JP2003238532A - N−ビニル−2−ピロリドンの精製方法 - Google Patents

N−ビニル−2−ピロリドンの精製方法

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JP2003238532A JP2002043111A JP2002043111A JP2003238532A JP 2003238532 A JP2003238532 A JP 2003238532A JP 2002043111 A JP2002043111 A JP 2002043111A JP 2002043111 A JP2002043111 A JP 2002043111A JP 2003238532 A JP2003238532 A JP 2003238532A
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vinyl
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distillation column
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Ittetsu Abe
一徹 阿部
Koji Yoshitoshi
孝司 吉年
Hitoshi Yano
斉 矢野
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 臭気成分を含まない精製されたN−ビニル−
2−ピロリドンの製造方法を提供する。 【解決手段】 N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2
−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−ビニル−
2−ピロリドンよりも高沸点のN−(2−ヒドロキシエ
チル)−2−ピロリドン以外の化合物、水及び臭気成分
を含有する原料液を蒸留して水及び臭気成分を留出液と
して留出させ、これらの化合物及び臭気成分を含有して
なる脱水液を調製し、該脱水液を更に蒸留することによ
って精製されたN−ビニル−2−ピロリドンを製造する
に際して、(1)該脱水液にN−ビニル−2−ピロリド
ンより低沸点化合物を添加して得られる液を蒸留する
か、或いは、(2)該脱水液から蒸留によって臭気成分
を含むN−ビニル−2−ピロリドンを留出液として留出
させ、該留出液にN−ビニル−2−ピロリドンより低沸
点化合物を添加して得られる液を蒸留する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−ビニル−2−
ピロリドンの精製方法に関するものである。N−ビニル
−2−ピロリドンは、医薬品、食品添加剤、パーソナル
ケア品等の原料として広範な用途のあるポリ−N−ビニ
ル−2−ピロリドンの原料モノマーとして有用な化合物
である。
【0002】
【従来の技術】N−ビニル−2−ピロリドンは、従来よ
り2−ピロリドンとアセチレンとを加圧下に液相でアル
カリ触媒の存在下に反応するレッペ法により工業生産さ
れている。ところが、レッペ法はアセチレンが高圧下で
爆発を起こす危険性があること、反応収率の低下を防ぐ
ために触媒調製工程や、2−ピロリドン転化率の制御な
どのような反応制御が複雑であることなどの種々の問題
を有している。
【0003】これに対して、アセチレンを用いないN−
ビニル−2−ピロリドンの製造方法として、γ−ブチロ
ラクトンとモノエタノールアミンとの反応によって収率
よく得られるN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロ
リドンを原料として用いる各種の方法が試みられてい
る。例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロ
リドンとオクチニルクロライドとの反応によって得られ
るN−(2−クロロエチル)−2−ピロリドンを脱塩化
水素する方法(米国特許第2775599号公報)や、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンと無水
酢酸との反応によって得られる酢酸エステル中間体を脱
酢酸する方法などが提案されている。しかし、これらの
中間体を経由する方法では、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ピロリドンと当量の副原料が必要である上
に、中間体製造費用も多大であり、しかも副原料由来の
副生成物が多量に発生するという問題があるので、これ
らは工業的な観点から優れた製造方法とはいえない。
【0004】そこで、上記問題点を解決する方法とし
て、特開平8−141402号公報では、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−ピロリドンを触媒の存在下に気
相で分子内脱水反応させることによって、N−ビニル−
2−ピロリドンを製造する方法が提案されている。該製
造方法における原料であるN−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ピロリドンは、γ−ブチロラクトンとモノエ
タノールアミンとの反応によって収率よく製造されるの
で、入手が容易でありしかも安価である。また、該製造
方法は、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリド
ン以外の原料を必要とせず、しかも触媒の種類や反応条
件を適宜選択することで、反応選択率を向上させること
ができる。
【0005】上記の製造方法によって得られる反応液
は、目的物であるN−ビニル−2−ピロリドン、副生成
物である水、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロ
リドンの分解生成物である2−ピロリドン、及び未反応
原料であるN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリ
ドン等からなる複雑な組成を有しており、この反応液か
らN−ビニル−2−ピロリドンを得るには、適当な回収
及び精製方法を行わなければならない。
【0006】そこで、上記反応液からN−ビニル−2−
ピロリドンを得るための方法として、特開2001−1
22854号公報では、N−ビニル−2−ピロリドン
と、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン
と、水とを含有する液から、連続的な蒸留によって精製
されたN−ビニル−2−ピロリドンを回収することので
きるN−ビニル−2−ピロリドンの回収方法が提案され
ている。しかし、この方法は、反応により副生する臭気
成分を除去することができないという問題を残すもので
あった。
【0007】一般的な回収、精製方法を行って得られる
N−ビニル−2−ピロリドンには、特表平8−5065
80号公報や特開平9−169724号公報に開示され
ているように、副生成物である不飽和炭化水素類、塩基
性化合物、ビニルエーテル化合物等の不純物を含有して
おり、これらは、医薬品や食品添加剤等の用途にとって
好ましくないものであるばかりでなく、製品の色相や臭
気に悪影響を及ぼしている。
【0008】そこで、上記問題点の解決法として、例え
ば、米国特許第5039817号公報には、酸性イオン
交換体で不純物を除去する方法が、また、特開平7−2
52221号公報には、有機カルボン酸の無水物を添加
して処理する方法等が開示されている。しかし、これら
の方法は、イオン交換体の再生や、副原料の使用やその
廃棄が必要であり、商業的に有利な方法ではない。ま
た、特表平8−506580号公報や特開平9−169
724号公報には、多段分別結晶法によりN−ビニル−
2−ピロリドンを精製する方法が開示されている。しか
し、この方法は、精製に特別な装置が必要であり、工程
も複雑であり、操作が煩雑であるという問題を有してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記のような従来技術の問題点を改良すること、具
体的には、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−ビニル−2−
ピロリドンよりも沸点の高いN−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−ピロリドン以外の化合物、水、及び臭気成分
を含有する液を、例えばN−(2−ヒドロキシエチル)
−2−ピロリドンの気相脱水反応による生成物を冷却捕
集して得られる液を、蒸留塔を用いて蒸留することによ
り、臭気成分を含まない精製されたN−ビニル−2−ピ
ロリドンを得ることが可能な方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
下記(1)及び(2)のいずれかの態様に従う方法によ
って達成することができる。
【0011】態様(1) N−ビニル−2−ピロリド
ン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高いN−(2
−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外の化合物、
水及び臭気成分を含有してなる原料液を蒸留して水及び
臭気成分を留出液として留出させることにより、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)
−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンよりも
沸点の高いN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリ
ドン以外の化合物及び臭気成分を含有してなる脱水液を
調製する工程;この脱水液にN−ビニル−2−ピロリド
ンよりも沸点の低い化合物の少なくとも1種を添加し、
得られた液を蒸留して臭気成分を上記添加化合物と共に
留出液として留出させることにより、N−ビニル−2−
ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロ
リドン及びN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高
いN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外
の化合物を含有する液を調製する工程;並びに、この液
を蒸留して精製されたN−ビニル−2−ピロリドンを留
出液として留出させる工程;から成ることを特徴とする
N−ビニル−2−ピロリドンの精製方法。
【0012】態様(2) N−ビニル−2−ピロリド
ン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高いN−(2
−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外の化合物、
水及び臭気成分を含有してなる原料液を蒸留して水及び
臭気成分を留出液として留出させることにより、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)
−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンよりも
沸点の高いN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリ
ドン以外の化合物及び臭気成分を含有してなる脱水液を
調製する工程;この脱水液を蒸留して臭気成分を含むN
−ビニル−2−ピロリドンを留出液として留出させる工
程;この留出液にN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸
点の低い化合物の少なくとも1種を添加し、得られた液
を蒸留して臭気成分を上記添加化合物と共に留出液とし
て留出させることにより、臭気成分の除去されたN−ビ
ニル−2−ピロリドンを調製する工程;並びに、この臭
気成分の除去されたN−ビニル−2−ピロリドンを蒸留
して精製されたN−ビニル−2−ピロリドンを留出液と
して留出させる工程;から成ることを特徴とするN−ビ
ニル−2−ピロリドンの精製方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体的に説明す
る。なお、以下の記載において、NVPはN−ビニル−
2−ピロリドンの略称であり、HEPはN−(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ピロリドンの略称である。
【0014】原料液 上記態様(1)及び(2)のいずれに従う場合も、原料
液としては、NVP、HEP、NVPよりも沸点の高い
HEP以外の化合物、水及び臭気成分を含有して成る液
が使用される。そのような液の具体例としては、前記の
特開平8−141402号公報に開示されたNVPの製
造方法(特定の触媒の存在下でHEPを気相脱水反応さ
せてNVPを得る方法)による反応生成物を冷却捕集す
ることによって得られる液が挙げられるが、特にこれに
限定されるものではない。NVPよりも沸点の高いHE
P以外の化合物とは、具体的には、2−ピロリドン、N
VPの二量体等のような所謂タール状物質を意味する
が、特にこれらに限定されるものではない。
【0015】態様(1)の方法 (i) 原料液から脱水液を調製するための蒸留(第1
段蒸留)工程は、次のような条件の下で実施される。 塔底液の温度:180℃以下、好ましくは、165℃以
下である。塔底液の温度が180℃より高い場合には、
塔底液に含まれているNVPの重合反応や熱分解が促進
され、NVPの回収率が低下する。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、通
常、2.67×104Pa(200mmHg)以下、好ま
しくは、2.00×104Pa(150mmHg)以下で
ある。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 連続的に蒸留を行う場合に蒸留する液の供給個所:特に
制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。 (ii) 脱水液にNVPよりも沸点の低い化合物を添
加して得られる液の蒸留(第2段蒸留)工程は、次のよ
うな条件の下で実施される。この蒸留工程は、脱臭効果
を上げるために、繰り返し実施することができる。 塔底液の温度:180℃以下、好ましくは、165℃以
下である。塔底液の温度が180℃より高い場合には、
塔底液に含まれているNVPの重合反応や熱分解が促進
され、NVPの回収率が低下する。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、通
常、2.67×104Pa(200mmHg)以下、好ま
しくは、2.00×104Pa(150mmHg)以下で
ある。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 回分蒸留の場合:NVPよりも沸点の低い化合物を脱水
液(NVP、HEP、NVPよりも沸点の高いHEP以
外の化合物及び臭気成分からなる液)に添加する方法と
しては、脱水液とNVPよりも沸点の低い化合物とを予
め混合した溶液を塔底部に仕込む方法あるいは脱水液と
NVPよりも沸点の低い化合物とをそれぞれ別々に塔底
部に仕込む方法が通常採られるが、これらに限られるも
のではない。 連続蒸留の場合:蒸留する液の供給個所については特に
制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。蒸留する液の供給方法も特に制限されないが、通
常、脱水液とNVPよりも沸点の低い化合物との混合溶
液を供給する方法あるいは脱水液とNVPよりも沸点の
低い化合物とをそれぞれ別々に供給する方法が採られ
る。NVPよりも沸点の低い化合物を添加する方法にも
格別の制限はなく、脱水液とNVPよりも沸点の低い化
合物とを予め混合する方法あるいは脱水液とNVPより
も沸点の低い化合物とを連続的に混合する(混合しなが
ら供給する)方法を採ることができる。 NVPよりも沸点の低い化合物:NVPよりも沸点の低
い化合物については、特に限定されないが、水酸基を有
する化合物あるいは常圧で150℃以下の沸点を有する
化合物が好ましい。水は、取扱い性、経済性及びそれ自
体が無臭であることから、特に好ましい。NVPに水酸
基を有する化合物たとえば水を一定量以上加えた場合、
希釈されることでNVPそのものの臭気は減少するけれ
ども、臭気成分の臭気が際立って感じられるという現象
を本発明者は観察している(後記の「臭気官能試験」参
照)。この現象は、NVPとの親和性が、該臭気成分よ
り水の方が強いために起こるものであろうと推測され
る。NVPより沸点の低い化合物として水酸基を有する
化合物が好ましいとされる理由はここにある。常圧で1
50℃以下の沸点を有する化合物が好ましいとされる理
由は、その蒸留分離の容易さにある。
【0016】NVPよりも沸点が低い化合物の具体例と
しては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンな
どのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼンなどのような芳香族炭化水素
類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのようなハロ
ゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、イソブタノール、t−ブタノールなどのよう
なアルコール化合物類;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタンなどのようなエーテル
化合物類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのようなケトン化合物類;ギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのような
エステル化合物類;更には、水、アセトニトリル、ニト
ロメタンなど、が挙げられる。
【0017】NVPよりも沸点の低い化合物の脱水液に
対する添加量は、脱水液の重量を基準として、0.03
〜1.0倍、好ましくは0.05〜0.7倍、更に好まし
くは0.1〜0.5倍とされる。0.03倍より少ない場
合には臭気成分の留出除去が十分にできなくなり、一
方、1.0倍より大きい場合には留出に多大なエネルギ
ーを使用するので経済的に不利となる。 (iii) 上記の第2段蒸留において臭気成分及び添
加化合物(NVPよりも沸点の低い化合物)を留出させ
ることによって得られる液の蒸留(第3段蒸留)工程
は、次のような条件の下で実施される。 塔底液の温度:230℃以下、好ましくは、210℃以
下である。塔底液の温度が230℃より高い場合には、
NVPの熱重合あるいは熱分解による回収率の低下、重
合物の付着による段効率低下や塔閉塞などの危険性が増
す。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、上記
問題点を回避し、塔底液温230℃以下で操作し得る圧
力は、通常、1.33×104Pa(100mmHg)以
下、好ましくは、0.67×104Pa(50mmHg)
以下である。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 連続的に蒸留を行う場合に蒸留する液の供給個所:特に
制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。 (iv) 上記の第1〜3段蒸留工程における蒸留塔
は、その形式に格別の制限はなく、通常、棚段塔または
充填塔などのような精留塔が使用される。塔の段数は、
蒸留する液の組成や還流比に応じて適宜に選択すること
ができるが、通常、理論段数3〜30程度である。
【0018】態様(2)の方法 (i) 脱水液を調製するための蒸留(第1段蒸留)工
程は、上記した態様(1)の方法における第1段蒸留工
程と同じである。 (ii) 脱水液の蒸留(第2段蒸留)工程は、次のよ
うな条件の下で実施される。 塔底液の温度:230℃以下、好ましくは、210℃以
下である。塔底液の温度が230℃より高い場合には、
NVPの熱重合あるいは熱分解による回収率の低下、重
合物の付着による段効率低下や塔閉塞などの危険性が増
す。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、上記
問題点を回避し、塔底液温230℃以下で操作し得る圧
力は、通常、1.33×104Pa(100mmHg)以
下、好ましくは、0.67×104Pa(50mmHg)
以下である。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 連続的に蒸留を行う場合に蒸留する液の供給個所:特に
制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。 (iii) 第2段蒸留で留出液として得られた臭気成
分を含むNVPにNVPよりも沸点の低い化合物を添加
して得られる液の蒸留(第3段蒸留)工程は、次のよう
な条件の下で実施される。この蒸留工程は、脱臭効果を
上げるために、繰り返し実施することができる。 塔底液の温度:180℃以下、好ましくは、165℃以
下である。塔底液の温度が180℃より高い場合には、
塔底液に含まれているNVPの重合反応や熱分解が促進
され、NVPの回収率が低下する。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、通
常、2.67×104Pa(200mmHg)以下、好ま
しくは、2.00×104Pa(150mmHg)以下で
ある。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 回分蒸留の場合:NVPよりも沸点の低い化合物を添加
する方法としては、臭気成分を含むNVPとNVPより
も沸点の低い化合物とを予め混合した溶液を塔底部に仕
込む方法あるいは、臭気成分を含むNVPとNVPより
も沸点の低い化合物とをそれぞれ別々に塔底部に仕込む
方法が通常採られるが、これらに限られるものではな
い。 連続蒸留の場合:蒸留する液の供給個所については、特
に制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。蒸留する液の供給方法としては、臭気成分を含むN
VPとNVPよりも沸点の低い化合物との混合溶液を供
給する方法、あるいは臭気成分を含むNVPとNVPよ
りも沸点の低い化合物とをそれぞれ別々に供給する方法
が通常採られるが、これらに限られるものではない。
【0019】NVPよりも沸点の低い化合物を加える方
法としては、臭気成分を含むNVPとNVPよりも沸点
の低い化合物とを予め混合する方法あるいは臭気成分を
含むNVPとNVPよりも沸点の低い化合物とを連続的
に混合する(混合しながら供給する)方法が採られる
が、これらに限られるものではない。 NVPよりも沸点の低い化合物:NVPよりも沸点の低
い化合物としては、態様(1)に関して例示した前記の
ものを使用することができる。NVPよりも沸点の低い
化合物の第2段蒸留で留出液として得られた臭気成分を
含むNVPに対する添加量は、この留出液の重量を基準
として、0.03〜1.0倍、好ましくは0.05〜0.7
倍、更に好ましくは0.1〜0.5倍とされる。0.03
倍より少ない場合には臭気成分の留出除去が十分にでき
なくなり、一方、1.0倍より大きい場合には留出に多
大なエネルギーを使用するので経済的に不利となる。 (iv) 第3段蒸留によって臭気成分を留出させるこ
とによって得られる臭気成分の除去されたNVPの蒸留
(第4段蒸留)工程は、製品NVPの色相改善等を目的
として行われるものであり、次のような条件の下で実施
される。 塔底液の温度:230℃以下、好ましくは、210℃以
下である。塔底液の温度が230℃より高い場合には、
NVPの熱重合あるいは熱分解による回収率の低下、重
合物の付着による段効率低下や塔閉塞などの危険性が増
す。 蒸留塔の操作圧力:蒸留する液の組成にもよるが、上記
問題点を回避し、塔底液温230℃以下で操作し得る圧
力は、通常、1.33×104Pa(100mmHg)以
下、好ましくは、0.67×104Pa(50mmHg)
以下である。 蒸留の形式:特に制限されないが、回分式や連続式の方
法を用いることができる。 連続的に蒸留を行う場合に蒸留する液の供給個所:特に
制限はなく、蒸留塔の任意の個所から行うことができ
る。 (v) 上記の第1〜4段蒸留工程における蒸留塔とし
ては、態様(1)に関して前記したと同様のものを使用
することができる。
【0020】
【実施例】[臭気官能試験]臭気成分を含むN−ビニル
−2−ピロリドンに水酸基を有する化合物、例えば、水
を一定量以上加えた場合、N−ビニル−2−ピロリドン
が希釈されることで、N−ビニル−2−ピロリドンその
ものの臭気が減少し、臭気成分の臭気が際立って感じら
れるという現象を本発明者は観察している。この現象
は、N−ビニル−2−ピロリドン中の臭気の官能試験に
利用することができる。後記の比較例における連続蒸留
塔Iからの留出液である臭気成分を含む純度99.8重
量%のN−ビニル−2−ピロリドンについて行われた臭
気官能試験の例を、以下に示す。すなわち、比較例にお
ける連続蒸留塔Iからの留出液と、その濃度が10重量
%になるように水で希釈した溶液とを用意し、それぞれ
の液を10人の被験者に嗅がせて、臭気を感じた被験者
の数を記録したところ、表1に示す結果が得られた。
【0021】
【表1】
【0022】上記表1に示したように、水で希釈した溶
液を用いる方が臭気の存在が際立って感じられる。それ
故、後記の実施例及び比較例における臭気官能試験で
は、検体として、留出液の10重量%水溶液を用いた。 [参考例(原料液及び脱水液の調製法)]炭酸セシウム
を球状シリカゲル(5〜10メッシュ)に含浸させ、空
気中800℃で焼成することによって、酸素を除く原子
比でCs1Si100なる組成の触媒を調製した。この触媒
5mlを内径10mmのステンレス製反応管に充填し、
該反応管を370℃の溶融塩浴に浸漬した。該反応管に
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンの分圧
が76mmHgになるように窒素で希釈した原料ガス
を、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンの
空間速度200h-1で供給して常圧で反応させ、得られ
る窒素を除く反応ガスを冷却捕集した。この捕集された
液は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロ
キシエチル)−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロ
リドンよりも沸点の高い化合物(但し、HEPを除
く)、水、及び臭気成分を含有している。この液を原料
液として使用し、下記の操作に従って脱水液を調製し
た。
【0023】図1に示す装置を用いて、上記の原料液を
連続的に蒸留した。タンク1からの原料液は連続蒸留塔
(第1段蒸留塔)Iにおいて蒸留され、塔頂から水及び
臭気成分が留出されて導管8を経て排出され、塔底から
缶出液として脱水液が得られる。連続蒸留塔Iは、内径
35mmのガラス管に充填物として直径35mmのステ
ンレス製スルーザーパッキンを濃縮部に4エレメント、
回収部に6エレメント充填したものを用いた。留出タン
ク3内の留出液の温度は10℃に保った。連続蒸留塔I
は、操作圧が1.33×104Pa(100mmHg)
で、還流比が1となるように留出タンク3から連続蒸留
塔Iに還流される留出液量を操作した。タンク1から連
続蒸留塔Iに供給する原料液の単位時間当たりの供給量
(以下、供給速度と記す)、連続蒸留塔Iから留出して
凝縮器4及び留出タンク3を経て導管8から抜き出され
る留出液の単位時間当たりの留出量(以下、留出速度と
記す)、連続蒸留塔Iから導管10を経て缶出した缶出
液(脱水液)の単位時間当たりの缶出量(以下、缶出速
度と記す)を、各液の組成と共に表2に示す。但し、表
2中のNVPはN−ビニル−2−ピロリドンを、HEP
はN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンを、
高沸点化合物はN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点
の高い化合物(但し、HEPを除く)を意味する。ま
た、連続蒸留塔Iの塔頂温度および塔底液温度を表3に
示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【実施例1】図2に示す装置を用いて、本発明の態様
(1)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)とその重量に対して0.19倍の水を
混合した溶液をタンク1から連続的に連続蒸留塔(第2
段蒸留塔)IIに供給した。連続蒸留塔IIは、内径3
5mmのガラス管に充填物として直径35mmのステン
レス製スルーザーパッキンを濃縮部に4エレメント、回
収部に6エレメント充填したものを用いた。連続蒸留塔
IIからの缶出液を導管13を経て連続蒸留塔(第3段
蒸留塔)IIIに供給した。連続蒸留塔IIIは、内径
50mmのガラス管に充填物として直径50mmのステ
ンレス製スルーザーパッキンを濃縮部に7エレメント、
回収部に7エレメント充填したものを用いた。留出タン
ク3及び6内の留出液の温度は10℃に保った。連続蒸
留塔IIは、操作圧が1.33×104Pa(100mm
Hg)で、還流比が1となるように留出タンク3から連
続蒸留塔IIに還流される留出液量を操作した。連続蒸
留塔IIIは、操作圧が1.33×103Pa(10mm
Hg)で、還流比が2となるように留出タンク6から連
続蒸留塔IIIに還流される留出液量を操作した。図中
の符号4及び7は凝縮器であり、11、15及び17は
排出導管である。連続蒸留塔II及び連続蒸留塔III
のそれぞれの供給速度、留出速度、及び缶出速度を各液
の組成と共に表4に示す。但し、表4中のNVPはN−
ビニル−2−ピロリドンを、HEPはN−(2−ヒドロ
キシエチル)−2−ピロリドンを、高沸点化合物はN−
ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高い化合物(但
し、HEPを除く)を意味する。また、連続蒸留塔II
及びIIIの塔頂温度及び塔底液温度を表5に示す。さ
らに、連続蒸留塔IIIの留出液の臭気官能試験結果を
表6に示す。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IIIからの留出液)の純
度は、99.9重量%であった。
【0031】
【実施例2】図2に示す装置を用いて、本発明の態様
(1)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)とその重量に対して0.25倍のメタ
ノールを混合した溶液をタンク1から連続蒸留塔(第2
段蒸留塔)IIに連続的に供給した。連続蒸留塔II及
びIIIとしては実施例1と同様の構成のものを使用
し、留出タンク3及び6内の留出液の温度を10℃に保
った。連続蒸留塔IIは、操作圧が1.33×104Pa
(100mmHg)で、還流比が0.5となるように留
出タンク3から連続蒸留塔IIに還流される留出液量を
操作した。連続蒸留塔(第3段蒸留塔)IIIは、操作
圧が1.33×103Pa(10mmHg)で、還流比が
2となるように留出タンク6から連続蒸留塔IIIに還
流される留出液量を操作した。連続蒸留塔II及びII
Iのそれぞれの供給速度、留出速度、及び缶出速度を各
液の組成と共に表7に示す。但し、表7中のNVPはN
−ビニル−2−ピロリドンを、HEPはN−(2−ヒド
ロキシエチル)−2−ピロリドンを、高沸点化合物はN
−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高い化合物(但
し、HEPを除く)を意味する。また、連続蒸留塔II
及びIIIの塔頂温度及び塔底液温度を表8に示す。さ
らに、連続蒸留塔IIIの留出液の臭気官能試験結果を
表9に示す。
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IIIからの留出液)の純
度は、99.9重量%であった。
【0036】
【実施例3】図2に示す装置を用いて、本発明の態様
(1)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)とその重量に対して0.29倍の水お
よび0.14倍の1,2−ジメトキシエタンを混合した溶
液をタンク1から連続蒸留塔(第2段蒸留塔)IIに連
続的に供給した。連続蒸留塔(第2段蒸留塔)II及び
連続蒸留塔(第3段蒸留塔)IIIとしては実施例1と
同様のものを使用し、留出タンク3及び6内の留出液の
温度を10℃に保った。連続蒸留塔IIは、操作圧が
1.33×104Pa(100mmHg)で、還流比が
0.4となるように留出タンク3から連続蒸留塔IIに
還流される留出液量を操作した。連続蒸留塔IIIは、
操作圧が1.33×103Pa(10mmHg)で、還流
比が1.5となるように留出タンク6から連続蒸留塔I
IIに還流される留出液量を操作した。連続蒸留塔II
及びIIIのそれぞれの供給速度、留出速度、及び缶出
速度を各液の組成と共に表10に示す。但し、表10中
のNVPはN−ビニル−2−ピロリドンを、HEPはN
−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンを、高沸
点化合物はN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高
い化合物(但し、HEPを除く)を意味する。また、連
続蒸留塔II及びIIIの塔頂温度及び塔底液温度を表
11に示す。さらに、連続蒸留塔IIIの留出液の臭気
官能試験結果を表12に示す。
【0037】
【表10】
【0038】
【表11】
【0039】
【表12】
【0040】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IIIからの留出液)の純
度は、99.9重量%であった。
【0041】
【実施例4】図3に示す装置を用いて、本発明の態様
(2)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)を連続的に蒸留した。連続蒸留塔(第
2段蒸留塔)IIとして、内径50mmのガラス管に充
填物として直径50mmのステンレス製スルーザーパッ
キンを濃縮部に7エレメント、回収部に7エレメント充
填したものを用いた。連続蒸留塔(第3段蒸留塔)II
Iとして、内径35mmのガラス管に充填物として直径
35mmのステンレス製スルーザーパッキンを濃縮部に
4エレメント、回収部に6エレメント充填したものを用
いた。連続蒸留塔(第4段蒸留塔)IVとして、内径5
0mmのガラス管に充填物として直径50mmのステン
レス製スルーザーパッキンを濃縮部に7エレメント、回
収部に7エレメント充填したものを用いた。留出タンク
3、6及び9内の留出液の温度は10℃に保った。連続
蒸留塔IIは、操作圧が1.33×103Pa(10mm
Hg)で、還流比が1となるように留出タンク3から連
続蒸留塔IIに還流される留出液量を操作した。連続蒸
留塔IIIは、操作圧が1.33×104Pa(100m
mHg)で、還流比が1となるように留出タンク6から
連続蒸留塔IIIに還流される留出液量を操作した。連
続蒸留塔IVは、操作圧が1.33×103Pa(10m
mHg)で、還流比が1となるように留出タンク9から
連続蒸留塔IVに還流される留出液量を操作した。連続
蒸留塔IIから導管14を経て排出された留出液とその
重量に対して0.33倍の水とを導管14及び17によ
って混合した溶液を連続的に連続蒸留塔IIIに供給
し、連続蒸留塔IIIからの缶出液を導管21を経て連
続蒸留塔IVに供給し、連続蒸留塔IVの塔頂から導管
23を経て、留出液として、N−ビニル−2−ピロリド
ンを得た。図において、4、7及び10は凝縮器であ
り、16、19及び25は排出管である。連続蒸留塔I
I、III及びIVのそれぞれの供給速度、留出速度、
及び缶出速度を各液の組成と共に表13に示す。但し、
表13中のNVPはN−ビニル−2−ピロリドンを、H
EPはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン
を、高沸点化合物はN−ビニル−2−ピロリドンよりも
沸点の高い化合物(但し、HEPを除く)を意味する。
また、連続蒸留塔II、III及びIVのそれぞれの塔
頂温度及び塔底液温度を表14に示す。さらに、連続蒸
留塔IVの留出液の臭気官能試験結果を表15に示す。
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
【0044】
【表15】
【0045】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IVからの留出液)の純度
は、99.9重量%であった。
【0046】
【実施例5】図3に示す装置を用いて、本発明の態様
(2)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)を連続的に蒸留した。連続蒸留塔I
I、III及びIVとしては実施例4と同様の構成のも
のを使用し、留出タンク3、6及び9内の留出液の温度
を10℃に保った。連続蒸留塔IIは、操作圧が1.3
3×103Pa(10mmHg)で、還流比が1となる
ように留出タンク3から連続蒸留塔IIに還流される留
出液量を操作した。連続蒸留塔IIIは、操作圧が1.
33×104Pa(100mmHg)で、還流比が0.5
となるように留出タンク6から連続蒸留塔IIIに還流
される留出液量を操作した。連続蒸留塔IVは、操作圧
が1.33×103Pa(10mmHg)で、還流比が1
となるように留出タンク9から連続蒸留塔IVに還流さ
れる留出液量を操作した。連続蒸留塔IIから導管14
を経て排出された留出液とその重量に対して0.43倍
のメタノールとを導管14及び17によって混合した溶
液を連続的に連続蒸留塔IIIに供給し、連続蒸留塔I
IIからの缶出液を導管21を経て連続蒸留塔IVに供
給し、連続蒸留塔IVの塔頂から導管23を経て、留出
液として、N−ビニル−2−ピロリドンを得た。連続蒸
留塔II、III、及びIVのそれぞれの供給速度、留
出速度、及び缶出速度を各液の組成と共に表16に示
す。但し、表16中のNVPはN−ビニル−2−ピロリ
ドンを、HEPはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−
ピロリドンを、高沸点化合物はN−ビニル−2−ピロリ
ドンよりも沸点の高い化合物(但し、HEPを除く)を
意味する。また、連続蒸留塔II、III、及びIVの
それぞれの塔頂温度及び塔底液温度を表17に示す。さ
らに、連続蒸留塔IVの留出液の臭気官能試験結果を表
18に示す。
【0047】
【表16】
【0048】
【表17】
【0049】
【表18】
【0050】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IVからの留出液)の純度
は、99.9重量%であった。
【0051】
【実施例6】図3に示す装置を用いて、本発明の態様
(2)に従う方法を実施した。参考例において得られた
缶出液(脱水液)を連続的に蒸留した。連続蒸留塔I
I、III及びIVとしては実施例4と同様の構成のも
のを使用し、留出タンク3、6及び9内の留出液の温度
を10℃に保った。連続蒸留塔IIは、操作圧が1.3
3×103Pa(10mmHg)で、還流比が1となる
ように留出タンク3から連続蒸留塔IIに還流される留
出液量を操作した。連続蒸留塔IIIは、操作圧が1.
33×104Pa(100mmHg)で、還流比が1と
なるように留出タンク6から連続蒸留塔IIIに還流さ
れる留出液量を操作した。連続蒸留塔IVは、操作圧が
1.33×103Pa(10mmHg)で、還流比が1と
なるように留出タンク9から連続蒸留塔IVに還流され
る留出液量を操作した。連続蒸留塔IIから導管14を
経て排出された留出液とその重量に対して0.2倍の水
および0.13倍の1,2−ジメトキシエタンとを導管1
4及び17によって混合した溶液を連続的に連続蒸留塔
IIIに供給し、連続蒸留塔IIIからの缶出液を導管
21を経て連続蒸留塔IVに供給し、連続蒸留塔IVの
塔頂から導管23を経て、留出液として、N−ビニル−
2−ピロリドンを得た。連続蒸留塔II、III、及び
IVのそれぞれの供給速度、留出速度、及び缶出速度を
各液の組成と共に表19に示す。但し、表19中のNV
PはN−ビニル−2−ピロリドンを、HEPはN−(2
−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンを、高沸点化合
物はN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高い化合
物(但し、HEPを除く)を意味する。また、連続蒸留
塔II、III、及びIVのそれぞれの塔頂温度及び塔
底液温度を表20に示す。さらに、連続蒸留塔IVの留
出液の臭気官能試験結果を表21に示す。
【0052】
【表19】
【0053】
【表20】
【0054】
【表21】
【0055】以上のようにして精製されたN−ビニル−
2−ピロリドン(連続蒸留塔IVからの留出液)の純度
は、99.9重量%であった。
【0056】
【比較例】参考例において調製された缶出液(脱水液)
を、図1のものと同様に構成された蒸留装置を用いて連
続的に蒸留した。該蒸留装置は、連続蒸留塔Iが内径5
0mmのガラス管に充填物として直径50mmのステン
レス製スルーザーパッキンを濃縮部に7エレメント、回
収部に7エレメント充填したものであること以外は参考
例で使用した蒸留装置と同じである。留出タンク3内の
留出液の温度は10℃に保った。連続蒸留塔Iは、操作
圧が1.33×103Pa(10mmHg)で、還流比が
1となるように留出タンク3から連続蒸留塔Iに還流さ
れる留出液量を操作した。連続蒸留塔Iの供給速度、留
出速度、及び缶出速度を各液の組成と共に表22に示
す。但し、表22中のNVPはN−ビニル−2−ピロリ
ドンを、HEPはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−
ピロリドンを、高沸点化合物はN−ビニル−2−ピロリ
ドンよりも沸点の高い化合物(但し、HEPを除く)を
意味する。また、連続蒸留塔Iの塔頂温度及び塔底液温
度を表23に示す。連続蒸留塔Iからの留出液及びその
10重量%水溶液についての臭気官能試験結果は、前記
の表1に示したとおり、好ましいものではなかった。
【0057】
【表22】
【0058】
【表23】
【0059】以上のようにして得られた連続蒸留塔Iか
らの留出液中のN−ビニル−2−ピロリドン純度は、9
9.8重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例及び比較例において用いられた蒸留装置
の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1〜3において用いられた蒸留装置の概
略の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例4〜6において用いられた蒸留装置の概
略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・タンク I、II、III及びIV・・・連続蒸留塔 3、6及び9・・・留出タンク 4、7及び10・・・凝縮器 8、10、11、13、14、15、16、17、19、21、2
3及び25・・・導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 斉 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4C069 AB12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2
    −ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−ビニル−
    2−ピロリドンよりも沸点の高いN−(2−ヒドロキシ
    エチル)−2−ピロリドン以外の化合物、水及び臭気成
    分を含有してなる原料液を蒸留して水及び臭気成分を留
    出液として留出させることにより、N−ビニル−2−ピ
    ロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリ
    ドン、N−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高いN
    −(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外の化
    合物及び臭気成分を含有してなる脱水液を調製する工
    程;この脱水液にN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸
    点の低い化合物の少なくとも1種を添加し、得られた液
    を蒸留して臭気成分を上記添加化合物と共に留出液とし
    て留出させることにより、N−ビニル−2−ピロリド
    ン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン及
    びN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高いN−
    (2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外の化合
    物を含有する液を調製する工程;並びに、 この液を蒸留して精製されたN−ビニル−2−ピロリド
    ンを留出液として留出させる工程;から成ることを特徴
    とするN−ビニル−2−ピロリドンの精製方法。
  2. 【請求項2】 N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2
    −ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−ビニル−
    2−ピロリドンよりも沸点の高いN−(2−ヒドロキシ
    エチル)−2−ピロリドン以外の化合物、水及び臭気成
    分を含有してなる原料液を蒸留して水及び臭気成分を留
    出液として留出させることにより、N−ビニル−2−ピ
    ロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリ
    ドン、N−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の高いN
    −(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン以外の化
    合物及び臭気成分を含有してなる脱水液を調製する工
    程;この脱水液を蒸留して臭気成分を含むN−ビニル−
    2−ピロリドンを留出液として留出させる工程;この留
    出液にN−ビニル−2−ピロリドンよりも沸点の低い化
    合物の少なくとも1種を添加し、得られた液を蒸留して
    臭気成分を上記添加化合物と共に留出液として留出させ
    ることにより、臭気成分の除去されたN−ビニル−2−
    ピロリドンを調製する工程;並びに、 この臭気成分の除去されたN−ビニル−2−ピロリドン
    を蒸留して精製されたN−ビニル−2−ピロリドンを留
    出液として留出させる工程;から成ることを特徴とする
    N−ビニル−2−ピロリドンの精製方法。
  3. 【請求項3】 上記原料液が、N−(2−ヒドロキシエ
    チル)−2−ピロリドンの気相脱水反応生成物を冷却す
    ることによって捕集された液である、請求項1又は2に
    記載の方法。
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