検出される巻線機器の部分放電による巻線内
の容量性電位分布による電磁波信号の検出時間を基準と
して、前記電流検出器で検出される部分放電により巻線
ターン導体に励起された進行波電流の電流信号が検出さ
れるまでの時間から巻線機器内の部分放電の場所を同定
する解析装置3と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、巻線機器の部分
放電検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】巻線機器内で発生した部分放電による電
流波形から、絶縁物等の劣化の判定が行われてきた。一
方、巻線内の部分放電が発生した場所の評定を行うた
め、部分放電波形の高周波成分が容量性電位分布により
伝播し、低周波成分が巻線を進行波として伝播すること
による到達時間の差より場所を評定する方法が行われて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の巻線
機器の部分放電検出においては、電流波形からでは、巻
線機器内での部分放電が発生した時間を知るための基準
となる信号がないため、伝播時間を求めることができ
ず、部分放電の発生個所を同定することができないとい
う問題点があった。一方、部分放電の電圧波形により部
分放電発生位置を評定する際、特に巻線ターンの電圧を
伝播する進行波の測定はそのターンから放出される電磁
波を測定することとなる。この測定では、測定しようと
しているターンと近い位置にあるターンからの電磁波も
信号の中に含まれる可能性がある。そのため、伝播時間
が正確には算出できず部分放電の発生場所の位置の評定
を正確に行えない問題点があった。
【0004】この発明は上述した点を鑑みて、部分放電
の発生場所の正確な位置の評定を可能にする。
【0005】問題解決の原理について説明すると、巻線
内の高周波電位振動には、コイル間あるいはターン間の
静電容量結合により伝播する電磁波と巻線ターン導体を
進行波として伝播する電流が存在する。静電容量結合に
よる電磁波の伝播距離は、巻線機器の寸法程度(10m
程度)である。一方、部分放電が発生したターン導体に
は、電流が励起され進行波になる。この進行波はターン
導体を伝播し、伝播距離はターン導体の長さ数100m
以上となる。
【0006】巻線機器の大きさは、電磁波が伝播する速
度と比較すると十分に小さく、検出器が巻線機器内のど
こにあっても、静電容量による電磁波の伝播距離は短い
ため、検出器までの到達時間の遅れは無視できる。静電
容量による電磁波を検出した時間は、部分放電が発生し
た時間と考えてよい。そのため、この電磁波を信号の基
準とするとコイルターン導体を伝播する進行波の電流の
検出時間tは、ターン導体を伝播する進行波が部分放電
を起こした場所から検出器まで、ターン導体を伝播して
いく時間となる。
【0007】また、この電流の伝播速度vは、ターン間
の絶縁物の比誘電率をεとすると
【0008】v=c/√(ε)
【0009】から得られる。ここでcは真空中の電磁波
(光)の伝播速度である。よって、部分放電を起こした場
所はターン導体に沿って、
【0010】l=vt=(c/√(ε))t
【0011】の長さの場所である。ここで、ターン導体
を流れる電流の測定は、他のターン導体を流れる電流の
影響を受けにくい。これらの電磁波の波形と電流波形
は、電気回路、例えば多導体伝送線路モデルにより解析
できる。
【0012】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、先に述べた原理をもとにして、部分
放電の発生場所を正確に評定する巻線機器の部分放電検
出装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、この
発明は、巻線機器に設置されて巻線機器内の部分放電に
起因して発生する電磁波を検出する電磁波検出器と、前
記部分放電に起因して発生する巻線ターン導体を伝播す
る電流を検出する電流検出器と、前記電磁波検出器で検
出される巻線機器の部分放電による巻線内の容量性電位
分布による電磁波信号の検出時間を基準として、前記電
流検出器で検出される部分放電により巻線ターン導体に
励起された進行波電流の電流信号が検出されるまでの時
間から巻線機器内の部分放電の場所を同定する解析装置
と、を備えたことを特徴とする巻線機器の部分放電検出
装置にある。
【0014】また、前記解析装置が、前記電磁波信号を
基準としてのトリガーとして用い、前記電流検出器で検
出される前記進行波電流の電流信号のみを測定すること
を特徴とする請求項1に記載の巻線機器の部分放電検出
装置。
【0015】また、前記解析装置は、前記電磁波検出器
および電流検出器により検出された電磁波および電流の
少なくとも一方の信号の大きさから巻線機器の絶縁劣化
を診断することを特徴とする。
【0016】また、前記解析装置は、巻線機器の回路解
析により得られた電磁波および電流波形より部分放電の
発生個所を評定することを特徴とする。
【0017】また、前記巻線機器が変圧器、回転機およ
び電動機のいずれかからなることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.
【0019】図1はこの発明による巻線機器の部分放電
検出装置の構成の一例を示す図である。図1に示すよう
に、本発明による巻線機器の部分放電検出装置は例え
ば、巻線機器4の印加端付近に設置された電波検出のた
めのアンテナ等からなる電磁波検出器1と、巻線機器4
の接地部付近のターン導体に設けられた電流検出のため
のロゴスキーコイル等からなる電流検出器2と、電磁波
検出器1および電流検出器2の波形の解析を行う機能に
応じてマイクロコンピュータやコンピュータ等からなる
解析装置3から構成される。
【0020】本発明によれば、容量性電位分布による電
磁波が、部分放電が発生した時間とほぼ同時に電磁波検
出器1であるアンテナにより検出される。一方、この部
分放電を起こした巻線機器4の巻線ターン導体には電流
が励起される。この電流は進行波となり巻線ターン導体
を伝播する。この電流がターン導体を伝播する時間遅れ
て電流検出器2であるロゴスキーコイルにて検出され
る。
【0021】部分放電の大きさは、巻線機器4の絶縁劣
化に依存する。また、本発明の検出装置で得られる電磁
波の大きさと電流の大きさは部分放電の大きさに依存す
る。よって、本発明の部分放電検出装置を用いて絶縁劣
化の診断も可能である。
【0022】図2に部分放電波形が1周期の正弦波形か
らなるパルスである場合の、コイル間またはターン間の
静電容量結合による容量性電位分布による電磁波と巻線
ターン導体を伝播する電流の伝播の様子とこれら電磁波
と電流により得られる信号を示す。(a)は巻線機器4の
巻軸4aに沿った縦断面図(片側部分のみを示す)、(b)
は巻線機器4を巻軸4a方向に見た場合の部分放電波形
と信号波電流を示す図、(c)は部分放電による電磁波検
出器1で検出される電磁波の信号と、部分放電による電
流検出器2で検出される進行波電流の電流信号を示す。
進行波電流の伝搬速度をv、部分放電発生場所から電流
検出器2までの巻線ターン導体の長さをlとすると、進
行波電流の電流検出器2までの到達時間はt=l/vと
表せる。
【0023】コイル4c間の静電結合による容量性電位
分布による電磁波は、図に示すように巻線機器4の巻軸
4aに沿った方向に伝播していく。そのため電磁波検出
器1が巻線機器4の内部にある限り、伝播距離は最大で
も巻線機器4の大きさ程度となる。一方、巻線ターン導
体を伝播する進行波電流はターンに沿って巻軸4aの周
りを回転しながら伝播していく。そのため、伝播距離は
巻線機器4の巻線ターン導体の長さ程度でその長さは数
百m程度となる。
【0024】巻線機器4内部を伝播する電磁波の伝播速
度および巻線ターン導体を伝播する電流の伝播速度は、
巻線機器4内の比誘電率をεとすると真空中の電磁波の
伝播速度の1/√(ε)となる(巻線ターン導体を絶縁す
る油浸紙のε=4程度)。電磁波の伝播速度を考慮する
と、容量性電位分布により部分放電が発生した場所か
ら、電磁波検出器1まで電磁波が伝播する時間は無視で
きる。そのため、容量性電位分布による電磁波をトリガ
ーとした巻線ターン導体を伝播する電流を検出した時間
tは、部分放電が発生した場所から電流検出器2まで、
電流が巻線ターン導体を伝播する時間となる。
【0025】図2の(a)(b)ではもとの部分放電の波形
が一周期の正弦波パルスである場合に得られる容量性電
位分布による電磁波の信号と、巻線ターン導体を伝播し
てきた電流の信号を示す。更に図2の(c)では、これら
2つの信号の時間遅れの関係を示す。また、図3では電
磁波を基準のトリガーとし、電流信号のみを検出した場
合の信号を示す。
【0026】従って解析装置3では、巻線機器4の部分
放電による巻線内の容量性電位分布により伝播する電磁
波検出器1で検出される電磁波信号の検出時間を基準と
して、部分放電により巻線ターン導体に励起された電流
検出器2で検出される進行波電流の電流信号が検出され
るまでの時間から、巻線機器4内の部分放電の場所を同
定する。進行波電流の伝搬速度v、進行波電流の電流検
出器2までの到達時間をtとすると、部分放電発生場所
から電流検出器2までの巻線ターン導体の長さは、l=
vtと表せ、これから巻線機器4内の部分放電の場所を
同定できる。
【0027】実施の形態2.また、容量性電位分布によ
る電磁波と巻線ターン導体を伝播する電流は回路解析に
よりシミュレーションが可能であるため、回路解析によ
り得られた信号から部分放電の発生場所を評定する機能
を解析装置4にもたせることもできる。すなわち検出さ
れた信号が、回路解析において部分放電として電圧を印
加する位置を変えて得られた結果のどれと一致するかに
基づき、放電の場所を同定する。
【0028】巻線機器4として外鉄形変圧器巻線につい
て、巻線内の部分放電による容量性電位分布による電磁
波と巻線ターン導体を伝播する電流波形の解析回路を、
電磁波検出器1が電圧印加端付近にあり、巻線ターン導
体の電流検出のための電流検出器2であるロゴスキーコ
イルが接地端付近に設置した場合を一例として図4と図
5に示す。
【0029】図4は、この発明による容量性電位分布に
よる電磁波の波形を求める解析回路の一例を示す図であ
る。これは巻線内のコイル間の静電結合を考慮した容量
性電位分布を計算する回路である。図4でCm(1)は静
電板とコイル1の間の静電容量、Cm(i)(i>1)はコ
イル間の静電容量、Cg(i)はi番目のコイルの対地静
電容量である。また、Vは、部分放電により巻線ターン
導体に印加される電圧をあらわす。Zは、巻線と接続す
る負荷などのインピーダンス(外部インピーダンス)であ
る。電磁波検出器1は図2に示すように高電圧コイルの
電圧印加部にあるとする。このモデルでは、容量性電位
分布による波形はxの部分の電圧から得られる。
【0030】図5は、この発明による巻線ターン導体を
伝播する電流の波形を求める解析回路の一例を示す図で
ある。これは巻線ターン導体間の電圧を計算する回路と
して一枚一枚のコイルをそれぞれ1つの単導体伝送線路
であらわすモデルを示す。Eiはi番目のコイルに容量
性電位分布分でかかる電圧で、図4の回路から得られ
る。この電圧をそれぞれの単導体伝送線路のシースに印
加する。
【0031】接地端のコイルnのシース導体のアース側
の出口に電流検出のためのロゴスキーコイル(電流検出
器2)を設置していることより、解析ではyの電流波形
がロゴスキーコイルで得られる信号となる。
【0032】Vの印加の場所等をパラメータとして変え
ることにより、ここで得られた波形が検出器で検出され
た波形と一致するケースを見つけることにより、部分放
電の発生場所を同定する。
【0033】これらの解析はコンピュータで構成される
解析装置3によりプログラム制御に基づき行われる。
【0034】なお、この発明による上記各実施の形態に
よる巻線機器の部分放電検出装置は、変圧器のみならず
回転機や電動機等の各種電気機器に適用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、巻線機
器に設置されて巻線機器内の部分放電に起因して発生す
る電磁波を検出する電磁波検出器と、前記部分放電に起
因して発生する巻線ターン導体を伝播する電流を検出す
る電流検出器と、前記電磁波検出器で検出される巻線機
器の部分放電による巻線内の容量性電位分布による電磁
波信号の検出時間を基準として、前記電流検出器で検出
される部分放電により巻線ターン導体に励起された進行
波電流の電流信号が検出されるまでの時間から巻線機器
内の部分放電の場所を同定する解析装置と、を備えたこ
とを特徴とする巻線機器の部分放電検出装置としたの
で、正確な部分放電の位置評定が可能となる。
【0036】また、前記解析装置が、前記電磁波信号を
基準としてのトリガーとして用い、前記電流検出器で検
出される前記進行波電流の電流信号のみを測定すること
を特徴としたので、検出がより容易に行える。
【0037】また、前記解析装置は、前記電磁波検出器
および電流検出器により検出された電磁波および電流の
少なくとも一方の信号の大きさから巻線機器の絶縁劣化
を診断することを特徴としたので、巻線機器の絶縁劣化
診断も行える。
【0038】また、前記解析装置は、巻線機器の回路解
析により得られた電磁波および電流波形より部分放電の
発生個所を評定することを特徴としたので、回路解析の
結果と検出結果との比較により巻線機器内の部分放電の
場所の同定が行える。
【0039】また、前記巻線機器が変圧器、回転機およ
び電動機のいずれかからなることを特徴とするので、各
種電気機器において内部部分放電の場所の同定が行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態による巻線機器の部
分放電検出装置の構成の概略を示す図である。
【図2】 この発明による容量性電位分布による電磁波
の信号と巻線ターン導体を伝播する進行波電流の信号か
ら部分放電の場所を求める原理を説明するための図であ
る。
【図3】 この発明による容量性電位分布による電磁波
を基準トリガーとして電流波形を検出して得られる信号
の一例を示す図である。
【図4】 この発明による容量性電位分布による電磁波
の波形を求める解析回路の一例を示す図である。
【図5】 この発明による巻線ターン導体を伝播する電
流の波形を求める解析回路の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 電磁波検出器、2 電流検出器、3 解析装置、4
巻線機器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線機器に設置されて巻線機器内の部分
    放電に起因して発生する電磁波を検出する電磁波検出器
    と、 前記部分放電に起因して発生する巻線ターン導体を伝播
    する電流を検出する電流検出器と、 前記電磁波検出器で検出される巻線機器の部分放電によ
    る巻線内の容量性電位分布による電磁波信号の検出時間
    を基準として、前記電流検出器で検出される部分放電に
    より巻線ターン導体に励起された進行波電流の電流信号
    が検出されるまでの時間から巻線機器内の部分放電の場
    所を同定する解析装置と、 を備えたことを特徴とする巻線機器の部分放電検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記解析装置が、前記電磁波信号を基準
    としてのトリガーとして用い、前記電流検出器で検出さ
    れる前記進行波電流の電流信号のみを測定することを特
    徴とする請求項1に記載の巻線機器の部分放電検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記解析装置は、前記電磁波検出器およ
    び電流検出器により検出された電磁波および電流の少な
    くとも一方の信号の大きさから巻線機器の絶縁劣化を診
    断することを特徴とする請求項1または2に記載の巻線
    機器の部分放電検出装置。
  4. 【請求項4】 前記解析装置は、巻線機器の回路解析に
    より得られた電磁波および電流波形より部分放電の発生
    個所を評定することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の巻線機器の部分放電検出装置。
  5. 【請求項5】 前記巻線機器が変圧器、回転機および電
    動機のいずれかからなることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の巻線機器の部分放電検出装置。
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